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特許7532709読影システム及び読影システム用の携帯型記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】読影システム及び読影システム用の携帯型記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/20 20180101AFI20240806BHJP
【FI】
G16H30/20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020192301
(22)【出願日】2020-11-19
(65)【公開番号】P2022081027
(43)【公開日】2022-05-31
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】520101340
【氏名又は名称】株式会社クライムメディカルシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100143085
【弁理士】
【氏名又は名称】藤飯 章弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 登
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-015494(JP,A)
【文献】特開2004-318487(JP,A)
【文献】特開2005-064910(JP,A)
【文献】特開2007-249825(JP,A)
【文献】特開2004-070467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を撮影して医用画像を得る少なくとも一つの画像撮影装置が設置される医療機関が保有し、前記画像撮影装置が取得した前記医用画像の画像情報及び前記医用画像に関連付けられる患者情報が蓄積され、前記医用画像の1次読影を行う1次読影用端末装置と、
複数の患者を撮影した医用画像の画像情報及び前記医用画像に関連付けられる患者情報を蓄積可能なサーバ記憶部、並びに、前記医用画像の画像情報及び前記患者情報を複製するサーバ複製手段を少なくとも備える管理サーバ装置と、
前記1次読影用端末装置、前記管理サーバ装置、及び、前記医用画像の2次読影を行う読影医が使用する2次読影用端末装置のそれぞれに接続可能な携帯型記憶媒体とを備え、
前記携帯型記憶媒体は、前記1次読影用端末装置に蓄積される患者を撮影した医用画像の画像情報及び前記医用画像に関連付けられる患者情報を複製するための記憶媒体側複製プログラムと、
該記憶媒体側複製プログラムによって複製された前記医用画像の画像情報、又は、前記管理サーバ装置が有する前記サーバ複製手段によって複製された前記医用画像の画像情報を記憶する画像記憶部と、
前記記憶媒体側複製プログラムによって複製された前記患者情報、又は、前記管理サーバ装置が有する前記サーバ複製手段によって複製された前記患者情報を記憶する患者情報記憶部と、
前記患者情報記憶部に記憶されている前記患者情報を、前記1次読影用端末装置又は前記2次読影用端末装置が有する読影用モニターにリスト表示するマネージャプログラムと、
前記読影用モニターに、前記画像記憶部が記憶する前記医用画像を表示するためのビューワプログラムと、
前記読影用モニターに表示された前記医用画像に基づいて読影の所見を入力するための所見入力プログラムと、
前記所見入力プログラムを介して入力された所見情報が格納される所見情報格納部とを備えており、
前記携帯型記憶媒体は、その外表面に設けられる記憶媒体パスワード入力部と、前記記憶媒体パスワード入力部を介して入力される情報を認証する認証プログラムとを更に備えており、
前記認証プログラムは、前記記憶媒体パスワード入力部に入力された情報と、予め設定されているパスワードとを比較し、一致する場合にのみ外部からのアクセスを許可することを特徴とする読影システム。
【請求項2】
前記携帯型記憶媒体は、画像撮影装置が設置される医療機関が保有する1次読影用端末装置又は前記医用画像の2次読影を行う2次読影用端末装置を操作し読影を行う特定の読影医に関連付けられる読影医パスワードを記憶する読影医パスワード記憶部を更に備えており、
前記携帯型記憶媒体が、前記1次読影用端末装置又は前記2次読影用端末装置に接続され、前記1次読影用端末装置又は前記2次読影用端末装置からパスワードが入力された際に、前記マネージャプログラムは、前記読影医パスワード記憶部に記憶されている読影医パスワードと比較し、一致する場合にのみ前記患者情報を前記読影用モニターにリスト表示することを特徴とする請求項1に記載の読影システム。
【請求項3】
前記マネージャプログラムは、前記携帯型記憶媒体に対して個別に付与されているハードウェアIDを認証する機能を更に備えており、該マネージャプログラムが認証するハードウェアIDが、予め設定されているハードウェアIDと一致する場合にのみ外部からのアクセスを許可することを特徴とする請求項1又は2に記載の読影システム。
【請求項4】
