(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】充電用移動装置、及び充電システム
(51)【国際特許分類】
B60L 53/37 20190101AFI20240806BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20240806BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20240806BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20240806BHJP
A47L 9/28 20060101ALN20240806BHJP
【FI】
B60L53/37
B60L53/12
B60L53/14
B60L58/12
A47L9/28 E
(21)【出願番号】P 2020038941
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 真夕美
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-126234(JP,A)
【文献】特開2019-216529(JP,A)
【文献】特開2011-207410(JP,A)
【文献】特開2013-078168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 53/37
B60L 53/12
B60L 53/14
B60L 58/12
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動走行体のバッテリを充電する自律走行可能な充電用移動装置であって、
給電用バッテリを搭載する車両本体を備え、
走行中の前記電動走行体に対するバッテリ給電要求を受信した場合に、予め定められた待機位置から発進して前記電動走行体を探査しつつ走行し、
前記電動走行体を発見した場合に、前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリに給電可能な給電位置まで前記電動走行体に近づき、前記車両本体を前記給電位置に維持させ、
前記給電位置において前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリに給電するよう構成されており、
前記電動走行体の位置を特定可能な位置特定情報に基づいて前記電動走行体を追跡する第1制御部
と、
前記給電位置において前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリへの給電を開始する第3制御部と、を更に備え、
前記第1制御部は、前記給電用バッテリが、前記待機位置と前記位置特定情報が示す前記電動走行体の位置との間を前記充電用移動装置が往復可能であり、且つ、前記電動走行体のバッテリを充電可能な蓄電量を有すると判定した場合に、前記待機位置から前記充電用移動装置を発進させて、前記電動走行体を追跡させ
、前記第3制御部による給電中に、前記給電用バッテリの残量が、前記充電用移動装置が前記待機位置まで戻るのに必要な残量まで低下したと判定すると、前記充電用移動装置を前記待機位置に帰還させる、充電用移動装置。
【請求項2】
電動走行体のバッテリを充電する自律走行可能な充電用移動装置であって、
給電用バッテリを搭載する車両本体を備え、
走行中の前記電動走行体に対するバッテリ給電要求を受信した場合に、予め定められた待機位置から発進して前記電動走行体を探査しつつ走行し、
前記電動走行体を発見した場合に、前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリに給電可能な給電位置まで前記電動走行体に近づき、前記車両本体を前記給電位置に維持させ、
前記給電位置において前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリに給電するよう構成されており、
前記電動走行体の位置を特定可能な位置特定情報に基づいて前記電動走行体を追跡する第1制御部と、
前方へ向けて測定光を出力することにより前記電動走行体と前記車両本体との距離を検知する距離検知部と、
前記距離検知部による検知結果に基づいて前記車両本体の位置が前記給電位置であると判定された場合に、前記給電位置で前記車両本体を維持する第2制御部と、
前記給電位置において前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリへの給電を開始する第3制御部と、
を備え、
前記第1制御部は、前記給電用バッテリが、前記待機位置と前記位置特定情報が示す前記電動走行体の位置との間を前記充電用移動装置が往復可能であり、且つ、前記電動走行体のバッテリを充電可能な蓄電量を有すると判定した場合に、前記待機位置から前記充電用移動装置を発進させて、前記電動走行体を追跡させ、前記第3制御部による給電中に、前記給電用バッテリの残量が、前記充電用移動装置が前記待機位置まで戻るのに必要な残量まで低下したと判定すると、前記充電用移動装置を前記待機位置に帰還させる、充電用移動装置。
【請求項3】
前記第2制御部は、
前記電動走行体が走行中である場合に前記給電位置を維持するよう前記車両本体の走行を制御する、請求項2に記載の充電用移動装置。
【請求項4】
前記第1制御部は、
前記バッテリ給電要求とともに前記電動走行体から前記位置特定情報として受信した前記電動走行体の位置情報に基づいて前記電動走行体を追跡する、請求項1から3のいずれかに記載の充電用移動装置。
【請求項5】
前記車両本体は、前記給電用バッテリに接続された給電接続部を有し、
前記電動走行体は、前記電動走行体のバッテリに接続された受電接続部を有し、
前記給電位置は、前記給電接続部と前記受電接続部とが電気的に接続される位置である、請求項1から4のいずれかに記載の充電用移動装置。
【請求項6】
前記車両本体は、前記給電用バッテリに接続されたワイヤレス給電部を有し、
前記電動走行体は、前記電動走行体のバッテリに接続されたワイヤレス受電部を有し、
前記給電位置は、前記ワイヤレス給電部から前記ワイヤレス受電部に非接触充電方式に基づいて充電可能な位置である、請求項1から4のいずれかに記載の充電用移動装置。
【請求項7】
給電用バッテリを搭載する自律走行可能な充電用移動装置から電動走行体のバッテリを充電する充電システムであって、
前記電動走行体は、
前記電動走行体のバッテリの残量が所定の閾値未満になった場合にバッテリ給電要求を発信する要求発信部を備え、
前記充電用移動装置は、
前記電動走行体の位置を特定可能な位置特定情報に基づいて前記電動走行体を追跡する第1制御部と、
前方へ向けて測定光を出力することにより前記電動走行体と前記充電用移動装置との距離を検知する距離検知部と、
前記距離検知部による検知結果に基づいて前記充電用移動装置の位置が前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリに給電可能な給電位置であると判定された場合に、前記給電位置で前記充電用移動装置を維持する第2制御部と、
前記給電位置において前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリへの給電を開始する第3制御部と、を備え、
前記第1制御部は、前記給電用バッテリが、予め定められた待機位置と前記位置特定情報が示す前記電動走行体の位置との間を前記充電用移動装置が往復可能であり、且つ、前記電動走行体のバッテリを充電可能な蓄電量を有すると判定した場合に、前記待機位置から前記充電用移動装置を発進させて、前記電動走行体を追跡させ
