(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】ポンプ組立体及び流体機械
(51)【国際特許分類】
F04B 27/06 20060101AFI20240805BHJP
F04B 9/02 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
F04B27/06
F04B9/02 C
(21)【出願番号】P 2022581019
(86)(22)【出願日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2021110103
(87)【国際公開番号】W WO2022142338
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】202011590433.9
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516164151
【氏名又は名称】珠海格力▲電▼器股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GREE ELECTRIC APPLIANCES, INC. OF ZHUHAI
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】胡 余生
(72)【発明者】
【氏名】魏 会軍
(72)【発明者】
【氏名】徐 嘉
(72)【発明者】
【氏名】杜 忠誠
(72)【発明者】
【氏名】任 麗萍
(72)【発明者】
【氏名】李 直
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111022321(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 27/06
F04B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ組立体であって、
回転軸(30)と、
ピストン(20)と、を含み、
前記ピストン(20)は摺動孔(2011)を有し、前記回転軸(30)の少なくとも一部は前記摺動孔(2011) 内を貫通するように設けられ
て前記摺動孔(2011)を2つのキャビティに分割し、前記ピストン(20)が前記回転軸(30)と共に回動する過程で、前記摺動孔(2011)は前記回転軸(30)に摺動可能に嵌合され、
前記ピストン(20)は前記摺動孔(2011)に連通するピストン連通通路を備え
、前記ピストン連通通路は、前記摺動孔(2011)の内壁により押し出される油液が前記2つのキャビティの間で移動することを実現するように構成され、
前記回転軸(30)の軸方向で、前記ピストン(20)の端面にはピストン連通溝(2021)が設けられ、前記ピストン連通溝(2021)は前記ピストン(20)の摺動方向に沿って延在し、前記ピストン連通溝(2021)は前記ピストン連通通路を形成するポンプ組立体。
【請求項2】
前記ピストン連通通路は複数であ
る請求項1に記載のポンプ組立体。
【請求項3】
前記ピストン連通通路の数は4以下である請求項2に記載のポンプ組立体。
【請求項4】
前記ピストン(20)の同一端の前記端面で、前記摺動孔(2011)の、対向配置された1組の2本のエッジには少なくとも1つの前記ピストン連通溝(2021)がそれぞれ設けられる請求項
1に記載のポンプ組立体。
【請求項5】
前記回転軸(30)の軸方向に沿って、前記ピストン(20)の天井部端面及び底部端面には何れも前記ピストン連通溝(2021)が設けられる請求項
1に記載のポンプ組立体。
【請求項6】
前記ピストン連通溝(2021)を境界とし、前記ピストン連通溝(2021)が所在する側の端面は第1表面P1と第2表面P2とを含み、前記第1表面P1は前記ピストン連通溝(2021)と、所在する側の前記摺動孔(2011)のエッジとの間の領域に位置し、前記第2表面P2は、前記ピストン連通溝(2021)と、前記ピストン(20)の外側エッジとの間の領域に位置し、
前記第1表面P1と前記第2表面P2との
、前記回転軸(30)の軸方向における高さの差は0.1mmである請求項
1に記載のポンプ組立体。
【請求項7】
前記ピストン連通溝(2021)と、所在する側の前記ピストン(20)の端面の外側エッジとの間の距離L2は2mm以上である請求項
1に記載のポンプ組立体。
【請求項8】
前記ピストン(20)の摺動孔(2011)内には可撓性溝(2023)がさらに設けられ、前記可撓性溝(2023)は前記回転軸(30)の軸方向に沿って延在し、その端部は前記ピストン連通溝(2021)に連通する請求項
1に記載のポンプ組立体。
【請求項9】
前記可撓性溝(2023)は複数であり、前記摺動孔(2011)内には、前記摺動孔(2011)の孔壁面から突出する摺動突起(2022)が形成されるように、同一の前記ピストン連通溝(2021)の両端には1つの前記可撓性溝(2023)がそれぞれ設けられる請求項
8に記載のポンプ組立体。
【請求項10】
前記摺動突起(2022)の、前記摺動孔(2011)の中間部に対向する側の表面は摺動面(2024)であり、
前記摺動面(2024)は平面である請求項
9に記載のポンプ組立体。
【請求項11】
前記回転軸(30)の軸方向に沿って、前記可撓性溝(2023)の端部は前記ピストン(20)の両端の端面を貫通する請求項
8に記載のポンプ組立体。
【請求項12】
前記可撓性溝(2023)の、前記摺動孔(2011)の中間部に近接する側の表面と、前記可撓性溝(2023)の、前記摺動孔(2011)内に所在する側の孔壁面との間の夾角Aは10度~30度である請求項
8に記載のポンプ組立体。
【請求項13】
前記摺動孔(2011)の中間部に近接する方向に沿って、前記可撓性溝(2023)は順に接続された第1溝表面と第2溝表面とを含み、前記第1溝表面と前記摺動孔(2011)の孔壁面との間は第1移行フィレット∠1を有し、前記第2溝表面と前記第1溝表面との間は第2移行フィレット∠2を有し、前記第2溝表面の、前記第1溝表面から離れた側のエッジは第3移行フィレット∠3を有する請求項
8に記載のポンプ組立体。
【請求項14】
前記ピストン連通溝(2021)の
、前記回転軸(30)の軸方向における深さH2は、前記ピストン(20)の
、摺動方向における幅W1の3%~50%を占める請求項
1に記載のポンプ組立体。
【請求項15】
シリンダライナ(40)と、
前記シリンダライナ(40)内に回動可能に設けられたシリンダ(10)と、をさらに含み、前記シリンダ(10)にはその径方向に沿って延在するピストン孔(106)が開けられ、前記ピストン(20)は前記ピストン孔(106)内に摺動可能に設けられ、前記回転軸(30)は前記ピストン(20)を貫通して、前記ピストン孔(106)の延在方向に沿って往復運動させるように前記ピストン(20)を駆動し、前記シリンダ(10)は前記ピストン(20)を回動させるように回動する請求項1~
14の何れか1項に記載のポンプ組立体。
【請求項16】
流体機械であって、請求項1~
14の何れか1項に記載のポンプ組立体を含む流体機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願>
本開示は、中国出願番号が202011590433.9であり、出願日が2020年12月29日である出願を基礎とするとともに、その優先権を主張し、当該中国出願の開示内容は本開示に援用されている。
【0002】
本開示は、ロータリ圧縮機に関連する技術分野に関し、具体的には、ポンプ組立体及び流体機械に関する。
【背景技術】
【0003】
ロータリ圧縮機を例にとると、ロータリ圧縮機は新規容積式圧縮機である。そのシリンダ及び回転軸はそれぞれの中心の周りを回転し、ピストンはシリンダ及び回転軸に対して同時に往復運動する。ピストンの、シリンダに対する往復運動によって、容積室が周期的に大きくなったり小さくなることを実現し、シリンダの、シリンダライナに対する円運動によって、容積室が吸気通路、排気通路にそれぞれ連通することを実現し、以上の2つの複合運動は、圧縮機の吸気、圧縮、及び排気過程を実現する。
【0004】
圧縮機に対する効率・省エネ要求がますます高くなるに伴って、圧縮機の効率をさらに向上させ、省エネ・排出削減を実現するために、ロータリ圧縮機の構造に対して最適化設計を行う必要がある。現在、ロータリ圧縮機の運転過程で、回転軸はピストンの内部の摺動孔を2つのキャビティに分割して、ポンプ組立体の回転軸がピストンに対して摺動する時、摺動孔の2つのキャビティは周期的に大きくなったり小さくなったりして、ピストンの摺動孔の内壁が摺動孔内部の油液を押し出すことで、油液を2つのキャビティの内部で移動させ、油押出の過程を実現する。しかし、圧縮機の実際の運転過程で、ピストンの摺動孔の内壁が油液を押し出した時、油液の円滑性を阻害し、油押出の過程で、油液はピストン及び回転軸の消費電力を増加させ、さらに、ロータリ圧縮機のポンプ組立体の消費電力を増加させる。
【0005】
以上から分かるように、現在、ロータリ圧縮機の使用過程で、ピストンが油液の流通を阻害するという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術におけるロータリ圧縮機の使用過程で、ピストンが油液の流通を阻害するという問題を改善するために、本開示は、ポンプ組立体及び流体機械を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本開示の1つの態様によれば、ポンプ組立体を提供し、回転軸と、ピストンと、を含み、ピストンは摺動孔を有し、回転軸の少なくとも一部は摺動孔内を貫通するように設けられ、ピストンが回転軸と共に回動する過程で、摺動孔が回転軸に摺動可能に嵌合され、ピストンは摺動孔に連通するピストン連通通路を備える。
【0008】
