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特許7532634電池セル、電池、受電装置及び電池セルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】電池セル、電池、受電装置及び電池セルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20240805BHJP
   H01M 50/54 20210101ALI20240805BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/54
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2023501781
(86)(22)【出願日】2021-09-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 CN2021120669
(87)【国際公開番号】W WO2023044855
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】肖▲海▼河
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼小文
(72)【発明者】
【氏名】李白清
(72)【発明者】
【氏名】金▲海▼族
【審査官】井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第212571272(CN,U)
【文献】特開2014-017053(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112952300(CN,A)
【文献】特開2021-022482(JP,A)
【文献】中国実用新案第213636154(CN,U)
【文献】特開2021-044148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部(231)と、積層配置された複数のタブシートが折り曲げられて形成されている、前記本体部(231)からはみ出したタブ(232)と、を含む電極アセンブリ(23)を含み、
前記タブ(232)は、第1折り曲げ部(232a)と、前記第1折り曲げ部(232a)を介して前記本体部(231)に接続されたストレート部(232b)と、を含み、
少なくとも前記ストレート部(232b)に前記本体部(231)側に向かって突出する第2折り曲げ部(232c)が形成され、
筐体(21)と、エンドキャップ(22)と、押し下げ構造とをさらに含み、前記筐体(21)は、開口を有し、前記エンドキャップ(22)が前記開口を閉塞するように記開口に設けられており、前記タブ(232)は、前記本体部(231)から前記エンドキャップ(22)側へはみ出し、前記押し下げ構造は、前記タブ(232)と前記エンドキャップ(22)の間に設けられており、かつ、前記タブ(232)に前記第2折り曲げ部(232c)を形成させるように、前記タブ(232)に前記押し下げ構造が当接する、
ことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
前記ストレート部(232b)と前記第1折り曲げ部(232a)に第2折り曲げ部(232c)が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記第1折り曲げ部(232a)は、第1折り曲げ軸線を有し、前記第2折り曲げ部(232c)は、第2折り曲げ軸線を有し、前記第2折り曲げ軸線と前記第1折り曲げ軸線との間は挟角があるか、または平行である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記電池セル(20)は、前記エンドキャップ(22)に設けられたポスト(24)と、前記ポスト(24)と前記タブ(232)の前記ストレート部(232b)とを接続するための中継シート(26)とをさらに含み、前記押し下げ構造が前記中継シート(26)と前記ストレート部(232b)との嵌合される部位に設けられている、
ことを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項5】
前記電池セル(20)は、前記エンドキャップ(22)に設けられたポスト(24)と、前記ポスト(24)と前記タブ(232)の前記ストレート部(232b)とを接続するための中継シート(26)とをさらに含み、前記押し下げ構造が前記中継シート(26)と前記ストレート部(232b)および前記第1折り曲げ部(232a)との嵌合される部位に設けられている、
ことを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項6】
前記押し下げ構造は、前記中継レート(26)に設けられた突起部(261)を含む、
ことを特徴とする請求項またはに記載の電池セル。
【請求項7】
前記突起部(261)の高さは、1mm~5mmである、
ことを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記第1折り曲げ部(232a)から前記ストレート部(232b)にかける方向に、前記突起部(261)の高さが徐々に増加している、
ことを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項9】
前記突起部(261)は、前記中継シート(26)と一体成形されており、または、前記突起部(261)と前記中継シート(26)とは、別体構造でありながら、前記突起部(261)は、前記中継シート(26)に接続されている、
ことを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項10】
前記突起部(261)は、前記タブ(232)と当接する接触面を有し、前記接触面は曲面を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項11】
前記中継シート(26)は、前記ポスト(24)に接続される第1接続領域と、前記タブ(232)に接続される第2接続領域とを含み、前記押し下げ構造と前記第1接続領域が前記第2接続領域の両側に位置する、
ことを特徴とする請求項またはに記載の電池セル。
【請求項12】
前記中継シート(26)は、前記ポスト(24)に接続される第1接続領域と、前記タブ(232)に接続される第2接続領域と第3接続領域とを含み、前記押し下げ構造が前記第2接続領域と前記第3接続領域との間に位置する、
ことを特徴とする請求項またはに記載の電池セル。
【請求項13】
前記電池セル(20)は、前記エンドキャップ(22)に設けられるポスト(24)と、前記ポスト(24)と前記タブ(232)とを接続するための中継シート(26)と、をさらに含み、前記エンドキャップ(22)の前記タブ(232)に対向する側であって、前記中継シート(26)によって遮蔽されない位置に前記押し下げ構造が設けられている、
ことを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項14】
前記第1折り曲げ軸線の方向に沿って、前記押し下げ構造は、前記タブ(232)のタブ中央部に近い部位に当接する、
ことを特徴とする請求項13のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項15】
前記電池セル(20)は、併設された2つ以上の電極アセンブリ(23)を含み、前記押し下げ構造は、前記2つ以上の電極アセンブリ(23)の少なくとも2つのタブ(232)に当接する、
ことを特徴とする請求項14のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項16】
前記電極アセンブリ(23)は、正極タブと負極タブとを含み、前記正極タブと前記負極タブのストレート部にはそれぞれ第2折り曲げ部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項17】
請求項1~16の何れか1項に記載の電池セルを含む、
ことを特徴とする電池。
【請求項18】
電力を供給するための、請求項17に記載の電池を含む、
ことを特徴とする受電装置。
【請求項19】