前記管理サーバ装置は、前記画像撮影装置が設置される医療機関が保有する1次読影用端末装置、又は、前記医用画像の2次読影を行う読影医が使用する2次読影用端末装置が有する前記読影用モニターに関するモニター環境情報を記憶するモニター環境記憶部を更に備えており、前記モニター環境記憶部に記憶されているモニター環境情報に基づいて、前記携帯型記憶媒体に格納されている前記ビューワプログラムにおけるモニター環境設定内容を、前記医用画像の1次読影又は2次読影が行われる読影用モニター用に変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の読影システム。
【請求項5】
医用画像の読影を行う読影用端末装置に接続可能に構成される携帯型記憶媒体であって、
前記読影用端末装置に蓄積される複数の患者を撮影した医用画像の画像情報、及び、前記医用画像に関連付けられる患者情報を複製するための記憶媒体側複製プログラムと、
複数の患者を撮影した医用画像の画像情報を記憶する画像記憶部と、
前記医用画像に関連付けられる患者情報を蓄積する患者情報記憶部と、
前記患者情報記憶部に記憶されている前記患者情報を、前記読影用端末装置が有する読影用モニターにリスト表示するマネージャプログラムと、
前記読影用モニターに、前記画像記憶部が記憶する前記医用画像を表示するためのビューワプログラムと、
前記読影用モニターに表示された前記医用画像に基づいて読影の所見を入力するための所見入力プログラムと、
前記所見入力プログラムを介して入力された所見情報が格納される所見情報格納部とを備えており、
前記携帯型記憶媒体の外表面に設けられる記憶媒体パスワード入力部と、前記記憶媒体パスワード入力部を介して入力される情報を認証する認証プログラムとを更に備えており、
前記認証プログラムは、前記記憶媒体パスワード入力部に入力された情報と、予め設定されているパスワードとを比較し、一致する場合にのみ外部からのアクセスを許可することを特徴とする携帯型記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読影システム及び読影システム用の携帯型記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各医療機関において、乳房撮影装置(マンモグラフィ)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomografhy)等の画像撮影装置を用いて患者の撮影を行い、撮影により得られた医用画像については、読影医と呼ばれる専門医によって観察され、画像診断(読影)が行われ、その結果は所見レポート(読影レポート)としてまとめられていた。
【0003】
また、通常、医用画像の読影に際しては、読影結果の精度を高めるため、同一の医用画像について異なる読影医による読影(2次読影)が行われるのが一般的である。具体的には、例えば、画像撮影装置を用いて患者を撮影した医療機関がDVD等の記録媒体に医用画像を格納し、紙媒体の所見レポート(1次所見レポート)と共に、2次読影を行う読影医(2次読影医)に送付し、当該2次読影医が、医用画像及び1次所見レポート内容の確認、2次読影及び2次読影に係る紙媒体の所見レポート(2次所見レポート)を作成した後、当該2次読影医が、画像撮影装置を用いて患者を撮影した医療機関に、2次読影に係る所見レポート等を返送するという方法で、同一の医用画像について異なる読影医による読影が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の医用画像の読影方法の場合、所見レポートの電子化が難しく、各読影医が紙媒体にて作成した所見レポートが依頼元に返送されるため、読影を依頼した依頼元である各医療機関において、膨大な量の紙媒体である所見レポートについての保管場所が必要になるという問題や、所望の患者の所見レポートの抽出をスムーズに行うことが難しいといった問題が生じる。具体的に説明すると、読影医は、精密な読影診断を行うために一般的なコンピュータが備えるモニターよりも高精細のモニターを備える端末装置(コンピュータ)を用いて読影を行うが、各読影医が使用する端末装置は、必ずしも同一のものではなく、その種類によって医用画像をモニターに表示するためのビューワプログラムや、所見情報を入力して所見レポートを作成する所見入力プログラムが異なる場合がある。このような場合、各読影医がそれぞれの端末装置を用いて所見情報を入力してしまうと、互換性の問題によって他の端末装置では、所見情報(所見レポート)の確認を行うことが困難となる。
【0005】
このような事情により、医用画像に関しては電子化が進んでいるものの、複数の読影医により読影がなされ作成される所見レポートについては電子化されず、その結果、上記のように、各医療機関において、所見レポートの管理を容易に行うことが困難になるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の問題を解消するためになされたものであり、読影医により作成される所見レポートの電子化を図り、所見レポートの管理を容易に行うことができる読影システム及び読影システム用の携帯型記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の前記目的は、患者を撮影して医用画像を得る少なくとも一つの画像撮影装置が設置される医療機関が保有し、前記画像撮影装置が取得した前記医用画像の画像情報及び前記医用画像に関連付けられる患者情報が蓄積され、前記医用画像の1次読