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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20240805BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20240805BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20240805BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240805BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALN20240805BHJP
【FI】
H01L29/78 619A
H01L27/088 C
H01L27/088 331E
H01L29/78 616S
H01L29/78 618B
H05B33/14 Z
H10K59/12
G02F1/1368
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023101481
(22)【出願日】2023-06-21
(62)【分割の表示】P 2022077518の分割
【原出願日】2011-04-06
(65)【公開番号】P2023126244
(43)【公開日】2023-09-07
【審査請求日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】P 2010090539
(32)【優先日】2010-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
【審査官】田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0079169(US,A1)
【文献】特開2010-087518(JP,A)
【文献】特開2008-205469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/8234
H01L 27/088
H01L 29/786
H05B 33/14
H10K 59/12
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトランジスタと、
トップゲート構造の第2のトランジスタと、を有する半導体装置であって、
第1の導電層と、
前記第1の導電層上に第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上に前記第1のトランジスタのチャネル形成領域を有する第1の酸化物半導体層と、
前記第1の絶縁層上に前記第2のトランジスタのチャネル形成領域を有する第2の酸化物半導体層と、
前記第1の酸化物半導体層の上面と接する領域と前記第2の酸化物半導体層の上面と接する領域を有する酸化物層と、
前記第2のトランジスタのゲート電極として機能する領域を有する第2の導電層と、
前記第2の酸化物半導体層と重なる領域を有する第3の導電層と、
前記第1の酸化物半導体層と重なる領域を有する第4の導電層と、を有し、
前記酸化物層は、前記第1のトランジスタのチャネル形成領域と接する領域を有し、
前記第1の導電層は、前記第1のトランジスタのチャネル形成領域と重なる領域を有し、
前記第2の導電層は、第2の絶縁層を介して前記第2のトランジスタのチャネル形成領域と重なる領域を有し、
前記第3の導電層の前記第2の酸化物半導体層と重なる領域は、前記第2の酸化物半導体層の上面と接する第1の領域と前記第2の酸化物半導体層の上面と接しない第2の領域とを有し、
前記第4の導電層の前記第1の酸化物半導体層と重なる領域は、前記第1の酸化物半導体層の上面と接する第3の領域と前記第1の酸化物半導体層の上面と接しない第4の領域とを有する、半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第3の導電層は、前記酸化物層の上面と接する領域を有し、
前記第3の導電層は、前記第2の酸化物半導体層の側面と接する領域を有さない、半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記第1の酸化物半導体層及び前記第2の酸化物半導体層の少なくとも一は、In、Ga及びZnを有する、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
半導体装置および半導体装置の作製方法に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装
置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0003】
絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を用いてトランジスタを構成する技術
が注目されている。該トランジスタは集積回路(IC)や画像表示装置(表示装置)のよ
うな電子デバイスに広く応用されている。トランジスタに適用可能な半導体薄膜としてシ
リコン系半導体材料が広く知られているが、その他の材料として酸化物半導体が注目され
ている。
【0004】
例えば、トランジスタの活性層として、電子キャリア濃度が1018/cm未満であ
るインジウム(In)、ガリウム(Ga)、および亜鉛(Zn)を含む非晶質酸化物を用
いたトランジスタが開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
酸化物半導体を用いたトランジスタは、アモルファスシリコンを用いたトランジスタよ
りも動作速度が速く、多結晶シリコンを用いたトランジスタよりも製造が容易であるもの
の、電気的特性が変動しやすく信頼性が低いという問題点が知られている。例えば、光B
T試験前後において、トランジスタのしきい値電圧は変動してしまう。これに対して、特
許文献2および特許文献3では、酸化物半導体を用いたトランジスタのしきい値電圧のシ
フトを抑制するために、酸化物半導体層の上部面または下部面の少なくとも一面に設けた
界面安定化層によって酸化物半導体層の界面における電荷トラップを防止する技術が開示
されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-165528号公報
【文献】特開2010-16347号公報
【文献】特開2010-16348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2または特許文献3で開示されたトランジスタは、界面安定化
層として、ゲート絶縁層および保護層と同質性を有する層を用いており、活性層との界面
の状態を良好に保つことができないため、活性層と界面安定化層との電荷トラップを抑制
することが困難である。特に、界面安定化層と活性層が同等のバンドギャップを有する場
合には、電荷の蓄積が容易に起こりえる。
【0008】
したがって、酸化物半導体を用いたトランジスタは、未だ十分な信頼性を有していると
は言えない。
【0009】
このような問題に鑑み、酸化物半導体を用いた半導体装置に安定した電気的特性を付与
し、高信頼性化することを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示する発明の一態様は、酸化物半導体膜と接して、酸化物半導体膜のチャネル保護膜
として機能する金属酸化物膜が存在し、且つ該金属酸化物膜は酸化物半導体膜と同種の成
分でなることを技術的思想とするものである。つまり、開示する発明の一態様は、金属酸
化物膜と、酸化物半導体膜と、が積層された構造を備えている。ここで、「酸化物半導体
膜と同種の成分」とは、酸化物半導体膜の構成元素から選択される一または複数の金属元
素を含むことを意味する。
【0011】
このような積層構造を備えることにより、半導体装置の動作などに起因して生じうる電
荷などが、上述の絶縁膜と酸化物半導体膜との界面に捕獲されることを十分に抑制するこ
とができるのである。この効果は、酸化物半導体膜と相性の良い材料によって構成された
金属酸化物膜を酸化物半導体膜と接する態様で存在させることで、半導体装置の動作など
に起因して生じうる電荷などが酸化物半導体膜と金属酸化物膜との界面に捕獲されること
を抑制させることができるというメカニズムによるものである。
【0012】
そして、酸化物半導体膜の界面における電荷の捕獲を抑制することができるという上述
の効果により、半導体装置の動作不具合を抑制し、半導体装置の信頼性を向上させること
ができるのである。
【0013】
さらに、このような積層構造に加えて、金属酸化物膜および酸化物半導体膜とは異なる
成分を含む絶縁膜を、金属酸化物膜上に接して設ける構造とすることが好適である。つま
り、開示する発明の一態様は、酸化物半導体膜と、金属酸化物膜と、絶縁膜と、が積層さ
れた構造を備えている。
【0014】
このように、界面に電荷の捕獲中心が形成されうる材料を用いて構成された絶縁膜を金
属酸化物膜と接する態様で存在させることにより、酸化物半導体膜と金属酸化物膜との界
面と比較して金属酸化物膜と絶縁膜との界面に上述の電荷を優先的に捕獲させることがで
きる。すなわち、金属酸化物膜と接する態様の絶縁膜を設けることにより、金属酸化物膜
と絶縁膜との界面に優先的に電荷を捕獲し、酸化物半導体膜と金属酸化物膜との界面にお
ける電荷の捕獲をさらに効果的に抑制することができるのである。
【0015】
そして、酸化物半導体膜の界面における電荷の捕獲を抑制し、電荷の捕獲中心を酸化物
半導体膜から遠ざけることができるという上述の効果により、半導体装置の動作不具合を
抑制し、半導体装置の信頼性を向上させることができるのである。
【0016】
なお、上述のメカニズムから、金属酸化物膜は十分な厚みを有していることが望ましい
。金属酸化物膜が薄い場合には、金属酸化物膜と絶縁膜との界面に捕獲される電荷の影響
が大きくなる場合があるためである。例えば、金属酸化物膜は、酸化物半導体膜よりも厚
くするのが好適である。
【0017】
また、絶縁性を有する金属酸化物膜は、ソース電極およびドレイン電極と酸化物半導体
膜との接続を妨げない態様で形成されるので、ソース電極またはドレイン電極と、酸化物
半導体膜との間に金属酸化物膜が存在する場合と比較して抵抗の増大を防ぐことができる
。よって、トランジスタの電気的特性の低下を抑制することができる。
【0018】
なお、酸化物半導体は薄膜形成工程において、酸素の過不足などによる化学量論的組成
からのずれや、電子供与体を形成する水素や水分の混入などが生じると、その電気伝導度
が変化してしまう。このような現象は、酸化物半導体を用いたトランジスタにとって電気
的特性の変動要因となる。したがって、水素、水分、水酸基または水素化物(水素化合物
ともいう)などの不純物を酸化物半導体より意図的に排除し、かつ不純物の排除工程によ
って同時に減少してしまう、酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素を供給するこ
とによって、酸化物半導体膜を高純度化および電気的にi型(真性)化する。
【0019】
i型(真性)の酸化物半導体とは、n型不純物である水素を酸化物半導体から除去し、
酸化物半導体の主成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化することによりi型
(真性)の酸化物半導体、またはi型(真性)に限りなく近い酸化物半導体としたもので
ある。
【0020】
なお、酸化物半導体膜をi型化する工程において、酸化物半導体膜と同種の成分でなる
金属酸化物膜も同時にi型化することも可能である。開示する発明の一態様において、酸
化物半導体膜の上部面および下部面に設けられた金属酸化物膜は、水分や水素等の不純物
が十分に低減され、電気的にi型化した金属酸化物膜であるのが望ましい。
【0021】
高純度化された酸化物半導体膜を有するトランジスタは、しきい値電圧やオン電流など
の電気的特性に温度依存性がほとんど見られない。また、光劣化によるトランジスタ特性
の変動も少ない。
【0022】
以下に、本発明の一態様について具体的に説明する。
【0023】
開示する発明の一態様は、ゲート電極と、ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、ゲート絶
縁膜上に、ゲート電極と重畳する領域に設けられた酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜上
に接して設けられた金属酸化物膜と、金属酸化物膜上に設けられ、酸化物半導体膜の一部
と接するソース電極およびドレイン電極と、を有し、金属酸化物膜は、酸化物半導体膜の
構成元素から選択される一または複数の金属元素の酸化物を含んで構成される半導体装置
である。
【0024】
なお、上記において、半導体装置は、ソース電極およびドレイン電極を覆い、金属酸化
物膜上に接して設けられた絶縁膜を有していてもよい。また、上記において、絶縁膜上に
導電膜を有していてもよい。
【0025】
また、上記において、金属酸化物膜のチャネル長方向の幅は、酸化物半導体膜のチャネ
ル長方向の幅より短く、ソース電極およびドレイン電極は、酸化物半導体膜の上面の一部
と接する構造としてもよい。また、上記において、酸化物半導体膜のチャネル長方向の側
端部と、金属酸化物膜のチャネル長方向の側端部と、が一致する構造としてもよい。また
、上記において、金属酸化物膜は、少なくとも酸化物半導体膜を覆い、且つ酸化物半導体
膜の一部を露出するように開口が設けられ、ソース電極およびドレイン電極は、開口を介
