(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】間隔調整装置及びそれを含む二次電池用シール設備
(51)【国際特許分類】
B29C 65/00 20060101AFI20240806BHJP
B65B 51/30 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B29C65/00
B65B51/30
(21)【出願番号】P 2023542646
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 KR2022015172
(87)【国際公開番号】W WO2023068615
(87)【国際公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】10-2021-0142161
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、エウン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】オー、ウーン グン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ギー フワン
(72)【発明者】
【氏名】イェオ、サン ウク
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1762807(KR,B1)
【文献】特表2015-536025(JP,A)
【文献】特開2002-298799(JP,A)
【文献】特開2001-202934(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1453784(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0012986(KR,A)
【文献】特表2023-501632(JP,A)
【文献】特開平11-149910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00
B65B 51/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチのシール部を圧着してシールする二次電池用シール設備であって、
パウチのシール部を圧着してシールする一対のシールブロックと、
前記一対のシールブロックの間の間隔を調整する間隔調整装置と、を含み、
前記間隔調整装置は、
前記パウチのシール部の一面を加圧する一つのシールブロックの両端部にそれぞれ備えられる支持片と、
前記パウチのシール部の他面を加圧する他の一つのシールブロックの両端部にそれぞれ回転可能に結合され、周り面に沿って互いに異なる高さを有する複数個の調整面が設けられ、回転時に互いに異なる高さを有する前記複数個の調整面のうちいずれか一つの調整面を前記支持片に支持させて一対のシールブロックの間の間隔を調整する間隔調整片と、を含む、二次電池用シール設備。
【請求項2】
他の一つのシールブロックを基準として見たとき、前記複数個の調整面のうち最も低い高さを有する調整面の高さは、他の一つのシールブロックの加圧面より119μm~139μm高く設けられる、請求項1に記載の二次電池用シール設備。
【請求項3】
一つのシールブロックを基準として見たとき、前記調整面に支持される前記支持片の支持面の高さは、一つのシールブロックの加圧面より119μm~139μm高く設けられる、請求項1に記載の二次電池用シール設備。
【請求項4】
前記複数個の調整面は、最も低い高さを有する調整面から最も高い高さを有する調整面まで同じ高さの差で設けられる、請求項1に記載の二次電池用シール設備。
【請求項5】
前記複数個の調整面は、最も低い高さを有する調整面から最も高い高さを有する調整面まで18~22μmの高さの差で設けられる、請求項4に記載の二次電池用シール設備。
【請求項6】
前記複数個の調整面は、前記間隔調整片の周りに沿って高さ順に配置されて設けられる、請求項1に記載の二次電池用シール設備。
【請求項7】
相互支持される前記支持片の支持面と前記複数個の調整面とは、面密着するように水平面で設けられる、請求項1に記載の二次電池用シール設備。
【請求項8】
相互対応する調整面の間の境界面は傾斜面で形成される、請求項1に記載の二次電池用シール設備。
【請求項9】
前記支持片及び前記間隔調整片は合金工具鋼で設けられる、請求項1に記載の二次電池用シール設備。
【請求項10】
他の一つのシールブロックに前記間隔調整片を回転可能に結合する結合ボルトを含み、
前記結合ボルトは、締め付けると、前記間隔調整片を前記シールブロックに動かないように固定し、緩めると、前記結合ボルトを中心に間隔調整片が回転することができるように固定を解除する、請求項1に記載の二次電池用シール設備。
【請求項11】
前記支持片は、前記一つのシールブロックに着脱可能に結合される、請求項1に記載の二次電池用シール設備。
【請求項12】
