(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】撮影表示装置、撮影表示システムおよび撮影表示装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/695 20230101AFI20240806BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240806BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20240806BHJP
H04N 23/611 20230101ALI20240806BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240806BHJP
H04N 7/14 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H04N23/695
G03B15/00 Q
G03B15/00 P
G03B17/56 A
H04N23/611
H04N23/60
H04N7/14 120
(21)【出願番号】P 2019216433
(22)【出願日】2019-11-29
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】米野 邦夫
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-268367(JP,A)
【文献】特開2008-288639(JP,A)
【文献】特開平11-098484(JP,A)
【文献】特開2006-197505(JP,A)
【文献】特開2007-053513(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0040903(US,A1)
【文献】国際公開第2010/119852(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/695
G03B 15/00
G03B 17/56
H04N 23/611
H04N 23/60
H04N 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直面内において光軸が傾斜可能に設置され、観察者の顔と背景とを含む領域を撮影す
る撮影装置と、
垂直面内において前記撮影装置を所定の角度回転させる回転駆動部と、
前記撮影装置により撮影された撮影像を表示する表示部を有する表示装置と、
前記回転駆動部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記撮影像から前記観察者の顔部画像を検出する顔検出部と、
前記顔検出部によって検出された前記顔部画像の垂直方向寸法に基づいて、前記顔部画
像の上端から前記撮影像の上端までの領域の垂直方向寸法に含まれる不要領域の垂直方向
寸法を算出し、前記不要領域の
垂直方向寸法に対応する前記撮影装置の回転角度を算出し
、前記回転角度に基づく制御信号を前記回転駆動部に送信する角度制御部と、
を備え、
前記不要領域は、
前記顔部画像の上端から前記撮影像の上端までの領域のうち、前記顔
部画像の
垂直方向寸法に応じ
て前記表示部に表示される表示領域以外の
前記表示部に表示
されない領域であ
り、
前記撮影装置が複数の観察者の顔を撮影した場合に、
前記顔検出部は、複数の前記顔部画像のうち、前記顔部画像の上端と前記撮影像の上端
との間隔が最も小さい顔部画像を検出し、
前記角度制御部は、前記最も小さい顔部画像の垂直方向寸法に含まれる前記不要領域の
垂直方向寸法に対応した前記撮影装置の前記回転角度を算出する、撮影表示装置。
【請求項2】
前記撮影装置は、前記表示装置の前記表示部の上方に設けられた、
請求項1に記載の撮
影表示装置。
【請求項3】
前記撮影像に基づく画像信号を生成する信号生成部をさらに備える、請求項1
または請
求項2に記載の撮影表示装置。
【請求項4】
第1観察者が存在する第1地点に設けられた第1端末装置と、
第2観察者が存在する第2地点に設けられた第2端末装置と、
前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で前記画像信号の通信を行う通信部と、
を備え、
前記第1端末装置および前記第2端末装置のうちの少なくとも一つは、
請求項3に記載
の撮影表示装置で構成され、
前記第1端末装置において生成された第1画像信号が前記第2端末装置に送信されるこ
とにより、前記第1端末装置による撮影像が前記第2端末装置において表示され、
前記第2端末装置において生成された第2画像信号が前記第1端末装置に送信されるこ
とにより、前記第2端末装置による撮影像が前記第1端末装置において表示される、撮影
表示システム。
【請求項5】