して酸化物半導体膜と接する構造としてもよい。また、上記において、ゲート絶縁膜上に
接して設けられ、酸化物半導体膜の下面と接する第2の金属酸化物膜を有する構造として
もよい。また、上記において、金属酸化物膜は、チャネル保護膜として機能することが好
ましい。
【0026】
また、上記において、金属酸化物膜上に接して設けられ、ソース電極およびドレイン電
極と上面の一部において接する、保護絶縁膜を有する構造としてもよい。なお、ここで保
護絶縁膜は、ソース電極およびドレイン電極のエッチングのときに酸化物半導体膜のチャ
ネル形成領域を保護する膜として機能する。
【0027】
上記において、金属酸化物膜のエネルギーギャップは、酸化物半導体膜のエネルギーギ
ャップより大きいことが好ましい。また、金属酸化物膜の伝導帯の下端のエネルギーは、
酸化物半導体膜の伝導帯の下端のエネルギーより高いことが好ましい。
【0028】
また、上記において、金属酸化物膜は、酸化ガリウムを含んで構成されることがある。
【0029】
また、上記において、ゲート絶縁膜は、酸化シリコンまたは酸化ハフニウムを含んで構
成される構成としてもよい。
【0030】
なお、上記において、チャネル保護膜として機能する金属酸化物膜のチャネル長方向の
幅によって決定されるトランジスタのチャネル長Lは、10nm以上10μm以下、例え
ば、0.1μm~0.5μmとすることができる。もちろん、チャネル長Lは、1μm以
上であっても構わない。また、チャネル幅Wについても、10nm以上とすることができ
る。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一形態は、安定した電気特性を有するトランジスタを作製することができる。
【0032】
また、本発明の一形態は、電気特性が良好で信頼性の高いトランジスタを有する半導体
装置を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】半導体装置の一態様を示す平面図および断面図。
図2】酸化物半導体膜および金属酸化物膜を有するトランジスタにおけるバンド図。
図3】半導体装置の一態様を示す平面図および断面図。
図4】半導体装置の一態様を示す図。
図5】半導体装置の作製工程の一例を示す図。
図6】半導体装置の一形態を説明する図。
図7】半導体装置の一形態を説明する図。
図8】半導体装置の一形態を説明する図。
図9】半導体装置の一形態を説明する図。
図10】電子機器を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明
は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であ
れば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈
されるものではない。
【0035】
なお、第1、第2として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順または積層
順を示すものではない。また、本明細書において発明を特定するための事項として固有の
名称を示すものではない。
【0036】
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置および半導体装置の作製方法の一形態を、図1乃至図5
を用いて説明する。
【0037】
〈半導体装置の構成例〉
図1に、半導体装置の例として、ボトムゲート構造の一つである、チャネル保護型(チ
ャネルストップ型ともいう)のトランジスタの断面図および平面図を示す。図1(A)は
平面図であり、図1(B)および図1(C)は、図1(A)におけるA-B断面およびC
-D断面に係る断面図である。なお、図1(A)では、煩雑になることを避けるため、ト
ランジスタ310の構成要素の一部(例えば、ゲート絶縁膜402など)を省略している
【0038】
図1(A)に示すトランジスタ310は、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電
極401、ゲート電極401を覆うゲート絶縁膜402、ゲート絶縁膜402上にゲート
電極401と重畳する領域に設けられた酸化物半導体膜403、酸化物半導体膜403上
に接して設けられた金属酸化物膜407、金属酸化物膜407上に設けられて酸化物半導
体膜403の一部と接するソース電極405aおよびドレイン電極405bを含む。図1
(A)に示すトランジスタ310において、金属酸化物膜407は、チャネル保護膜とし
て機能する。また、トランジスタ310は、ソース電極405aおよびドレイン電極40
5bを覆い、金属酸化物膜407上に接して、さらに絶縁膜409を設ける構成とするこ
とが好ましい。
【0039】
ここで、金属酸化物膜407には、酸化物半導体膜403と同種の成分でなる酸化物を
用いるのが望ましい。具体的には、酸化物半導体膜の構成元素から選択される一または複
数の金属元素の酸化物を含む膜を用いるのが好ましい。このような材料は酸化物半導体膜
403との相性が良く、これを金属酸化物膜407に用いることで、酸化物半導体膜との
界面の状態を良好に保つことができるからである。つまり、上述の材料を金属酸化物膜4
07に用いることで、酸化物半導体膜とこれに接する金属酸化物膜の界面(ここでは、金
属酸化物膜407と酸化物半導体膜403との界面)における電荷の捕獲を抑制すること
ができる。
【0040】
なお、酸化物半導体膜403を活性層として用いる関係上、金属酸化物膜407のエネ
ルギーギャップは、酸化物半導体膜403のエネルギーギャップより大きいことが求めら
れる。また、金属酸化物膜407と酸化物半導体膜403の間には、室温(20℃)にお
いて、酸化物半導体膜403からキャリアが流出しない程度のエネルギー障壁の形成が最
低限求められる。例えば、金属酸化物膜407の伝導帯の下端と、酸化物半導体膜403
の伝導帯の下端とのエネルギー差、あるいは酸化物半導体膜403の価電子帯の上端と金
属酸化物膜407の価電子帯の上端とのエネルギー差は0.5eV以上であるのが望まし
く、0.7eV以上であるとより望ましい。また、1.5eV以下であると望ましい。
【0041】
具体的には、例えば、酸化物半導体膜403にIn-Ga-Zn-O系の材料を用いる
場合には、酸化ガリウムを含む材料などを用いて金属酸化物膜407を形成すればよい。
なお、酸化ガリウムとIn-Ga-Zn-O系の材料を接触させた場合のエネルギー障壁
は、伝導帯側で約0.8eVとなり、価電子帯側で約0.9eVとなる。
【0042】
なお、酸化ガリウムは、GaOとも表記され、酸素が化学量論比よりも過剰となるよ
うxの値を設定するのが好ましい。例えば、xの値を1.4以上2.0以下とするのが好
ましく、xの値を1.5以上1.8以下とするのがより好ましい。金属酸化物膜407と
して用いる場合、酸化ガリウム膜は、水素や水などの不純物が十分に低減された膜である
のが望ましい。ただし、酸化ガリウム膜中に、イットリウムなどの3族元素、ハフニウム
などの4族元素、アルミニウムなどの13族元素、シリコンなどの14族元素、窒素、な
どの水素以外の不純物元素を含ませることで、酸化ガリウムのエネルギーギャップを拡大
させて絶縁性を高めても良い。不純物を含まない酸化ガリウム膜のエネルギーギャップは
4.9eVであるが、上述の不純物を、例えば、0原子%を超えて20原子%以下含ませ
ることで、そのエネルギーギャップを6eV程度まで拡大することができる。
【0043】
なお、電荷の発生源や捕獲中心を低減するという観点からは、金属酸化物膜における水
素や水などの不純物は十分に低減されたものであるのが望ましい。この思想は、酸化物半
導体膜における不純物低減の思想と共通するものである。
【0044】
また、酸化物半導体膜403のチャネル形成領域と重畳する領域には、チャネル保護膜
として機能する金属酸化物膜407が設けられているので、ソース電極405aおよびド
レイン電極405bのエッチングによるチャネル形成領域へのダメージ(例えば、エッチ
ング時のプラズマまたはエッチング剤によるダメージ)を防ぐことができる。これにより
、安定した電気的特性を有する酸化物半導体を用いた半導体装置を提供することができる
【0045】
また、図1(B)に示すように、金属酸化物膜407のチャネル長方向の幅を酸化物半
導体膜403のチャネル長方向の幅より短くすることで、ソース電極405aおよびドレ
イン電極405bは、酸化物半導体膜403の上面の一部と接する。つまり、金属酸化物
膜407のチャネル長方向の幅を短くすることにより、トランジスタ310のチャネル長
を短くし、トランジスタの高速化および低消費電力化を図ることができる。
【0046】
また、トランジスタ310は、金属酸化物膜407を設けていない所謂チャネルエッチ
型のトランジスタと比較すると、ソース電極405aおよびドレイン電極405bと酸化
物半導体膜403との接触面積が低減された構造となるので、ソース電極405aおよび
ドレイン電極405bと酸化物半導体膜403との界面近傍が高抵抗な領域となる。これ
により、トランジスタ310における電界の集中を緩和することができるので、トランジ
スタ310を微細化した場合も短チャネル効果を抑制することが可能である。
【0047】
また、金属酸化物膜407上に接して絶縁膜409を設ける構成とする場合、絶縁膜4
09には、金属酸化物膜407と接触させることによって、その界面に電荷の捕獲中心が
形成されうる材料を用いるのが望ましい。このような材料を絶縁膜409に用いることで
、電荷は絶縁膜409と金属酸化物膜407との界面に優先的に捕獲されるため、金属酸
化物膜407と酸化物半導体膜403の界面での電荷捕獲をさらに効果的に抑制すること
ができるようになる。ただし、絶縁膜409と金属酸化物膜407との界面に電荷の捕獲
中心が多数形成される場合には、かえってトランジスタ特性が悪化することになりかねな
いため、酸化物半導体膜403と金属酸化物膜407との界面と比較して僅かに電荷の捕
獲中心が形成されやすい程度が好適といえる。
【0048】
具体的には、絶縁膜409には、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒
化アルミニウム、これらの混合材料、などを単層でまたは積層して用いればよい。例えば
、金属酸化物膜407に酸化ガリウムを含む材料を用いる場合には、絶縁膜409には、
酸化シリコンや窒化シリコンなどを用いるのが好適である。また、金属酸化物膜407と
接する関係上、絶縁膜409のエネルギーギャップは、金属酸化物膜407のエネルギー
ギャップより大きいことが望ましい。
【0049】
なお、絶縁膜409と金属酸化物膜407との界面に電荷の捕獲中心を形成することが
できるのであれば、絶縁膜409の材料を上述のものに限定する必要はない。また、絶縁
膜409と金属酸化物膜407との界面に、電荷の捕獲中心が形成される処理を行っても
良い。このような処理としては、例えば、プラズマ処理や元素の添加処理(イオン注入な
ど)がある。
【0050】
なお、トランジスタ310では、金属酸化物膜407が島状にパターン形成されている
が、必ずしも島状にパターン形成されていなくてもよい。また、酸化物半導体膜403の
チャネル長方向の側端部と、金属酸化物膜407のチャネル長方向の側端部とが一致する
ようにしてもよい。また、絶縁膜409を形成する場合、酸化物半導体膜403の上方に
、さらに第2のゲート電極を有していても良い。その場合、ゲート電極401を設けず、
トップゲート型のトランジスタとしても良い。また、ゲート絶縁膜402上に接して、さ
らに第2の金属酸化物膜を有していても良い。また、酸化物半導体膜403のチャネル長
方向の幅がゲート電極401のチャネル長方向の幅より狭くなるように酸化物半導体膜4
03をパターン形成してもよい。また、トランジスタ310上には、さらに絶縁膜が設け
られていても良い。また、ソース電極405aやドレイン電極405bと配線とを電気的
に接続させるために、ゲート絶縁膜402、金属酸化物膜407、絶縁膜409、などに
は開口が形成されていても良い。なお、酸化物半導体膜403は島状に加工されているこ
とが望ましいが、島状に加工されていなくても良い。
【0051】
図2は、上述のトランジスタ310、すなわち、ゲート電極GE側から絶縁膜、酸化物
半導体膜、金属酸化物膜および絶縁膜を接合した構造、におけるエネルギーバンド図(模
式図)であり、Eは酸化物半導体膜のフェルミ準位である。図2では、絶縁膜、金属酸
化物膜、酸化物半導体膜のいずれもが真性であるという理想的な状況を仮定し、絶縁膜と
して酸化シリコン(SiO)(バンドギャップEg8eV~9eV)を、金属酸化物膜
として酸化ガリウム(GaO)(バンドギャップEg4.9eV)を、酸化物半導体膜
(OS)としてIn-Ga-Zn-O系非単結晶膜(バンドギャップEg3.15eV)
を用いた場合について示している。なお、酸化シリコンの真空準位と伝導帯下端のエネル
ギー差は0.95eVであり、酸化ガリウムの真空準位と伝導帯下端のエネルギー差は3
.5eVであり、In-Ga-Zn-O系非単結晶膜の真空準位と伝導帯下端のエネルギ
ー差は4.3eVである。
【0052】
図2に示すように、酸化物半導体膜のゲート電極側(チャネル側)には、酸化物半導体
膜と絶縁膜との界面に約3.35eVおよび約2.5eVのエネルギー障壁が存在する。
同様に、酸化物半導体膜のゲート電極とは反対側(バックチャネル側)にも、酸化物半導
体膜と金属酸化物膜との界面に約0.8eVおよび約0.95eVのエネルギー障壁が存
在する。酸化物半導体膜と絶縁膜との界面、および酸化物半導体膜と金属酸化物膜との界
面において、このようなエネルギー障壁が存在することにより、酸化物半導体膜と絶縁膜