影を行う1次読影用端末装置と、複数の患者を撮影した医用画像の画像情報及び前記医用画像に関連付けられる患者情報を蓄積可能なサーバ記憶部、並びに、前記医用画像の画像情報及び前記患者情報を複製するサーバ複製手段を少なくとも備える管理サーバ装置と、前記1次読影用端末装置、前記管理サーバ装置、及び、前記医用画像の2次読影を行う読影医が使用する2次読影用端末装置のそれぞれに接続可能な携帯型記憶媒体とを備え、前記携帯型記憶媒体は、前記1次読影用端末装置に蓄積される患者を撮影した医用画像の画像情報及び前記医用画像に関連付けられる患者情報を複製するための記憶媒体側複製プログラムと、該記憶媒体側複製プログラムによって複製された前記医用画像の画像情報、又は、前記管理サーバ装置が有する前記サーバ複製手段によって複製された前記医用画像の画像情報を記憶する画像記憶部と、前記記憶媒体側複製プログラムによって複製された前記患者情報、又は、前記管理サーバ装置が有する前記サーバ複製手段によって複製された前記患者情報を記憶する患者情報記憶部と、前記患者情報記憶部に記憶されている前記患者情報を、前記1次読影用端末装置又は前記2次読影用端末装置が有する読影用モニターにリスト表示するマネージャプログラムと、前記読影用モニターに、前記画像記憶部が記憶する前記医用画像を表示するためのビューワプログラムと、前記読影用モニターに表示された前記医用画像に基づいて読影の所見を入力するための所見入力プログラムと、前記所見入力プログラムを介して入力された所見情報が格納される所見情報格納部とを備えており、前記携帯型記憶媒体は、その外表面に設けられる記憶媒体パスワード入力部と、前記記憶媒体パスワード入力部を介して入力される情報を認証する認証プログラムとを更に備えており、前記認証プログラムは、前記記憶媒体パスワード入力部に入力された情報と、予め設定されているパスワードとを比較し、一致する場合にのみ外部からのアクセスを許可することを特徴とする読影システムにより達成される。
【0008】
また、上記読影システムに関し、前記携帯型記憶媒体は、画像撮影装置が設置される医療機関が保有する1次読影用端末装置又は前記医用画像の2次読影を行う2次読影用端末装置を操作し読影を行う特定の読影医に関連付けられる読影医パスワードを記憶する読影医パスワード記憶部を更に備えており、
前記携帯型記憶媒体が、前記1次読影用端末装置又は前記2次読影用端末装置に接続され、前記1次読影用端末装置又は前記2次読影用端末装置からパスワードが入力された際に、前記マネージャプログラムは、前記読影医パスワード記憶部に記憶されている読影医パスワードと比較し、一致する場合にのみ前記患者情報を前記読影用モニターにリスト表示することが好ましい。
【0010】
また、前記マネージャプログラムは、前記携帯型記憶媒体に対して個別に付与されているハードウェアIDを認証する機能を更に備えており、該マネージャプログラムが認証するハードウェアIDが、予め設定されているハードウェアIDと一致する場合にのみ外部からのアクセスを許可するように構成してもよい。
【0011】
また、前記管理サーバ装置は、前記画像撮影装置が設置される医療機関が保有する1次読影用端末装置、又は、前記医用画像の2次読影を行う読影医が使用する2次読影用端末装置が有する前記読影用モニターに関するモニター環境情報を記憶するモニター環境記憶部を更に備えており、前記モニター環境記憶部に記憶されているモニター環境情報に基づいて、前記携帯型記憶媒体に格納されている前記ビューワプログラムにおけるモニター環境設定内容を、前記医用画像の1次読影又は2次読影が行われる読影用モニター用に変更可能に構成してもよい。
【0012】
また、本発明の前記目的は、医用画像の読影を行う読影用端末装置に接続可能に構成される携帯型記憶媒体であって、前記読影用端末装置に蓄積される複数の患者を撮影した医用画像の画像情報、及び、前記医用画像に関連付けられる患者情報を複製するための記憶媒体側複製プログラムと、複数の患者を撮影した医用画像の画像情報を記憶する画像記憶部と、前記医用画像に関連付けられる患者情報を蓄積する患者情報記憶部と、前記患者情報記憶部に記憶されている前記患者情報を、前記読影用端末装置が有する読影用モニターにリスト表示するマネージャプログラムと、前記読影用モニターに、前記画像記憶部が記憶する前記医用画像を表示するためのビューワプログラムと、前記読影用モニターに表示された前記医用画像に基づいて読影の所見を入力するための所見入力プログラムと、前記所見入力プログラムを介して入力された所見情報が格納される所見情報格納部とを備えており、前記携帯型記憶媒体の外表面に設けられる記憶媒体パスワード入力部と、前記記憶媒体パスワード入力部を介して入力される情報を認証する認証プログラムとを更に備えており、前記認証プログラムは、前記記憶媒体パスワード入力部に入力された情報と、予め設定されているパスワードとを比較し、一致する場合にのみ外部からのアクセスを許可することを特徴とする携帯型記憶媒体により達成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、読影医により作成される所見レポートの電子化を図り、所見レポートの管理を容易に行うことができる読影システム及び読影システム用の携帯型記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る読影システムの概略構成模式図
