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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】ハンディ傘乾燥丸め器
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/12 20060101AFI20240805BHJP
   F26B 5/14 20060101ALI20240805BHJP
   F26B 9/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A47G25/12 M
F26B5/14
F26B9/00 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024042884
(22)【出願日】2024-02-28
【審査請求日】2024-02-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524102936
【氏名又は名称】小島 雄飛
(72)【発明者】
【氏名】小島 雄飛
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3229655(JP,U)
【文献】登録実用新案第3238174(JP,U)
【文献】登録実用新案第3105236(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0131946(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 25/12
F26B 5/14,9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生地を丸めてバンドで固定せず、単に閉じた状態の傘の生地を、それぞれ別個に挿通する生地挿通体を複数連設した雨水除去シートにより生地全体に付着した雨水を除去するものであって、
前記生地挿通体は、
一方向に湾曲した可撓性を有する矩形状シートからなるガイドシートと前記ガイドシートよりも幅狭の挟持シートと、からなり、
前記雨水除去シートは、前記生地挿通体の湾曲方向を揃えて複数の前記ガイドシートと複数の前記挟持シートを放射状に交互に立設し、外方で隣接する前記ガイドシートと前記挟持シートとを前記ガイドシートの表面が外側となるように各々の外端部を連接して一対とする外連接部を形成した前記生地挿通体の前記ガイドシートと前記挟持シートの内端部を、内方で隣接する他の前記生地挿通体の前記ガイドシートと前記挟持シートの内端部と各々連接した内連接部を形成し、隣接する前記内連接部の間を生地案内部としたものであって、
全てのシートが前記外連接部と前記内連接部を介して環状に連接した前記雨水除去シートにより円筒状に形成したことを特徴とするハンディ傘乾燥丸め器。
【請求項5】
前記生地挿通体を8個以上備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のハンディ傘乾燥丸め器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち運びを可能にし、場所に限定されることなく手を濡らさずに、雨水の拭き取りと生地の丸めを提供する。
【背景技術】
【0002】
通常、傘を閉じたら、片方の手で柄を回転させ、もう片方の手を先端から柄の方向へ動かして生地を丸める。
【0003】
しかし、生地が広がっているので丸めるにも手が濡れる。生地も濡れたままなので雫が垂れてしまう。
【0004】
そして、生地を丸めたとしても雫を垂らしながら持ち歩くことになったり、乗り物に乗ったりすることになる。建物に入るにしても傘立てがあるような所は良いが、そのまま壁等に立て掛けていては、床に雨水が溜まってしまう。
【0005】
一部の商業施設等では、傘を挿入したらビニールが装着される装置が置いてある所もあるが、多くは、ぶら下げてあるビニールの束から1枚を抜いて、自身でそのビニールに傘を挿入させるので面倒を感じる。
【0006】
これらの技術の課題を解決するために、生地表面の雨水を拭き取る装置に関する先行技術が開示されている。
【0007】
先行技術のほとんどが、特許文献1に代表されるように、拭き取り部を備えた装置に傘を挿入して生地表面の雨水を拭っていた。
【0008】
中には、特許文献2や特許文献3に代表されるように、拭き取り部を放射状に構成して、傘が閉じた時の形状にしたものもあった。
【0009】
更には、特許文献4のように、拭き取り部分を手で握れるほどにコンパクトにしたものもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2007-33016号公報
【文献】特開2012-52749号公報
