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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】ノイズ緩和のための光学システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/47 20060101AFI20240805BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20240805BHJP
   G02B 5/04 20060101ALI20240805BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20240805BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G01N21/47 Z
G02B5/02 A
G02B5/04 A
G02B5/30
G02B3/00 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023515260
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 US2021049683
(87)【国際公開番号】W WO2022056142
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-03-07
(31)【優先権主張番号】63/076,249
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【弁理士】
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】アーボア マーク アラン
(72)【発明者】
【氏名】テレル マシュー エイ
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-533502(JP,A)
【文献】特表2020-511693(JP,A)
【文献】特表2020-516959(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0026090(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102018211972(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - 21/01
G01N 21/17 - 21/61
G02B 3/00
G02B 5/00 - 5/136
G02B 5/30
G02B 6/26 - 6/27
G02B 6/30 - 6/34
G02B 6/42 - 6/43
G02B 27/00 - 30/60
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニクスアセンブリであって、
半導体光源のセットであって、前記セットのうちのそれぞれが光を放射するセットと、
前記半導体光源のセットから前記光を受け取るための出力カプラのセットと、
前記出力カプラのセットから前記光を受け取り、前記光を整形するように位置決めされた光学サブシステムであって、
前記出力カプラのセットから前記光を受け取るように位置決めされたシリンダレンズアレイと、
前記シリンダレンズアレイから光を受け取るように位置決めされた交差シリンダレンズアレイと、を含む光学サブシステムと、
サンプル上のコヒーレントノイズ状態のセットのうちのコヒーレントノイズ状態を有する前記光を提供するように構成された拡散器であって、
前記拡散器は、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で繰り返し移動するように動作可能であり、
少なくとも前記第1の位置と前記第2の位置との間で繰り返し移動することによって、前記拡散器がコヒーレントノイズを緩和する、
拡散器と、
を備える、フォトニクスアセンブリ。
【請求項2】
位相シフタのセットが、前記出力カプラのセットのそれぞれの出力カプラに光を伝送するように位置決めされ、デコヒーレンスされた光を生成し、
前記半導体光源のセットを出る際に前記半導体光源のセットによって放射される前記光のビーム広がりは、1~5ミクロンであり、
前記拡散器を出るビーム広がりは、前記サンプルへの入射時に2~4mmの範囲内である、
請求項1に記載のフォトニクスアセンブリ。
【請求項3】
前記拡散器が、8度×8度の光ビームの拡散光を前記サンプルに提供するように構成されている、請求項1に記載のフォトニクスアセンブリ。
【請求項4】
光学システムであって、
複数の光ビームを有する光を放射するための半導体光源のセットと、
前記半導体光源のセットから前記光を受け取るための出力カプラのセットと、
可動拡散要素であって、
前記出力カプラのセットから前記光を受け取り、
前記出力カプラのセットの各出力カプラに対応する異なるコヒーレントノイズ状態のセットを提供するように、前記出力カプラのセットの各出力カプラに固有の各位置のセット間で移動し
サンプルに入射する照明プロファイルを定義する
ように構成された可動拡散要素と、
を備える、光学システム。
【請求項5】
前記出力カプラのセットから前記光を受け取るように構成された光学サブシステムと、
前記光をデコヒーレンスするための位相シフタのセットとを更に備え、
前記出力カプラのセットによって受け取られた前記複数の光ビームの各光ビームが、前記位相シフタのセットのうちの対応する位相シフタによってデコヒーレンスされ、
前記位置のセットのそれぞれは繰り返し可能である、
請求項4に記載の光学システム。
【請求項6】
前記出力カプラのセットによって提供される前記光をデコヒーレンスするための周波数変調器
を更に備える、請求項4に記載の光学システム。
【請求項7】
前記可動拡散要素が円形拡散器である、請求項4に記載の光学システム。
【請求項8】
前記照明プロファイルが、前記光学サブシステムから受け取られた光の角度間隔に少なくとも部分的に基づく、請求項5に記載の光学システム。
【請求項9】
前記照明プロファイルが、前記可動拡散要素に入射する光の角度の全範囲に少なくとも部分的に基づく、請求項4に記載の光学システム。
【請求項10】
前記半導体光源のセットのそれぞれの光源によって放射される前記光が、異なる波長である、請求項4に記載の光学システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本PCT(特許協力条約)特許出願は、2021年9月9日に出願された米国特許仮出願第63/076,249号に対する優先権を主張するものであり、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、コヒーレントノイズ緩和のためのシステム及び方法に関する。より詳細には、本開示は、非対称発射ビームを形成するデコヒーレンスされた光を生成する複数の光源及び光学要素を有するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、様々なタイプの撮像システムにおけるノイズは、信号の望ましくない修正を引き起こす可能性がある。ノイズは、医療用超音波システム、レーダシステム、投影システム、又は任意のコヒーレント撮像システムなどのシステムにおいて画像を劣化させる可能性がある。ノイズは、測定信号又は画像において粒状性、粒状パターン、又は強度パターンを引き起こす可能性がある。いくつかの例では、ノイズは光信号の検出に著しく干渉する可能性があり、したがって、照明条件は、光学デバイス又はシステムの動作速度及びサイズなどの光学システムの他の仕様を維持しながら、ノイズを緩和するように設計され得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示に記載のシステム、デバイス、方法、及びデバイスの実施形態は、コヒーレントノイズを緩和するための光学システムに関する。また、非対称発射ビームを生成するデコヒーレンスされた光を提供することを対象とするシステム、デバイス、方法、及び装置が説明される。光学システムは、位相シフト、周波数差などを介してデコヒーレンスされた光を提供する複数の光源を含んでもよい。光学サブシステムは、光源から光を受け取ることができ、光を実質的にコリメートして、発射ビームの所望の強度プロファイルを生成することができる。発射ビームは、光源からの光ビームの形態の光を含むことができ、各光ビームは、互いに異なる角度で発射ビームに入射する。光学システムはまた、コヒーレントノイズを緩和するのを助ける可動拡散器を含むことができる。
【0005】
いくつかの例では、本開示は、フォトニクスアセンブリを説明する。フォトニクスアセンブリは、各々が光を放射する半導体光源のセットと、半導体光源のセットから光を受け取る出力カプラのセットと、出力カプラのセットから光を置け取って光を整形するように位置決めされた光学サブシステムと、サンプル上のコヒーレントノイズ状態のセットのうちのコヒーレントノイズ状態を有する光を提供するように構成された拡散器とを含んでもよく、拡散器は、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で繰り返し移動するように動作可能であり、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で繰り返し移動することによって、拡散器はコヒーレントノイズを緩和する。いくつかの例では、フォトニクスアセンブリは、出力カプラのセットのそれぞれの出力カプラに光を伝送するように位置決めされた位相シフタのセットを含んでもよく、デコヒーレンスされた光を生成し、半導体光源のセットから出る際に半導体光源のセットによって放射される光のビーム広がりは、少なくとも1つの次元において1~5ミクロンであり、拡散器から出射するビーム広がりは、少なくとも1つの次元においてサンプルに入射する際に2~4mmの範囲である。いくつかの例では、拡散器を出るビーム広がりは、約0.5mm×2~4mmであってもよい。