電極アセンブリ(23)を提供するステップを含み、前記電極アセンブリ(23)は、本体部(231)とタブ(232)とを含み、前記タブ(232)が第1折り曲げ部(232a)と、前記第1折り曲げ部(232a)を介して前記本体部(231)に接続されたストレート部(232b)とを含み、少なくとも前記ストレート部(232b)に前記本体部(231)側に向かって突出する第2折り曲げ部(232c)が形成されているステップと、
開口を有する筐体(21)と、エンドキャップ(22)と、前記タブ(232)と前記エンドキャップ(22)との間に設けられた押し下げ構造とを提供するステップと、
前記電極アセンブリ(23)のタブ(232)が前記筐体(21)の開口側に位置するように、前記電極アセンブリ(23)を前記筐体(21)内に配置するステップと、
前記開口を閉塞するように前記エンドキャップ(22)を前記筐体(21)の開口に取り付けるとき、前記タブ(232)に前記第2折り曲げ部(232c)を形成させるように前記押し下げ構造を前記タブ(232)に当接させるステップと、を含む、
ことを特徴とする電池セルの製造方法。
【請求項20】
ポスト(24)と中継シート(26)を提供し、前記中継シート(26)の第1端を前記ポスト(24)に接続し、前記中継シート(26)の第2端に押し下げ構造を設けるとともに、前記押し下げ構造を前記タブ(232)に当接させることさらに含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の電池セルの製造方法。
【請求項21】
前記エンドキャップ(22)に押し下げ構造を設け、前記押し下げ構造を前記タブ(232)に当接させるように前記エンドキャップ(22)を前記筐体(21)の開口に取り付けることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の電池セルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池技術分野に関し、特に電池セル、電池、受電装置及び電池セルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギー・排出削減は、自動車産業が持続的に発展できるキーポイントであり、電動車両は、その省エネルギー・環境保護の利点から自動車産業が持続的に発展できる重要な構成要素となる。電動車両に対して、電池技術は、その発展に関わる重要な要素である。
【0003】
電極アセンブリは、電池セルの重要なユニットとして、電池のエネルギー密度を向上させるために、電極アセンブリのタブを折り曲げて空間を節約する必要があるが、複数層のタブシートを有するタブが折り曲げられると、電池の安全性能に影響を与えるおそれがある。
【発明の概要】
【0004】
上記問題に鑑み、本願は、タブを折り曲げるときに引き起こした電池安全問題を改善するための、電池セル、電池、受電装置及び電池セルの製造方法を提供する。
【0005】
第1態様により、本願は、本体部と、積層配置された複数のタブシートが折り曲げられて形成されている、本体部からはみ出したタブと、を含む電極アセンブリを含み、タブは、第1折り曲げ部と、第1折り曲げ部を介して本体部に接続されたストレート部と、を含み、少なくともストレート部に本体部側に向かって突出する第2折り曲げ部が形成されている電池セルを提供する。
【0006】
本願の実施例に係る技術内容において、第2折り曲げ部を設けることにより、タブの一部に本体部側に向かった突出変形を生じさせ、この変形によりタブの層と層との間が閉じられ、局所的にタブに対する拘束を形成し、タブの層と層との間の分離抵抗を増大させ、さらにタブが分岐するのを避け、電池の安全性が向上する。
【0007】
幾つかの実施例において、ストレート部と第1折り曲げ部に第2折り曲げ部が形成されている。ストレート部と第1折り曲げ部には、ともに第2折り曲げ部が形成されていることによって、タブの拘束される面積がより広くなり、タブが分岐するのをさらに避ける。
【0008】
幾つかの実施例において、第1折り曲げ部は、第1折り曲げ軸線を有し、第2折り曲げ部は、第2折り曲げ軸線を有し、第2折り曲げ軸線と第1折り曲げ軸線との間は挟角があるか、または平行である。第2折り曲げ部によって、タブの層と層の間がいずれも第2折り曲げ部の中央部に収束され、分離抵抗がより大きくなることによって、タブが分岐するのを避ける。
【0009】
幾つかの実施例において、電池セルは、筐体と、エンドキャップと、押し下げ構造とをさらに含み、筐体は、開口を有し、エンドキャップが開口を閉塞するように開口に設けられており、タブは、本体部からエンドキャップ側へはみ出し、押し下げ構造は、タブとエンドキャップの間に設けられており、かつ、タブに第2折り曲げ部を形成させるように、タブに押し下げ構造が当接する。押し下げ構造は、タブとエンドキャップとの間に設けられていると、電池セルを実装し終わった後で、タブ上の第2折り曲げ部の形状が持続的に維持されるように押し下げ構造をタブに当接させ続けることができ、さらにタブの各層のタブシート間の持続的な収束効果を効果的に確保し、タブが分岐するのを防止することができる。
【0010】
幾つかの実施例において、電池セルは、エンドキャップに設けられたポストと、ポストとタブのストレート部とを接続するための中継シートとをさらに含み、中継シートとストレート部との嵌合される部位に押し下げ構造が設けられている。押し下げ構造を中継シートに設けるとともに、中継シートとストレート部との嵌合される部位に設けると、中継シートとタブのストレート部とを接続した後で、押し下げ構造によりタブに対する押し下げを自然に形成することができるので、このような設置により、この電池セルを実装することが便利になる。
【0011】
幾つかの実施例において、電池セルは、エンドキャップに設けられたポストと、ポストとタブのストレート部とを接続するための中継シートとをさらに含み、中継シートとストレート部および第1折り曲げ部との嵌合される部位に押し下げ構造が設けられている。中継シートとストレート部および第1折り曲げ部との嵌合される部位に押し下げ構造が設けられていることによって、タブのストレート部と第1折り曲げ部には、共に第2折り曲げ部が形成されていることによって、タブの拘束される面積がより広くなり、タブが分岐するのをさらに避ける。
【0012】
幾つかの実施例において、押し下げ構造は、中継レートに設けられた突起部を含む。この突起部は、タブの上面に当接し、さらにタブに本体部側に向かった第2折り曲げ部を形成させる。
【0013】
幾つかの実施例において、突起部の高さは、1mm~5mmである。突起部の高さを以上の範囲内に設定することで、タブによって形成された第2折り曲げ部の突出深さによって、タブシートの層と層との間を効果的に拘束することを確保することができる。
【0014】
幾つかの実施例において、第1折り曲げ部からストレート部にかける方向に、突起部の高さが徐々に増加している。ストレート部の自由端は、より分散しやすいので、ストレート部の自由端側の変形をより大きくしてより大きな拘束力を形成するために、第1折り曲げ部からストレート部にかける方向に、突起部の高さを徐々に増加させるようにする。
【0015】
幾つかの実施例において、突起部は、中継シートと一体成形されている。突起部と中継シートとを一体成形することにより、電池セルを実装する際に、中継シートとタブとを直接接続すると同時に、第2折り曲げ部を形成させるように突起部によるタブへの当接を実現することができるので、電池セルを実装するプロセスを簡素化することができる。
【0016】
幾つかの実施例において、突起部と中継シートとは、別体構造でありながら、突起部は、中継シートに接続されている。突起部と中継シートとは、別体であると、実際の必要に応じて、実装中、中継シートにおける突起部の位置を変更することができる。
【0017】
幾つかの実施例において、突起部は、タブと当接する接触面を有し、接触面は曲面を含む。この接触面は、タブに直接当接するため、この接触面を曲面にすることで、タブに当接する際にタブに損傷を与えることを避けることができる。
【0018】
幾つかの実施例において、中継シートは、ポストに接続される第1接続領域と、タブに接続される第2接続領域とを含み、押し下げ構造と第1接続領域が第2接続領域の両側に位置する。押し下げ構造と第1接続領域は、それぞれ第2接続領域の両側に位置すると、押し下げ構造を設けることによって、中継シートとポスト及びタブとの接続に影響することなく、実装時、元のプロセスで中継シートとポスト及びタブとを接続し、中継シートに設けられた押し下げ構造は、タブに対する当接を自然に形成することができる。