【文献】特開2012-17975号公報
【文献】特開2021-1697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1の技術では、閉じた傘を素早く挿入させて生地の表面に付着した雨水を大雑把に拭うことができるが、傘は閉じているので濡れた生地同士が引っ付き、細部まで拭き取ることは難しい。
【0012】
特許文献2や特許文献3の技術は、傘を閉じた状態での生地の形状にして生地の表面を隅々まで拭き取ろうとしているが、傘を挿入する際に、生地がその形に確実に合致して挿入できるかは傘の挿入させ方次第であるため、生地の表面を確実に拭き取ろうとすると数回の抜き差しが必要になる。
【0013】
特許文献4の技術では、閉じた傘を丸めることもでき、かつ、生地の表面に付着した雨水をある程度取り除くことはできても、生地の表面をすべて拭き取ることは難しい。
【0014】
何れの先行技術にしても、生地の表面に付着した雨水をしっかりと取り除くまでには至っていない。
【0015】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、手のひらサイズで携帯ができ、手を濡らすことなく閉じた傘を丸め、濡れたすべての生地の表面を確実に拭き取ることができるハンディ傘乾燥丸め器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以上のような目的を達成するために、本発明は以下の技術を提供する。
【0017】
請求項1に係る発明では、生地を丸めてバンドで固定せず、単に閉じた状態の傘の生地を、それぞれ別個に挿通する生地挿通体を複数連設した雨水除去シートにより生地全体に付着した雨水を除去するものであって、前記生地挿通体は、一方向に湾曲した可撓性を有する矩形状シートからなるガイドシートと前記ガイドシートよりも幅狭の挟持シートと、からなり、前記雨水除去シートは、前記生地挿通体の湾曲方向を揃えて複数の前記ガイドシートと複数の前記挟持シートを放射状に交互に立設し、外方で隣接する前記ガイドシートと前記挟持シートとを前記ガイドシートの表面が外側となるように各々の外端部を連接して一対とする外連接部を形成した前記生地挿通体の前記ガイドシートと前記挟持シートの内端部を、内方で隣接する他の前記生地挿通体の前記ガイドシートと前記挟持シートの内端部と各々連接した内連接部を形成し、隣接する前記内連接部の間を生地案内部としたものであって、全てのシートが前記外連接部と前記内連接部を介して環状に連接した前記雨水除去シートにより円筒状に形成したことを特徴とするハンディ傘乾燥丸め器を提供する。
【0018】
請求項2に係る発明では、前記生地挿通体の内側面に雨水を吸水又は/及び除去するワイパーを形成したことを特徴とする請求項1に記載のハンディ傘乾燥丸め器を提供する。
【0019】
請求項3に係る発明では、前記ワイパーは、シート状又は/及び凸状であることを特徴とする請求項2に記載のハンディ傘乾燥丸め器を提供する。
【0020】
請求項4に係る発明では、前記内連接部には、内側に傾斜して伸延するシート状の案内片を形成したことを特徴とする請求項1に記載のハンディ傘乾燥丸め器を提供する。
【0021】
請求項5に係る発明では、前記生地挿通体を8個以上備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のハンディ傘乾燥丸め器を提供する。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載の発明によれば、生地を丸めてバンドで固定せず、単に閉じた状態の傘の生地を、それぞれ別個に挿通する生地挿通体を複数連設した雨水除去シートにより生地全体に付着した雨水を除去するものであって、生地挿通体は、一方向に湾曲した可撓性を有する矩形状シートからなるガイドシートとガイドシートよりも幅狭の挟持シートと、からなり、雨水除去シートは、生地挿通体の湾曲方向を揃えて複数のガイドシートと複数の挟持シートを放射状に交互に立設し、外方で隣接する前記ガイドシートと挟持シートとをガイドシートの表面が外側となるように各々の外端部を連接して一対とする外連接部を形成した生地挿通体のガイドシートと挟持シートの内端部を、内方で隣接する他の生地挿通体のガイドシートと挟持シートの内端部と各々連接した内連接部を形成し、隣接する内連接部の間を生地案内部としたものであって、全てのシートが外連接部と内連接部を介して環状に連接した雨水除去シートにより円筒状に形成したことより、閉じた傘を円筒状の内側に挿入して傘の中心付近まで通し、雨水除去シートに生地が挿入されない方向に傘を回転させると傘を丸めることができ、雨水除去シートに生地が挿入できる方向に傘を回転させて生地が雨水除去シートにしっかりと挿入させて円筒状を傘の先端と柄との間を行ったり来たりさせると、すべての生地の表面を確実になぞることができる。