【0006】
いくつかの例では、光学サブシステムは、出力カプラのセットから光を受け取るように位置決めされたコリメートアレイと、コリメートアレイから光を受け取るように位置決めされた偏向プリズムアレイとを含むことができる。いくつかの例では、光学サブシステムは、出力カプラのセットから光を受け取るように位置決めされたコリメートアレイと、コリメートアレイから光を受け取るように位置決めされた発散アレイとを含むことができる。いくつかの例では、光学サブシステムは、出力カプラのセットから光を受け取るように位置決めされた偏心トロイダルレンズアレイを含むことができる。いくつかの例では、光学サブシステムは、出力カプラのセットから光を受け取るように位置決めされたシリンダレンズアレイと、シリンダレンズアレイから光を受け取るように位置決めされた交差シリンダレンズアレイとを含んでもよい。いくつかの例では、拡散器は、8度×8度の光ビームの拡散光をサンプルに提供するように構成される。
【0007】
いくつかの例では、本開示は、光学システムを説明している。光学システムは、複数の光ビームを有する光を放射するための半導体光源のセットと、半導体光源のセットから光を受け取るための出力カプラのセットと、光カプラのセットから光を受け取り、出力カプラのセットのそれぞれの出力カプラに対する位置のセットに移動して、出力カプラのセットのそれぞれの出力カプラに対応する異なるコヒーレントノイズ状態のセットを提供し、サンプルに入射する照明プロファイルを定義するように構成された可動拡散要素とを備えることができる。いくつかの例では、光学システムは、出力カプラのセットから光を受け取るように構成された光学サブシステムと、光をデコヒーレンスするための位相シフタのセットとを含むことができ、出力カプラのセットによって受け取られた複数の光ビームの各光ビームは、位相シフタのセットのうちの対応する位相シフタによってデコヒーレンスされ、位置のセットのそれぞれは繰り返し可能である。いくつかの例では、光学システムは、出力カプラのセットによって提供される光をデコヒーレンスするための周波数変調器を含み得る。いくつかの例では、可動拡散要素は円形拡散器である。いくつかの例では、照明プロファイルは、光学サブシステムから受け取られた光の角度間隔に少なくとも部分的に基づく。いくつかの例では、照明プロファイルは、拡散器に入射する光の角度の全範囲に少なくとも部分的に基づく。いくつかの例では、半導体光源のセットのそれぞれの光源によって放射される光は、異なる波長である。
【0008】
いくつかの例では、本開示は、コヒーレントノイズを緩和するための方法を説明する。本方法は、光源のセットからデコヒーレンスされた光を放射することと、所望の照明プロファイルを生成する光学サブシステムにおいてデコヒーレンスされた光を受け取ることと、光源のセットのそれぞれの光源から受け取られた各光ビームに対するコヒーレントノイズ固有拡散器状態で可動拡散器を使用して、デコヒーレンスされた光の所望の照明プロファイルを拡散させることとを含み得る。いくつかの例では、照明プロファイルは、光学サブシステムから受け取られた光の角度間隔に少なくとも部分的に基づき、各光ビームに対するコヒーレントノイズ固有拡散器状態は、繰り返し可能であり得、光の角度の全範囲は、拡散器に入射する。いくつかの例では、デコヒーレンスされた光を放射することは、光源のセットを出る際に4ミクロン未満であるビーム広がりを生成することを含み得る。いくつかの例では、デコヒーレンスされた光を拡散させることは、サンプルに入射するときに3.2mm未満のビーム広がりを生成することを含み得る。いくつかの例では、デコヒーレンスされた光を放射することは、デコヒーレンスされた光を位相シフトすることを含んでもよい。いくつかの例では、光源のセットのそれぞれの光源は、互いに異なる波長であり、デコヒーレンスされた光を拡散させることは、コヒーレントノイズビューのセットを生成することを含み得、同じコヒーレントノイズビューが各波長について生成される。
【0009】
上述の例示的な態様及び実施形態に加えて、更なる態様及び実施形態が、図面を参照し、以下の説明を検討することによって、明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的なフォトニクスアセンブリの実施形態を示す。
図2A】光学システムを示す。
図2B】光学システムを示す。
図2C】照明プロファイルの表現である。
図2D】照明プロファイルの表現である。
図3A】光学システム内の例示的な光学サブシステムを示す。
図3B】拡散器を有さない例示的な光学システムと、対応する光の遠視野角度分離とを示す。
図3C】拡散器を有さない例示的な光学システムと、対応する光の遠視野角度分離とを示す。
図3D】拡散器及び対応する重複しない光の遠視野角度分離を有する例示的な光学システムを示す。
図3E】拡散器及び対応する重複しない光の遠視野角度分離を有する例示的な光学システムを示す。
図3F】拡散器及び対応する重複する光の遠視野角度分離を有する例示的な光学システムを示す。
図3G】拡散器及び対応する重複する光の遠視野角度分離を有する例示的な光学システムを示す。
図4】光学システムの例示的な光学サブシステムを示す。
図5】光学システムの例示的な光学サブシステムを示す。
図6】光学システムの例示的な光学サブシステムを示す。
図7】光学システムの例示的な光学サブシステムを示す。
図8】光学システムの例示的な光学サブシステムを示す。
図9】光学システムの例示的なブロック図を示す。
【0011】
様々な特徴及び要素(並びに、それらの集合及びグループ化)の(相対的又は絶対的な)比率及び寸法、並びに、それらの間に提示されている境界、分離、及び位置関係は、単に本明細書で説明される様々な実施形態の理解を容易にするために、添付の図に提供されているものに過ぎず、したがって、必ずしも一定の縮尺で提示又は図示されていない場合があり、それらの図を参照して説明されている実施形態を除外して、図示されている実施形態に対する、いかなる選好又は要件も示すことを意図するものではない点を理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、添付図面に図示される代表的な実施形態が詳細に説明される。以下の説明は、これらの実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。反対に、以下の説明は、添付の特許請求の範囲により定義される記載された実施形態の趣旨及び範疇に含むことができるような、代替形態、修正形態及び均等物を包含することを意図している。
【0013】
一般に、ランダムノイズ又はセミランダムノイズなどのノイズは、様々なタイプの撮像システムに存在する可能性があり、信号の望ましくない修正を引き起こす可能性がある。いくつかの例では、撮像システム内のノイズはコヒーレントノイズであり得る。ノイズは、医療超音波システム、レーダシステム、投影システム、又は任意のコヒーレント撮像システムなどのシステムにおいて、画像内に粒状性、粒状パターン、又は強度パターンを引き起こすことによって画像を劣化させる可能性がある。いくつかのシステムは、測定信号を判定することが困難であり得る、非常に多くのノイズを伴う信号を生成し得る。いくつかの例では、コヒーレントマルチパス干渉はノイズ源であり得、その一例はスペックルノイズであり得る。
【0014】
いくつかの例では、コヒーレントノイズは、光信号の検出に著しく干渉する可能性があり、したがって、照明条件は、光学デバイス又はシステムの動作速度及びサイズなどの光学システムの他の仕様を維持しながら、コヒーレントノイズを緩和するように設計され得る。コヒーレントノイズを緩和又は低減するときに、光の強度プロファイルなどのシステムの幾何学的仕様内の照明条件、光の角度分布又はビーム広がり角及び光学システムの可動部品の数の低減を含むがこれらに限定されない様々な要因を考慮することができる。
【0015】
光学システムにおけるノイズを緩和する際に、コヒーレントノイズは、検出器ノイズ及びレーザノイズなどの光学システムにおける他のノイズ源を悪化させることなく低減され得る。いくつかの例では、コヒーレントノイズは、一体化された光学系内の移動拡散器及び位相シフタなどの光学システム内の複数の要素の機能を組み合わせることによって低減され得る。加えて、コヒーレントノイズは、いくつかの時間的に変化する位相関係を介して複数の光出力を互いにデコヒーレンスすることによって緩和され得る。これらの位相関係は、位相シフタ、周波数変調器から、及び/又はチャーピング及び群遅延、それらの任意の組合せなどからのものであってもよい。いくつかの例では、コヒーレントノイズは、わずかに異なる波長を受信する各出力によって緩和され得る。光学システムの他の仕様を観察することと併せてこれらの要素を使用することによって、コヒーレントノイズは、光学システムによって光信号がより効果的に測定され得るように、緩和又は低減され得る。
【0016】
本明細書で開示されるのは、移動拡散器及びデコヒーレンスされた光を一緒に使用してコヒーレントノイズを緩和して、サンプルに入射する所定の照明プロファイルを生成するための、光学システム、デバイス、及び方法である。フォトニクスアセンブリは、複数の波長を放射するフォトニクスダイを含んでもよい。加えて、フォトニクスアセンブリは、フォトニクスダイ(単数又は複数)、アウトカプラ、フォトニクスダイ(単数又は複数)から光を受け取る光学構成要素、自由空間光学系などを含んでもよいが、サンプルを含まない。フォトニクスアセンブリについては、図1を参照して以下で更に詳細に説明する。フォトニクスダイ(単数又は複数)によって放射された光は、フォトニクスダイの一部であっても外部にあってもよい位相シフタを使用してデコヒーレンスされてもよい。光は、光を整形し、光を拡散要素に導く光学サブシステムによって受け取られてもよい。光学サブシステムは、拡散要素に入射する所望の形状及びビーム角度を達成するために、必要に応じて1つ以上の光学構成要素を含んでもよい。いくつかの例では、光学サブシステムは、光をコリメートすることによって光を整形してもよい。一般に、光を整形することは、光を方向付けること、光を集束させること、光をコリメートすること、他の好適な整形機能、及び/又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0017】