垂直面内において光軸が傾斜可能に設置され、観察者の顔と背景とを含む領域を撮影す
る撮影装置と、
垂直面内において前記撮影装置を所定の角度回転させる回転駆動部と、
前記撮影装置により撮影された撮影像を表示する表示部を有する表示装置と、
前記回転駆動部を制御する制御部と、を備える撮影表示装置の制御方法であって、
前記制御部は、前記撮影像から前記観察者の顔部画像を検出し、前記顔部画像の垂直方
向寸法に基づいて、前記顔部画像の上端から前記撮影像の上端までの領域の垂直方向寸法
に含まれる不要領域の垂直方向寸法を算出し、前記不要領域の
垂直方向寸法に対応する前
記撮影装置の回転角度を算出し、前記回転角度に基づいて前記回転駆動部を制御し、
前記不要領域は、
前記顔部画像の上端から前記撮影像の上端までの領域のうち、前記顔
部画像の
垂直方向寸法に応じ
て前記表示部に表示される表示領域以外の
前記表示部に表示
されない領域であ
り、
前記撮影装置が複数の観察者の顔を撮影した場合に、
前記制御部は、複数の前記顔部画像のうち、前記顔部画像の上端と前記撮影像の上端と
の間隔が最も小さい顔部画像を検出し、
前記制御部は、前記最も小さい顔部画像の垂直方向寸法に含まれる前記不要領域の垂直
方向寸法に対応した前記撮影装置の前記回転角度を算出する、撮影表示装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影表示装置、撮影表示システムおよび撮影表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物理的に離れた複数の地点に居る参加者の映像を画面に表示し、表示された映像と音声とを用いて会議を行うシステム、いわゆるテレビ会議システムが従来から知られている。
【0003】
下記の特許文献1に、テレビ会議システムに用いられる情報処理装置であって、使用者に対して表示情報を表示する表示手段と、表示手段の前方を撮像する撮像手段と、筐体の設置角度を検出する角度検出手段と、角度検出手段が検出した設置角度に基づいて撮影画像の一部を切り出す切り出し範囲を決定する決定手段と、撮影画像から切り出し範囲の画像を切り出す切り出し手段と、を備えた情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の情報処理装置によれば、ディスプレイ等の表示手段を使用者が見やすい角度に調整した結果、例えばカメラが使用者の頭部よりも上方を向いた場合、頭部の上方に表示される余分な領域を画面から削除することができる。ところが、カメラが使用者の頭部よりも上方を向いていると、視線が下向きの人物がディスプレイに表示されるため、使用者がディスプレイを見たとき、使用者の視線とディスプレイに表示された人物の視線とがずれる。その結果、使用者に違和感が生じる、という問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一つの態様の撮影表示装置は、垂直面内におい
て光軸が傾斜可能に設置され、観察者の顔と背景とを含む領域を撮影する撮影装置と、垂
直面内において前記撮影装置を所定の角度回転させる回転駆動部と、前記撮影装置により
撮影された撮影像を表示する表示部を有する表示装置と、前記回転駆動部を制御する制御
部と、を備え、前記制御部は、前記撮影像から前記観察者の顔部画像を検出する顔検出部
と、前記顔検出部によって検出された前記顔部画像の垂直方向寸法に基づいて、前記顔部
画像の上端から前記撮影像の上端までの領域の垂直方向寸法に含まれる不要領域の垂直方
向寸法を算出し、前記不要領域の垂直方向寸法に対応する前記撮影装置の回転角度を算出
し、前記回転角度に基づく制御信号を前記回転駆動部に送信する角度制御部と、を備え、
前記不要領域は、前記顔部画像の上端から前記撮影像の上端までの領域のうち、前記顔部
画像の垂直方向寸法に応じて前記表示部に表示される表示領域以外の前記表示部に表示さ
れない領域であり、前記撮影装置が複数の観察者の顔を撮影した場合に、前記顔検出部は
、複数の前記顔部画像のうち、前記顔部画像の上端と前記撮影像の上端との間隔が最も小
さい顔部画像を検出し、前記角度制御部は、前記最も小さい顔部画像の垂直方向寸法に含
まれる前記不要領域の垂直方向寸法に対応した前記撮影装置の前記回転角度を算出する。
【0007】
本発明の一つの態様の撮影表示装置において、前記角度制御部は、前記撮影像の垂直方向寸法と、前記撮影像のうちの前記顔部画像の上端と前記撮影像の全体の上端との間の寸法と、前記撮影装置の垂直方向画角と、に基づいて前記回転角度を算出してもよい。
【0008】
本発明の一つの態様の撮影表示装置において、前記撮影装置が複数の観察者の顔を撮影した場合に、前記顔検出部は、複数の前記顔部画像のうち、前記顔部画像の垂直方向寸法が最も大きい顔部画像を検出してもよい。
【0009】