【0019】
幾つかの実施例において、中継シートは、ポストに接続される第1接続領域と、タブに接続される第2接続領域と第3接続領域とを含み、押し下げ構造が第2接続領域と第3接続領域との間に位置する。押し下げ構造が第2接続領域と第3接続領域との間に設けられていると、押し下げ構造の両側が共に中継シートとタブとの間の接続力を受け、両側の接続力によって制限されることで、押し下げ構造の高さ方向の自由度が小さいため、タブに対する当接を持続的に維持することができる。
【0020】
幾つかの実施例において、電池セルは、エンドキャップに設けられたポストと、ポストとタブとを接続するための中継シートとをさらに含み、エンドキャップのタブに対向する側であって、中継シートによって遮蔽されない位置に押し下げ構造が設けられている。エンドキャップには押し下げ構造が設けられていると、エンドキャップを筐体の開口部に取り付ける際に、押し下げ構造によって、タブに第2折り曲げ部を形成させるようにタブへの当接を実現することができる。
【0021】
幾つかの実施例において、第1折り曲げ軸線の方向に沿って、押し下げ構造は、タブのタブ中央部に近い部位に当接する。第1方向において、押し下げ構造によって形成された第2折り曲げ部が、タブの中央部に位置するように、押し下げ構造がタブのタブ中央部に近い部位に当接すると、タブの第2折り曲げ部の両側の部分が受ける拘束力がよりバランスを取り、さらに、タブの各部がいずれもバランスよく拘束力を受けることができる。
【0022】
幾つかの実施例において、電池セルは、併設された2つ以上の電極アセンブリを含み、押し下げ構造は、2つ以上の電極アセンブリの少なくとも2つのタブに当接する。押し下げ構造は、2つ以上の電極アセンブリの少なくとも2つのタブに当接すると、タブごとに専用の押し下げ構造を設ける必要がなく、さらに電池セルの実装過程が簡素化されることに加え、電池セルの構造が簡素化される。
【0023】
幾つかの実施例において、電極アセンブリは、正極タブと負極タブとを含み、正極タブと負極タブのストレート部にはそれぞれ第2折り曲げ部が形成されている。正極タブと負極タブのストレート部にそれぞれ第2折り曲げ部が形成されていると、正極タブと負極タブが分岐するのを効果的に避け、電池セルの安全性がさらに向上する。
【0024】
第2態様により、本願は、上記の実施例に係る電池セルを含む電池を提供する。
【0025】
第3態様により、本願は、電力を供給するための、上記の実施例に係る電池を含む受電装置を提供する。
【0026】
第4態様により、本願は、電池セルの製造方法を提供し、以下のステップを含む。
【0027】
電極アセンブリを提供するステップであって、電極アセンブリは、本体部とタブとを含み、タブが第1折り曲げ部と、第1折り曲げ部を介して本体部に接続されたストレート部とを含み、少なくともストレート部に本体部側に向かって突出する第2折り曲げ部が形成されている。
【0028】
幾つかの実施例において、製造方法は、開口を有する筐体と、エンドキャップと、タブとエンドキャップとの間に設けられた押し下げ構造とを提供するステップと、電極アセンブリのタブが筐体の開口側に位置するように、電極アセンブリを筐体内に配置するステップと、開口を閉塞するようにエンドキャップを筐体の開口に取り付けるとき、タブに第2折り曲げ部を形成させるように押し下げ構造をタブに当接させるステップと、をさらに含む。
【0029】
幾つかの実施例において、製造方法は、ポストと中継シートを提供し、中継シートの第1端をポストに接続し、中継シートの第2端に押し下げ構造を設けるとともに、押し下げ構造をタブに当接させることさらに含む。
【0030】
幾つかの実施例により、製造方法は、エンドキャップに押し下げ構造を設け、押し下げ構造をタブに当接させるようにエンドキャップを筐体の開口に取り付けることをさらに含む。
【0031】
上記の説明は、本願の技術内容の概要に過ぎず、本願の技術的手段をより明確に理解できるようにするために、明細書の内容に従って実施することを可能にし、さらに、本願の上記およびその他の目的、特徴および利点をより明らかに分かりやすくするために、以下、本願を実施するための形態を挙げている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本願の実施例における技術的解決手段をより明瞭に説明するために、以下、本願の実施例に使用する必要のある添付図面を簡潔に紹介する。下記に説明される図面は本願の幾つかの実施例に過ぎないことは自明であり、当業者にとって、進歩的な労力を払わないことを前提として、図面に基づいて他の図面を取得できる。
【0033】
図1】本願の幾つかの実施例に係る車両の概略構成図である。
図2】本願の幾つかの実施例に係る電池の分解された概略構成図である。
図3】本願の幾つかの実施例に係る電池セルの斜視概略構成図である。
図4】本願の幾つかの実施例に係る電池セルの平面視概略構成図である。
図5】本願の幾つかの実施例に係る電池セルのA-A方向に沿った断面概略構成図である。
図6図5におけるN部分の一部拡大された概略構成図である。
図7】本願の幾つかの実施例に係る電池セルの正面視概略構成図である。
図8】本願の幾つかの実施例に係る電池セルのC-C方向に沿った断面概略構成図である。
図9図8におけるN部分の一部拡大された概略構成図である。
図10】本願の幾つかの実施例に係るタブの斜視概略構成図である。
図11】本願の別の実施例に係る電池セルのA-A方向に沿った断面概略構成図である。
図12図11におけるQ部分の一部拡大された概略構成図である。
図13】本願の別の実施例に係る電池セルのC-C方向に沿った断面概略構成図である。
図14図13におけるP部分の一部拡大された概略構成図である。
図15】本願の幾つかの実施例に係る電池セルの製造方法のフローチャートである。
【0034】
図面において、図面は実際の比率で描かれていない。
【0035】
発明を実施するための形態における図面の符号は、以下の通りである。
【0036】
車両1000;
【0037】
電池100、コントローラ200、モータ300;
【0038】
ケース10、第1部分11、第2部分12;
【0039】
電池セル20、筐体21、エンドキャップ22、突起部221、電極アセンブリ23、本体部231、タブ232、第1折り曲げ部232a、ストレート部232b、第2折り曲げ部232c、ポスト24、中継シート26、突起部261。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照して本願の技術的解決手段の実施例を詳しく説明する。以下の実施例は、本願の技術的解決手段をより明確に説明するためのものに過ぎず、例示だけとして、これにより本願の権利範囲を制限することができない。
【0041】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術と科学用語は、当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本文で使用される用語は、具体的な実施例を説明する目的にのみ使用され、本願を限定するものではない。本願の明細書、特許請求の範囲及び上記の図面に関する説明の「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的包含をカバーすることを意図する。
【0042】
本願の実施例の記載において、技術用語の「第1」、「第2」などは、異なるオブジェクトを区別するために用いられるだけであり、その相対的な重要性を指示または暗示し、または、指示する構成要件の数、特定の順序または主従の関係を暗に明記するとは理解できない。本願の実施例の説明において、別に明確な具体的な限定がない限り、「複数」の意味は2つ以上である。
【0043】
本明細書での「実施例」への言及は、実施例に説明される特定の特徴、構造又は特性に合わせて、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書の様々な位置で当該フレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すとは限らず、他の実施例と相互排除する独立又は代替の実施例でもない。当業者によって明示的及び暗黙的に理解されるべきことは、本明細書に記載される実施例が他の実施例と組み合わせることができるということである。
【0044】