、前記第3制御部による給電中に、前記給電用バッテリの残量が、前記充電用移動装置が前記待機位置まで戻るのに必要な残量まで低下したと判定すると、前記充電用移動装置を前記待機位置に帰還させる、充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動走行体のバッテリを充電する自律走行可能な充電用移動装置、及び充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリ駆動によって自律して走行するタイプの走行ロボット(電動走行体)が知られている。例えば、床面などの被清掃面を自律走行しながら清掃する清掃ロボット、工場などの施設内において荷物などを搬送する搬送ロボット、夜間の施設内を走行しながら警備する警備ロボットなどの機能ロボットが実用化されている。この種の走行ロボットは、内蔵するバッテリから供給される電力によって駆動するものである。そのため、前記バッテリの残量(蓄電量)が低下すると、前記バッテリを充電する必要がある。
【0003】
前記走行ロボットのバッテリを充電する充電装置を備える充電ステーションが知られている(特許文献1参照)。例えば、前記走行ロボットは、バッテリの残量が少なくなると自動的に充電ステーションまで移動し、充電ステーションの給電端子と自動的に接続して、バッテリを充電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の充電方式は、走行ロボットのバッテリの残量が減少すると、走行ロボットが本来の目的の作業を中断して、充電ステーションまで戻り、充電ステーションが走行ロボットに給電する方式である。このため、走行ロボットは、充電のために充電ステーションに戻らなければならず、戻る時間、充電時間、充電完了してから中断位置まで戻る時間を無駄に費やすことになり、この間、本来の作業を行うことができず、作業効率が悪い。
【0006】
本発明の目的は、走行を中断することなく電動走行体のバッテリに充電することが可能な充電用移動装置、及び充電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明の一の局面に係る充電用移動装置は、電動走行体のバッテリを充電する自律走行可能に構成されている。前記充電用移動装置は、給電用バッテリを搭載する車両本体を備え、走行中の前記電動走行体に対するバッテリ給電要求を受信した場合に、予め定められた待機位置から発進して前記電動走行体を探査しつつ走行し、前記電動走行体を発見した場合に、前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリに給電可能な給電位置まで前記電動走行体に近づき、前記車両本体を前記給電位置に維持させ、前記給電位置において前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリに給電するよう構成されている。
【0008】
このように構成されているため、前記充電用移動装置は、走行中の前記電動走行体に対して、充電することが可能となる。これにより、前記電動走行は、走行を中断することなく走行を継続することができる。
【0009】
(2) 本発明の充電用移動装置は、前記電動走行体の位置を特定可能な位置特定情報に基づいて前記電動走行体を追跡する第1制御部と、前方へ向けて測定光を出力することにより前記電動走行体と前記車両本体との距離を検知する距離検知部と、前記距離検知部による検知結果に基づいて前記車両本体の位置が前記給電位置であると判定された場合に、前記給電位置で前記車両本体を維持する第2制御部と、前記給電位置において前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリへの給電を開始する第3制御部と、を更に備える。
【0010】
このように構成されているため、走行中の前記電動走行体のバッテリに対する充電を具体的に実現することができる。
【0011】
(3) 本発明の充電用移動装置において、前記第2制御部は、前記電動走行体が走行中である場合に前記給電位置を維持するよう前記車両本体の走行を制御する。
【0012】
この構成であれば、前記給電位置において安定して充電することが可能となる。
【0013】
(4) 本発明の充電用移動装置において、前記第1制御部は、前記バッテリ給電要求とともに前記電動走行体から前記位置特定情報として受信した前記電動走行体の位置情報に基づいて前記電動走行体を追跡する。
【0014】
この構成であれば、前記充電用移動装置は、正確且つ迅速に前記電動走行体の位置に到達することができ、バッテリへの充電をいち早く実施することができる。
【0015】
(5) 本発明の充電用移動装置において、前記車両本体は、前記給電用バッテリに接続された給電接続部を有する。また、前記電動走行体は、前記電動走行体のバッテリに接続された受電接続部を有する。この場合、前記給電位置は、前記給電接続部と前記受電接続部とが電気的に接続される位置である。
【0016】
(6) 本発明の充電用移動装置において、前記車両本体は、前記給電用バッテリに接続されたワイヤレス給電部を有する。また、前記電動走行体は、前記電動走行体のバッテリに接続されたワイヤレス受電部を有する。この場合、前記給電位置は、前記ワイヤレス給電部から前記ワイヤレス受電部に非接触充電方式に基づいて充電可能な位置である。
【0017】
(7) 本発明の他の局面に係る充電システムは、給電用バッテリを搭載する自律走行可能な充電用移動装置から電動走行体のバッテリを充電する充電システムである。前記充電システムにおいて、前記電動走行体は、前記電動走行体のバッテリの残量が所定の閾値未満になった場合にバッテリ給電要求を発信する要求発信部を備える。また、前記充電用移動装置は、前記電動走行体の位置を特定可能な位置特定情報に基づいて前記電動走行体を追跡する第1制御部と、前方へ向けて測定光を出力することにより前記電動走行体と前記充電用移動装置との距離を検知する距離検知部と、前記距離検知部による検知結果に基づいて前記充電用移動装置の位置が前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリに給電可能な給電位置であると判定された場合に、前記給電位置で前記充電用移動装置を維持する第2制御部と、前記給電位置において前記給電用バッテリから前記電動走行体のバッテリへの給電を開始する第3制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、走行を中断することなく走行ロボットのバッテリに充電することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る充電システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る清掃ロボットの前方側の外観を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る清掃ロボットの内部の構成を示す模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る清掃ロボットの後方側の外観を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る充電サポート車両の前方側の外観を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る充電サポート車両の側面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る充電システムの構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、清掃ロボットの制御部によって実行される充電要求処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、サーバ装置の制御部によって実行される中継処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、充電サポート車両の制御部によって実行される追跡充電処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、充電サポート車両と清掃ロボットとの位置関係を示す図である。
