(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】仮想自動照準設定
(51)【国際特許分類】
A63F 13/56 20140101AFI20240805BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20240805BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20240805BHJP
A63F 13/525 20140101ALI20240805BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20240805BHJP
G06F 3/04886 20220101ALI20240805BHJP
【FI】
A63F13/56
A63F13/2145
A63F13/426
A63F13/525
G06F3/04845
G06F3/04886
(21)【出願番号】P 2023550046
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 US2022019685
(87)【国際公開番号】W WO2022192495
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-10-11
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511214439
【氏名又は名称】バンジー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ペン,グレゴリー
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0001539(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0027621(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0095999(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0157940(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
G06F 3/048-04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
起点オブジェクト及び1組の潜在的標的オブジェクトをタッチスクリーンディスプレイ上に表示すること、
前記起点オブジェクトによって行われるアクションに関連するタッチ入力を前記タッチスクリーンディスプレイによってユーザから受け付けること、
前記アクションに基づいて及びユーザ
の好みに関連するプリファランスデータに基づいて、前記アクションを行うべき前記1組の潜在的標的オブジェクトのうちの標的オブジェクトを決定すること、
前記起点オブジェクトに対する前記標的オブジェクトの相対位置に基づいて前記起点オブジェクトの向きを変えること、及び
前記起点オブジェクトによって行われる前記アクションを引き起こすこと
を含
み、
前記ユーザの好みに関連する前記プリファランスデータは、ユーザによって示される選択すべき標的オブジェクトに関する情報、ユーザが示した過去のオブジェクト標的化パターンに関する情報、および過去の使用データに基づいて生成されたランク付け情報の少なくともいずれかを含む、方法。
【請求項2】
前記1組の潜在的標的オブジェクトから前記標的オブジェクトを決定することが、前記アクションに関連する1つ又は複数のボリュームの外側にあると判定される前記1組の潜在的標的オブジェクトのサブセットを除外することを含み、
前記アクションに関連する前記1つ又は複数のボリュームが、前記アクションに関連する距離のレンジに少なくとも部分的に基づいて、又は前記起点オブジェクトから向いている方向へと広がる円錐セクションに少なくとも部分的に基づいて決定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記起点オブジェクトの前記向きを変えることが、前記起点オブジェクトを前記標的オブジェクトの方へ少なくとも途中まで回転させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記起点オブジェクトによって行われる前記アクションを引き起こすことが、前記起点オブジェクトを前記標的オブジェクトの方へ移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ
の好みに関連する前記プリファランスデータは、前記ユーザが行った過去のオブジェクトの標的化に関する第1の情報、又は
構成段階中に前記ユーザによって提供される第2の情報
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記起点オブジェクトの前記向きを変えることが、前記標的オブジェクトと揃うように前記向きを増分的に調節することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1組の潜在的
標的オブジェクトのうちの前記標的オブジェクトが前記向きに少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記標的オブジェクトが前記起点オブジェクトの前記向きからの前記標的オブジェクトの角度の近接度に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記起点オブジェクトの前記向きが前記タッチスクリーンディスプレイ上に実装される方向性のコントロールパッドによって確立される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、前記ユーザとソフトウェアアプリケーションとの間の対話を促進することができる仮想コントローラによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記起点オブジェクトに対する前記標的オブジェクトの前記相対位置に基づいて前記起点オブジェクトの前記向きを変えることが、前記標的オブジェクトの方へ向くように前記起点オブジェクトを部分的に又は完全に回転させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記起点オブジェクトを前記部分的に又は完全に回転させることが、前記起点オブジェクトに関する既定の最大回転角度によって制約される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記1組の潜在的標的オブジェクトが前記アクションに関連する1つ又は複数の領域内に配置されていると判定される標的オブジェクトを含み、
前記アクションに関連する前記1つ又は複数の領域が、前記アクションに関連する距離のレンジに少なくとも部分的に基づいて決定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
タッチスクリーンディスプレイと、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されるとき、請求項1~13の何れか一項に記載の方法をユーザ装置に少なくとも行わせる命令を含むメモリと
