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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】電気端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/11 20060101AFI20240805BHJP
   H01R 13/40 20060101ALI20240805BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H01R13/11 A
H01R13/11 C
H01R13/40 B
H01R13/52 301E
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2023538003
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 IB2021062196
(87)【国際公開番号】W WO2022137169
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】63/128,875
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】イーヴ レポティエ
(72)【発明者】
【氏名】ドワラガナサン バグヤナサン サティアナサン
(72)【発明者】
【氏名】スラジュ ハンディサヴァリ プルショサマ
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン シー ハフ
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-501327(JP,A)
【文献】米国特許第06102752(US,A)
【文献】特開2011-222213(JP,A)
【文献】特開2016-213000(JP,A)
【文献】特開平10-050376(JP,A)
【文献】特開平10-055838(JP,A)
【文献】特表2020-522112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/11
H01R 13/40
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気端子であって、
対向する前端及び後端を有する本体、該本体を通って形成された通路、並びに前記本体の壁から前記通路の中へと延在する偏向可能な接触ビームから成る接触部と、
該接触部を部分的に取り囲むフードであって、対向する前端及び後端を有する本体、前記フードの本体を通って形成された通路、平面状の頂壁、並びに該頂壁から延在し、該頂壁の上部表面の一部分に重なる分極リブから成り、該分極リブの前端が、前記フードの本体の前端から後方に離間されており、前方フラップが、前記分極リブの前端から前記平面状の頂壁に対してある角度で延在し、前記前方フラップの自由端が、前記頂壁に近接している、フードと、を備え
前記分極リブの後端が、前記フードの本体の後端から後方に離間されており、前記分極リブの後端から前記平面状の頂壁に対してある角度で延在する後方フラップを更に備え、該後方フラップの自由端が、前記頂壁に近接している、電気端子。
【請求項2】
前記フードの本体の前端から延在する湾曲したフランジを更に備える、請求項に記載の電気端子。
【請求項3】
前記フードの後端に対してある角度で延在する保持フィンガを更に備え、該保持フィンガが、前記接触部を通る通路の後端を部分的に塞ぐ、請求項に記載の電気端子。
【請求項4】
前記頂壁から上方に延在する係止突起を更に備え、前記分極リブが、その下部表面に設けられた係止凹部を有し、前記係止突起が、前記係止凹部内に着座する、請求項1に記載の電気端子。
【請求項5】
前記頂壁から上方に延在する第2の係止突起を更に備え、前記分極リブが、その下部表面に設けられた第2の係止凹部を有し、前記第2の係止突起が、前記第2の係止凹部内に着座する、請求項に記載の電気端子。
【請求項6】
前記分極リブが、空間によって離間された前方セクション及び後方セクションを有し、前記前方フラップが、前記前方セクションの前端から延在し、前記空間に近接している前記後方セクションの前端から延在する前方フラップを更に備え、該前方フラップが、前記平面状の頂壁に対して角度をなして延在する前記後方セクションから延在し、前記前方フラップの端が、前記空間内で前記後方セクションから延在する、請求項1に記載の電気端子。
【請求項7】
前記頂壁を通る開口部を更に備え、該開口部が、前記空間と少なくとも部分的に位置合わせされる、請求項に記載の電気端子。
【請求項8】
前記分極リブの後方セクションの後端が、前記フードの本体の後端から後方に離間されており、前記後方セクションの後端から前記平面状の頂壁に対してある角度で延在する後方フラップを更に備え、該後方フラップの自由端が、前記頂壁に近接している、請求項に記載の電気端子。
【請求項9】
前記フードの後端に対してある角度で延在する保持フィンガを更に備え、該保持フィンガが、前記接触部を通る通路の後端を部分的に塞ぐ、請求項に記載の電気端子。
【請求項10】
前記頂壁から上方に延在する前方係止突起を更に備え、前記分極リブの前方セクションが、その下部表面に設けられた前方係止凹部を有し、前記前方係止突起が、前記前方係止凹部内に着座し、後方係止突起が、前記頂壁から上方に延在し、前記分極リブの後方セクションが、その下部表面に設けられた後方係止凹部を有し、前記後方係止突起が、前記後方係止凹部内に着座する、請求項に記載の電気端子。
【請求項11】
前記フードの本体の前端から延在する湾曲したフランジを更に備える、請求項1に記載の電気端子。
【請求項12】
前記接触部が、リードワイヤの露出した導体に接続し、前記リードワイヤの絶縁体に接続するように構成されたワイヤ固定部分を更に備える、請求項1に記載の電気端子。
【請求項13】
ハウジングと、シールと、シールカバーと、を備えるコネクタアセンブリと、請求項12に記載の電気端子との組み合わせであって、前記ハウジングが、前記シールの前方に配設され、前記シールカバーが、前記シールの後方に配設され、第1の長さが、前記接触部を覆う前記フードの部分によって画定され、第2の長さが、前記シールの前端と後端との間に画定され、前記第1の長さが、最小で前記第2の長さの1.1倍である、組み合わせ。