【
図12】
図12は、充電サポート車両が清掃ロボットに接続された状態を示す図である。
【
図13】
図13は、充電サポート車両が清掃ロボットに対してワイヤレス充電可能な位置にある状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0021】
[充電システム100]
本発明の実施形態に係る充電システム100(本発明の充電システムの一例)は、
図1に示すように、管理サーバ10と、清掃ロボット20(本発明の電動走行体の一例)と、清掃ロボット20を充電するための充電サポート車両50(本発明の充電用移動装置の一例)と、を含む。充電システム100は、例えば、清掃ロボット20が清掃作業を行う施設に導入される。
【0022】
清掃ロボット20は、空港や駅、ショッピングモールなどの施設におけるコンコースの床面を自律走行によって移動する自律走行タイプの清掃装置(自律走行装置)であり、移動ロボットとも称されている。清掃ロボット20は、内部にバッテリ24(
図3参照)を搭載しており、バッテリ24の電力によって駆動する。この清掃ロボット20は、充電サポート車両50によって行われる充電の対象(充電対象)である。
【0023】
清掃ロボット20は、自律走行によって床面を前方へ移動しつつ、床面の塵や埃などのゴミ類を吸い上げ、フィルタによってゴミ類を分離し、それらを収集ボックス26(
図4参照)に収集する。清掃ロボット20は、予め入力された走行ルートや清掃エリアマップ、清掃時間帯(タイムスケジュール)、充電のために戻る帰還位置などの各種清掃情報に基づいて、床面を前方へ走行しながら自動的に清掃する。もちろん、清掃ロボット20は、前記走行ルートにしたがって走行するものに限られず、例えば、前面に設けられたカメラ49の映像を解析しながら障害物を回避しつつ前記清掃エリア内を走行するものであってもよい。
【0024】
なお、施設における清掃ロボット20の台数は1台であってもよいし、複数台であってもよい。
図1では、一例として、1台の清掃ロボット20が示されている。また、複数の電動走行体が施設に配置されている場合、複数の電動走行体が全て清掃ロボット20である必要は無く、少なくとも充電サポート車両50による充電対象であればよい。したがって、前記複数の電動走行体がそれぞれ異なる機能を有するものであってもよい。
【0025】
また、清掃ロボット20は、本発明の電動走行体の単なる一例であって、本発明は、例えば、屋内の床面を清掃する清掃装置に限られず、屋外の歩行路や車道路などの路面を自律走行しながら清掃する清掃装置であってもよい。或いは、清掃機能を備えておらず、他の用途や機能を実現するための自律走行型の移動ロボット、例えば、自律して走行可能な警備ロボットや、介護ロボット、荷物を運搬する搬送ロボット、各種案内をアナウンスしながら走行する案内ロボットなどの自律走行装置も、本発明の電動走行体の一例である。
【0026】
管理サーバ10は、例えば、清掃ロボット20が作業する施設における管理室や事務室などに配置される。管理サーバ10は、清掃ロボット20が作業を行う清掃エリアや、前記清掃エリアマップ上における走行ルートなどの情報を管理し、更に、清掃ロボット20の清掃作業工程や、清掃作業のタイムスケジュール、清掃ロボット20が実行した行動を含む行動履歴、清掃ロボット20のバッテリ24の充電履歴、清掃エリアの清掃に費やした清掃時間などの情報を記憶装置(不図示)に記憶させて管理する。
【0027】
また、管理サーバ10は、清掃ロボット20と充電サポート車両50との間で行われる情報や信号の送受信を中継する中継サーバとしての役割も担っている。管理サーバ10は、施設に設置される有線LAN又は無線LANなどの通信網N1を介して、清掃ロボット20及び充電サポート車両50と通信可能である。
【0028】
管理サーバ10は、例えばパーソナルコンピュータなどのサーバ装置である。管理サーバ10には、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する制御部11(
図7参照)が備えられており、制御部11が、清掃ロボット20と充電サポート車両50との間で行われる情報や信号を中継する中継処理を実行する。なお、管理サーバ10は、必ずしも前記施設に設置されている必要はなく、例えば、通信網N1や他の通信網を介して外部施設に設置されたサーバ装置であってもよく、或いは、クラウドサーバであってもよい。また、管理サーバ10は、サーバ装置に限られず、例えば、タブレット端末のような情報処理装置であってもよい。
【0029】
なお、本実施形態では、管理サーバ10が前記中継処理を実行する処理例について例示するが、例えば、清掃ロボット20と充電サポート車両50とがダイレクトに通信して情報や信号を送受信する処理例であっても、本発明は適用可能である。
【0030】
充電サポート車両50は、清掃ロボット20が搭載するバッテリ24(
図3参照)を充電するためのものであり、自律して走行可能な自律走行装置である。充電サポート車両50は、清掃ロボット20が配置される施設に配置され、施設における床面を自律走行によって移動する。充電サポート車両50には、大容量のバッテリ52(
図5参照)が搭載されている。バッテリ52は、清掃ロボット20を充電するための電力、及び充電サポート車両50の駆動用のモータ55(
図7参照)を駆動させるための電力を蓄電している。
【0031】
ところで、清掃ロボット20の従来の充電方式は、清掃ロボット20のバッテリ24の残量が減少すると、清掃ロボット20が清掃作業を中断して、清掃ロボット20を充電するための充電ステーションまで戻り、前記充電ステーションで清掃ロボット20に給電する方式である。このため、清掃ロボット20は、充電のために充電ステーションに戻らなければならず、戻る時間、充電時間、充電完了してから中断位置まで戻る時間を無駄に費やすことになり、この間、清掃作業を行うことができない。
【0032】
これに対して、本実施形態の充電サポート車両50は、清掃ロボット20の位置情報に基づいて清掃ロボット20を追跡し、走行状態で清掃ロボット20にドッキングすることにより、走行しながら清掃ロボット20のバッテリ24を充電することが可能に構成されている。このため、清掃ロボット20は、清掃作業を中断することなくなり、清掃作業の作業効率が向上する。以下、清掃ロボット20、及び充電サポート車両50の構成について詳細に説明する。
【0033】
[清掃ロボット20]
図2は、本発明の実施形態に係る自律走行型の清掃ロボット20の前方側の外観を示す斜視図であり、
図3は、清掃ロボット20の内部構造を示す模式図である。以下の説明では、各図に示される上下方向D1、前後方向D2、左右方向D3を用いる。
【0034】
図4に示すように、清掃ロボット20は、本体部21と、本体部21に設けられた各機能部とを備えている。具体的には、本体部21には、走行部22、モータ23、バッテリ24、吸気ユニット25、収集ボックス26、支持ホルダ27、吸気ノズル28、操作部30、表示パネル31、充電接続部32(本発明の受電接続部の一例)、及び制御部33などが設けられている。また、清掃ロボット20は、制御部33に接続されたフロントレーザセンサ41、ソナーセンサ42、サイドレーザセンサ43、通信部44,記憶部45、GPS受信部46などを備える。
【0035】
