(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】三輪バイク
(51)【国際特許分類】
B62K 5/027 20130101AFI20240805BHJP
B62K 25/20 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B62K5/027
B62K25/20
(21)【出願番号】P 2024063072
(22)【出願日】2024-04-10
【審査請求日】2024-04-10
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597116252
【氏名又は名称】村山 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】村山 哲夫
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-001676(JP,A)
【文献】特開2011-093455(JP,A)
【文献】特開2012-131333(JP,A)
【文献】特開2011-068272(JP,A)
【文献】特開2010-047151(JP,A)
【文献】特開2005-053458(JP,A)
【文献】特開2008-100609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 5/00 - 5/10
B62K 11/00 - 25/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーン走行機能と、安定走行機能と、自立補助機能を併せ持つ三輪バイクであって、
前記三輪バイクは、シャーシ本体の後方上部の両側部にリアサスペンションの上方部が装着される取付け部を形成する基台フレームと、
前記シャーシ本体の後方下部にタイヤ間のトレッド幅が460mm以内で連結固定される左右のリアタイヤと、
該リアタイヤのホイール軸に挿入されるアクスルシャフトの両端を支持すると共に、前記リアサスペンションの下方部が連結されるスイングアームと、
前記シャーシ本体のエンジン駆動部から左右のリアタイヤの何れか一方に伝達される駆動力伝達手段と、を備えて
成ることを特徴とする三輪バイク。
【請求項2】
リーン走行機能と、安定走行機能と、自立補助機能を併せ持つ三輪バイクであって、
前記三輪バイクは、シャーシ本体の後方上部の両側部にリアサスペンションの上方部が装着される取付け部を形成する基台フレームと、
前記シャーシ本体の後方下部に、タイヤ間のトレッド幅が460mm~三輪バイクの車体寸法幅内で連結固定される左右のリアタイヤと、
該リアタイヤのホイール軸に挿入されるアクスルシャフトの両端を支持すると共に、
前記リアサスペンションの下方部が連結されるスイングアームと、
前記シャーシ本体のエンジン駆動部から左右のリアタイヤの何れか一方に伝達される駆動力伝達手段と、を備えて
成ることを特徴とする三輪バイク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動二輪車のリーン走行機能と、三輪トライクの安定走行機能と、駐停車時の自立補助機能を併せ持つ三輪バイクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来における自動二輪車は、車体の前後に二つの走行車輪を備えて左右のバランスを取りながら運転走行する構造であることから、旋回時においては車体および運転者の重心を傾けることによってリーン走行や車線変更が容易且つ瞬時にできるものではあるが、駐停車時や取り廻し時においては車重のバランスを運転者自身が支えて行なわなければならず、非力な年配者や女性にとっては容易に操作できるものではなかった。
【0003】
また、従来における三輪トライクは、車体の前方に一つの走行車輪を備え、後方に二つの走行車輪を備えた安定的な構造であることから、走行時ならびに駐停車時においては車重のバランスを支えることなく安定した運転ならびに取り廻しができ、非力な年配者や女性においても容易に操作できるものではあるが、切り返し操作時においては回転半径が大きくその操作性においては難儀なものであった。
【0004】
一方、駐停車時において自立補助装置を備える自動二輪車が提案されている。
例えば、自動二輪車の車体からセンタースタンド装置を取り外した場合における軽量化と空力性能の向上を図り、かつ自動二輪車の駐輪時における後輪の浮き上がり高さを調整可能にして駐輪時における安定性や整備性を向上させる。また、スタンドストッパーの締結によってセンタースタンド装置の作動性が損なわれることを防止するとともに、センタースタンド装置の組立性を向上させることができる「自動二輪車のセンタースタンド装置」(特許文献-1)が提案されている。
【0005】