図2】本発明に係る読影システムが備える管理サーバ装置を説明するためのブロック図である。
図3】本発明に係る読影システムが備える携帯型記憶媒体を説明するためのブロック図である。
図4】本発明に係る読影システムが備える携帯型記憶媒体の変形例を説明するためのブロック図である。
図5】本発明に係る読影システムが備える携帯型記憶媒体の変形例を説明するための平面図である。
図6】本発明に係る読影システムが備える管理サーバ装置の変形例を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る読影システムについて添付図面を参照して説明する。本発明に係る読影システム1は、各医療機関Hにおいて撮影された患者の医用画像の画像情報に対して該医療機関H内で1次読影を行い読影の所見レポート(1次所見レポート)を作成可能としつつ、患者の医用画像、患者情報や検査情報等と共に管理サーバ装置3により一元的に管理し、更に、医用画像の2次読影を行う読影医に、読影対象となる医用画像を振り分けて読影の所見レポート(2次所見レポート)の作成を可能とするシステムであり、図1の概略構成模式図に示すように、1次読影用端末装置2と、管理サーバ装置3と、携帯型記憶媒体5と、2次読影用端末装置7とにより構成される。
【0016】
1次読影用端末装置2は、患者を撮影して医用画像を得る少なくとも一つの画像撮影装置Zが設置される医療機関Hが保有する装置であり、画像撮影装置Zが取得した医用画像の画像情報及び医用画像に関連付けられる患者情報が蓄積され、前記医療機関Hに所属等する医師が、医療機関H内において医用画像の1次読影を行うための装置である。
【0017】
患者を撮影した医用画像の画像情報としては、特に限定されず、例えば、乳房撮影装置(マンモグラフィ)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomografhy)、X線撮影装置、超音波診断装置、内視鏡装置等によって患者を撮影してデジタル化された画像情報を挙げることができる。また、患者情報とは、患者を特定可能な情報であり、例えば患者氏名、患者ID、年齢、性別、患者の病歴に関する情報等、患者に関する各種情報が含まれる。なお、患者情報には、患者に実施される検査、撮影の内容(例えば検査種別、検査日付、撮影日付、撮影部位等)に関する検査情報を含めてもよい。
【0018】
管理サーバ装置3は、図2のブロック図に示すように、制御手段31、サーバ記憶部32、入力手段33、表示手段34等を備えるコンピュータである。制御手段31は、携帯型記憶媒体5を介して1次読影用端末装置2から供給されサーバ記憶部32に蓄積される医用画像に係る患者情報データベース39に基づいて表示手段34に医用画像に係る患者情報をリスト表示するマネージャプログラム35、サーバ記憶部32に蓄積されている医用画像を表示手段34に表示するためのビューワプログラム36、表示手段34に表示された医用画像に基づいて読影の所見を入力し、所見レポートを作成するための所見入力プログラム37、医用画像に係る画像情報に関連付けられた患者の患者情報を編集するための編集プログラム38等を備えて構成されている。
【0019】
この管理サーバ装置3が有するサーバ記憶部32は、医療機関H等において撮影された患者の医用画像の画像情報を複数蓄積する記憶手段である。なお、このサーバ記憶部32には、患者に関する過去に撮影された医用画像の画像情報も蓄積するように構成してもよい。また、このサーバ記憶部32には、患者情報データベース39が格納されており、かかる患者情報データベース39には、医用画像に係る画像情報に関連付けられた患者の患者情報が蓄積されている。また、サーバ記憶部32は、所見入力プログラム37を介して入力される所見情報が蓄積される所見情報データベース40を備えている。
【0020】
入力手段33は、例えばカーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成されており、管理サーバ装置3の操作者による文字等の入力操作や、医用画像上への描画操作を可能とする機能を有している。
【0021】
表示手段34は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターであり、マネージャプログラム35の作動によって生成される医用画像に係る患者情報のリストや、ビューワプログラム36の作動によって生成される所定の患者の医用画像、所見入力プログラム37の作動によって生成される所見入力部等が表示される。なお、表示手段34は、精密な読影診断を可能とするために、一般的なコンピュータが備えるモニターよりも高精細のものを用いることが好ましい。
【0022】
また、管理サーバ装置3の制御手段31は、サーバ記憶部32に記憶される医用画像の画像情報や患者情報を複製するサーバ複製手段41や、携帯型記憶媒体5が着脱可能に接続される接続ポートを備えており、接続ポートに接続された携帯型記憶媒体5に医用画像の画像情報を複製できるように構成されている。
【0023】