【0023】
請求項2記載の発明によれば、生地挿通体の内側面に雨水を吸水又は/及び除去するワイパーを形成したことより、すべての生地の表面をなぞるばかりでなく、確実に雨水を拭き取ることができる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、ワイパーは、シート状又は/及び凸状であることより、生地が挿入される際に生地とワイパーの接する面積が減り、スムーズな挿入が可能になる。
【0025】
請求項4記載の発明によれば、内連接部には、内側に傾斜して伸延するシート状の案内片を形成したことより、雨水除去シートへの確実な生地の挿入ができるようになる。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、生地挿通体を8個以上備えたことより、生地をもれなく雨水除去シートに案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態のハンディ傘乾燥丸め器の斜視図である。
図2】本発明の実施形態のハンディ傘乾燥丸め器の断面図である。
図3図2に示した断面図を展開した図である。
図4】本発明の実施形態のハンディ傘乾燥丸め器において、傘の生地の挿入口に案内片を設けた断面図である。
図5】本発明の実施形態のハンディ傘乾燥丸め器を構成する雨水除去シートに小型のワイパーを備えた図である。
図6】本発明の実施形態のハンディ傘乾燥丸め器を構成する雨水除去シートに大型のワイパーを備えた図である。
図7】本発明の実施形態のハンディ傘乾燥丸め器に傘の先端を通した図である。
図8】本発明の実施形態のハンディ傘乾燥丸め器を傘の半分ほどの位置まで通した図である。
図9】本発明の実施形態のハンディ傘乾燥丸め器に傘を通して生地が雨水除去シートに挿入されずに丸まった様子を示した断面図である。
図10図8とは傘を逆方向に回転させて、生地が雨水除去シートに挿入して行く様子を示した断面図である。
図11】本発明の実施形態のハンディ傘乾燥丸め器を傘の左右に動かしている図である。
図12】本発明の実施形態のハンディ傘乾燥丸め器を構成する雨水除去シートに傘の生地が挿入した様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係るハンディ傘乾燥丸め器の要旨は、生地を丸めてバンドで固定せず、単に閉じた状態の傘の生地を、それぞれ別個に挿通する生地挿通体を複数連設した雨水除去シートにより生地全体に付着した雨水を除去するものであって、雨水除去シートは、一方向に湾曲した可撓性を有する矩形状シートからなるガイドシートとガイドシートよりも幅狭の挟持シートと、からなり、湾曲方向を揃えて複数のガイドシートと複数の挟持シートを放射状に交互に立設し、外方で隣接するガイドシートと挟持シートとをガイドシートの表面が外側となるように各々の外端部を連接して一対とする外連接部を形成した生地挿通体のガイドシートと挟持シートの内端部を、内方で隣接する他の生地挿通体のガイドシートと挟持シートの内端部と各々連接した内連接部を形成し、隣接する内連接部の間を生地案内部としたものであって、全てのシートが外連接部と内連接部を介して環状に連接した雨水除去シートにより円筒状に形成したことを特徴とする。すなわち、手のひらサイズで携帯ができ、手を濡らすことなく閉じた傘を丸め、濡れたすべての生地の表面を確実に拭き取ることができるハンディ傘乾燥丸め器の提供を図ろうとするものである。
【0029】
以下、本発明に係るハンディ傘乾燥丸め器1について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造や部品については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
【0030】
本発明の実施形態に係るハンディ傘乾燥丸め器1は、図1図2図7図8に示すように、生地9を丸めてバンドで固定せず、単に閉じた状態の傘8の生地9を、それぞれ別個に挿通する生地挿通体2を複数連設した雨水除去シート1により生地全体に付着した雨水を除去するものであって、雨水除去シート1は、一方向に湾曲した可撓性を有する矩形状シートからなるガイドシート2aとガイドシート2aよりも幅狭の挟持シート2bと、からなり、湾曲方向を揃えて複数のガイドシート2aと複数の挟持シート2bを放射状に交互に立設し、外方で隣接するガイドシート2aと挟持シート2bとをガイドシート2aの表面5が外側となるように各々の外端部2cを連接して一対とする外連接部2cを形成した生地挿通体2のガイドシート2aと挟持シート2bの内端部3を、内方で隣接する他の生地挿通体2のガイドシート2aと挟持シート2bの内端部3と各々連接した内連接部3を形成し、隣接する内連接部3の間を生地案内部4としたものであって、全てのシート2が外連接部2cと内連接部3を介して環状に連接した雨水除去シート1により円筒状に形成している。