いくつかの例では、拡散要素は、デコヒーレンスされた光ビームとともに、固有のコヒーレントノイズビュー又はコヒーレントノイズ状態を生成するために1つ以上の次元で移動することができ、拡散要素の位置はまた、繰り返し可能であり得る。コヒーレントノイズは、測定信号又は画像において粒状性、粒状パターン、又は強度パターンを引き起こす可能性がある。いくつかの例では、第1の光は、コヒーレントノイズを生成するコヒーレントマルチパス干渉を受けることがあり、第1のコヒーレントノイズは、第1のコヒーレントノイズビュー又はコヒーレントノイズ状態であり得る第1の強度パターンを示すことがある。この例に加えて、第2の光は、コヒーレントノイズを生成するコヒーレントマルチパス干渉を受けることがあり、第2のコヒーレントノイズは、第2のコヒーレントノイズビュー又はコヒーレントノイズ状態であり得る第2の強度パターンを示すことがある。固有のコヒーレントノイズビュー又は固有の(例えば、異なる)コヒーレントノイズ状態として認定されるものは、所与のシステム設計及び意図されたサンプル特性に対する精度制約に大きく依存するが、本出願の目的のために、サンプルの2つ以上の分光測定は、それらが0と0.5との間である相関係数rを有する場合、固有のノイズビュー又は固有のコヒーレントノイズ状態を有する(例えば、0と0.5との間でノイズビューは、互いにデコヒーレンスされる)。しかしながら、いくつかのシステムは、異なる精度制約(例えば、0から0.4の間のr又は0から0.3の間のr)で設計され得ることを理解されたい。相関係数は、画像の強度値のマッピングに少なくとも部分的に基づくことができ、明るい領域は高い相関に対応することができ、暗い領域は低い相関に対応することができる。
【0018】
本明細書で説明されるように、拡散要素の位置又は位置のセットは、繰り返し可能として論じられるが、位置又は位置のセットは、ほぼ繰り返し可能で実際の位置の約10パーセント以内の変動であってもよい。いくつかの例では、拡散器は、測定の過程にわたって所定の位置のセットの間を繰り返し移動することができる。位置の所定のセットは、繰り返しシーケンス(例えば、1-2-3-4-1-2-3-4又は1-2-3-4-4-3-2-1)又は擬似ランダムシーケンス(例えば、1-2-4-1-2-3-1-4.)であってもよく、拡散器は、各位置において等しい時間を費やしてもよい。加えて、測定を実行する際に、拡散器の目標位置と実際の位置との間にいくらかの不正確さが存在してもよい。公差は、個々のシステムに依存してもよく、システムごとに変化してもよい。いくつかの例では、位置の所定のセットは、公差が考慮され得るときであっても、それらが固有のコヒーレントノイズビュー又はコヒーレントノイズ状態を提供し得るように、十分に離れているように選択され得る。
【0019】
フォトニクスダイの各々は、システムの光学要素を通過した後に所定のビーム広がりで拡散要素に入射し得るそれぞれの光ビームを放射し得る。加えて、光ビームの各々は、フォトニクスダイとシステムの光学要素との間隔に起因して、拡散要素に対して異なる角度を有し得る。光ビームは、1つ以上の光線を有する光の一部であることが理解され得る。拡散要素は、各光ビームが他の光ビームのそれぞれと同じ又は類似の拡散要素位置のセットを通過することができるように、各光ビームについて繰り返し可能な位置のセットに移動することができる。拡散要素は、個々の光ビームがサンプルに入射するコヒーレントノイズビュー又はコヒーレントノイズ状態の対応するセットを提供するように、個々の光ビームのための位置のセットに移動してもよい。次いで、拡散要素は、次の空間位置における光ビームのための同じ又は同様の位置のセットに移動して、その光ビームのためのコヒーレントノイズビュー又はコヒーレントノイズ状態の対応するセットを提供することができ、以下同様である。第1の位置及び次の空間位置における光ビームが論じられることがあるが、拡散器は、光ビームの全てについて同時にコヒーレントノイズビューを変更し得ることが理解され得る。各光ビームに繰り返し可能な位置を提供することによって、異なる光ビームから測定される信号は、信号が正確な測定信号に近づき、又は場合によっては収束し、コヒーレントノイズが低減されるように、一緒に平均化され得る。他の実施形態では、各拡散器位置は、全体的な測定ごとに1回だけ訪れられてもよく、波長は、複数回及び拡散器位置ごとに1回使用されてもよい。別の言い方をすれば、いくつかの実施形態では、拡散器位置は波長内で入れ子にされてもよく、他の実施形態では、波長は拡散器位置内で入れ子にされてもよい。
【0020】
いくつかの例では、各波長は同じ拡散器位置を経験することができるが、波長が異なるので、所与の拡散器位置における各波長のコヒーレントノイズ状態は異なる場合がある。コヒーレントノイズを緩和するとき、同じ又は類似のコヒーレントノイズビュー又はコヒーレントノイズ状態が、フォトニクスダイによって放射される全ての波長又は波長範囲において利用可能であり得る。個々の光ビームの様々な角度で光を調べることによって、各信号は、いくらかのコヒーレントノイズを含み得る。光の異なる角度の信号は一緒に平均化され、コヒーレントノイズは、信号がコヒーレントノイズのない正確な信号又は測定信号に接近又は収束し得る限り、ゼロ平均に接近し得る。「コヒーレントノイズビュー」及び「コヒーレントノイズ状態」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。
【0021】
拡散要素又は位相シフタは、個別に採用されたとしても、フォトニクスアセンブリのコヒーレントノイズ緩和のために十分なレートで固有のコヒーレントノイズビューを生成し得るが、個別にかつ他の構成要素なしで使用される各構成要素は、占有する空間が多すぎて、非常に多くの動作電力を必要とする場合があるので、空間及び電力を考慮すると、拡散要素と位相シフタとの組合せがフォトニクスアセンブリ仕様により良好に準拠し得る。拡散要素及び位相シフタはそれぞれ固有のビューを生成することができるが、この組合せにより、小さいフォームファクタのデバイス及び/又はシステムにおいてコヒーレントノイズビューの数を増加させることができる。
【0022】
これらの実施形態及び他の実施形態について、図1図8を参照して以下に説明する。しかしながら、当業者であれば、これらの図を参照して本明細書により与えられている詳細な説明は、例示目的のみであり、限定するものとして解釈されるべきではないことが容易に理解されよう。
【0023】
方向を示す用語、例えば、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「~の上(above)」、「~の下(below)」、「~のすぐ下(beneath)」、「前(front)」、「後(back)」、「~の上(over)」、「~の下(under)」、「左(left)」、「右(right)」などは、以下に記載するいくつかの図面における構成要素のいくつかの向きを参照しつつ使用される。種々の実施形態における構成要素は、多くの異なる向きに配置され得るので、方向を示す用語は、例示を目的として使用されているに過ぎず、いかなる方法でも制限するものではない。方向を示す用語は、広く解釈されることを意図しており、そのため、異なる様式で配置される構成要素を除外すると解釈すべきではない。
【0024】
本明細書全体を通して使用される場合、参照番号の後に英字がない参照番号は、1つ以上の対応する参照、全ての参照のグループ、又は参照のうちのいくつかを指すことができる。例えば、「215」は、使用される文脈に応じて、フォトニクスダイ215(例えば、フォトニクスダイ215A、フォトニクスダイ215Bなど)のいずれか1つを指すことができるか、又はフォトニクスダイ215の全てを指すことができるか、又はフォトニクスダイのいくつか(例えば、フォトニクスダイ215A、フォトニクスダイ215Bの両方)を指すことができる。
【0025】
本開示による方法及び装置の、代表的な適用例が、本セクションで説明されている。これらの実施例は、前後関係を追加し、説明する実施例の理解を助けることのみを目的として提供される。それゆえ、説明される実施例は、特定の詳細のうちの一部又は全てを伴わずに実践することができる点が、当業者には明らかとなるであろう。他の適用例が可能であり、それゆえ以下の実施例は、限定的なものとして解釈されるべきではない。
【0026】
図1は、インターフェース180、光エミッタ110、検出器130、及びコントローラ140を含むことができる例示的なフォトニクスアセンブリ100を示す。インターフェース180は、それを通る光の透過に適応することができるデバイスの外面を含むことができる。インターフェース180は、動作波長における光伝送に適応し得ることが理解され得る。いくつかの例では、動作波長は、サンプルの特性を測定するために使用される光の波長であってもよい。更に、いくつかの例では、インターフェース180は、光の可視波長がサンプルの特性を測定するために使用されない場合があるので、可視光に対して不透明であってもよい。いくつかの例では、フォトニクスアセンブリ100は、異なる機能を提供する領域を含む開口構造160を含み得る。いくつかの例では、開口構造160の領域は、透明領域170、不透明領域、半透明領域、反射領域、周囲の材料とは異なる屈折率を有する領域、それらの任意の組合せなどのうちの1つ以上を含むことができる。開口構造160は、測定サンプルボリューム120内への光の発射位置、及び測定サンプルボリューム120からの戻り光の収集位置を指向及び/又は制御し得る。測定サンプルボリューム120に入る光の位置及び/又は角度を制御することによって、測定サンプルボリューム120に入射する光、及び/又は測定サンプルボリューム120から出る光を選択的に構成することができる。図1に示されるように、開口構造160は、複数の開口を有する単一のインターフェースであってもよいが、インターフェースは、発射窓及び1つ以上の収集窓などの異なる窓に分割されてもよい。いくつかの例では、フォトニクスアセンブリは、フォトニクスダイ(単数又は複数)、アウトカプラ、フォトニクスダイ(単数又は複数)から光を受け取る光学構成要素、自由空間光学系などを含んでもよいが、サンプルを含まない。図1に示されているが、測定サンプルボリューム120は、フォトニクスアセンブリ100に含まれない。「フォトニクスアセンブリ」及び「フォトニクスシステム」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。