また、自動二輪車のセンタースタンドを電動で起立または格納させるセンタースタンド装置として、コンパクト化して安価な「自動二輪車のセンタースタンド装置」(特許文献-2)が提案されている。
【0006】
しかしながら、係る「自動二輪車のセンタースタンド装置」(特許文献-1)ならびに「自動二輪車のセンタースタンド装置」(特許文献-2)の何れの提案も、駐停車時において車体を安定的に自立させることはできるが、センタースタンドをセットする際においては、車体を上方に引き上げてセンタースタンドをセットしなければならず、非力な年配者や女性にとっては容易に操作できるものではなかった。
【0007】
そこで、上記における自動二輪車のリーン走行機能と、三輪トライクの安定走行機能と、駐停車時の自立補助機能の問題を解決しようと、前輪が二輪、後輪が一輪の自動二輪車仕様の「鞍乗型車両」(特許文献-3)が提案されている。
【0008】
しかしながら、係る「鞍乗型車両」(特許文献-3)の提案は、前輪を左右どちらかに切った状態で車両の取り廻しを行った場合、前輪と後輪の接地点が成す三角形の安定構造が崩れることになるため、直立した状態で前輪と後輪の接地点が成す三角形の安定構造が成立した場合のみ駐停車時の自立補助機能が機能するもので、本発明のような自動二輪車のリーン走行機能と、三輪トライクの安定走行機能と、駐停車時の自立補助機能を併せ持つ三輪バイクではなかった。
【0009】
本出願人は、上記の問題点を鑑みてなされたもので、自動二輪車のリーン走行機能と、三輪トライクの安定走行機能と、駐停車時の自立補助機能を併せ持つ三輪バイクの提供ができないものかという構想の下、自動二輪車のリーン走行機能と、三輪トライクの安定走行機能と、駐停車時の自立補助機能を併せ持つ三輪バイクを開発し、本発明における「三輪バイク」の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2000-62661号公報
【文献】特開2006-290123号公報
【文献】特開2024-6428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記問題点を鑑みてなされるもので、自動二輪車のリーン走行機能と、三輪トライクの安定走行機能と、駐停車時の自立補助機能を併せ持つ三輪バイクの提供を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明における三輪バイクは、リーン走行機能と、安定走行機能と、自立補助機能を併せ持つ三輪バイクであって、前記三輪バイクは、シャーシ本体の後方上部の両側部にリアサスペンションの上方部が装着される取付け部を形成する基台フレームと、前記シャーシ本体の後方下部にタイヤ間のトレッド幅が460mm以内で連結固定される左右のリアタイヤと、該リアタイヤのホイール軸に挿入されるアクスルシャフトの両端を支持すると共に、前記リアサスペンションの下方部が連結されるスイングアームと、前記シャーシ本体のエンジン駆動部から左右のリアタイヤの何れか一方に伝達される駆動力伝達手段と、を備えて成る手段を採る。
【0013】
また、本発明における三輪バイクは、リーン走行機能と、安定走行機能と、自立補助機能を併せ持つ三輪バイクであって、前記三輪バイクは、シャーシ本体の後方上部の両側部にリアサスペンションの上方部が装着される取付け部を形成する基台フレームと、前記シャーシ本体の後方下部に、タイヤ間のトレッド幅が460mm~三輪バイクの車体寸法幅内で連結固定される左右のリアタイヤと、該リアタイヤのホイール軸に挿入されるアクスルシャフトの両端を支持すると共に、前記リアサスペンションの下方部が連結されるスイングアームと、前記シャーシ本体のエンジン駆動部から左右のリアタイヤの何れか一方に伝達される駆動力伝達手段と、を備えて成る手段を採る。
【発明の効果】
【0014】
本発明における三輪バイクによれば、自動二輪車のリーン走行機能と、三輪トライクの安定走行機能と、駐停車時の自立補助機能を併せ持つ三輪バイクの提供ができることから、非力なシニア層や女性向けの大型バイクの提供ができるといった優れた効果を奏する。
【0015】
また、本発明における三輪バイクによれば、車体の前方に一つの走行車輪を備え、車体の後方に二つのリアタイヤ備えた自動二輪車構造であることから、法令上自動二輪車とみなされることで排気量に応じた自動二輪車免許で運転することができると共に、自動二輪車構造の片輪バランス走行(二輪走行)に近いリーン走行機能と、三輪バイク特有の安定走行機能と、駐停車時において自立補助機能を備える三輪バイクの提供ができる、といった優れた効果を奏する。
【0016】
また、本発明における三輪バイクによれば、車体の後方にタイヤ間のトレッド幅の大きいリアタイヤを備えた三輪トライク構造であることから、法令上普通自動車とみなされることで普通自動車免許で運転することができると共に、自動二輪車構造の片輪バランス走行(二輪走行)に近いリーン走行機能と、三輪トライク特有の安定走行機能と、駐停車時において自立補助機能を備える三輪バイクの提供ができる、といった優れた効果を奏する。