本発明の一つの態様の撮影表示装置において、前記撮影装置が複数の観察者の顔を撮影した場合に、前記顔検出部は、複数の前記顔部画像のうち、前記顔部画像の上端と撮影像全体の上端との間隔が最も小さい顔部画像を検出してもよい。
【0010】
本発明の一つの態様の撮影表示装置において、前記撮影装置が複数の観察者の顔を撮影した場合に、前記顔検出部は、複数の前記顔部画像のうち、撮影像全体の水平方向の中心に最も近い顔部画像を検出してもよい。
【0011】
本発明の一つの態様の撮影表示装置は、観察者の声を含む音声を検出する音声検出装置をさらに備えていてもよく、前記撮影装置が複数の観察者の顔を撮影した場合に、前記顔検出部は、複数の前記顔部画像のうち、前記音声検出装置により検出された音量が最も大きい音源方向に位置する顔部画像を検出してもよい。
【0012】
本発明の一つの態様の撮影表示装置において、前記撮影装置は、前記表示装置の前記表示部の上方に設けられていてもよい。
【0013】
本発明の一つの態様の撮影表示装置は、前記撮影像に基づく画像信号を生成する信号生成部をさらに備えていてもよい。
【0014】
本発明の一つの態様の撮影表示システムは、第1観察者が存在する第1地点に設けられた第1端末装置と、第2観察者が存在する第2地点に設けられた第2端末装置と、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で前記画像信号の通信を行う通信部と、を備え、前記第1端末装置および前記第2端末装置のうちの少なくとも一つは、本発明の一つの態様の撮影表示装置で構成され、前記第1端末装置において生成された第1画像信号が前記第2端末装置に送信されることにより、前記第1端末装置による撮影像が前記第2端末装置において表示され、前記第2端末装置において生成された第2画像信号が前記第1端末装置に送信されることにより、前記第2端末装置による撮影像が前記第1端末装置において表示される。
【0015】
本発明の一つの態様の撮影表示装置の制御方法は、垂直面内において光軸が傾斜可能に設置され、観察者の顔と背景とを含む領域を撮影する撮影装置と、垂直面内において前記撮影装置を所定の角度回転させる回転駆動部と、前記撮影装置により撮影された撮影像を表示する表示部を有する表示装置と、前記回転駆動部を制御する制御部と、を備えた撮影表示装置の制御方法であって、前記制御部は、前記撮影像から前記観察者の顔部画像を検出し、前記顔部画像の垂直方向寸法に基づいて前記撮影装置の回転角度を算出し、前記回転角度に基づいて前記回転駆動部を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態の撮影表示装置の概略構成図である。
【
図3】傾斜角度が大きい場合の表示画像の一例を示す図である。
【
図4】傾斜角度が小さい場合の表示画像の一例を示す図である。
【
図6】撮影像と撮影装置との相対的な位置関係を説明するための図である。
【
図7】第2実施形態の撮影表示システムの概略構成図である。
【
図8】第3実施形態の撮影表示装置における撮影像の一例を示す図である。
【
図9】複数の観察者が撮影された場合に複数の顔部画像から一つの顔部画像を検出する第1の方法を示す図である。
【
図10】複数の観察者が撮影された場合に複数の顔部画像から一つの顔部画像を検出する第2の方法を示す図である。
【
図11】複数の観察者が撮影された場合に複数の顔部画像から一つの顔部画像を検出する第3の方法を示す図である。
【
図12】第4実施形態の撮影表示装置の概略構成図である。
【
図13】複数の観察者が撮影された場合に複数の顔部画像から一つの顔部画像を検出する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、
図1~
図6を用いて説明する。
図1は、第1実施形態の撮影表示装置の概略構成図である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0018】
本実施形態の撮影表示装置は、テレビ会議システムの一方の地点で用いられる端末装置の構成を有しているが、他方の地点との間で通信を行う通信部を備えていない。そこで、本実施形態では、使用形態として、テレビ会議ではなく、使用者が表示装置によって自分自身の顔を見る場合を想定して説明する。
【0019】
図1に示すように、第1実施形態の撮影表示装置10は、表示装置11と、撮影装置12と、回転駆動部13と、制御部14と、を備えている。
【0020】
表示装置11は、例えば液晶ディスプレイ等の画像表示装置から構成されている。表示装置11は、表示部16と、表示部16を収容する枠部17と、を有する。表示部16は、撮影装置12によって撮影された撮影像を表示する。表示部16は、例えば50~60インチ程度の大きさを有する。
【0021】