いくつかの実施例において、ピストン連通通路は複数であり、複数のピストン連通通路は摺動孔の孔壁面に設けられ、及び/又は、複数のピストン連通通路はピストンの、回転軸の軸方向に位置する端面に設けられる。
【0009】
いくつかの実施例において、ピストン連通通路の数は4以下である。
【0010】
いくつかの実施例において、摺動孔の孔壁面にはピストン連通溝が設けられ、ピストン連通溝はピストンの摺動方向に沿って延在し、ピストン連通通路を形成する。
【0011】
いくつかの実施例において、ピストン連通溝の各箇所の深さは同じである。
【0012】
いくつかの実施例において、ピストンの摺動方向において、ピストン連通溝の深さH2はピストン連通溝の両端からピストン連通溝の中間部まで徐々に深くなっている。
【0013】
いくつかの実施例において、ピストン連通溝は三日月形溝である。
【0014】
いくつかの実施例において、回転軸の軸方向において、ピストンの端面にはピストン連通溝が設けられ、ピストン連通溝はピストンの摺動方向に沿って延在し、ピストン連通通路を形成する。
【0015】
いくつかの実施例において、ピストンの同一端の端面で、摺動孔の、対向配置された1組の2本のエッジには少なくとも1つのピストン連通溝がそれぞれ設けられる。
【0016】
いくつかの実施例において、回転軸の軸方向に沿って、ピストンの天井部端面及び底部端面には何れもピストン連通溝が設けられる。
【0017】
いくつかの実施例において、ピストン連通溝を境界とし、ピストン連通溝が所在する側の端面は第1表面P1と第2表面P2とを含み、第1表面P1は、ピストン連通溝と、所在する側の摺動孔のエッジとの間の領域に位置し、第2表面P2は、ピストン連通溝と、ピストンの外側エッジとの間の領域に位置する。
【0018】
いくつかの実施例において、第1表面P1と第2表面P2との高さの差は0.1mmに等しい。
【0019】
いくつかの実施例において、ピストン連通溝と、所在する側のピストンの端面の外側エッジとの間の距離L2は2mm以上である。
【0020】
いくつかの実施例において、ピストンの摺動孔内には可撓性溝がさらに設けられ、可撓性溝は回転軸の軸方向に沿って延在し、その端部はピストン連通溝に連通する。
【0021】
いくつかの実施例において、可撓性溝はピストン連通溝の端部に位置する。
【0022】
いくつかの実施例において、可撓性溝は複数であり、摺動孔内には、摺動孔の孔壁面から突出する摺動突起が形成されるように、同一ピストン連通溝の両端には1つの可撓性溝がそれぞれ設けられる。
【0023】
いくつかの実施例において、摺動突起の、摺動孔の中間部に対向する側の表面は摺動面である。
【0024】
いくつかの実施例において、摺動面は平面である。
【0025】
いくつかの実施例において、回転軸の軸方向に沿って、可撓性溝の端部はピストンの両端の端面を貫通する。
【0026】
いくつかの実施例において、可撓性溝の長さH3は2mm以上7mm以下である。
【0027】
いくつかの実施例において、可撓性溝の、摺動孔の中間部に近接する側の表面と、可撓性溝の、摺動孔内に所在する側の孔壁面との間の夾角Aは10度~30度である。
【0028】
いくつかの実施例において、摺動孔の中間部に近接する方向に沿って、可撓性溝は順に接続された第1溝表面と第2溝表面とを含み、第1溝表面と摺動孔の孔壁面との間は第1移行フィレット∠1を有し、第2溝表面と第1溝表面との間は第2移行フィレット∠2を有し、第2溝表面の、第1溝表面から離れた側のエッジは第3移行フィレット∠3を有する。
【0029】
いくつかの実施例において、第1移行フィレット∠1は0.3度~1度であり、及び/又は第2移行フィレット∠2は0.3度~1度であり、及び/又は第3移行フィレット∠3は0.5度~3度である。
【0030】
いくつかの実施例において、ピストン連通溝の幅H1は、ピストンの幅W1の1%~12%を占める。
【0031】
いくつかの実施例において、ピストン連通溝の深さH2は、ピストンの幅W1の3%~50%を占める。
【0032】
いくつかの実施例において、シリンダライナと、シリンダシリンダライナ内に回動可能に設けられたシリンダとを含み、その径方向に沿ってシリンダにはピストン孔が開けられ、ピストンはピストン孔内に摺動可能に設けられ、回転軸はピストンを貫通して、ピストン孔の延在方向に沿って往復運動させるようにピストンを駆動し、シリンダはピストンを回動させるように回動する。
【0033】
本開示の別の態様によれば、ポンプ組立体を含む流体機械を提供する。
【発明の効果】
【0034】
本開示の技術的解決策によれば、ポンプ組立体は回転軸及びピストンを含み、ピストンは摺動孔を有し、回転軸の少なくとも一部は摺動孔内を貫通するように設けられ、ピストンが回転軸と共に回動する過程で、摺動孔は回転軸に摺動可能に嵌合され、ピストンは摺動孔に連通するピストン連通通路を備える。
【0035】
以上の記載から分かるように、本開示の上記実施例において、ピストンの摺動孔内部にピストン連通通路を配置することで、油液の流通の円滑性を高め、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。現在、ロータリ圧縮機の運転過程で、ポンプ組立体の回転軸がピストンに対して摺動すると、ピストンの摺動孔の内壁が油液を押し出した時、油液の流通の円滑性を阻害し、ポンプ組立体の消費電力を増加させる。
【0036】
具体的には、回転軸はピストンの摺動孔を貫通して、ピストンの内部を2つのキャビティに分割して、ポンプ組立体の運動過程で、ピストンは回転軸に対して往復運動し、2つのキャビティは周期的に大きくなったり小さくなったりして、油押出の過程を実現し、ピストンの往復運動の過程で、ピストンの摺動孔の内壁が油液を押し出し、油液が2つのキャビティの間で移動することを実現する。ピストンには、摺動孔に連通する連通通路が設けられることで、油液の移動の円滑性を向上させ、ピストンが油液を押し出す時の抵抗を減少させ、回転軸及びピストンの、油押出過程での消費電力を低減させ、ポンプ組立体の消費電力を低下させる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本開示に対するさらなる理解を提供し、本開示の模式的な実施例及びその説明は本開示の不当な限定ではなく、本開示を解釈するためのものである。
【
図2】
図1の回転軸とピストンとの取付関係模式図である。
【
図3】本開示のピストンの摺動孔の孔壁面にピストン連通溝が設けられた模式図であり、ピストン連通溝は矩形溝である。
【
図4】本開示のピストンの摺動孔の孔壁面にピストン連通溝が設けられた模式図であり、ピストン連通溝は三日月形溝である。
【
図5】本開示のピストンの端面にピストン連通溝が設けられた模式図である。
【
図9】本開示のピストンの端面にピストン連通溝及び可撓性溝が設けられた模式図である。
【
図11】本開示のポンプ組立体における各部材の取付関係模式図である。
【
図13】本開示のシリンダに開けられる逃げ凹部の模式図である。
【
図16】本開示の回転軸に開けられる回転軸連通溝の模式図である。
【
図18】本開示の回転軸に開けられる回転軸流通孔の模式図である。
【
図19】本開示の回転軸の、摺動孔内に位置する軸セグメントの模式図である。
【
図20】本開示の回転軸、シリンダ及び下フランジの取付関係模式図である。
【
図21】本開示の回転軸とピストンとの取付関係模式図である。
【
図23】本開示の下フランジに開けられる逃げ凹部の構造模式図であり、逃げ凹部は三日月形であり、三日月形の外接円は下フランジと同一円心を有する。
【
図26】本開示の回転軸、シリンダ、下フランジ及びピストンがピストンの運動方向と垂直である方向に沿った軸方向の断面図である。
【
図27】本開示の回転軸、シリンダ、下フランジ及びピストンがピストンの運動方向に沿った軸方向の断面図である。
【
図28】本開示の下フランジに開けられる逃げ凹部の構造模式図であり、逃げ凹部は不規則形状である。
【
図29】本開示の下フランジに開けられる逃げ凹部の構造模式図であり、逃げ凹部は三日月形であり、三日月形の外接円は下フランジの円心と重ならない。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ここで、矛盾がなければ、本出願の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせてもよい。以下、図面を参照し、実施例を結合して、本開示を詳しく説明する。
【0039】
ここで、特に明記しない限り、本出願が使用する全ての技術・科学用語は、本出願の当業者の通常理解と同様の意味を有する。
【0040】
本開示において、特に断りのない限り、使用される方位用語、例えば「上、下、頂、底」は一般的に、図面の方向を指し、又は、部材自体が鉛直、垂直又は重力方向に位置することを指し、同じように、理解及び記載を容易にするために、「内、外」は、各部材自体の輪郭に対する内、外を指すが、上記方位用語は本開示を限定していない。
【0041】
従来技術におけるロータリ圧縮機の使用過程で、シリンダ10、ピストン20、回転軸30及びフランジ構造が油液の流通を阻害するという問題を改善するために、本出願はポンプ組立体及び流体機械を提供する。
【0042】
流体機械は以下のポンプ組立体を含む。具体的には、流体機械は圧縮機である。いくつかの実施例において、圧縮機はロータリ圧縮機である。
【0043】
従来技術におけるロータリ圧縮機の使用過程で、油液の流通を阻害するという問題を改善するために、ピストン20を最適化することで、ピストン20の、油液に対する阻害を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を低下させる。
【0044】
具体的には、
図1~