【0017】
また、本発明における三輪バイクによれば、牽引車(三輪バイク、二輪バイク)の後方に中折れ牽引装置を介してトレーラーキャビンを着脱自在に連結する手段を採ることによって、旅先で、牽引車(三輪バイク、二輪バイク)とトレーラーキャビンを切り離すことができることから、観光目的地での車中泊および単独でのバイクツーリングを同時に楽しむことができる、といった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の三輪バイクの実施形態を示す説明図である。 (実施例1)
【
図2】本発明の三輪バイクの走行状態を示す説明図である。
【
図3】本発明の三輪バイクの別の実施形態を示す説明図である。(実施例2)
【
図4】本発明のその他の使用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明における三輪バイク10は、自動二輪車のリーン走行機能と、三輪トライクの安定走行機能と、駐停車時の自立補助機能を併せ持つ手段を採ったことを最大の特徴とする。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
尚、本発明の三輪バイク10は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状及び寸法の範囲内で、適宜変更することができる。
また、図面は基本的な主要部品の構成のみを図示しているもので、センタースタンド、ディスクブレーキ、排気マフラー、取付部品等の図示は省略している。
また、本発明の三輪バイク10は、エンジン駆動方式のバイク構造を前提に説明しているが、電動式のバイク構造においても駆動力伝達手段22以外は略同様である。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の三輪バイクの実施形態を示す説明図である。
図1(a)は本発明の三輪バイク10の主要部品の後方から見た分解斜視図である。
図1(b)は本発明の三輪バイク10の側面図である。
図1(c)は本発明の三輪バイク10の背面図である。
本発明における三輪バイク10は、フレーム、エンジン、トランスミッション、ブレーキ、サスペンション、ホイール/タイヤの主要部品から成り、
リーン走行機能と、安定走行機能と、自立補助機能を併せ持つ三輪バイク10であって、該三輪バイク10は、シャーシ本体12の後方上部の両側部にリアサスペンション15の上方部が装着される取付け部14を形成する基台フレーム13と、シャーシ本体12の後方下部にタイヤ間のトレッド幅Tが460mm以内で連結固定される左右のリアタイヤ16と、該リアタイヤ16のホイール軸17に挿入されるアクスルシャフト18の両端を支持すると共にリアサスペンション15の下方部が連結されるスイングアーム19と、シャーシ本体12のエンジン駆動部21から左右のリアタイヤ16の何れか一方に伝達される駆動力伝達手段22と、を備えて
成る手段を採る。
【0022】
シャーシ本体12は、エンジンやトランスミッションなどを支える車体形状に形成され、その基本的な構造は、一般的には鋼管が使われ、スポーツ走行用バイクにはアルミ製が使用される。また形状においてはパイプを組み合わせたもの、鋼板やアルミ板をプレス加工して溶接したもの、アルミ押し出し材を利用したものがある。
概要構成は、フレーム、エンジン、トランスミッション、ブレーキ、サスペンション、ホイール/タイヤから成り、その構造は、エンジンで動力を発生させてリアタイヤ16に伝達する駆動力伝達手段22と、運転操作するためのステアリング部と、衝撃を吸収するサスペンションと、速度を落したり止まったりするブレーキなどを構成する車体部に分けられる。
【0023】
基台フレーム13は、シャーシ本体12の後方およびリアフェンダー23の上方に装着されるもので形状は特に限定されない。シャーシ本体12に取り付けネジで固定され、左右のリアサスペンション15が連結される取付け部14を有して形成される。
【0024】
リアサスペンション15は、ショックアブソーバーとスプリングで構成され、フレームと前後のホイールの接合部に装着して振動と衝撃を吸収する役割を果たすもので、フレームとリアタイヤ16を上下に可動するスイングアーム19でつなぎ、その間にダンパーとスプリングを設けて構成される。
【0025】
リアタイヤ16は、トレッド面が平面的でなく丸くなっているタイヤ同士のホイール軸17を連結させてWタイヤとするもので、タイヤ間のトレッド幅Tが460mm以内で連結固定される左右のタイヤで構成され、片側面には駆動力伝達手段22を構成するリアスプロケット22cを備え、他方の片側面にはディスクブレーキを備える。
【0026】
