(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】超音波霧化装置
(51)【国際特許分類】
B05B 17/06 20060101AFI20240805BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B05B17/06
H04R1/00 330Z
(21)【出願番号】P 2023517938
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 JP2022038553
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】平松 孝浩
(72)【発明者】
【氏名】織田 容征
【審査官】大塚 美咲
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-041807(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0066003(US,A1)
【文献】特開2021-123890(JP,A)
【文献】特許第6987481(JP,B2)
【文献】特開2020-054962(JP,A)
【文献】国際公開第2015/019468(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 17/06
H04R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波霧化装置であって、
原料溶液を収容する原料溶液用容器と、
前記原料溶液用容器の下方に設けられる超音波振動子と、
前記原料溶液用容器の側面に設けられ、前記原料溶液を収容するための原料溶液収容空間を有する原料溶液分離管とを備え、前記原料溶液分離管は、前記原料溶液用容器との間で前記原料溶液の供給及び排出を行うための原料溶液通過口を有し、
前記超音波霧化装置は、
前記原料溶液収容空間内における前記原料溶液の液面高さを検出する液面検出器と、
前記原料溶液用容器とは独立して設けられ、前記原料溶液を収容する原料タンクと、
前記原料タンクに収容された前記原料溶液を前記原料溶液用容器内に供給する原料溶液供給動作と、前記原料溶液用容器に収容された前記原料溶液を前記原料タンクに排出する原料溶液排出動作とを実行する原料溶液増減機構とをさらに備え、
前記原料溶液供給動作及び前記原料溶液排出動作はそれぞれ原料溶液用配管を介して行われ、
前記原料溶液用配管は前記原料溶液用容器内において前記原料溶液通過口よりも低い位置に先端開口部を有しており、
前記液面検出器は、前記原料溶液の液面高さを示す液面検出信号を出力し、
前記超音波霧化装置は、
前記液面検出器より前記液面検出信号を受け、前記原料溶液増減機構を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記液面検出信号に基づき、前記原料溶液の液面高さが所定の高さになるように、前記原料溶液供給動作及び前記原料溶液排出動作を前記原料溶液増減機構に実行させる、
超音波霧化装置。
【請求項2】
請求項1記載の超音波霧化装置であって、
前記原料溶液増減機構は、
前記制御部の制御下で前記原料溶液供給動作を実行する原料溶液供給ポンプと、
前記制御部の制御下で前記原料溶液排出動作を実行する原料溶液排出ポンプとを含み、
前記原料溶液供給ポンプと前記原料溶液排出ポンプとは互いに独立して設けられる
超音波霧化装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の超音波霧化装置であって、
前記液面検出器は、
前記原料溶液収容空間内において高さ方向に延在する態様で配置されるガイドプローブと、
前記ガイドプローブに対し、パルス状の電気信号を印加し、前記原料溶液からの反射信号に基づき、前記液面検出信号を出力するセンサとを含む、
超音波霧化装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の超音波霧化装置であって、
前記液面検出器は、
前記原料溶液収容空間内において高さ方向に延在する態様で配置されるガイド棒と、
前記ガイド棒に取り付けられ、前記原料溶液の液面高さに応じて上下動するフロートと、
前記ガイド棒を介して前記フロートの位置を検出して、前記液面検出信号を出力するセンサとを含む、
超音波霧化装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の超音波霧化装置であって、
前記液面検出器は、
前記原料溶液収容空間を挟んで互いに対向するように、前記液面検出器の側面に取り付けられた一対の電極と、
前記一対の電極に電気的に接続され、前記一対の電極間の静電容量を算出して、算出した静電容量に基づき前記液面検出信号を出力する検出回路とを含む、