パウチのシール部をシールする一対のシールブロックの間の間隔を調整する間隔調整装置であって、
前記パウチのシール部の一面を加圧する一つのシールブロックの両端部にそれぞれ備えられる支持片と、
前記パウチのシール部の他面を加圧する他の一つのシールブロックの両端部にそれぞれ回転可能に結合され、周り面に沿って互いに異なる高さを有する複数個の調整面が設けられ、回転時に互いに異なる高さを有する前記複数個の調整面のうちいずれか一つの調整面を前記支持片に支持させて一対のシールブロックの間の間隔を調整する間隔調整片と、を含む、間隔調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年10月22日付けの韓国特許出願第10-2021-0142161号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、一対のシールブロックの間の間隔を段階的に調整することができる間隔調整装置及びそれを含む二次電池用シール設備に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、二次電池(secondary battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電が可能な電池をいい、このような二次電池は、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダ、及び電気自動車などに広く使用されている。
【0004】
前記二次電池は、電極組立体が金属缶に内蔵される缶型二次電池と、電極組立体がパウチに内蔵されるパウチ型二次電池とに分類される。前記缶型二次電池は、電極組立体、電解液、電極組立体と電解液を収容する缶、及び缶の開口部に実装されるキャップ組立体を含む構造を有する。そして、パウチ型二次電池は、電極組立体、電解液、電極組立体と電解液を収容するパウチを含む構造を有する。
【0005】
前記パウチ型二次電池は、パウチの内部に電極組立体を収容した後、パウチの縁面をシールして封止することで製造される。このとき、パウチの縁面は、二次電池用シール装置を使用してシールしており、前記二次電池用シール装置は、パウチに備えられたシール部の両方の表面を圧着してシールする一対のシールブロックを含んでいる。
【0006】
一方、前記二次電池用シール装置は、パウチのシール部の厚さを調整するために一対のシールブロックの間に挿入して一対のシールブロックの間の間隔を調整するシムリング(Shim Ring)を含んでいる。
【0007】
しかし、従来の二次電池用シール装置におけるシムリングは、パウチのシール部の厚さを調整する度に一対のシールブロックの間に挿入又は除去しなければならないため、作業の連続性と効率性が低下するという不都合があった。特に、一対のシールブロックの間の間隔を段階的に調整するためには、様々な高さを有するシムリングを備えなければならないため、高いコストがかかるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は、簡便な操作だけでも、一対のシールブロックの間の間隔を段階的に調整することができ、その結果、作業の連続性と効率性を高めることができ、特に、コストの支出を大幅に減らすことができる間隔調整装置及びそれを含む二次電池用シール設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を達成するための二次電池用シール設備は、パウチのシール部を圧着してシールするためのものであって、パウチのシール部を圧着してシールする一対のシールブロックと、前記一対のシールブロックの間の間隔を調整する間隔調整装置と、を含み、前記間隔調整装置は、前記パウチのシール部の一面を加圧する一つのシールブロックの両端部にそれぞれ備えられる支持片と、前記パウチのシール部の他面を加圧する他の一つのシールブロックの両端部にそれぞれ回転可能に結合され、周り面に沿って互いに異なる高さを有する複数個の調整面が設けられ、回転時に互いに異なる高さを有する前記複数個の調整面のうちいずれか一つの調整面を前記支持片に支持させて一対のシールブロックの間の間隔を調整する間隔調整片と、を含むことができる。
【0010】
他の一つのシールブロックを基準として見たとき、前記複数個の調整面のうち最も低い高さを有する調整面の高さは、他の一つのシールブロックの加圧面より119μm~139μm高く設けられてもよい。
【0011】
一つのシールブロックを基準として見たとき、前記調整面に支持される前記支持片の支持面の高さは、一つのシールブロックの加圧面より119μm~139μm高く設けられてもよい。
【0012】
前記複数個の調整面は、最も低い高さを有する調整面から最も高い高さを有する調整面まで同じ高さの差で設けられてもよい。
【0013】
前記複数個の調整面は、最も低い高さを有する調整面から最も高い高さを有する調整面まで18~22μmの高さの差で設けられてもよい。
【0014】
前記複数個の調整面は、前記間隔調整片の周りに沿って高さ順に配置されて設けられてもよい。
