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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/00 20060101AFI20240805BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20240805BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20240805BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20240805BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240805BHJP
【FI】
F21V17/00 150
F21V5/00 200
F21V5/00 510
F21S8/04
F21V31/00 150
F21V17/00 200
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023114343
(22)【出願日】2023-07-12
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】591112027
【氏名又は名称】大光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】曽川 真一
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2016/039130(JP,A1)
【文献】実開昭54-132284(JP,U)
【文献】実開昭55-142802(JP,U)
【文献】特許第6931809(JP,B2)
【文献】特開2015-191685(JP,A)
【文献】特開2015-144040(JP,A)
【文献】登録実用新案第3226661(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 1/00- 8/00
F21V 9/00-15/04
F21V 17/00-17/20
F21V 23/00-99/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光基板を覆うように複数のレンズ板が並んで配置される照明器具であって、
隣合う前記レンズ板のうち、一方側レンズ板における他方側レンズ板との対向端部がオス側カバーとして形成されるとともに、他方側レンズ板における一方側レンズ板との対向端部がメス側カバーとして形成され、
前記メス側カバーの先端縁が前記オス側カバーの先端縁の外側に重なり合うように配置され
複数の前記レンズ板が環状に継ぎ合わされて配置され、
各レンズ板における一方側の対向端部に前記オス側カバーが設けられ、他方側の対向端部に前記メス側カバーが設けられていることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記発光基板が、複数の前記レンズ板に対応して複数並んで配置され、
隣合う前記発光基板のうち、一方側発光基板における他方側発光基板との対向端部に、一方側コネクタが設けられるとともに、他方側発光基板における一方側発光基板との対向端部に他方側コネクタが設けられ、
前記一方側コネクタが前記オス側カバーによって覆われるとともに、前記他方側コネクタが前記メス側カバーによって覆われている請求項に記載の照明器具。
【請求項3】
発光基板を覆うように複数のレンズ板が並んで配置される照明器具であって、
隣合う前記レンズ板のうち、一方側レンズ板における他方側レンズ板との対向端部がオス側カバーとして形成されるとともに、他方側レンズ板における一方側レンズ板との対向端部がメス側カバーとして形成され、
前記メス側カバーの先端縁が前記オス側カバーの先端縁の外側に重なり合うように配置され、
前記発光基板が、複数の前記レンズ板に対応して複数並んで配置され、
隣合う前記発光基板のうち、一方側発光基板における他方側発光基板との対向端部に、一方側コネクタが設けられるとともに、他方側発光基板における一方側発光基板との対向端部に他方側コネクタが設けられ、
前記一方側コネクタが前記オス側カバーによって覆われるとともに、前記他方側コネクタが前記メス側カバーによって覆われていることを特徴とする照明器具。
【請求項4】
前記オス側カバーの先端縁の外側および前記メス側カバーの先端縁の内側のうち、少なくともいずれか一方に面取り状のガイド用傾斜面が形成されている請求項1またはに記載の照明器具。