図4に示すように、本体部21は、清掃ロボット20の外装を構成する筐体、及びその筐体内に設けられた支持フレームやシャーシなどを含む。本体部21の下部に走行部22が設けられている。走行部22は、清掃ロボット20の走行姿勢を維持しつつ進行方向の搬送力を床面に伝達するものであり、走行用の一対の車輪221と、4つのキャスタ222とを有する。一対の車輪221それぞれの回転軸には、減速ギヤなどの伝達機構を介して、モータ23の出力軸が連結されている。このため、制御部33によってモータ23が駆動されて、その回転駆動力が前記出力軸から出力されると、モータ23の回転駆動力が車輪221に伝達される。これにより、モータ23の回転方向に応じた方向へ清掃ロボット20が走行する。
【0036】
吸気ユニット25は、複数の吸気ファン251を有する。吸気ファン251が駆動されると、吸気ノズル28から吸い込まれた空気は、フレキシブルホース34、吸気ユニット25の内部、排気管(不図示)を通って、外部に排出される。
【0037】
バッテリ24は、本体部21の中心部に設けられている。バッテリ24は、モータ23及び吸気ファン251に駆動用の電力を供給する。
【0038】
図4は、清掃ロボット20の後方側の外観を示す斜視図である。
図3及び
図4に示すように、収集ボックス26は、本体部21の背面に設けられている。本体部21の背面には、当該背面を覆うとともに、収集ボックス26を着脱可能に支持するための支持ホルダ27が設けられている。支持ホルダ27の左右方向D3(幅方向)の中央には、上下方向D1に延びる凹部271が形成されており、その凹部271に収集ボックス26が取り外し可能に装着されている。
【0039】
また、
図4に示すように、支持ホルダ27の下部には吸気ノズル28が設けられている。吸気ノズル28には、一対の回転ブラシ36(36A,36B)が回転可能に設けられている。回転ブラシ36は、モータ(不図示)から回転駆動力が伝達されることにより回転する。清掃ロボット20の走行時に前記モータが制御部33によって駆動されると、回転ブラシ36が回転されて、床面のゴミ類の回収が良好に行われる。
【0040】
操作部30は、本体部21の背面の上部に設けられている。操作部30は、オペレータよって操作される装置であり、例えば、タッチ操作が可能なタッチパネルを有する端末装置である。清掃ロボット20に対して登録された各種の前記清掃情報(走行ルート、清掃エリアマップ、清掃時間帯、帰還位置などの情報)は、操作部30から入力することができる。入力された前記清掃情報は、制御部33が備えるRAMや記憶装置(不図示)に転送されて記憶され、制御部33による走行制御に用いられる。
【0041】
図4に示すように、充電接続部32は、清掃ロボット20の背面に設けられている。充電接続部32は、バッテリ24の充電時に用いられるものであり、充電時に充電サポート車両50、又は清掃ロボット20用の充電ステーション(不図示)に連結される。本実施形態では、充電接続部32は、支持ホルダ27の背面27Aに設けられている。背面27Aにおいて、充電接続部32は凹部271の右側(背面27Aから見て左側)に設けられている。支持ホルダ27の背面27Aに凹部272が形成されており、その凹部272に充電接続部32が設けられている。
【0042】
充電接続部32は、充電サポート車両50が備える3つの給電端子531に接続される3つの受電端子321を有している。3つの受電端子321は、所謂接触端子であり、上下方向D1に沿って縦並びに配置されている。
【0043】
図2に示すように、清掃ロボット20の正面には、フロントレーザセンサ41と、ソナーセンサ42とが設けられている。
【0044】
フロントレーザセンサ41は、前方走行時に前方側の障害物の有無を検知するために用いられるセンサである。フロントレーザセンサ41は、本体部21の正面の下部に形成された幅方向に延びる溝部275に設けられている。フロントレーザセンサ41は、溝部275の内部の中央に配置されている。フロントレーザセンサ41は、レーザ光を前方へ向けて水平方向に走査しながら検出対象物までの距離を測定する二次元走査型のセンサであり、側域センサ、或いはレーザレンジスキャナとも称されている。フロントレーザセンサ41によって、前方側の水平方向の二次元データが取得される。フロントレーザセンサ41は、レーザ発信素子、レーザ発信素子を駆動するレーザドライバ、受光素子、受光素子の出力をデジタル信号に変換する受光処理回路などを備えている。
【0045】
フロントレーザセンサ41は制御部33に接続されており、制御部33によって制御される。フロントレーザセンサ41は、前方へ向けて幅方向(水平方向)へ所定の走査角の範囲内でパルス状のレーザ光を走査する。前記走査角は、例えば120°である。フロントレーザセンサ41が、測定領域内の検出対象物で反射して戻って来たパルス波を受光すると、制御部33は、前記パルス波が戻ってくるまでの時間を測定し、その測定値に基づいて各走査位置においける物体までの距離を算出する。これにより、制御部33は、清掃ロボット20の正面側(進行方向側)に存在する物体までの距離や位置、その物体の幅方向における形状やサイズを把握することができる。
【0046】
ソナーセンサ42は、表示パネル31の下側に設けられている。本体部21の正面における幅方向の両端部それぞれにソナーセンサ42が設けられている。ソナーセンサ42は制御部33に接続されており、制御部33によって制御される。ソナーセンサ42は、音波を用いて物体の有無を検知するものであり、その音波が物体に反射して戻ってくるまでの時間に基づいて、その物体との距離を測定する。
【0047】
図2に示すように、本体部21の両側面それぞれには、サイドレーザセンサ43が設けられている。つまり、本体部21には、一対のサイドレーザセンサ43が設けられている。各サイドレーザセンサ43は、後方に存在する対象物までの距離を測定する距離検出装置の役割と、清掃ロボット20の前方、下方、そして後方に至る測定領域の二次元データを取得する二次元データ検出装置の役割と、を有する。各サイドレーザセンサ43は、清掃ロボット20の後方へ向けてレーザ光を出射することにより、後方に存在する対象物までの距離を測定する。また、各サイドレーザセンサ43は、清掃ロボット20の前方、下方、そして後方に至る前記測定領域へ向けてレーザ光を走査することにより前記測定領域の二次元データを取得する。
【0048】
サイドレーザセンサ43は、フロントレーザセンサ41と概ね同様に構成されており、レーザ発信素子、レーザ発信素子を駆動するレーザドライバ、受光素子、受光素子の出力をデジタル信号に変換する受光処理回路などを備えている。サイドレーザセンサ43は制御部33に接続されており、制御部33によって制御される。
【0049】
通信部44は、清掃ロボット20を無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバ10及び充電サポート車両50との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
【0050】
記憶部45は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体又は記憶装置である。例えば、記憶部45には、清掃ロボット20において実行される後述の充電要求処理(
図8参照)などに必要な各種の処理を制御部33に実行させるための一又は複数の制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体やクラウドストレージなどの記憶装置に非一時的に記録されており、前記記憶装置から読み出されて記憶部45に記憶される。
【0051】
GPS受信部46は、GPSによる位置情報を受信する受信アンテナである。GPS受信部46は、清掃ロボット20の走行中の現在位置を受信する。受信した位置情報は、制御部33によって実行される各種処理に用いられる。