超音波霧化装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の超音波霧化装置であって、
前記原料溶液用容器は底面にセパレータを有し、
前記超音波霧化装置は、
前記原料溶液用容器に輸送ガスを供給するガス供給管と、
内部に超音波伝達媒体を収容する水槽とをさらに備え、前記水槽及び前記セパレータは、前記セパレータの底面が前記超音波伝達媒体に浸るように位置決めされ、
前記超音波振動子は前記セパレータの下方に位置する前記水槽の底面に設けられる、
超音波霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波振動子を用いて原料溶液を微細なミストに霧化し、原料溶液ミストを得る超音波霧化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの作製の現場において、超音波霧化装置が利用されることがある。当該電子デバイス製造の分野では、超音波霧化装置は、超音波振動子から発振される超音波を利用して溶液を霧化(ミスト化)し、霧化された原料溶液ミストを搬送ガスによって外部へと送り出す。当該外部に搬送された原料溶液ミストがノズル等から基板に噴霧されることにより、基板上には、電子デバイス用の薄膜が成膜される。このような従来の超音波霧化装置として、例えば、特許文献1で開示された霧化装置がある。
【0003】
このように、従来の超音波霧化装置は、原料溶液に超音波振動を印加して原料溶液ミストを発生させている。超音波霧化装置から供給(排出)されるミスト量(霧化量)は、原料溶液ミストを超音波霧化装置からその外部に搬送させるために用いられる輸送ガスの流量に伴い変化(増減)する。
【0004】
一方、原料溶液ミストを利用した薄膜の作製を安定的に行うためには、超音波霧化装置から供給される原料溶液ミストのミスト量を安定化させ、かつ、ミストが含まれるガス流量も一定化させる必要がある。なお、「ミスト量」とは、正確には単位時間当たりの原料溶液ミストの質量または総体積を意味する。したがって、ミスト量の単位は「mg/sec」や「ml/sec」等で表される。
【0005】
図8は従来の超音波霧化装置200の構成を模式的に示す説明図である。以下、
図8を参照して、超音波霧化装置200の構成を説明する。
【0006】
従来の超音波霧化装置200において、霧化容器71及びセパレータカップ82により原料溶液用容器を構成している。原料溶液用容器の底面がセパレータカップ82となる。原料溶液用容器は原料溶液15を内部に収容している。
【0007】
霧化容器71の上部と連通してセパレータカップ82の上方に管部71Aが設けられる。管部71Aはミスト供給管5を介してノズル17に接続される。原料溶液用容器内で生成された原料溶液ミストMTは管部71A及びミスト供給管5を介してノズル17に供給される。
【0008】
超音波霧化装置200は内部に超音波伝達媒体となる超音波伝達水9を収容する水槽80をさらに有している。水槽80及びセパレータカップ82は、セパレータカップ82の底面が超音波伝達水9に浸るように位置決めされている。
【0009】
水槽80の底面に複数の超音波振動子2が設けられている。
図8では2つの超音波振動子2が示されている。複数の超音波振動子2はそれぞれ超音波振動板27を有しており、各超音波振動子2は、超音波振動板27の平面形状に合致したサイズの超音波W2を超音波振動板27から発生する超音波振動を行う。
【0010】
霧化容器71の上部側面にガス供給管4が設けられ、ガス供給管4から輸送ガスG4が供給される。ガス供給管4には流量制御器54並びに流量制御器54の両側にバルブ63及び64が取り付けられている。
【0011】
流量制御器54は流量計を含み、ガス供給管4を流れる輸送ガスG4の流量が設定された流量になるようにバルブ63及び64の絞り開度を制御している。流量制御器54並びにバルブ63及び64を含むガス制御機器によって霧化容器71に供給される輸送ガスG4の流量が制御される。
【0012】
管部71Aの側面にガス供給管3が設けられ、ガス供給管3から希釈ガスG3が供給される。ガス供給管3には流量制御器53並びに流量制御器53の両側にバルブ61及び62が取り付けられている。
【0013】
流量制御器53は流量計を含み、ガス供給管3を流れる希釈ガスG3の流量が設定された流量になるようにバルブ61及び62の絞り開度を制御している。流量制御器53並びにバルブ61及び62を含むガス制御機器により、管部71A内に供給される希釈ガスG3の流量が制御される。
【0014】
前述したように、原料溶液15は、霧化容器71とセパレータカップ82とからなる原料溶液用容器内に収容されている。原料溶液用容器の底面がセパレータカップ82となる。
【0015】
さらに、原料溶液用容器内に原料溶液15の液面15Aの位置を検出するための液面検出器19が設けられる。
【0016】
また、原料溶液用容器とは独立して原料タンク35が設けられ、原料タンク35は原料溶液用容器に供給するための原料溶液15を内部に収容している。原料溶液用容器と原料タンク35との間に原料溶液供給管31が設けられる。