【0031】
本願は、傘8を閉じただけでは、生地9が丸めてバンドをしていないので、傘の骨の数に等しい数だけ生地9が固定されていない状態である。その固定されていない生地9の表面の雫を拭き取るために、雨水除去シート1を備える。そして、それらが重ね合わさって筒状を成している。
【0032】
具体的には、雨水除去シート1は、複数の生地挿通体2で構成しており、生地挿通体2は、図3に示すように、一方向に湾曲した可撓性を有するプラスチック製の矩形状シートからなるガイドシート2aとガイドシート2aよりも幅狭の挟持シート2bで形成し、外方で隣接するガイドシート2aと挟持シート2bとをガイドシート2aの表面5が外側となるように各々の外端部2cを連接して一対とする外連接部2cを形成している。
【0033】
また、湾曲方向を揃えた複数の生地挿通体2を放射状に交互に立設し、ガイドシート2aと挟持シート2bの内端部3を、内方で隣接する他の生地挿通体2のガイドシート2aと挟持シート2bの内端部3と各々連接した内連接部3を形成することで雨水除去シート1を図2図3)に示すような円筒状に形成すると共に、隣接する内連接部3の間を生地案内部4としている。
【0034】
すなわち、雨水除去シート1は、複数の生地挿通体2の内連接部3によって一体の環状に連接することで、雨水除去シート1からなるハンディ傘乾燥丸め器1を構成している。
【0035】
また、生地挿通体2の内側面には、例えば図5に示すような、雨水を除去するワイパー7を形成している。
【0036】
ワイパー7は、生地9の表面をなぞるようにして雨水を拭き取れるように、傘8の挿入方向と略直交した向きでプラスチックやゴムからなる所定長さの小型の凸状に形成して、両シート2a,2bを閉じた図12に示すように生地挿通体2を構成するガイドシート2aと挟持シート2bの内側において互いのワイパー7が干渉しない位置に複数配置する。また、内連接部3側に向けたワイパー7の端は、生地9の挿入がスムーズに行われるように、丸みを帯びた形状にしている。
【0037】
また、ワイパー7は、図5に示したように小型のもの以外にも、生地9全体を一括してなぞれるように、大型の長い凸状に形成することも可能である。
【0038】
また、ワイパー7は、ガイドシート2aと挟持シート2bの内側面に発泡素材や繊維素材、吸水ポリマー等からなるシート状の吸水材を貼着等しても良く、この場合、両シート2a,2bの内側面を被覆する程度の大面積のワイパー7や、図5図6で示したようなワイパー7の位置に小面積のワイパー7を複数枚貼着等してもよい。
【0039】
更に、図5図6に示すワイパー7とシート状のワイパー7を混在させて構成しても良い。
【0040】
また、内連接部3には、図4図9図10に示すように、内側に傾斜して伸延するプラスチック製またはゴム製でシート状の案内片6を形成しても良い。
【0041】
案内片6は、図9に示すように、生地9が雨水除去シート1に挿入されない方向に傘8を回すときは、生地9の表面をなぞり、図10に示すように、生地9が雨水除去シート1に挿入される方向に傘8を回すときは、生地9の端をすくい上げて生地案内部4から確実に案内できるように形成している。内側に伸延する案内片6の長さは生地9に当たる程度である。
【0042】
また、本実施形態に係るハンディ傘乾燥丸め器1は、生地挿通体2を8個以上備えている。
【0043】
傘8を閉じたとき、傘8の生地9を張っている骨12が傘8の軸を囲むように束ねられる。この状態では生地9は丸められてバンドをしていないのでなびいている状況になる。なびいている部分の数は骨の数と同じだけある。一般的な傘8の骨の数は8個なので、生地挿通体2も8個あれば濡れた傘8の生地9のすべての表面を一度で拭き取ることができる。さらに多くの生地挿通体2を備えたら、案内片6ですくい損ねた生地9があったとしても補助機能としての役割を果たすばかりでなく、骨の数が異なる傘8にも対応できるようになる。
【0044】
以下、図面を参照しながら各部の機能と使用方法について具体的に詳述する。
【0045】
まず、図7のように、ハンディ傘乾燥丸め器1に閉じた傘8の先端10を通す。
【0046】
次に、図8において、片方の手でハンディ傘乾燥丸め器1を握る。もう片方の手は傘8の柄11を持つ。通常私たちが傘8を丸める時と同じ要領で、ハンディ傘乾燥丸め器1を握ったまま、もう片方の手で傘8の柄11を回しながら、ハンディ傘乾燥丸め器1を傘8の中央付近(生地を束ねるためのバンドがある位置は避ける。)まで移動させる。
【0047】
この時、ハンディ傘乾燥丸め器1はゆっくりと移動させれば良い。円筒状のハンディ傘乾燥丸め器1の内側から生地挿通体2を見ると、隣り合った内連接部3の間には隙間がある。図9の断面図で示したように、その隙間が開いている向きは、傘8を矢印の方向に回転させたとしても、傘8の生地9が隙間に入り込んだりすることはなく、挟持シート2bが生地9の表面を滑るだけである。よって、手を濡らさずに傘8を丸めることができる。