図10に示すように、ポンプ組立体は回転軸30及びピストン20を含み、ピストン20は摺動孔2011を有し、回転軸30の少なくとも一部は摺動孔2011内を貫通するように設けられ、ピストン20が回転軸30と共に回動する過程で、摺動孔2011は回転軸30に摺動可能に嵌合され、ピストン20は摺動孔2011に連通するピストン連通通路を有する。
【0045】
以上の記載から分かるように、本開示の上記実施例において、ピストン20の摺動孔2011内部にピストン連通通路を配置することで、油液の流通の円滑性を高め、ポンプ組立体の消費電力を低下させる。現在、ロータリ圧縮機の運転過程で、ポンプ組立体の回転軸30がピストン20に対して摺動すると、ピストン20の摺動孔2011の内壁が油液を押し出した時、油液の流通の円滑性を阻害し、ポンプ組立体の消費電力を増加させる。
【0046】
具体的には、回転軸30はピストン20の摺動孔2011を貫通して、ピストン20の内部を2つのキャビティに分割して、ポンプ組立体の運動過程で、ピストン20は回転軸30に対して往復運動し、2つのキャビティは周期的に大きくなったり小さくなったりして、油押出の過程を実現し、ピストン20の往復運動の過程で、ピストン20の摺動孔2011の内壁は油液を押し出し、油液の、2つのキャビティの間での移動を実現する。ピストン20には、摺動孔2011に連通するピストン連通通路が設けられることで、油液の移動の円滑性を向上させ、ピストン20が油液を押し出す時の抵抗を減少させ、回転軸30及びピストン20の、油押出過程での消費電力を低減させ、ポンプ組立体の消費電力を低下させる。
【0047】
いくつかの実施例において、ピストン連通通路の数は4以下であり、ピストン連通通路の数が4を超えると、ピストン20の強度に影響し、ピストン20の安定性の不足、油押出のパワーの低下を引き起こし、ポンプ組立体の全体的な運転効率に影響する。
【0048】
ここで、
図3~
図10の具体的な実施例において、ピストン連通通路の配置位置、及びピストン連通通路の形状の違いに応じて、多種の実施形態を有し、油押出過程でピストン20の、油液に対する阻害を減少できることが基準であるが、ここでは、一々挙げていない。
【0049】
以下、ピストン20に設けられたピストン連通通路の異なる構造に基づいて、
図3~
図10の多種の実施形態を提供する。
【0050】
図3の具体的な実施形態において、ピストン連通通路は摺動孔2011の孔壁面に設けられる。ピストン連通通路は、各箇所の深さが同じである矩形のピストン連通溝2021である。
【0051】
具体的には、ピストン20の摺動孔2011の孔壁面に矩形のピストン連通溝2021を配置し、ピストン連通溝2021はピストン20の摺動方向に沿って延在し、ピストン連通通路を形成することで、油液の流通経路を増加させ、ピストン20の摺動孔2011の孔壁面が油液を押し出した時、油液はピストン連通溝2021によって移動し、油液の移動の円滑性を向上させるとともに、ピストン20及び回転軸30の、油押出過程での消費電力を減少させる。
【0052】
図4の具体的な実施形態において、ピストン連通通路は摺動孔2011の孔壁面に設けられる。ピストン連通通路は三日月形のピストン連通溝2021である。
【0053】
ここで、ピストン20の摺動方向において、ピストン連通溝2021の深さH2はピストン連通溝2021の両端から、ピストン連通溝2021の中間部まで徐々に深くなって、三日月形のピストン連通溝2021を形成する。
【0054】
具体的には、ピストン20の摺動孔2011の孔壁面に三日月形のピストン連通溝2021を配置し、ピストン連通溝2021はピストン20の摺動方向に沿って延在し、ピストン連通通路を形成することで、油液の流通経路を増加させ、ピストン20の摺動孔2011の孔壁面が油液を押し出した時、油液はピストン連通溝2021によって移動し、油液の移動の円滑性を向上させるとともに、ピストン20及び回転軸30の、油押出過程での消費電力を減少させる。
【0055】
図5~
図8の具体的な実施形態において、ピストン連通通路は複数であり、複数のピストン連通通路はピストン20の、回転軸30の軸方向に位置する端面に設けられる。ピストン連通通路はピストン連通溝2021である。
【0056】
いくつかの実施例において、ピストン連通溝2021はピストン20の摺動方向に沿って延在し、ピストン連通通路を形成する。
【0057】
具体的には、ピストン20の回転軸30の軸方向の端面にピストン連通通路を配置することで、油液の流通経路を増加させ、ピストン20の摺動孔2011の孔壁面が油液を押し出した時、油液はピストン連通溝2021によって移動し、油液の移動の円滑性を向上させるとともに、ピストン20及び回転軸30の、油押出過程での消費電力を減少させる。
【0058】
図5~
図8に示すように、ピストン20の同一端の端面で、摺動孔2011の対向配置された1組の2本のエッジには少なくとも1つのピストン連通溝2021がそれぞれ設けられる。摺動孔2011の対向位置での2本のエッジにピストン連通溝2021を配置することで、ピストン20が油液を押し出した時、油液はピストン連通溝2021によって移動し、油液の移動の円滑性を向上させ、ポンプ組立体の消費電力を減少させる。
【0059】
図5~
図8に示すように、回転軸30の軸方向、ピストン20の天井部端面及び底部端面には何れもピストン連通溝2021が設けられる。ピストン20の天井部及び底部の端面にはピストン連通溝2021が設けられ、油液の流通経路を大きくして、ピストン20の摺動孔2011の内壁が油液を押し出した時、油液の移動の円滑性を向上させ、ポンプ組立体の消費電力を減少させる。
【0060】
図7に示すように、ピストン連通溝2021を境界とし、ピストン連通溝2021が所在する側の端面は第1表面P1と第2表面P2とを含み、第1表面P1は、ピストン連通溝2021と、所在する側の摺動孔2011のエッジとの間の領域に位置し、第2表面P2は、ピストン連通溝2021と、ピストン20の外側エッジとの間の領域に位置する。このように、ピストン20の運動過程で、第2表面P2はシリンダに接触することがなく、摩擦の発生を回避する。
【0061】
具体的には、第1表面P1と第2表面P2との高さの差は0.1mmに等しい。高さの差が0.1mmより大きいと、高さの差が大きすぎるため、ピストン20の強度に影響する恐れがある。高さの差が0.1mm未満であると、油液の流通性を効果的に向上させ、ポンプ組立体の油押出の過程での消費電力を減少させることができない。
【0062】
図6に示すように、ピストン連通溝2021と、所在する側のピストン20の端面の外側エッジとの間の距離L2は2mm以上である。ピストン連通溝2021と、所在する側のピストン20の端面の外側エッジとの間の距離が2mm未満であると、ピストン20の肉厚が小さすぎるため、ピストン20の強度に影響し、ピストン20の運転過程で損傷しやすく、ポンプ組立体が正常に運転できない。
【0063】
図9~
図10の具体的な実施形態において、ピストン連通通路は複数であり、複数のピストン連通通路はピストン20の、回転軸30の軸方向に位置する端面に設けられる。ピストン連通通路はピストン連通溝2021と可撓性溝2023とが係合する構造であり、可撓性溝2023はピストン20の摺動孔2011内に設けられるとともに、ピストン連通溝2021の端部に位置する。
【0064】
いくつかの実施例において、可撓性溝2023は回転軸30の軸方向に沿って延在し、その端部はピストン連通溝2021に連通する。
【0065】
具体的には、ピストン20の摺動孔2011にはピストン連通溝2021及び可撓性溝2023が設けられることで、油液の流通経路を大きくして、ピストン20の摺動孔2011の内壁が油液を押し出した時、油液の移動の円滑性を向上させ、油液の、ピストン20及び回転軸30に対する阻害を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0066】
図9~
図10に示すように、可撓性溝2023は複数であり、同一のピストン連通溝2021の両端には1つの可撓性溝2023がそれぞれ設けられ、回転軸30の軸方向に沿って、摺動孔2011内には、摺動孔2011の孔壁面から突出する摺動突起2022が形成されるように、可撓性溝2023の端部はピストン20の両端の端面を貫通する。
【0067】
具体的には、摺動突起2022の、摺動孔2011の中間部に対向する側の表面は摺動面2024であり、摺動面2024は平面であり、ポンプ組立体の運転過程で、摺動面2024は相対的に回転軸30に摺動可能に嵌合され、油押出の過程を実現する。ピストン連通溝2021と可撓性溝2023との係合によって、油液の移動の円滑性を向上させ、油液の、ピストン20及び回転軸30に対する阻害を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0068】
図10に示すように、可撓性溝2023の長さH3は2mm以上7mm以下である。可撓性溝2023の長さH3が2mm未満であると、可撓性溝2023が小さすぎるため、油液の円滑性の向上に不利である。可撓性溝2023の長さH3が7mmより大きいと、摺動突起2022の強度に影響し、回転軸30との摺動可能な嵌合の過程で、摺動突起2022は損傷しやすい。
【0069】
図10に示すように、可撓性溝2023の、摺動孔2011の中間部に近接する側の表面と、可撓性溝2023の、摺動孔2011内に所在する側の孔壁面との間の夾角Aは10度~30度である。夾角Aが大きすぎると、摺動突起2022の、可撓性溝2023が所在する箇所の強度に影響し、回転軸30との摺動可能な嵌合の過程で、摺動突起2022は損傷しやすい。夾角Aが小さすぎると、油液の移動時の円滑性を向上させ、油液の、ピストン20及び回転軸30に対する阻害を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させることができない。
【0070】