【0027】
フォトニクスアセンブリ100を動作させている間、測定サンプルボリューム120は、フォトニクスシステムインターフェース180などの、フォトニクスアセンブリ100の少なくとも一部に近接して又は接触して配置され得る。1つ以上の光エミッタ110は、コントローラ140に結合することができる。コントローラ140は、信号(例えば、電流又は電圧波形)を送信して、光を放射することができる光エミッタ110を制御することができる。1つ以上の光エミッタ110は、本明細書で詳細に説明される1つ以上のフォトニクスダイ115に含まれてもよい。本明細書における議論は、光を放射するものとしてフォトニクスダイ(単数又は複数)115を参照し得るが、それは、光を生成し得るフォトニクスダイ115の一部である1つ以上の光エミッタ110であり得る。したがって、光を放射するフォトニクスダイの議論は、光エミッタがフォトニクスダイの一部である限り、光を生成する光エミッタを包含すると理解される。
【0028】
いくつかの例では、フォトニクスダイ115は光を放射してよく、その光は、フォトニクスダイ115に含まれるアウトカプラ又はミラー150によって反射されてよく、その光はレンズ190によって受け取られてよい。レンズ190は自由空間レンズであってもよく、単一のレンズとして参照されるが、いくつかの例では、レンズ190は複数のレンズであってもよい。加えて、レンズ190は、複数の機能を実行する単一のレンズであってもよく、又は、それぞれが、光をコリメートすること、及び/又は、フォトニクスダイ115から受け取った光をビームステアリング若しくはビーム整形することなどの機能を実行する複数のレンズであってもよい。レンズ190については、図2A図8を参照して本明細書で更に詳細に説明する。レンズ190からの光は、拡散要素135に向けられてもよい。拡散要素135は、1つ又は複数の次元で移動してもよく、拡散要素135の移動は、離散的又は連続的であってもよい。いくつかの例では、離散的な拡散要素135は、異なる位置の間を進むことができ、一方、連続的な拡散要素は、特定の位置で停止することなく振動するか、又は別の方法で連続的に移動することができる。更なる例では、拡散要素135は、所望の範囲内の任意の目標位置に移動することが可能であってもよく、又はいくつかの固定位置の間を物理的に移動することのみが可能であってもよい。拡散要素135は、レンズ190から受け取った光の角度間隔と、拡散器に入射する光の角度の全範囲とに少なくとも部分的に基づく光の照明プロファイルを生成することができる。拡散要素については、図2A図8を参照して更に詳細に説明する。
【0029】
測定サンプルボリューム120の性質に応じて、光は、測定サンプルボリューム120内に浸透して1つ以上の散乱部位に到達することができ、制御された経路長でフォトニクスアセンブリ100に向かって戻る(例えば、反射及び/又は散乱して戻る)ことができる。フォトニクスアセンブリ100に戻って入る戻り光は、方向付けられ、コリメートされ、集束され、及び/又は拡大されてよい。戻り光は、検出器130に向かって方向付けられ得る。検出器130は、戻り光を検出することができ、検出された光の量を示す電気信号をコントローラ140に送ることができる。いくつかの例では、検出器130は、サンプルからの戻り光を方向付け、コリメートし、集束させ、拡大し、又は他の方法で整形するための光学要素を有することができる。
【0030】
追加的又は代替的に、光エミッタ110は、任意選択的に、基準物(図1には図示せず)に向かって光を放射することができる。基準物は、ミラー、レンズ、及び/又はフィルタを含み得て、それらに限定されないが、光学系に向かって光を方向変更させることができ、また、既知の光学特性を伴うサンプルに向かって光を方向変更させてもよい。光学系は、戻り光を検出器130に向けて方向付け、コリメートし、集束し、拡大し、又は他の方法で整形することができる。検出器130は、基準物から反射された光を測定することができ、品質目的のためにこの反射光を示す電気信号を生成することができる。図1に示すように、光エミッタ110は、アウトカプラ又はミラー150に向かって光を放射する。いくつかの例では、検出器130は、サンプル信号及び基準信号の各々について固有の及び/又は個々の対応するピクセルを有していなくてもよい。いくつかの例では、光学系は基準光を同じピクセル(単数又は複数)上に向けることができ、測定は時分割多重化することができる。加えて、いくつかの例では、検出器130は、1つ以上のピクセルを含んでもよく、1つ以上のピクセルの各々は、そのピクセルによって収集された光又は戻り光に基づいて、個別の信号を出力してもよい。したがって、検出器130によって生成される任意の個々の信号は、そのピクセルに当たる光又は戻り光がシステムのどの部分から来ているかに応じて、信号又は基準を表すことができる。
【0031】
コントローラ140は、検出器130から1つ以上の電気信号を受信するように構成することができ、コントローラ140(又は別のプロセッサ)は、受信した電気信号からサンプルの特性を決定することができる。いくつかの例では、検出器130は、戻り光を受け取る、及び/又は吸収することに応答して信号を生成することができ、いくつかの例では、少なくとも2つの電気信号を生成することができ、1つの電気信号は、測定サンプルボリューム120から反射及び/又は散乱され得る戻り光を示すことができ、別の電気信号は、基準物から反射/散乱された光を示すことができる。加えて、検出器130は、電気信号をコントローラ140に送信するように構成されてもよい。いくつかの例では、異なる電気信号の各々は、時間多重化信号であり得る。例えば、測定サンプルボリューム及び基準物に対する異なる電気信号の各々は、異なる時点で互いに交互になってもよい。この例に対して更に、第1の期間中の信号は基準物を表すことができ、第2の期間中の信号はサンプルを表すことができる。他の事例では、2つ以上の電気信号は、異なる検出器ピクセルによって同時に受信されることができ、電気信号の各々は、波長及び強度等の異なる光情報を示す情報を含んでもよい。
【0032】
一般に、フォトニクスシステムは、電子システム及びデバイスにおいて光を感知及び処理するために使用され得る。いくつかのフォトニクスアセンブリは、光を伝送するために使用されてもよく、光通信、環境感知、及び/又は生体測定感知などの様々な目的のために使用され得るモバイルデバイス、タブレット、スマートフォンなどの電子デバイスに含まれてもよい。モバイル電子デバイスは人気が高まりつつあり、これらのデバイスは、ポータブル及び/又はハンドヘルドであるように十分に小さいことが多い。これらのモバイルデバイスのアーキテクチャには、フォトニクス回路を含む、種々の構成要素を含み得るが、それが組み込まれるデバイスのサイズに影響を及ぼし得る。
【0033】
より小さく、よりコンパクトな電子デバイスがますます重要視されているため、電子デバイス内部の構成要素のサイズ及び厚さは制限される場合がある。いくつかの例では、電子デバイスの特定のサイズが対象とされ、電子デバイス内の各構成要素には、構成要素(単数又は複数)が電子デバイス内で占有し得る最大フォームファクタ又は面積が与えられる。したがって、光学要素、光エミッタ、検出器、並びにフォトニクス集積回路及び/又はフォトニクスアセンブリなどの集積回路などの個々の構成要素の物理的構成は、デバイスのフォームファクタにとってますます重要になり得る。いくつかの例では、フォトニクスアセンブリ100は、モバイルデバイスなどの様々なハンドヘルド又はポータブル電子デバイス、及びスマートフォン、タブレット、腕時計、又はカフ若しくはブレスレットなどのユーザによって装着され得る任意のタイプのデバイスなどの、ウェアラブルデバイスに含まれ得る。
【0034】
図2Aは、光学システムを示す。光学システム200は、図1のフォトニクスアセンブリの図から約90度回転した図である。光学システム200は、複数のフォトニクスダイ215及び出力カプラ250を含んでもよい。フォトニクスダイは、複数のフォトニクスダイ215を含んでもよく、個々のフォトニクスダイの各々は、215a、215b、215c等の別個の要素番号で参照することができる。8つのフォトニクスダイ215が図2Aに示されているが、任意の適切な数のフォトニクスダイ215が光学システム200に含まれてもよい。同様に、個々の出力カプラ250の各々は、別個の要素番号を用いて参照されるなどの場合がある。
【0035】
いくつかの例では、フォトニクスダイ215の各々は複数のレーザを含んでもよく、各フォトニクスダイ215は異なる波長範囲にわたって放射してもよく、対応するフォトニクスダイ215のレーザは、フォトニクスダイ215の波長範囲内の固有の波長で放射してもよい。フォトニクスダイ215は、全ての波長範囲にわたる全ての放射光を、光マルチプレクサを介して単一の導波路に結合することができるフォトニクスシステムに統合されてもよい。いくつかの例では、この光は複数の出力導波路に分割することができ、各導波路は出力カプラ250に到達することができる。いくつかの例では、単一のレーザが単一の波長を生成するとき、単一のレーザからの光の単一の波長は、出力カプラ250の全てにルーティングされ得る。したがって、単一レーザからの単一波長の光が自由空間に到達すると、全てが同じフォトニクスダイ上の同じ単一レーザから来た複数の同時光ビームが存在し得る。異なるフォトニクスダイ上の異なる単一レーザが異なる波長の光を放射すると、異なる波長の光は、同じ出力カプラの全てを通過することができ、同じ自由空間光学システムを通過することができる。フォトニクスダイ215の数及び出力カプラ250の数は、互いに異なってもよい(例えば、出力カプラ250よりも多くのフォトニクスダイ215が存在してもよいし、フォトニクスダイ215よりも多くの出力カプラ250が存在してもよいし、いずれでもよい)ことが理解されよう。