【請求項14】
第3の長さが、前記シールカバーとハウジングとの間のシールによって形成された間隙によって画定され、第4の長さが、前記フードの前端と後端との間に画定され、前記第3の長さが、前記第4の長さ未満である、請求項13に記載の組み合わせ。
【請求項15】
前記偏向可能な接触ビームが延在する前記壁とは反対側の接触部の本体の壁に形成された窪みを更に備え、該窪みが、前記接触部の通路内に延在し、前記偏向可能な接触ビーム及び前記窪みが、互いに位置合わせされる、請求項1に記載の電気端子。
【請求項16】
前記フードの壁から延在する偏向可能な補剛ビームを更に備え、前記接触ビームが、前記補剛ビームに接触するように構成されている、請求項15に記載の電気端子。
【請求項17】
雄端子と、請求項15に記載の電気端子との組み合わせであって、前記雄端子が、前記接触部への挿入時に前記窪み及び前記接触ビームと係合するように構成されている、組み合わせ。
【請求項18】
電気端子であって、
対向する前端及び後端を有する本体、該本体を通って形成された通路、前記本体の第1の壁から、かつ前記通路の中へと延在する偏向可能な接触ビーム、並びに前記本体の第2の壁に、前記通路の中へ延在するように形成された窪みから成る接触部であって、前記第2の壁が、前記偏向可能な接触ビームが延在する壁とは反対側にある、接触部と、
該接触部を部分的に取り囲むフードであって、対向する前端及び後端を有する本体から成り、前記フードの本体を通って形成された通路を有する、フードと、を備え
前記フードが、平面状の頂壁と、該頂壁から延在し、該頂壁の頂部表面の一部分に重なる分極リブと、該分極リブの前端から前記平面状の頂壁に対してある角度で延在し、該頂壁に近接している自由端を有する少なくとも1つの前方フラップと、を更に備え、
前記分極リブの後端が、前記フードの本体の後端から後方に離間されており、前記分極リブの後端から前記平面状の頂壁に対してある角度で延在する後方フラップを更に備え、該後方フラップの自由端が、前記頂壁に近接している、電気端子。
【請求項19】
雄端子と、請求項18に記載の電気端子との組み合わせであって、前記雄端子が、前記接触部への挿入時に前記窪み及び前記接触ビームと係合するように構成されている、組み合わせ。
【請求項20】
前記窪みが、椀状部分に移行する角度付けられた部分を含む、請求項18に記載の電気端子。
【請求項21】
前記フードの壁から延在する偏向可能な補剛ビームを更に備え、前記接触ビームが、前記補剛ビームに接触するように構成されている、請求項18に記載の電気端子。
【請求項22】
雄端子と、請求項21に記載の電気端子との組み合わせであって、前記雄端子が、前記接触部への挿入時に前記窪み及び前記接触ビームと係合するように構成されている、組み合わせ。
【請求項23】
組み合わせであって、
電気端子であって、
対向する前端及び後端を有する本体、該本体を通って形成された通路、前記本体から、かつ前記通路の中へと延在する偏向可能な接触ビーム、並びにリードワイヤの露出した導体に接続し、前記リードワイヤの絶縁体に接続するように構成されたワイヤ固定部分から成る接触部と、
該接触部の一部分を部分的に取り囲むフードであって、対向する前端及び後端を有する本体、前記フードの本体を通って形成された通路、平面状の頂壁、並びに該頂壁から延在し、該頂壁の上部表面の一部分に重なる分極リブから成り、第1の長さが、前記接触部を覆う前記フードの一部分によって画定されている、フードと、を備え
前記フードが、前記分極リブの前端から前記平面状の頂壁に対してある角度で延在し、該頂壁に近接している自由端を有する少なくとも1つの前方フラップ、を更に備え、
前記分極リブの後端が、前記フードの本体の後端から後方に離間されており、前記分極リブの後端から前記平面状の頂壁に対してある角度で延在する後方フラップを更に備え、該後方フラップの自由端が、前記頂壁に近接している、電気端子と、
ハウジングと、シールと、シールカバーと、を備える、コネクタアセンブリであって、前記ハウジングが、前記シールの前方に配設され、前記シールカバーが、前記シールの後方に配設され、第2の長さが、前記シールの前端と後端との間に画定され、前記第1の長さが、最小で前記第2の長さの1.1倍である、コネクタアセンブリと、を備える、組み合わせ。
【請求項24】
第3の長さが、前記シールカバーとハウジングとの間のシールによって形成された間隙によって画定され、第4の長さが、前記フードの前端と後端との間に画定され、前記第3の長さが、前記第4の長さ未満である、請求項23に記載の組み合わせ。
【請求項25】
前記フードの壁から延在する偏向可能な補剛ビームを更に備え、前記接触ビームが、前記補剛ビームに接触するように構成されている、請求項23に記載の組み合わせ。
【請求項26】
前記接触部が、前記偏向可能な接触ビームの反対側の本体の壁に形成された窪みを含み、該窪みが、前記通路内に延在し、雄端子を更に備え、該雄端子が、前記接触部への挿入時に前記窪み及び前記接触ビームと係合するように構成されている、請求項25に記載の組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年12月22日に出願され、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許仮出願第63/128,875号に対する優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本開示は、電気端子の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