上記構成の管理サーバ装置3においては、当該管理サーバ装置3を操作する読影医が、マネージャプログラム35を起動させてサーバ記憶部32に蓄積されている医用画像に係る患者情報のリストを表示手段34に表示しつつ、リスト表示される患者情報に基づいて任意の患者を選択する(例えば、マウスによるクリック操作)ことにより所見入力プログラム37が起動し、表示手段34に選択した患者に関する所見入力部が表示されるように構成される。また、所見入力プログラム37の起動に連動して、ビューワプログラム36が起動し、表示手段34に、選択した患者に関する医用画像(サーバ記憶部32に記憶される医用画像)が表示される。管理サーバ装置3を操作する読影医は、表示手段34に表示された医用画像に基づいて読影を行い、読影の所見を表す情報を、管理サーバ装置3が備える入力手段33(キーボードやマウス等)を介して所見入力部に入力することができる。読影医によって入力された読影の所見情報は、所見情報データベース40に格納される。なお、読影の結果である所見情報は、読影対象の医用画像の画像情報と関連付けられて所見情報データベース40に格納される。
【0024】
ここで、読影に関する所見情報としては、シェーマ図等の画像情報、コメント等の文字情報(文字所見)、定型的な図形情報やコメント情報などがある。なお、シェーマ図は、一般的には、身体部位のテンプレート画像(下絵画像)上に病変部や治療部位を示す領域を書き込んだり、病名やコメント等を記載したりして作成される画像情報である。
【0025】
携帯型記憶媒体5は、1次読影用端末装置2、管理サーバ装置3、及び、医用画像の2次読影を行う読影医が使用する2次読影用端末装置7のそれぞれに接続可能に構成されており、1次読影用端末装置2に蓄積される医用画像の画像情報及び医用画像に関連付けられる患者情報を、本携帯型記憶媒体5内に複製・記憶する機能、接続された1次読影用端末装置2や管理サーバ装置3、2次読影用端末装置7が有するモニターに医用画像等を表示させる機能を有するものであり、図3のブロック図に示すように、その内部に、記憶媒体側複製プログラム50、画像記憶部51、患者情報記憶部52、マネージャプログラム53、ビューワプログラム54、所見入力プログラム55を備えるように構成されている。このような携帯型記憶媒体5としては、USBメモリやメモリカード、HDD(ハードディスクドライブ)等を好適に使用することができる。
【0026】
記憶媒体側複製プログラム50は、1次読影用端末装置2に蓄積される患者を撮影した医用画像の画像情報及び医用画像に関連付けられる患者情報を複製するためのプログラムである。この記憶媒体側複製プログラム50によって複製された医用画像の画像情報は、携帯型記憶媒体5が備える画像記憶部51に記憶される。また、記憶媒体側複製プログラム50によって複製された医用画像に関連付けられる患者情報は、携帯型記憶媒体5が備える患者情報記憶部52に記憶される。
【0027】
画像記憶部51は、上述のように、記憶媒体側複製プログラム50によって複製された医用画像を記憶し、又は、管理サーバ装置3が有するサーバ複製手段41によって複製された医用画像の画像情報を記憶する記憶部である。また、患者情報記憶部52は、上述のように、記憶媒体側複製プログラム50によって複製された医用画像に係る患者情報を記憶し、又は、上記サーバ複製手段41によって複製された医用画像に係る患者情報を記憶する記憶部であり、該患者情報記憶部52に記憶されている患者情報は、画像記憶部51に格納されている医用画像に係る画像情報と関連付けられて構成されており、撮影対象の患者と医用画像との対応関係が確保されている。また、画像記憶部51に格納される医用画像の画像情報としては、撮影対象の患者に関する過去に撮影された医用画像の画像情報を含めることもできる。過去に撮影された医用画像を画像記憶部51に格納する場合には、患者情報記憶部52に記憶されている患者情報は、当該過去医用画像とも関連付けられて構成されている。
【0028】
携帯型記憶媒体5が備えるマネージャプログラム53は、患者情報記憶部52に記憶されている患者情報(画像記憶部51に記憶されている医用画像に係る患者情報)を、モニターにリスト表示するためのプログラムである。
【0029】
携帯型記憶媒体5が備えるビューワプログラム54は、画像記憶部51が記憶する医用画像をモニターに表示するためプログラムである。このビューワプログラム54は、画像記憶部51において撮影対象の患者に関する過去に撮影された医用画像が格納されている場合には、現在の医用画像に加えて過去の医用画像もモニターに表示できるように構成されている。
【0030】
また、所見入力プログラム55は、読影医が読影の所見情報を入力して所見レポートを作成するためのプログラムである。この所見入力プログラム55に関しても、患者に関する過去の所見情報が作成されている場合には、当該過去の所見情報をモニターに表示できるように構成されている。なお、読影に関する所見情報としては、上述のシェーマ図等の画像情報、コメント等の文字情報(文字所見)、定型的な図形情報やコメント情報などである。
【0031】
また、携帯型記憶媒体5は、上記所見入力プログラム55を介して入力された所見情報が格納される所見情報格納部56を更に備えている。
【0032】