との界面、および酸化物半導体膜と金属酸化物膜との界面においてキャリアの移動は妨げ
られるため、キャリアは酸化物半導体膜から絶縁膜、または酸化物半導体膜から金属酸化
物膜に移動することなく、酸化物半導体膜中を移動する。つまり、酸化物半導体膜を、酸
化物半導体膜よりもバンドギャップが大きい材料(ここでは、金属酸化物膜と絶縁膜)で
挟むように設けることにより、キャリアは酸化物半導体膜中を移動することになる。
【0053】
図3および図4(A)乃至図4(H)に、図1とは異なるトランジスタの構成例を示す
【0054】
図3に、金属酸化物膜407が酸化物半導体膜403を覆う構成のトランジスタの断面
図および平面図を示す。ここで、図3(A)は平面図であり、図3(B)および図3(C
)は、図3(A)におけるA-B断面およびC-D断面に係る断面図である。なお、図3
(A)では、煩雑になることを避けるため、トランジスタ320の構成要素の一部(例え
ば、ゲート絶縁膜402など)を省略している。
【0055】
図3に示すトランジスタ320は、基板400上に、ゲート電極401、ゲート絶縁膜
402、酸化物半導体膜403、金属酸化物膜407、ソース電極405a、ドレイン電
極405bおよび絶縁膜409を含む点で図1に示すトランジスタ310と共通している
図3に示すトランジスタ320と、図1に示すトランジスタ310との相違は、金属酸
化物膜407が酸化物半導体膜403を覆っている点である。ここで、トランジスタ32
0は、酸化物半導体膜403の一部が露出されるように金属酸化物膜407に設けられた
開口を介して、ソース電極405aおよびドレイン電極405bと酸化物半導体膜403
とが接している。その他の構成要素については、図1に示すトランジスタ310と同様で
ある。詳細は、図1に関する記載を参酌することができる。
【0056】
このような構成とすることにより、トランジスタ320は図1に示すトランジスタ31
0と比較して、ソース電極405aおよびドレイン電極405bと酸化物半導体膜403
との接触面積が低減された構造となるので、ソース電極405aおよびドレイン電極40
5bと酸化物半導体膜403との界面近傍がより高抵抗な領域となる。これにより、トラ
ンジスタ310における電界の集中をより緩和することができるので、トランジスタ31
0を微細化した場合も短チャネル効果をより効果的に抑制することが可能である。
【0057】
図4(A)および図4(B)に示すトランジスタ330、トランジスタ340は、上述
のトランジスタ310、トランジスタ320の構成に対して、それぞれ、絶縁膜409上
であって酸化物半導体膜403のチャネル形成領域に重畳する領域に導電膜410を設け
た構成である。導電膜410は、ゲート電極401と同様の材料および方法で形成すれば
よい。その他の構成要素については、上述のトランジスタ310、トランジスタ320と
同様である。なお、図4(C)および図4(D)に示すトランジスタ350、トランジス
タ360は、トランジスタ330、トランジスタ340の構成に対して、さらにゲート電
極401およびゲート絶縁膜402を設けない構成とし、トップゲート型のトランジスタ
としたものである。
【0058】
図4(E)および図4(F)に示すトランジスタ370、トランジスタ380は、上述
のトランジスタ310、トランジスタ320の構成に対して、ゲート絶縁膜402上に接
して、さらに金属酸化物膜404を設けた構成である。金属酸化物膜404は、金属酸化
物膜407と同様の材料および方法で形成すればよい。また、ゲート絶縁膜402は、絶
縁膜409と同様の材料および方法で形成するのが好ましい。その他の構成要素について
は、上述のトランジスタ310、トランジスタ320と同様である。
【0059】
このような構成とすることで、酸化物半導体膜403の下面部、つまり酸化物半導体膜
403と金属酸化物膜404との界面においても、電荷の捕獲を抑制することができる。
さらに、ゲート絶縁膜402として、金属酸化物膜404と接触させることでその界面に
電荷の捕獲中心が形成されうる材料を用いることによって、電荷はゲート絶縁膜402と
金属酸化物膜404との界面に優先的に捕獲されるため、金属酸化物膜404と酸化物半
導体膜403の界面における電荷捕獲をさらに効果的に抑制することができる。
【0060】
図4(G)に示すトランジスタ390は、上述のトランジスタ310の構成に対して、
酸化物半導体膜403のチャネル長方向の幅がゲート電極401のチャネル長方向の幅よ
り狭くなるように酸化物半導体膜403をパターン形成している。その他の構成要素につ
いては、上述のトランジスタ310と同様である。このような構成とすることにより、酸
化物半導体膜403を平坦な形状とすることができるので、酸化物半導体膜403とゲー
ト絶縁膜402の界面におけるキャリアの散乱防止、界面準位の低減を図ることができる
【0061】
図4(H)に示すトランジスタ500は、上述のトランジスタ310の構成に対して、
金属酸化物膜407上に接して、さらに保護絶縁膜419を設けた構成である。つまり、
保護絶縁膜419は、上面の一部がソース電極405aおよびドレイン電極405bと接
しており、金属酸化物膜407とともにチャネル保護膜として機能する。保護絶縁膜41
9は、絶縁膜409と同様の材料および方法で形成すればよい。その他の構成要素につい
ては、上述のトランジスタ310と同様である。
【0062】
このような構成とすることで、絶縁膜409を設けない構成としても、金属酸化物膜4
07上に接して、金属酸化物膜407と接触させることでその界面に電荷の捕獲中心が形
成されうる材料を用いた保護絶縁膜419を設けることができる。よって、絶縁膜409
を設けない構成としても、酸化物半導体膜403と金属酸化物膜407との界面と比較し
て、保護絶縁膜419と金属酸化物膜407との界面に、電荷は優先的に捕獲されるため
、金属酸化物膜407と酸化物半導体膜403の界面における電荷捕獲をさらに効果的に
抑制することができる。
【0063】
なお、上記各トランジスタの構成については、互いに適宜組み合わせて用いることがで
きる。
【0064】
〈トランジスタの作製工程の例〉
以下、図5を用いて、図1図3または図4に示すトランジスタの作製工程の例につい
て説明する。
【0065】
〈トランジスタ310の作製工程〉
図5(A)乃至図5(E)を用いて、図1に示すトランジスタ310の作製工程の一例
について説明する。
【0066】
まず、絶縁表面を有する基板400上に導電膜を形成した後、第1のフォトリソグラフ
ィ工程によりゲート電極401を形成する(図5(A)参照)。なお、レジストマスクを
インクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフ
ォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0067】
絶縁表面を有する基板400に使用することができる基板に大きな制限はないが、少な
くとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。例えば、
ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などの基板を用いることができ
る。また、絶縁表面を有していれば、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、
多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板などを適
用することも可能であり、これらの基板上に半導体素子が設けられていてもよい。
【0068】
また、基板400として、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板を用いる場合、可撓
性基板上に酸化物半導体膜403を含むトランジスタを直接作製してもよいし、他の作製
基板に酸化物半導体膜403を含むトランジスタを作製し、その後可撓性基板に剥離、転
置してもよい。なお、作製基板から可撓性基板に剥離、転置するために、作製基板と酸化
物半導体膜403を含むトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。
【0069】
下地膜となる絶縁膜を基板400とゲート電極401との間に設けてもよい。下地膜は
、基板400からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化シリコン膜、酸化シリ
コン膜、窒化酸化シリコン膜、または酸化窒化シリコン膜から選ばれた一または複数の膜
による積層構造により形成することができる。
【0070】
また、ゲート電極401は、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニ
ウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を
用いて、単層でまたは積層して形成することができる。
【0071】
次いで、ゲート電極401上にゲート絶縁膜402を形成する(図5(A)参照)。
【0072】
具体的には、ゲート絶縁膜402としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒
化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒
化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜または酸化ガリウム膜等
を単層でまたは積層して形成することができる。
【0073】
ゲート絶縁膜402の作製方法に特に限定はないが、例えば、プラズマCVD法やスパ
ッタリング法などの成膜方法を用いてゲート絶縁膜402を作製することができる。
【0074】
なお、ゲート絶縁膜402を形成後、さらにゲート絶縁膜402上に金属酸化物膜40
4を設けることで、図4(E)に示すトランジスタ370または図4(F)に示すトラン
ジスタ380を形成することができる。金属酸化物膜404は、後述する金属酸化物膜4
07と同様の材料、同様の工程で形成することができる。
【0075】
次いで、ゲート絶縁膜402上に、膜厚3nm以上30nm以下の酸化物半導体膜40
3をスパッタリング法で形成する(図5(A)参照)。酸化物半導体膜403の膜厚を大
きくしすぎると(例えば、膜厚を50nm以上)、トランジスタがノーマリーオンとなっ
てしまうおそれがあるため、上述の膜厚とするのが好ましい。なお、ゲート絶縁膜402
と酸化物半導体膜403は、大気に触れさせることなく連続して成膜するのが好ましい。
【0076】
なお、酸化物半導体膜403をスパッタリング法により成膜する前に、アルゴンガスを
導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、ゲート絶縁膜402の表面に付着して
いる粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することが好ましい。逆スパッタと
は、基板に電圧を印加し、基板近傍にプラズマを形成して、基板側の表面を改質する方法
である。なお、アルゴンに代えて、窒素、ヘリウム、酸素などのガスを用いてもよい。
【0077】
酸化物半導体膜403に用いる酸化物半導体としては、四元系金属酸化物であるIn-
Sn-Ga-Zn-O系酸化物半導体や、三元系金属酸化物であるIn-Ga-Zn-O
系酸化物半導体、In-Sn-Zn-O系酸化物半導体、In-Al-Zn-O系酸化物
半導体、Sn-Ga-Zn-O系酸化物半導体、Al-Ga-Zn-O系酸化物半導体、
Sn-Al-Zn-O系酸化物半導体や、二元系金属酸化物であるIn-Zn-O系酸化
物半導体、Sn-Zn-O系酸化物半導体、Al-Zn-O系酸化物半導体、Zn-Mg
-O系酸化物半導体、Sn-Mg-O系酸化物半導体、In-Mg-O系酸化物半導体、
In-Ga-O系酸化物半導体や、単元系金属酸化物であるIn-O系酸化物半導体、S
n-O系酸化物半導体、Zn-O系酸化物半導体などを用いることができる。また、上記
酸化物半導体にSiOを含んでもよい。ここで、例えば、In-Ga-Zn-O系酸化
物半導体とは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を有する酸化物膜
、という意味であり、その組成比はとくに問わない。また、InとGaとZn以外の元素
を含んでもよい。
【0078】
また、酸化物半導体膜403は、化学式InMO(ZnO)(m>0)で表記され
る薄膜を用いることができる。ここで、Mは、Ga、Al、MnおよびCoから選ばれた
一または複数の金属元素を示す。例えばMとして、Ga、GaおよびAl、GaおよびM
n、またはGaおよびCoなどがある。
【0079】
本実施の形態では、酸化物半導体膜403としてIn-Ga-Zn-O系酸化物半導体
成膜用ターゲットを用いてスパッタリング法により成膜する。また、酸化物半導体膜40
3は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガスと酸素の混
合雰囲気下においてスパッタリング法により形成することができる。
【0080】
酸化物半導体膜403としてIn-Ga-Zn-O膜をスパッタリング法で作製するた
めのターゲットとしては、例えば、組成比として、In:Ga:ZnO=1
:1:1[mol比]の酸化物半導体成膜用ターゲットを用いることができる。また、こ
のターゲットの材料および組成に限定されず、例えば、In:Ga:ZnO
=1:1:2[mol比]の酸化物半導体成膜用ターゲットを用いてもよい。
【0081】