【0036】
光学システム200は、光ビームの空間プロファイルを制御することと、拡散要素235において所定の範囲の光角度を提供することとの両方を含み得る所定の照明プロファイルを生成することができ、これは、図2B図2D及び図3図8を参照して更に詳細に説明される。拡散要素235に入射するビーム角の範囲は、光学システム200がノイズを低減することができ、したがって、それに応じて調整することができるように、広い範囲のビーム角とすることができる。
【0037】
図2Aに示すように、光学システム200は、出力カプラ250を介して光学サブシステム290に光を提供することができるフォトニクスダイ215を含むことができる。いくつかの例では、フォトニクスダイ215によって放射された光の全てが、単一の導波路に結合され得る。この単一の導波路は、出力カプラ250の各々に光を提供することができる。いくつかの例では、出力カプラ250から光学サブシステム290によって受け取られた光は、光学サブシステム290によって、測定サンプルボリューム(図2Aには図示せず)に対して、様々な角度でコリメートされ、方向付けられ、及び/又は偏向された光であり得る。光学サブシステムは、所望の機能性を達成するために1つ以上の要素を含んでもよい。いくつかの例では、光学サブシステムは、コリメーションレンズアレイ292及び偏向プリズムアレイ294を含んでもよい。いくつかの例では、出力カプラ250は、光学サブシステム290のコリメーションレンズアレイ292に光を提供することができる。コリメーションレンズアレイ292は、光をコリメートし、光を、やはり光学サブシステム290の偏向プリズムアレイ294に向けることができる。偏向プリズムアレイ294は、どの出力カプラ250から光が受け取られたかに依存して、様々な角度で光を偏向することができる。偏向プリズムアレイ294からの偏向された光は、拡散要素235に、次いで、測定サンプルボリュームに向けられ得る。
【0038】
図2Aのいくつかの例では、拡散要素235は、測定されたサンプリングインターフェースから約500ミクロン~3ミリメートルの範囲内に位置決めされ得る。拡散要素235は、経路長が制御され得るように、測定サンプルボリュームに十分に近接して配置してもよい。加えて、出力カプラ250と拡散要素235との間の距離は、約2.5~5ミリメートルであってもよい。光がフォトニクスダイ215を離れるにつれて、光ビームは、光学システム200の各要素を通過する際に発散し続けることができる。いくつかの例では、最も広い次元における集光ビームのビーム広がりは、光がフォトニクスダイ215を出るときに1~5ミクロン以下であってもよく、次いで、最も広い次元における集光ビームのビーム広がりは、コリメーションレンズアレイ292に入射するときに約100~300ミクロンであってもよい。集光ビームのビーム広がりは、拡散器に入射するときに最も広い次元で約2.5mmに広がり、次いで、測定サンプルボリュームに入射するときに最も広い次元で約3.0mm又は約2mm~4mmの範囲に広がることができる。集光ビームは光学システム200を通過する際に広がるので、対応する角度範囲も変化する。測定サンプルボリュームにおける角度範囲及びビームサイズは、図2C及び図2Dを参照して更に詳細に議論される。
【0039】
いくつかの例では、フォトニクスアセンブリを使用して、図1の測定サンプルボリュームからの信号強度を測定することができる。全ての空間位置が全ての波長を受信し得ることが理解できる。1つの角度の発射光で調べて、検出器上に1つの信号が存在するとき、コヒーレントノイズは、任意の単一の発射角度に対して高くなり得るが、信号を識別するのを助けるために、複数の無相関測定が使用され得る。コヒーレントノイズの存在下で信号強度を決定する1つの方法は、異なる無相関コヒーレントノイズビューを有する同じ公称基礎信号を有する複数の無相関測定値を取得することによるものである。いくつかの例では、無相関コヒーレントノイズビューは、デコヒーレンスされた光によって提供され得る。デコヒーレンスされた光は、コヒーレントノイズを提供するために干渉しない光である。目標数の固有のコヒーレントノイズビューを提供することは、フォトニクスアセンブリにおいて位相シフタ及び拡散要素を一緒に使用することによって達成され得る。例えば、位相シフタは、出力カプラに光を提供し、デコヒーレンスされた光をもたらし得る。検出器上のコヒーレントノイズパターンを変化させる様々な方法がある。例えば、光源の波長を変化させることによって、又は光の偏光を変化させることによって行われる。検出器上のコヒーレントノイズパターンを変化させる別の方法は、どのようにサンプル上に光を発射するかに依存する場合があり、これは、図2B図2D及び図3図8を参照して以下で更に詳細に説明される。
【0040】
一例では、戻り光の2つの異なる角度は、光が測定サンプルボリュームによって反射され、2つの信号が検出器(図2Aには図示せず)において測定されると、同じ経路長を有し得る。2つの信号は、異なるコヒーレントノイズパターンを有することができ、したがって、他の全てのファクタが一定に保持され得る場合であっても、2つの信号は、両方の信号が関連信号にいくらかの量のコヒーレントノイズを加えたものであるので、異なる強度を有することになる。信号の各々がいくらかのコヒーレントノイズを含む様々な角度を調べることによって、光の異なる角度の信号が一緒に平均化されると、コヒーレントノイズはゼロ平均に近づくことができ、信号は、コヒーレントノイズのない正確な信号又は測定信号に収束することができる。いくつかの例では、異なる経路に沿って経路長信号に偏差が存在し得る(例えば、単一散乱事象を拾い上げるように設計され得るシステムでは、多くの戻り光子が複数の散乱事象に遭遇し得る)。いくつかの例では、ほぼ同様の信号特性(例えば、同様の経路長及び同様のサンプル特性)を有するが、異なるノイズビューを作成するのに十分に異なる角度を有する複数の信号、及び信号は、平均化され得、ノイズの影響を低減するように働き得る。
【0041】
図2Aにおいて、光学システムは、8つの出力カプラを含み得る。8つの出力カプラは説明の目的のためだけに記載されており、任意の数の出力カプラを使用できることが理解され得る。複数の出力カプラ250を使用することによって、光学システム200は、コヒーレントノイズビューを生成するために拡散要素235に依存しない。例えば、光学システムが1つの出力カプラのみを使用する場合、拡散要素は、光を所望の角度範囲に拡散させるためにはるかに大きくなければならず、拡散要素の動き及び拡散要素位置又は位置のセットの再現性を制御することは困難であろう。このタイプの拡散要素は、単一のフォトニクスダイを有する光学システムにおいて使用され得るが、拡散要素の動きは、位置の任意の変化に非常に敏感であり、わずかな変化であっても、新しいコヒーレントノイズビューを生成し、したがって、感度に起因して、同じ位置から同じコヒーレントノイズビューを再訪することを困難にする。光学システム200は複数の出力カプラ250を使用するので、拡散要素235が移動し得る位置の数は、単一の出力カプラを有するシステムと比較して低減され得る。いくつかの実施形態では、拡散要素235が移動し得る位置は、互いから短距離離れていてもよく、ひいては、拡散要素235は、位置間の距離がより大きい他の実施形態よりも短い全移動距離を有する。いくつかの実施形態では、より多くの数の出力カプラ250を用いてより多くの数のコヒーレントノイズビューを達成することにより、拡散要素235によって訪れられる位置を減らす結果となり得る。この例では、拡散要素235が移動する位置をより少なくできるので、拡散要素235はより小さくすることができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、拡散要素235は、光の波長が変化するよりも速く位置間を移動してもよい。例えば、拡散要素235は、エミッタが単一波長の光を出力するのと同じ長さの時間の間に、2つ以上の位置に移動し、又は2つ以上の位置を通過し得る。したがって、特定の波長の光が放射されている間に拡散要素235が複数のそのような位置を占有する限り、それらの位置は、特定の波長内で「入れ子になっている」と言うことができる。
【0043】
他の実施形態では、光の波長は、拡散要素235の位置が変化するよりも速く変化し得る。すなわち、拡散要素235は、エミッタが複数の波長を出力するのと同じ長さの時間の間、第1の位置に位置決めされてもよい。波長は、拡散要素235が同じ位置に留まり得る間に変化し得るので、波長は、拡散要素235の位置内で「入れ子になっている」と言うことができる。この実施形態では、各拡散器位置は、全体的な測定ごとに1回だけ訪れられてもよく、複数の波長は、拡散器位置ごとに1回使用されてもよい。一般、いくつかの実施形態では、拡散器位置は、波長内に入れ子にされてもよく、他の実施形態では、波長は、拡散器位置内に入れ子にされてもよい。
【0044】
いくつかの例では、出力カプラ250の各々は、位相シフタ(図2Aに図示せず)と結合されてもよく、位相シフタは、フォトニクスダイ215に含まれてもよく、又はフォトニクスダイ215の外部にあってもよい。位相シフタは、固有のコヒーレントノイズビューを非常に迅速に、例えば約100ピコ秒ごとに生成することができる。位相シフタは、光学システムのコヒーレントノイズ緩和のために十分なレートで固有のコヒーレントノイズビューを生成することが可能であり得るが、位相シフタは、あまりにも多くの空間を占有し、あまりにも多くの動作電力を必要とし得るので、拡散要素235と位相シフタとの組合せは、空間及び電力の考慮に起因して、より良好にフォトニクスアセンブリ仕様に応じるものであり得る。
【0045】