本願の実施例の説明において、「及び/又は」という用語は、関連するオブジェクトを説明するための関連関係に過ぎず、3種類の関係が存在できることを示す。例えば、A及び/又はBは、Aだけが存在する、AとBが同時に存在する、Bだけが存在するという3つのケースを示すことができる。また、本明細書の文字「/」は、一般的に、前後に関連するオブジェクトが「又は」の関係であることを示す。
【0045】
本願の実施例の説明において、「複数」という用語とは、2つ以上(2つを含む)を指す。同様に、「複数のグループ」とは、2つ以上のグループ(2つのグループを含む)を指し、「複数枚」とは、2枚以上(2枚を含む)を指す。
【0046】
本願の実施例の説明において、「中央」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「円周方向」などの技術用語により指示される方向又は位置関係は、図面に示される方向又は位置関係に基づくものであり、本願の実施例を説明しやすくし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、示される装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成又は操作しなければならないことを指示又は暗示するものではない。従って、本願の実施例を制限するものとして理解されるべきではない。
【0047】
本願の実施例の説明では、別段明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広く理解すべきであり、例えば、固定的な接続でもよく、着脱可能な接続でもよく、あるいは、一体とされもよい;機械的な接続でもよく、電気的な接続でもよく;直接的な接続でもよく、中間媒体を介して間接的な接続でもよく、二つの部材内部の連通または二つの素子の相互作用の関係でもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、本願の実施例における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0048】
現在の電池セルは、通常、筐体と筐体内に収納された電極アセンブリとを含むとともに、筐体内に電解質が充填されている。電極アセンブリは、電池セルの中で電気化学反応を発生する部品である。筐体内には、1つ以上の電極アセンブリを含むことができる。電極アセンブリは、主に正極シートと負極シートとが巻回または積層されて配置されて形成され、かつ、通常、正極シートと負極シートとの間にセパレータが設けられている。正極シートと負極シートの活物質を有する部分は、電極アセンブリの本体部を構成し、正極シートと負極シートの活物質を有しない部分は、それぞれタブを構成する。過電流能力を向上させるために、タブには積層配置された複数層のタブシートが含まれており、電池セルの充放電中に、正極活物質と負極活物質が電解液と反応し、タブがポストと接続して電流回路を形成する。
【0049】
電池セルの加工中、空間を節約してエネルギー密度を向上させるために、一般的に、複数層のタブシートを有するタブを折り曲げる必要がある。折り曲げられた後で、タブは、本体部に接続された第1折り曲げ部及びストレート部を含む。本願の発明者は、研究中、タブには複数層のタブシートが含まれているため、折り曲げられた後で、タブの層と層との間が分岐しやすくなることに気づいた。そして、タブの層と層との間の分岐により、タブが本体部内に逆差し挿入され、タブの下のタブ片と短絡し、安全問題を引き起こすおそれもある。
【0050】
タブが分岐しやすいという問題を改善するために、発明者らは、研究により、タブの一部に突出変形を生じさせ、この一部変形によりタブに対する拘束を形成し、タブの層と層との間の分離抵抗を増大させることによって、タブが分岐するのを避けることができることを発見した。さらに研究を進めた結果、発明者らは、タブの一部に本体部側に向かった突出変形を生じさせることで、タブが分岐するのを避けた上で、電極アセンブリの占める体積が増大するのを避けることができることを発見した。
【0051】
以上の考えに基づいて、タブが分岐しやすいという問題を改善するために、発明者らは、鋭意研究を重ね、少なくともストレート部に本体部側に向かって突出する第2折り曲げ部が形成された電池セルを設計した。第2折り曲げ部を設けることにより、タブの一部に本体部側に向かった突出変形を生じさせ、この変形によりタブの層と層との間が閉じられ、局所的にタブに対する拘束を形成し、タブの層と層との間の分離抵抗を増大させ、さらにタブが分岐するのを避ける。
【0052】
本願の実施例に開示の電池セルは、車両、船舶または航空機などの受電装置に用いられることができるが、これらに限られない。本願に開示の電池セル、電池などを備えたものを用いてこの受電装置の電源システムを構成することができる。
【0053】
本願の実施例は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、電動玩具、電動工具、バッテリ車、電気自動車、汽船、宇宙機などであってもよいが、これらに限られない、電池を電源とする受電装置を提供する。ここで、電動玩具には、固定式または移動式の電動玩具が含まれてもよく、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動汽船玩具及び電動飛行機玩具などがあり、宇宙機には、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などが含まれてもよい。
【0054】
以下の実施例は、説明の便宜上、本願の一実施例に係る受電装置が車両1000であるものを例として説明する。
【0055】
図1を参照し、図1は、本願のいくつかの実施例で提供される車両1000の概略構成図である。車両1000は、燃料自動車、ガス自動車または新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車またはレンジエクステンデッド自動車などであってもよい。車両1000の内部には、電池100が設けられており、電池100は、車両1000の底部または頭部または尾部に設けられることができる。電池100は、車両1000の電力供給に用いられることができ、例えば、電池100は、車両1000の操作電源とされることができる。車両1000は、コントローラ200とモータ300とをさらに含んでもよい。コントローラ200は、モータ300に電力を供給させるように電池100を制御するために用いられ、例えば、車両1000の起動、ナビゲーション、または走行時の作動電力需要に用いられる。
【0056】
本願の幾つかの実施例において、電池100は、車両1000の操作電源とされるだけでなく、燃料油または天然ガスの代わりにまたは燃料油または天然ガスの一部の代わりに車両1000の駆動電源として車両1000に駆動力を供給することもできる。
【0057】
図2を参照し、図2は、本願の幾つかの実施例で提供される電池100の分解図である。電池100は、ケース10と電池セル20とを含む。電池セル20は、ケース10内に収納される。ここで、ケース10は、電池セル20に収納空間を提供するためのものであり、ケース10は、様々な構造を採用することができる。幾つかの実施例において、ケース10は、互いに蓋閉される第1部分11と第2部分12とを含んでもよく、第1部分11と第2部分12とによって、共同で電池セル20を収納するための収納空間を区画する。第2部分12は、一端が開口された中空構造であってもよく、第1部分11は、板状構造であってもよく、第1部分11と第2部分12とによって、共同で収納空間を区画するように、第2部分12の開口側に第1部分11が蓋閉されている。第1部分11と第2部分12は、共に一方側が開口された中空構造であり、第2部分12の開口側に第1部分11の開口側が蓋閉されてもよい。もちろん、第1部分11と第2部分12によって形成されたケース10は、例えば、円柱体、直方体などの様々な形状であってもよい。
【0058】
電池100において、電池セル20は、複数であってもよく、複数の電池セル20の間は、直列または並列または直並列であってもよく、直並列とは、複数の電池セル20の中に直列もあり並列もあることを意味する。複数の電池セル20同士は、直接直列または並列または直並列されてから、複数の電池セル20からなる全体をケース10内に収納させることができる。もちろん、電池100は、複数の電池セル20が先に直列または並列または直並列されて電池モジュールの形態を構成して、複数の電池モジュールがさらに直列または並列または直並列されて一体化されるとともに、ケース10内に収納されてもよい。電池100は、他の構造をさらに含んでもよく、例えば、該電池100は、複数の電池セル20間の電気的接続を実現するためのバスバー部材をさらに含んでもよい。