【0017】
原料溶液供給管31には吸引用ポンプ32及び流量計33が設けられており、吸引用ポンプ32によって、所定の流量で原料タンク35内の原料溶液15を原料溶液供給管31を介して原料溶液用容器内に供給することができる。
【0018】
一方、ミスト供給管5はノズル17に接続され、ノズル17の底面に図示しない開口部が設けられる。ノズル17の下方には例えば成膜対象の基板18が配置される。
【0019】
このような構成の超音波霧化装置200において、各々が超音波振動板27を有する複数の超音波振動子2から超音波振動が印加されると、複数の超音波振動子2からの超音波W2の振動エネルギーが超音波伝達水9及びセパレータカップ82を介して、原料溶液用容器内の原料溶液15に伝達される。
【0020】
すると、
図8に示すように、液面15Aから液柱6が立上り、原料溶液15は、液粒及びミストへと移行し、霧化容器71内で原料溶液ミストMTが得られる。このように、超音波振動子2から超音波W2を印加することにより、原料溶液15を霧化して原料溶液ミストMTを生成する霧化動作が実行される。
【0021】
霧化動作の実行時に霧化容器71内で生成された原料溶液ミストMTは、ガス供給管4から供給された輸送ガスG4及びガス供給管3から供給された希釈ガスG3によって、管部71A及びミスト供給管5を介してノズル17に供給される。
【0022】
ノズル17に供給された原料溶液ミストMTは、ノズル17の底面に設けられた開口部から基板18の表面に噴出されることにより、加熱状態の基板18の表面に薄膜を成膜することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
上述したように、従来の超音波霧化装置200に接続させるガス系統は、輸送ガスG4と希釈ガスG3との2系統となる。希釈ガスG3は、ノズル17から噴出される原料溶液ミストMTのガス総量を一定化させるためのガスである。したがって、ガス流量制御に必要な流量計(流量制御器)やバルブ等を含むガス制御機器は全て2系統分必要となり、結果として装置の製造コストを増加させる要因となっている。具体的には、希釈ガスG3用のガス制御機器として、
図8で示した流量制御器53、バルブ61及び62が必要となり、輸送ガスG4用のガス制御機器として
図8で示した流量制御器54、バルブ63及び64が必要となる。
【0025】
超音波振動により霧化容器71内に発生した原料溶液ミストMTは、希釈ガスG3及び輸送ガスG4により霧化容器71外の管部71A、ミスト供給管5及びノズル17に供給される。霧化容器71で発生する原料溶液ミストMTが一定量に保たれている場合、霧化容器71から供給される原料溶液ミストMTのミスト量は、輸送ガスG4の輸送ガス流量LCにより増減させることができる。
【0026】
一方、原料溶液ミストMTを用いた薄膜の成膜には、安定したミスト量に加えて、原料溶液ミストMTの総ガス流量LTを一定に保つ必要がある。総ガス流量LTを一定するとノズル17の開口部から噴出される原料溶液ミストMTの吹き出し速度を一定にすることができる。ノズル17の開口部は例えばスリット状に設けられる。
【0027】
一方、原料溶液ミストMTのミスト供給量を制御するために、輸送ガス流量LCを増減させた場合、これに伴い総ガス流量LTが増減する。
【0028】
したがって、総ガス流量LTを一定に保つために、
図8に示すように、霧化容器71近くの管部71Aに輸送ガスG4とは別系統の希釈ガスG3を供給する必要がある。ここで、希釈ガスG3のガス流量を希釈ガス流量LDとすると、輸送ガス流量LC、希釈ガス流量LD及び総ガス流量LTの関係は以下の式(1)で決定する。
【0029】
LT=LC+LD…(1)
なお、輸送ガス流量LC、希釈ガス流量LD及び総ガス流量LTは、単位時間当たりの体積量を示し、「l(リットル)/min」等の単位で表される。
【0030】
例えば、原料溶液ミストMTのミスト供給量を減少させるために、輸送ガス流量LCをΔLC分減少させた場合、希釈ガス流量LDをΔLC分増加させることにより、総ガス流量LTを一定に保つことができる。
【0031】
このように、従来の超音波霧化装置200は、希釈ガスG3用の希釈ガス系統を追加することによって、総ガス流量LTを輸送ガス流量LCの変化に関係なく一定に保つことができる。
【0032】
しかしながら、前述したように、希釈ガスG3のガス制御に必要な流量計(流量制御器)やバルブなどのガス制御機器が1系統分追加されることになり、結果として装置製造コストが増加するという問題点があった。
【0033】
また、従来の超音波霧化装置200では、超音波振動子で発生した超音波W2は、超音波伝達水9及びセパレータカップ82を介して原料溶液15に到達し、さらに空気との界面である原料溶液15の液面15Aを持ち上げ、その先端から原料溶液ミストMTを発生させている。