撮影装置12は、例えばカメラから構成されている。撮影装置12は、表示装置11の枠部17のうち、表示部16の上方に位置する個所に設けられている。撮影装置12は、後述する回転駆動部13を介して、垂直面内において撮影装置12の光軸ax1が傾斜可能に設置されている。撮影装置12は、観察者Mの顔と背景とを含む領域を撮影する。撮影装置12の光軸ax1は、撮影装置12の撮像レンズの光軸である。なお、撮影装置12は、表示装置11の枠部17のうち、表示部16の下方に位置する個所に設けられていてもよい。ただし、一般に、人の視線のずれの許容角度は、上側が11度程度、下側が9度程度と言われている。したがって、撮影装置12は、表示部16の上方に設けられることが望ましい。
【0022】
回転駆動部13は、例えばモーター(図示略)と回転伝達機構(図示略)とから構成されている。回転駆動部13は、後述する角度制御部22からの制御信号を受信し、制御信号に基づいて、撮影装置12を垂直面内において所定の回転角度で回転させる。
【0023】
制御部14は、回転駆動部13を制御する。制御部14は、顔検出部21と、角度制御部22と、映像出力部23と、を備えている。
【0024】
顔検出部21は、撮影装置12によって撮影された撮影像から、観察者Mの顔部画像を検出する。角度制御部22は、顔検出部21によって検出された顔部画像の垂直方向寸法に基づいて撮影装置12の回転角度を算出し、回転角度に基づく制御信号を回転駆動部13に送信する。映像出力部23は、撮影装置12によって撮影された撮影像に対応する画像信号を表示装置11に向けて出力する。
【0025】
制御部14において、顔検出部21は、撮影装置12によって撮影された撮影像に基づいて顔部画像を検出し、検出された顔部画像の位置と大きさとの情報が角度制御部22に入力される。角度制御部22は、顔部画像の位置と大きさとの情報に基づいて撮影装置12の回転角度を算出し、制御信号を回転駆動部13に出力する。このように、撮影表示装置10は、検出した顔部画像の位置と大きさの情報に基づいて、撮影装置12の傾斜角度βが制御できるように構成されている。
撮影装置12の傾斜角度βは、水平軸ax0と撮影装置12の光軸ax1とのなす角度と定義する。
【0026】
図2は、表示装置11に表示された表示画像G1の一例を示す図である。
図2に示すように、表示装置11の表示部16には、表示画像G1として、観察者Mの顔と背景とが表示される。
【0027】
ここで、観察者Mが表示部16に表示された画像上の目E1を観察したとする。
図1の例では、例えば観察者Mは表示装置11の前に立っており、観察者Mの目E0の位置が画像上の目E1の位置よりも高い。そのため、観察者Mは、表示部16に表示された画像上の目E1を見下ろすことになる。なお、観察者Mが表示装置11の前方に着座しており、観察者Mの目E0の位置が画像上の目E1の位置よりも低く、観察者Mが画像上の目E1を見上げる位置関係であってもよい。
【0028】
また、
図1の例では、撮影装置12の設置位置は、観察者Mの頭部よりも高い。この場合、撮影装置12は、表示装置11の上側から斜めに見下ろす形態で観察者Mを撮影する一方、観察者Mが画像上の目E1を見る視線は斜め下向きに向かう。そのため、視線が合わないことになる。ここで、観察者Mの目E0と画像上の目E1とを結ぶ直線L1と、観察者Mの目E0と撮影装置12のレンズの中心とを結ぶ直線L2と、のなす角度を差異角度αと定義する。差異角度αを小さくする程、すなわち、画像上の目E1の位置と撮影装置12の位置とを近くする程、視線のずれを小さくすることができる。
【0029】
図4は、撮影装置12の傾斜角度βが大きい場合の表示画像G2の一例を示す図である。
図4に示すように、撮影装置12の傾斜角度βが大きい場合、画像上の目E1が表示部16の比較的上部に表示される。そのため、差異角度αが小さくなり、視線のずれは非常に小さくなる。ところが、撮影装置12の傾斜角度βが大きいことにより、観察者Mの全体が表示されず、例えば頭部の一部が表示装置11の枠部17によって切れる場合がある。
【0030】
これに対して、
図3は、撮影装置12の傾斜角度βが小さい場合の表示画像G3の一例を示す図である。
図3に示すように、撮影装置12の傾斜角度βが小さい場合、画像上の頭部の上方に背景が大きく写り、
図3のように頭部の一部が表示装置11の枠部17によって切れることはない。ところが、画像上の目E1が表示部16の比較的下部に表示されるため、差異角度αが大きくなり、視線のずれは非常に大きくなる。
【0031】
先に示した
図2は、本実施形態の撮影表示装置10における表示画像であって、撮影装置12の傾斜角度βが適切に設定されたことにより、
図3および
図4に比べて、表示部16内の頭部の位置と視線のずれとのバランスが良い。すなわち、視線はわずかにずれるものの、視線のずれに大きな違和感を生じることはなく、顔部を自然な位置で観察することができる。
【0032】
なお、本実施形態の場合、表示装置11は部屋に設置された状態で固定されており、