【0052】
制御部33は、本体部21の上部に設けられている。制御部33は、清掃ロボット20の各部の動作を制御し、例えば、清掃ロボット20の前後進の走行や旋回、清掃ロボット20用の充電ステーション(不図示)への帰還、吸気ユニット25の吸気ファン251の駆動、表示パネル31の画面表示のなどを制御する。制御部33は、例えば、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。
【0053】
前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。制御部33は、前記ROM又は記憶部45に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより、後述の充電要求処理(
図8参照)を実行し、また、清掃ロボット20の走行や旋回、前記充電ステーションへの帰還、吸気ファン251の駆動、表示パネル31の画面表示などを制御する。
【0054】
図7は、制御部33の構成を示す。
図7に示すように、制御部33は、走行制御部331、残量検知部332、充電要求発信部333などの各種処理部を含む。制御部33は、前記CPUが前記制御プログラムに従った各種の演算処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。制御部33又は前記CPUが、前記制御プログラムを実行するプロセッサの一例である。なお、制御部33に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0055】
走行制御部331は、清掃ロボット20に登録されている各種の清掃情報(走行ルート、清掃エリアマップ、清掃時間帯、帰還位置情報などの情報)に基づいて、清掃ロボット20の走行を制御する。つまり、走行制御部331は、各モータ23の駆動を制御することにより、清掃ロボット20の前進走行、後進走行、旋回等を制御する。
【0056】
残量検知部332は、バッテリ24に残っているエネルギー容量を測定することによりバッテリ24の残量を測定する。例えば、残量検知部332は、周知の電圧測定方式に基づいて、バッテリ24内の電池セルの端子電圧を測定して、その残量を求める。もちろん、前記残量の測定方法は前記電圧測定方式に限られない。測定された残量は、制御部33によって実行される各種処理に用いられる。
【0057】
充電要求発信部333は、残量検知部332によって測定されたバッテリ残量が、予め定められた下限基準値(閾値)未満になった場合に、バッテリ残量が少なくなったと判定し、管理サーバ10に対して、充電要求(本発明のバッテリ給電要求の一例)を送信する。また、充電要求発信部333は、前記充電要求とともに、清掃ロボット20の現在の位置情報を管理サーバ10に送信する。管理サーバ10は、前記充電要求や前記位置情報を受信すると、前記充電要求及び前記位置情報を充電サポート車両50に転送する。つまり、充電要求発信部333は、管理サーバ10を介して前記充電要求や前記位置情報を充電サポート車両50に送信する。なお、充電要求発信部333は、充電サポート車両50に直接に前記充電要求や前記位置情報を送信してもよい。
【0058】
[充電サポート車両50]
図5は、本発明の実施形態に係る自律走行型の充電サポート車両50の前方側の外観を示す斜視図であり、
図6は、充電サポート車両50の側面図である。
図7は、充電サポート車両50の構成を示す図である。
【0059】
本実施形態では、充電サポート車両50は、走行中の清掃ロボット20に対するバッテリ給電要求を受信した場合に、例えば、所定の待機ステーション(不図示)から発進して清掃ロボット20を探査しつつ走行し、清掃ロボット20を発見した場合に、充電サポート車両50が搭載するバッテリ52から清掃ロボット20のバッテリ24に給電可能な給電位置まで清掃ロボット20に近づき、その位置を維持するように走行しつつ、バッテリ52からバッテリ24に給電するよう構成されている。
【0060】
具体的には、
図5に示すように、充電サポート車両50は、車両本体51(本発明の車両本体の一例)と、給電用のバッテリ52(本発明の給電用バッテリの一例)と、給電接続部53(本発明の給電接続部の一例)と、充電接続部61と、制御部54(
図7参照)を備えている。また、
図7に示すように、充電サポート車両50は、制御部54に接続されたモータ55、レーザセンサ56(本発明の距離検知部の一例)、スイッチング部57、通信部58、記憶部59、GPS受信部60などを備える。
【0061】
車両本体51には、走行用の4つの車輪511が設けられている。4つの車輪511それぞれの回転軸には、減速ギヤなどの伝達機構を介して、モータ55の出力軸が連結されている。このため、制御部54によってモータ55が駆動されて、その回転駆動力が前記出力軸から出力されると、モータ55の回転駆動力が車輪511に伝達される。これにより、モータ55の回転方向に応じた方向へ充電サポート車両50が走行する。
【0062】
車両本体51には、バッテリ52が搭載されている。バッテリ52は、車両本体51における前後方向D2の中央付近に設けられている。バッテリ52は、清掃ロボット20のバッテリ24の容量よりも十分に大きい大容量のバッテリであり、清掃ロボット20のバッテリ24を充電するための電力、及び充電サポート車両50の駆動用のモータ55(
図7参照)を駆動させるための電力を蓄えている。
【0063】
給電接続部53は、車両本体51の前面51Aに設けられている。給電接続部53は、車両本体51の内部から開口512を介して前面51Aの外側に突出している。給電接続部53は、車両本体51の内部において、前面51Aの幅方向へスライド移動可能に支持されている。
【0064】
給電接続部53は、清掃ロボット20の充電接続部32の各受電端子321(
図3参照)に接続される電力供給用の給電端子531を有している。3つの受電端子321は、所謂接触端子である。本実施形態では、給電接続部53は、3つの受電端子321それぞれに一対一で対応する3つの給電端子531を有する。
【0065】
給電接続部53は、給電端子531を保持するための保持部532を有する。保持部532は、前後方向D2に長い直方体形状に形成されており、開口512から外側へ突出している。保持部532の突出方向の端部(突出端部)には、底面534を有する凹部533が形成されている。3つの給電端子531は、底面534から外側(前方)へ垂直に突出するように底面534に設けられている。底面534において、3つの給電端子531は、上下方向D1に沿って縦並びに配置されている。また、各給電端子531の突出長さは、凹部533から外側へ突出しない長さに定められている。
【0066】
本実施形態では、給電接続部53は、清掃ロボット20の充電接続部32と同じ高さの位置に配置されている。これにより、充電サポート車両50が清掃ロボット20にドッキングした場合に、給電接続部53の各給電端子531が充電接続部32の各受電端子321に接続可能となる。
【0067】
レーザセンサ56は、車両本体51の前面51Aに設けられている。レーザセンサ56は、走行時に前方側を走行する清掃ロボット20を検知するために用いられるセンサである。レーザセンサ56は、フロントレーザセンサ41と同じ構成のセンサであり、測定光であるレーザ光を前方へ向けて水平方向に走査しながら検出対象物までの距離を測定する二次元走査型のセンサである。レーザセンサ56によって、前方側の対象物までの距離や、水平方向の二次元データが検知結果として取得される。レーザセンサ56は、制御部54に接続されており、制御部54によって制御される。レーザセンサ56が、測定領域内の検出対象物で反射して戻って来たパルス波を受光すると、制御部54は、前記パルス波が戻ってくるまでの時間を測定し、その測定値に基づいて各走査位置においける対象物までの距離を算出する。これにより、制御部54は、充電サポート車両50の正面側(進行方向側)に存在する物体までの距離や位置を把握することができ、また、その物体の幅方向における形状やサイズに基づいてその物体が清掃ロボット20であるか否かを判定することができる。