【0034】
発生した原料溶液ミストMTは輸送ガスG4によって管部71Aに向けて押し出され、原料溶液15の液面15Aは低下していく、液面検出器19により液面15Aの低下が検出されると、吸引用ポンプ32を駆動して原料タンク35から原料溶液15を吸引することにより、原料溶液用容器内に原料溶液15を補給することができる。
【0035】
しかし、超音波W2で押し上げられた原料溶液15の液柱6により液面15Aは大きく揺れるため、液面検出器が液面15Aの高さを正確に計測することが実用上困難であるという問題点があった。
【0036】
本開示では、上記のような問題点を解決し、原料溶液の液面高さを精度良く検出することができる超音波霧化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本開示の超音波霧化装置は、原料溶液を収容する原料溶液用容器と、前記原料溶液用容器の下方に設けられる超音波振動子と、前記原料溶液用容器の側面に設けられ、前記原料溶液を収容するための原料溶液収容空間を有する原料溶液分離管とを備え、前記原料溶液分離管は、前記原料溶液用容器との間で前記原料溶液の供給及び排出を行うための原料溶液通過口を有し、前記原料溶液収容空間内における前記原料溶液の液面高さを検出する液面検出器をさらに備える。
【発明の効果】
【0038】
本開示の超音波霧化装置における液面検出器は、原料溶液収容空間内における原料溶液の液面高さを検出している。原料溶液用容器内の原料溶液は、超音波振動子からの超音波の発振に伴い液面が不安定な状態になっている。一方、原料溶液収容空間は原料溶液用容器の側面に設けられた原料溶液分離管内に形成されるため、超音波振動子からの超音波の影響を受けることなく原料溶液の液面は安定している。
【0039】
このように、本開示の超音波霧化装置における液面検出器は、原料溶液収容空間内の原料溶液を検出対象としているため、原料溶液の液面高さを精度良く検出することができる。
【0040】
本開示の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本開示の実施の形態である超音波霧化装置の構成を模式的に示す説明図である。
【
図2】
図1で示した原料溶液分離管及びその周辺の構造を示す説明図である。
【
図3】ガイドパルス方式を用いた液面検出器の構成を示す説明図である。
【
図4】フロートセンサ方式を用いた液面検出器の構成を示す説明図である。
【
図5】静電容量方式を用いた液面検出器の構成を示す説明図である。
【
図6】実施の形態の超音波霧化装置における輸送ガスのガス制御機器、及び原料溶液増減機構の詳細を示す説明図である。
【
図7】実施の形態である超音波霧化装置の制御系を示す説明図である。
【
図8】従来の超音波霧化装置の構成を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
<本開示の原理>
本開示の超音波霧化装置では、原料溶液ミストMTの総ガス流量LTを決定するガス系統を従来の2系統(輸送ガスG4と希釈ガスG3)から1系統に(輸送ガスG4のみ)に変更している。ガス系統を1系統にすることによって、希釈ガスG3のガス制御に必要なガス制御機器の数を減らし、装置製造コストを低減することができる。この場合、輸送ガス流量LC及び総ガス流量LTの関係は{LT=LC}となる。
【0043】
一方、原料溶液ミストMTにおける霧化量の増減を輸送ガス流量LCのみで制御する場合、総ガス流量LTを一定に保つことができないという問題がある。
【0044】
この問題の対策として、本開示の超音波霧化装置では、超音波振動子2における超音波振動板27の表面から原料溶液15の液面15Aまでの高さである液面高さd15を変化させることにより、原料溶液ミストMTのミスト量の制御を行っている。すなわち、輸送ガス流量LCを変化させることなく、液面高さd15を意図的に変化させることにより、原料溶液ミストMTのミスト量を増減させている。
【0045】
<実施の形態>
図1は本開示の実施の形態である超音波霧化装置100の構成を模式的に示す説明図である。
図2は
図1で示した原料溶液分離管20及びその周辺の構造を示す説明図である。以下、
図1及び
図2を参照して、超音波霧化装置100の構成を説明する。
【0046】
本実施の形態の超音波霧化装置100において霧化容器1及びセパレータ12により原料溶液用容器を構成している。原料溶液用容器の底面がセパレータ12となる。このように、霧化容器1及びセパレータ12から構成される原料溶液用容器内に原料溶液15を収容している。
【0047】
霧化容器1の上部と連通してセパレータ12の上方に管部1Aが設けられる。管部1Aは図示しないミスト供給管を介して図示しないノズル等のミスト噴射部に接続される。原料溶液用容器内で生成された原料溶液ミストMTは管部1A及びミスト供給管を介してノズル等のミスト噴射部に供給される。
【0048】
図示しないミスト供給管は、例えば