を含む、ユーザ装置。
【請求項15】
請求項1~13の何れか一項に記載の方法
を1つ又は複数の計算装置
に実行させるコンピュータ実行可能命令
を記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
[0001] コンピュータ及びビデオゲーム並びに汎用オペレーティングシステムによって使用されるような現代のコンピュータコントローラシステムは、画面上に表示されるオブジェクトの動きを導くための様々な技法を採用する。知られている技法は方向ベクトルを作り出すために、又はポインタ若しくは十字線等、画面上のオブジェクトを動かすための位置を指定するために、又はユーザの視点を動かすためにマウス、方向性のナブ、タッチパッド、ペン、ゲームコントローラ、又はジョイスティック等の外部の制御装置を使用することを含む。
【0002】
[0002] 一部の技法は、入力のパラメータ(例えば外部装置が動かされる速度に基づくポインタの加速度)に応じて画面上のオブジェクトの挙動を変えることにより、外部装置が動く速度を測定して画面上のオブジェクトの動きを向上させることによって更なる精巧化のレイヤを採用することができる。外部制御装置の挙動をシミュレートするやり方で入力を受け付けるようにタッチ対応装置を構成することもできる。物理的及び仮想的両方の既存の制御スキームは、望まれるほどプレーヤの入力に応答的であることが多くの場合できず、平面型画面を有するタッチ装置、即ち「仮想コントローラ」上でプレーされているゲームで特定の問題を引き起こす。アイソメトリック(「トップダウン」)カメラを有するゲームでは、仮想コントローラにアバタの向き及びその移動速度の両方を制御させることが一般的だが、マウス及びキーボード又は2個のアナログサムスティックを有する物理コントローラと比べたとき、仮想コントローラの方が精度及び入力粒度が低い。このことは、感じ取れる程度にまでゲームがプレーヤを「助ける」ときの苛立ちに加え、自らの願望と一致するように自分のアバタを容易に操作できないプレーヤの苛立ちを招く。従って、邪魔にならないプレーヤ支援技法の改善が強い関心を引く。
【発明の概要】
【0003】
概要
[0003] (例えば受信される人間の命令とは独立した)オブジェクトの自動の標的化を可能にし得る仮想コントローラを実装するための技法を本明細書で提供する。本技法は、仮想コントローラのユーザによって操作されている起点オブジェクトの向きを調節し或いは緻密化するために使用され得る。一部の実施形態では、起点オブジェクトの向きが標的にされるオブジェクトの方を向くように調節される。
【0004】
[0004] 物理コントローラとは対照的に仮想コントローラは、その上に制御入力機構の少なくとも一部が仮想的にインスタンス化される任意の適切な電子装置であり得る。例えば仮想コントローラは、ボタン又は他の入力機構を提示するように構成されるタッチスクリーンディスプレイを含み得る。タッチスクリーンディスプレイ上でのユーザのタッチは仮想コントローラの使用中に検出され得る。検出されたユーザのタッチ位置が提示されたボタンの位置に対応する場合、そのボタンを活性化することができる。
【0005】
[0005] 一実施形態ではユーザ装置によって実行される方法が開示され、この方法は、起点オブジェクト及び1組の潜在的標的オブジェクトをタッチスクリーンディスプレイ上に表示すること、起点オブジェクトに関して行われるアクションに関連するタッチ入力をタッチスクリーンディスプレイによってユーザから受け付けること、そのアクションに基づき、アクションを行うべき1組の潜在的標的オブジェクトのうちの標的オブジェクトを決定すること、その標的オブジェクトの方へ向くように起点オブジェクトの向きを変えること、及び標的オブジェクトに対して起点オブジェクトによって行われるアクションを引き起こすことを含む。
【0006】
[0006] 一実施形態は、タッチスクリーンディスプレイと、プロセッサと、プロセッサによって実行されるとき、少なくとも起点オブジェクト及び1組の潜在的標的オブジェクトをタッチスクリーンディスプレイ上に表示すること、起点オブジェクトに関して行われるアクションに関連するタッチ入力をタッチスクリーンディスプレイによってユーザから受け付けること、そのアクションに基づき、アクションを行うべき1組の潜在的標的オブジェクトのうちの標的オブジェクトを決定すること、その標的オブジェクトの方へ向くように起点オブジェクトの向きを変えること、及び標的オブジェクトに対して起点オブジェクトによって行われるアクションを引き起こすことを計算装置に行わせる命令を含むメモリとを含む、計算システムを対象とする。
【0007】
[0007] 一実施形態は、起点オブジェクト及び1組の潜在的標的オブジェクトをタッチスクリーンディスプレイ上に表示すること、起点オブジェクトに関して行われるアクションに関連するタッチ入力をタッチスクリーンディスプレイによってユーザから受け付けること、そのアクションに基づき、アクションを行うべき1組の潜在的標的オブジェクトのうちの標的オブジェクトを決定すること、その標的オブジェクトの方へ向くように起点オブジェクトの向きを変えること、及び標的オブジェクトに対して起点オブジェクトによって行われるアクションを引き起こすことを含む行為を実行時に1つ又は複数の計算装置に集合的に行わせるコンピュータ実行可能命令を集合的に記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体を対象とする。
【0008】
[0008] 上記の内容は他の特徴及び実施形態と共に、以下の明細書、添付の特許請求の範囲、及び添付図面を参照するときより明らかになる。この特許が範囲として含む本発明の実施形態は、この概要ではなく添付の特許請求の範囲によって定められる。この概要は本発明の様々な態様の高度な概略であり、以下の詳細な説明の節の中で更に記載する概念の幾つかを紹介する。この概要は特許請求の範囲に記載する内容の重要な又は必須の特徴を識別することは意図せず、特許請求の範囲に記載する内容の範囲を決定するために分離して使用されることも意図しない。本内容は、この特許の全明細書、任意の又は全ての図面、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解すべきである。
【0009】
図面の簡単な説明
[0009] 添付図面に関して詳細な説明を記載する。図中、参照番号の先頭の数字はその参照番号が初めて登場する図面を識別する。異なる図面内で同じ参照番号を使用することは同様の又は同一のアイテム又は特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[0010]本開示の様々な実施形態による、仮想コントローラが使用可能なサービス環境を示す単純化したシステム図である。
【
図2】[0011]実施形態による、オブジェクトの自動の標的化を実装し得る仮想コントローラを含む環境の説明のための例を示す。
【
図3】[0012]実施形態による、仮想化された物理コントローラの実装をサポートする計算システムアーキテクチャの様々なコンポーネントを示すブロック図である。
【
図4】[0013]実施形態による、オブジェクトの標的化を行うためのプロセスの図表による解説図を示す。
【