上記構成の携帯型記憶媒体5は、患者を撮影して医用画像を得る少なくとも一つの画像撮影装置Zが設置される医療機関Hが保有する1次読影用端末装置2に接続可能に構成されており、当該1次読影用端末装置2に接続された際に(携帯型記憶媒体5をUSBメモリとして構成する場合には、1次読影用端末装置2が有するUSBポートに接続された際に)、携帯型記憶媒体5内に格納される記憶媒体側複製プログラム50を起動させることにより、1次読影用端末装置2に蓄積される医用画像及び該医用画像に関連付けられた患者情報が複製され、携帯型記憶媒体5内における画像記憶部51に医用画像が記憶され、患者情報記憶部52に医用画像に関連付けられた患者情報が記憶される。そして、1次読影用端末装置2を操作する医師が、携帯型記憶媒体5内に格納されるマネージャプログラム53を起動させることにより、1次読影用端末装置2が有する読影用モニター21に、患者情報記憶部52に記憶されている患者情報(画像記憶部51に記憶されている医用画像に係る患者情報)がリスト表示される。リスト表示される患者情報に関し、所定の患者情報を選択することにより携帯型記憶媒体5内に格納される所見入力プログラム55が起動し、1次読影用端末装置2が有する読影用モニター21に選択した患者に関する所見入力部が表示される。また、所見入力プログラム55の起動に連動して、携帯型記憶媒体5内に格納されるビューワプログラム54が起動し、1次読影用端末装置2が有する読影用モニター21に、選択した患者に関する医用画像(画像記憶部51が記憶する医用画像)が表示される。1次読影用端末装置2を操作する医師(読影医)は、読影用モニター21に表示された医用画像に基づいて1次読影を行い、1次読影に関する所見情報(1次所見情報)を、1次読影用端末装置2が有する入力手段22(キーボードやマウス等)を介して所見入力部に入力することができる。読影医によって入力された1次読影の所見情報(1次所見情報)は、携帯型記憶媒体5が有する所見情報格納部56に格納される。なお、所見情報格納部56に格納される1次所見情報は、読影対象の医用画像の画像情報と関連付けられている。
【0033】
上記のようにして携帯型記憶媒体5内に格納された医用画像、患者情報、1次所見情報は、携帯型記憶媒体5を管理サーバ装置3に接続することにより、該管理サーバ装置3が有するサーバ記憶部32内に複製・記憶され、管理サーバ装置3において一元的に管理される。
【0034】
また、上記構成の携帯型記憶媒体5は、医用画像の読影を行う読影医が使用する2次読影用端末装置7にも接続可能に構成されており、当該2次読影用端末装置7に接続された際に(携帯型記憶媒体5をUSBメモリとして構成する場合には、端末装置7が有するUSBポートに接続された際に)、携帯型記憶媒体5内に格納されるマネージャプログラム53を起動させることにより、2次読影用端末装置7が有する読影用モニター71に、患者情報記憶部52に記憶されている患者情報(画像記憶部51に記憶されている医用画像に係る患者情報)がリスト表示される。リスト表示される患者情報に関し、所定の患者情報を選択する例えば、マウスによるクリック操作)ことにより携帯型記憶媒体5内に格納される所見入力プログラム55が起動し、2次読影用端末装置7が有する読影用モニター71に選択した患者に関する所見入力部が表示される。また、所見入力プログラム55の起動に連動して、携帯型記憶媒体5内に格納されるビューワプログラム54が起動し、2次読影用端末装置7が有する読影用モニター71に、選択した患者に関する医用画像(画像記憶部51が記憶する医用画像)が表示される。2次読影用端末装置7を操作する読影医は、読影用モニター71に表示された医用画像に基づいて2次読影を行い、2次読影に関する所見情報(2次所見情報)を、端末装置7が有する入力手段72(キーボードやマウス等)を介して所見入力部に入力することができる。読影医によって入力された2次読影の所見情報(2次所見情報)は、携帯型記憶媒体5が有する所見情報格納部56に格納される。なお、所見情報格納部56に格納される2次所見情報は、読影対象の医用画像の画像情報と関連付けられている。
【0035】
このような読影システム1によれば、画像撮影装置Zを有する医療機関Hにおいて医用画像の1次読影を行い、該医用画像の2次読影を他の医療機関H等に所属する医師(読影医)が行うような場合であっても、共通の電子化された読影の所見レポート(所見情報)に基づいて医用画像の読影を行うことができるため、医用画像の1次読影及び、読影医を変更した2次読影を迅速スムーズに行うことが可能となる。具体的に説明すると、例えば、画像撮影装置Zが設置されるA医療機関H及びB医療機関Hのそれぞれにおいて、所属する医師(読影医)が各1次読影用端末装置2を用いて20名分の患者を撮影した医用画像について1次読影を行う場合、携帯型記憶媒体5を2つ準備し、各医療機関Hの担当読影医に送付する。携帯型記憶媒体5を受け取った各読影医は、1次読影用端末装置2に携帯型記憶媒体5を接続すると共に、記憶媒体側複製プログラム50を起動させ、各1次読影用端末装置2に蓄積される医用画像及び患者情報をそれぞれ画像記憶部51、患者情報記憶部52に記憶させる。ついで、マネージャプログラム53を起動させることにより、1次読影用端末装置2が有する読影用モニター21に、患者情報記憶部52に記憶されている患者情報がリスト表示され、所定の患者情報を選択すると、携帯型記憶媒体5内に格納される所見入力プログラム55が起動し、1次読影用端末装置2が有する読影用モニター21に選択した患者に関する所見入力部が表示される。同時に、携帯型記憶媒体5内に格納されるビューワプログラム54が起動し、1次読影用端末装置2が有する読影用モニター21に、選択した患者に関する医用画像(画像記憶部51が記憶する医用画像)が表示され、1次読影用端末装置2を操作する医師(読影医)は、読影用モニター21に表示された医用画像に基づいて1次読影を行い、1次読影に関する所見情報(1次所見情報)を、1次読影用端末装置2が有する入力手段22(キーボードやマウス等)を介して所見入力部に入力することができる。読影医によって入力された1次読影の所見情報(1次所見情報)は、所見情報格納部56に格納される。