図8で示したミスト供給管5に相当し、図示しないノズル等のミスト噴射部は、例えば
図8で示したノズル17に相当する。
【0049】
超音波霧化装置100は内部に超音波伝達媒体となる超音波伝達水9を収容する水槽10をさらに有している。水槽10及びセパレータ12は、セパレータ12の底面が超音波伝達水9に浸るように位置決めされている。
【0050】
セパレータ12下方における水槽10の底面に複数の超音波振動子2が設けられている。
図1では2つの超音波振動子2が示されている。複数の超音波振動子2はそれぞれ超音波振動板27を有しており、各超音波振動子2は、超音波振動板27の平面形状に合致したサイズの超音波W2を超音波振動板27から発生する超音波振動を行う。
【0051】
霧化容器1の上部側面にガス供給管4が設けられ、ガス供給管4から輸送ガスG4が供給される。ガス供給管4には図示しないガス制御機器が取り付けられており、ガス制御機器によって霧化容器1に供給される輸送ガスG4の流量が制御される。ガス制御機器は、例えば、
図8で示した流量制御器54、バルブ63及び64に相当する。
【0052】
前述したように、原料溶液15は、霧化容器1とセパレータ12とからなる原料溶液用容器内に収容されている。原料溶液用容器の底面がセパレータ12となる。
【0053】
さらに、霧化容器1及びセパレータ12を含む原料溶液用容器とは独立して原料タンク35が設けられる。原料タンク35は原料溶液用容器に供給するための原料溶液15を内部に収容している。原料溶液用容器と原料タンク35との間に原料溶液用配管30が設けられる。原料溶液用配管30を介して原料溶液用容器と原料タンク35との間で原料溶液15を流通させることができる。
【0054】
原料溶液用配管30には吸引用ポンプ32及び流量計33を含む原料溶液増減機構8が設けられている。原料溶液増減機構8は、後述する制御部50の制御下で原料タンク35に収容された原料溶液15を原料溶液用容器内に供給する原料溶液供給動作と、原料溶液用容器に収容された原料溶液15を原料タンク35に排出する原料溶液排出動作とを実行する。
【0055】
以下、
図2を参照して、原料溶液分離管20及び液面検出器40について説明する。原料溶液分離管20は霧化容器1の側面に設けられ、原料溶液15を収容するための原料溶液収容空間22を有している。
【0056】
原料溶液分離管20は、原料溶液用容器との間で原料溶液15の供給及び排出を行うための原料溶液通過口20Bを下方に有している。原料溶液通過口20Bの高さ方向の形成位置は、セパレータ12の上方で、かつ、想定される液面15Aの最低高さより下方に設定される。なお、原料溶液通過口20Bの開口面積は原料溶液15が支障なく通過できる面積であれば良い。
【0057】
また、原料溶液分離管20の上方に原料溶液収容空間22と霧化容器1内の空間とを連通する開口部20Aが設けられている。開口部20Aの高さ方向の形成位置は、想定される液面15Aの最高高さの上方に設定される。
【0058】
さらに、原料溶液分離管20の側面と霧化容器1の側面との間に側面空間20Sが設けられている。したがって、原料溶液15は、原料溶液通過口20B及びから比較的狭い原料溶液通過領域22Bを介して、原料溶液収容空間22,原料溶液用容器間を流通する。同様に、気体成分は、開口部20A及び比較的狭い気体成分通過領域22Aを介して、原料溶液収容空間22,原料溶液用容器間を流通する。
【0059】
したがって、原料溶液分離管20内の原料溶液収容空間22は、原料溶液用容器と異なり、複数の超音波振動子2からの超音波W2の影響を受けない空間となる。このように、本実施の形態の超音波霧化装置100は、原料溶液用容器と原料溶液分離管20とで原料溶液15を分離して収容している。
【0060】
そして、原料溶液分離管20に近接して液面検出器40が設けられる。液面検出器40は、原料溶液収容空間22内における原料溶液15の液面15Aの高さを検出し、検出した液面15Aの高さを示す液面検出信号S40を出力する。
【0061】
このような構成の超音波霧化装置100において、各々が超音波振動板27を有する複数の超音波振動子2から超音波振動が印加されると、複数の超音波振動子2からの超音波W2の振動エネルギーが超音波伝達水9及びセパレータ12を介して、原料溶液用容器内の原料溶液15に伝達される。
【0062】
すると、
図1及び
図2に示すように、液面15Aから液柱6が立上り、原料溶液15は、液粒及びミストへと移行し、霧化容器1内で原料溶液ミストMTが得られる。このように、超音波振動子2から超音波W2を印加することにより、原料溶液15を霧化して原料溶液ミストMTを生成する霧化動作が実行される。
【0063】
霧化動作の実行時に霧化容器1内で生成された原料溶液ミストMTは、ガス供給管4から供給された輸送ガスG4によって、管部1Aを介してミスト供給管及びノズル等のミスト噴射部に供給される。
【0064】