【0015】
相互支持される前記支持片の支持面と前記複数個の調整面とは、面密着するように水平面で設けられてもよい。
【0016】
相互対応する調整面の間の境界面は傾斜面で形成されてもよい。
【0017】
前記支持片と前記間隔調整片は合金工具鋼で設けられてもよい。
【0018】
他の一つのシールブロックに前記間隔調整片を回転可能に結合する結合ボルトを含み、前記結合ボルトは、締め付けると、前記間隔調整片を前記シールブロックに動かないように固定し、緩めると、前記結合ボルトを中心に間隔調整片が回転することができるように固定を解除することができる。
【0019】
前記支持片は、前記一つのシールブロックに着脱可能に結合されることができる。
【0020】
一方、本発明の間隔調整装置は、パウチのシール部をシールする一対のシールブロックの間の間隔を調整するためのものであって、前記パウチのシール部の一面を加圧する一つのシールブロックの両端部にそれぞれ備えられる支持片と、前記パウチのシール部の他面を加圧する他の一つのシールブロックの両端部にそれぞれ回転可能に結合され、周り面に沿って互いに異なる高さを有する複数個の調整面が設けられ、回転時に互いに異なる高さを有する前記複数個の調整面のうちいずれか一つの調整面を前記支持片に支持させて一対のシールブロックの間の間隔を調整する間隔調整片と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の二次電池用シール設備は、パウチのシール部を圧着してシールする一対のシールブロックと、前記一対のシールブロックの間の間隔を調整する間隔調整装置と、を含み、且つ前記間隔調整装置は、支持片と、互いに異なる高さを有する複数の調整片が設けられた間隔調整片を含むことに特徴がある。このような特徴により、一対のシールブロックの間の間隔を段階的に調整することができ、その結果、作業の連続性と効率性を高めることができ、特にコストの支出を大幅に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール設備を示す側面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール設備の支持片を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール設備の間隔調整片を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール設備の使用状態を示す図であって、支持片と間隔調整片の最も高い高さを有する調整面が支持された状態を示す図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール設備の使用状態を示す図であって、支持片と間隔調整片の最も低い高さを有する調整片が支持された状態を示す図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る二次電池用シール設備を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたって類似の部分に対しては類似の図面符号を付した。
【0024】
一方、パウチは適用製品又はサイズによって厚さが異なることがあり、パウチの厚さに応じて一対のシールブロックに設けられた加圧面の間の間隔調整が必要である。すなわち、一対のシールブロックがパウチのシール部を強く圧着する場合、シール部が毀損する可能性があり、弱く加圧する場合、シール部のシール力が弱くなる可能性がある。これにより、パウチの厚さに応じて一対のシールブロックに設けられた加圧面の間の間隔を調整することで、パウチのシール部を安定的にシールすることができる。このとき、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール設備を用いると、一対のシールブロックに設けられた加圧面の間の間隔を多段階に調整することができ、その結果、様々な厚さを有するパウチに互換的に使用することができる。
【0025】
以下、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール設備について、添付の図面を参照して詳しく説明する。
【0026】
[本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール設備]
本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール設備は、パウチのシール部を圧着してシールする一対のシールブロックの間の間隔を多段階に調整することができる構造を有する。これにより、一対のシールブロックの間の間隔を簡便に多段階に調整することができ、その結果、使用の便宜性及び効率性、作業の連続性を高めることができる。
【0027】
すなわち、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール設備は、
図1~