【請求項5】
前記オス側カバーは、前記一方側コネクタの両側面を覆う両側壁を有し、
前記メス側カバーは、前記他方側コネクタの両側面を覆う両側壁を有し、
前記メス側カバーの先端縁における両側壁が、前記オス側カバーの先端縁における両側壁の外側に重なり合うように配置されている請求項2または3に記載の照明器具。
【請求項6】
前記オス側カバーおよび前記メス側カバーは、前記レンズ板に一体に形成されている請求項1またはに記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばLED基板上にレンズ板が複数並んで取り付けられたLEDシーリングライト等の照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に示す従来の照明器具は、天井に取り付けられるLEDシーリングライトである。このLEDシーリングライトは、天井に取り付けられる器具本体と、器具本体に並べて取り付けられる複数のLED基板と、各LED基板を覆うように並べて配置される複数のレンズ板と、LED基板およびレンズ板を覆うように器具本体に取り付けられる照明カバーとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6931809号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のLEDシーリングライトにおいては、複数のレンズ板が並んで配置されるため、隣合うレンズ板間に隙間が形成される場合があり、そのような場合には、照明カバー内に侵入した小さい虫や微細な塵埃が、上記レンズ板間の隙間を通ってLED基板側に侵入して、LED基板等に悪影響を与えるおそれがあるという課題があった。
【0005】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、レンズ板間の隙間から虫や塵埃等の異物がLED基板等の発光基板側に侵入するのを防止することができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
【0007】
[1]発光基板を覆うように複数のレンズ板が並んで配置される照明器具であって、
隣合う前記レンズ板のうち、一方側レンズ板における他方側レンズ板との対向端部がオス側カバーとして形成されるとともに、他方側レンズ板における一方側レンズ板との対向端部がメス側カバーとして形成され、
前記メス側カバーの先端縁が前記オス側カバーの先端縁の外側に重なり合うように配置されていることを特徴とする照明器具。
【0008】
[2]複数の前記レンズ板が環状に継ぎ合わされて配置され、
各レンズ板における一方側の対向端部に前記オス側カバーが設けられ、他方側の対向端部に前記メス側カバーが設けられている前項1に記載の照明器具。
【0009】
[3]前記オス側カバーの先端縁の外側および前記メス側カバーの先端縁の内側のうち、少なくともいずれか一方に面取り状のガイド用傾斜面が形成されている前項1または2に記載の照明器具。
【0010】
[4]前記発光基板が、複数の前記レンズ板に対応して複数並んで配置され、
隣合う前記発光基板のうち、一方側発光基板における他方側発光基板との対向端部に、一方側コネクタが設けられるとともに、他方側発光基板における一方側発光基板との対向端部に他方側コネクタが設けられ、
前記一方側コネクタが前記オス側カバーによって覆われるとともに、前記他方側コネクタが前記メス側カバーによって覆われている前項1~3のいずれか1項に記載の照明器具。
【0011】
[5]前記オス側カバーは、前記一方側コネクタの両側面を覆う両側壁を有し、
前記メス側カバーは、前記他方側コネクタの両側面を覆う両側壁を有し、
前記メス側カバーの先端縁における両側壁が、前記オス側カバーの先端縁における両側壁の外側に重なり合うように配置されている前項4に記載の照明器具。
【0012】
[6]前記オス側カバーおよび前記メス側カバーは、前記レンズ板に一体に形成されている前項1~5のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の効果】
【0013】
発明[1]の照明器具によれば、隣合うレンズ板のうち、一方側レンズ板の端部であるオス側カバーと、他方側レンズ板の端部であるメス側カバーとが重なり合うように配置されているため、隣合うレンズ板間に隙間が形成されるのを防止することができる。このため発光基板側に虫や塵埃等の異物が侵入することがなく、侵入異物による発光基板への悪影響を確実に防止することができる。