また、酸化物半導体としてIn-Zn-O系の材料を用いる場合、用いるターゲットの
組成比は、原子数比で、In:Zn=50:1~1:2(モル比に換算するとIn
:ZnO=25:1~1:4)、好ましくはIn:Zn=20:1~1:1(モル比に換
算するとIn:ZnO=10:1~1:2)、さらに好ましくはIn:Zn=15
:1~1.5:1(モル比に換算するとIn:ZnO=15:2~3:4)とする
。例えば、In-Zn-O系酸化物半導体の形成に用いるターゲットは、原子数比がIn
:Zn:O=X:Y:Zのとき、Z>1.5X+Yとする。
【0082】
また、酸化物半導体成膜用ターゲットの充填率は90%以上100%以下、好ましくは
95%以上99.9%以下である。充填率の高い酸化物半導体成膜用ターゲットを用いる
ことにより、成膜した酸化物半導体膜403は緻密な膜とすることができる。
【0083】
酸化物半導体膜403を成膜する際に用いるスパッタガスとしては、水素、水、水酸基
または水素化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0084】
酸化物半導体膜403の成膜は、減圧状態に保持された成膜室内に基板400を保持し
、基板温度を100℃以上600℃以下好ましくは200℃以上400℃以下として行う
。基板400を加熱しながら成膜することにより、成膜した酸化物半導体膜403に含ま
れる不純物濃度を低減することができる。また、スパッタリングによる酸化物半導体膜4
03の損傷が軽減される。そして、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素および水分が除
去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて基板400上に酸化物半導体膜
403を成膜する。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例え
ば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ま
しい。また、排気手段は、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい
。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子、水(HO)など水素
原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該
成膜室で成膜した酸化物半導体膜403に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0085】
成膜条件の一例としては、基板とターゲットの間との距離を100mm、圧力0.6P
a、直流(DC)電源0.5kW、酸素(酸素流量比率100%)雰囲気下の条件が適用
される。なお、パルス直流電源を用いると、成膜時に発生する粉状物質(パーティクル、
ごみともいう)が軽減でき、膜厚のばらつきも小さくなるために好ましい。
【0086】
その後、酸化物半導体膜403に対して、熱処理(第1の熱処理)を行うことが望まし
い。この第1の熱処理によって酸化物半導体膜403中の、過剰な水素(水や水酸基を含
む)を除去し、酸化物半導体膜403の構造を整え、エネルギーギャップ中の欠陥準位を
低減することができる。第1の熱処理の温度は、250℃以上700℃以下、好ましくは
450℃以上600℃以下である。なお、第1の熱処理の温度は、基板の歪み点未満とす
ることが好ましい。
【0087】
熱処理は、例えば、抵抗発熱体などを用いた電気炉に被処理物を導入し、窒素雰囲気下
、450℃、1時間の条件で行うことができる。この間、酸化物半導体膜403は大気に
触れないようにし、水や水素の混入が生じないようにする。
【0088】
熱処理装置は電気炉に限られず、加熱されたガスなどの媒体からの熱伝導、または熱輻
射によって、被処理物を加熱する装置を用いても良い。例えば、LRTA(Lamp R
apid Thermal Anneal)装置、GRTA(Gas Rapid Th
ermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Annea
l)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドラン
プ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ラ
ンプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である
。GRTA装置は、高温のガスを用いて熱処理を行う装置である。ガスとしては、アルゴ
ンなどの希ガス、または窒素のような、熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体
が用いられる。
【0089】
例えば、第1の熱処理として、熱せられた不活性ガス雰囲気中に被処理物を投入し、数
分間熱した後、当該不活性ガス雰囲気から被処理物を取り出すGRTA処理を行ってもよ
い。GRTA処理を用いると短時間での高温熱処理が可能となる。また、被処理物の耐熱
温度を超える温度条件であっても適用が可能となる。なお、処理中に、不活性ガスを、酸
素を含むガスに切り替えても良い。酸素を含む雰囲気において第1の熱処理を行うことで
、酸素欠損に起因するエネルギーギャップ中の欠陥準位を低減することができるためであ
る。
【0090】
なお、不活性ガス雰囲気としては、窒素、または希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン
等)を主成分とする雰囲気であって、水、水素などが含まれない雰囲気を適用するのが望
ましい。例えば、熱処理装置に導入する窒素や、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス
の純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上
(すなわち、不純物濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とする。
【0091】
いずれにしても、第1の熱処理によって不純物を低減し、i型(真性)半導体またはi
型半導体に限りなく近い酸化物半導体膜403を形成することで、極めて優れた特性のト
ランジスタを実現することができる。
【0092】
ところで、上述の熱処理(第1の熱処理)には水素や水などを除去する効果があるから
、当該熱処理を、脱水化処理や、脱水素化処理などと呼ぶこともできる。当該脱水化処理
や、脱水素化処理は、例えば、酸化物半導体膜403を島状に加工した後などのタイミン
グにおいて行うことも可能である。また、このような脱水化処理、脱水素化処理は、一回
に限らず複数回行っても良い。
【0093】
次いで、酸化物半導体膜403を第2のフォトリソグラフィ工程により島状の酸化物半
導体膜403に加工するのが好ましい(図5(A)参照)。また、島状の酸化物半導体膜
403を形成するためのレジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジスト
マスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低
減できる。ここでの酸化物半導体膜403のエッチングは、ドライエッチングでもウェッ
トエッチングでもよく、両方を用いてもよい。
【0094】
なお、島状の酸化物半導体膜403のチャネル長方向の幅がゲート電極401のチャネ
ル長方向の幅より狭くなるように酸化物半導体膜403を加工することで、図4(G)に
示すトランジスタ390を形成することができる。
【0095】
次いで、NO、N、またはArなどのガスを用いたプラズマ処理を行い、露出して
いる酸化物半導体膜403の表面に付着した吸着水などを除去してもよい。プラズマ処理
を行った場合、当該プラズマ処理に続けて大気に触れることなく、酸化物半導体膜403
に接する金属酸化物膜407を形成することが望ましい。
【0096】
次いで、酸化物半導体膜403を覆って、金属酸化物膜427を成膜する(図5(B)
参照)。なお、金属酸化物膜427は、後の工程で島状に加工することにより、金属酸化
物膜407となる。
【0097】
金属酸化物膜427(金属酸化物膜407)は、酸化物半導体膜403と同種の成分で
なる膜とし、酸化物半導体膜403の主成分材料を含む酸化物を用いるのが望ましい。こ
のような材料は酸化物半導体膜403との相性が良く、これを金属酸化物膜407に用い
ることで、酸化物半導体膜との界面の状態を良好に保つことができるからである。つまり
、上述の材料を金属酸化物膜427(金属酸化物膜407)に用いることで、金属酸化物
膜407と酸化物半導体膜403との界面における電荷の捕獲を抑制することができるの
である。
【0098】
金属酸化物膜407のエネルギーギャップは、酸化物半導体膜403のエネルギーギャ
ップより大きいことが求められる。また、金属酸化物膜407と酸化物半導体膜403の
間には、室温(20℃)において、酸化物半導体膜403からキャリアが流出しない程度
のエネルギー障壁の形成が最低限求められる。
【0099】
なお、電荷の発生源や捕獲中心を低減するという観点からは、金属酸化物膜407にお
ける水素や水などの不純物は十分に低減されたものであるのが望ましい。この思想は、酸
化物半導体膜における不純物低減の思想と共通するものである。
【0100】
金属酸化物膜427(金属酸化物膜407)は、水、水素等の不純物を混入させない方
法を用いて成膜することが好ましい。金属酸化物膜427(金属酸化物膜407)に水素
が含まれると、その水素の酸化物半導体膜403への侵入、または水素による酸化物半導
体膜403中の酸素の引き抜き、が生じ酸化物半導体膜403のバックチャネルが低抵抗
化(n型化)してしまい、寄生チャネルが形成されるおそれがある。よって、金属酸化物
膜427(金属酸化物膜407)はできるだけ水素を含まない膜になるように、成膜方法
に水素を用いないことが重要である。
【0101】
よって、金属酸化物膜427は、スパッタリング法によって成膜するのが好ましく、成
膜する際に用いるスパッタガスとしては、水素、水、水酸基または水素化物などの不純物
が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0102】
また、電荷の捕獲中心を酸化物半導体膜403から遠ざけるためには、金属酸化物膜4
27(金属酸化物膜407)は十分な膜厚を有しているのが好ましい。具体的には、金属
酸化物膜427(金属酸化物膜407)として10nmを超える膜厚で、100nm以下
とするのが好ましい。
【0103】
なお、金属酸化物膜427を成膜後、さらに金属酸化物膜427上に保護絶縁膜419
を設けることで、図4(H)に示すトランジスタ500を形成することができる。保護絶
縁膜419は、後述する絶縁膜409と同様の材料、同様の工程で形成することができる
。また、保護絶縁膜419は、後の工程で金属酸化物膜427を金属酸化物膜407にパ
ターン形成するときに、同時にパターン形成することができる。もちろん金属酸化物膜4
27とは別工程でパターン形成を行ってもよい。
【0104】
次いで、第3のフォトリソグラフィ工程により金属酸化物膜427上にレジストマスク
を形成し、エッチングを行ってチャネル保護膜として機能する金属酸化物膜407を形成
した後、レジストマスクを除去する(図5(C)参照)。また、金属酸化物膜407を形
成するためのレジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをイ
ンクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
ここでの金属酸化物膜427のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチング
でもよく、両方を用いてもよい。
【0105】
第3のフォトリソグラフィ工程でのレジストマスク形成時の露光には、紫外線やKrF
レーザ光やArFレーザ光を用いるとよい。チャネル保護膜として機能する金属酸化物膜
407のチャネル長方向の幅によって後に形成されるトランジスタのチャネル長Lが決定
される。なお、チャネル長L=25nm未満の露光を行う場合には、例えば、数nm~数
10nmと極めて波長が短い超紫外線(Extreme Ultraviolet)を用
いて第3のフォトリソグラフィ工程でのレジストマスク形成時の露光を行うとよい。超紫
外線による露光は、解像度が高く焦点深度も大きい。従って、後に形成されるトランジス
タのチャネル長Lを微細化することが可能であり、回路の動作速度を高速化できる。
【0106】
ここで、金属酸化物膜407のチャネル長方向の幅が酸化物半導体膜403のチャネル
長方向の幅より短くなるようにパターン形成することで、後の工程で形成するソース電極
405aおよびドレイン電極405bが、酸化物半導体膜403の上面の一部と接する。
よって、金属酸化物膜407のチャネル長方向の幅を短くすることにより、トランジスタ
のチャネル長を短くし、トランジスタの高速化および低消費電力化を図ることができる。
【0107】
また、この金属酸化物膜427のエッチング工程において、金属酸化物膜427と酸化
物半導体膜403のエッチングの選択比が十分とれない場合、酸化物半導体膜403の金
属酸化物膜427と重畳しない領域の一部が除去されることがある。この場合、酸化物半
導体膜403の金属酸化物膜427と重畳しない領域の膜厚が薄くなる。
【0108】