いくつかの例では、フォトニクスダイ215Aによって放射された光は、少なくとも、光学サブシステム290に光を反射する出力カプラ250aに光を提供し得る。光学サブシステム290は、2つの光学構成要素、コリメーションレンズアレイ292及び偏向プリズムアレイ294を含んでもよい。いくつかの例では、コリメーションレンズアレイ292及び偏向プリズムアレイ294の機能は、単一の光学サブシステム290に組み合わされてもよい。いくつかの例では、コリメーションレンズアレイ292は、出力カプラ250から受け取った光をコリメートし、その光を偏向プリズムアレイ294に向けることができる。偏向プリズムアレイ294は、異なる角度で光を拡散要素235に向けることができる。一般に、プリズムは、屈折又は内部反射によって光の方向を変えるために使用される。いくつかの例では、光ビームが曲げられる量は、プリズムの頂角及びプリズム材料の屈折率に依存する。光の入射角は更に、プリズムの頂角を調整するために使用されてもよい。
【0046】
図2Aにおいて、出力カプラ250Aは、コリメーションレンズアレイ292に光を提供し、コリメーションレンズアレイ292は、光をコリメートし、光を偏向プリズムアレイ294に向けることができる。次に、偏向プリズムアレイ294は、コリメートされた光を所定の角度で拡散要素235に向けて予測可能に偏向することができる。光が偏向プリズムアレイ294を出る角度は、光が受け取られる出力カプラ250の位置に依存する。例えば、出力カプラ250Aから受け取られた光は、出力カプラ250Dから受け取られた光とは異なる角度で拡散要素235に向けられてもよく、出力カプラ250Aから受け取られた光は、出力カプラ250Dから受け取られた光よりも偏向プリズムアレイ294に対してより急な角度であってもよい。偏向プリズムアレイ294は、各光ビームが拡散要素235に入射する所定の位置及び角度に向けられるように設計されてもよい。この例を続けると、偏向プリズムアレイ294は、光を拡散要素235に向けることができる。拡散要素は、遠視野角度空間に示され、拡散要素235によって提供される光のビーム角を表す照明プロファイル245を提供することができる。光学システム200のいくつかの例では、照明プロファイル245は、広い次元及び狭い次元を有することができる。図2Aの照明プロファイル245は、広い次元を示す。照明プロファイル245は、図2B及び図2Cに関して更に詳細に説明される。
【0047】
一般に、拡散要素235は、複数の位置に移動することによって複数のコヒーレントノイズビューを生成することが可能であり得る。しかしながら、拡散要素235が移動するほど、各位置の信頼性及び再現性が低くなり、したがって、位相シフタと同様に、拡散要素235が位置を変更することによってフォトニクスアセンブリに対して十分なコヒーレントノイズビューを十分に生成することができるとしても、フォトニクスアセンブリにおける拡散要素235と位相シフタとの組み合わせは、システム電力、サイズ、利用可能な電気接続の数などのフォトニクスアセンブリの仕様内にとどまりながら、コヒーレントノイズを緩和するためのより信頼性の高い手段を提供する。更に、光学サブシステム290への出力カプラ間、及び光学サブシステム290と拡散要素235との間の光のビーム広がり及び角度範囲を制御する能力により、光学システム200は、光の所定の照明プロファイルを確実に生成することができる。
【0048】
いくつかの例では、拡散要素235は、ある入力角度を有する光を受け取り、その光をより大きい出力角度広がりに拡散させることができる。図2Aの例では、拡散要素235が8つの出力カプラ250から8つの光ビームを受け取るので、拡散要素235は、8つの角度広がりを有する8つの光ビームを出力することができる。加えて、拡散要素235は、光学システム200内のコヒーレントノイズを緩和するために複数の位置に移動することができる。拡散要素235の位置決め、及び拡散要素235が新しいコヒーレントノイズビューを生成するために移動する量は、拡散器設計、例えば、8度の角度によって決定される。いくつかの例では、拡散器ノイズは、拡散要素235の位置決めの再現性に少なくとも部分的に依存し得る。いくつかの例では、拡散器ノイズは、拡散要素235が移動するときのシステムの総光パワースループットにおける位置間変動であり得る。拡散器ノイズは、詳細な散乱特性が影響され得る限りでは、半波長独立及びサンプル独立であり得、拡散要素235の構造/設計によって主に決定することができ、システムの残りの部分によって二次的に影響され得る。
【0049】
いくつかの例では、対応する光源によって放射された光の各波長又は波長範囲は、同じセットの拡散器状態又は拡散器位置で拡散要素235を通過することができる。すなわち、拡散要素235は、第1のフォトニクスダイによって放射される光の第1の波長又は波長範囲に対して第1の位置に移動してもよく、次いで、拡散要素235は、光の第1の波長に対して第2の位置に移動してもよく、次いで、第3の位置に移動してもよく、以下同様である。次に、拡散要素235は、第2のフォトニクスダイによって放射される光の第2の波長又は波長範囲に対して同じ第1の位置に移動してもよく、次いで同じ第2の位置に移動してもよく、次いで第3の位置に移動してもよく、以下同様である。その結果、フォトニクスアセンブリは、各拡散器位置において各フォトニクスダイによって放射される各波長又は波長範囲を調べることができる。複数の波長の光が異なる拡散要素位置を経験する場合、拡散器ノイズは波長変化と絡み合う可能性がある。その場合、波長変化による実際の信号変化とは対照的に、信号のどの部分が、拡散器ノイズに起因し得るかを検証することが困難になる可能性があり、したがって、信号のどの部分が、サンプルの測定に関連する信号であるかを検証することが困難になる。
【0050】
図2Aでは、位相シフタを有する8つの出力カプラ250が存在し、出力カプラの各々が光を提供するので、これは、拡散要素235が8倍遅くなるか、又は8倍少なく移動することを可能にし、したがって、拡散要素235への依存が少なくなる。8つのフォトニクスダイ及び8つの出力カプラが図2Aを参照して説明されるが、これは説明の便宜及び容易さのためであり、任意の適切な数のフォトニクスダイ及び任意の適切な数の出力カプラがフォトニクスアセンブリにおいて使用されてもよい。
【0051】
拡散要素235は、所定の角度で光を受け取り、光を拡散させ、角度の出力広がりを提供する。図2Aの例では、拡散要素235は、8つの入力光ビームを受け取り、次に、8つの角度出力拡散を提供して、照明プロファイル245を生成する。いくつかの例では、拡散要素235は、偏向プリズムアレイ294から受け取った各光ビームに対して約8度の円を生成することができる。光ビームを重複させることによって、拡散要素235は、光の「ストライプ」のように見える照明プロファイル245を生成することができる。一般に、経路長制御のために変更することができる4つの主要な次元、すなわち、x次元、y次元、x角度次元、及びy角度次元がある。次元及び経路長制御については、図2C及び図2Dを参照して以下で更に詳細に説明する。
【0052】
図2Aに示されるように、出力カプラ250からの光ビームは、照明プロファイル245を生成するために互いに重複してもよい。8つの出力カプラがあるので、図2Aには8つの重複する円が示されている。8つの出力カプラ250は、説明及び記述目的のためだけに使用されているのであり、任意の適切な数の出力カプラ250が、光学システム200において使用され得る。照明プロファイル245における光ビームの重複及び拡散要素235からの光ビームの円形形状は、拡散要素設計に少なくとも部分的に依存する。コヒーレントノイズ緩和は、照明プロファイルの角度空間の大部分をカバーするときにより効果的になるので、角度の重複は、光ビームの角度空間における円錐形状の結果である。いくつかの例では、角度空間内の異なる整形された光ビームが、拡散要素設計に応じて拡散要素235を出射し得る。いくつかの例では、拡散要素235は、角度空間において長方形の光ビームを拡散させることができ、その結果、拡散された光は、ほとんど又は全く重複しないで指定された角度空間をカバーする。いくつかの例では、拡散要素は、長方形、正方形、線形、円形、楕円形などの任意の適切な形状であってもよい。いくつかの例では、円形拡散要素は、円形遠視野角プロファイルを生成し得る。
【0053】
図2Bは、光学システムを示す。図2Bは、図1に示されたフォトニクスアセンブリの同じ図であり、側面図と呼ぶことができ、図2Bは狭い次元の照明プロファイルを示し、図2Aは広い次元の照明プロファイルを示す。図2Bは側面から見られるので、1つのフォトニクスダイ215及び1つの出力カプラ250のみが示されているが、側面から見ることができない複数のフォトニクスダイ215及び複数の出力カプラ250が存在する。図2Bの光学システム200は、図2Aと同様に番号付けされた構成要素を含むことができ、同様の特徴及び機能を有する要素を表すことができる。
【0054】
図2Aと同様に、図2Bは、出力カプラ250を介してコリメーションレンズアレイ292に向かって光を放射するフォトニクスダイ215を含む。コリメーションレンズアレイ292は、光をコリメートすることができ、偏向プリズムアレイ294は、コリメートされた光を受け取り、それを拡散要素235に向かって偏向させることができる。次いで、拡散要素235は、測定サンプルボリュームに光を提供することができる。いくつかの例では、測定サンプルボリュームに入射する光は、図2Aを参照して説明した照明プロファイルを有することができる。図2Aと同様に、拡散要素235は、出力カプラ250から受け取った各光ビームから8度の円を生成することができる。
【0055】
一般的に、図2Bの光学システム200は、フォトニクスダイ215を介して位相がずれた光を提供する。光は、光の空間プロファイル並びに光の所定の角度広がりを含み得る所定の照明プロファイルを生成するために、拡散要素235上で組み合わせることができる。図2Bで生成される狭い次元の照明プロファイルは、測定サンプルボリュームを通る放射光の経路長制御を提供することができる。狭い次元における照明プロファイルが所定の値から変動する場合、光学システムは、経路長をあまり効果的に制御することができない可能性がある。狭い次元及び広い次元の光学システム200については、図2C及び図2Dを参照して更に詳細に説明する。