【0014】
発明[2]の照明器具によれば、複数のレンズ板が、正方形等の辺部に沿って環状に配置される場合であっても、発光基板側への異物の侵入を確実に回避することができる。
【0015】
発明[3]の照明器具によれば、レンズ板の取付方法を多様化させることができる。すなわち本発明の照明器具においては、オス側カバーの先端縁およびメス側カバーの先端縁を重ね合わせる際には、オス側カバーの先端縁にその上側からメス側カバーの先端縁を被覆するのが通例であるが、発明[3]の照明器具によれば、オス側カバーおよびメス側カバーの先端縁に面取り状のガイド用傾斜面を形成しているため、メス側カバーの先端縁内側にオス側カバーの先端縁を差し込むようにして重ね合わせることも可能となり、レンズ板の取付方法の多様化を図ることができる。
【0016】
発明[4][5]の照明器具によれば、隣合う発光基板の対向端部にそれぞれ設けられた一方側および他方側のコネクタを、オス側カバーおよびメス側カバーによって確実に被覆することができ、侵入異物によるコネクタへの悪影響を確実に回避することができる。
【0017】
発明[6]の照明器具によれば、オス側カバーおよびメス側カバーをレンズ板に一体に形成しているため、それらのカバーを簡単に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1はこの発明の実施形態である照明器具としてのLEDシーリングライトを示す外観斜視図である。
図2図2は実施形態のシーリングライトを示す下面図である。
図3図3は実施形態のシーリングライトにおける器具本体に光源ユニットを取り付けた状態で示す斜視図である。
図4図4は実施形態のシーリングライトにおける光源ユニットを示す下面図である。
図5図5は実施形態の光源ユニットにおける発光基板としてのLED基板を示す下面図である。
図6図6は実施形態の光源ユニットを構成する光源ユニット構成部を分解して示す斜視図である。
図7図7は実施形態の光源ユニットを示す断面図である。
図8図8図7の要部を拡大して示す断面図である。
図9図9はレンズ板の取付方法を説明するための断面図である。
図10図10は実施例のシーリングライトにおける輝度ムラを説明するための模式図である。
図11図11は参考例のシーリングライトにおける輝度ムラを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1はこの発明の実施形態である照明器具としてのLEDシーリングライトを示す斜視図、図2は実施形態のシーリングライトを示す下面図、図3は実施形態のシーリングライトにおける器具本体1に光源ユニット2を取り付けた状態で示す斜視図である。
【0020】
これらの図に示すように、本実施形態のLEDシーリングライトは、天井面にアダプタ(図示省略)を介して取り付けられる器具本体(ベース)1と、器具本体1の下面側に取り付けられる光源ユニット2と、器具本体1の下面側に取り付けられ、かつ光源ユニット2を下面側から覆うように配置される照明カバー5とを基本的な構成要素として備えている。
【0021】
照明カバー5は、下面視において正方形状に形成されるとともに、上面側に開口を有する中空形状であり、その中空部内に光源ユニット2が収容された状態で、開口縁部が器具本体1に着脱自在に取り付けられている。
【0022】
図4は実施形態のシーリングライトの光源ユニット2を示す下面図、図5は実施形態の光源ユニット2のLED基板31を示す下面図、図6は実施形態の光源ユニット2を構成する光源ユニット構成部20を分解して示す斜視図、図7は光源ユニット2の断面図、図8図7の要部を拡大して示す断面図である。
【0023】
図1図8に示すように光源ユニット2は、略長方形状を有する長尺な4枚の光源ユニット構成部20によって形成されている。各光源ユニット構成部20は、長方形の発光基板としてのLED基板3と、LED基板3に対応する長方形のレンズ板4とを備えている。
【0024】
LED基板3には、発光素子としての多数のLED(発光ダイオード)31が取り付けられている。LED基板3における両端部内側の角部が、LED基板3の長さ方向に対し斜め45°に切り欠かれて、一方側接合用切欠部32aおよび他方側接合用切欠部32bがそれぞれ形成されている。さらに各LED基板3には、一方側接合用切欠部32aおよび他方側接合用切欠部32bに対応して、一方側(オス側)コネクタ33aおよび他方側(メス側)コネクタ33bが設けられている。
【0025】