なお、上記の工程で酸化物半導体膜403を島状に加工していない場合、ここで金属酸
化物膜427と同時に島状に加工しても良い。このように酸化物半導体膜403と金属酸
化物膜427とを同時にパターン形成することにより、フォトリソグラフィ工程を削減す
ることができる。また、酸化物半導体膜403と金属酸化物膜427とを同じマスクを用
いてパターン形成することにより、酸化物半導体膜403のチャネル長方向の側端部と、
金属酸化物膜407のチャネル長方向の側端部とが一致する。また、この場合、ゲート絶
縁膜402、酸化物半導体膜403および金属酸化物膜427を外気に曝すことなく、連
続して成膜するのが好ましい。
【0109】
また、金属酸化物膜427は、必ずしも島状に加工せずともよい。例えば、後の工程で
ソース電極405aおよびドレイン電極405bと電気的に接続できるように、酸化物半
導体膜403の一部が露出された開口が設けられた構成としても良い。このような構成と
することで、図3に示すトランジスタ320、図4(B)に示すトランジスタ340、図
4(D)に示すトランジスタ360または図4(F)に示すトランジスタ380を形成す
ることができる。
【0110】
次いで、金属酸化物膜407および酸化物半導体膜403を覆うように、ソース電極お
よびドレイン電極(これと同じ層で形成される配線を含む)を形成するための導電膜を形
成する。ソース電極およびドレイン電極に用いる導電膜としては、例えば、Al、Cr、
Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分
とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用い
ることができる。また、Al、Cuなどの金属膜の下側または上側の一方または双方にT
i、Mo、Wなどの高融点金属膜またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリ
ブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成としても良い。また、ソース電極およ
びドレイン電極に用いる導電膜は、導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属
酸化物としては酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(Zn
O)、酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO、ITOと略記する)、酸化
インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)またはこれらの金属酸化物材料に酸化シ
リコンを含ませたものを用いることができる。
【0111】
第4のフォトリソグラフィ工程により導電膜上にレジストマスクを形成し、選択的にエ
ッチングを行ってソース電極405a、ドレイン電極405bを形成した後、レジストマ
スクを除去する(図5(D)参照)。第3のフォトリソグラフィ工程でのレジストマスク
形成時の露光に、紫外線やKrFレーザ光やArFレーザ光を用いた場合、金属酸化物膜
407上で隣り合うソース電極405aの下端部とドレイン電極405bの下端部との間
隔幅がせまくなるので、第4のフォトリソグラフィ工程においても同様に紫外線やKrF
レーザ光やArFレーザ光を用いるのが好ましい。
【0112】
また、フォトリソグラフィ工程で用いるフォトマスク数および工程数を削減するため、
透過した光が複数の強度となる露光マスクである多階調マスクによって形成されたレジス
トマスクを用いてエッチング工程を行ってもよい。多階調マスクを用いて形成したレジス
トマスクは複数の膜厚を有する形状となり、エッチングを行うことでさらに形状を変形す
ることができるため、異なるパターンに加工する複数のエッチング工程に用いることがで
きる。よって、一枚の多階調マスクによって、少なくとも二種類以上の異なるパターンに
対応するレジストマスクを形成することができる。よって、露光マスク数を削減すること
ができ、対応するフォトリソグラフィ工程も削減できるため、工程の簡略化が可能となる
【0113】
ここで、酸化物半導体膜403のチャネル形成領域と重畳する領域には、金属酸化物膜
407が設けられているので、上記導電膜のエッチングによるダメージ(例えば、エッチ
ング時のプラズマまたはエッチング剤によるダメージ)を防ぐことができる。これにより
、安定した電気的特性を有する酸化物半導体を用いた半導体装置を提供することができる
【0114】
次に、ソース電極405a、ドレイン電極405bを覆い、金属酸化物膜407上に接
して絶縁膜409を形成することが好ましい(図5(E)参照)。絶縁膜409は、金属
酸化物膜407と絶縁膜409とを接触させることによって、その界面に電荷の捕獲中心
が形成されうる材料を用いるのが望ましい。このような材料を絶縁膜409に用いること
で、電荷は絶縁膜409と金属酸化物膜407との界面に捕獲されるため、金属酸化膜4
07と酸化物半導体膜403の界面での電荷捕獲を十分に抑制することができるようにな
る。
【0115】
絶縁膜409としては、無機絶縁膜を用い、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸
化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜などの酸化絶縁膜、または窒化シリコン膜、
窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜などの窒化絶縁膜の
単層、或いは積層を用いればよい。例えば、スパッタリング法を用いて、金属酸化物膜4
07側から順に酸化シリコン膜および窒化シリコン膜の積層を形成する。絶縁膜409は
、酸化物半導体膜403または金属酸化物膜407とは異なる成分を含む膜とすることが
好ましい。なお、後の酸化物半導体膜403への熱処理工程において、金属酸化物膜40
7からも水素や水分等の不純物を効率よく除去するためには、絶縁膜409を酸化シリコ
ン膜とするのが好ましい。また、金属酸化物膜407と接する関係上、絶縁膜409のエ
ネルギーギャップは、金属酸化物膜407のエネルギーギャップより大きいことが望まし
い。
【0116】
なお、絶縁膜409と金属酸化物膜407との界面に電荷の捕獲中心を形成することが
できるのであれば、絶縁膜409の材料を上述のものに限定する必要はない。また、絶縁
膜409と金属酸化物膜407との界面に、電荷の捕獲中心が形成される処理を行っても
良い。このような処理としては、例えば、プラズマ処理や元素の添加処理(イオン注入な
ど)がある。
【0117】
次に酸化物半導体膜403に、金属酸化物膜407と一部(チャネル形成領域)が接し
た状態で第2の熱処理を行うのが好ましい。第2の熱処理の温度は、250℃以上700
℃以下、好ましくは450℃以上600℃以下である。なお、第1の熱処理の温度は、基
板の歪み点未満とすることが好ましい。
【0118】
第2の熱処理は、窒素、酸素、超乾燥空気(水の含有量が20ppm以下、好ましくは
1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)、または希ガス(アルゴン、ヘリウム
など)の雰囲気下で行えばよいが、上記窒素、酸素、超乾燥空気、または希ガス等の雰囲
気に水、水素などが含まれないことが好ましい。また、熱処理装置に導入する窒素、酸素
、または希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上好ましくは7N(99.999
99%)以上(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とするこ
とが好ましい。
【0119】
第2の熱処理においては、酸化物半導体膜403と、金属酸化物膜407と、が接した
状態で加熱される。したがって、上述の脱水化(または脱水素化)処理によって同時に減
少してしまう可能性のある酸化物半導体を構成する主成分材料の一つである酸素を、酸素
を含む金属酸化物膜407より酸化物半導体膜403へ供給することができる。これによ
って、酸化物半導体膜403中の電荷捕獲中心を低減することができる。以上の工程で高
純度化し、電気的にi型(真性)化された酸化物半導体膜403を形成することができる
。また、この熱処理によって、金属酸化物膜407も同時に不純物が除去され、高純度化
されうる。
【0120】
なお、本実施の形態では、絶縁膜409の形成後に第2の熱処理を行っているが、第2
の熱処理のタイミングは金属酸化物膜407の形成後であればこれに特に限定されない。
例えば、金属酸化物膜407の形成後に第2の熱処理を行っても良い。または、絶縁膜4
09を、例えば、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜を積層させて構成する場合に、金属酸
化物膜407上に酸化シリコン膜を形成後第2の熱処理を行い、その後、窒化シリコン膜
を形成してもよい。または、第1の熱処理に続けて第2の熱処理を行っても良いし、第1
の熱処理に第2の熱処理を兼ねさせても良いし、第2の熱処理に第1の熱処理を兼ねさせ
ても良い。
【0121】
上述のように、第1の熱処理と第2の熱処理の少なくとも一方を適用することで、酸化
物半導体膜403を、その主成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化すること
ができる。高純度化された酸化物半導体膜403中ではドナーに由来するキャリアが極め
て少なく(ゼロに近い)、キャリア濃度は1×1014/cm未満、好ましくは1×1
12/cm未満、さらに好ましくは1×1011/cm未満である。
【0122】
以上の工程でトランジスタ310が形成される(図5(E)参照)。トランジスタ31
0は、水素、水分、水酸基または水素化物(水素化合物ともいう)などの不純物を酸化物
半導体膜403より意図的に排除し、高純度化された酸化物半導体膜403を含むトラン
ジスタである。よって、トランジスタ310は、電気的特性変動が抑制されており、電気
的に安定である。
【0123】
また、金属酸化物膜407を有するトランジスタでは、酸化物半導体膜403のバック
チャネル側の寄生チャネルの発生を防止することができる。さらに、トランジスタ310
において酸化物半導体膜403のバックチャネル側の寄生チャネルの発生を防止すること
で、しきい値電圧の変動を抑制することができるため、信頼性の向上したトランジスタと
することができる。
【0124】
なお、絶縁膜409を形成後、さらに絶縁膜409上であって酸化物半導体膜403の
チャネル形成領域に重畳する領域に導電膜410を設けることで、図4(A)に示すトラ
ンジスタ330または図4(B)に示すトランジスタ340を形成することができる。な
お、さらにゲート電極401およびゲート絶縁膜402を設けない構成とすることで、図
4(C)に示すトランジスタ350または図4(D)に示すトランジスタ360を形成す
ることができる。導電膜410は、ゲート電極401と同様の材料、同様の工程で形成す
ることができる。導電膜410を酸化物半導体膜403のチャネル形成領域と重なる位置
に設けることによって、トランジスタ340の信頼性を調べるためのバイアス-熱ストレ
ス試験(以下、BT試験という)において、BT試験前後におけるトランジスタ340の
しきい値電圧の変化量をより低減することができる。なお、導電膜410は、電位がゲー
ト電極401と同じでもよいし、異なっていても良く、第2のゲート電極として機能させ
ることもできる。また、導電膜410の電位がGND、0V、或いはフローティング状態
であってもよい。
【0125】
なお、図示しないが、トランジスタ310を覆うようにさらに保護絶縁膜を形成しても
良い。保護絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、または窒化アルミニ
ウムなどを用いることができる。
【0126】
また、トランジスタ310上に平坦化絶縁膜を設けても良い。平坦化絶縁膜としては、
アクリル、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有す
る有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low-k
材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を
用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させてもよい。
【0127】
以上に示したように、本実施の形態に係るトランジスタは、酸化物半導体膜の上面部に
、酸化物半導体膜と同種の成分でなる金属酸化物膜が積層されている。このように酸化物
半導体膜と相性の良い材料によって構成された金属酸化物膜を酸化物半導体膜と接する態
様で存在させることで、半導体装置の動作などに起因して生じうる電荷などが酸化物半導
体膜と金属酸化物膜との界面に捕獲されることを十分抑制することができる。これによっ
て、酸化物半導体膜への電荷の影響を緩和することができるため、酸化物半導体膜界面へ
の電荷トラップに起因するトランジスタのしきい値変動を抑制することができる。
【0128】
さらに、金属酸化物膜において酸化物半導体膜と接する面と対向する面に、金属酸化物
膜および酸化物半導体膜とは異なる成分を含む絶縁膜が接して設けられている。このよう
に、界面に電荷の捕獲中心が形成されうる材料を用いて構成された絶縁物を金属酸化物膜