図10に示すように、摺動孔2011の中間部に近接する方向に沿って、可撓性溝2023は順に接続された第1溝表面と第2溝表面とを含み、第1溝表面と摺動孔2011の孔壁面との間は第1移行フィレット∠1を有し、第2溝表面と第1溝表面との間は第2移行フィレット∠2を有し、第2溝表面の、第1溝表面から離れた側のエッジは第3移行フィレット∠3を有する。
【0071】
具体的には、第1移行フィレット∠1は0.3度~1度であり、第2移行フィレット∠2は0.3度~1度であり、第3移行フィレット∠3は0.5度~3度である。フィレット及び対応する角度範囲を配置することで、油液の流通性を向上させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させると同時に、摺動突起2022の強度に影響することなく、フィレットの配置は、摺動突起2022が受けた集中応力を低減させ、油押出の過程で安定に運転できる。
【0072】
ここで、ピストン20は、通常の機械加工では加工を完了できない、内部に中空の大面積とハウジングを有する3D印刷の技術によって加工することもできる。摺動孔2011の内壁には不規則形状のピストン連通溝2021が設けられ、ピストン連通溝2021の幅1はピストン20の幅W1の12%~70%であり、ピストン連通溝2021の幅2はピストン20の幅W1の1%~12%であり、ピストン連通溝2021の肉厚は2mm~4mmである。
【0073】
図6に示すように、ピストン連通溝2021の幅H1は、ピストン20の幅W1の1%~12%を占める。具体的には、ピストン連通溝2021の幅H1が小さすぎると、油押出の過程での油液の移動の円滑性を効果的に向上させることができず、ポンプ組立体の消費電力を低減させるという効果を達成できない。ピストン連通溝2021の幅H1が大きすぎると、回転軸30の強度に影響し、回転軸30が、ピストン20に対して運動する過程で、回転軸30の破断現象が生じやすい。
【0074】
図3、
図5及び
図6に示すように、ピストン連通溝2021の深さH2は、ピストン20の幅W1の3%~50%を占める。具体的には、ピストン連通溝2021の深さH2が小さすぎると、油押出の過程での油液の移動の円滑性を効果的に向上させることができず、ポンプ組立体の消費電力を低減させるという効果を達成できない。ピストン連通溝2021の深さH2が大きすぎると、回転軸30の強度に影響し、回転軸30が、ピストン20に対して運動する過程で、回転軸30の破断現象が生じやすい。
【0075】
本開示のポンプ組立体はシリンダ10及びシリンダライナ40をさらに含み、シリンダ10はシリンダライナ40内に回動可能に設けられ、その径方向に沿って、シリンダ10にはピストン孔106が開けられ、ピストン20はピストン孔106内に摺動可能に設けられ、回転軸30はピストン20を貫通して、ピストン孔106の延在方向に沿って往復運動させるように、ピストン20を駆動し、シリンダ10はピストン20を回動させるように回動する。
【0076】
具体的には、回転軸30がピストン孔106の延在方向に沿って往復運動させるように、ピストン20を駆動する過程で、ピストン20は油液を押し出し、ポンプ組立体の油押出の過程を実現し、油液は、回転軸30、ピストン20及びシリンダ10から形成された2つのキャビティの内部で移動し、ピストン20にピストン連通通路を配置することで、油液の流動過程で、ピストン20の、油液の移動に対する阻害を減少させ、ポンプ組立体の油押出の過程での消費電力を低減させる。
【0077】
以上の記載から分かるように、本開示の上記の実施例は以下の技術的効果を実現する。即ち、
ピストン20の摺動孔2011の内部にピストン連通通路を配置することで、油液の流通の円滑性を高め、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。現在、ロータリ圧縮機の運転過程で、ポンプ組立体の回転軸30がピストン20に対して摺動すると、ピストン20の摺動孔2011の内壁が油液を押し出した時、油液の流通の円滑性を阻害し、ポンプ組立体の消費電力を増加させる。
【0078】
具体的には、回転軸30はピストン20の摺動孔2011を貫通して、ピストン20の内部を2つのキャビティに分割して、ポンプ組立体の運動過程で、ピストン20は回転軸30に対して往復運動し、2つのキャビティは周期的に大きくなったり小さくなったりして、油押出の過程を実現し、ピストン20の往復運動の過程で、ピストン20の摺動孔2011の内壁は油液を押し出し、油液の、2つのキャビティの間での移動を実現する。ピストン20には、摺動孔2011に連通する連通通路が設けられることで、油液の移動の円滑性を向上させ、ピストン20が油液を押し出す時の抵抗を減少させ、回転軸30及びピストン20の油押出の過程での消費電力を低減させ、ポンプ組立体の消費電力を低下させる。
【0079】
従来技術におけるロータリ圧縮機の使用過程で、油液の流通を阻害するという問題を改善するために、シリンダ10を最適化して、シリンダ10のストップ凸リング1011と回転軸30との隙間を小さくして、シリンダ10のストップ凸リング1011の、油液に対する阻害を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を低下させる。
【0080】
具体的には、
図11~
図15に示すように、ポンプ組立体はシリンダ10及び回転軸30を含み、シリンダ10は回動可能に設けられ、その軸方向に沿ってシリンダ10はストップ凸リング1011を有し、回転軸30はストップ凸リング1011を貫通してシリンダ10内に入り込んで、回転軸30と逃げ凹部1012との間には流通隙間が形成されるように、ストップ凸リング1011の、回転軸30に対向する側の内輪面には逃げ凹部1012が設けられる。
【0081】
以上の記載から分かるように、本開示の上記実施例において、シリンダ10のストップ凸リング1011の、回転軸30に対向する側の内輪面に逃げ凹部1012を配置することで、回転軸30とシリンダ10との間の流通隙間を大きくして、回転軸30及びピストン20が受けた油液の抵抗を低減させ、運転の安定性を向上させる。現在、従来のポンプ組立体の回転軸30、及びシリンダ10のストップ凸リング1011の内壁から形成された流通隙間が小さすぎるため、運動過程でピストン20及び回転軸30は油液によって阻害され、ピストン20及び回転軸30の油押出の消費電力を増加させ、回転軸30及びピストン20の安定性に影響する。
【0082】
具体的には、回転軸30がシリンダ10を貫通し、回転軸30と、シリンダ10のストップ凸リング1011の内輪面との間には流通隙間が形成され、ストップ凸リング1011の内輪面に逃げ凹部1012を配置することで、回転軸30とシリンダ10との間の流通隙間を広げて、油液が容易に流動して移動し、回動過程で回転軸30及びピストン20が受けた油液の抵抗を効果的に低減させ、回転軸30及びピストン20が油液によって阻害され、回転軸30及びピストン20の消費電力の増加及び不安定という現象を回避する。
【0083】
図12~
図15に示すように、逃げ凹部1012はストップ凸リング1011の、回転軸30の軸方向での両側のエッジまで延在する。
【0084】
具体的には、逃げ凹部1012はストップ凸リング1011の両側のエッジまで延在し、隙間通路を形成することで、流通隙間を広げて、油液の、流通隙間での流動時の円滑性を向上させ、油液の、回転軸30に対する阻害を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0085】
図12~
図15に示すように、逃げ凹部1012は、内輪面に設けられた逃げ溝であり、逃げ溝によって、所在する箇所のストップ凸リング1011の肉厚は、逃げ溝が設けられていない箇所のストップ凸リング1011の肉厚より薄い。
【0086】
具体的には、逃げ凹部1012は内輪面に設けられた逃げ溝であり、開けられた逃げ溝は、逃げ溝の流通隙間を大きくして、ポンプ組立体による油押出の過程で、油液が押し出されて逃げ溝を流れる時、油液が受けた阻害を減少させ、油液の流通の円滑性を向上させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0087】
本開示において、流通隙間は1mmより大きく3mm未満である。流通隙間を1mm~3mmの範囲内に制御することで、油液の流通の円滑性を効果的に向上させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。流通隙間が1mm未満である時、流通隙間が小さすぎるため、油液が流通隙間を流れる時の円滑性を向上させることができず、ポンプ組立体の消費電力を低減させるという効果を達成できない。流通隙間が3mmより大きい場合、過度に大きな流通隙間は、シリンダ10のストップ凸リング1011の強度に影響し、ストップ凸リング1011の損傷を引き起こしやすく、運転過程でシリンダ10は傾斜及び油漏れの問題が生じやすく、ポンプ組立体の安定な運転に影響する。
【0088】
具体的には、逃げ凹部1012の、内輪面の周方向に沿った幅は内輪面の直径の2%~5%である。逃げ凹部1012の、内輪面の周方向に沿った幅が小さすぎると、逃げ凹部1012に形成された流通隙間の幅が小さすぎて、油液が流通隙間を流れる時の円滑性を効果的に向上させることができず、ポンプ組立体の消費電力を低減させるという効果を達成できない。逃げ凹部1012の、内輪面の周方向に沿った幅が大きすぎると、シリンダ10のストップ凸リング1011の安定性に影響し、運転過程でシリンダ10は傾斜及び油漏れの問題が生じやすく、ポンプ組立体の安定な運転に影響する。
【0089】
ここで、逃げ凹部1012の、内輪面の周方向に沿った幅は、シリンダ10のストップ凸リング1011のサイズに応じて変更し、異なる型番のシリンダ10に対応するように、シリンダ10のストップ凸リング1011の内輪面には、異なる幅を有する逃げ凹部1012が開けられる。
【0090】
図14~