図5】[0014]実施形態による、仮想コントローラ上でチャージ操作を実行するためのプロセスの図表による解説図を示す。
【
図6】[0015]実施形態による、オブジェクトを自動で標的化し、そのアクションに対してアクションを実行するためのプロセスフローの一例を示す。
【
図7】[0016]実施形態による、仮想化された物理コントローラ上でのオブジェクトの自動の標的化を実装することを引き起こすためのプロセスフローの一例を示す流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
[0017] 以下の説明では様々な実施形態を記載する。この説明では実施形態の完全な理解を与えるために特定の構成及び詳細を記載する。しかし、それらの特定の詳細なしに実施形態を実践できることも当業者に明らかになる。更に、記載する実施形態を不明瞭にしないためによく知られている特徴を省略し又は簡略化する場合がある。
【0012】
[0018] 本明細書の実施形態は、仮想コントローラと共に使用するための改善されたオブジェクトの標的化をもたらすための技法を対象とする。一部の実施形態では、かかる技法はまず潜在的標的オブジェクトの数を識別することを含むことができ、かかるオブジェクトは起点オブジェクトに関連するアクションが行われ得るオブジェクトを含み得る。一部の実施形態では、潜在的標的オブジェクトの数は、行われるアクションに関連しているものとして識別される1つ又は複数の領域内に位置するオブジェクトによって識別され得る。潜在的標的オブジェクトの数が識別されると、本技法は1組の潜在的標的オブジェクトから標的オブジェクトを決定すること、及びその向きがその標的オブジェクトの方へ向くように起点オブジェクトを再位置付けすることを含み得る。
【0013】
[0019] 本開示の実施形態は、従来のシステムに勝る幾つかの利点を提供する。物理コントローラを含むシステムでは、物理的な方向性のコントロールパッドが高い精度で動きの制御をもたらすことができる。しかし、タッチスクリーンディスプレイを有する仮想コントローラを含むシステムでは、動きの制御がタッチスクリーンディスプレイ上で表示される方向性のパッドによってもたらされ得る。ユーザのスワイプの検出が困難な場合があり又は正確な方向を与え損ねる場合があるので、かかるシステムでは動きの制御が精度の低さに悩まされる場合がある。従って、ユーザは仮想コントローラを使用して自分が操作しているキャラクタの所望の向きを実現することを難しいと思う場合がある。
【0014】
[0020] 本明細書に記載の実施形態は、プレーヤにとって自然に及び控え目に感じるやり方でプレーヤのアバタの位置及び向きを自動で変えることにより、(最初にボタンを押すこととは別に追加の入力なしに)プレーヤが標的と「対話」することをより容易にする。これらの方法は、プレーヤのアバタ、対話の種類(例えば攻撃vs拾い上げる)、及び様々な能力(例えばパンチvs強パンチ)に基づいて標的捕捉パラメータを変更することを可能にする。
【0015】
[0021]
図1は、本開示の様々な実施形態による、仮想コントローラが使用可能なサービス環境100を示す単純化したシステム図である。サービス環境100は少なくとも1つのサーバ101を含み、少なくとも1つのサーバ101は、少なくとも1つのプロセッサ103及びサービス環境の動作を促進するための命令をソフトウェアとして記憶している非一時的メモリ105を含む。サーバ101は、典型的には個々のローカルユーザネットワーク131、141(例えば消費者又は商業ローカルエリアネットワーク、WIFIネットワーク等)と共に動作する任意の適切な数のユーザ所有クライアント装置133、143とネットワーク121(例えばインターネット又はローカルネットワーク)を介して接続される。
【0016】
[0022] サーバ101は、サーバ101とクライアント装置133、143との間のネットワークをモニタする任意の適切な数の制御サービス111、例えば独自のプロセッサ113及びメモリ115を有するネットワーク接続計算システムに接続することもできる。一部の実施形態では、サーバ101が商業規模で動作している1つ又は複数のサーバ、例えばデータセンタ又はサーバファームであり得る。クライアント装置133、143は、これだけに限定されないが消費者のパーソナルコンピュータ、ビデオゲーム機、ローカル画面上で提示するためにサーバ101からビデオコンテンツをストリームするように動作可能なシンクライアント装置、又はスマートフォン、タブレット等のモバイル装置を含み得る。クライアント装置133、143は任意の適切な数のコントローラ、例えばコントローラ135、137、145、147に接続し得る。
【0017】
[0023] 各コントローラ(例えばコントローラ135)は、その個々のクライアント装置133と通信するための接続性ハードウェア及びプロトコルを有するハードウェア装置(例えばコンソール固有のコントローラ、横断的に対応したコントローラ、又は仮想コントローラ)であり得る。一部の実施形態によれば、コントローラ135はシンクライアント装置又はタッチスクリーン装置上で動作する仮想化されたコントローラ、例えばタッチスクリーンスマートフォン、タブレット、又はタッチ対応パネルを有するコンソール様のコントローラとすることができる。例えばクライアント装置133がシンクライアント装置又はモバイル装置である一部の更なる実施形態によれば、コントローラ135はクライアント装置に組み込まれる仮想化されたコントロールを有するタッチスクリーンであり得る。或いはクライアント装置133がシンクライアント装置でも、コントローラ135はクライアント装置と物理的に又は無線で接続するように構成されるハードウェアコントローラであり得る。一部の実施形態によれば、クライアント装置133及びサーバ101が同じハードウェア上で動作することができ、例えばクライアント装置がサーバ上の仮想インスタンスとして実行される。
【0018】
[0024] 本明細書に記載の方法は、
図1に記載したサービス環境100等のサービス環境と共にクライアント装置上で実装することができる。本方法は、画面上のアバタの向き及び動きの両方を操作する仮想コントローラの任意配置の脈絡で更に機能し得る。
【0019】
[0025] 明瞭にするために、一定数のコンポーネントを
図1に示す。但し、本開示の実施形態は各コンポーネントの複数を含み得ることが理解されよう。加えて本開示の一部の実施形態は、
図1に示したコンポーネントの全てよりも少ない又は多いコンポーネントを含み得る。加えて、
図1のコンポーネントは任意の適切な通信プロトコルを使用して任意の適切な通信媒体(インターネットを含む)によって通信し得る。
【0020】
[0026]
図2は、実施形態による、オブジェクトの自動の標的化を実装し得る仮想コントローラを含む環境200の説明のための例を示す。まず200aに示すように、ゲームはプレーヤの「標的」を識別したいと決定する(通常その理由はプレーヤがボタン(例えば「パンチ」)を押すからだが、常にそうではない(ことによるとプレーヤが対話し得るアイテムを強調表示し、そのロジックを実行したい場合がある))。追跡される情報は、プレーヤのアバタ201、敵対するアバタ又は対話可能なアイテムであり得る近くの標的202及び遠くの標的203に関する位置情報、並びにプレーヤのアバタの向いている方向204又は動きの方向を含む。
【0021】