と接する態様で存在させることにより、酸化物半導体膜と金属酸化物膜との界面と比較し
て金属酸化物膜と絶縁物との界面に上述の電荷を優先的に捕獲させることができる。これ
によって、酸化物半導体膜への電荷の影響をより緩和することができるため、酸化物半導
体膜界面への電荷トラップに起因するトランジスタのしきい値変動をより効果的に抑制す
ることができる。
【0129】
また、トランジスタの活性層に用いる酸化物半導体膜は、熱処理によって、水素、水分
、水酸基または水素化物(水素化合物ともいう)などの不純物を酸化物半導体より排除し
、かつ不純物の排除工程によって同時に減少してしまう酸化物半導体を構成する主成分材
料である酸素を供給することによって、酸化物半導体膜を高純度化および電気的にi型(
真性)化されたものである。このように高純度化された酸化物半導体膜を含むトランジス
タは、電気的特性変動が抑制されており、電気的に安定である。
【0130】
なお、酸化物半導体膜の界面に電荷がトラップされると、トランジスタのしきい値電圧
はシフトする(例えば、バックチャネル側に正電荷がトラップされると、トランジスタの
しきい値電圧は負方向にシフトする)が、このような電荷捕獲の要因の一つとして、陽イ
オン(またはその原因たる原子)の移動およびトラップのモデルを仮定することができる
。そして、酸化物半導体を用いたトランジスタにおいては、このような陽イオン源として
、水素原子が考えられる。開示する発明では、高純度化した酸化物半導体を用い、また、
これが金属酸化物膜と絶縁膜との積層構造に接する構成を採用しているため、上述のモデ
ルにおいて想定される水素に起因する電荷捕獲さえも抑制できるのである。なお、上述の
モデルは、水素のイオン化率が例えば10%程度で成立しうると考えられている。
【0131】
以上のように、安定した電気的特性を有する酸化物半導体を用いた半導体装置を提供す
ることができる。よって、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
【0132】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと
適宜組み合わせて用いることができる。
【0133】
(実施の形態2)
実施の形態1で例示したトランジスタを用いて表示機能を有する半導体装置(表示装置
ともいう)を作製することができる。また、トランジスタを含む駆動回路の一部または全
体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。
【0134】
図6(A)において、第1の基板4001上に設けられた画素部4002を囲むように
して、シール材4005が設けられ、第2の基板4006によって封止されている。図6
(A)においては、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域
とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜または多結晶半導体膜で形成
された走査線駆動回路4004、信号線駆動回路4003が実装されている。また別途形
成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4002に与
えられる各種信号および電位は、FPC(Flexible printed circ
uit)4018a、FPC4018bから供給されている。
【0135】
図6(B)および図6(C)において、第1の基板4001上に設けられた画素部40
02と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられてい
る。また画素部4002と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板4006が設けら
れている。よって画素部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001
とシール材4005と第2の基板4006とによって、表示素子と共に封止されている。
図6(B)および図6(C)においては、第1の基板4001上のシール材4005によ
って囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜または
多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。図6(B)およ
図6(C)においては、別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4
004または画素部4002に与えられる各種信号および電位は、FPC4018から供
給されている。
【0136】
また、図6(B)および図6(C)においては、信号線駆動回路4003を別途形成し
、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査
線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回
路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
【0137】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG(C
hip On Glass)方法、ワイヤボンディング方法、或いはTAB(Tape
Automated Bonding)方法などを用いることができる。図6(A)は、
COG方法により信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004を実装する例であり
図6(B)は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図6
C)は、TAB方法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0138】
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントロー
ラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。
【0139】
なお、本明細書中における表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしくは
光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPCもしくはTABテープも
しくはTCPが取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板
が設けられたモジュール、または表示素子にCOG方式によりIC(集積回路)が直接実
装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
【0140】
また、第1の基板上に設けられた画素部および走査線駆動回路は、トランジスタを複数
有しており、実施の形態1で一例を示したトランジスタを適用することができる。
【0141】
表示装置に設けられる表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう)、発光素子
(発光表示素子ともいう)、を用いることができる。発光素子は、電流または電圧によっ
て輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electro
Luminescence)、有機EL等が含まれる。また、電子インクなど、電気的
作用によりコントラストが変化する表示媒体も適用することができる。
【0142】
半導体装置の一形態について、図7乃至図9を用いて説明する。図7乃至図9は、図6
(B)のM-Nにおける断面図に相当する。
【0143】
図7乃至図9で示すように、半導体装置は接続端子電極4015および端子電極401
6を有しており、接続端子電極4015および端子電極4016はFPC4018が有す
る端子と異方性導電膜4019を介して、電気的に接続されている。
【0144】
接続端子電極4015は、第1の電極層4030と同じ導電膜から形成され、端子電極
4016は、トランジスタ4010、トランジスタ4011のソース電極およびドレイン
電極と同じ導電膜で形成されている。
【0145】
また、第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004
は、トランジスタを複数有しており、図7乃至図9では、画素部4002に含まれるトラ
ンジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれるトランジスタ4011とを例示
している。
【0146】
本実施の形態では、トランジスタ4010、トランジスタ4011として、実施の形態
1で示したトランジスタを適用することができる。トランジスタ4010、トランジスタ
4011は、電気的特性変動が抑制されており、電気的に安定である。よって、図7乃至
図9で示す本実施の形態の半導体装置として信頼性の高い半導体装置を提供することがで
きる。
【0147】
画素部4002に設けられたトランジスタ4010は表示素子と電気的に接続し、表示
パネルを構成する。表示素子は表示を行うことがでれば特に限定されず、様々な表示素子
を用いることができる。
【0148】
図7に表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の例を示す。図7において、表示
素子である液晶素子4013は、第1の電極層4030、第2の電極層4031、および
液晶層4008を含む。なお、液晶層4008を挟持するように配向膜として機能する絶
縁膜4032、絶縁膜4033が設けられている。第2の電極層4031は第2の基板4
006側に設けられ、第1の電極層4030と第2の電極層4031とは液晶層4008
を介して積層する構成となっている。
【0149】
また、柱状のスペーサ4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られ、液晶
層4008の膜厚(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお、球状のスペ
ーサを用いていても良い。
【0150】
表示素子として、液晶素子を用いる場合、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子
液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これ
らの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カ
イラルネマチック相、等方相等を示す。
【0151】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つ
であり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する
直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改
善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層に用いる
。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec以下と
短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また、配
向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き
起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽
減することができる。よって、液晶表示装置の生産性を向上させることが可能となる。
【0152】
また、液晶材料の固有抵抗率は、1×10Ω・cm以上であり、好ましくは1×10
11Ω・cm以上であり、さらに好ましくは1×1012Ω・cm以上である。なお、本
明細書における固有抵抗率の値は、20℃で測定した値とする。
【0153】
液晶表示装置に設けられる保持容量の大きさは、画素部に配置されるトランジスタのリ
ーク電流等を考慮して、所定の期間、電荷を保持できるように設定される。高純度の酸化
物半導体膜を有するトランジスタを用いることにより、各画素における液晶容量に対して
1/3以下、好ましくは1/5以下の容量の大きさを有する保持容量を設ければ充分であ
る。
【0154】
本実施の形態で用いる高純度化された酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、オフ状
態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、画像信号等の電気信
号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。
よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効
果を奏する。
【0155】
また、本実施の形態で用いる高純度化された酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、
比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。よって、液晶表示装
置の画素部に上記トランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。