アクスルシャフト18は、リアタイヤ16と車体を固定するためにリアタイヤ16のホイール軸17の中心を通すシャフトであって、両端をスイングアーム19によって支持される。
【0027】
スイングアーム19は、リアタイヤ16とシャーシ本体12をつなぐパーツであって、フレーム側は大きくて丈夫なシャフトによって留められていて、そこを軸として上下にスイングするようになっている。二つのリアタイヤ16を両側から挟むようにしてアクスルシャフト18の両側を固定している。機能としては、路面から受けたギャップ衝撃をスイングアーム19を介して連結されるリアサスペンション15によって吸収する。また、カーブを曲がるときに外側に引っ張られる力もスイングアーム19自体が適度にしなることによって走行時のギャップ衝撃を吸収する役割を果たす。
【0028】
駆動力伝達手段22は、シャーシ本体12のエンジン駆動部21から発生する動力をリアタイヤ16に伝達する手段であって、第一のチェーン22a、第二のチェーン22b、リアスプロケット22c、二つの中間スプロケット22dを備える伝達中間軸22eで構成される。
【0029】
リアフェンダー23は、シャーシ本体12の後方に装着され、リアタイヤ16を覆う泥除けカバー状に形成される。
【0030】
ダンデムシート24は、ライダーシートの後方に装着されるもので、基台フレーム13の上方に着脱自在に装着される。
【0031】
以上で構成される本発明の三輪バイク10は、同一線上の車軸における車両の接地部中心点を通る直線の距離が460mm未満であることから、法令上自動二輪車とみなされることで排気量に応じた自動二輪車免許で運転することができると共に、自動二輪車構造の片輪バランス走行(二輪走行)に近いリーン走行機能と、三輪バイク特有の安定走行機能と、駐停車時において自立補助機能を備える三輪バイク10の提供を可能にする。
【0032】
図2は、本発明の三輪バイクの走行状態を示す説明図である。
図2(a)は三輪バイク10が左側に旋回した時の
リーン操作状態を示す説明図である。
左旋回時において体重と車体の重心Gを左側に傾けて片輪バランス走行(二輪走行)することにより
リーン走行を可能にする。
【0033】
図2(b)は三輪バイク10が直線的に走行した状態を示す説明図である。
直進走行時においては車体と体重を垂直にして走行することにより従来にない自動二輪車による安定走行を可能にするもので、駐停車時においては車体を垂直に維持することにより車体を自立させることができる。
【0034】
図2(c)は三輪バイク10が右側に旋回した時の
リーン操作状態を示す説明図である。
右旋回時において体重と車体の重心Gを右側に傾けて片輪バランス走行(二輪走行)することにより
リーン走行を可能にする。
【0035】
以上で構成される本発明の三輪バイク10は、自動二輪車構造の片輪バランス走行(二輪走行)に近いリーン走行機能と、三輪バイク特有の安定走行機能と、駐停車時において自立補助機能を備える三輪バイク10の提供を可能にする。
【実施例2】
【0036】
図3は、本発明の三輪バイクの別の実施形態を示す説明図である。
図3(a)は本発明の三輪バイク10の主要部品の後方から見た分解斜視図である。
図3(b)は本発明の三輪バイク10の背面図である。
本発明の三輪バイク10は、
リーン走行機能と、安定走行機能と、自立補助機能を併せ持つ三輪バイク10であって、該三輪バイク10は、シャーシ本体12の後方上部の両側部にリアサスペンション15の上方部が装着される取付け部14を形成する基台フレーム13と、シャーシ本体12の後方下部に、タイヤ間のトレッド幅Tが460mm~三輪バイク10の車体寸法幅S内で連結固定される左右のリアタイヤ16と、該リアタイヤ16のホイール軸17に挿入されるアクスルシャフト18の両端を支持すると共に、リアサスペンション15の下方部が連結されるスイングアーム19と、シャーシ本体12のエンジン駆動部21から左右のリアタイヤ16の何れか一方に伝達される駆動力伝達手段22と、を備えて
成る手段を採る。
【0037】
リアタイヤ16は、トレッド面が平面的でなく丸くなっているショルダー部を形成するタイヤ同士をホイール軸17で連結させてWタイヤとし、片側面には駆動力伝達手段22を構成するリアスプロケット22cを備えると共に、他方の片側面にはディスクブレーキを備え、タイヤ間のトレッド幅Tが460mm~三輪バイク10の車体寸法幅S内で連結固定される。
尚、図示はしていないが、ホイール軸17の中間に差動装置を配置して左右のリアタイヤ16の回転数を走行速度に準じて可変させる構造とすることもできる。
【0038】
また、リアタイヤ16のタイヤ間のトレッド幅Tの調整は、基台フレーム13自体の幅寸法の拡大または基台フレーム13の両側部に形成される取付け部14とリアサスペンション15の上方部の間にスペーサーを嵌め込むと共に、アクスルシャフト18の長さ延長およびスイングアーム19の開口部を拡大することで達成することができる。
【0039】