図8に示すように、パウチのシール部(図示せず)を圧着してシールする一対のシールブロック10、20、及び前記一対のシールブロック10、20の間の間隔を多段階に調整する間隔調整装置100を含む。
【0028】
シールブロック
シールブロック(sealing block)10、20は一対で設けられ、一対のシールブロック10、20は、
図1を参照すると、上下方向に対称に設けられている。そして、一対のシールブロック10、20は、相互対応する対応面にそれぞれ加圧面11、21が形成されており、前記一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面11、21にパウチのシール部(図示せず)を圧着してシールする。
【0029】
一方、
図1を参照すると、一対のシールブロック10、20のうち上部に配置されるシールブロック10を一つのシールブロックとし、下部に配置されるシールブロック20を他の一つのシールブロックとする。
【0030】
間隔調整装置
間隔調整装置100は、
図3及び
図4を参照すると、前記一対のシールブロックの間の間隔を多段階に調整することができる。すなわち、間隔調整装置100は、支持片110と間隔調整片120とを含む。
【0031】
支持片110は、
図3を参照すると、円筒形状を有し、前記パウチのシール部の一面を加圧する一つのシールブロック10の両端部(
図1において、一つのシールリングの左右側の端部)にそれぞれ備えられる。特に、支持片110は、一面(
図1において、上部面)が前記一つのシールブロックに固定ボルト112を介して結合されており、他面が(
図1において、下部面)が間隔調整片に支持されるように支持面111を形成している。
【0032】
一方、固定ボルト112は、支持片110に形成された挿入溝を貫通して一つのシールブロックに結合されるネジ部と、挿入溝の外周面に支持される頭部とを含む。
【0033】
特に、支持片110は、固定ボルト112を介して一つのシールブロック10から着脱可能に固定されることができる。これにより、支持面111が設定深さで摩耗が発生した場合、固定ボルト112を緩めることで、摩耗が発生した支持片110を除去した後、新たな支持片110を、固定ボルト112を用いて一つのシールブロック10に結合することができる。
【0034】
一方、支持片110は、一つのシールブロック10に溝と突起を用いて嵌め込み結合されてもよい。すなわち、一つのシールブロック10に溝を形成し、前記支持片110において一つのシールブロック10に形成された溝に嵌め込み結合される突起を形成することができる。
【0035】
間隔調整片120は、
図4及び
図5を参照すると、前記パウチのシール部の他面を加圧する他の一つのシールブロック20の両端部にそれぞれ回転可能に結合され、周り面(
図4において、時間隔調整片の上面の周り)に沿って互いに異なる高さを有する複数個の調整面121が設けられている。
【0036】
すなわち、間隔調整片120は
図4を参照すると、他の一つのシールブロック20に支持される底面は水平面で形成され、支持片に向かう上面は互いに異なる高さを有する複数個の調整面121で設けられる。そして、相互対応する調整面の間の境界面は、間隔調整片120の中心点に向かって形成されている。これにより、複数個の調整面121は、支持片から見たときに同じ面積を有するようになる。
【0037】
このような構造を有する間隔調整片120を回転させると、互いに異なる高さを有する複数個の調整面121が順次に支持片110に支持されるが、このとき、複数個の調整面121のうちいずれか一つの調整面121を前記支持片110に支持させると、支持片に支持される調整面の高さに応じて、一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面11、21の間の間隔を広げるように増大させるか、又は狭めるように減少させることができる。これにより、一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面11、21の間の間隔を調整することができる。
【0038】
ここで、間隔調整片120に形成された複数個の調整面121は、間隔調整片120の側面から見たとき、上下方向に互いに異なる厚さを有し、そのため、支持片から見たとき、間隔調整片120に形成された複数個の調整面121は互いに異なる高さを有するようになる。
【0039】
したがって、間隔調整片120は、互いに異なる高さを有する複数個の調整面121のうちいずれか一つを支持片110に支持させることにより、一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面11、21間の間隔を多段階に調整することができる。
【0040】