また、上記トランジスタは、同一基板上に駆動回路部または画素部に作り分けて作製する
ことができるため、液晶表示装置の部品点数を削減することができる。
【0156】
液晶表示装置には、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In-
Plane-Switching)モード、FFS(Fringe Field Swi
tching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned
Micro-cell)モード、OCB(Optical Compensated
Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liqu
id Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Li
quid Crystal)モードなどを用いることができる。
【0157】
また、ノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用し
た透過型の液晶表示装置としてもよい。ここで、垂直配向モードとは、液晶表示パネルの
液晶分子の配列を制御する方式の一種であり、電圧が印加されていないときにパネル面に
対して液晶分子が垂直方向を向く方式である。垂直配向モードとしては、いくつか挙げら
れるが、例えば、MVA(Multi-domain Vertical Alignm
ent)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment
)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いること
ができる。また、画素(ピクセル)をいくつかの領域(サブピクセル)に分け、それぞれ
別の方向に分子を倒すよう工夫されているマルチドメイン化あるいはマルチドメイン設計
といわれる方法を用いることができる。
【0158】
また、表示装置において、ブラックマトリクス(遮光層)、偏光部材、位相差部材、反
射防止部材などの光学部材(光学基板)などは適宜設ける。例えば、偏光基板および位相
差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなど
を用いてもよい。
【0159】
また、バックライトとして複数の発光ダイオード(LED)を用いて、時間分割表示方
式(フィールドシーケンシャル駆動方式)を行うことも可能である。フィールドシーケン
シャル駆動方式を適用することで、カラーフィルタを用いることなく、カラー表示を行う
ことができる。
【0160】
また、画素部における表示方式は、プログレッシブ方式やインターレース方式等を用い
ることができる。また、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(R
は赤、Gは緑、Bは青を表す)の三色に限定されない。例えば、RGBW(Wは白を表す
)、またはRGBに、イエロー、シアン、マゼンタ等を一色以上追加したものがある。な
お、色要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。ただし、本発明は
カラー表示の表示装置に限定されるものではなく、モノクロ表示の表示装置に適用するこ
ともできる。
【0161】
また、表示装置に含まれる表示素子として、エレクトロルミネッセンスを利用する発光
素子を適用することができる。エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材
料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機
EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
【0162】
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正
孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキ
ャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形
成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このよ
うな発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0163】
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに
分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を
有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー-
アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み
、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を
利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明
する。
【0164】
発光素子は発光を取り出すために少なくとも一対の電極の一方が透明であればよい。そ
して、基板上にトランジスタおよび発光素子を形成し、基板とは逆側の面から発光を取り
出す上面射出や、基板側の面から発光を取り出す下面射出や、基板側および基板とは反対
側の面から発光を取り出す両面射出構造の発光素子があり、どの射出構造の発光素子も適
用することができる。
【0165】
図8に表示素子として発光素子を用いた発光装置の例を示す。表示素子である発光素子
4513は、画素部4002に設けられたトランジスタ4010と電気的に接続している
。なお発光素子4513の構成は、第1の電極層4030、電界発光層4511、第2の
電極層4031の積層構造であるが、示した構成に限定されない。発光素子4513から
取り出す光の方向などに合わせて、発光素子4513の構成は適宜変えることができる。
【0166】
隔壁4510は、有機絶縁材料、または無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の
樹脂材料を用い、第1の電極層4030上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続し
た曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0167】
電界発光層4511は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構
成されていてもどちらでも良い。
【0168】
発光素子4513に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極
層4031および隔壁4510上に保護膜を形成してもよい。保護膜としては、窒化シリ
コン膜、窒化酸化シリコン膜、DLC(Diamond-Like Carbon)膜等
を形成することができる。また、第1の基板4001、第2の基板4006、およびシー
ル材4005によって封止された空間には充填材4514が設けられ密封されている。こ
のように外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わ
せフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)すること
が好ましい。
【0169】
充填材4514としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂ま
たは熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリ
イミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(
エチレンビニルアセテート)を用いることができる。例えば充填材として窒素を用いれば
よい。
【0170】
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、または円偏光板(楕円偏光板を含む
)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けて
もよい。また、偏光板または円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸
により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0171】
また、表示装置として、電子インクを駆動させる電子ペーパーを提供することも可能で
ある。電子ペーパーは、電気泳動表示装置(電気泳動ディスプレイ)とも呼ばれており、
紙と同じ読みやすさ、他の表示装置に比べ低消費電力、薄くて軽い形状とすることが可能
という利点を有している。
【0172】
電気泳動表示装置は、様々な形態が考えられ得るが、プラスの電荷を有する第1の粒子
と、マイナスの電荷を有する第2の粒子とを含むマイクロカプセルが溶媒または溶質に複
数分散されたものであり、マイクロカプセルに電界を印加することによって、マイクロカ
プセル中の粒子を互いに反対方向に移動させて一方側に集合した粒子の色のみを表示する
ものである。なお、第1の粒子または第2の粒子は染料を含み、電界がない場合において
移動しないものである。また、第1の粒子の色と第2の粒子の色は異なるもの(無色を含
む)とする。
【0173】
このように、電気泳動表示装置は、誘電定数の高い物質が高い電界領域に移動する、い
わゆる誘電泳動的効果を利用したディスプレイである。
【0174】
上記マイクロカプセルを溶媒中に分散させたものが電子インクと呼ばれるものであり、
この電子インクはガラス、プラスチック、布、紙などの表面に印刷することができる。ま
た、カラーフィルタや色素を有する粒子を用いることによってカラー表示も可能である。
【0175】
なお、マイクロカプセル中の第1の粒子および第2の粒子は、導電体材料、絶縁体材料
、半導体材料、磁性材料、液晶材料、強誘電性材料、エレクトロルミネセント材料、エレ
クトロクロミック材料、磁気泳動材料から選ばれた一種の材料、またはこれらの複合材料
を用いればよい。
【0176】
また、電子ペーパーとして、ツイストボール表示方式を用いる表示装置も適用すること
ができる。ツイストボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を表示素子に
用いる電極層である第1の電極層および第2の電極層の間に配置し、第1の電極層および
第2の電極層に電位差を生じさせて球形粒子の向きを制御することにより、表示を行う方
法である。
【0177】
図9に、半導体装置の一形態としてアクティブマトリクス型の電子ペーパーを示す。図
9の電子ペーパーは、ツイストボール表示方式を用いた表示装置の例である。
【0178】
トランジスタ4010と接続する第1の電極層4030と、第2の基板4006に設け
られた第2の電極層4031との間には黒色領域4615aおよび白色領域4615bを
有し、周りに液体で満たされているキャビティ4612を含む球形粒子4613が設けら
れており、球形粒子4613の周囲は樹脂等の充填材4614で充填されている。第2の
電極層4031が共通電極(対向電極)に相当する。第2の電極層4031は、共通電位
線と電気的に接続される。
【0179】
なお、図7乃至図9において、第1の基板4001、第2の基板4006としては、ガ
ラス基板の他、可撓性を有する基板も用いることができ、例えば透光性を有するプラスチ
ック基板などを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fibergla
ss-Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド
)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。
また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやポリエステルフィルムで挟んだ構造のシー
トを用いることもできる。
【0180】
絶縁層4021は、無機絶縁材料または有機絶縁材料を用いて形成することができる。
なお、アクリル樹脂、ポリイミド、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂
等の、耐熱性を有する有機絶縁材料を用いると、平坦化絶縁膜として好適である。また、
上記有機絶縁材料の他に、低誘電率材料(low-k材料)、シロキサン系樹脂、PSG
(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これら
の材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層を形成してもよい。
【0181】
絶縁層4021の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタリング法、
スピンコート法、ディッピング法、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スク
リーン印刷、オフセット印刷等)等を適用することができる。ロールコーティング、カー