図1における観察者Mの目E0の高さと表示装置11の高さとの相対関係は、観察者Mの身長、着座した椅子の高さおよび座高等のパラメーターによる固定値となる。したがって、最適な傾斜角度βは、観察者Mと表示装置11との間の距離、いわゆる観察距離によっても異なるが、個人ごとに異なる。
【0033】
以下、制御部14における表示装置11の傾斜角度βの算出方法について説明する。
図5は、顔検出部21による検出結果を示す図である。
図5に示すように、顔検出部21は、公知の顔検出アルゴリズムを用いて、撮影像I1の中から顔部画像I2を検出し、顔部画像I2に相当する顔検出枠25を設定する。
【0034】
ここで、撮影像I1の垂直方向寸法をhとし、顔検出枠25の垂直方向寸法をfとし、顔検出枠25の上端から撮影像I1の上端までの寸法をsとする。また、寸法sのうち、表示領域R1の垂直方向寸法をrとし、不要領域R2の垂直方向寸法をuとする。すなわち、表示領域R1は、顔検出枠25の上端から撮影像I1の上端までの領域のうち、表示部16に表示させる領域であり、不要領域R2は、顔検出枠25の上端から撮影像I1の上端までの領域のうち、表示部16に表示させない領域である。上記のh,f,s,r,uの各パラメーターは、画素数単位で表現されており、顔検出部21から角度制御部22に出力される。なお、顔検出枠25は、画像処理上の顔部画像I2の位置を示すものであるから、表示部16に表示される必要はない。
【0035】
図6は、撮影像I1と撮影装置12との相対的な位置関係を説明するための図である。
図6では、撮影像I1のうち、顔部画像I2に相当する部分を太い直線で簡易的に示している。また、太い直線の上端および下端は、顔検出枠25の位置に相当する。大文字で示した符号H,F,S,R,Uは、
図5における小文字の符号を実寸単位で表している。すなわち、撮影像I1の垂直方向寸法はHであり、顔検出枠25、すなわち、顔部画像I2の垂直方向寸法はFであり、顔検出枠25の上端から撮影像I1の上端までの距離はSである。また、距離Sのうち、表示領域R1の垂直方向寸法はRであり、不要領域R2の垂直方向寸法はUである。観察者Mから撮影装置12までの水平方向距離はDである。撮影装置12の垂直方向画角はθである。
【0036】
次に、角度制御部22は、
図6に示した検出結果に基づいて、以下の手順によって撮影装置12の回転角度γを算出する。
ここで、顔部画像I2が表示部16内で最適な位置に表示されるように、上述の不要領域R2を削除して、表示部16の上端が顔検出枠25の上端からr(R)の距離に位置するように、撮影装置12を回転角度γだけ下向きに回転させることを考える。
【0037】
ここで、表示領域R1の垂直方向寸法rの値は、例えば顔検出枠25の垂直方向寸法fのk倍というように、予め決めておけばよい。この例では、k=1.1とし、r=1.1×fとする。このようにして、顔部画像I2の大きさに対応させて、顔部画像I2の上方の表示範囲を設定することができる。なお、定数kの値は任意に決定することができ、顔部画像I2の上方の表示範囲を広く取りたければ、定数kを相対的に大きくし、顔部画像I2の上方の表示範囲をあまり広く取りたくなければ、定数kを相対的に小さくすればよい。
【0038】
撮影装置12の回転角度γは、不要領域R2の垂直方向寸法uに対応する。
図5に示すように、不要領域R2の垂直方向寸法uは、u=s-r で算出することができる。したがって、本例では、u=s-r=s-1.1×fとなる。
【0039】
次に、不要領域R2の垂直方向寸法uに対応する回転角度γを求める。
ここでは、計算を簡単にするために、撮影装置12の光軸ax1と観察者Mの顔部画像I2を示す直線とが直交しているものとみなして、近似値を求める。
図5および
図6から、下記の(1)式が導出される。
【0040】
【0041】
(1)式をuについて解くと、下記の(2)式が導出される。
【0042】
【0043】
ここで、タンジェントの加法定理から、下記の(3)式が導出される。
【0044】
【0045】
(3)式を用いて(2)式を変形すると、下記の(4)式が導出される。
【0046】
【0047】
(4)式をtanγについて解くと、下記の(5)式が導出される。
【0048】
【0049】
(5)式をγについて解くと、下記の(6)式が導出される。
【0050】
【0051】
角度制御部22は、予め決められた固定値であるパラメーターh,θと、顔検出枠25の上端から撮影像I1の上端までの寸法sと顔検出枠25の垂直方向寸法fとで決まるパラメーターuの値を(6)式に代入することにより、撮影装置12の回転角度γを算出することができる。次いで、角度制御部22は、回転角度γに基づく制御信号を回転駆動部13に送信する。すなわち、角度制御部22は、撮影像I1の垂直方向寸法hと、撮影装置12の垂直方向画角θと、顔部画像I2の上方に位置し、顔検出枠25の位置にあたる寸法sと垂直方向寸法fにより算出できる不要領域R2の垂直方向寸法uと、に基づいて回転角度γを算出する。
【0052】