【0036】
その後、携帯型記憶媒体5は、管理サーバ装置3側に送られ、該管理サーバ装置3内に、携帯型記憶媒体5内に格納された医用画像、患者情報、1次所見情報が記憶され、管理サーバ装置3において一元管理される。
【0037】
A医療機関H及びB医療機関Hから送られ、管理サーバ装置3内に蓄積される40名分の患者の医用画像について、例えば、甲医師、乙医師、丙医師、丁医師に2次読影を依頼するような場合、携帯型記憶媒体5を4つ準備し、それぞれに所定の患者に関する医用画像や患者情報、1次所見情報を格納して各医師に送付等することにより読影対象である医用画像の振り分けを行う。
【0038】
携帯型記憶媒体5を受け取った2次読影者である甲医師、乙医師、丙医師、丁医師は、携帯型記憶媒体5に格納されている医用画像の読影作業を進めるが、このとき、各読影医は、自身が使用する2次読影用端末装置7に既に格納されているビューワプログラムや所見入力プログラムを起動して読影を行うのではなく、携帯型記憶媒体5に格納されているマネージャプログラム53やビューワプログラム54、所見入力プログラム55を起動して医用画像の読影を行うことになる。
【0039】
A医療機関HやB医療機関Hが有する1次読影用端末装置2や、甲医師、乙医師、丙医師、丁医師がそれぞれ使用する2次読影用端末装置7は、その種類によってビューワプログラムや所見入力プログラムが異なる場合があるため、それぞれの読影用端末装置を用いて所見情報を入力してしまうと、互換性の問題によって他の読影用端末装置では、所見情報の確認を行うことが困難になる場合があり、例えば、A医療機関Hの医師が使用する1次読影用端末装置2に格納されている所見入力プログラムを用いて作製した所見情報(1次所見情報)については、甲医師が自ら使用する2次読影用端末装置7を用いて、その内容を確認することができないような場合が生じる。
【0040】
一方、本発明の場合には、携帯型記憶媒体5に格納されているマネージャプログラム53、ビューワプログラム54、所見入力プログラム55を起動して医用画像の読影を行い、読影結果である所見情報を携帯型記憶媒体5内(所見情報格納部56)に入力・保存することになる為、1次読影者であるA医療機関Hの医師(B医療機関Hの医師)、2次読影者である甲医師(乙医師、丙医師、丁医師)は、共に、共通のビューワプログラム54や所見入力プログラム55を用いることになる。この結果、各読影医(1次読影医であるA医療機関Hの医師及びB医療機関Hの医師、並びに、2次読影医である甲医師、乙医師、丙医師及び丁医師)が使用する読影用端末装置の種類に依存することなく、医用画像の読影を行い、かつ、電子化された読影結果の所見情報(所見レポート)を作成することが可能となり、管理サーバ装置3に蓄積される患者の医用画像を複数の読影医に振り分けてもスムーズに医用画像の読影とその所見レポート(所見情報)の作成を行うことが可能となる。なお、各読影医に振り分けられて作成された所見レポートは、最終的に管理サーバ装置3が備える所見情報データベース40に格納され、撮影された患者の医用画像の画像情報と共に管理サーバ装置3側にて一元的に管理される。
【0041】
以上、本発明の一実施形態に係る読影システム1について説明したが、読影システム1の具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、図4のブロック図に示すように、携帯型記憶媒体5が、画像撮影装置Zが設置される医療機関Hが保有する1次読影用端末装置2、又は、医用画像の2次読影を行う2次読影用端末装置7を操作し読影を行う特定の読影医に関連付けられる読影医パスワードを記憶する読影医パスワード記憶部57を更に備えるように構成し、携帯型記憶媒体5が読影用端末装置(1次読影用端末装置2又は2次読影用端末装置7)に接続され、各読影用端末装置の入力手段22,72からパスワードが入力された際に、マネージャプログラム53が、読影医パスワード記憶部57に記憶されている読影医パスワードと比較し、一致する場合にのみ医用画像に係る患者情報を読影用モニター21,71にリスト表示するように構成してもよい。このような構成を採用する場合、医用画像の読影を行う読影医以外の者が、医用画像にアクセスすることを効果的に防止することができ、確実に読影を行う読影医による読影の所見を得ることができると共に、医用画像や患者情報が外部に流出することを抑制することができる。なお、異なる読影医によって1次読影及び2次読影が行われるような場合には、1次読影終了後、管理サーバ装置3側で2次読影を行う読影医用の読影医パスワードに設定し直される。
【0042】