[0027] 200bで示すように、アバタの位置201から指定の半径の球形衝突検査205を行ってあり得る標的、例えば近くの標的202を探す。指定の半径の外側にあることから遠くの標的203は除外される。範囲内の標的ごとに、プレーヤの入力ベクトル(プレーヤが仮想ジョイスティック上で入力を行っている場合。さもなければ単にアバタの向きを使用する)との間の角度デルタに注目し、構築されるベクトルの角度は標的の位置に対するアバタの位置を形成する。これは基本的には、向いている方向204に関する指定の角度にわたるアバタ201からの円錐形試験206である。標的の表示位置が円錐の外側にあるが、標的の「ピル」(全標的オブジェクトのサイズを表す3d形状)が円錐の内部にあることもあり得る。予備として、200cに示すように、標的のピルを取り、標的角度が許容するプレーヤのアバタから最大限の左方向及び最大限の右方向への2本の「線分」を試験し、線分207が標的202(又は標的若しくは「ピル」の概算)と交差するかどうかを確かめることができる。交差する場合、それを有効な標的と見なす。最後に、プレーヤのアバタまでの近接度によって見つけた標的をソートする。200dに示すように、有効な標的202を識別したとき、及びプレーヤの入力に応答し、ゲームシステムは識別済みの標的に対する指示されたアクションをプレーヤのアバタに実行させることができる。
【0022】
[0028] この方法に関して力強いのは、所与のプレーヤ入力について様々なパラメータを用いて複数回実行され得ることである。例えば設計者はこの方法を小さい半径及び大きい角度で1回実行し、2回目は大きい半径及び小さい角度で実行することができる。最初の発動で標的が見つかる場合、設計者は命中させるために整列するようにプレーヤのアバタの向きを標的の方に素早く変えることができるが、2回目のクエリで見つかる場合はプレーヤのアバタの向きを僅かにしか変えることができないが、より離れた標的に向けてアバタの動きを加速させることができる。
【0023】
[0029]
図3は、実施形態による、仮想化された物理コントローラの実装をサポートする計算システムアーキテクチャの様々なコンポーネントを示すブロック図である。このシステムアーキテクチャは、少なくとも1つのコントローラ302を含み得る。一部の実施形態では、コントローラ302が1つ又は複数のサーバ304と通信することができ、サーバ304は
図1に関して記載したサーバ101の一例であり得る。一部の実施形態では、1つ又は複数のサーバ101がコントローラ302のためのバックエンドサポートを提供し得る。例えば一部の事例では、コントローラ302によって行われるものとして記載した処理の少なくとも一部がサーバ101によって代わりに実行され得る。一部の実施形態では、コントローラ302がクライアント装置306と通信することができる。クライアント装置306は、
図1に関して上記で記載したクライアント装置133又は143の一例であり得る。一部の実施形態では、クライアント装置306が表示装置308と更に通信することができる。本明細書に記載のコンポーネントのそれぞれは、ネットワーク310上の接続によって通信することができる。
【0024】
[0030] コントローラ302は、本明細書に記載の操作の少なくとも一部を実行するように構成され、ユーザがソフトウェアアプリケーションと対話することを可能にするように構成される任意の適切な計算装置を含み得る。一部の実施形態では、コントローラはタッチスクリーン機能を有するモバイル装置(例えばスマートフォン又はタブレット)であり得る。コントローラ302は、通信インタフェース312、1つ又は複数のプロセッサ314、メモリ316、及びハードウェア318を含み得る。通信インタフェース312は、コントローラ302が他のネットワーク化された装置との間でデータを送受信することを可能にする無線及び/又は有線の通信コンポーネントを含み得る。ハードウェア318は、追加のユーザインタフェース、データ通信、又はデータ記憶ハードウェアを含み得る。例えばユーザインタフェースは、少なくとも1つの出力装置320(例えばビジュアルディスプレイ、オーディオスピーカ、及び/又は触覚フィードバック装置)及び1つ又は複数のデータ入力装置322を含み得る。データ入力装置322は、これだけに限定されないが1つ又は複数のキーパッド、キーボード、マウス装置、ジェスチャを受け付けるタッチスクリーン、マイクロホン、音声又は言語認識装置、及び他の任意の適切な装置の組み合わせを含み得る。
【0025】
[0031] メモリ316は、コンピュータ記憶媒体等のコンピュータ可読媒体を使用して実装され得る。コンピュータ可読媒体は少なくとも2種類のコンピュータ可読媒体、即ちコンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ等の情報を記憶するための任意の方法又は技術によって実装される任意の適切な揮発性及び不揮発性の脱着可能及び脱着不能媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、これだけに限定されないがRAM、DRAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学記憶域、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶域又は他の磁気記憶装置、又は計算装置によるアクセスのための情報を記憶するために使用可能な他の任意の非伝送媒体を含む。対照的に、搬送波又は他の伝送機構等、通信媒体は変調データ信号内のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータを具体化し得る。
【0026】
[0032] コントローラの1つ又は複数のプロセッサ314及びメモリ316は、1つ又は複数のソフトウェアモジュール及びデータストアを含む機能を実装することができる。かかるソフトウェアモジュールは、特定のタスクを実行し又は特定のデータ型を実装するためにプロセッサ314によって実行されるルーチン、プログラム命令、オブジェクト、及び/又はデータ構造を含み得る。より具体的には、メモリ316は、仮想コントローラのためのオブジェクトの標的化を行うように構成されるモジュール(例えばオブジェクト標的化モジュール324)、並びに仮想化されたコントローラの入力機構のための構成情報を保ち実装するように構成されるモジュール(例えば構成管理モジュール326)を含み得る。
【0027】
[0033] 加えてメモリ316は、様々なデータストアを含み得る。例えばメモリ316は、脈絡に基づく仮想化されたコントローラの構成に関するデータ(例えば構成データ328)を保つことができる。一部の実施形態では、かかる構成データが状態に基づいて実装されるべき入力機構の1つ又は複数の側面の指示を含み得る。例えば構成データは、個々の状態に関係する各入力機構のサイズ、位置、形状、外観(例えば色、陰影、及び/又はテキスト)の指示を含み得る。一部の事例では、構成データは特定の状態中にどの入力機構を提示すべきか又は提示すべきでないかを示すことができる。
【0028】