本実施形態の撮影表示装置10の制御方法は、制御部14が、撮影像I1から観察者Mの顔部画像I2を検出し、顔部画像I2の垂直方向寸法fに基づいて撮影装置12の回転角度γを算出し、回転角度γに基づいて回転駆動部13を制御するものである。
【0053】
このように、本実施形態の撮影表示装置10によれば、観察者Mの身長や座高が異なったり、観察距離Dが異なったりした場合であっても、表示部16上の最適な位置で視線のずれが大きくならないように顔を表示することができる。すなわち、視線のずれのみを改善するのであれば、撮影装置12の傾斜角度βを大きくすればよいが、その場合、
図3に示すように、観察者Mの顔が適切な位置に表示されない場合がある。また、観察者Mの顔の上方に広く余裕を取って表示するのであれば、撮影装置12の傾斜角度βを小さくすればよいが、その場合、
図4に示すように、視線のずれは非常に大きくなる。これに対して、本実施形態の撮影表示装置10によれば、視線のずれの問題と顔の表示位置の問題とがバランス良く改善され、違和感の少ない画像を得ることができる。
【0054】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、
図7を用いて説明する。
第2実施形態では、第1実施形態で説明した撮影表示装置を2つの地点のそれぞれに設置し、テレビ会議を行うことが可能な撮影表示システムについて説明する。
本実施形態で用いる撮影表示装置の基本構成は第1実施形態の撮影表示装置と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図7は、第2実施形態の撮影表示システムの概略構成図である。
図7において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付す。
【0055】
図7に示すように、第2実施形態の撮影表示システム30は、第1観察者M1が存在する第1地点に設けられた第1端末装置31と、第2観察者M2が存在する第2地点に設けられた第2端末装置32と、第1端末装置31と第2端末装置32との間で画像信号の通信を行う通信部33と、を備えている。第1端末装置31および第2端末装置32のそれぞれは、同一の構成を有する撮影表示装置35から構成されている。
【0056】
本実施形態の撮影表示装置35は、表示装置11と、撮影装置12と、回転駆動部13と、制御部36と、を備えている。制御部36は、顔検出部21と、角度制御部22と、映像出力部23と、信号生成部37と、を備えている。
【0057】
信号生成部37は、撮影装置12によって撮影された撮影像に基づく画像信号を生成する。信号生成部37は、例えば撮影像をコード化して画像信号を生成するコーデックから構成されている。
【0058】
通信部33は、第1端末装置31と第2端末装置32との間を接続する。通信部33は、WAN(Wide Area Network)/LAN(Local Area Network)回線から構成されている。第1端末装置31の信号生成部37において生成された第1画像信号が通信部33を介して第2端末装置32に送信されることにより、第1端末装置31による撮影像が映像出力部23を介して第2端末装置32において表示される。また、第2端末装置32の信号生成部37において生成された第2画像信号が通信部33を介して第1端末装置31に送信されることにより、第2端末装置32による撮影像が映像出力部23を介して第1端末装置31において表示される。なお、通信部33において、WAN/LAN回線の間にサーバー等の機器が介在していてもよい。
【0059】
第1地点の第1端末装置31において撮影装置12の傾斜角度βが最適に設定されることにより、第1観察者M1の視線のずれが少なく、第1観察者M1の顔の表示位置が適切に設定された画像が第2端末装置32に表示される。同様に、第2地点の第2端末装置32において撮影装置12の傾斜角度βが最適に設定されることにより、第2観察者M2の視線のずれが少なく、第2観察者M2の顔の表示位置が適切に設定された画像が第1端末装置31に表示される。これにより、第1観察者M1と第2観察者M2との互いの視線のずれが少なくなり、かつ、双方の観察者M1,M2の顔が各表示部16上の適切な位置に表示される。
【0060】
本実施形態の撮影表示システム30によれば、各参加者が違和感を持つことが少なく、最適な撮影画像を見ながらテレビ会議を円滑に進めることができる。
【0061】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、
図8~
図11を用いて説明する。
第3実施形態の撮影表示装置の基本構成は第1実施形態の撮影表示装置と同様であり、複数の観察者が撮影された場合の検出手段を備える点が異なる。
図8は、第3実施形態の撮影表示装置において、撮影装置が撮影した撮影像I4の一例を示す図である。
【0062】