ある条件では、環境への露出を回避することができず、水分及び破片から電気接続を封止するための構造が必要とされる。これらの例では、協働する電気コネクタ間に水分防止バリアを設けることを伴う封止システムが必要とされる。概して、封止態様は、コネクタの嵌合界面の間に、加えて、コネクタの各々のワイヤ端又はハーネス端に配設される。場合によっては、コネクタの端子を修理又は交換する必要があり得、これは、コネクタから端子を取り外すことを伴う。これらの場合には、使用中にシールを損傷することなくコネクタから取り外すことができる端子を理解することができる。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態では、電気端子は、接触部及び接触部を部分的に取り囲むフードを含む。接触部は、本体を通る通路を有する本体、及び本体の壁から、かつ通路の中へと延在する偏向可能な接触ビームから形成されている。フードは、本体を通る通路を有する本体と、平面状の頂壁と、頂壁から延在し、頂壁の上部表面の一部分に重なる分極リブと、から形成されている。分極リブの前端は、フードの本体の前端から後方に離間されている。前方フラップは、分極リブの前端から平面状の頂壁に対してある角度で延在する。前方フラップの自由端は、頂壁に近接している。後方フラップは、分極リブの後端から平面状の頂壁に対してある角度で延在し得る。
【0005】
いくつかの実施形態では、電気端子は、接触部及び接触部を部分的に取り囲むフードを含む。接触部は、本体を通る通路を有する本体、本体の第1の壁から、かつ通路の中へと延在する偏向可能な接触ビーム、及び本体の第2の壁に、かつ通路の中へと形成された窪みから形成されている。第2の壁は、第1の壁の反対側にある。フードは、本体を通る通路を有する本体から形成されている。一実施形態では、雄端子が設けられ、接触部への挿入時に窪み及び接触ビームと係合するように構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、電気端子及びコネクタアセンブリを含む組み合わせが提供される。電気端子は、その通路内に延在する偏向可能な接触ビームを有する接触部、及びリードワイヤの露出した導体に接続し、リードワイヤの絶縁体に接続するように構成されたワイヤ固定部分、及び接触部を部分的に取り囲むフードを含み、フードは、頂壁から延在し、頂壁の上部表面の一部に重なる分極リブを有する。第1の長さは、接触部を覆うフードの一部分によって画定される。コネクタアセンブリは、ハウジング、シール及びシールカバーを含む。ハウジングは、シールの前方に配設され、シールカバーは、シールの後方に配設されている。第2の長さは、シールの前端と後端との間に画定されている。第1の長さは、最小で第2の長さの1.1倍である。
【0007】
本概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、単にいくつかの例示的な実施形態を要約する目的で提供される。したがって、上述の例示的な実施形態は単なる例に過ぎず、本開示の範囲又は趣旨をいかようにも狭めるように解釈されるべきではないことが理解されよう。様々な開示される実施形態の他の実施形態、態様、及び利点は、説明される実施形態の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電気端子の後面斜視図を示す。
図2】位置合わせリブが持ち上げられた位置にある電気端子の後面斜視図を示す。
図3】位置合わせリブが持ち上げられた位置にある電気端子の上面図を示す。
図4】電気端子の接触部の前面斜視図を示す。
図5】接触部の部分上面図を示す。
図6】接触部の部分底面図を示す。
図7】接触部の部分断面図を示す。
図8】電気端子のフードの前面斜視図を示す。
図9】フードの上面図を示す。
図10】フードの底面図を示す。
図11】フードの断面図を示す。
図12】フードの断面図を示す。
図13】電気端子が挿入されるコネクタアセンブリの後面斜視図を示す。
図14】コネクタアセンブリの断面図を示す。
図15】コネクタアセンブリのシールの前面斜視図を示す。
図16】シールの断面図を示す。
図17】雄コネクタが取り付けられた端子の断面図を示す。
図18】電気端子及びコネクタアセンブリの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
これらの図面は、本開示の実施形態を例示し、開示される実施形態は、本開示の単なる例示に過ぎず、様々な形態で具現化され得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される具体的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、及び本開示を様々に採用するために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0010】
本開示は、コネクタアセンブリ200及びピン又はブレードなどの雄端子202と嵌合する電気端子20に関する。図面は、コネクタアセンブリ200の各要素の図がコネクタアセンブリ200全体の単一スライス又は部分であるように、コネクタアセンブリ200の単一回路を示す。完全なコネクタアセンブリ200を形成するために、複数の回路が設けられる。「前方」、「後方」、「頂部」、「上部」、「底部」及び「下部」などの方向は、本明細書では説明の便宜上使用されており、使用中に必要な向きを示すものではなく、任意であり、示されている実施形態のより明確な理解を提供するために使用されていることにも留意されたい。例示的なコネクタアセンブリ200は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第10,886,664号に記載されており、したがって、本開示に使用される構成要素のみが本明細書で説明される。
【0011】
図1及び図2に示されるように、電気端子20は、フード24が接触部22を部分的に取り囲むように、フード24内に取り付けられた接触部22を含む。接触部22は、銅又は任意の他の銅ベースの合金又は同じ導電特性を有する同様の材料などの高導電性材料の単一片から打ち抜き形成され、優れた電気性能を可能にする。フード24は、優れた保持力及び補強を提供するために、ステンレス鋼などの高張力材料から形成されたシート金属の単一片から打ち抜き成形される。電気端子20は、雄端子202を受容する。接触部22及びフード24は別個に形成され、別個のアセンブリ又は結合ダイを介して互いに固定される。電気リードワイヤ(図示せず)が、本明細書で説明されるように接触部22に取り付けられる。当技術分野で既知であるように、リードワイヤは、導体を覆う絶縁被覆を有する。絶縁被覆は、リードワイヤの先端で部分的に除去され、その中に設けられた導体を露出させる。