そして、原料溶液ミストMTは、最終的にノズル等の開口部から基板の表面に噴出されることにより、加熱状態の基板の表面に薄膜を成膜することができる。
【0065】
本実施の形態の超音波霧化装置100における液面検出器40は、原料溶液収容空間22内における原料溶液15の液面15Aの高さを検出している。原料溶液用容器内の原料溶液15は、複数の超音波振動子2からの超音波W2の発振に伴い液柱6等が発生するため、液面15Aが不安定な状態になっている。一方、原料溶液収容空間22は原料溶液用容器の側面に設けられた原料溶液分離管20内に形成されるため、複数の超音波振動子2からの超音波W2の影響を受けることなく原料溶液収容空間22内の原料溶液15の液面15Aは安定している。
【0066】
このように、本実施の形態の超音波霧化装置100における液面検出器40は、原料溶液収容空間22内の原料溶液15を検出対象としているため、超音波振動板27から液面15Aまでの液面高さd15を精度良く検出することができる。
【0067】
液面検出器40として、例えば、ガイドパルス方式を用いた液面検出器41、フロートセンサ方式を用いた液面検出器42または静電容量方式を用いた液面検出器43等が考えられる。
【0068】
図3はガイドパルス方式を用いた液面検出器41の構成を示す説明図である。同図に示すように、液面検出器41は、ガイドプローブ41A及びセンサ41Cを主要構成要素として含んでいる。
【0069】
ガイドプローブ41Aは、原料溶液分離管20の原料溶液収容空間22内において高さ方向に延在する態様で配置される。センサ41Cは、ガイドプローブ41Aに対し、パルス状の電気信号を印加し、原料溶液収容空間22内の原料溶液15の液面15Aからの反射信号に基づき、液面検出信号S41を出力している。液面検出信号S41は液面高さd15を示す信号となる。
【0070】
液面検出器41のセンサ41Cから出力される液面検出信号S41は、ガイドパルス方式を利用して得られる。このため、原料溶液収容空間22内の原料溶液15の液面15Aに関し、液面検出信号S41は、超音波振動子2の超音波振動板27からの液面高さd15を精度良く示すことができる。
【0071】
図4はフロートセンサ方式を用いた液面検出器42の構成を示す説明図である。同図に示すように、液面検出器42は、フロート42A、ガイド棒42B、及びセンサ42Cを主要構成要素として含んでいる。
【0072】
ガイド棒42Bは、原料溶液収容空間22内において高さ方向に延在する態様で配置される。フロート42Aは、ガイド棒42Bに取り付けられ、原料溶液収容空間22内の原料溶液15の液面15Aの高さに応じて上下動する。フロート42A内部には磁石が設けられる。
【0073】
センサ42Cは、ガイド棒42Bを介してフロート42Aの位置を検出して、液面検出信号S42を出力する。液面検出信号S42は液面高さd15を示す信号となる。
【0074】
具体的には、センサ42Cは,ガイド棒42B内のリードスイッチ群を作動させる。ガイド棒42B内には高さ方向に沿って複数のリードスイッチが設けられている。複数のリードスイッチのうちフロート42Aと配置高さが一致する一つのリードスイッチがフロート42Aの磁石の磁力によりオン状態となる。したがって、センサ42Cは、複数のリードスイッチのうちオン状態のリードスイッチから、ガイド棒42B上におけるフロート42Aの取付位置を検出することにより、原料溶液収容空間22内の原料溶液15の液面15Aの位置を認識することができる。
【0075】
センサ42Cセンサから出力される液面検出信号S42は、フロートセンサ方式を利用して得られる。このため、原料溶液収容空間22内の原料溶液15の液面15Aに関し、液面検出信号S42は、超音波振動子2の超音波振動板27からの液面高さd15を精度良く示すことができる。
【0076】
図5は静電容量方式を用いた液面検出器43の構成を示す説明図である。同図に示すように、液面検出器43は、一対の電極43A及び43B並びに検出回路43Cを主要構成要素として含んでいる。
【0077】
一対の電極43A及び43Bは、原料溶液収容空間22を挟んで互いに対向するように、原料溶液分離管20の側面に取り付けられる。
【0078】
検出回路43Cは、一対の電極43A及び43Bに電気的に接続され、発振回路等を内部に有している。検出回路43Cは、既存の方法により、一対の電極43A及び43B間の静電容量を算出して、算出した静電容量に基づき液面検出信号S43を出力する。液面検出信号S43は液面高さd15を示す信号となる。
【0079】
検出回路43Cから出力される液面検出信号S43は、静電容量方式を利用して得られる。このため、原料溶液収容空間22内の原料溶液15の液面15Aに関し、液面検出信号S43は、超音波振動子2の超音波振動板27からの液面高さd15を精度良く示すことができる。
【0080】
図6は超音波霧化装置100における輸送ガスG4のガス制御機器、及び原料溶液増減機構8の詳細を示す説明図である。
【0081】