図8に示すように、本実施形態の撮影表示装置において、撮影装置12が複数の観察者M5,M6,M7,M8を撮影した場合、制御部14は、複数の観察者M5,M6,M7,M8のうち、いずれか1名の参加者の顔部画像を検出する機能を有する。本実施形態の場合、第1実施形態のように、観察者が自分自身とその周囲に居る複数の観察者を見る構成であってもよいし、第2実施形態のように、観察者が他の地点に居る複数の観察者を見る構成であってもよい。
【0063】
以下、複数の顔部画像I5,I6,I7,I8から一つの顔部画像を検出する3つの方法について説明する。
【0064】
(第1の方法)
図9は、複数の観察者M5,M6,M7,M8が撮影された場合に複数の顔部画像I5,I6,I7,I8から一つの顔部画像を検出する第1の方法を示す図である。
図9に示すように、最初に、顔検出部21は、撮影像I4内の複数の顔部画像I5,I6,I7,I8を検出し、複数の顔部画像I5,I6,I7,I8にラベル付けを行う(ステップS1)。
【0065】
次に、顔検出部21は、複数の顔部画像I5,I6,I7,I8のうち、顔部画像、すなわち顔検出枠25の垂直方向寸法f(
図5参照)が最も大きい顔部画像を検出する(ステップS2)。
次に、角度制御部22は、検出された顔検出枠25の垂直方向寸法fが最も大きい顔部画像に対して、上記の(4)式を用いて不要領域R2の垂直方向寸法uを算出する(ステップS3)。
次に、角度制御部22は、顔検出枠25の上端から撮影像I4の上端までの寸法sとfとから算出された不要領域R2の垂直方向寸法u、および(6)式を用いて撮影装置12の回転角度γを算出する(ステップS4)。
【0066】
(第2の方法)
図10は、複数の観察者M5,M6,M7,M8が撮影された場合に複数の顔部画像I5,I6,I7,I8から一つの顔部画像を検出する第2の方法を示す図である。
図10に示すように、最初に、顔検出部21は、撮影像I4内の複数の顔部画像I5,I6,I7,I8を検出し、複数の顔部画像I5,I6,I7,I8にラベル付けを行う(ステップS1)。
【0067】
次に、顔検出部21は、複数の顔部画像I5,I6,I7,I8のうち、顔検出枠25の上端から撮影像I4の上端までの距離s(
図5参照)が最も小さい顔部画像を検出する(ステップS2)。
次に、角度制御部22は、検出された顔検出枠25の上端から撮影像I4の上端までの距離sが最も小さい顔部画像に対して、上記の(4)式を用いて不要領域R2の垂直方向寸法uを算出する(ステップS3)。
次に、角度制御部22は、顔検出枠25の上端から撮影像I4の上端までの寸法sとfとから算出された不要領域R2の垂直方向寸法u、および(6)式を用いて撮影装置12の回転角度γを算出する(ステップS4)。
【0068】
(第3の方法)
図11は、複数の観察者M5,M6,M7,M8が撮影された場合に複数の顔部画像I5,I6,I7,I8から一つの顔部画像を検出する第3の方法を示す図である。
図11に示すように、最初に、顔検出部21は、撮影像I4内の複数の顔部画像I5,I6,I7,I8を検出し、複数の顔部画像I5,I6,I7,I8にラベル付けを行う(ステップS1)。
【0069】
次に、顔検出部21は、複数の顔部画像I5,I6,I7,I8のうち、撮影像I4の水平方向の中心に最も近い位置にある顔部画像を検出する(ステップS2)。
次に、角度制御部22は、検出された撮影像I4の水平方向の中心に最も近い位置にある顔部画像に対して、上記の(4)式を用いて不要領域R2の垂直方向寸法uを算出する(ステップS3)。
次に、角度制御部22は、顔検出枠25の上端から撮影像I4の上端までの寸法sとfとから算出された不要領域R2の垂直方向寸法u、および(6)式を用いて撮影装置12の回転角度γを算出する(ステップS4)。
【0070】
本実施形態の撮影表示装置によれば、複数の観察者が撮影された場合であっても、第1実施形態と同様、視線のずれが少なく、顔が適切な位置に表示された画像を得ることができる。
【0071】
複数の顔部画像から一つの顔部画像を検出する第1の方法を用いた場合、顔部画像の寸法が最も大きい観察者、すなわち、撮影装置12に最も近くに居ると思われる観察者、例えば
図8の観察者M5に対して、視線のずれが少なく、顔が適切な位置に表示された画像を得ることができる。
【0072】
複数の顔部画像から一つの顔部画像を検出する第2の方法を用いた場合、表示部16内の最も上方に表示される観察者、例えば
図8の観察者M6の顔部画像が切れないように表示されるため、全ての観察者M5,M6,M7,M8の顔部画像が切れないように表示される。
【0073】
複数の顔部画像から一つの顔部画像を検出する第3の方法を用いた場合、表示部16の水平方向の中央に最も近い位置に居る観察者、例えば
図8の観察者M7を最も重要な観察者とみなし、その観察者に対して、視線のずれが少なく、顔が適切な位置に表示された画像を得ることができる。
【0074】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、