【0059】
ここで、各電池セル20は、二次電池または一次電池であってもよく、さらに、リチウム硫黄電池、ナトリウムイオン電池またはマグネシウムイオン電池であってもよいが、これらに限られない。電池セル20は、円柱体、扁平体、直方体またはその他の形状などを呈することができる。
【0060】
図3を参照し、図3は、本願の幾つかの実施例で提供される電池セル20の斜視概略構成図である。図3とともに図5を参照し、電池セル20は、筐体21と、エンドキャップ22と、電極アセンブリ23と、ポスト24と、その他の機能性部品とを含む。
【0061】
筐体21は、電池セル20の内部環境を形成するアセンブリであり、ここで、形成された内部環境を電極アセンブリ23、電解液及びその他の部品を収納するために用いることができる。筐体21は、例えば、直方体形、円柱体形、六角柱形などの様々な形状やサイズのものであってもよい。具体的には、筐体21の形状は、電極アセンブリ23の具体的な形状やサイズに応じて決定することができる。筐体21の材質は、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金、プラスチックなどの様々であってもよく、本願の実施例は、これを特に制限しない。
【0062】
エンドキャップ22とは、筐体21の開口に蓋閉されて電池セル20の内部環境を外部環境から遮断する部品である。限られないが、エンドキャップ22の形状は、筐体21の形状に適応されるように筐体21に合わせてもよい。選択可能に、エンドキャップ22をある程度の硬度と強度を有する材質(例えば、アルミニウム合金)で製造することで、押圧衝突される時にエンドキャップ22が変形しにくくなり、電池セル20により高い構造的強度を備えさせ、安全性も向上し、エンドキャップ22にポスト24などの機能性部品が設けられてもよい。ポスト24は、電池セル20の電力を出力または入力するように電極アセンブリ23と電気的に接続するために用いられる。幾つかの実施例において、エンドキャップ22には、電池セル20の内部圧力または温度が閾値に達したときに内部圧力を漏れ放出する除圧機構がさらに設けられてもよく、エンドキャップ22の材質は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金、プラスチックなどの様々であってもよいが、本願の実施例はこれを特に制限しない。幾つかの実施例において、エンドキャップ22の内側に絶縁部材がさらに設けられてもよく、短絡のリスクを低減するように絶縁部材を筐体21内の電気的接続部材とエンドキャップ22とを隔離するために用いることができる。例示的には、絶縁部材はプラスチック、ゴムなどであってもよい。
【0063】
筐体21とエンドキャップ22は、別体の部品であってもよい。限られないが、筐体21とエンドキャップ22を一体化させてもよく、具体的には、筐体21とエンドキャップ22は、他の部品を筐体に入れる前に、まず、共通した接続面を形成しておき、筐体21の内部を封止する必要がある場合には、次に筐体21にエンドキャップ22を蓋閉させてもよい。
【0064】
電極アセンブリ23は、電池セル20の中で電気化学反応を発生する部品である。筐体21内には、1つまたは複数の電極アセンブリ23が含まれてもよい。電極アセンブリ23は、主に正極シートと負極シートとが巻回または積層されて配置されて形成され、かつ、通常、正極シートと負極シートとの間にセパレータが設けられている。正極シートと負極シートの活物質を有する部分は、電極アセンブリの本体部231を構成し、正極シートと負極シートの活物質を有しない部分は、それぞれタブ232を構成する。過電流能力を向上させるために、タブ232には積層配置された複数のタブシートが含まれている。電池の充放電中に、正極活物質と負極活物質が電解液と反応し、タブ232がポスト24と接続して電流回路を形成する。
【0065】
本願の幾つかの実施例により、図3図4を参照し、さらに図5から図10を参照し、図3は、本願の幾つかの実施例に係る電池セル20の斜視概略構成図を示す。図4は、図3に示す電池セル20の平面視概略構成図を示し、図5は、本願の幾つかの実施例に係る電池セルのA-A方向に沿った断面概略構成図を示す。図6は、図5におけるN部分の一部拡大された概略構成図を示す。図7は、図3に示す電池セル20の正面視概略構成図を示す。図8は、本願の幾つかの実施例に係る電池セルのC-C方向に沿った断面概略構成図を示す。図9は、図8におけるM部分の一部拡大された概略構成図を示す。図10は、本願の幾つかの実施例に係る電極アセンブリのタブの斜視概略構成図を示す。
【0066】
本願は、電池セル20を提供する。電池セル20は、電極アセンブリ23を含む。電極アセンブリ23は、本体部231と、本体部231からエンドキャップ22側へはみ出したタブ232と、を含む。タブ232は、積層配置された複数のタブシートが折り曲げられて形成されている。タブ232は、第1折り曲げ部232aとストレート部232bとを含む。ストレート部232bは、第1折り曲げ部232aを介して本体部231に接続されている。少なくともストレート部232bに本体部231側に向かって突出する第2折り曲げ部232cが形成されている。
【0067】
図3に示すように、図中の第1方向Xは、電池セル20の長手方向であり、第2方向Yは、電池セル20の厚さ方向であり、第3方向Zは、電池セル20の高さ方向である。
【0068】
図4図5を参照し、電極アセンブリ23は、本体部231の一方側からはみ出した極性が逆である2つのタブ232を含み、それぞれ正極タブと負極タブある。他の実施例において、2つのタブ232は、本体部231の両端からそれぞれはみ出してもよい。図5図6に示す実施例において、2つのタブ232の構造は同じであるため、説明の便宜上、2つのタブの符号を区別していない。ただし、ここで、他の実施例において、負極タブの構造が正極タブの構造と異なってもよく、例えば、正極タブに第2折り曲げ部が設けられるが、負極タブに第2折り曲げ部が設けられなかったり、負極タブに第2折り曲げ部が設けられるが、正極タブに第2折り曲げ部が設けられなかったりすることも可能な実施例であるということを説明する必要がある。つまり、幾つかの実施例において、正極タブと負極タブのうちの少なくとも一方のタブのストレート部に第2折り曲げ部が形成されている。
【0069】
第2折り曲げ部232cを設けることにより、タブ232の一部に本体部231側に向かった突出変形を生じさせ、この変形によりタブ232の層と層との間が閉じられ、局所的にタブ232を拘束し、タブ232の層と層との間の分離抵抗を増大させ、さらにタブが分岐するのを避け、電池の安全性が向上する。
【0070】
図10に示す実施例において、第2折り曲げ部232cは、ストレート部232bに形成されている。そして、第2折り曲げ部232cは、ストレート部232bを延びており、つまり、ストレート部232bの自由端からストレート部232bと第1折り曲げ部232aとの接続箇所まで延びている。
【0071】
本願の幾つかの実施例により、ストレート部232bと第1折り曲げ部232aに第2折り曲げ部232cが形成されている。つまり、第2折り曲げ部232cは、ストレート部232bから第1折り曲げ部232まで延びている。
【0072】
ストレート部232bと第1折り曲げ部232aには、共に第2折り曲げ部232cが形成されていることによって、タブの拘束される面積がより広くなり、タブが分岐するのをさらに避ける。
【0073】
本願の幾つかの実施例により、図10を参照し、第1折り曲げ部232aは、第1折り曲げ軸線を有する。第2折り曲げ部232aは、第2折り曲げ軸線を有する。第2折り曲げ軸線と第1折り曲げ軸線との間は挟角があるか、または平行である。
【0074】