【0068】
図6に示すように、充電接続部61は、車両本体51の背面51Bに設けられている。充電接続部61は、バッテリ52の充電時に用いられるものであり、充電サポート車両50用の充電ステーション(不図示)に連結される。充電接続部61は、清掃ロボット20が備える充電接続部32と同じ構成であり、充電サポート車両50用の充電ステーションが備える3つの給電端子に接続される3つの受電端子を有している。
【0069】
スイッチング部57は、車両本体51の内部に設けられている。スイッチング部57は、バッテリ52の接触端子521と給電接続部53とを接続する配線に設けられている。スイッチング部57は、制御部54からの駆動信号が入力されると作動して前記配線による充電経路を導通し、前記駆動信号が失われると前記充電経路を遮断する。
【0070】
通信部58は、充電サポート車両50を無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバ10及び清掃ロボット20との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
【0071】
記憶部59は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体又は記憶装置である。例えば、記憶部29には、後述の追跡充電処理(
図10参照)などに必要な各種の処理を制御部54に実行させるための一又は複数の制御プログラムなどが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体やクラウドストレージなどの記憶装置に非一時的に記録されており、前記記憶装置から読み出されて記憶部59に記憶される。
【0072】
また、記憶部59には、充電サポート車両50において実行される追跡充電処理(
図10参照)などに用いられる追跡情報や、充電サポート車両50の待機位置の位置情報、その他の各種の情報が記憶されている。前記待機位置は、充電サポート車両50用の充電ステーションの位置である。前記追跡情報は、本発明の位置特定情報の一例であり、施設内を走行している清掃ロボット20を追跡するために必要な情報である。例えば、前記追跡情報は、清掃時の走行に必要なものとして清掃ロボット20に登録されている前記走行ルートや前記清掃エリアマップ、更には、必要に応じて充電サポート車両50に入力される清掃ロボット20のGPSによる位置情報などを含む。なお、前記追跡情報は、前記走行ルート、前記清掃エリアマップ、前記位置情報の全てを含んでいてもよく、或いはいずれか一つ又は複数であってもよい。
【0073】
GPS受信部60は、GPSによる位置情報を受信する受信アンテナである。GPS受信部60は、充電サポート車両50の走行中の現在位置を受信する。受信した位置情報は、制御部54によって実行される各種処理に用いられる。
【0074】
制御部54は、充電サポート車両50の各部の動作を制御し、例えば、充電サポート車両50の前後進の走行や旋回、充電サポート車両50用の充電ステーション(不図示)からの発進、当該充電ステーションへの帰還などを制御する。制御部54は、例えば、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。
【0075】
前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。制御部54は、前記ROM又は記憶部59に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより、後述の追跡充電処理(
図10参照)を実行し、また、充電サポート車両50の走行や旋回、充電サポート車両50用の充電ステーションからの発進、当該充電ステーションへの帰還などを制御する。
【0076】
図7は、制御部54の構成を示す。
図7に示すように、制御部54は、走行制御部541、残量検知部542、位置判定部543、給電制御部544などの各種処理部を含む。走行制御部541は、本発明の第1制御部、及び第2制御部の一例である。また、給電制御部544は、本発明の第3制御部の一例である。制御部54は、前記CPUが前記制御プログラムに従った各種の演算処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。制御部54又は前記CPUが、前記制御プログラムを実行するプロセッサの一例である。なお、走行制御部541は、本発明の第1制御部及び第2制御部の一例として説明するが、前記第1制御部に対応する走行制御、及び前記第2制御部に対応する走行制御がそれぞれ個別の処理部によって実現されてもよい。また、制御部54に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0077】
走行制御部541は、本発明の第1制御部として、記憶部59に記憶されている前記追跡情報に基づいて、施設内で清掃作業を行っている走行中の清掃ロボット20を追跡する制御(追跡走行制御)を実行する。
【0078】
例えば、走行制御部541は、充電要求発信部333によって送信された清掃ロボット20の位置情報を取得した場合は、その位置情報に基づいて清掃ロボット20を追跡する。詳細には、走行制御部541は、前記走行ルートを参照して、充電サポート車両50の前記待機位置から前記位置情報で特定された位置までの前記走行ルート上の最短ルートを求め、その最短ルートを辿るように充電サポート車両50の走行を制御する。なお、走行制御部541は、清掃ロボット20の進行方向(走行方向)の情報を取得した場合は、前記位置情報のみならず、前記進行方向も考慮して前記最短ルートを求める。
【0079】
また、充電要求発信部333から継続して位置情報が送信されてきた場合は、走行制御部541は、最後に取得した位置情報が示す位置へ向けて充電サポート車両50を走行するように制御する。
【0080】
また、走行制御部541は、前記追跡走行制御による充電サポート車両50の走行中に、レーザセンサ56の前記二次元データに基づいて清掃ロボット20を捉えた場合、前記追跡走行制御を追従走行制御に切り替える。前記追従走行制御において、走行制御部541は、レーザセンサ56によって測定された距離や位置に基づいて、清掃ロボット20に追従するように充電サポート車両50の走行を制御する。
【0081】
また、走行制御部541は、清掃ロボット20への充電が完了すると、発進前にいた前記待機位置の位置情報に基づいて前記待機位置へ帰還するように充電サポート車両50の走行を制御(帰還走行制御)する。なお、充電サポート車両50が前記待機位置に戻ると、前記充電ステーションと接続して、バッテリ52が充電される。
【0082】
なお、本実施形態では、清掃ロボット20の前記位置情報を取得して、その位置情報に基づいて清掃ロボット20を追跡する走行制御について例示するが、走行制御部541による走行制御は、上述の例に限られない。例えば、走行制御部541は、前記位置情報が無い場合は、レーザセンサ56によって前方を走査しつつ前記走行ルートに沿って充電サポート車両50が走行するように制御するものであってもよい。この走行中に清掃ロボット20を捉えると、走行制御部541は、前記追従走行制御を行う。
【0083】