そして図5に示すように4枚のLED基板3が、正方形の辺部に沿って枠状に配置されるようにして器具本体1上にねじ留め等によって固定されている。この場合、隣合うLED基板3の対応し合う接合用切欠部32a、32b同士が接合されることによって、隣合うLED基板3が直角に配置されるようになっている。
【0026】
また隣合うLED基板3の対応し合うコネクタ33a、33b同士は、コネクタ接続ケーブル35によって接続されて、隣合うLED基板3が電気的に接続されている。なお対応し合うコネクタ33a、33bのうち、一組のコネクタ(図5の上側に配置されるコネクタ)33a、33bは、アダプタ(図示省略)にコネクタ接続ケーブル35によって接続されている。こうしてアダプタと各LED基板3とが電気的に接続されている。
【0027】
図3図8に示すようにレンズ板4は、長方形のLED基板3に対応して長方形に形成されており、LED基板3の各LED31に対応してレンズ(レンズ部)41がそれぞれ設けられている。さらにレンズ板4における両端部内側の2つの角部には、換言するとLED基板3の一方側接続用切欠部32aおよび他方側接続用切欠部32bに対応する部分には、LED基板3のコネクタ33a、33bを下方側から覆うオス側コネクタカバー(オス側カバー)43aおよびメス側コネクタカバー(メス側カバー)43bが一体に形成されている。オス側およびメス側コネクタカバー43a、43bには、対応するコネクタ33a、33bの両側面を覆う両側壁44、44がそれぞれ設けられている。本実施形態において、両側コネクタカバー43a、43bの先端縁とは、両側壁44、44の先端縁も含むものであり、その両側コネクタカバー43a、43bの先端縁によって、両側コネクタカバー43a、43bの開口縁部42a、42bが構成されている。さらに本実施形態においては、両側コネクタカバー43a、43の開口縁部42a、42bによって囲まれる開口面が、LED基板3の接合用切欠部32a、32bに対応して、レンズ板4の長さ方向に対し斜め45°に配置されている。
【0028】
メス側コネクタカバー43bの開口縁部42bは、オス側コネクタカバー43aの開口縁部42aよりも一回り大きく形成されており、メス側コネクタカバー43bの開口縁部42bを、オス側コネクタカバー43aの開口縁部42aの外側に嵌め込み可能(外嵌可能)に構成されている。
【0029】
また図8に示すようにオス側コネクタカバー43aの開口縁部42aの外面側に、先端に向かうに従って内側に傾斜する面取り状のガイド用傾斜面45aが形成されるとともに、メス側コネクタカバー43bの開口縁部42bの内面側に、先端に向かうに従って外側に傾斜する面取り状のガイド用傾斜面45bが形成されている。
【0030】
そして図6等に示すようにレンズ板4が各LED基板3を下面側から覆うようにそれぞれ配置されて器具本体1にねじ留め等によって固定されている。この場合図7および図8に示すように、各レンズ板4のコネクタカバー43a、43b内に、LED基板3の対応するコネクタ33a、33bが収容される。さらに隣合うレンズ板4の対応し合う両側コネクタカバー43a、43bのうち、メス側コネクタカバー43bの開口縁部42bがオス側コネクタカバー43aの開口縁部43aの外側に外嵌されて、両開口縁部42a、42b同士が密に突き合わされた状態に配置される。こうして4枚のレンズ板4が、隣合うレンズ板4が直角に配置されるように枠状(環状)配置される。換言するとLED基板3と、レンズ板4とによって構成される4枚の光源ユニット構成部20が、正方形の辺部に沿って枠状(環状)に継ぎ合わされるように配置されて、光源ユニット2が形成されている。
【0031】
ここで本実施形態においては、4枚のレンズ板4をオスメス結合で順次継ぎ合わせていくものであるため、最後(4枚目)のレンズ板4を取り付ける際に、スムーズに取り付けることができないおそれがある。例えば図4の左上のレンズ板4を1枚目に取り付けた後、2枚目として図4の右上のレンズ板2を取り付ける場合、2枚目のレンズ板4のメス側コネクタカバー43bの開口縁部42bを、1枚目のレンズ板4のオス側コネクタカバー43aの開口縁部42aに上側から外嵌して、2枚目のレンズ板4を、対応するLED基板3上に配置して固定する。同様に、3枚目(図4の右下)のレンズ板4を取り付ける場合、3枚目のレンズ板4のメス側コネクタカバー43bの開口縁部42bを、2枚目のレンズ板4のオス側コネクタカバー43aの開口縁部42aに上側から外嵌して、3枚目のレンズ板4を、対応するLED基板3上に配置して固定する。こうして3枚目までのレンズ板4は無理なく取り付けることができるが、4枚目(図4の左下)のレンズ板4を、既に固定されている1枚目および3枚目のレンズ板4間に取り付ける場合、4枚目のレンズ板4のメス側コネクタカバー43bの開口縁部42bは3枚目のレンズ板4のオス側コネクタカバー43aの開口縁部42aに上側から外嵌することができるが、4枚目のレンズ板4のオス側コネクタカバー43aの開口縁部42aを、既に固定されている1枚目のレンズ板4のメス側コネクタカバー43bの開口縁部42bに差し込むことができず、4枚目(最後)のレンズ板4をスムーズに取り付けることができないおそれがある。