[0034] 一部の実施形態では、メモリ316は、コントローラの1人又は複数のユーザに関するオブジェクトの標的化の好みに関する情報を記憶するユーザプリファランスに関するデータ(例えばプリファランスデータ330)を更に保つことができる。一部の実施形態では、ユーザプリファランスはユーザによって示され得る。例えばユーザは、指定の条件下の自動標的化について選択すべき標的オブジェクトに関する情報を(例えばセットアップ又は構成段階中に)提供することができる。一部の実施形態では、ユーザプリファランスデータはユーザが示した過去のオブジェクト標的化パターンに関する情報を含み得る。例えばそのデータは、ユーザに提示される標的オブジェクトの組み合わせを所与とし、それらのオブジェクトのどれがそのユーザによって典型的に選択されるのかを示し得る。この例では、プリファランスデータは過去の使用データに基づいて生成されるランク付けデータを含み得る。
【0029】
[0035] オブジェクト標的化モジュール324は、プロセッサ314と共に、アクションを行うべき1つ又は複数のオブジェクトを識別するように構成され得る。一部の実施形態では、1つ又は複数の領域(例えば円錐区域)内のオブジェクトを識別することによって生成される1組の潜在的標的オブジェクトから1つ又は複数のオブジェクトが選択される。一部の実施形態では、オブジェクト標的化モジュール324は、生成済みの1組の潜在的標的オブジェクトから、それらのオブジェクトのそれぞれに指定される優先順位に関する情報に基づいてオブジェクトを選択するように構成され得る。一部の実施形態では、オブジェクトはユーザによって過去に標的化されてきたオブジェクトに関する情報に基づいて選択され得る。一部の実施形態では、オブジェクトは個々のオブジェクトとユーザによって操作されているオブジェクト(例えばキャラクタ)との間の距離に基づいて1組のオブジェクトから選択され得る。
【0030】
[0036] 構成管理モジュール326は、プロセッサ314と共に、コントローラ302上で提示されるユーザインタフェース内の1つ又は複数の入力機構の配置に関する構成情報を生成し管理するように構成され得る。一部の実施形態では、構成管理モジュールは、一部の実施形態による入力機構のレイアウトのカスタム化を促進する。かかるカスタム化は、参照によりその全体を本明細書に援用する、Gregory Pengによる「Virtualized Physical Controller」と題された関係する関連の特許協力条約(PCT)出願第US2022/019240号の中で記載されていることに留意すべきである。
【0031】
[0037] サーバ304は、サーバ304に起因する操作の少なくとも一部を実行するように構成される任意の計算装置を含み得る。サーバ304は、1つ又は複数の汎用コンピュータ、専用サーバコンピュータ(例としてPC(パーソナルコンピュータ)サーバ、UNIX(登録商標)サーバ、ミッドレンジサーバ、メインフレームコンピュータ、ラックマウント式サーバ等を含む)、サーバファーム、サーバクラスタ、又は他の任意の適切な構成及び/又は組み合わせで構成され得る。サーバ304は、仮想オペレーティングシステムを実行する1つ又は複数の仮想マシン、又はコンピュータのための仮想記憶装置を保つために仮想化可能な論理記憶装置の1つ又は複数の柔軟なプール等、仮想化を伴う他の計算アーキテクチャを含み得る。例えばサーバ304は、クラウド内にホストされる仮想マシン又はソフトウェアコンテナ形式の仮想計算装置を含み得る。
【0032】
[0038] クライアント装置306は、コントローラ302から入力を受け付け、その入力に基づいてアクションを行うように構成される任意の適切な計算装置を含み得る。一部の実施形態では、クライアント装置はゲーム機等のゲームシステムとすることができ、かかるゲームシステムはソフトウェアアプリケーション(例えばコンピュータゲーム)内のアバタ又はキャラクタを操作するためにそのそれぞれが使用され得る入力を幾つかのコントローラから受け付けることができる。
【0033】
[0039]
図4は、実施形態による、オブジェクトの標的化を行うためのプロセスの図表による解説図を示す。プロセス400は、
図3に関して上記で説明したコントローラ302等の仮想物理コントローラが実装されるユーザ装置上で実行することができる。実施形態では、このプロセスはソフトウェアアプリケーションによってインスタンス化される1つ又は複数のオブジェクトに対して実行することができる。かかるオブジェクトは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)402によってディスプレイ上に示され得る。
【0034】
[0040] 一部の実施形態では、標的化されるオブジェクトを選択するためのプロセスは起点オブジェクト404に関して実行することができる。一部の実施形態では、起点オブジェクトはアバタキャラクタ等、コントローラを介してユーザによって操作されるオブジェクトであり得る。起点オブジェクトは、ディスプレイ上で示される空間内の現在位置、並びに起点オブジェクトの前面が向いている方向を表す現在の向き406を有し得る。起点オブジェクト404に加え、ディスプレイ上で示される空間内には幾つかの潜在的標的オブジェクト408(a~d)も配置され得る。
【0035】
[0041] 先に述べたように、標的化されるオブジェクトを選択するためのプロセスは、起点オブジェクトに関して行われるアクションによって標的化される潜在的標的オブジェクト408の1つ又は複数を識別することを含み得る。これを行うために、オブジェクト408それぞれの位置を起点オブジェクト及び起点オブジェクトの向きに関して求めることができる。標的化されるオブジェクトを選択するためのプロセスでは、起点オブジェクトに関して幾つかの領域又は区域410(a~c)が作成される。一部の実施形態では、幾つかの領域は円錐であり得る。かかる円錐は少なくとも部分的に重複し得る。一部の事例では、幾つかの領域の中の各領域に優先順位又は重み値を指定することができる。一部の実施形態では、幾つかの領域の各領域の長さが、起点オブジェクトによって実行可能な幾つかのアクションのうちのアクションに関連するレンジに対応し得る。
【0036】
[0042] このプロセスでは、個々のオブジェクト408のそれぞれがどの領域410内に位置するのかに関する判定を行うことができる。領域の1つ又は複数の中に位置するものとして識別される各オブジェクトの指示を含むように、1組のオブジェクトを生成することができる。一部の事例では、個々のオブジェクトが位置すると判定される領域に基づいて各オブジェクトに優先順位又は重みを更に指定することができる。1組のオブジェクトが生成されると、行われるアクションに標的となるようにその1組のオブジェクトからオブジェクトを選択することができる。一部の実施形態では、生成される1組のオブジェクトが制限又は限定され得る。例えば1つ又は複数のオブジェクトは、それらのオブジェクトに関する情報に基づいて生成済みの1組のオブジェクトから除去することができる。この例では、起点オブジェクトによって行われるアクションにレンジが関連することができ、レンジはアクションが行われ得る最大距離を表す。この例を続け、オブジェクトであって、そのオブジェクトと起点オブジェクトとの間の距離が閾値距離を上回る、オブジェクトが生成済みの1組のオブジェクトから除去される。
【0037】