図15に示すように、流通隙間は内輪面の直径の2%~30%である。具体的には、ポンプ組立体が油を押し出した時、油液は流通隙間を介して流動して、ストップ凸リング1011の、油液に対する阻害を減少させ、油液の流通の円滑性を向上させ、ポンプボディによる油押出の過程での消費電力を低減させる。流通隙間が小さすぎると、油液が流通隙間を流れる時の円滑性を向上させることができず、ポンプ組立体の消費電力を低減させるという効果を達成できない。流通隙間が大きすぎると、シリンダ10のストップ凸リング1011の強度に影響し、ストップ凸リング1011の損傷を引き起こしやすく、運転過程でシリンダ10は傾斜及び油漏れの問題が生じやすく、ポンプ組立体の安定な運転に影響する。
【0091】
ここで、流通隙間は、シリンダ10のストップ凸リング1011のサイズに応じて変更し、異なる型番のシリンダ10に対応するように、シリンダ10のストップ凸リング1011の内輪面には、異なる幅を有する逃げ凹部1012が開けられる。
【0092】
図15に示すように、ストップ凸リング1011の、逃げ凹部1012が所在する箇所の最小肉厚tは1mm以上である。ストップ凸リング1011の肉厚は1mm以上であり、シリンダ10の回転過程で、ストップ凸リング1011は位置決め機能を有し、ストップ凸リング1011はシリンダ10の安定性に影響し、シリンダ10の傾斜を回避する。ストップ凸リング1011は強度を有するため、ストップ凸リング1011の最小肉厚tが1mm以上である。これによって、ストップ凸リング1011の強度を保証し、シリンダ10が安定に運転できる。
【0093】
図11、
図13、
図14及び
図15に示すように、その径方向に沿って、シリンダ10にはピストン孔106が開けられ、ストップ凸リング1011の内輪面は、対向する第1面セグメント1013と第2面セグメント1014とを有し、第1面セグメント1013と第2面セグメント1014との連結線はピストン孔106の延在方向に垂直であり、第1面セグメント1013と第2面セグメント1014とは何れも逃げ凹部1012を有する。
【0094】
具体的には、シリンダ10のストップ凸リング1011の第1面セグメント1013と、第2面セグメント1014との連結線は、シリンダ10のピストン孔106の延在方向に垂直であり、油液は第1階段面及び第2階段面で流通し、第1面セグメント1013及び第2面セグメント1014には何れも逃げ凹部1012が開けられることで、油液の、流通隙間での円滑性を向上させ、油液を容易に移動させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0095】
ここで、ポンプ組立体の取付過程で、回転軸30は第1階段面に近接してもよいし、第2階段面に近接してもよく、第1階段面及び第2階段面には何れも逃げ凹部1012が設けられるため、回転軸30が第1階段面に近接し、又は第2階段面に近接するにも関わらず、何れも同じ技術的効果を達成し、何れも油液の円滑性を向上させ、取付を容易にする。
【0096】
図11~
図15に示すように、ポンプ組立体はピストン20をさらに含み、ピストン20は摺動孔2011を有し、回転軸30は摺動孔2011を貫通し、ストップ凸リング1011の内輪面の、摺動孔2011の延在方向での1組の面セグメントには何れも逃げ凹部1012が設けられる。
【0097】
具体的には、ピストン20には摺動孔2011が設けられ、ピストン20はシリンダ10内で運動することで、油押出を実現し、ピストン20は油液を押し出して、油液を移動させ、ピストン20から押し出された後、油液は、ストップ凸リング1011の、摺動孔2011の延在方向での1組の階段面を流れて、当該階段面に逃げ凹部1012を配置することで、ピストン20による油押出の抵抗を減少させ、ピストン20の振動を低減させ、ピストン20の損傷の発生を回避し、また、逃げ凹部1012は油液の流通の円滑性を向上させ、回転軸30と油液との間の抵抗を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。ここで基準を変更すると、以前はピストン孔106の延在方向を基準としていたが、ここでは摺動孔2011の延在方向を基準とする。ピストン孔106の延在方向は、摺動孔2011の延在方向と同じであってもよいし、垂直であってもよい。具体的には、
図12において、ピストン孔106の延在方向と摺動孔2011の延在方向とは明らかに垂直である。
【0098】
図11に示すように、ポンプ組立体はシリンダライナ40をさらに含み、シリンダライナ40は容積室4001を有し、シリンダ10は容積室4001内に回動可能に設けられ、ピストン20はシリンダ10のピストン孔106内に摺動可能に設けられ、回転軸30はピストン20の摺動孔2011を貫通して、ピストン孔106の延在方向に沿って往復運動させるように、ピストン20を駆動し、シリンダ10はピストン20を回動させるよう回動にする。
【0099】
具体的には、シリンダ10及び回転軸30は回動し、シリンダ10はピストン20を回動させる。回転軸30はピストン20の摺動孔2011を貫通して、シリンダ10及びピストン20内部の容積室4001を2つの空洞に分割して、回転軸30の作用でピストン20はピストン孔106の内部においてピストン孔106の延在方向に沿って往復運動し、ピストン20の往復運動によって、2つの空洞は周期的に大きくなったり小さくなったりして、また、ピストン20はシリンダ10内部の油液を押し出すことで、油液の、2つの空洞内での周期的な移動を実現する。シリンダ10のストップ凸リング1011の内輪面に逃げ凹部1012を配置することで、油液の移動過程で、ストップ凸リング1011の、油液に対する阻害を減少させ、油液の移動の円滑性を向上させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0100】
以上の記載から分かるように、本開示の上記の実施例は以下の技術的効果を実現する。即ち、
シリンダ10のストップ凸リング1011の、回転軸30に対向する側の内輪面に逃げ凹部1012を配置することで、回転軸30とシリンダ10との間の流通隙間を大きくして、回転軸30及びピストン20が受けた油液の抵抗を減少させ、運転の安定性を向上させる。現在、従来のポンプ組立体の回転軸30及びシリンダ10のストップ凸リング1011の内壁から形成された流通隙間が小さすぎるため、運動の過程で、ピストン20及び回転軸30は油液によって阻害され、ピストン20及び回転軸30の油押出の消費電力を増加させるとともに、回転軸30及びピストン20に安定性に影響する。
【0101】
具体的には、回転軸30はシリンダ10を貫通し、回転軸30とシリンダ10のストップ凸リング1011の内輪面との間には流通隙間が形成され、ストップ凸リング1011の内輪面に逃げ凹部1012を配置することで、回転軸30とシリンダ10との間の流通隙間を広げて、油液が容易に流動して移動し、回動過程で回転軸30及びピストン20が受けた油液の抵抗を効果的に低減させ、回転軸30及びピストン20が油液によって阻害されることで、引き起こされる回転軸30及びピストン20の消費電力の増加、及び不安定という現象を回避する。
【0102】
従来技術におけるロータリ圧縮機の使用過程で、油液の流通を阻害するという問題を改善するために、回転軸30を最適化することで、回転軸30の、ピストン20内部の油液の流通の円滑性に対する阻害を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0103】
具体的には、
図16~
図19に示すように、ポンプ組立体は回転軸30及びピストン20を含み、ピストン20は摺動孔2011を有し、回転軸30の少なくとも一部は摺動孔2011内を貫通するように設けられ、ピストン20が回転軸30と共に回動する過程で、摺動孔2011の摺動孔の壁は回転軸30に摺動可能に嵌合され、回転軸30の、摺動孔2011内に位置する軸セグメントには回転軸流通通路が設けられ、回転軸流通通路はピストン20の摺動方向に沿って延在する。
【0104】
以上の記載から分かるように、本開示の上記実施例において、ピストン20の摺動孔2011内部に位置する回転軸30の軸セグメントに流通通路を配置することで、油液の流通の円滑性を強化させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。現在、ロータリ圧縮機の運転過程で、ポンプ組立体の回転軸がピストンに対して摺動すると、回転軸の、ピストン内部に位置する領域は油液の流動を阻害することで、油液がピストン及び回転軸の運動を阻害し、ポンプ組立体の消費電力を増加させる。
【0105】
具体的には、回転軸30はピストン20の摺動孔2011を貫通し、ピストン20内部を2つのキャビティに分割して、ポンプ組立体の運動過程で、ピストン20は回転軸30に対して往復運動し、2つのキャビティは周期的に大きくなったり小さくなったりして、油押出の過程を実現し、ピストン20の摺動孔2011内部に位置する回転軸30の軸セグメントは油液を押し出し、油液を2つのキャビティ内で移動させる。回転軸30の、摺動孔2011内部に位置する軸セグメントに回転軸流通通路を配置することで、回転軸30の、油液に対する阻害を減少させ、ピストン20及び回転軸30の、油押出過程での消費電力を低下させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0106】
図16及び
図18に示すように、回転軸流通通路は複数であり、複数の回転軸流通通路は回転軸30の軸方向に沿って間隔を空けて配置される。回転軸30に、間隔を空けた複数の回転軸流通通路を配置することで、油押出の過程で、油液は複数の回転軸流通通路によって移動し、流通経路を大きくして、ピストン20及び回転軸30の、油押出過程での消費電力を減少させる。
【0107】