【0032】
そこで本実施形態においては、レンズ板4のオス側コネクタカバー43aの開口縁部42aの外側にガイド用傾斜面45aを形成するとともに、メス側コネクタカバー43bの開口縁部42bの外側にガイド用傾斜面45bを形成しているため、図9に示すように、4枚目(図4の右下)のレンズ板4を、既に固定された1枚目および3枚目のレンズ板4間に取り付ける場合先に、4枚目のレンズ板4のオス側コネクタカバー43aの開口縁部42aを、1枚目のレンズ板4のメス側コネクタカバー43bの開口縁部42bに斜め上方から差し込むようにして内嵌し、その後、4枚目のレンズ板のメス側コネクタカバー43bの開口縁部42bを3枚目のレンズ板4のオス側コネクタカバー43aの開口縁部42aに上側から外嵌する。これにより4枚目のレンズ板4を、1枚目および3枚目のレンズ板4間におけるLED基板3上に正確に配置することができ、4枚目のレンズ板4を無理なく固定することができる。
【0033】
なお本実施形態においては、レンズ板4の両側のコネクタカバー43a、43bの開口縁部42a、42b共にガイド用傾斜面45a、45bを形成するようにしているが、本発明においては、両開口縁部42a、42bのうち少なくともいずれか一方に、ガイド用傾斜面を形成すれば、4枚目(最後)のレンズ板4を無理なく取り付けることができる。
【0034】
以上のように、本実施形態のLEDシーリングライトによれば、レンズ板4に、LED基板3のコネクタ33a、33bを覆うオス側およびメス側コネクタカバー43a、43bを設けて、メス側コネクタカバー43bの開口縁部42bを、オス側コネクタカバー43aの開口縁部42aに外嵌させて重なり合うようにしているため、オス側およびメス側コネクタカバー43a、43b間に隙間が形成されるのを防止することができる。このため、LED基板3のコネクタ33a、33bがコネクタカバー43a、43bに確実に被覆されて、コネクタカバー43a、43b内に、小さい虫や微細な塵埃等の異物が侵入することがなく、コネクタ33a、33bやLED基板3に、侵入異物による悪影響を防止することができる。
【0035】
特に本実施形態おいては、レンズ板4のオス側およびメス側コネクタカバー43a、43bの開口縁部42a、42bに面取り状のガイド用傾斜面45a、45bを形成しているため、既述した通り4枚目(最後)のレンズ板4も無理なくスムーズに取り付けることができる。
【0036】
なお、上記実施形態においては、レンズ板4のカバーによって、LED基板3のコネクタを被覆する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、レンズ板のカバーによって発光基板(LED基板)の一部を被覆するようにしても良い。要は隣合うレンズ板の一方側のレンズ板のメス側カバーを、他方側のレンズ板のオス側カバーの外側に重ね合わせることによって、レンズ板間に隙間を形成しないような構成であれば、どのような構成にも採用することができる。
【0037】
また上記実施形態においては、本発明を、レンズ板が正方形の環状に配置される照明器具に適用された場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明は、レンズ板が正方形以外の多角環状に配置される照明器具や、円形環状、楕円環状に配置される照明器具にも適用することができる。さらに本発明は、レンズ板が、正多角形の環状に配置されるものだけでなく、異形環状に配置される照明器具にも適用することができる。もっとも本発明は、レンズ板が環状に配置されるだけでなく、レンズ板が並んで配置される照明器具であれば適用することができる。
【0038】
また上記実施形態においては、本発明をLEDシーリングライトに適用した場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明は、シーリングライト以外の照明器具にも適用することができる。
【0039】