一方、他の一つのシールブロック20を基準として見たとき、複数個の調整面121のうち最も低い高さを有する調整面121aの高さは、他の一つのシールブロック20の加圧面21より119μm~139μm、好ましくは128μm~131μm、最適は129μm高く設けられてもよい。また、一つのシールブロック10を基準として見たとき、前記調整面121に支持される前記支持片110の支持面111の高さは、一つのシールブロック10の加圧面11より119μm~139μm、好ましくは128μm~131μm、最適は129μm高く設けられてもよい。これにより、一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面11、21の間の最小間隔を238μm~278μm、最適は258μmに調整することができる。
【0041】
また、一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面11、21の間を258μm離隔させる理由は、一対のシールブロック10、20同士に熱が伝達されることを防止するための最小限の間隔であり、これ以下の間隔を有する場合、熱伝達によって一対のシールブロック10、20に圧着されるパウチのシール部不良が発生する可能性がある。
【0042】
なお、複数個の調整面121は、
図4を参照すると、最も低い高さを有する調整面から最も高い高さを有する調整面まで同じ高さの差で設けられてもよい。
【0043】
ここで、最も低い高さを有する調整面は、図面において「A」と表し、最も高い高さを有する調整面は、図面において「B」と表す。
【0044】
一例として、複数個の調整面121は、最も低い高さを有する調整面から最も高い高さを有する調整面まで18~22μm、好ましくは20μmの高さの差で設けられてもよい。これにより、別途の測定がなくても、一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面11、21の間の間隔を20μmの単位で調整することができる。
【0045】
一方、他の一つのシールブロック20を基準として見たとき、最も低い高さを有する調整面と最も高い高さを有する調整面との間の高さの差は100μmを有することができる。これにより、一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面11、21の間の間隔を最大100μmまで増大することができる。また、一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面11、21の間の間隔が100μm以上増大した場合、一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面11、21の間に圧着されるパウチのシール部の圧着力が弱くなり、シール不良が発生することがある。
【0046】
なお、複数個の調整面121は、前記間隔調整片120の周り(
図4を参照すると、反時計回り方向)に沿って高さ順に配置されて設けられてもよい。これにより、間隔調整片120の小さな操作だけでも、一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面11、21の間の間隔を多段階に調整することができる。すなわち、複数個の調整面121は、
図4を参照すると、最も高い高さを有する調整面を基準に、反時計回り方向に高さが徐々に低くなる階段形状を有する。
【0047】
一方、相互支持される前記支持片110の支持面111と複数個の調整面121とは、面密着するように水平面で設けられてもよい。これにより、前記支持片110の支持面111と複数個の調整面121の支持力を高めることができる。
【0048】
また、前記支持片110と前記間隔調整片120は合金工具鋼で設けられてもよく、好ましくは、熱鋼金型工具鋼であるSKD61で設けられてもよい。これにより、使用周期を大幅に延長させることができる。
【0049】
一方、熱鋼金型工具鋼であるSKD61は、長時間高温に晒されても強度と硬度を維持することができる。すなわち、熱鋼金型工具鋼であるSKD61は、高温強度に優れ、靭性が高く、高い耐軟化抵抗性を有し、熱処理変形が少ない性質を有する。
【0050】
一方、前記間隔調整片120は、
図6を参照すると、他の一つのシールブロック20に結合ボルト130を介して回転可能に結合されてもよい。すなわち、前記結合ボルト130は、締め付けると、前記間隔調整片120を前記シールブロック20に動かないように固定することができ、緩めると、前記結合ボルト130を中心に間隔調整片120が回転することができるように固定を解除することができる。
【0051】
また、前記結合ボルト130は頭部とネジ部とを含み、前記頭部は間隔調整片120に設けられた挿入溝123に挿入されて外部への突出を防止する。
【0052】
なお、間隔調整片120は、複数の調整面に合わせて多角形の形状を有する。すなわち、間隔調整片が6つの調整面を有すると六角形状を有し、間隔調整片が4つの調整面を有すると四角形状を有する。
【0053】
一方、他の一つのシールブロック20は、
図6を参照すると、多角形の形状を有する間隔調整片120の側面が支持されるように側壁12bが形成されてもよく、前記側壁12bに間隔調整片120の側面が支持されて間隔調整片120の固定力を高めることができる。このとき、間隔調整片120を回転させるためには、固定ボルトを緩めて間隔調整片120を側壁12bより高く持ち上げた状態で回転させる必要がある。