駆動力伝達手段22は、シャーシ本体12のエンジン駆動部21から発生する動力をリアタイヤ16に伝達する手段であって、第一のチェーン22a、第二のチェーン22b、リアスプロケット22c、二つの中間スプロケット22dを備える伝達中間軸22eで構成されるもので、リアタイヤ16のトレッド幅Tが460mm~三輪バイク10の車体寸法幅S内に設定されることで、リアタイヤ16の内側に駆動力伝達手段22が設定されることで(外側に装着することもできる)第一のチェーン22aに対して第二のチェーン22bが内側に備えられる。
【0040】
以上で構成される本発明の三輪バイク10は、同一線上の車軸における車両の接地部中心点を通る直線の距離が460mm~三輪バイク10の車体寸法幅S内とすることで、限りなく自動二輪車仕様に近い三輪トライク構造であることから、法令上普通自動車とみなされることで普通自動車免許で運転することができると共に、自動二輪車構造の片輪バランス走行(二輪走行)に近いリーン走行機能と、三輪トライク特有の安定走行機能と、駐停車時において自立補助機能を備える三輪バイク10の提供を可能にする。
【0041】
図4は、本発明のその他の使用例を示す説明図である。
図4(a)は本発明の牽引車仕様の側面図である。
図4(b)は本発明の牽引車仕様の上面図である。
牽引車26(三輪バイク、二輪バイク)の後方に中折れ牽引装置28を介してトレーラーキャビン27を着脱自在に連結して成る仕様とすることもできる。
【0042】
トレーラーキャビン27は、車体の前方に旋回フレーム構造による中折れ牽引装置28を備えて、キャビン車体寸法幅Wが650~1480mmで形成される。
【0043】
キャビン車体寸法幅Wは、道路運送車両法、道路法、道路交通法の規制により、重量、高さ、幅、長さが制限されることによって、牽引車26(三輪バイク、二輪バイク)の排気量によってトレーラーキャビン27の車幅ならびに重量が制限されるもので、本発明のキャビン車体寸法幅Wを牽引車26(三輪バイク、二輪バイク)の排気量に合わせて650~1480mmの範囲内で形成される。
【0044】
中折れ牽引装置28は、牽引車26(三輪バイク、二輪バイク)の車体の後方に装着される旋回基軸台と、車体の前方に装着される補強構造を有した略L字状の旋回フレームとによって構成され、配線コネクター、送風ダクトホース等が付属される。
尚、旋回フレームの装着固定手段は、ライダーシート24を取り外した後の牽引車26(三輪バイク、二輪バイク)の取り付け車高に合わせて装着される。
【0045】
牽引車26(三輪バイク、二輪バイク)とトレーラーキャビン27の連結間が中折れすることで、旋回半径を小さくすることができると共に運転操舵性を高めることができる。
【0046】
以上の構成による本発明の三輪バイク10は、旅先で、牽引車26(三輪バイク、二輪バイク)とトレーラーキャビン27を切り離すことができることから、観光目的地での車中泊および単独でのバイクツーリングを同時に楽しむことができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の三輪バイクは、自動二輪車のリーン走行機能と、三輪トライクの安定走行機能と、駐停車時の自立補助機能を併せ持つ「三輪バイク」であることから、産業上の利用可能性は極めて大であるものと思料する。
【符号の説明】
【0048】
10 三輪バイク
12 シャーシ本体
13 基台フレーム
14 取付け部
15 リアサスペンション
16 リアタイヤ
17 ホイール軸
18 アクスルシャフト
19 スイングアーム
21 エンジン駆動部
22 駆動力伝達手段
22a 第一のチェーン
22b 第二のチェーン
22c リアスプロケット
22d 中間スプロケット
22e 伝達中間軸
23 リアフェンダー
24 ダンデムシート
26 牽引車(三輪バイク、二輪バイク)
27 トレーラーキャビン
28 中折れ牽引装置
T トレッド幅
S 車体寸法幅
G 重心
W キャビン車体寸法幅
【要約】 (修正有)
【課題】自動二輪車のキーン走行機能と、三輪トライクの安定走行機能と、駐停車時の自立補助機能を併せ持つ三輪バイクおよび二輪バイクの提供を図る。
【解決手段】キーン走行機能と、安定走行機能と、自立補助機能を併せ持つ三輪バイクであって、該三輪バイク10は、シャーシ本体12の後方上部の両側部にリアサスペンション15の上方部が装着される取付け部14を形成する基台フレーム13と、シャーシ本体12の後方下部にタイヤ間のトレッド幅Tが460mm以内で連結固定される左右のリアタイヤ16と、該リアタイヤ16のホイール軸17に挿入されるアクスルシャフト18の両端を支持すると共に、リアサスペンション15の下方部が連結されるスイングアーム19と、シャーシ本体12のエンジン駆動部21から左右のリアタイヤ16の何れか一方に伝達される駆動力伝達手段22と、を備えて自動二輪車仕様とした手段を採る。
【選択図】
図1