【0012】
接触部22は、図4図7に最良に示されている。接触部22は、対応する雄端子202に電気的接続を提供するように構成されている接触部分26と、リードワイヤに結合されるように構成されているワイヤ固定部分28と、接触部分26をワイヤ固定部分28に接続する移行部分30と、を有する。
【0013】
接触部分26は、対向する前端32a及び後端32bを有し、前端32aから後端32bまで延在する通路34がそこを通って形成された本体32と、本体32から、かつ通路34の中へと延在する偏向可能な接触ビーム36と、から形成されている。前端32a、後端32bを形成する全ての縁は、面取りされるか、又は丸みを帯びている。縁は、金属のバリを除去するために平滑化される。通路34の中心線38は、前端32aから後端32bまでの本体32の長さに沿って画定されている。本体32は、第1及び第2の直立側壁44、46によって互いに離間されて通路34を形成する、対向する頂壁40及び底壁42から形成されている。各壁40、42、44、46の内部表面及び外部表面は、本明細書に記載されている場合を除いて、平面状である。壁40、42、44、46の前縁は、通路34への入口開口部48を形成する。壁40、42、44、46の前縁は、面取りされているか、又は丸みを帯びている。壁40、42、44、46の前縁は、金属のバリを除去するために平滑化される。
【0014】
窪み50は、本体32の前端32aに近接しているが、そこから離間されて頂壁40に形成されている。窪み50は、通路34内に延在し、内部バンプを形成する。窪み50は、前端32aから離間されている前端、及び長手方向に離間された後端を有し、窪み50の後端を画定する細長い略椀形状の凹部58に移行する、その前端から延在する角度付けられた部分52から形成されている。
【0015】
突起60は、頂壁40から上方に延在し、窪み50の後端の後方に位置決めされている。突起60は、中心線38に垂直な後端を有する半ドームとして形成され得る。
【0016】
底部開口部62は、本体32の前端32aに近接しているが、そこから離間されて底壁42に形成されている。開口部62の少なくとも後縁は、面取りされているか、又は丸みを帯びている。縁は、金属のバリを除去するために平滑化される。一実施形態では、窪み50及び開口部62は、垂直に位置合わせされる。
【0017】
接触ビーム36は、底部開口部62の前縁から後方に、底部開口部62を通って、かつ通路34の中へと延在する。接触ビーム36は、嵌合雄端子202と電気的に係合するように構成されている。一実施形態では、接触ビーム36は、底部開口部62の前縁から後方に延在する前方セクション64、前方セクション64から後方に延在し、中心線38及び前部64に対して内方に角度付けられる中間セクション66、並びに中間セクション66から後方に延在し、中心線38及び中間セクション66に対して内方に、次いで外方に湾曲する後方セクション68を有する。後方セクション68は、自由後端で終端する。接触部36の少なくとも後方セクション68は、椀形状凹部58と位置合わせされる。
【0018】
一実施形態では、ディンプル70が、開口部62の前縁の前方の各側壁44、46の内部表面に設けられる。ディンプル70は、ドーム形状を有し得る。
【0019】
複数の離間された突出部72は、側壁44、46の外部表面から外方に延在し、窪み50及び開口部62の後方にある。示されるように、3つの突出部72が設けられているが、より多くの又はより少ない突出部72が設けられ得る。一実施形態では、各突起68は、中心線38に対して垂直に延在する後面を有する。
【0020】
頂壁40の後端40bは、本体32の後端32bの前方に長手方向に離間されている。頂壁40の後端40bの後方の側壁44、46の上端44b、46bは、頂壁40の後端40bから本体32の後端32bまで、下方かつ後方に湾曲している。上端44b、46bは、面取りされているか、又は丸みを帯びている。上端44b、46bは、金属のバリを除去するために平滑化される。
【0021】
ワイヤ固定部分28は、一実施形態では、略U字形状であり、電気リードワイヤを受容するように構成されている。ワイヤ固定部分28は、湾曲した基壁74と、基壁74から上方に延在し、リードワイヤの露出した導体に接続するように構成されたワイヤ圧着部分76と、基壁74から上方に延在し、リードワイヤの絶縁被覆に接続するように構成された絶縁体圧着部分78と、を含む。基部壁74は、電気リードワイヤの露出した導体及び絶縁被覆を収容するようにサイズ決定される。ワイヤ圧着部分76は、絶縁体圧着部分78の前方にある。一実施形態では、ワイヤ圧着部分76は、基壁74から上方に延在するウィングとして形成され、絶縁体圧着部分78は、基壁74から上方に延在するウィングとして形成されている。ワイヤ固定部分28にリードワイヤを接続するために、絶縁被覆の前部分を除去して、導体を露出させる。裸の導体は、ワイヤ圧着部分76の下の基壁74内に配置され、無傷の絶縁被覆を有するリードワイヤの一部分は、絶縁体圧着部分78の下の基壁74内に配置される。次に、部分76、78はリードワイヤのそれぞれの部分の上に折り曲げられて、リードワイヤを接触部22に固定し、ワイヤ圧着部分76は、接触部22を裸の導体に固定又は圧着し、絶縁体圧着部分78は、リードワイヤの絶縁被覆を接触部22に固定又は圧着する。電気端子20及びリードワイヤが互いに接続されると、接触部アセンブリが形成される。
【0022】
電気端子20の移行部分30は、接触部分26とワイヤ固定部分28との間に延在する。移行部分30は、そこから上方に延在する側壁82、84を有する略U字形の基壁80を有する。各側壁82、84の前部分は、長手方向に延在し、各側壁82、84の後部分は、前部分からワイヤ固定部分28まで中心線38に向かって内方にある角度で延在する。ノッチ86が、側壁82、84の各前部分の上端に設けられている。
【0023】