【0054】
以下、前記のような構成を有する本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール設備の使用状態について説明する。
【0055】
図7に示すように、結合ボルト130を緩めた後、間隔調整片120を回転させて最も高い高さを有する調整面121を支持片110と同じ垂直線上に位置するように調整する。次に、前記結合ボルト130を締め付けて間隔調整片120を他の一つのシールブロック20に固定する。すると、一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面の間隔αの調整が完了する。このような状態で、一対のシールブロック10、20を対応するように移動させると、最も高い高さを有する調整面121と支持片110の支持面111とが支持され、一対のシールブロックの加圧面がパウチのシール部を圧着してシールする。このとき、一対のシールブロックの加圧面の間は最も大きく広がった状態を維持する。
【0056】
図8に示すように、結合ボルト130を緩めた後、間隔調整片120を回転させて最も低い高さを有する調整面121を支持片110と同じ垂直線上に位置するように調整する。次に、結合ボルト130を締め付けて間隔調整片120を他の一つのシールブロック20に固定する。すると、一対のシールブロック10、20に設けられた加圧面の間隔βの調整が完了する。このような状態で、一対のシールブロックを対応するように移動させると、最も低い高さを有する調整面121と支持片110の支持面111とが支持され、一対のシールブロックの加圧面がパウチのシール部を圧着してシールする。このとき、一対のシールブロックの加圧面の間は最も小さく広がった状態を維持する。
【0057】
前記のような方法により、一対のシールブロックに設けられた加圧面の間の間隔を多段階に調整することができる。
【0058】
したがって、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール設備は、一対のシールブロックの間の間隔を容易に調整することができ、特に、一対のシールブロックの間の間隔を多段階に調整することができる。これにより、使用の便宜性及び効率性、作業の連続性を高めることができる。
【0059】
以下、本発明の他の実施形態を説明するにあたり、前述した実施形態と同様の機能を有する構成については、同じ構成符号を使用し、重複説明は省略する。
【0060】
[本発明の第2実施形態に係る二次電池用シール設備]
本発明の第2実施形態に係る二次電池用シール設備は、
図9に示すように、一対のシールブロック10、20の間の間隔を多段階に調整する間隔調整装置100を含み、且つ前記間隔調整装置100は、支持片110と互いに異なる高さを有する調整面121が設けられた間隔調整片120を含む。
【0061】
ここで、相互対応する調整面121の間の境界面122は傾斜面で形成されてもよい。これにより、相互対応する調整面121の間の境界面122が毀損することを大幅に防止することができ、外部の物体が相互対応する調整面の間の境界面に衝突する事故を未然に防止することができる。
【0062】
[本発明の第3実施形態に係る間隔調整装置]
本発明の第3実施形態に係る間隔調整装置は、
図1を参照すると、第1実施形態に係る二次電池用シール設備において、間隔調整装置100のみを別途作製して、シール工程に設置されたシール設備に設置することができる。すなわち、間隔調整装置100のみを別途製品化して生産することもできる。これにより、互換性と生産性を高めることができる。
【0063】
すなわち、本発明の第3実施形態に係る間隔調整装置100は、パウチのシール部をシールする一対のシールブロックの間の間隔を調整するものである。つまり、本発明の第3実施形態に係る間隔調整装置100は、前記パウチのシール部の一面を加圧する一つのシールブロックの両端部にそれぞれ備えられる支持片110、前記パウチのシール部の他面を加圧する他の一つのシールブロックの両端部にそれぞれ回転可能に結合され、周り面に沿って互いに異なる高さを有する複数個の調整面が設けられ、回転時に互いに異なる高さを有する複数個の調整面のうちいずれか一つの調整面を前記支持片に支持させて一対のシールブロックの間の間隔を調整する間隔調整片120を含む。
【0064】
一方、間隔調整装置100は、第1実施形態で説明した間隔調整装置と同様の構成及び機能を有するため、重複説明は省略する。
【0065】
本発明の範囲は、前記の詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される様々な実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0066】
10、20:シールブロック
11、21:加圧面
100:間隔調整装置
110:支持片
111:支持面
112:固定ボルト
120:間隔調整片
121:調整面
122:境界面
130:結合ボルト