【0048】
この時、傘8はまだ濡れている。傘8が丸まったら、ハンディ傘乾燥丸め器1はそのまま握っておいて、傘8の柄11を図8図9とは逆の方向に回転(逆回転)させる。
【0049】
そうすると、生地9が生地案内部4に沿って図10のように生地挿通体2に入り込んで行くので、生地9が傘8の骨12に到達したタイミングで逆回転を止める。なお、案内片6を形成していれば生地挿通体2への生地9の挿入をより確実に行なうことができる。
【0050】
この段階で、すべての生地9が生地挿通体2内に収まっているので、今度は、傘8の柄11は回転させずに、図11のようにしてハンディ傘乾燥丸め器1だけを傘8の先端10と柄11の間を何度か移動させる。
【0051】
その結果、図12で示した生地挿通体2内に備えたワイパー7が、生地9の表面に付着した雨水を取り除く。
【0052】
よって、ハンディ傘乾燥丸め器1の使用で、手を濡らすことなく生地9表面の雨水を拭き取り、傘8を丸めることを実現できる。
【0053】
以上、説明したように本発明に係るハンディ傘乾燥丸め器1は、生地9を丸めてバンドで固定せず、単に閉じた状態の傘8の生地9を、それぞれ別個に挿通する生地挿通体2を複数連設した雨水除去シート1により生地9全体に付着した雨水を除去するものであって、雨水除去シート1は、一方向に湾曲した可撓性を有する矩形状シートからなるガイドシート2aとガイドシート2aよりも幅狭の挟持シート2bと、からなり、湾曲方向を揃えて複数のガイドシート2aと複数の挟持シート2bを放射状に交互に立設し、外方で隣接する前記ガイドシート2aと挟持シート2bとをガイドシート2aの表面が外側となるように各々の外端部2cを連接して一対とする外連接部2cを形成した生地挿通体2のガイドシート2aと挟持シート2bの内端部3を、内方で隣接する他の生地挿通体2のガイドシート2aと挟持シート2bの内端部3と各々連接した内連接部3を形成し、隣接する内連接部3の間を生地案内部4としたものであって、全てのシート2が外連接部2cと内連接部3を介して環状に連接した雨水除去シート1により円筒状に形成したことより、閉じた傘8を円筒状の内側に挿入して傘8の中心付近まで通し、雨水除去シート1に生地9が挿入されない方向に傘8を回転させると傘8を丸めることができ、雨水除去シート1に生地9が挿入できる方向に傘8を回転させて生地9が雨水除去シート1にしっかりと挿入させて円筒状を傘8の先端10と柄11との間を行ったり来たりさせると、すべての生地9の表面を確実になぞることができる。
【0054】
また、生地挿通体2の内側面に雨水を吸水又は/及び除去するワイパー7を形成したことより、すべての生地9の表面をなぞるばかりでなく、確実に雨水を拭き取ることができる。
【0055】
また、ワイパー7は、シート状又は/及び凸状であることより、生地9が挿入される際に生地9とワイパー7の接する面積が減り、スムーズな挿入が可能になる。
【0056】
更に、内連接部3には、内側に傾斜して伸延するシート状の案内片6を形成したことより、雨水除去シート1への確実な生地9の挿入ができるようになる。
【0057】
しかも、生地挿通体2を8個以上備えたことより、生地9をもれなく雨水除去シート1に案内することができる。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 ハンディ傘乾燥丸め器,雨水除去シート
2 生地挿通体(ガイドシート+挟持シート+外連接部)
2a ガイドシート
2b 挟持シート
2c 外連接部
3 内連接部,内端部
4 生地案内部
5 表面
6 案内片
7 ワイパー
8 傘
9 生地
10 先端
11 柄
12 骨
13 軸
【要約】
【課題】手を濡らさずに、雨水の拭き取りと生地の丸めが何時でも何処でも容易にできるように持ち運びが可能な装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るハンディ傘乾燥丸め器1は、一方向に湾曲した可撓性を有する矩形状シートからなるガイドシート2aとガイドシート2aよりも幅狭の挟持シート2bと、からなり、湾曲方向を揃えて複数のガイドシート2aと複数の挟持シート2bを放射状に交互に立設し、外方で隣接するガイドシート2aと挟持シート2bとをガイドシート2aの表面が外側となるように各々の外端部を連接して一対とする外連接部2cを形成した生地挿通体のガイドシート2aと挟持シート2bの内端部を、内方で隣接する他の生地挿通体2のガイドシート2aと挟持シート2bの内端部と各々連接した内連接部3を形成し、隣接する内連接部3の間を生地案内部4としたことを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12