フード24は、図8図12に最良に示されている。フード24は、対向する前端100a及び後端100bを有し、前端100aから後端100bまで延在する通路102がそこを通って形成された本体100、並びに本体100から、かつ通路102の中へと延在する片持ち梁状の補剛ビーム104から形成されている。前端100a、後端100bを形成する全ての縁は、面取りされるか、又は丸みを帯びている。縁は、金属のバリを除去するために平滑化される。通路102の中心線106は、前端100aから後端100bまでの本体100の長さに沿って画定されている。本体100は、第1及び第2の直立側壁112、114によって互いに離間されて通路102を形成する、対向する頂壁108及び底壁110から形成されている。各壁108、110、112、114の内部表面及び外部表面は、本明細書に記載されている場合を除いて、平面状である。
【0024】
頂壁108の後端は、本体100の後端100bよりも長手方向前方にある。頂壁108の後端100bの後方の側壁112、114の上端112a、114aは、頂壁108の後端100bから本体100の後端100bに向かって下方かつ後方に湾曲している。上端112a、114aは、面取りされているか、又は丸みを帯びている。上端112a、114aは、金属のバリを除去するために平滑化される。一実施形態では、各側壁112、114の上端112a、114aは、通路102内に延在する折り曲げられたタブ116を形成する壁を含む。
【0025】
突起118が、本体100の前端100aに近接した頂壁108から、かつ通路102の中へと内方に延在する。突起118は、本明細書で説明するように、接触部22がフード24に挿入されるときに、前方停止部として機能する。一実施形態では、突起118は、中心線106に垂直に延在する後面を有する。
【0026】
前方係止突起120(図2及び図3参照)は、頂壁108から上方に延在し、突起118の後方にあり、そこから離間されている。前方係止突起120は、頂壁108から延在する前方角度付けられた部分、前方角度付けられた部分から延在し、中心線106に平行に延在する細長い部分、及び細長い部分から頂壁108に延在する後方角度付けられた表面を有する。前方係止突起120は、側壁112の上端に近接している。窓122は、前方係止突起120に沿って頂壁108を通って設けられ得る。
【0027】
開口部124は、前方係止突起120の後方に、頂壁108を通って形成されている。開口部124の縁は、面取りされているか、又は丸みを帯びている。縁は、金属のバリを除去するために平滑化される。開口部124の1つの側縁は、側壁112の上部に沿って延在する。
【0028】
後方係止突起126(図2及び図3参照)は、頂壁108から上方に延在し、開口部124の後方にあり、そこから離間されている。後方係止突起126は、頂壁108から延在する前方角度付けられた部分、前方角度付けられた部分から延在し、中心線106に平行に延在する細長い部分、及び細長い部分から頂壁108に延在する後方角度付けられた表面を有する。後方係止突起126は、側壁112の上端に近接しており、前方係止突起120と長手方向に位置合わせされ得る。窓128は、後方係止突起126に沿って頂壁108を通って設けられ得る。
【0029】
一実施形態では、湾曲したフランジ130が、本体100の前端100aにおいてそれぞれの壁108、110、112、114から延在し、通路102への入口開口部132を画定する。フランジ130を形成する縁は、面取りされるか、又は丸みを帯びている。縁は、金属のバリを除去するために平滑化される。
【0030】
保持フィンガ134が、頂壁108の後端から、中心線106に対してある角度で、かつ通路102の中へと延在する。保持フィンガ134は、頂壁108の幅未満である幅を有する。
【0031】
底部開口部136は、本体32の前端32aに近接しているが、そこから離間されて底壁42に形成されている。開口部136の少なくとも後縁は、面取りされているか、又は丸みを帯びている。縁は、金属のバリを除去するために平滑化される。
【0032】
補剛ビーム104は、底部開口部136の前縁から後方に、底部開口部136を通って、かつ通路102の中へと延在する。補剛ビーム104は、接触部22の接触ビーム36に係合して、接触ビーム36の補強を提供するように構成されている。補剛ビーム104は、開口部136の前縁に接続された前端、及び開口部136の前縁から後方に延在し、中心線106に対して内方に角度を付けられたセクション138を有する。セクション138は、自由後端で終端する。補剛ビーム104を形成する少なくとも側縁は、面取りされるか、又は丸みを帯びている。縁は、金属のバリを除去するために平滑化される。補剛ビーム104の長さは、接触ビーム36の長さ未満である。
【0033】
各側壁112、114は、接触部22の側壁上の突出部72と嵌合するように構成されている、そこを通って複数の離間された窓140を有する。窓140は、補剛ビーム104の後方にある。
【0034】
分極リブ142は、頂壁108から上方に延在し、頂壁108の一部分及び開口部124の一部分に重なる。分極リブ142は、前端及び後端、並びに平面状の頂部表面144を有する。前端及び後端を形成する全ての縁は、面取りされるか、又は丸みを帯びている。縁は、金属のバリを除去するために平滑化される。
【0035】
分極リブ142は、側壁112から上方に延在する第1の壁部分146、第1の壁部分146の上端から、かつ第1の壁部分146から内方に延在する第2の壁部分148、第2の壁部分148の端から延在し、180度の屈曲部を形成する第3の壁部分150、第3の壁部分150の端から、第1の壁部分146に向かって外方に延在する第4の壁部分152から形成された折り曲げられた壁から形成され、その結果、第2の壁部分148が、第4の壁部分152を覆う。第4の壁部分152は、自由端152aで終端する。空間154は、分極リブ142を前方セクション142aと後方セクション142bとに分割する。頂壁108を通って設けられた開口部124は、空間154と少なくとも部分的に位置合わせされる。
【0036】