[0043] 任意の数の適切な要因に基づき、アクションの標的となるオブジェクトを生成済みの1組のオブジェクトから選択することができる。一部の実施形態では、オブジェクトは1組のオブジェクト内のオブジェクトのそれぞれに指定される優先順位に基づいて選択され得る。一部の実施形態では、オブジェクトはオブジェクトが位置すると判定される領域に基づいて選択され得る。一部の実施形態では、オブジェクトはユーザプリファランスに基づいて選択され得る。例えば2つ以上のオブジェクトが潜在的標的オブジェクトとして識別される場合、ユーザに関する過去のオブジェクト標的化パターンに基づいて2つ以上のオブジェクト間の選択を行うことができる。この例では、幾つかの潜在的標的オブジェクトが提示されるとき、アクションを行う場合にどの潜在的標的オブジェクトがユーザによって典型的には好まれるのかを明らかにするために、ユーザに関する過去の使用データを識別することができる。かかる好みは、アクションが行われる対象となるユーザによって選択されるオブジェクトと起点オブジェクトとの間の距離、被選択オブジェクトと起点オブジェクトの向きとの間の角度、被選択オブジェクトの種類、又は他の任意の適切な要因に関する情報を含み得る。
【0038】
[0044]
図5は、実施形態による、仮想コントローラ上でチャージ操作を実行するためのプロセスの図表による解説図を示す。プロセス500は、仮想コントローラが実装され得るユーザ装置502(A~C)の一連の画像上で描かれている。図示のように、仮想コントローラはタッチスクリーンディスプレイ上で提示されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)504によって実装され得る。
【0039】
[0045] 図示のように、起点オブジェクト506が関連する位置及び向きにおいてGUI内に配置されているものとして表示されている。加えて、幾つかの潜在的標的オブジェクト508及び510もGUI内に配置されているものとして表示され得る。これらの事例では、初期状態の間、起点オブジェクト506の向きが幾つかの潜在的標的オブジェクトの何れとも揃っていない場合がある。
【0040】
[0046] ユーザはボタン(例えばボタン512又は514)を押すことで起点オブジェクトによって行われるアクションを開始することができる。一部の実施形態では、ボタン512及び514のそれぞれが行われる異なるアクションに関連し得る。一部の事例では、異なるアクションのそれぞれが対応する異なるレンジに関連し得る。これらの事例では、行われ得るアクションのそれぞれに関する有効な標的オブジェクトが、それらのアクションに関する個々のレンジに少なくとも部分的に依存する。
【0041】
[0047] ユーザによるボタンの選択時にアクションを開始することができ、標的オブジェクトを選択するためにそのアクションに基づいてオブジェクト選択プロセスを行うことができる。標的オブジェクトが選択されると、起点オブジェクトの向きが被選択標的オブジェクトを狙うように起点オブジェクトを再位置付けする(例えば回転させる)ことによって自動標的化プロセスが実行され得る。
【0042】
[0048] 第1の例では、ユーザが第1のアクションを開始するボタン512を選択し得る。この例では、第1のアクションに関連するレンジは相対的に短くあることができ、そのため1組の潜在的標的オブジェクト508及び510のうち、オブジェクト508はレンジ内にあることができ、オブジェクト510はレンジ外にあることができ、オブジェクト508が唯一の有効な潜在的標的であることをもたらす。かかる事例ではオブジェクト508が第1のアクションの標的として選択される。起点オブジェクトがオブジェクト508に向けて回転され、第1のアクションが行われる。
【0043】
[0049] 第2の例では、ユーザが第2のアクションを開始するボタン514を選択し得る。この例では、第2のアクションに関連するレンジが十分長くあることができ、そのためオブジェクト508及び510のそれぞれがレンジ内にあることができ、オブジェクト508及び510の両方が有効な潜在的標的であることをもたらす。かかる事例では、オブジェクト508とオブジェクト510との間で、オブジェクト510の方が起点オブジェクトの現在の向きに近く(例えば起点オブジェクトからより小さい角度で)配置されている可能性がある。この例では、オブジェクト510が第2のアクションの標的として選択される。起点オブジェクトがオブジェクト510に向けて回転され、第2のアクションが行われる。
【0044】
[0050]
図6は、実施形態による、オブジェクトを自動で標的化し、そのアクションに対してアクションを実行するためのプロセスフロー600の一例を示す。プロセス600は、これだけに限定されないが
図1に示すサービス環境100を含む任意の適切なサービス環境上で実行され得る。様々な実施形態によれば、プロセス600は、601で、ゲームシステムにより仮想空間内のプレーヤのアバタの向いている方向に対応する入力ベクトルを受信することを含む。この向いている方向は、行われている操作(例えば動きの入力)の結果とすることができ、又は前の入力の結果であり得る。次いで本システムは、602で、標的に対してアバタが行うことができるアクション、例えば攻撃又はアイテムを拾う命令に対応する第1の入力を感知することができる。第1の入力を感知することに応答し、本システムは603で、アバタから既定の距離内にある可能な標的を識別するためにボリューム検査を行い、604で、入力ベクトルに基づいて向いている方向からの既定の角度内にある可能な標的を識別するために円錐形検査を行う。ボリューム検査及び円錐形検査は何れの順序にしても連続して行うことができ、又は同時に行われ得る。次いで本システムは、605で、標的候補がアバタから既定の距離内で、及び向いている方向から既定の角度内で識別されることに基づいて可能な標的から標的候補を識別する。本システムは複数の標的候補を識別できることに留意されたく、その場合、本システムは標的を様々なやり方で、例えばアバタからの距離に基づいて標的を順序付けることによって、選択された標的及び向いている方向のベクトルからの距離を最小化するように標的を順序付けることによって、又は上記のものの組み合わせによって優先順位付けすることができる。標的候補が選択されると、606で、標的候補の方にアバタを向けるためにアバタの向いている方向をシステムが調節し、607で、標的候補に対するアバタによる第1の入力に対応するアクションを実行する。
【0045】
[0051]
図7は、実施形態による、仮想化された物理コントローラ上でのオブジェクトの自動の標的化を実装することを引き起こすためのプロセスフロー700の一例を示す流れ図を示す。プロセス700は、ユーザ入力に基づいて活性化データを生成するように構成される計算装置によって実行され得る。例えばプロセス700は、ユーザとソフトウェアアプリケーションとの間の対話を促進することができる、
図3に関して上記で記載したコントローラ302等のコントローラによって実行され得る。一部の実施形態では、かかるソフトウェアアプリケーションはユーザがプレーするビデオゲームである。
【0046】
[0052] 702で、プロセス700は起点オブジェクト及び1組の潜在的標的オブジェクトを表示することを含む。一部の実施形態では、起点オブジェクトはユーザによって操作されているビデオゲーム内のオブジェクト(例えばアバタ)である。一部の実施形態では、1組の潜在的標的オブジェクトがアクションに関連する1つ又は複数の領域内に配置されていると判定される標的オブジェクトを含む。一部の事例では、かかる領域の形状が円錐であり得る。それらの実施形態では、アクションに関連する1つ又は複数の領域が、アクションに関連する距離のレンジに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。