図10を参照し、第1折り曲げ部232aの第1折り曲げ軸線は、第1方向Xに沿って延びており、第1折り曲げ軸線に沿ってタブ232を折り曲げることにより、タブ232が電極アセンブリ23の高さ方向に占める空間を小さくすることができる。幾つかの実施例において、第2折り曲げ軸線と第1折り曲げ軸線との間は、互いに平行であり、つまり、第2折り曲げ軸線も第1方向Xに沿って延びており、このとき、タブ上の第2折り曲げ部232cが下方に向かって突出し、タブに対する拘束を形成し、タブの層と層との分離抵抗を増大させ、タブが分岐するのを避ける。別の実施例において、第2折り曲げ軸線と第1折り曲げ軸線は、挟角があり、例えば、第2折り曲げ軸線は、第1折り曲げ軸線に対して斜めに配置されているか、または垂直に配置されている。このように形成された第2折り曲げ部232cによって、タブの層と層の間がいずれも第2折り曲げ部232cの中央部に収束され、分離抵抗がより大きくなることによって、タブが分岐するのを避ける。
【0075】
図10を参照し、幾つかの実施例において、第2折り曲げ部232cは、電池セルを実装する前に、例えば、プレス装置でタブの一部を本体部側に向かって押し下げて形成したり、特殊な形状の治具でタブの両側を合わせて挟んで形成したりするように、予備成形装置でタブを加工して形成してもよい。このとき、タブ232上の第2折り曲げ部232cは、予備加工されて形成されているので、タブ232のはみ出し方向は限られず、例えば、タブは、本体部からエンドキャップ側へはみ出してもよいし、両端へはみ出してもよい。
【0076】
別の実施例において、第2折り曲げ部232cの形成は、電池セルの実装中に形成されるものであり、つまり、電池セルは、タブに第2折り曲げ部を形成させるための押し下げ構造を含む。
【0077】
本願の幾つかの実施例により、図5図6を参照し、電池セル20は、筐体21と、エンドキャップ22と、押し下げ構造とをさらに含む。筐体21は、開口を有し、エンドキャップ22が開口を閉塞するように開口に設けられている。タブ232は、本体部231からエンドキャップ22側へはみ出す。押し下げ構造は、タブ232とエンドキャップ22の間に設けられている。かつ、タブ232に前記第2折り曲げ部232cを形成させるように、タブ232に押し下げ構造が当接する。
【0078】
押し下げ構造は、タブ232とエンドキャップ22との間に設けられており、つまり、押し下げ構造をタブ232の上方に設けることにより、電池セル20を実装し終わった後で、タブ232上の第2折り曲げ部232cの形状が持続的に維持されるように押し下げ構造をタブに当接させ続けることができ、さらにタブ232の各層のタブシート間の持続的な収束効果を効果的に確保し、タブが分岐するのを防止することができる。
【0079】
本願の幾つかの実施例により、図5を参照し、電池セル20は、エンドキャップ22に設けられたポスト24と、ポスト24とタブ232のストレート部232bとを接続するための中継シート26とをさらに含み、押し下げ構造が中継シート26とストレート部232bとの嵌合される部位に設けられている。
【0080】
具体的には、図5に示すように、この電池セル20は、エンドキャップ22に設けられた2つのポスト24を含む。2つのポール24は、それぞれ2枚の中継シート26を介して2つのタブ232にそれぞれ接続されている。図5図6に示すように、2つの中継シート26の端部には、共に押し下げ構造が設けられている。図6から図10に示すように、押し下げ構造によって、第2折り曲げ部232cをタブ232のストレート部232bに形成させている。
【0081】
中継シート26は、ポスト24とタブ232とを接続するための部品であり、押し下げ構造を中継シート26に設けるとともに、中継シート26とストレート部232bとの嵌合される部位に設けると、中継シート26とタブ232のストレート部232bとを接続した後で、押し下げ構造によりタブ232に対する押し下げを自然に形成することができるので、このような設置により、この電池セル20を実装することが簡単になる。
【0082】
本願の幾つかの実施例により、図6を参照し、押し下げ構造は、中継レートに設けられた突起部261を含む。
【0083】
図6に示すように、突起部261は、中継シート26の下面に設けられるとともに、本体部側に向かって突出する。この突起部261は、タブ232の上面に当接し、さらにタブ232に本体部231側に向かった第2折り曲げ部232cを形成させる。
【0084】
本願の幾つかの実施例により、突起部261の高さは、1mm~5mmである。
【0085】
突出部262の高さとは、突出部261の最下端と中継シート26の下面との間の距離を指す。突起部261の高さを以上の範囲内に設定することで、タブによって形成された第2折り曲げ部の突出深さによって、タブシートの層と層との間を効果的に拘束することを確保することができ、もし突起部261の高さが1mm未満であると、この突起部261の当接によって形成された第2折り曲げ部232cの突出深さが小さくなり、その際の拘束力も小さくなり、タブが分岐するのをより良好に防止することができなくなる。もし突起部261の高さが5mmを超えると、この突起部261によって形成された第2折り曲げ部232cの突出深さが大きくなり、第2折り曲げ部232cが本体部231に接触する位置まで突出し、かえって本体部231との接触短絡を引き起こすおそれがある。
【0086】
本願の幾つかの実施例により、第1折り曲げ部232aからストレート部232bにかける方向に、突起部261の高さが徐々に増加している。
【0087】
ストレート部232bの自由端は、より分散しやすいので、ストレート部232bの自由端側の変形をより大きくしてより大きな拘束力を形成するために、第1折り曲げ部232aからストレート部232bにかける方向に、突起部261の高さを徐々に増加させるようにする。
【0088】
本願の幾つかの実施例により、突起部261は、中継シート26と一体成形されている。
【0089】
例えば、図6に示す実施例において、中継シート26の端部を折り曲げることにより突起部261を形成する。他の実施例において、中継シートを製造する際に、中継シートの下面に1つの突起部が直接一体成形されてもよい。
【0090】
突起部261と中継シート26とを一体成形することにより、電池セル20を実装する際に、中継シート26とタブ232とを直接接続すると同時に、第2折り曲げ部232cを形成させるように突起部261によるタブ232への当接を実現することができるので、電池セルを実装するプロセスを簡素化することができる。
【0091】
本願の幾つかの実施例により、突起部261と中継シート26とは、別体構造でありながら、突起部261は、中継シート26に接続されている。具体的には、突起部261は、貼着や他の接続方式によって中継シート26に接続されることができる。
【0092】
突起部261と中継シート26とは、別体であると、実際の必要に応じて、実装中、中継シート26における突起部261の位置を変更することができ、例えば、中継シート26は、ポスト24に接続される第1接続領域と、タブ232に接続される第2接続領域とを含む場合には、必要に応じて突起部261を第2接続領域側に設けることができ、つまり、このとき、突起部261と第1接続領域とは、それぞれ第2接続領域の両側に位置し、さらに例えば、中継シート26は、タブ232に接続され、離間して設けられた第2接続領域と第3接続領域とをさらに含んでもよい場合には、必要に応じて、突起部261を第2接続領域と第3接続領域との間に設けることができる。
【0093】
本願の幾つかの実施例により、突起部261は、タブ232と当接する接触面を有し、接触面は曲面を含む。
【0094】
ここでいう突起部261は、タブに当接する接触面を有しており、接触面には曲面が含まれており、タブに当接する部分が曲面であることを意味し、突起部の全面が曲面であってもよいし、一部が曲面であるが、その他の部分が平面であってもよい。例えば、図6に示す実施例において、突起部261は、中継シート26の端部がU字型に折り曲げられて形成され、このとき、突起部の外面の下端は曲面であり、上端は平面である。他の実施例において、突起部261の外面は、さらに球面であってもよい。
【0095】
この接触面は、タブ232に直接当接するため、この接触面を曲面にすることで、タブ232に当接する際にタブ232に損傷を与えることを避けることができる。
【0096】
本願の幾つかの実施例により、中継シート26は、ポスト24に接続される第1接続領域と、タブ232に接続される第2接続領域とを含み、押し下げ構造と第1接続領域が第2接続領域の両側に位置する。
【0097】
図5を参照し、中継シート26は、第1方向に沿って延びており、中継シート26の第1端に近い第1接続領域は、ポスト24に接続され、中継シート26の第2端には押し下げ構造が設けられており、中継シート26の第2端に近い第2接続領域は、タブ232に接続されており、つまり、押し下げ構造と第1接続領域は、第2接続領域の両側に位置する。