図12および
図13を用いて説明する。
第4実施形態の撮影表示装置の基本構成は第1実施形態の撮影表示装置と同様であり、音源の方向を検出する手段を備える点が異なる。
図12は、第4実施形態の撮影表示装置の概略構成図である。
図12において、第1実施形態で用いた
図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0075】
本実施形態の撮影表示装置40は、表示装置11と、撮影装置12と、回転駆動部13と、制御部41と、音声検出装置42と、を備えている。制御部41は、顔検出部21と、角度制御部22と、映像出力部23と、音源方向検出部43と、を備えている。
【0076】
音声検出装置42は、例えば表示装置11の前方の任意の位置に設置されている。音声検出装置42は、表示装置11の前方に居る複数の観察者M5,M6,M7,M8の声を含む音声を検出する。音声検出装置42は、例えばステレオマイクロフォンから構成されている。
【0077】
制御部41は、撮影装置12が複数の観察者M5,M6,M7,M8を撮影した場合、音声検出装置42が検出した音声データから、音量が最も大きい音源の方向を検出する音源方向検出部43を有する。
【0078】
図13は、
図8に示したように複数の観察者M5,M6,M7,M8が撮影された場合に複数の顔部画像I5,I6,I7,I8から一つの顔部画像を検出する方法を示す図である。
【0079】
図13に示すように、最初に、顔検出部21は、撮影像I4内の複数の顔部画像I5,I6,I7,I8を検出し、複数の顔部画像I5,I6,I7,I8にラベル付けを行う(ステップS1)。
【0080】
次に、音源方向検出部43は、複数の顔部画像のうち、音声検出装置によって検出された音量が最も大きい音源の方向を検出し、検出結果を顔検出部21に出力する。
次に、顔検出部21は、音源方向検出部43の検出結果に基づいて、音量が最も大きい音源方向に対応する顔部画像を選択する(ステップS2)。
【0081】
次に、角度制御部22は、検出された音量が最も大きい音源方向に位置する顔部画像に対して、上記の(4)式を用いて不要領域R2の垂直方向寸法uを算出する(ステップS3)。
次に、角度制御部22は、顔検出枠25の上端から撮影像I4の上端までの寸法sとfとから算出された不要領域R2の垂直方向寸法u、および(6)式を用いて撮影装置12の回転角度γを算出する(ステップS4)。
【0082】
本実施形態の撮影表示装置40によれば、第3実施形態と同様、複数の観察者が撮影された場合であっても、視線のずれが少なく、顔が適切な位置に表示された画像を得ることができる。
【0083】
特に本実施形態の場合、例えばテレビ会議の席上で最も大きい声で話をしている人をその場面で最も注目すべき人とみなし、その人に対して、視線のずれが少なく、適切な位置に顔が表示された画像を得ることができる。
【0084】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態の撮影表示装置では、複数の観察者が撮影された場合に、制御部が
図9~
図11,
図13等で示される特定の条件を満たす一つの顔部画像を自動的に選択する構成を有する例を挙げた。この構成に代えて、複数の観察者が撮影された場合に、観察者が複数の顔部画像の中から一つの顔部画像を自由に選択できる構成としてもよい。例えば顔部画像の大きさが小さい参加者であっても、観察者がこの参加者が最も重要な観察者であると判断した場合には、観察者がその参加者の顔部画像を選択できる構成であってもよい。
【0085】
また、表示装置として液晶ディスプレイの例を挙げたが、例えばプロジェクターとスクリーンとを有する表示装置が用いられてもよい。スクリーンはフロント、リアのいずれの方式であってもよい。また、有機ELディスプレイ等のフラットパネルであってもよい。また、裸眼方式、眼鏡方式等による立体画像が視認可能な表示装置が用いられてもよい。
【0086】
その他、撮影表示装置および撮影表示システムを構成する各種構成要素の形状、数、配置等に関しては、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。
【0087】
また、本発明の一つの形態の撮影表示システムは、テレビ会議に限らず、例えば複数の地点に居る参加者によるゲームなどのアミューズメント用途で使うこともできる。
【符号の説明】
【0088】
10,35,40…撮影表示装置、11…表示装置、12…撮影装置、13…回転駆動部、14,36,41…制御部、16…表示部、21…顔検出部、22…角度制御部、30…撮影表示システム、31…第1端末装置、32…第2端末装置、33…通信部、37…信号生成部、42…音声検出装置、ax1…光軸、I1,I4…撮影像、I2,I5,I6,I7,I8…顔部画像、M,M5,M6,M7,M8…観察者、M1…第1観察者、M2…第2観察者、γ…回転角度。