また、図5の平面図に示すように、携帯型記憶媒体5が、その外表面に設けられる記憶媒体パスワード入力部58と、記憶媒体パスワード入力部58を介して入力される情報を認証する認証プログラムとを更に備え、認証プログラムが、記憶媒体パスワード入力部58に入力された情報と、予め設定されているパスワードとを比較し、一致する場合にのみ外部からのアクセスを許可するように構成してもよい。携帯型記憶媒体5の外表面に設けられる記憶媒体パスワード入力部58としては、例えば、図5に示すようにテンキー部により構成することができる。このテンキー部に所定桁数の数字によるパスワードが入力され、認証プログラムがこの入力されたパスワードの認証を行う。なお、図5に示す構成においては、携帯型記憶媒体5をUSBメモリとして構成している。このような構成を採用することにより、例えば、医用画像が記憶された携帯型記憶媒体5を紛失したような場合であっても、医用画像や患者情報が外部に流出することを抑制することができる。また、例えば、誤ったパスワードを10回連続して入力したような場合に、携帯型記憶媒体5に格納されている全ての内部情報(医用画像の画像情報や患者情報、各プログラム等)が消去されるように構成してもよい。このような構成を採用することにより、万一盗難にあったとしても、内部に格納される医用画像や患者情報が外部に流出することをより効果的に防止することができる。
【0043】
また、上記実施形態において、マネージャプログラム53が、携帯型記憶媒体5に対して個別に付与されているハードウェアIDを認証する機能を更に備えるように構成し、該マネージャプログラム53が認証するハードウェアIDが、予め設定されているハードウェアIDと一致する場合にのみ外部からのアクセスを許可して、医用画像に係る患者情報を読影用モニター21,71にリスト表示できるように構成してもよい。このような構成を採用する場合、例えば、携帯型記憶媒体5に格納されている各情報やプログラムが、他の携帯型記憶媒体5に複製されたような場合に、マネージャプログラム53を起動したとしても、マネージャプログラム53自体が格納されている携帯型記憶媒体5が正規の携帯型記憶媒体5でないと判断して医用画像に係る患者情報をモニターにリスト表示しないように構成することができ、効果的に医用画像や患者情報が外部に流出することを抑制することができる。
【0044】
また、医用画像の読影を行う読影用の端末装置2,7が有する読影用モニター21,71は、その種類によって、縦方向及び横方向のピクセル数や、原点位置等が異なるため、携帯型記憶媒体5に格納されるビューワプログラム54の作動によって医用画像を読影用モニター21,71に表示した場合に、該医用画像の一部や全体がモニターに表示されない場合、或いは、医用画像が小さすぎる/大きすぎる状態で表示される場合がある。このようなモニター上での医用画像の表示不良を解消するために、管理サーバ装置3が、図6のブロック図に示すように、画像撮影装置Zが設置される医療機関Hが保有する1次読影用端末装置2、又は、医用画像の2次読影を行う読影医が使用する2次読影用端末装置7が有する読影用モニター21,71に関するモニター環境情報を記憶するモニター環境記憶部42を更に備え、モニター環境記憶部42に記憶されているモニター環境情報に基づいて、携帯型記憶媒体5に格納されているビューワプログラム54におけるモニター環境設定内容を、医用画像の1次読影又は2次読影が行われる読影用モニター21,71用に変更可能に構成してもよい。ここで、モニター環境情報とは、読影用端末装置(1次読影用端末装置2、2次読影用端末装置7)が有する読影用モニター21,71の縦方向及び横方向のピクセル数に関する情報や原点情報、モニターの表示寸法情報等を意味する。このような構成を採用することにより、読影用モニター71上の正しい位置に正しい大きさで医用画像を表示することができるため、医用画像の読影を行う読影医が、読影用モニター21,71上に表示される医用画像の表示位置を修正する等の煩雑さを抑制することができ、読影作業をスムーズに進めることが可能となる。なお、異なる読影医による1次読影及び2次読影を依頼するような場合には、1次読影終了後、管理サーバ装置3側で2次読影を行う読影医が使用する端末装置7が有する読影用モニター71に関するモニター環境情報に設定し直される。
【0045】
また、上記実施形態においては、管理サーバ装置3が、表示手段34に表示された医用画像に基づいて読影の所見を入力するための所見入力プログラム37を備えるように構成されているが、管理サーバ装置3を用いて医用画像の読影を行わないような場合には、この所見入力プログラム37を備えないように構成してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 読影システム
2 1次読影用端末装置
21 読影用モニター
22 端末装置が有する入力手段
3 管理サーバ装置
31 制御手段
32 サーバ記憶部
33 入力手段
34 表示手段
35 マネージャプログラム
36 ビューワプログラム
37 所見入力プログラム
38 編集プログラム
39 患者情報データベース
40 所見情報データベース
41 サーバ複製手段
42 モニター環境記憶部
5 携帯型記憶媒体
50 記憶媒体側複製プログラム
51 画像記憶部
52 患者情報記憶部
53 マネージャプログラム
54 ビューワプログラム
55 所見入力プログラム
56 所見情報格納部
57 読影医パスワード記憶部
58 記憶媒体パスワード入力部
7 2次読影用端末装置
71 読影用モニター
72 端末装置が有する入力手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6