【0098】
押し下げ構造と第1接続領域は、それぞれ第2接続領域の両側に位置すると、押し下げ構造を設けることによって、中継シート26とポスト24及びタブ232との接続に影響することなく、実装時、元のプロセスで中継シート26とポスト24とタブ232とを接続し、中継シート26に設けられた押し下げ構造は、タブ232に対する当接を自然に形成することができる。
【0099】
本願の幾つかの実施例により、中継シート26は、ポスト24に接続される第1接続領域と、タブ232に接続される第2接続領域と第3接続領域とを含み、押し下げ構造が第2接続領域と第3接続領域との間に位置する。
【0100】
中継シート26は、共にタブ232に接続され、離間して設けられた2つの接続領域を有し、2つの接続領域は、それぞれ第2接続領域と第3接続領域であり、押し下げ構造が第2接続領域と第3接続領域との間に設けられていると、押し下げ構造の両側が共に中継シート26とタブ232との間の接続力を受け、両側の接続力によって制限されることで、押し下げ構造の高さ方向の自由度が小さいため、タブに対する当接を持続的に維持することができる。
【0101】
予備成形装置でタブを加工して第2折り曲げ部を形成する他の実施例において、タブの第2接続領域と第3接続領域に対応する2つの領域の間に第2折り曲げ部を設けることができると、タブの第2折り曲げ部の高さ方向での変位の自由度が小さいため、その折り曲げ形状をより効果的に維持することができる。
【0102】
本願の幾つかの実施例により、電池セル20は、エンドキャップ22に設けられたポストと、ポストとタブのストレート部とを接続するための中継シート26とをさらに含み、中継シート26とストレート部および第1折り曲げ部232cとの嵌合される部位に押し下げ構造が設けられている。
【0103】
中継シート26とストレート部232bおよび第1折り曲げ部232aとの嵌合される部位に押し下げ構造が設けられていることによって、タブのストレート部232bと第1折り曲げ部232aには、共に第2折り曲げ部232cが形成されていることによって、タブの拘束される面積がより広くなり、タブが分岐するのをさらに避ける。
【0104】
図11から図14を参照し、本願の幾つかの実施例により、電池セル20は、エンドキャップ22に設けられるポスト24と、ポスト24とタブ232とを接続するための中継シート26と、をさらに含み、エンドキャップ22のタブ232に対向する側であって、中継シート26によって遮蔽されない位置に押し下げ構造が設けられている。
【0105】
図11図12に示すように、電池セル20は、筐体21と、エンドキャップ22と、電極アセンブリ23と、エンドキャップ22に設けられた2つのポスト24とを含む。電極アセンブリ23は、本体部231と、2つのタブ232とを含む。2つのタブ232は、極性が逆で、共に本体部231の一方側からはみ出す。2つのタブ232は、共に中継シート26を介して対応するポスト24にそれぞれ接続されている。エンドキャップ22のタブに対向する側(下面)には押し下げ構造が設けられている。図11に示すように、押し下げ構造は、中継シート26によって遮蔽されない位置に設けられており、つまり、押し下げ構造と中継シート26とが離間して設けられており、具体的には、押し下げ構造が中継シート26の一方側に設けられている。2つのタブ232に対応して、エンドキャップ22の下面には、2つの押し下げ構造が設けられている。
【0106】
エンドキャップ22には押し下げ構造が設けられていると、エンドキャップ22を筐体21の開口部に取り付ける際に、押し下げ構造によって、タブに第2折り曲げ部を形成させるようにタブへの当接を実現することができる。
【0107】
幾つかの実施例において、押し下げ構造は、エンドキャップとは別体に設けられている。別の幾つかの実施例においては、押し下げ構造は、エンドキャップとは一体に設けられている。
【0108】
幾つかの実施例において、押し下げ構造は、エンドキャップに設けられた突条である。
【0109】
本願の幾つかの実施例により、図10を参照し、前記第1折り曲げ軸線の方向に沿って、押し下げ構造は、タブのタブ中央部に近い部位に当接する。
【0110】
第1方向Xにおいて、押し下げ構造によって形成された第2折り曲げ部232cが、タブの中央部に位置するように、押し下げ構造がタブのタブ中央部に近い部位に当接すると、タブの第2折り曲げ部232cの両側の部分が受ける拘束力がよりバランスを取り、さらに、タブの各部がいずれもバランスよく拘束力を受けることができる。
【0111】
本願の幾つかの実施例により、電池セル20は、併設された2つ以上の電極アセンブリ23を含む。押し下げ構造は、2つ以上の電極アセンブリの少なくとも2つのタブに当接する。
【0112】
図8図9を参照し、電池セル20は、2つの電極アセンブリ23を含む。2つの電極アセンブリ23のタブ232は、共にエンドキャップ22側に向かってはみ出す。図9に示すように、2つの電極アセンブリ23のタブ232は、第1折り曲げ軸線に沿って折り曲げられたときに、2つのタブ232のストレート部の自由端が共に電池セル20の中央部を向くように対向して設けられている。中継シート26は、2つの電極アセンブリ23の2つのタブ232に共に接続されるとともに、中継シート26上の押し下げ構造は、2つの電極アセンブリ23の2つのタブ232にともに当接し、図10に示すように、2つのタブ232ともに中継シート26に当接されることで第2折り曲げ部が形成されている。
【0113】
押し下げ構造は、2つ以上の電極アセンブリの少なくとも2つのタブに当接すると、タブごとに専用の押し下げ構造を設ける必要がなく、さらに電池セルの実装過程が簡素化されることに加え、電池セルの構造が簡素化される。
【0114】
本願の幾つかの実施例により、電極アセンブリ23は、正極タブと負極タブとを含み、正極タブと負極タブのストレート部にはそれぞれ第2折り曲げ部が形成されている。
【0115】
図5を参照し、2つのタブ232の極性は逆であり、それぞれ正極タブと負極タブである。かつ、2つのタブ232に対応して接続された中継シート26には、共に押し下げ構造が設けられていることによって、さらに2つのタブ232にそれぞれ第2折り曲げ部を形成させている。
【0116】
正極タブと負極タブのストレート部にそれぞれ第2折り曲げ部が形成されていると、正極タブと負極タブが分岐するのを効果的に避け、電池セルの安全性がさらに向上する。
【0117】
本願の幾つかの実施例により、本願は上記のいずれかの態様に係る電池セルを含む電池をさらに提供する。
【0118】
本願の幾つかの実施例により、本願は、上記のいずれかの態様に係る電池を含む受電装置をさらに提供し、かつ、電池は受電装置に電力を供給するために用いられる。
【0119】
受電装置は、上述のいずれかの電池を応用する機器またはシステムであってもよい。
【0120】
本願の幾つかの実施例により、本願は、本体部231と、第1折り曲げ部232aとストレート部232bとを含むタブ232とを含む電極アセンブリ23を提供するステップを含む電池セルの製造方法をさらに提供する。ストレート部232bは、第1折り曲げ部232aを介して本体部231に接続されており、少なくともストレート部232bに本体部231側に向かって突出する第2折り曲げ部232cが形成されている。
【0121】
タブのストレート部に第2折り曲げ部を設けることにより、タブの一部に本体部側に向かった突出変形を生じさせ、この変形によりタブの層と層との間が閉じられ、局所的にタブに対する拘束を形成し、タブの層と層との間の分離抵抗を増大させ、さらにタブが分岐するのを避け、電池の安全性が向上する。
【0122】
本願の幾つかの実施例により、図15を参照し、電池セルの製造方法は、以下のステップを含む。
【0123】
開口を有する筐体21と、エンドキャップ22とを提供するS101と、
【0124】
本体部231と、第1折り曲げ部232aとストレート部232bとを含むタブ232とを含む電極アセンブリ23を提供するS102であって、ストレート部232bは、第1折り曲げ部232aを介して本体部231に接続され、少なくともストレート部232bに本体部231側に向かって突出する第2折り曲げ部232cが形成されているS102と、
【0125】
電極アセンブリ23のタブが筐体21の開口側に位置するように、電極アセンブリ23を筐体21内に配置するS103と、