いくつかの実施例において、回転軸流通通路の数は4以下である。流通通路の数が4を超える場合、回転軸流通通路が多すぎて、回転軸30の強度を低下させ、回転軸30とピストン20との相対運転の過程で、回転軸30の強度が低下すると、回転軸30の破断問題が生じやすい。回転軸流通通路の数が4以下であると、油液の流通経路を大きくすると同時に、回転軸30の強度に影響しない。
【0108】
ここで、
図16~
図19の具体的な実施例において、回転軸流通通路は、回転軸30に設けられ、油液流通経路を大きくするための通路である。具体的な実施形態において、回転軸流通通路の具体的な構造は多種であり、回転軸30の、ピストン20の摺動孔2011内部の油液移動に対する阻害を低減させばよいが、ここでは、一々挙げていない。
【0109】
以下、回転軸流通通路の構造の違いに応じて、以下の具体的な実施形態を提供して説明する。
【0110】
図16~
図17の具体的な実施形態において、摺動孔2011は対向配置された1組の摺動孔2011の孔壁面を有し、回転軸30の、摺動孔2011内に位置する軸セグメントは、摺動孔2011の孔壁面と係合する摺動係合面3011を有し、回転軸流通通路は回転軸連通溝3013であり、摺動係合面3011に設けられる。
【0111】
具体的には、回転軸30がピストン20の摺動孔2011に対して移動する時、回転軸30の摺動係合面3011は摺動孔2011の孔壁面に相対的に摺動可能に嵌合されるように使用される。回転軸連通溝3013は摺動係合面3011に設けられ、摺動係合面3011と摺動孔2011の孔壁面とが相対的に摺動する過程で、油液を押し出し、油液は回転軸連通溝3013によって移動を実現し、回転軸30、ピストン20と油液との間の抵抗を低減させ、ポンプ組立体の消費電力を減少させる。
【0112】
ここで、摺動係合面3011は平面であり、即ち、摺動孔2011の孔壁面は平面である。摺動係合面3011と摺動孔2011の孔壁面とは相対的に往復摺動し、回転軸連通溝3013は摺動係合面3011の表面に開けられる。
【0113】
図17及び
図19に示すように、回転軸連通溝3013の幅t1は、回転軸30の、摺動孔2011内に位置する軸セグメントの直径R1の5%~20%を占める。回転軸連通溝3013の幅t1が小さすぎると、油押出過程での油液の移動の円滑性を効果的に向上させることができず、ポンプ組立体の消費電力を低減させるという効果を達成できない。回転軸連通溝3013の幅t1が大きすぎると、回転軸30の強度に影響し、回転軸30がピストン20に対して運動する過程で、回転軸30の破断現象が生じやすい。
【0114】
ここで、回転軸連通溝3013の幅t1は回転軸30のモデルの相違に応じて変更することで、油液の円滑性の向上を実現し、ポンプ組立体の、油押出過程での消費電力を低減させることを基準とする。
【0115】
図17及び
図19に示すように、回転軸連通溝3013の深さh1は、回転軸30の、摺動孔2011内に位置する軸セグメントの直径R1の5%~20%を占める。
【0116】
具体的には、回転軸連通溝3013の深さh1が小さすぎると、油押出過程での油液の移動の円滑性を効果的に向上させることができず、ポンプ組立体の消費電力を低減させるという効果を達成できない。回転軸連通溝3013の深さh1が大きすぎると、回転軸30の強度に影響し、回転軸30がピストン20に対して運動する過程で、回転軸30の破断現象が生じやすい。
【0117】
ここで、回転軸連通溝3013の深さh1は回転軸30のモデルの相違に応じて変更することで、油液の円滑性の向上を実現し、ポンプ組立体の、油押出過程での消費電力を低減させることを基準とする。
【0118】
図18の具体的な実施形態において、摺動孔2011は対向配置された1組の摺動孔2011の孔壁面を有し、回転軸30の、摺動孔2011内に位置する軸セグメントは、摺動孔2011の孔壁面と係合する摺動係合面3011を有し、2つの摺動係合面3011を接続するための、互いに対向する1組の接続面3016をさらに有し、回転軸流通通路は回転軸流通孔3012であり、回転軸流通孔3012は2つの接続面3016を貫通する。
【0119】
具体的には、回転軸30はピストン20の摺動孔2011を貫通するように設けられ、摺動孔2011を2つのキャビティに分割して、油押出過程で、油液は2つのキャビティの間に移動し、2つの接続面3016の間に回転軸流通孔3012を配置することで、油液の流通の円滑性の向上を実現し、油液の、回転軸30及びピストン20に対する阻害を減少させ、油押出過程でのポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0120】
ここで、2つの摺動係合面3011の間の距離L1が、回転軸流通孔3012の直径より2mmだけ大きくするように、摺動係合面3011は平面である。摺動係合面3011と摺動孔2011の孔壁面とは相対的に摺動し、平面設計によって摩擦を減少させ、また、2つの摺動係合面3011の間の距離L1が回転軸流通孔3012の直径より2mmだけ大きくすることで、回転軸30の強度を保証し、回転軸流通孔3012の直径が大きすぎるため、運転過程で回転軸30は損傷破断という問題が生じることを回避する。
【0121】
いくつかの実施例において、回転軸流通孔3012の直径は1mm以上である。回転軸流通孔3012の直径が1mm未満であると、ポンプ組立体の消費電力を低減させるという効果を達成できず、油液の流通の円滑性を向上させるために、流通通孔の直径を1mm以上にする必要がある。
【0122】
図16及び
図18に示すように、回転軸30は順に接続された長軸セグメント3014と短軸セグメント3015とを含み、長軸セグメント3014の長さは短軸セグメント3015の長さより長く、長軸セグメント3014には摺動係合面3011が設けられ、長軸セグメント3014の少なくとも一部は摺動孔2011内に入り込んでいる。
【0123】
具体的には、長軸セグメント3014の摺動係合面3011とピストン20内部の摺動孔2011の孔壁面とが係合するように摺動し、長軸セグメント3014に回転軸流通通路を配置することで、回転軸30及びピストン20の、油押出過程での消費電力の低減を実現する。
【0124】
図16、
図18及び
図19に示すように、摺動孔2011内に位置する軸セグメントの直径は短軸セグメント3015の直径より大きい。軸セグメントの端面と短軸セグメント3015との間の境目は階段状に形成され、軸セグメントの端面と短軸セグメント3015との間の境目には支持面が形成される。
【0125】
本開示のポンプ組立体はシリンダライナ40をさらに含み、シリンダ10はシリンダライナ40内に回動可能に設けられ、その径方向に沿って、シリンダ10にはピストン孔106が開けられ、ピストン20はピストン孔106内に摺動可能に設けられ、回転軸30はピストン20を貫通して、ピストン孔106の延在方向に沿って往復運動させるようにピストン20を駆動し、シリンダ10はピストン20を回動させるように回動する。
【0126】
具体的には、回転軸30が、ピストン孔106の延在方向に沿って往復運動させるようにピストン20を駆動する過程で、ピストン20は油液を押し出すことで、ポンプ組立体の油押出の過程を実現し、油液は、回転軸30、ピストン20及びシリンダ10から形成された2つのキャビティ内部で移動し、回転軸30の軸セグメントに回転軸流通通路を配置することで、油液の流動過程で、回転軸30の、油液の移動に対する阻害を減少させ、ポンプ組立体の油押出の過程での消費電力を低減させる。
【0127】
以上の記載から分かるように、本開示の上記の実施例は以下の技術的効果を実現する。即ち、
ピストン20の摺動孔2011内部に位置する回転軸30の軸セグメントに流通通路を配置することで、油液の流通の円滑性を強化させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。現在、ロータリ圧縮機の運転過程で、ポンプ組立体の回転軸30がピストン20に対して摺動すると、回転軸30の、ピストン20内部に位置する領域は、油液の流動を阻害することで、油液がピストン20及び回転軸30の運動を阻害し、ポンプ組立体の消費電力を増加させる。
【0128】
具体的には、回転軸30はピストン20の摺動孔2011を貫通し、ピストン20の内部を2つのキャビティに分割して、ポンプ組立体の運動過程で、ピストン20は回転軸30に対して往復運動し、2つのキャビティは周期的に大きくなったり小さくなったりして、油押出の過程を実現し、ピストン20の摺動孔2011内部に位置する回転軸30の軸セグメントは油液を押し出すことで、油液を2つのキャビティ内に移動させる。回転軸30の、摺動孔2011内部に位置する軸セグメントに回転軸流通通路を配置することで、回転軸30の、油液に対する阻害を減少させ、ピストン20及び回転軸30の油押出過程での消費電力を低下させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0129】
従来技術におけるロータリ圧縮機の使用過程で、油液の流通を阻害するという問題を改善するために、フランジ構造を最適化することで、フランジ構造の、ピストン20に対する阻害を減少させ、内部油液の流通の円滑性を高め、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0130】
具体的には、
図20~
図29に示すように、ポンプ組立体はシリンダ10及びフランジ構造を含み、シリンダ10は回動可能に配置され、フランジ構造はシリンダ10の一方の側に位置し、シリンダ10に入り込んだ位置決め突起6001を有し、位置決め突起6001には逃げ凹部6002が設けられる。
【0131】
以上の記載から分かるように、本開示の上記実施例において、位置決め突起6001に逃げ凹部6002を配置することで、フランジ構造の、流通経路に対する阻害を低減させ、圧縮機の消費電力を減少させる。現在、従来のポンプボディのフランジ構造は、シリンダ10及びピストン20内部の流通経路の、フランジ構造に近接する側の経路を著しく塞ぐため、冷凍油が流通経路の内部で順調に移動できず、回転軸30の回動過程で、抵抗が大きくなって、圧縮機の消費電力が増加する。具体的には、フランジ構造は下フランジ60である場合、流通経路における、下部に近接する流通経路は塞がれやすい。