同図に示すように、ガス供給管4には流量制御器54並びに流量制御器54の両側にバルブ63及び64が取り付けられている。流量制御器54並びにバルブ63及び64を主要構成要素としてガス制御機器が構成される。
【0082】
流量制御器54は流量計を含み、ガス供給管4を流れる輸送ガスG4の流量が設定された流量になるようにバルブ63及び64の絞り開度を制御している。流量制御器54並びにバルブ63及び64を含むガス制御機器によって霧化容器1に供給される輸送ガスG4の流量が制御される。
【0083】
本実施の形態の超音波霧化装置100では、希釈ガスG3を供給しないため、希釈ガスG3用のガス制御機器を設ける必要はない。
【0084】
原料溶液増減機構8は、原料溶液用配管30(原料溶液供給管30A+原料溶液排出管30B)、吸引用ポンプ32、流量計33、吐出用ポンプ36、及び流量計37を主要構成要素として含んでいる。
【0085】
原料溶液用配管30は原料溶液用容器内において原料溶液通過口20Bよりも低い位置に先端開口部30tを有している。
【0086】
原料溶液供給ポンプである吸引用ポンプ32は制御部50の制御下で原料溶液供給動作を実行する。原料溶液排出ポンプである吐出用ポンプ36は制御部50の制御下で原料溶液排出動作を実行する。吸引用ポンプ32と吐出用ポンプ36とは互いに独立して設けられる。
【0087】
図7は実施の形態である超音波霧化装置100の制御系を示す説明図である。同図に示す様に、制御部50は、液面検出器40より液面検出信号S40を取り込んでいる。なお、液面検出器40は液面検出器41~43を含み、液面検出信号S40は液面検出信号S41~S43を含んでいる。
【0088】
また、制御部50は外部より設定信号S1を受けている。設定信号S1として、例えば、原料溶液ミストMTのミスト量が最大となる最適液面高さd0等の液面高さを直接指示する信号、または、ミスト量を指示する信号等が考えられる。
【0089】
制御部50は、設定信号S1がミスト量を指示する信号の場合、指示されたミスト量が生成できる液面高さd15を設定液面高さd50として算出する。制御部50は、設定信号S1が液面高さ自体を指示する信号の場合、指示された液面高さを設定液面高さd50さとして認識する。この設定液面高さd50が制御部50の制御目標となる「所定の高さ」となる。
【0090】
制御部50は、液面検出器40より液面検出信号S40を受け、流量計33より流量信号S33を受け、流量計37より流量信号S37を受け、制御信号SC32及びSC36を原料溶液増減機構8に付与して原料溶液増減機構8を制御する。流量信号S33は原料溶液供給管30Aを流れる原料溶液15の流量を示しており、流量信号S37は原料溶液排出管30Bを流れる原料溶液15の流量を示している。
【0091】
具体的には、制御部50は、液面検出信号S40に基づき、原料溶液用容器内の原料溶液15の液面15Aの高さが所定の高さである設定液面高さd50になるように、上述した原料溶液供給動作及び原料溶液排出動作を原料溶液増減機構8に実行させる。
【0092】
制御部50は、液面検出信号S40が示す液面高さd15が設定液面高さd50を下回る場合、制御信号SC32を原料溶液供給ポンプである吸引用ポンプ32に付与して吸引用ポンプ32を駆動し、原料タンク35に収容された原料溶液15を原料溶液用容器内に供給する原料溶液供給動作を実行制御する。
【0093】
制御部50は、液面検出信号S40が示す液面高さd15が設定液面高さd50を上回る場合、制御信号SC36を原料溶液排出ポンプである吐出用ポンプ36に付与して吐出用ポンプ36を駆動し、原料溶液用容器に収容された原料溶液15を原料タンク35に排出する原料溶液排出動作を実行制御する。
【0094】
制御部50は、原料溶液供給動作時において、流量信号S33に基づき原料溶液供給管30Aを流れる原料溶液15の流量を制御しつつ、原料溶液用容器内の原料溶液15の液面高さd15が設定液面高さd50まで上昇するように、原料溶液供給動作を実行制御する。
【0095】
制御部50は、原料溶液排出動作時において、流量信号S37に基づき原料溶液排出管30Bを流れる原料溶液15の流量を制御しつつ、原料溶液用容器内の原料溶液15の液面高さd15が設定液面高さd50まで下降するように、原料溶液排出動作を実行制御する。
【0096】
本実施の形態の超音波霧化装置100は、制御部50の制御下で、液面検出器40より得られた液面検出信号S40に基づき、原料溶液15の液面高さd15さが所定の高さである設定液面高さd50になるように、原料溶液供給動作及び原料溶液排出動作を原料溶液増減機構8に実行させている。
【0097】
その結果、本実施の形態の超音波霧化装置100は、超音波振動子2による超音波振動によって原料溶液15を液滴化して原料溶液ミストMTを得る霧化動作期間中において、原料溶液15の液面高さd15を一定の設定液面高さd50にすることにより、原料溶液用容器内の原料溶液15から、所望のミスト量の原料溶液ミストMTを得ることができる。