【0047】
[0053] 704で、プロセス700は起点オブジェクトによって行われるアクションに関連するタッチ入力を受け付けることを含む。一部の実施形態では、起点オブジェクトはユーザ装置によってプレーヤが操作するアバタを含む。一部の実施形態では、ユーザがを確立する
【0048】
[0054] 706で、プロセス700は、アクションを行うべき1組の潜在的標的オブジェクトのうちの標的オブジェクトを決定することを含む。一部の実施形態では、標的オブジェクトはユーザに関連するプリファランスデータに基づいて1組の潜在的標的オブジェクトから決定される。一部の事例では、ユーザに関連するプリファランスデータは、ユーザが行った過去のオブジェクトの標的化に関する情報を含み得る。一部の実施形態では、ユーザに関連するプリファランスデータはユーザが行った過去のオブジェクトの標的化に関する情報を含み得る。例えばユーザに関連するプリファランスデータは、構成段階中にユーザによって提供される情報を含み得る。
【0049】
[0055] 708で、プロセス700は標的オブジェクトの方へ少なくとも部分的に向くように起点オブジェクトの向きを変えることを含む。一部の実施形態では、起点オブジェクトの向きは、タッチスクリーンディスプレイ上に実装される方向性のコントロールパッドによって等、1組の潜在的オブジェクトのうちの標的オブジェクトを決定する前にユーザによって確立される。一部の事例では、1組の潜在的オブジェクトのうちの標的オブジェクトが向きに少なくとも部分的に基づいて決定される。例えば標的オブジェクトは、起点オブジェクトの向きからの標的オブジェクトの角度の近接度に基づいて決定され得る。換言すれば、標的オブジェクトは起点オブジェクトが狙う場所までどの程度近いのかに基づいて選択され得る。
【0050】
[0056] 一部の実施形態では、標的オブジェクトの方へ少なくとも部分的に向くように起点オブジェクトの向きを変えることが、起点オブジェクトを或る角度回転させることを含む。一部の実施形態では、タッチ入力を受け付けるたびに起点オブジェクトが標的オブジェクトの方に向くように或る角度回転されるという点で、起点オブジェクトを標的オブジェクトの方へ増分的に回転させることができる。一部の実施形態では、回転角度は起点オブジェクトに関する最大回転に制約され得る。例えば標的オブジェクトが起点オブジェクトの現在の向きから45度の角度で位置し、最大回転が20度である場合、起点オブジェクトはタッチ入力が検出される最初の2回は標的オブジェクトの方向に20度回転させられ、タッチ入力が検出される3回目は標的オブジェクトの方向に5度回転させられ得る。
【0051】
[0057] 710で、プロセス700は標的オブジェクトに対して起点オブジェクトによって行われるアクションを引き起こすことを含む。一部の実施形態では、アクションは起点オブジェクトと標的オブジェクトとの間の対話である。例えば起点オブジェクトがユーザによって操作されているアバタである場合、起点オブジェクトは標的オブジェクトを拾い上げること、攻撃すること、或いは標的オブジェクトと対話することを行わされ得る。一部の実施形態では、対話は、起点オブジェクトの向きが標的オブジェクトの方へ向くように再位置付けされたら、起点オブジェクトがその標的オブジェクトの方に移動することを含み得る。
【0052】
[0058] 本明細書に記載の方法は仮想コントローラ、即ち容易にカスタマイズされるコントローラボタンのレイアウトを提供するタッチスクリーン又はタッチスクリーン様の機能を使用するコントローラを対象とする。一部の実施形態によれば、タッチスクリーンは、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、シンクライアント装置(例えば画面にプラグで接続されたUSB又はHDMI装置)等のゲーム装置とインタフェースする物理的な手持ち式コントローラの少なくとも一部である。一部の実施形態によれば、タッチスクリーンは、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、シンクライアント装置(例えば画面にプラグで接続されたUSB又はHDMI装置)等のゲーム装置とインタフェースするコントローラの顕著な特徴である。一部の実施形態によれば、コントローラは、モバイル装置又はタブレットをゲーム機、パーソナルコンピュータ、シンクライアント装置(例えば画面にプラグで接続されたUSB又はHDMI装置)等のゲーム装置又は他の適切なゲーム装置に接続するイネーブリングソフトウェアと共にモバイル装置又はタブレットで構成される。一部の更なる実施形態によれば、タッチスクリーンがゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレット、又はスマートフォン等のゲーム装置のタッチ対応画面である。
【0053】
[0059] 本明細書及び図面は制限的な意味ではなく例示的な意味で考えるべきである。但し、添付の特許請求の範囲に記載の本開示のより広範な趣旨及び範囲から逸脱することなしに様々な修正及び変更を加えることができることが明白になる。
【0054】
[0060] 他の改変形態も本開示の趣旨に含まれる。従って開示した技法は様々な修正及び代替的構造に影響されやすいが、例示するその一定の実施形態が図示されており、上記で詳細に説明されている。但し、開示した特定の形式に本発明を限定することは意図せず、逆に意図は添付の特許請求の範囲の中で定める本発明の趣旨及び範囲に含まれる全ての修正、代替的構造、及び等価物を対象として含むことだと理解すべきである。
【0055】
[0061] 開示した実施形態を記載する文脈における(とりわけ添付の特許請求の範囲の文脈における)「a」及び「an」及び「the」という用語並びに同様の指示対象の使用は、本明細書で別段の指示がない限り又は文脈によって明確に矛盾しない限り単数形及び複数形の両方を含むように解釈すべきである。「comprising(~を備える)」、「having(~を有する)」、「including(~を含む)」、及び「containing(~を包含する)」という用語は、別段の定めがない限り非制限的な用語(即ち「including, but not limited to(~を含むが、それだけに限定されない)」を意味する)として解釈すべきである。「connected(接続された)」という用語は、何らかの介在物がある場合でも部分的に又は完全に含まれる、付加される、又は結合されるものとして解釈すべきである。本明細書での値域の列挙は、本明細書で別段の指示がない限りその範囲内に収まる各々の別個の値を個々に言及する簡単な方法として役立つことを単に意図し、各々の別個の値は本明細書で個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載する全ての方法は、本明細書で別段の指示がない限り或いは文脈によって明確に矛盾しない限り任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で与える任意の及び全ての例又は例示的な言語(例えば「such as(~等)」)の使用は、別様に主張されない限り、単に本発明の実施形態をより十分に解明することを意図し、本発明の範囲を制限することはない。本発明を実践するために特許請求の範囲に記載されていない任意の要素が必須であることを示すものとして、本明細書の如何なる言語も解釈すべきではない。