【0126】
開口を閉塞するようにエンドキャップ22を筐体21の開口に取り付けるS104と、を含む。
【0127】
タブのストレート部に第2折り曲げ部を設けることにより、タブの一部に本体部側に向かった突出変形を生じさせ、この変形によりタブの層と層との間が閉じられ、局所的にタブに対する拘束を形成し、タブの層と層との間の分離抵抗を増大させ、さらにタブが分岐するのを避け、電池の安全性が向上する。
【0128】
第2折り曲げ部232cは、電池セルを実装する前に、例えば、プレス装置でタブの一部を本体部側に向かって押し下げて形成したり、特殊な形状の治具でタブの両側を合わせて挟んで形成したりするように、予備成形装置でタブを加工して形成してもよい。
【0129】
別の実施例において、第2折り曲げ部232cの形成は、電池セルの実装中に形成されるものである。製造方法は、押し下げ構造を提供することをさらに含み、押し下げ構造は、タブ232とエンドキャップ22との間に設けられており、開口を閉塞するようにエンドキャップ22を筐体21の開口に取り付ける際に、タブ232に第2折り曲げ部232cを形成させるように、タブ232に押し下げ構造を当接させる。
【0130】
本願の幾つかの実施例により、製造方法は、ポスト24と中継シート26を提供し、中継シート26の第1端をポスト24に接続し、中継シート26の第2端に押し下げ構造を設けるとともに、押し下げ構造をタブ232に当接させることさらに含む。
【0131】
本願の幾つかの実施例により、製造方法は、エンドキャップ22に押し下げ構造を設け、押し下げ構造をタブ232に当接させるようにエンドキャップ22を筐体21の開口に取り付けることをさらに含む。
【0132】
以下、本願の具体的な実施例に係る電池セルの構造について、図3から図14に基づいて詳しく説明する。
【0133】
図3から図10は、本願の1つの具体的な実施例に係る電池セルの構造を示す。
【0134】
図3から図5に示すように、本実施例において、電池セル20は、筐体21と、エンドキャップ22と、電極アセンブリ23と、ポスト24と、中継シート26とを含む。筐体21は、開口を有する方形の筐体であり、エンドキャップ22は、筐体21を閉塞するように筐体21の開口に設けられている。エンドキャップ22には、2つのポスト24が設けられている。電極アセンブリ23は、筐体21内に収納されている。電極アセンブリ23は、本体部231と、本体部231からエンドキャップ22側へはみ出したタブ232と、を含む。中継シート26は、ポスト24とタブ232とを接続する。
【0135】
図5図6に示すように、中継シート26の端部には、押し下げ構造を形成する突起部261が設けられている。突起部261は、中継シート26の端部が折り曲げられて形成されており、つまり、突起部261と中継シート26は一体成形されている。
【0136】
図7から図9に示すように、電池セル20は、筐体21内に併設された2つの電極アセンブリ23を含む。中継シート26は、2つの電極アセンブリ23のタブ232に同時に接続されている。かつ、図10に示すように、中継シート26上の突起部261が、2つの電極アセンブリ23の2つのタブ232のストレート部232bに同時に当接することにより、さらに、2つのタブ232のストレート部232bにともに第2折り曲げ部232cが形成されている。
【0137】
中継シート26は、ポスト24とタブ232とを接続するための部品であると、中継シート26とタブ232のストレート部232bとを接続した後、突起部261が自然にタブ232を押し下げるようになり、タブに第2折り曲げ部232cを形成させ、第2折り曲げ部232cを設けることにより、タブ232の一部に本体部231側に向かった突出変形を生じさせ、この変形によりタブ232の層と層との間が閉じられ、局所的にタブ232に対する拘束を形成し、タブ232の層と層との間の分離抵抗を増大させ、さらにタブが分岐するのを避け、電池の安全性が向上する。そして、押し下げ構造を中継シートに設けることによって、この電池セル20を実装することが簡単になる。
【0138】
本実施例に係る電池セルの製造方法は、以下のステップを含む。
【0139】
開口を有する筐体21と、エンドキャップ22と、ポスト24と、中継シート26とを提供するステップと、
【0140】
本体部231とタブ232とを含む電極アセンブリ23を提供し、筐体21内に電極アセンブリ23を配置するとともに、中継シート26とタブ232とを接続し、接続後にタブ232を第1折り曲げ軸線に沿って折り曲げ、折り曲げ後にタブ232が第1折り曲げ部232aと、第1折り曲げ部232aを介して本体部231と接続されたストレート部232bとを有するようになるステップと、
【0141】
折り曲げ後、ストレート部232bに本体部231側に向かって突出する第2折り曲げ部232cを形成させるように中継シート26に設けられた突起部によりストレート部232bを当接するステップと、
【0142】
開口を閉塞するようにエンドキャップ22を筐体21の開口に取り付けるステップと、を含む。
【0143】
図11から図14は、本願の別の実施例に係る電池セルの構造を示す。
【0144】
本実施例に係る電池セルの外部構造は、上記の実施例と同じであるため、繰返して図示しないので、図3図4及び図7を参照することができ、図11は、図4におけるA-A方向に沿った断面図を示し、図13は、図7におけるC-C方向に沿った断面図を示す。
【0145】
図11に示すように、本実施例に係る押し下げ構造がエンドキャップ22に設けられていることで上記の実施例と異なる。具体的には、図12に示すように、エンドキャップ22のタブ232に対向する側に突起部221が設けられている。突起部221は、中継シート26によって遮蔽されない位置に設けられていると、エンドキャップ22を取り付ける際に、タブ232のストレート部に第2折り曲げ部232cを形成させるように、突起部221がタブ232のストレート部に直接当接することができる。
【0146】
同様に、図13図14に示すように、この電池セルは、筐体21内に併設された2つの電極アセンブリ23を含む。そして、2つのタブ232に同時に第2折り曲げ部232cを形成させるように、突起部221が2つの電極アセンブリ23のタブ232に同時に当接することができる。
【0147】
具体的には、この突起部221は、エンドキャップ22の下面に設けられた突条であり、かつ、この突起部221は、断面形状が半円形である。
【0148】
本実施例に係る電池セルの製造方法は、以下のステップを含む。
【0149】
開口を有する筐体21と、エンドキャップ22と、ポスト24と、中継シート26とを提供するステップと、
【0150】
本体部231とタブ232とを含む電極アセンブリ23を提供し、筐体21内に電極アセンブリ23を配置するとともに、中継シート26とタブ232とを接続し、接続後にタブ232を第1折り曲げ軸線に沿って折り曲げ、折り曲げ後にタブ232が第1折り曲げ部232aと、第1折り曲げ部232aを介して本体部231と接続されたストレート部232bとを有するようになるステップと、
【0151】
開口を閉塞するようにエンドキャップ22を筐体21の開口に取り付けるとともに、ストレート部232bに本体部231側に向かって突出する第2折り曲げ部232cを形成させるようにエンドキャップ22上の突起部221にストレート部232bを当接させるステップと、を含む。
【0152】
最後に、以上の各実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、本願を制限するものではないことを説明しなければならない。上記の各実施例を参照して本願を詳しく説明したが、当業者であれば、依然として上記の各実施例に記載された技術的解決手段を補正したり、その中の構成要件の一部または全部を均等に置換することができることを理解すべきである。これらの補正または置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させるはずではなく、本願の特許請求の範囲および明細書の範囲に含まれるべきである。特に、構造的にコンフリクトがない限り、各実施例で言及される各構成要件を、任意の態様で組み合わせてもよい。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に収まられる全ての技術的解決手段を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15