残量検知部542は、バッテリ52に残っているエネルギー容量を測定することによりバッテリ52の残量を測定する。測定された残量は、制御部54によって実行される各種処理に用いられる。
【0084】
位置判定部543は、レーザセンサ56によって測定された距離に基づいて、充電サポート車両50が充電可能位置(本発明の給電位置の一例)にあるか否かを判定する。ここで、前記充電可能位置は、給電用のバッテリ52から清掃ロボット20のバッテリ24に給電可能な位置のことであり、具体的には、充電サポート車両50の給電接続部53(
図5参照)と清掃ロボット20の充電接続部32(
図4)とが給電可能なように接続することが可能な位置である。前記充電可能位置における充電サポート車両50と清掃ロボット20との距離や位置関係の情報は、予め充電サポート車両50の記憶部59に記憶されており、位置判定部543は、これらの情報も用いて前記充電可能位置か否かを判定する。
【0085】
本実施形態では、位置判定部543によって充電サポート車両50が前記充電可能位置にあると判定されると、走行制御部541は、本発明の第1制御部として、前記充電可能位置を維持するように充電サポート車両50の走行を制御する。例えば、走行制御部541は、清掃ロボット20を追従しつつ、充電サポート車両50の速度を清掃ロボット20の走行速度と同期させて、充電サポート車両50の走行を制御(同期走行制御)する。
【0086】
給電制御部544は、前記同期走行制御中に、前記給電可能位置で給電用のバッテリ52から清掃ロボット20のバッテリ24への給電を開始する。具体的には、給電制御部544は、スイッチング部57に駆動信号を入力してスイッチング部57の接点を動作させることにより、前記充電経路を導通させる。これにより、給電接続部53から充電接続部32(
図4)に供給された電力がバッテリ52に供給されて、バッテリ52が充電される。
【0087】
[充電要求処理]
以下、
図8のフローチャートを参照して、清掃ロボット20の制御部33によって実行される充電要求処理の手順の一例について説明する。前記充電要求処理は、制御部33が記憶部45に記憶された制御プログラムを実行することによって開始される。なお、前記充電要求処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記充電要求処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。
【0088】
また、以下においては、清掃ロボット20は施設内を清掃中(走行中)であるものとして説明する。
【0089】
ステップS11では、制御部33は、清掃ロボット20のバッテリ24の残量(蓄電量)が前記下限基準値未満になったか否かを判定する。ステップS11において前記残量が前記下限基準値未満であると判定されると、バッテリ24の残量が残り少なくなったと判定し、制御部33は、充電要求を管理サーバ10に送信する(S12)。また、制御部33は、清掃ロボット20のGPSによる位置情報を管理サーバ10に送信する(S13)。なお、このとき、制御部33は、前記位置情報とともに、清掃ロボット20の進行方向を送信してもよい。
【0090】
次のステップS14では、制御部33は、充電サポート車両50による充電サポートが可能である旨を示す充電可通知(応答通知)を受信したか否かを判定する。ステップS14において前記応答通知を受信しなかった場合は、次のステップS15において、充電サポート車両50による充電サポートが不可能である旨を示す充電不可通知(応答通知)を受信したか否かを判定する。ここで、前記充電可通知及び前記充電不可通知は、後述の追跡充電処理において充電サポート車両50から清掃ロボット20に送信される。なお、制御部33は、ステップS14又はS15において、前記充電可通知又は前記充電不可通知を受信するまで待機する。
【0091】
ステップS15において前記不可通知を受信した場合、制御部33は、清掃ロボット20を所定の充電ステーションに帰還させるよう清掃ロボット20を制御する(S16)。その後、清掃ロボット20の行動ステータスとして、帰還ステータス情報を管理サーバ10に送信し(S17)、前記充電要求処理は終了する。なお、管理サーバ10は、前記帰還ステータス情報を受信すると、その情報を清掃ロボット20の前記行動履歴に登録し、管理する。
【0092】
一方、ステップS14において前記応答通知を受信した場合、制御部33は、走行中に清掃ロボット20の位置情報を連続して充電サポート車両50に送信する(S18)。その後、制御部33は、清掃ロボット20の行動ステータスとして、作業継続ステータス情報を管理サーバ10に送信する(S19)。なお、管理サーバ10は、前記作業継続ステータス情報を受信すると、その情報を清掃ロボット20の前記行動履歴に登録し、管理する。
【0093】
次のステップS20では、制御部33は、充電接続部32に給電接続部53が接続されたか否かを判定する。具体的には、制御部33は、充電接続部32の受電端子321と給電接続部53の給電端子531との導通が確認された場合に、充電接続部32と給電接続部53とが電気的に接続されていると判定する。ステップS20の接続が一定時間内に確認されずタイムアウトした場合は、前記充電要求処理は終了する。
【0094】
ステップS20において、充電接続部32に給電接続部53が接続されたと判定されると、その後、制御部33は、バッテリ24の蓄電量がフルになったか否かを判定する(S21)。そして、バッテリ24の蓄電量がフルになったと判定された場合に、制御部33は、その旨を示す満充電通知を充電サポート車両50に送信する(S23)。その後、制御部33は、充電終了通知と、バッテリ24の蓄電量を示す充電レベルとを管理サーバ10に送信し(S24)、前記充電要求処理は終了する。
【0095】
一方、バッテリ24がフル充電される前に、充電中断通知を受信した場合(S22:Yes)、制御部33は、ステップS24において、前記充電終了通知と、現時点のバッテリ24の蓄電量を示す充電レベルとを管理サーバ10に送信する。その後、前記充電要求処理は終了する。ここで、前記充電中断通知は、充電サポート車両50のバッテリ52の蓄電量が低下してこれ以上充電できない状態になった場合に、後述の追跡充電処理において充電サポート車両50から清掃ロボット20に送信される。なお、制御部33は、ステップS21又はS22において、前記満充電通知又は前記充電中断通知を受信するまで待機する。
【0096】
[中継処理]
以下、
図9のフローチャートを参照して、管理サーバ10の制御部11によって実行される中継処理の手順の一例について説明する。前記中継処理は、制御部11が所定の制御プログラムを実行することによって開始される。なお、前記中継処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記中継処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。
【0097】
ステップS31において、制御部11は、清掃ロボット20から送信された前記充電要求を受信したか否かを判定する。また、前記充電要求を受信した場合、制御部11は、次のステップS32において、清掃ロボット20から送信された前記位置情報を受信したか否かを判定する。制御部33は、前記充電要求及び前記位置情報を受信すると、次のステップS33において、清掃ロボット20の追跡を開始させるための発進指示と、清掃ロボット20のアドレス情報とを充電サポート車両50に送信する前記アドレス情報は、通信網N1に接続された清掃ロボット20を識別可能な情報である。なお、充電サポート車両50が前記発進指示を受信すると、後述の追跡充電処理が実行される。
【0098】