【0056】
[0062] 本発明を実行するための本発明者らに知られている最良の形態を含め、本開示の好ましい実施形態を本明細書に記載した。上記の説明を読んだとき、それらの好ましい実施形態の改変形態が当業者に明らかになり得る。本発明者らは当業者が必要に応じてかかる改変形態を用いることを予期し、本発明が本明細書に具体的に記載するのとは別様に実践されることを意図する。従って本発明は、適用される法律によって認められる、本明細書に添付した特許請求の範囲に列挙する内容の全ての修正及び等価物を含む。更に、本明細書で別段の指示がない限り或いは文脈によって明確に矛盾しない限り、そのあり得る全ての改変形態における上記の要素の如何なる組み合わせも本発明に包含される。
【0057】
[0063] 以下、本発明の態様の理解を促進するために更なる例を記載する。
【0058】
[0064] 起点オブジェクト及び1組の潜在的標的オブジェクトをタッチスクリーンディスプレイ上に表示すること、
起点オブジェクトによって行われるアクションに関連するタッチ入力をタッチスクリーンディスプレイによってユーザから受け付けること、
そのアクションに基づき、アクションを行うべき1組の潜在的標的オブジェクトのうちの標的オブジェクトを決定すること、
起点オブジェクトに対する標的オブジェクトの相対位置に基づいて起点オブジェクトの向きを変えること、及び
起点オブジェクトによって行われるアクションを引き起こすこと
を含む、方法。
【0059】
[0065] 1組の潜在的標的オブジェクトから標的オブジェクトを決定することが、アクションに関連する1つ又は複数のボリュームの外側にあると判定される1組の潜在的標的オブジェクトのサブセットを除外することを含む、先の例に記載の方法。
【0060】
[0066] アクションに関連する1つ又は複数のボリュームが、アクションに関連する距離のレンジに少なくとも部分的に基づいて決定される、先の例の何れか1つに記載の方法。
【0061】
[0067] アクションに関連する1つ又は複数のボリュームが、起点オブジェクトから向いている方向へと広がる円錐セクションに少なくとも部分的に基づいて決定される、先の例の何れか1つに記載の方法。
【0062】
[0068] 起点オブジェクトの向きを変えることが、起点オブジェクトを標的オブジェクトの方へ少なくとも途中まで回転させることを含む、先の例の何れか1つに記載の方法。
【0063】
[0069] 起点オブジェクトによって行われるアクションを引き起こすことが、起点オブジェクトを標的オブジェクトの方へ移動させることを含む、先の例の何れか1つに記載の方法。
【0064】
[0070] ユーザに関連するプリファランスデータに基づいて標的オブジェクトが1組の潜在的標的オブジェクトから決定される、先の例の何れか1つに記載の方法。
【0065】
[0071] ユーザに関連するプリファランスデータは、ユーザが行った過去のオブジェクトの標的化に関する情報を含む、先の例の何れか1つに記載の方法。
【0066】
[0072] ユーザに関連するプリファランスデータは、構成段階中にユーザによって提供される情報を含む、先の例の何れか1つに記載の方法。
【0067】
[0073] タッチスクリーンディスプレイと、
プロセッサと、
プロセッサによって実行されるとき、少なくとも
起点オブジェクト及び1組の潜在的標的オブジェクトをタッチスクリーンディスプレイ上に表示すること、
起点オブジェクトによって行われるアクションに関連するタッチ入力をタッチスクリーンディスプレイによってユーザから受け付けること、
そのアクションに基づき、アクションを行うべき1組の潜在的標的オブジェクトのうちの標的オブジェクトを決定すること、
起点オブジェクトに対する標的オブジェクトの相対位置に基づいて起点オブジェクトの向きを変えること、及び
起点オブジェクトによって行われるアクションを引き起こすこと
をユーザ装置に行わせる命令を含むメモリと
を含む、ユーザ装置。
【0068】
[0074] 起点オブジェクトの向きを変えることが、標的オブジェクトと揃うように向きを増分的に調節することを含む、先の例に記載のユーザ装置。
【0069】
[0075] 1組の潜在的オブジェクトのうちの標的オブジェクトが向きに少なくとも部分的に基づいて決定される、先の例の何れか1つに記載のユーザ装置。
【0070】
[0076] 標的オブジェクトが起点オブジェクトの向きからの標的オブジェクトの角度の近接度に基づいて決定される、先の例の何れか1つに記載のユーザ装置。
【0071】
[0077] 起点オブジェクトの向きがタッチスクリーンディスプレイ上に実装される方向性のコントロールパッドによって確立される、先の例の何れか1つに記載のユーザ装置。
【0072】
[0078] 命令が、ユーザとソフトウェアアプリケーションとの間の対話を促進することができる仮想コントローラを含む、先の例の何れか1つに記載のユーザ装置。
【0073】
[0079] 起点オブジェクトに対する標的オブジェクトの相対位置に基づいて起点オブジェクトの向きを変えることが、標的オブジェクトの方へ向くように起点オブジェクトを部分的に又は完全に回転させることを含む、先の例の何れか1つに記載のユーザ装置。
【0074】
[0080] 起点オブジェクトを部分的に又は完全に回転させることが、起点オブジェクトに関する既定の最大回転角度によって制約される、先の例の何れか1つに記載のユーザ装置。
【0075】
[0081] 起点オブジェクト及び1組の潜在的標的オブジェクトをタッチスクリーンディスプレイ上に表示すること、
起点オブジェクトによって行われるアクションに関連するタッチ入力をタッチスクリーンディスプレイによってユーザから受け付けること、
そのアクションに基づき、アクションを行うべき1組の潜在的標的オブジェクトのうちの標的オブジェクトを決定すること、
標的オブジェクトの方へ向くように起点オブジェクトの向きを変えること、及び
標的オブジェクトに対して起点オブジェクトによって行われるアクションを引き起こすこと
を含む行為を実行時に1つ又は複数の計算装置に集合的に行わせるコンピュータ実行可能命令を集合的に記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0076】
[0082] 1組の潜在的標的オブジェクトがアクションに関連する1つ又は複数の領域内に配置されていると判定される標的オブジェクトを含む、先の例に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0077】
[0083] アクションに関連する1つ又は複数の領域が、アクションに関連する距離のレンジに少なくとも部分的に基づいて決定される、先の例の何れか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0078】
結論
[0084] 本内容を特徴及び方法論的行為に固有の言語で記載してきたが、添付の特許請求の範囲で定めた内容は本明細書に記載した特定の特徴又は行為に必ずしも限定されないことを理解すべきである。むしろ、特定の特徴及び行為は特許請求の範囲を実装する例示的形式として開示した。