【0098】
加えて、原料溶液供給ポンプである吸引用ポンプ32による原料溶液供給動作と原料溶液排出ポンプである吐出用ポンプ36による原料溶液排出ポンプとをそれぞれ独立して行うことにより、原料溶液供給動作及び原料溶液排出動作を精度良く行うことができる。
【0099】
さらに、本実施の形態の超音波霧化装置100は、水槽10及び原料溶液用容器(霧化容器1+セパレータ12)を含むダブルチャンバー方式を採用している。したがって、ダブルチャンバー方式を採用した超音波霧化装置100において、原料溶液用容器内の原料溶液15から精度良く原料溶液ミストMTを得ることができる。
【0100】
そして、超音波霧化装置100は、ガス供給管4から原料溶液用容器に供給される輸送ガスG4のみによって、生成された原料溶液ミストMTを外部に輸送することができる。
【0101】
(超音波霧化装置100のまとめ)
以下、
図1~
図7で示した本実施の形態の超音波霧化装置100の特徴箇所について説明する。
【0102】
原料溶液ミストMTの霧化量と液面高さd15との関係は、最も多いミスト量が得られる高さである最適液面高さd0をピークとして、最適液面高さd0から高さが変化することによって、発生する原料溶液ミストMTのミスト量が減少するという特徴がある。したがって、設定液面高さd50と最適液面高さd0との差の絶対値|d50-d0|に対し負の相関を持って原料溶液ミストMTのミスト量が決定することになる。
【0103】
なお、最適液面高さd0は、霧化をさせる原料溶液15の種類や、超音波W2を伝達させるための超音波伝達水9の液種、セパレータ12の材質、厚さなどによっても変化する。
【0104】
液面高さd15の変化によるミスト量制御を応答性よく行うためには、原料溶液用容器内に収容されている原料溶液15の液面15Aの高さを正確に検出することが重要となる。
【0105】
前述したように、原料溶液用容器内の原料溶液15の液面15Aは、超音波振動子2からの超音波W2の伝達により、激しく変動する傾向がある。
【0106】
本実施の形態の超音波霧化装置100では、上記傾向を考慮して、霧化容器1の側面に原料溶液分離管20を取付けている。超音波W2が伝達される原料溶液用容器内の原料溶液15の液面15Aに比べ、超音波W2の影響を受けない原料溶液分離管20の原料溶液収容空間22内の原料溶液15の液面15Aは安定している。
【0107】
このように、原料溶液分離管20の原料溶液収容空間22内に収容される原料溶液15の液面15Aは安定しているため、原料溶液収容空間22内における原料溶液15の液面15Aの高さを検出することにより、液面検出器40は液面高さd15を正確に認識することができる。
【0108】
液面高さd15を変化させるために、原料溶液用容器とは独立して原料タンク35を設けている。そして、原料溶液用容器と原料タンク35とを原料溶液用配管30(原料溶液供給管30A+原料溶液排出管30B)を介して接続している。原料溶液用配管30には原料溶液増減機構8が備えられている。
【0109】
液面高さd15を上昇させる場合には、制御部50の制御下で原料タンク35から原料溶液用容器に原料溶液15を供給する原料溶液供給動作を原料溶液増減機構8に実行させている。反対に液面高さd15を下降させる場合は、制御部50の制御下で原料溶液用容器から原料タンク35に原料溶液15を排出する原料溶液排出動作を原料溶液増減機構8に実行されている。本実施の形態の超音波霧化装置100は、液面高さd15の上昇/下降により原料溶液ミストMTのミスト量を精度良く制御することができる。
【0110】
本開示は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本開示がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0111】
1 霧化容器
2 超音波振動子
4 ガス供給管
8 原料溶液増減機構
10 水槽
12 セパレータ
15 原料溶液
20 原料溶液分離管
20B 原料溶液通過口
22 原料溶液収容空間
27 超音波振動板
32 吸引用ポンプ
35 原料タンク
36 吐出用ポンプ
40~43 液面検出器
50 制御部
【要約】
本開示は、原料溶液の液面高さを精度良く検出することができる超音波霧化装置を提供することを目的とする。そして、本開示の超音波霧化装置(100)において、霧化容器(1)の側面に原料溶液分離管(20)が設けられる。原料溶液分離管(20)は、原料溶液(15)を収容するための原料溶液収容空間(22)、及び原料溶液用容器との間で原料溶液(15)の供給及び排出を行うための原料溶液通過口(20B)を有している。原料溶液分離管(20)に近接して液面検出器(40)が設けられる。液面検出器(40)は、原料溶液収容空間(22)内における原料溶液(15)の液面(15A)の高さを検出し、検出した液面(15A)の高さを示す液面検出信号(S40)を出力する。