【0056】
図2Cは、フォトニクスアセンブリの拡散要素によって生成される角度空間における照明プロファイル245の表現である。図2Cは、図2A及び図2Bを参照して説明した光学システムの拡散要素によって生成される光ビーム角度広がりの照明プロファイルである。光学システムは、サンプルに入射する照明プロファイル245の角度の所定の角度空間又は光ビーム広がりを生成することができる。所定の角度空間に対する光の(例えば、空間プロファイル及び角度空間の両方における)照明プロファイルを生成することは、光がサンプルに到達する前にコヒーレントノイズを効果的に緩和することを可能にする。
【0057】
一般に、コヒーレントノイズ緩和は、照明プロファイルの角度空間の大部分をカバーするときにより効果的になる。前述したように、拡散要素は、光ビームが約8度で引き出され得るように、8度の円形拡散器であってもよい。いくつかの例では、拡散要素は、40~60度×4~15度の範囲の角度空間を提供することができる。任意の適切な角度範囲を有する任意の適切な拡散器が、説明される実施形態の各々において使用され得るので、8度円形拡散器は、説明目的のみのために本明細書で説明される。
【0058】
いくつかの例では、拡散要素から出てサンプルに入射する所定のビーム角度は、第1の次元において約50度、第2の次元において約8度であってもよい。加えて、50度×8度が説明のために使用されているが、任意の角度空間が使用されてもよい。例えば、角度空間は、40~60度×4~15度の範囲であってもよい。角度空間における光ビームの形状は、図2Aを参照して説明したように、光ビームの重複角度に少なくとも部分的に起因する。加えて、光ビーム角度は、プロファイルの感度に起因して、1つの次元では他の次元よりも大きくなり得る。角度空間の1つの次元では、変動は、光学システムの幾何学的考慮に起因して、光路長を制御するとき、より敏感でなくてもよく、角度空間の第2の次元では、変動は、より敏感であり、より小さい角度広がりを有してもよい。
【0059】
図2Dは、光ビームの形状及びサイズの照明プロファイル255の表現である。サンプルに入射するビームサイズは、第1の方向に約3mm、第2の方向に約0.2mmであってもよい。一般に、測定サンプルボリュームに入射する光の照明プロファイルが大きいほど、測定サンプルボリュームからより多くの信号を検出することができ、したがって、測定サンプルボリュームに入射する光の照明プロファイルを大きくすることは望ましいことであり得る。角度空間におけるビーム角度の広がりと同様に、ビームサイズは、光路長制御のために、他の第2の方向よりも第1の方向における変動に対して敏感でなくてもよい。
【0060】
図3Aは、光学システム内の例示的な光学サブシステムを示す。図3Aの光学システム300は、光システム303、第1のレンズ305、第2のレンズ307、及び拡散要素310を含む。光学システム300は、光が光システム303を出る角度と比較して、拡散要素によって提供される広い角度範囲の光を示す。光システム303は、1つ以上のフォトニクスダイ及び1つ以上の出力カプラを含んでもよい。光システム303は、第1のレンズ305に光を提供することができ、第1のレンズ305は、光路306に沿って第2のレンズ307に光を伝搬することができる。いくつかの例では、第1のレンズ305及び第2のレンズ307は、光を重複ビームに全般的にコリメートするためのシリンダレンズであってもよい。光路306、308、及び311は、全ての光ビームが伝搬し得る領域の外側境界を画定する外側光ビームのみを示すことが理解され得る。例えば、光路306は、2つの外側光ビームのみを示し得るが、2つの外側光ビームの間に複数の重複する光ビームが存在し得る。光路306、308、及び311の外側光ビームは、光路の一般的な形状及び方向を示す。第2のレンズ307は、光路308に沿って拡散要素310に光を提供することができる。光が拡散器を通過すると、拡散要素角度範囲は、光システム303によって提供される角度のより小さい分離よりも著しく大きくなる。
【0061】
図3B図3Cは、拡散要素を有さない例示的光学システムと、対応する光の遠視野角度分離とを示す。図3Bにおいて、光学システム301は、光路312及び313に沿ってレンズ317に光を提供する光システム303を含む。光は、レンズ317を通過してサンプルボリューム320に達することができる。いくつかの例では、レンズ317は遅軸コリメータであってもよい。図3Bにおいて、光システム303の光源は、Δxだけ分離され得る。光源からの光は、それぞれがビーム広がりを有する光路312及び313に沿って伝搬することができる。光は、光をコリメートすることができるレンズ317に進むことができ、次いで、光は、サンプルボリューム320に進むことができる。図3Bにおいて、光システム303は、レンズ317から距離319だけ離れていてもよい。
【0062】
図3Cにおいて、ダイアグラム302は、Δxだけ分離された光源からの、θxに沿った光ビームの角度分離を示す点321及び322を含む。いくつかの例では、Δθである光源間の角度分離は、距離319で除算された量Δxのアークタンジェントであり得る。
【0063】
図3D図3Eは、拡散器及び対応する重複しない中心軌跡の遠視野角度分離を有する例示的な光学システムを示す。光学システム303は、図3Bの光学システム302と同様であるが、拡散要素310が追加されている。すなわち、光学システム303は、光路312及び313に沿ってレンズ317に光を提供する光システム303を含んでもよい。レンズ317は、光を拡散要素310に通過させ、その後光がサンプル320を通過する。図3Dでは、光システム303の光源はΔxだけ分離されてもよく、光システム303はレンズ317から距離319であってもよい。図3Dに示される光は、図3Bの光と同様に見えるが、図3Eのダイアグラム304は、拡散要素310の後の重複しない遠視野角を示す。
【0064】
図3Eにおいて、ダイアグラム304は、Δxだけ分離された光源からの、θxに沿った光ビームの角度分離を示すビーム広がり中心軌跡323及び324を含む。いくつかの例では、Δθである光源間の角度分離は、距離319で除算された量Δxのアークタンジェントであり得る。図3Eでは、ΔθdiffuserはΔθよりも大きく、ビーム広がりはまた、拡散要素を使用しないことから生じるものよりも大きい面積をカバーする。図3Eにおいて、光ビームは、遠視野中心軌跡が互いに重複しない限り、無相関であってもよい。
【0065】
図3F図3Gは、拡散器及び対応する重複する中心軌跡の遠視野角度分離を有する例示的な光学システムを示す。光学システム305は、図3Dの光学システム303と同様であり、拡散要素310も含む。すなわち、光学システム305は、光路312及び313に沿ってレンズ317に光を提供する光システム303を含んでもよい。レンズ317は、光を拡散要素310に通過させ、その後光がサンプル320を通過する。図3Fでは、光システム303の光源はΔxだけ分離されてもよく、光システム303はレンズ317から距離319であってもよい。図3Fに示される光は、図3Dの光と同様に見えるが、図3Gのダイアグラム306は、拡散要素310の後の重複しない遠視野角とは対照的に、拡散要素310の後の重複する遠視野角を示す。
【0066】
図3Gにおいて、ダイアグラム306は、Δxだけ分離された光源からの、θxに沿った光ビームの角度分離を示すビーム広がり中心軌跡326及び327を含む。いくつかの例では、Δθである光源間の角度分離は、距離319で除算された量Δxのアークタンジェントであり得る。図3Gでは、θxに沿ったΔθdiffuserはΔθよりも大きく、ビーム広がりはまた、拡散要素を使用しないことから生じるものよりも大きい面積をカバーする。図3Gでは、重複する遠視野パターンは、拡散要素310を通過する光によって支配され得る。
【0067】
図4は、光学システムの例示的な光学サブシステムを示す。図4において、光学システム400は、広い次元を示すフォトニクスアセンブリの図である。図4図8は、広い次元を示すフォトニクスアセンブリの同様の図を示し、光学システム内で互いに同様に位置決めされた構成要素を含む。光学システム400は、ビーム形状の広い次元又は「ストライプ」幅において広い発射ビームを生成することができる。図2A及び図2Bと同様に、図4の光学システム400は、フォトニクスダイ415、出力カプラ450、光学サブシステム490、及び拡散要素435を含む。
【0068】
いくつかの例では、光学サブシステム490は、コリメーションレンズアレイ492及び発散アレイ494である。コリメーションレンズアレイ492は、発散アレイ494に対する光ビーム方向の制御を提供するために光をコリメートすることができる。発散アレイ494はまた、偏向アレイ494であってもよく、光は、拡散要素435に対して適切な角度で偏向されてもよく、したがって、本明細書では、偏向及び発散アレイと称されてもよい。光学サブシステム内の構成要素の特定の実施例が説明されるが、任意の適切な光学構成要素が、拡散要素435への所定の照明プロファイルを達成し、測定サンプルボリューム上に入射するために、フォトニクスアセンブリ内で使用されてもよい。
【0069】
図5は、光学システムの例示的な光学サブシステムを示す。図5において、光学システム500は、広い次元を示す部分的なフォトニクスアセンブリの図である。図2A及び図2Bと同様に、図5の光学システム500は、フォトニクスダイ515、出力カプラ550、光学サブシステム590、及び拡散要素535を含む。光学サブシステム590は、偏心レンズアレイである。偏心レンズアレイ590は、図2Aの光学サブシステムの光学構成要素の機能性を組み合わせる単一の光学要素であってもよい。偏心レンズアレイ590は、コリメーションレンズアレイと偏向プリズムアレイの機能をほぼ組み合わせることができる。偏心レンズアレイ590は、アレイ内の各レンズのそれぞれの共通軸から偏心され、光を拡散要素535に向かってステアリングし得る、レンズの群を含む。