テンコーティング、ナイフコーティング等を用いて絶縁層4021を形成することもでき
る。
【0182】
表示装置は、光源または表示素子からの光を透過させて表示を行う。よって、光が透過
する画素部に設けられる基板、絶縁膜、導電膜などの薄膜はすべて可視光の波長領域の光
に対して透光性とする。
【0183】
表示素子に電圧を印加する第1の電極層および第2の電極層(画素電極層、共通電極層
、対向電極層などともいう)においては、取り出す光の方向、電極層が設けられる場所、
および電極層のパターン構造によって透光性、反射性を選択すればよい。
【0184】
第1の電極層4030、第2の電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム
酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸
化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す
。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を
有する導電性材料を用いることができる。
【0185】
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031はタングステン(W)、モリブデ
ン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(
Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チ
タン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属
、またはその合金、若しくはその窒化物から一つ、または複数種を用いて形成することが
できる。
【0186】
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031として、導電性高分子(導電性ポ
リマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子とし
ては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン
またはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、
またはアニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体若しくはその誘
導体などが挙げられる。
【0187】
また、トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回
路を設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
【0188】
以上のように実施の形態1で例示したトランジスタを適用することで、信頼性の高い半
導体装置を提供することができる。なお、実施の形態1で例示したトランジスタは上述の
表示機能を有する半導体装置のみでなく、電源回路に搭載されるパワーデバイス、LSI
等の半導体集積回路、対象物の情報を読み取るイメージセンサ機能を有する半導体装置な
ど様々な機能を有する半導体装置に適用することが可能である。
【0189】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可
能である。
【0190】
(実施の形態3)
本明細書に開示する半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用するこ
とができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョ
ン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカ
メラ等のカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともい
う)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機な
どが挙げられる。上記実施の形態で説明した半導体装置を具備する電子機器の例について
説明する。
【0191】
図10(A)は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、本体3001、筐体30
02、表示部3003、キーボード3004などによって構成されている。実施の形態1
または実施の形態2で示した半導体装置を適用することにより、信頼性の高いノート型の
パーソナルコンピュータとすることができる。
【0192】
図10(B)は、携帯情報端末(PDA)であり、本体3021には表示部3023と
、外部インターフェイス3025と、操作ボタン3024等が設けられている。また、操
作用の付属品としてスタイラス3022がある。実施の形態1または実施の形態2で示し
た半導体装置を適用することにより、より信頼性の高い携帯情報端末(PDA)とするこ
とができる。
【0193】
図10(C)は、電子書籍の一例を示している。例えば、電子書籍2700は、筐体2
701および筐体2703の2つの筐体で構成されている。筐体2701および筐体27
03は、軸部2711により一体とされており、該軸部2711を軸として開閉動作を行
うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる
【0194】
筐体2701には表示部2705が組み込まれ、筐体2703には表示部2707が組
み込まれている。表示部2705および表示部2707は、続き画面を表示する構成とし
てもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とする
ことで、例えば右側の表示部(図10(C)では表示部2705)に文章を表示し、左側
の表示部(図10(C)では表示部2707)に画像を表示することができる。実施の形
態1または実施の形態2で示した半導体装置を適用することにより、信頼性の高い電子書
籍2700とすることができる。
【0195】
また、図10(C)では、筐体2701に操作部などを備えた例を示している。例えば
、筐体2701において、電源2721、操作キー2723、スピーカー2725などを
備えている。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同
一面にキーボードやポインティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体
の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子など)、記録媒体挿入部な
どを備える構成としてもよい。さらに、電子書籍2700は、電子辞書としての機能を持
たせた構成としてもよい。
【0196】
また、電子書籍2700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により
、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とするこ
とも可能である。
【0197】
図10(D)は、携帯電話であり、筐体2800および筐体2801の二つの筐体で構
成されている。筐体2801には、表示パネル2802、スピーカー2803、マイクロ
フォン2804、ポインティングデバイス2806、カメラ用レンズ2807、外部接続
端子2808などを備えている。また、筐体2800には、携帯型情報端末の充電を行う
太陽電池セル2810、外部メモリスロット2811などを備えている。また、アンテナ
は筐体2801内部に内蔵されている。実施の形態1または実施の形態2で示した半導体
装置を適用することにより、信頼性の高い携帯電話とすることができる。
【0198】
また、表示パネル2802はタッチパネルを備えており、図10(D)には映像表示さ
れている複数の操作キー2805を点線で示している。なお、太陽電池セル2810で出
力される電圧を各回路に必要な電圧に昇圧するための昇圧回路も実装している。
【0199】
表示パネル2802は、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。また、表示パネ
ル2802と同一面上にカメラ用レンズ2807を備えているため、テレビ電話が可能で
ある。スピーカー2803およびマイクロフォン2804は音声通話に限らず、テレビ電
話、録音、再生などが可能である。さらに、筐体2800と筐体2801は、スライドし
図10(D)のように展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯
に適した小型化が可能である。
【0200】
外部接続端子2808はACアダプタおよびUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続
可能であり、充電およびパーソナルコンピュータなどとのデータ通信が可能である。また
、外部メモリスロット2811に記録媒体を挿入し、より大量のデータ保存および移動に
対応できる。
【0201】
また、上記機能に加えて、赤外線通信機能、テレビ受信機能などを備えたものであって
もよい。
【0202】
図10(E)は、デジタルビデオカメラであり、本体3051、表示部(A)3057
、接眼部3053、操作スイッチ3054、表示部(B)3055、バッテリー3056
などによって構成されている。実施の形態1または実施の形態2で示した半導体装置を適
用することにより、信頼性の高いデジタルビデオカメラとすることができる。
【0203】
図10(F)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置9600は
、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映像を表
示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持
した構成を示している。実施の形態1または実施の形態2で示した半導体装置を適用する
ことにより、信頼性の高いテレビジョン装置とすることができる。
【0204】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリ
モコン操作機により行うことができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機か
ら出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
【0205】
なお、テレビジョン装置9600は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機
により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線
による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方
向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である
【0206】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可
能である。
【符号の説明】
【0207】
310 トランジスタ
320 トランジスタ
330 トランジスタ
340 トランジスタ
350 トランジスタ
360 トランジスタ
370 トランジスタ
380 トランジスタ
390 トランジスタ
400 基板
401 ゲート電極
402 ゲート絶縁膜
403 酸化物半導体膜
404 金属酸化物膜
405a ソース電極
405b ドレイン電極
407 金属酸化物膜
409 絶縁膜
410 導電膜
419 保護絶縁膜
427 金属酸化物膜
500 トランジスタ
2700 電子書籍
2701 筐体
2703 筐体
2705 表示部
2707 表示部
2711 軸部
2721 電源
2723 操作キー
2725 スピーカー
2800 筐体
2801 筐体
2802 表示パネル
2803 スピーカー
2804 マイクロフォン
2805 操作キー
2806 ポインティングデバイス
2807 カメラ用レンズ
2808 外部接続端子
2810 太陽電池セル
2811 外部メモリスロット
3001 本体
3002 筐体
3003 表示部
3004 キーボード
3021 本体
3022 スタイラス
3023 表示部
3024 操作ボタン
3025 外部インターフェイス
3051 本体
3053 接眼部
3054 操作スイッチ
3055 表示部(B)
3056 バッテリー
3057 表示部(A)
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 トランジスタ
4011 トランジスタ
4013 液晶素子
4015 接続端子電極
4016 端子電極
4018 FPC
4018a FPC
4018b FPC
4019 異方性導電膜
4021 絶縁層
4030 電極層
4031 電極層
4032 絶縁膜
4033 絶縁膜
4035 スペーサ
4510 隔壁
4511 電界発光層
4513 発光素子
4514 充填材
4612 キャビティ
4613 球形粒子
4614 充填材
4615a 黒色領域
4615b 白色領域
9600 テレビジョン装置
9601 筐体
9603 表示部
9605 スタンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10