【0132】
具体的には、フランジ構造の位置決め突起6001はシリンダ10内部に入り込んで、位置決め突起6001に逃げ凹部6002を配置することで、位置決め突起6001のシリンダ10内部の流通経路に対する阻害を低減させる。シリンダ10の回動過程で、シリンダ10内部の油液は流通経路によってシリンダ10内部で繰り返して流動し、位置決め突起6001に流動した場合、油液は逃げ凹部6002に沿って流動し、流動体積を大きくして、圧縮機の運転の消費電力を減少させるとともに、圧縮機の騒音及び振動を低減させる。
【0133】
図23~
図29に示すように、位置決め突起6001はフランジ構造の中心と同一円心を有するように配置される。位置決め突起6001はフランジ構造に一体成形され、その一部はシリンダ10に入り込んで、シリンダ10を位置決めして回転過程でシリンダ10が傾斜することを回避し、また、フランジ構造は支持能力を有し、位置決め突起6001がフランジ構造と同一円心を有するように配置される場合、位置決め突起6001とフランジ構造との間の遠心力を小さくして、フランジ構造及び位置決め突起6001の安定性を増加し、ポンプ組立体の運転の安定性を向上させるとともに、フランジ構造及び位置決め突起6001の使用寿命を延長する。
【0134】
図23~
図29に示すように、フランジ構造は、位置決め突起6001を貫通したフランジ孔6003をさらに有し、フランジ孔6003はフランジ構造の中心に偏心配置され、ポンプ組立体は、シリンダ10及びフランジ孔6003を貫通した回転軸30をさらに含む。
【0135】
具体的には、回転軸30はピストン20及びシリンダ10を貫通して、フランジ孔6003に挿入され、この場合、フランジ孔6003は位置決め突起6001に偏心配置され、位置決め突起6001は回転軸30を支持する機能を有するため、偏心配置されたフランジ孔6003は、位置決め突起6001とフランジ構造との間の集中応力を効果的に低減させ、フランジ構造の使用寿命を延長でき、また、位置決め突起6001に逃げ凹部6002を容易に開けて、逃げ凹部6002は油液の流通経路を大きくして、油液の、回転軸30に対する抵抗を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0136】
図23~
図29に示すように、位置決め突起6001は階段状を呈し、第1セグメント6004及び第2セグメント6005を含み、第2セグメント6005より、第1セグメント6004はシリンダ10の中心から離れて、第1セグメント6004の外周面はシリンダ10の内壁面と係合し、第2セグメント6005の、シリンダ10の中心に対向する側の表面を支持面とし、ポンプ組立体の回転軸30を支持し、フランジ孔6003は第1セグメント6004及び第2セグメント6005を貫通している。
【0137】
具体的には、第2セグメント6005と第1セグメント6004とは係合して、階段状構造を呈し、第1セグメント6004の外周面はシリンダ10内部と係合するとともに、シリンダ10の回転に影響を与えることなく、第2セグメント6005の、シリンダ10の中心に対向する端面は回転軸30を支持し、フランジ孔6003は第2セグメント6005と同一円心を有するように配置され、逃げ凹部6002を形成するように、第1セグメント6004は第2セグメント6005と係合し、シリンダ10内部の流通経路を大きくして、回転軸30の回動阻害を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0138】
ここで、
図23~
図29の具体的な実施例において、第1セグメント6004と第2セグメント6005とは同時に円形突起である。実際の製造過程で、第1セグメント6004と第2セグメント6005とは必ずしも同時に円形突起であるわけではない。第1セグメント6004及び第2セグメント6005という両者のうちの一方のみが円形突起であってもよいし、何れも円形突起ではなくてもよい。第1セグメント6004はシリンダ10の内面と係合し、阻害しなければよく、第2セグメント6005は回転軸30を支持できればよい。第1セグメント6004と第2セグメント6005の形状、及び組み合わせ形態が多いため、ここでは、より多くの具体的な実施例を挙げて別途説明することはしない。
【0139】
ここで、第2セグメント6005の、第1セグメント6004に対する配置位置の違いに応じて、異なる形状を有する多種の逃げ凹部6002を形成し、形状の組み合わせ形態が多いため、ここでは、組み合わせ形態を一々挙げていない。以下、逃げ凹部6002の形状の違いに応じて、異なる実施形態をそれぞれ挙げて説明する。
【0140】
図23~
図27の具体的な実施形態において、第1セグメント6004及び第2セグメント6005は何れも円形突起であり、第2セグメント6005の、第1セグメント6004での正投影は、第1セグメント6004の外周縁と完全には重ならず、第2セグメント6005の外周縁と第1セグメント6004との間の階段面には逃げ凹部6002が形成され、この場合、逃げ凹部6002は三日月形凹部を呈し、三日月形の外接円はフランジ構造と同一円心を有する。
【0141】
具体的には、第1セグメント6004及び第2セグメント6005は何れも円形突起であり、第2セグメント6005の外周縁と第1セグメント6004との間の階段面には逃げ凹部6002が形成されるため、第2セグメント6005の外周縁が第1セグメント6004の外周縁と部分的に重なる場合、第2セグメント6005の外周縁と第1セグメント6004との間の階段面には三日月形逃げ凹部6002が形成され、三日月形の逃げ凹部6002は油液の流通経路を大きくして、油液の、回転軸30に対する阻害を低減させ、ポンプ組立体の消費電力を減少させる。
【0142】
図28の具体的な実施形態において、第1セグメント6004及び第2セグメント6005は何れも円形突起であり、第2セグメント6005の、第1セグメント6004での正投影は、第1セグメント6004の外周縁と完全には重ならず、第1セグメント6004には、一端がシリンダ10の中心へ延在する支持リブ6006がさらに設けられ、支持リブ6006の高さは第2セグメント6005よりも高くなく、支持リブ6006の少なくとも一方の側の表面は第1セグメント6004の外周縁と整合し、支持リブ6006と第2セグメント6005とは間隔を空けて配置され、支持リブ6006と第2セグメント6005との間には逃げ凹部6002が形成され、この場合、逃げ凹部6002は不規則状である。具体的な実施において、一般的に、支持リブ6006が第2セグメント6005の高さと同じであるように選択されてもよい。
【0143】
具体的には、第1セグメント6004には支持リブ6006が設けられ、支持リブ6006、第1セグメント6004及び第2セグメント6005は不規則状の逃げ凹部6002を形成するように係合し、逃げ凹部6002はシリンダ10内部の流通経路を広げて、回転軸30と油液との間の抵抗を低減させ、ポンプ組立体の消費電力を減少させる。また、支持リブ6006を追加することで、位置決め突起6001とシリンダ10との間の安定性を高める。
【0144】
ここで、不規則形状の面積は、第1セグメント6004の、シリンダ10の中心に対向する一端の端面積よりも大きくないことを基準とする。
【0145】
図29の具体的な実施形態において、第1セグメント6004及び第2セグメント6005は何れも円形突起であり、第2セグメント6005の、第1セグメント6004での正投影は第1セグメント6004の外周縁と完全には重ならず、第1セグメント6004には、一端がシリンダ10の中心へ延在する支持リブ6006がさらに設けられ、支持リブ6006の高さは第2セグメント6005よりも高くなく、支持リブ6006の少なくとも一方の側の表面は第1セグメント6004の外周縁と整合し、支持リブ6006は第2セグメント6005の少なくとも一部に接続されるように配置され、支持リブ6006と第2セグメント6005の間には逃げ凹部6002が形成され、この場合、逃げ凹部6002は三日月形であり、三日月形の外接円はフランジ構造に偏心配置される。
【0146】
具体的には、第2セグメント6005と第1セグメント6004との間に支持リブ6006を追加することで、位置決め突起6001とシリンダ10との間の安定性を高め、シリンダ10の傾斜を回避する。また、第1セグメント6004、第2セグメント6005と支持リブ6006との間に形成された逃げ凹部6002はシリンダ10内部の流通経路を広げて、回転軸30と油液との間の抵抗を低減させ、ポンプ組立体の消費電力を減少させる。
【0147】
図示されていない具体的な実施例において、第1セグメント6004及び第2セグメント6005は何れも円形突起であり、第2セグメント6005の、第1セグメント6004での正投影は第1セグメント6004の外周縁と完全には重ならず、第2セグメント6005の外周縁と第1セグメント6004との間の階段面には逃げ凹部6002が形成され、この場合、逃げ凹部6002は環状凹部を呈している。
【0148】
具体的には、第1セグメント6004は第2セグメント6005の外周縁と重ならず、第2セグメント6005の外周縁と第1セグメント6004との間の階段面には環状逃げ凹部6002が形成され、環状の逃げ凹部6002は流通経路を広げて、フランジ構造の、流通経路に対する阻害を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0149】