【0070】
図6は、光学システムの光学サブシステムの別の例を示す。図5の光学システム500と同様に、図6の光学システム600は、広い次元を示す部分的なフォトニクスアセンブリの図である。図6の光学システム600は、フォトニクスダイ615、出力カプラ650、光学サブシステム690、及び拡散要素635を含む。
【0071】
図6の例では、光学サブシステム690は偏心トロイダルレンズアレイである。偏心トロイダルレンズアレイ690は、図5の光学サブシステムの光学構成要素の機能性を組み合わせる単一の光学要素であってもよい。偏心トロイダルレンズアレイ690は、コリメーションレンズアレイと偏向発散アレイの機能をほぼ組み合わせることができる。偏心トロイダルレンズアレイ690は、狭い次元の光の照明プロファイルにおいて光をコリメートすることができ、2つの異なる焦点距離を使用して広い次元において光を少なくとも部分的にコリメートすることができ、また、広い次元において光ビームを拡散要素635に向かってステアリングすることができる。
【0072】
図7は、光学システムの光学サブシステムの別の例を示す。図7の例では、光学サブシステム790は、フォトニクスダイ715、出力カプラ750、シリンダレンズアレイ792、及び交差シリンダレンズアレイ794を含む。シリンダレンズアレイ792及び交差シリンダレンズアレイ794は、コリメートアレイ及び偏向アレイの機能を組み合わせることができる。シリンダレンズアレイ792は、第1の方向に光をコリメートすることができ、第2の方向に光をコリメートしない。例えば、シリンダレンズアレイ792は、フォトニクスダイ715から光を受け取ってもよく、光は速軸及び遅軸を有してもよい。速軸は、遅軸よりも速く発散する光を有してもよい。いくつかの例では、シリンダレンズアレイ792を使用して光をコリメートするとき、シリンダレンズアレイ792は、速軸方向に短い焦点距離を有し得る。加えて、交差シリンダレンズアレイ794は、第1の方向ではなく第2の方向において光をコリメートしてもよく、交差シリンダレンズアレイ794は、遅軸方向により長い焦点距離を有してもよい。交差シリンダレンズアレイ794は、サンプル735に光を提供することができる。
【0073】
図8は、光学システム800の光学サブシステムの別の例を示す。図8の例では、光学サブシステム890は、速軸コリメータアレイ892(例えば、シリンダアレイであってもよい)と、遅軸焦点及びステアリングアレイ894とを含む。速軸コリメータアレイ892とと遅軸焦点及びステアリングアレイ894は、シングレットレンズとともに、図7のシリンダレンズアレイ及び交差シリンダレンズアレイの機能を組み合わせることができる。速軸コリメータアレイ892は、速軸及び遅軸を有するフォトニクスダイ815から光を受け取ってもよい。速軸コリメータアレイ892は、遅軸ではなく速軸に沿って光をコリメートすることができる。遅軸集束及びステアリングアレイ894は、遅軸に沿って光を集束させ、光を拡散要素835に向かってステアリングし得る。本明細書では特定の光学要素について説明したが、拡散器に入射し、測定サンプルボリュームに入射する適切な照明プロファイルを達成するための様々な方法が存在し得る。いくつかの例では、追加の光学要素が、フォトニクスダイと測定サンプルボリュームとの間で使用されてもよい。いくつかの例では、フォトニクスアセンブリは、拡散要素を含まなくてもよい。いくつかの例では、光ビームは、フォトニクスアセンブリ内で折り返されてもよい。いくつかの例では、光ビームは、分離され、次いで、ビームが角度及び空間プロファイルにおいて拡がることを可能にされ、次いで、ビームを一緒に組み合わせることができる。所定のビーム角及び空間プロファイルを有する照明プロファイルが拡散器に入射し、測定サンプルボリュームに入射する限り、フォトニクスアセンブリの他の構成要素は、フォトニクスアセンブリの光学構成要素、光学構成要素の互いに対する位置決め、光源の数、拡散要素のタイプ、それらの任意の組み合わせなどを含むが、これらに限定されずに、変更されてもよい。
【0074】
図9は、光学デバイス900の例示的なブロック図を示し、それは、場合によっては、図1図8を参照して説明されるような光学デバイスのいずれかの形態をとり得る。光学デバイスは、プロセッサ902、入出力(I/O)機構904(例えば、タッチスクリーン、クラウン若しくはボタン、入出力ポート、又は触覚インターフェース等の入力/出力デバイス)、1つ以上の光学ユニット906(例えば、レーザダイオードを含み得るフォトニクスダイ)、メモリ908、センサ910(例えば、光学感知システム)、及び電源912(例えば、充電式バッテリ)を含むことができる。プロセッサ902は、光学デバイス900の動作のうちの一部又は全てを制御してもよい。プロセッサ902は、光学デバイス900の構成要素の一部又は全てと、直接的又は間接的のいずれかで通信することができる。例えば、システムバス又は他の通信機構914は、プロセッサ902、I/O機構904、光学ユニット906、メモリ908、センサ910及び電源912の間の通信を提供することができる。
【0075】
データ又は命令を処理、受信又は送信することができる任意の電子デバイスとして、プロセッサ902を実装することができる。例えば、プロセッサ902は、マイクロプロセッサ、中央演算処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はそのようなデバイスの組み合わせであってもよい。本明細書に記載する場合、用語「プロセッサ」とは、単一のプロセッサ若しくは処理ユニット、複数のプロセッサ、複数の処理ユニット、又は他の適切なコンピューティング要素(単数又は複数)を包含することを意図するものである。
【0076】
光学デバイス900の構成要素が、複数のプロセッサによって制御されてもよいことを留意されたい。例えば、光学デバイス900の選択構成要素(例えば、センサ910)は、第1プロセッサによって制御されてもよく、光学デバイス900の他の構成要素(例えば、光学ユニット906)は、第2プロセッサによって制御されてもよく、第1プロセッサと第2プロセッサは、互いに通信していてもよく、又は通信していなくてもよい。
【0077】
I/O機構904は、ユーザ又は別の電子デバイスからのデータを送信及び/又は受信をしてもよい。I/Oデバイスは、ディスプレイ、タッチ検知入力表面、1つ以上のボタン(例えば、グラフィカルユーザインターフェース「ホーム」ボタン)、1つ以上のカメラ、1つ以上のマイクロフォン若しくはスピーカ、マイクロフォンポートなどの1つ以上のポート、及び/又はキーボードを含んでもよい。加えて、又は代わりに、I/Oデバイス又はポートは、無線及び/又は有線ネットワーク接続などの通信ネットワークを介して、電子信号を送信することができる。無線及び有線ネットワーク接続の例としては、セルラー接続、Wi-Fi(登録商標)接続、Bluetooth(登録商標)接続、IR接続、及びイーサネット接続が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
メモリ908は、光学デバイス900によって使用され得る電子データを記憶することができる。例えば、メモリ908は、例えば、音声ファイル及びビデオファイル、文書及びアプリケーション、デバイス設定及びユーザの好み、タイミング信号、制御信号、並びにデータ構造又はデータベースなどの、電子データ又はコンテンツを記憶してもよい。メモリ908は、任意のタイプのメモリとして構成することができる。単に例として、メモリ908は、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ、取り外し可能メモリ、他のタイプの記憶要素、又はそのようなデバイスの組み合わせとして実装されてもよい。
【0079】
光学デバイス900は、光学デバイス900上のほぼ任意の場所に配置された1つ以上のセンサ910も含んでもよい。センサ(単数又は複数)910は、圧力、光、タッチ、熱、移動、相対運動、生体データ(例えば、生物学的パラメータ)などだがこれらに限定されない、1つ以上の種類のパラメータを検知するように構成することができる。例えば、センサ(単数又は複数)910は、熱センサ、位置センサ、光センサ又は光学センサ、加速度計、圧力変換器、ジャイロスコープ、磁気計、ヘルスモニタリングセンサなどを含んでもよい。加えて、1つ以上のセンサ910は、静電容量、超音波、抵抗、光、超音波、圧電、及び熱検知技術を含むがこれらに限定されない、任意の好適な検知技術を利用してもよい。
【0080】
電源912は、光学デバイス900にエネルギを提供することが可能な任意のデバイスにより実装することができる。例えば、電源912は、1つ以上のバッテリ又は充電式バッテリであってもよい。追加的又は代替的に、電源912は、光学デバイス900を壁コンセントなどの別の電源に接続する電源コネクタ又は電源コードであってもよい。
【0081】
前述の記載では、説明のために、記載された実施形態の完全な理解をもたらすために特定の専門用語を用いた。しかしながら、記載された実施形態を実践するために具体的な詳細が必要とされないことは、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載された具体的な実施形態の前述の説明は、図示及び説明の目的で提示されている。それらは、網羅的であること、又は開示されたまさにその形態に実施形態を限定することを目的としたものではない。上記の教示を考慮して多くの修正及び変形が可能であることが、当業者には明らかであろう。
【0082】
添付図面を参照して、本開示の実施例が十分に説明されてきたが、様々な変更及び修正が、当業者には明らかとなるであろう点に留意されたい。そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような、本開示の実施例の範囲内に含まれるものとして理解されたい。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4
図5
図6
図7
図8
図9