前方セクション142aの前端は、本体100の前端100aに近接しているが、それから離間されており、前方セクション142aの後端は、開口部124の前端に近接している。一実施形態では、前方セクション142aの前端及び後端は、本体100の中心線106に対して垂直である。前方セクション142aの第4の壁部分152は、自由端152aから第3の壁部分150に向かって延在する、長手方向に延在する係止凹部156を有する。前方フラップ158は、前方セクション142aの第2の壁部分148の前端から延在し、中心線106に向かって角度付けられる。前方フラップ158の自由端は、頂壁108に近接している。前方フラップ158は、わずかに第2の壁部分148の幅未満の幅を有する。後方セクション142bの前端は、開口部124の後縁に近接しており、後方セクション142bの後端は、本体100の後端100bに近接しているが、本体100の後端100bから離間されている。一実施形態では、後方セクション142bの前端及び後端は、本体100の中心線106に対して垂直である。後方セクション142bの第4の壁部分152は、自由端152aから第3の壁部分150に向かって延在する、長手方向に延在する係止凹部160を有する。後方フラップ164は、後方セクション142bの第2の壁部分148の前端から延在し、中心線106に向かって角度付けられる。後方フラップ164の自由は、頂壁108に近接している。後方フラップ164は、わずかに第2の壁部分148の幅未満の幅を有する。前方セクション142a及び後方セクション142b並びにフラップ158、162、164を形成する全ての縁は、面取りされるか、又は丸みを帯びている。縁は、金属のバリを除去するために平滑化される。一実施形態では、前方フラップ158のみが設けられている。一実施形態では、後方フラップ164のみが設けられている。
【0037】
接触部22をフード24に組み付けて電気端子20を形成するために、フード24は、底壁110に対して曲げられていない補剛ビーム104、側壁112に対して曲げられていないか又は部分的に曲げられた分極リブ142、底壁110に対して部分的に曲げられた側壁112、114、並びに保持フィンガ134で形成され、タブ116が部分的にのみ曲げられ、その結果、保持フィンガ134及びタブ116は、部分的に形成された通路102内に実質的に延在しない。残りの特徴は、フード24上に形成されている。
【0038】
接触部22の前端は、フード24の本体100の後端100bに形成された開口部を通って挿入され、接触部22の本体32の前端32aが壁108上の突起118の後面と係合するまで、部分的に形成された通路102に沿って摺動される(他の突起が壁110、112、114上に形成され得る)。突起118は、フード24への接触部22の更なる挿入を制限する停止部として機能する。その後、側壁112、114が、底壁110に対して直立位置まで曲げられる。この曲げの間、頂壁108は、側壁112と係合し、突出部72は、窓140内に着座し、突出部56は、開口部124内に着座する。通路34、102の中心線38、106は、互いに位置合わせし、側壁44、46、112、114の上端44b、46b、112a、114aは、互いに位置合わせする。補剛ビーム104は、接触ビーム36に係合するように、内方に曲げられる。保持フィンガ134は曲げられており、保持フィンガ134が本体32の後端32bに近接しているので、接触部22は、突起118と保持フィンガ134との間にある。その結果、保持フィンガ134は、接触部22を通る通路34の後端を部分的に塞ぐ。タブ116は、折り曲げられてノッチ86と係合し、接触部22をフード24内に更に固定する。分極リブ142は、側壁112及び頂壁110に対して曲げられ、前方係止突起120は、係止凹部156内に着座し、後方係止突起126は、係止凹部160内に着座する。位置合わせリブ142の第4の壁部分152の底部表面は、頂壁108の頂部表面に対して係合することが好ましい。前方フラップ158は、頂壁108と係合し、前方フラップ162は、突出部56と係合し、後方フラップ164は、保持フィンガ134の上方で頂壁108と係合する。フラップ158、162、164は、本明細書に説明されるように、シール断裂を防止することを補助するために使用される。したがって、分極リブ142がその形状を維持し、頂壁108から離れて跳ね返らないことが重要である。係止突起120の係止凹部156内の係合及び係止突起126が係止凹部160内に着座することは、分極リブ142の適切な位置を維持する。
【0039】
一実施形態では、接触部22及びフード24の様々な特徴を形成する全ての縁は、(本明細書に具体的に記載されていなくても)面取りされるか、又は丸みを帯びている。全ての縁は、金属のバリを除去するために平滑化される。
【0040】
突出部72は、接触部22上にあり、窓140は、フード24内にあるものとして説明されているが、突出部72は、フード24上に設けられ、窓140は、接触部22内に形成され得る。
【0041】
電気端子20及びその取り付けられたリードワイヤは、コネクタアセンブリ200内に取り付けられる。
【0042】
図13及び図14に示されるように、コネクタアセンブリ200の一実施形態は、シール206の前方に配設されたハウジング204及びシール206の後方に配設されたシールカバー208を含む。コネクタアセンブリ200の詳細は、米国特許第10,886,664号に記載されており、その全体が参照により組み込まれる。米国特許第10,886,664号に開示されているように、ハウジング204は、前方カバー210、前方ハウジング212、独立した二次係止214、及び後方ハウジング216を含む。ハウジング204の構成要素は、ハウジング204を通る長手方向の通路218を画定する。
【0043】
図15及び図16に示されるように、シール206は、ゴムなどの柔軟な弾性材料から形成され、リードワイヤがシール206を通って挿入されるときにリードワイヤの絶縁被覆に係合するように構成されている。シール206は、壁220の前端220aから後端220bまでそこを通って延在する、長手方向に延在する中央アパーチャ又は通路222を有する壁220から形成されている。通路222の中心線は、前端220aから後端220bまでの壁220の長さに沿って画定されている。一実施形態では、通路222を形成する表面は、間にローブ226を有する複数の圧縮可能なローブ、リップ、又はブラダ224として形成されている。ブラダ224は、通路222の低減された寸法の最内側表面228を画定する。一実施形態では、最内側表面228は、円形である。通路222の最内側表面228は、頂壁108の頂部表面と底壁110の底部表面との間、及び側壁112、114の外側表面間に画定された電気端子20の外部寸法未満であり、リードワイヤの絶縁被覆の直径未満である寸法を画定する。シール206は、リードワイヤの絶縁被覆との弾性界面を提供して、水分防止/破片防止バリアを提供する。