ここで図2および図10に示すように本実施形態において、正方形枠状の光源ユニット2が、正方形の照明カバー5に対し、上下方向の軸心回りに45°回転するように配置されて、正方形状の光源ユニット2の各角部、つまり隣合う光源ユニット構成部20の各対向端部は、正方形の照明カバー5における各辺部の中間部に対応して配置されている。換言すると、正方形状の光源ユニット2の各辺部が、正方形の照明カバー5における各角部に対応して配置されている。これにより本実施形態のシーリングライトにおいては、正方形の照明カバー5のほぼ全体を輝度ムラなく、ほぼ均等な明るさで照明することができる。
【0040】
すなわち正方形の照明カバー5を有するLEDシーリングライトにおいて、光源ユニット2が本実施形態のように正方形枠状に形成されている場合、図11に示すように光源ユニット2を照明カバー5に対応させて配置するように、光源ユニット2の各辺部(各光源ユニット構成部20)を、照明カバー5の各辺部に平行に配置するのが通例である。しかしながら、光源ユニット2を照明カバー5に対しこのように配置すると後に詳述するように、照明カバー2の辺部に沿った領域における輝度が低くなり、照明カバー全体として、輝度ムラが発生して良好な明るさ感を得ることができなかった。
【0041】
これに対し図2および図10に示す本実施形態のように、光源ユニット2の各角部を、照明カバー5の各辺部の中間部に対応して配置した場合には、光源ユニット2の角部、つまり隣合う2枚の光源ユニット構成部20の対向端部が、照明カバー5の辺部に近接して配置されるため、隣合う2枚の光源ユニット光源板20から照射される照明光が照明カバー5の辺部で十分に反射し、その反射光によって照明カバー5の辺部周辺が均等に照明される。これにより、照明カバー5のほぼ全体を輝度ムラなく照明できて、使用者にとって良好な明るさ感を得ることができる。
【0042】
実際に、図10に示す実施例のシーリングライトと、図11に示す参考例のシーリングライトとにおいて所要位置での輝度を測定した。具体的には、照明カバー5の中心位置Eと、辺部の中間位置Bと、角部の位置Aと、角部の位置Aおよび中心位置E間のほぼ中間位置Cと、角部の位置Aおよび中間位置C間のほぼ中間位置Dとの輝度を測定した。この測定に際しては、輝度計としてコニカミノルタ製のLS-150を用い、輝度計はシーリングライト(照明カバー5)から正面の位置で距離を1mとした。
【0043】
その結果、図10の実施例では、A点が1585cd/m、B点が6220cd/m、C点が6000cd/m、D点が5000cd/m、E点が6180cd/mであった。従ってE点とC点がほぼ同じ輝度であり、E点とB点がほぼ同じ輝度であり、D点がC点に対し約20%暗くなっており、A点がD点に対し70%暗くなっていた。このようにA点を除いてほぼ全域でほぼ同じ輝度になっており、良好な明るさ感を得ることができた。
【0044】
これに対し、図11の参考例では、A点が1565cd/m、B点が4600cd/m、C点が5400cd/m、D点が4400cd/m、E点が6000cd/mであった。従ってC点がE点に対し約10%暗くなっており、B点がE点に対し約65%暗くなっており、D点がC点に対し約20%暗くなっており、A点がD点に対し65%暗くなっていた。このように多くの領域で輝度ムラが認められ、良好な明るさ感を得ることができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0045】
この発明の照明器具は、例えば天井に取り付けられるLEDシーリングライト等に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
3:LED基板(発光基板)
33a、33b:コネクタ
4:レンズ板
42a、42b:開口縁部(先端縁)
43a:オス側コネクタカバー(オス側カバー)
43b:メス側コネクタカバー(メス側カバー)
44:両側壁
45a、45b:ガイド用傾斜面
【要約】
【課題】レンズ板間の隙間から発光基板側に異物が侵入するのを防止できる照明器具を提供する。
【解決手段】本発明は、発光基板3を覆うように複数のレンズ板4が並んで配置される照明器具を対象とする。隣合うレンズ板4のうち、一方側レンズ板4における他方側レンズ板4との対向端部がオス側カバー43aとして形成されるとともに、他方側レンズ板4における一方側レンズ板4との対向端部がメス側カバー43bとして形成され、メス側カバー43bの先端縁がオス側カバー43aの先端縁の外側に重なり合うように配置されている
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11