ここで、逃げ凹部6002が環状凹部である場合、環状凹部の内輪面と外輪面とは同一円心を有するように配置されてもよいし、又は偏心配置されてもよい。内輪面と外輪面とは同一円心を有するように配置されるか、又は偏心配置されるかどうかにに関わらず、同様の技術的効果を達成でき、即ち、環状の逃げ凹部6002は流通経路を広げて、油液の、回転軸30に対する阻害を減少させる。従って、ここでは、内輪面と外輪面とは同一円心を有するように配置され、又は偏心配置されることを個別に紹介していない。
【0150】
図25に示すように、逃げ凹部6002の深さhは第1セグメント6004の直径の4%~25%である。具体的には、第1セグメント6004の直径によって逃げ凹部6002の深さを限定することで、逃げ凹部6002の深さが深すぎて、位置決め突起6001、フランジ構造と回転軸30、シリンダ10との係合の安定性に影響することを回避する。逃げ凹部6002の深さhは第1セグメント6004の直径の4%~25%である場合、逃げ凹部6002は油液の流通経路を大きくして、回転軸30の回転抵抗を減少させ、消費電力を低減させるとともに、ポンプ組立体の運転の安定性に影響しない。
【0151】
図25に示すように、第2セグメント6005の肉厚dは第1セグメント6004の最大肉厚Dの10%~80%である。第2セグメント6005はフランジ構造に偏心配置され、第1セグメント6004はフランジ構造と同一円心を有するように配置されるため、第2セグメント6005は第1セグメント6004に偏心配置される。ここで、第2セグメント6005の肉厚は第1セグメント6004の最大肉厚の10%~80%である場合、第2セグメント6005の、第1セグメント6004に対する偏心比は一定であり、第1セグメント6004の肉厚と第2セグメント6005の最大肉厚との比の変更に応じて変化しておらず、また、第2セグメント6005の肉厚は一定であり、第1セグメント6004の肉厚は変更でき、第2セグメント6005と第1セグメント6004との間の階段面に逃げ凹部6002を配置することで、流通経路を広げるという効果を実現し、ポンプボディの消費電力を減少させる。
【0152】
いくつかの実施例において、第2セグメント6005の肉厚dは第1セグメント6004の最大肉厚Dの20%~40%である。具体的には、第2セグメント6005の肉厚d及び第1セグメント6004の最大肉厚Dをさらに限定することで、第2セグメント6005の肉厚dは第1セグメント6004の最大肉厚Dの20%~40%である場合、油液の、流通経路での流通効果が最も良く、回転軸30が受けた油液の抵抗が最小であり、ポンプ組立体の消費電力が最小である。
【0153】
図25に示すように、逃げ凹部6002の深さhはフランジ構造の高さHの5%~60%である。具体的には、逃げ凹部6002の深さhがフランジ構造の高さHの5%~60%未満である場合、位置決め突起6001の逃げ凹部6002の深さが浅すぎて、位置決め突起6001の第1セグメント6004は流通経路内部の油液の流動を阻害し、油液は回転軸30の回転を阻害し、ポンプ組立体の消費電力を増加させる。逃げ凹部6002の深さhがフランジ構造の高さHの5%~60%より大きい場合、位置決め突起6001の逃げ凹部6002の深さが深すぎて、位置決め突起6001の強度を低下させ、ポンプ組立体の運転過程での安定性を低下させ、回転軸30及びシリンダ10が外れるという問題が生じやすい。
【0154】
いくつかの実施例において、逃げ凹部6002の深さhはフランジ構造の高さHの15%~35%である。具体的には、逃げ凹部6002の深さhがフランジ構造の高さHの15%~35%であることは、逃げ凹部6002の深さhがフランジ構造の高さHの5%~60%であることに対するさらなる限定であり、逃げ凹部6002の深さhはフランジ構造の高さHの15%~35%である場合、逃げ凹部6002は油液の流通経路を効果的に広げて、回転軸30の回動過程で、油液の、回転軸30に対する阻害を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を低減させる。
【0155】
本開示のフランジ構造は下フランジ60を含み、回転軸30は長軸セグメント及び短軸セグメントを有し、長軸セグメントと短軸セグメントとの界面に回転軸支持面を形成するように、長軸セグメントの直径は短軸セグメントの直径より大きく、回転軸支持面は位置決め突起6001に支持され、短軸セグメントは貫通するように下フランジ60に設けられる。
【0156】
具体的には、下フランジ60の位置決め突起6001の第2セグメント6005は回転軸30の支持面を支持し、回転軸30の回転過程で、下フランジ60の逃げ凹部6002はシリンダ10内部の油液の流通経路を広げて、油液の、回転軸30に対する阻害を低減させ、消費電力を減少させる。
【0157】
本開示のポンプ組立体はシリンダライナをさらに含み、シリンダライナは容積室を有し、シリンダ10は容積室内に回動可能に設けられ、その径方向に沿って、シリンダ10にはピストン孔106が開けられ、ピストン20はピストン孔106内に摺動可能に設けられ、回転軸30はピストン20を貫通して、ピストン孔106の延在方向に沿って往復運動させるように、ピストン20を駆動し、シリンダ10はピストン20を回動させるように回動し、フランジ構造はシリンダライナの軸方向での端部に位置し、回転軸30の少なくとも一部は貫通するようにフランジ構造に設けられる。
【0158】
具体的には、シリンダ10はシリンダライナ内で回転軸30と同期回動し、ピストン20はピストン孔106内部で往復運転する。ピストン20と回転軸30との間の相対運動は、油液の、シリンダ10、ピストン20及び回転軸30から係合されて形成された2つの流通経路内での移動を実現し、2つの流通経路はピストン20の往復運動に伴って周期的に大きくなったり小さくなったりして、油液の移動を駆動し、下フランジ60の位置決め突起6001に逃げ凹部6002を配置することで、位置決め突起6001の、流通経路における油液の流動に対する阻害を低減させ、回転軸30と油液との間の抵抗を減少させ、ポンプ組立体の消費電力を減少させる。
【0159】
以上の記載から分かるように、本開示の上記の実施例は以下の技術的効果を実現する。即ち、
位置決め突起6001に逃げ凹部6002を配置することで、フランジ構造の、流通経路に対する阻害を低減させ、圧縮機の消費電力を減少させる。現在、従来のポンプボディのフランジ構造は、シリンダ10及びピストン20内部の流通経路の下部の経路を著しく塞ぐため、冷凍油が流通経路の内部で順調に移動できず、回転軸30の回動過程で、抵抗が大きくなって、圧縮機の消費電力が増加する。
【0160】
具体的には、フランジ構造の位置決め突起6001はシリンダ10内部に入り込んで、位置決め突起6001に逃げ凹部6002を配置することで、位置決め突起6001のシリンダ10内部の流通経路に対する阻害を低減させる。シリンダ10の回動過程で、シリンダ10内部の油液は流通経路によってシリンダ10内部で繰り返して流動し、位置決め突起6001に流動した場合、油液は逃げ凹部6002に沿って流動し、流動体積を大きくして、圧縮機の運転の消費電力を減少させるとともに、圧縮機の騒音及び振動を低減させる。
【0161】
明らかに、上記に記載の実施例は全ての実施例ではなく、本開示の一部の実施例のみである。本開示の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働することなく取得した他の全ての実施例は、何れも本開示の保護範囲に属する。
【0162】
ここで、使用される用語は本出願による例示的な実施形態を限定しておらず、単に具体的な実施形態を記載するためのものである。明細書において明らかに指示しない限り、ここに使用される単数形式は複数形式も含み、また、本明細書で「含む」及び/又は「包含」という用語を使用する場合、特徴、ステップ、動作、機器、ユニット及び/又はそれらの組み合わせが存在することを指す。
【0163】
以上は本開示を限定しておらず、本開示の好適な実施例のみであり、当業者にとって、本開示は、さまざまな修正及び変更を行うことができる。本開示の精神及び原則内でなされた任意の補正、等価置換、改良などは、何れも本開示の保護範囲に該当すべきである。
【0164】
明らかに、上記の実施例は全ての実施例ではなく、本開示の一部の実施例のみである。本開示の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働することなく取得した他の全ての実施例は、何れも本開示の保護範囲に属する。
【0165】
なお、使用される用語は本出願による例示的な実施形態を限定しておらず、単に具体的な実施形態を記載するためのものである。明細書において明らかに指示しない限り、本明細書で使用される単数形式は複数形式も含み、また、本明細書で「含む」及び/又は「包含」という用語を使用する場合、特徴、ステップ、動作、機器、ユニット及び/又はそれらの組み合わせが存在することを指す。
【0166】
なお、本出願の明細書、請求項及び上記図面における「第1」、「第2」などの用語は特定の順序又は先後順次を記載しておらず、類似の対象を区別するためのものである。本明細書に記載の本出願の実施形態は、本明細書に図示され、又は記載されたもの以外の順序に従って実施されることができるように、適切な場合、このように使用されるデータは互いに交換されてもよい。
【符号の説明】
【0167】
10 シリンダ
106 ピストン孔
1011 ストップ凸リング
1012 逃げ凹部
1013 第1面セグメント
1014 第2面セグメント
20 ピストン
2011 摺動孔
2021 ピストン連通溝
2022 摺動突起
2023 可撓性溝
2024 摺動面
30 回転軸
3011 摺動係合面
3012 回転軸流通、
3013 回転軸連通溝
3014 長軸セグメント
3015 短軸セグメント
3016 接続面
40 シリンダライナ
4001 容積室
60 下フランジ
6001 位置決め突起
6002 逃げ凹部
6003 フランジ孔
6004 第1セグメント
6005 第2セグメント
6006 支持リブ