【0044】
図14に示されるように、シールカバー208は、その前端と後端との間に延在する、長手方向に延在する通路232を有する本体230から形成される。通路232は、フード24の分極リブ142の形状に対応するキー溝234を形成する表面を有する。通路232は、電気端子20及びリードワイヤの絶縁被覆が大きな抵抗を受けることなく通過することを可能にするようにサイズ決定されている。キー溝234は、電気端子20を適切に位置合わせし、電気端子20がシールカバー208内で回転するのを防止する。
【0045】
通路218、222、232は、互いに長手方向に位置合わせする。
【0046】
電気端子20の本体100の前端100aは、シールカバー208の開いた後端を通って、かつ通路232の中へと挿入される。電気端子20は、分極リブ142がキー溝234を通過するようにシールカバー208に挿入されなければならない。
【0047】
電気端子20がシールカバー208を通過した後、電気端子20は、シール206の通路222を通過する。電気端子20がシール206を通過すると、まず、本体100の前端100aが、最内側表面228と係合し、シール206を外方に拡張する。フランジ130は、フード24との接触時にシール206の断裂の危険性を低減するのに役立つ。シール206のブラダ224は、フード24の外部形状に適合するように圧縮する。電気端子20が通過され続けると、分極リブ142の前方セクション142aの前端にある前方フラップ158は、次にシール206のブラダ224に接触する。前方フラップ158は、最内側表面228を更に拡張させ、その結果、分極リブ142の前方セクション142aの頂部表面144と底壁110の底部表面との間の寸法がそれに適合する。前方フラップ158は、分極リブ142の前方セクション142aとの接触時にシール206の断裂の危険性を低減するのを助ける。電気端子20が通過され続けると、シール206の最内側表面228は空間154内に入り、その元の形状を部分的に収縮させる。その後、電気端子20が通過され続けると、分極リブ142の後方セクション142bの前端にある前方フラップ162は、次にシール206のブラダ224に接触する。前方フラップ158は、最内側表面228を更に拡張させ、その結果、分極リブ142の後方セクション142bの頂部表面144と底壁110の底部表面との間の寸法がそれに適合する。前方フラップ158は、分極リブ142の後方セクション142bとの接触時にシール206の断裂の危険性を低減するのを助ける。次に、電気端子20が通過され続けると、シール206の最内側表面228は、後方フラップ164と接触し、次いで保持フィンガ134と接触するときに部分的に収縮する。リードワイヤの絶縁被覆がシール206内にあるとき、シール206は、リードワイヤの絶縁被覆の周りで収縮し、ブラダ224は、絶縁被覆と係合して封止する。次に、電気端子20は、ハウジング204の保持フィンガ236が電気端子20の開口部124内に着座し、電気端子20のフランジ130の前端がハウジング204の前方カバー210に係合するまで、ハウジング204の通路218内を通過する。
【0048】
次に、雄端子202をコネクタアセンブリ200内に取り付け、電気端子20と係合させて、接触ビーム36と係合させる。雄端子202は、前方カバー210の通路218を通過し、接触部22の通路34の前端32aを通って進入する。雄端子202は、接触部22の頂壁40の平面状の内側表面に沿って摺動し、次に、窪み50の角度付けられた部分52と係合して、雄端子202を接触ビーム36に対して移動させ、これにより、接触ビーム36を下方に移動させ、次に、略椀形状の凹部58と係合して、雄端子202を接触ビーム36に対して下方に更に移動させる。これにより、接触ビーム36及び補剛ビーム104が撓み、補剛ビーム104が接触ビーム36の支持を提供する。この挿入の間、接触ビーム36の後方セクション64は、まず、雄端子202の進入を可能にし、初期の低い挿入力を提供するように撓む。雄端子202がビーム36に対して更に摺動されると、接触ビーム36の中間セクション66及び補剛ビーム104のセクション192が撓む。必要であれば、接触ビーム36の前方セクション68も撓むことができる。ビーム36は、ビーム36が中心線106に実質的に平行である程度まで撓み得る。雄端子202を電気端子20に挿入する間、補剛ビーム104を形成するために使用されるより高い引張強度の材料は、接触ビーム36と雄端子202との間の適切な電気接続のための垂直力を増加させる。図示の実施形態では、フード24は、雄端子202との直接的な電気接触部22を提供しないが、フード24は、接触部ビーム36の電気的特性を改善又は強化するために、より大きな機械的特性を追加する。単一の可撓性接触部ビーム36及び窪み50によって提供される固定接触点は、雄端子202との2つの電気接触点を形成する。
【0049】
特定の状況では、電気端子20及び取り付けられたリードワイヤによって形成された接触部アセンブリは、欠陥がある場合があり、又は保守点検が必要な場合がある。このような状況では、接触部アセンブリをコネクタアセンブリ200から取り外す必要がある。接触部アセンブリを取り外すために、まず、独立した二次係止214が、係止位置から係止解除位置に戻して移動され、保持フィンガ236が、適切な後退ツール(図示せず)によって、開口部124から偏向される。保持フィンガ236が開口部124から引き抜かれると、接触部アセンブリをコネクタアセンブリ200から引き抜くことができる。電気端子20が引き抜かれると、保持フィンガ134、次いで、側壁44、46、112、114の上端44b、46b、112a、114a、次いで、後方フラップ164がシール206の最内側表面228と接触する。これらは、シール206の断裂が防止又は回避されるように、通路222を拡大する。次いで、シール206は、修理された接触部アセンブリ90の再挿入時に再使用され得る。この引き抜きの間、シール206が拡張するにつれて、シール206は、シールカバー208の本体230内に拡張することができ、それによって、シール206がシールカバー208によって挟まれることを防止する。