ステップS33の送信処理の後、次のステップS34において、制御部11は、清掃ロボット20から前記作業継続ステータス情報を受信したか否かを判定する。ステップS34において前記作業継続ステータス情報を受信しなかった場合は、次のステップS35において、前記帰還ステータス情報を受信したか否かを判定する。
【0099】
ステップS34において前記作業継続ステータス情報を受信したと判定すると、制御部11は、管理サーバ10内の記憶装置に登録・管理されている清掃ロボット20の前記行動履歴に前記情報を記録する(S37)。その後、制御部11は、清掃ロボット20から送信された前記充電終了通知を受信したか否かを判定し(S38)、前記充電終了通知を受信した場合に、制御部11は、充電累積回数や充電終了日時、充電レベルなどを含む充電履歴に充電終了情報を記録する(S39)。その後、前記中継処理は終了する。
【0100】
ステップS35において前記帰還ステータス情報を受信したと判定すると、制御部11は、管理サーバ10内の記憶装置に登録・管理されている前記行動履歴に前記情報を記録する(S36)。その後、前記中継処理は終了する。
【0101】
[追跡充電処理]
以下、
図10のフローチャートを参照して、充電サポート車両50の制御部54によって実行される追跡充電処理の手順の一例について説明する。前記追跡充電処理は、制御部54が記憶部59に記憶された制御プログラムを実行することによって開始される。なお、前記追跡充電処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記充電要求処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。
【0102】
また、以下においては、充電サポート車両50が、自身のバッテリ52を充電する充電ステーション(待機位置)に待機しているものとして説明する。
【0103】
ステップS51では、制御部33は、管理サーバ10から送信された前記発進指示とともに清掃ロボット20のアドレス情報を受信すると(S51)、バッテリ52の残量が所定の閾値以上残っているか否かを判定する(S52)。バッテリ52の残量が前記閾値以上である場合、制御部54は、充電サポート車両50の前記待機位置と清掃ロボット20の位置との間を往復可能であり、且つ、清掃ロボット20のバッテリ24に十分な量の充電が可能な程度の蓄電量をバッテリ52が有していると判定する。この場合、制御部54は、処理をステップS54に移行させる。
【0104】
一方、バッテリ52の残量が前記閾値未満である場合、制御部54は、前記充電不可通知を前記アドレス情報が示す送信先、つまり、清掃ロボット20に送信する(S53)。その後、充電サポート車両50は発進することなく、前記追跡充電処理は終了する。
【0105】
ステップS54では、制御部54は、前記充電可通知とともに、通信網N1に接続された充電サポート車両50を識別するためのアドレス情報を清掃ロボット20に送信し、その後、充電サポート車両50に対して前記追跡走行制御を実行する(S55)。
【0106】
ステップS56では、制御部54は、レーザセンサ56の前記二次元データに基づいて清掃ロボット20を検知したか否かを判定する。
図11に示すように、レーザセンサ56のレーザ光が清掃ロボット20に到達可能な位置まで充電サポート車両50が到達すると、清掃ロボット20を検知することが可能となる。ステップS56において、清掃ロボット20が検知されると、制御部54は、充電サポート車両50に対する前記追跡走行制御を前記追従走行制御に切り替て、前記追従走行制御を実行する(S57)。
【0107】
続いて、制御部54は、ステップS58において、レーザセンサ56によって測定された距離に基づいて、充電サポート車両50が前記充電可能位置にあるか否かを判定する。具体的には、制御部54は、
図12に示すように、充電サポート車両50の給電接続部53(
図5参照)が清掃ロボット20の充電接続部32(
図4)に接触する位置に充電サポート車両50が達したか否かを判定する。ステップS58において充電サポート車両50が前記充電可能位置にあると判定されると、充電サポート車両50に対する前記追従走行制御を前記同期走行制御に切り替て、前記同期走行制御を実行する(S59)。そして、更に、制御部54は、スイッチング部57に前記駆動信号を入力してスイッチング部57の接点を動作させることにより、清掃ロボット20のバッテリ24への充電を開始する(S60)。
【0108】
次のステップS61において、制御部54は、清掃ロボット20のバッテリ24の充電が完了したか否かを判定する。例えば、制御部54は、清掃ロボット20から前記満充電通知を受信した場合に、充電が完了したと判定する。バッテリ24の充電が完了した場合は、その後、制御部54は、充電サポート車両50に対して、発進前にいた前記待機位置の位置情報に基づいて、前記待機位置に帰還させる前記帰還走行制御を実行する(S64)。前記追跡充電処理は終了する。
【0109】
ステップS61において充電が完了していないと判定されると、その後、制御部54は、充電サポート車両50のバッテリ52の残量が不足しているか否かを判定する(S62)。例えば、制御部54は、バッテリ52の残量が所定の閾値まで低下した場合に、残量不足と判定する。前記閾値は、例えば、充電サポート車両50が前記待機位置まで戻るのに必要な残量に対応する数値である。ステップS62において残量不足と判定されると、制御部54は、前記充電中断通知を清掃ロボット20に送信し(S63)、ステップS64の前記帰還走行制御を実行する(S64)。その後、前記追跡充電処理は終了する。
【0110】
以上説明したように、本実施形態の充電サポート車両50、及び充電システム100が構成されているため、充電サポート車両50は、清掃ロボット20の位置情報に基づいて清掃ロボット20を追跡し、走行状態で清掃ロボット20にドッキングすることにより、走行しながら清掃ロボット20のバッテリ24を充電することが可能となる。これにより、清掃ロボット20は、充電のたびに清掃作業を中断する必要がなくなり、清掃作業の作業効率が向上する。
【0111】
なお、上述の実施形態では、充電サポート車両50の給電接続部53(
図5参照)と清掃ロボット20の充電接続部32(
図4)とが接続された場合に充電を開始する例について説明したが、本発明はこのような例に限られない。例えば、
図13に示すように、充電サポート車両50が、給電接続部53に替えてワイヤレス給電部73を備えており、清掃ロボット20が、充電接続部32に替えてワイヤレス受電部74を備えている場合は、ワイヤレス給電部73からワイヤレス受電部74に周知の非接触充電方式に基づいて充電可能な位置に充電サポート車両50が到達した場合に、充電が開始されてもよい。
【0112】
また、上述の実施形態では、清掃ロボット20のバッテリ24に充電する例について説明したが、他の用途や機能を実現するための自律走行型の移動ロボット、例えば、自律して走行可能な警備ロボットや、介護ロボット、荷物を運搬する搬送ロボット、各種案内をアナウンスしながら走行する案内ロボットなどの自律走行装置のバッテリにも、充電サポート車両50は充電可能である。
【符号の説明】
【0113】
10 :管理サーバ
11 :制御部
20 :清掃ロボット
21 :本体部
22 :走行部
23 :モータ
24 :バッテリ
32 :充電接続部
33 :制御部
41 :フロントレーザセンサ
42 :ソナーセンサ
43 :サイドレーザセンサ
50 :充電サポート車両
51 :車両本体
52 :バッテリ
53 :給電接続部
54 :制御部
56 :レーザセンサ
57 :スイッチング部
61 :充電接続部
73 :ワイヤレス給電部
74 :ワイヤレス受電部
100 :充電システム
331 :走行制御部
332 :残量検知部
333 :充電要求発信部
541 :走行制御部
542 :残量検知部
543 :位置判定部
544 :給電制御部