【0050】
図18に最良に示されるように、概略図は、電気端子20の特定の構造的特徴のコネクタアセンブリ200の対応する構造的特徴との関係を示す。全体的に最良の性能及びシール断裂の可能性を最小限にするために、特定の関係が提供される。本開示では、端32a、32b間の接触部分26を覆うフード24の部分は、長さL1を画定する。長さL2は、壁220の前端220aと壁220の後端220bとの間のシール206によって画定されている。第1の長さL1は、接触部分26を覆うフード24の一部分がシール206よりも長くなるように、最小で第2の長さL2の1.1倍である。したがって、電気端子20は、シール206を損傷することなく、シール206を通過することができる。長さL3は、端204a、204b間のハウジング204の長さによって画定されている。長さL4は、フード24の前端100aと絶縁体圧着部分78の後端との間で画定されている。組み合わせにおいて、上記の構造的特徴は、ハウジング204内の通路218に対する電気端子20の適切な位置合わせを保証する。これにより、電気端子20が挿入中に位置ずれすることが防止され、シール206が断裂して封止性能が低下する可能性が最小限に抑えられる。
【0051】
概して、図中の電気端子20がプラグ型であるかレセプタクル型であるかの描写は、単に例示目的のために行われることに留意されたい。したがって、特定の電気端子20は、所望に応じて、プラグ型、又はレセプタクル型、又はプラグとレセプタクルとの組み合わせであるように構成され得ることが想定される。したがって、具体的に言及しない限り、電気端子20がレセプタクルであるか、又はプラグであるかの判定は、限定を意図するものではない。
【0052】
一実施形態では、補剛ビーム104は、排除される。
【0053】
一実施形態では、単一の接触ビーム36及び補剛ビーム104は、頂壁40、108から延在し、窪み50は、底壁42に設けられる。一実施形態では、補剛ビーム104が排除され、単一の接触ビーム36は、頂壁40から延在し、窪み50は、底壁42に設けられる。
【0054】
一実施形態では、接触ビーム36は、側壁44、46の一方から延在し、窪み50は、他方の側壁44、46から延在する。一実施形態では、補剛ビーム104が排除され、接触ビーム36は、側壁44、46の一方から延在し、窪み50は、他方の側壁44、46から延在する。
【0055】
単一の接触ビーム36及び補剛ビーム104が図示及び説明されているが、米国特許第10,886,664号に示されているように、係止突起120、126/係止凹部156、160及びフラップ158、162、164のうちの1つ以上と組み合わせて、一対の接触ビーム及び補剛ビームを設けることができる。この実施形態では、窪み50が排除される。
【0056】
本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)、「ある(a )」及び「ある(an)」及び「その(the )」、並びに「少なくとも1つの」という用語、及び類似の指示対象の使用は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈に明らかな矛盾がない限り、単数及び複数の両方を網羅するものと解釈されるべきである。「少なくとも1つ」という用語、それに続く1つ以上の項目のリスト(例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈に明らかな矛盾がない限り、列挙された項目(A又はB)若しくは列挙された項目(A及びB)のうちの2つ以上の任意の組み合わせから選択される1つの項目を意味すると解釈されるべきである。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including )」、及び「含有する(containing)」という用語は、別途記載のない限り、オープンエンド用語(すなわち、「含む(including )が、これらに限定されない」を意味する)と解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記述は、本明細書に別段の記載がない限り、単に、範囲内にある各別個の値を個々に言及する簡略化法として機能することが意図され、各別個の値は、それが本明細書に個々に記述されたかのように明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全てのプロセスは、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈に明らかな矛盾がない限り、任意の好適な順序で実行することができる。本明細書で提供される任意の及び全ての実施例、又は例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をより良好に照らし出すことを意図するものであり、別途特許請求されない限り、本発明の範囲に制限を課すことはない。本明細書の文言は、いかなる特許請求されていない要素も本発明の実施に不可欠であることを示すと解釈されるべきではない。
【0057】
本発明の好ましい実施形態は、本発明を実施するために発明者に既知の最良の様式を含めて、本明細書に記載されている。これらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明を読むと、当業者には明らかとなり得る。本発明者らは、当業者が必要に応じてそのような変形例を採用することを予想しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本発明が実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記述された主題の全ての修正物及び等価物を含む。更に、その全ての可能な変形例における上述の要素の任意の組み合わせは、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈に明らかな矛盾がない限り、本発明によって包含される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18