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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】作業工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020042733
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021142601
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 雅史
(72)【発明者】
【氏名】加藤 瞬
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 充典
(72)【発明者】
【氏名】一色 信賢
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0161241(US,A1)
【文献】特開2013-233637(JP,A)
【文献】特開2017-121681(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0231113(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着された先端工具を駆動させて所定の作業を行う作業工具であって、
作業時に使用者によって把持される補助ハンドルであって、前記使用者による前記補助ハンドルを把持した把持力を検出する検出部と、前記検出部における検出結果を送信する送信部と、を有する補助ハンドルと、
前記先端工具を駆動する駆動部と、前記送信部から前記検出結果を受信する受信部と、前記駆動部の動作を制御する制御部と、を有する本体部と、
前記補助ハンドルまたは前記本体部の挙動を検出する挙動検出部と、
を備え、
前記制御部は、前記検出部における前記把持力の検出結果と前記挙動検出部における前記挙動の検出結果に基づいて、検出された前記補助ハンドルの把持力とその把持力で前記補助ハンドルを把持した状態で作業した際に生じる作業工具のブレとが許容範囲である場合に前記駆動部の動作を許可することを決定するとともに、前記挙動検出部における検出結果が前記駆動部の動作を許可できない結果であった場合には、前記駆動部の動作を許可するか否かを決定するために設定された前記把持力の把持閾値を大きくするように調整する、
作業工具。
【請求項2】
装着された先端工具を駆動させて所定の作業を行う作業工具であって、
作業時に使用者によって把持される補助ハンドルであって、前記使用者による前記補助ハンドルを把持した把持力を検出する検出部と、前記検出部における検出結果を送信する送信部と、を有する補助ハンドルと、
前記先端工具を駆動する駆動部と、前記送信部から前記検出結果を受信する受信部と、前記駆動部の動作を制御する制御部と、を有する本体部と、
前記補助ハンドルまたは前記本体部の挙動を検出する挙動検出部と、
を備え、
前記制御部は、前記検出部における前記把持力の検出結果と前記挙動検出部における前記挙動の検出結果に基づいて、検出された前記補助ハンドルの把持力とその把持力で前記補助ハンドルを把持した状態で作業した際に生じる作業工具のブレとが許容範囲である場合に前記駆動部の動作を許可することを決定するとともに、前記挙動検出部における検出結果について、一回でも超えると前記駆動部の動作を停止させる第1閾値と、前記第1閾値よりも小さく所定時間内に所定回数以上超えると前記駆動部の動作を停止させる第2閾値と、を有している、
作業工具。
【請求項3】
前記制御部は、高回転速度で低いトルクを出力するように前記駆動部を制御する高速低トルクモードと、前記高速低トルクモードよりも低回転速度で高いトルクを出力するように前記駆動部を制御する低速高トルクモードと、を有している、
請求項1または2に記載の作業工具。
【請求項4】
前記制御部は、前記低速高トルクモードでは、前記挙動検出部において検出された検出結果について、前記高速低トルクモードにおいて設定されており前記駆動部の動作を停止させる閾値よりも小さい閾値を設定する、
請求項3に記載の作業工具。
【請求項5】
前記高速低トルクモードおよび前記低速高トルクモードの少なくとも一方は、前記検出部における検出結果について設定された前記把持力の閾値が複数段階で設定されている、
請求項3または4に記載の作業工具。
【請求項6】
前記挙動検出部は、前記補助ハンドルに設けられている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の作業工具。
【請求項7】
前記挙動検出部は、前記補助ハンドルにおける前記本体部との接続部分とは反対側の端部付近に設けられている、
請求項6に記載の作業工具。
【請求項8】
前記挙動検出部は、加速度センサである、
請求項1から7のいずれか1項に記載の作業工具。
【請求項9】
前記本体部は、前記補助ハンドルに対して電力を供給する非接触給電部を有しており、
前記補助ハンドルは、前記本体部の前記非接触給電部から電力が供給される非接触受電部を有している、
請求項1から8のいずれか1項に記載の作業工具。
【請求項10】
前記検出部は、圧力センサである、
請求項1から9のいずれか1項に記載の作業工具。
【請求項11】
前記駆動部は、前記先端工具を回転駆動するモータである、
請求項1から10のいずれか1項に記載の作業工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電動ドライバ、グラインダ、ジグソー、チェーンソー等の電力あるいはエアによって先端工具を駆動させて各種作業を行う作業工具に関する。
【背景技術】
【0002】
作業現場や工場において、ドリルやドライバなどの先端工具をモータによって回転駆動して所望の作業を行う作業工具が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
このような作業工具の中には、使用者が安定した状態で作業工具を使用できるように、本体部に補助ハンドルが装着された作業工具がある。
例えば、特許文献1には、使用者が補助ハンドルをしっかり持たずに使用して怪我をする等の事故の発生を防止するために、使用者による補助ハンドルの把持を検出して出力トルクの制限を行う電動工具について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5899471号公報
【文献】特許第5914809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の電動工具(作業工具)では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された電動工具では、使用者による補助ハンドルの把持を検出して出力トルクの制限を行うことで使用者の怪我を防止することができるものの、補助ハンドルを把持する把持力は、使用者によって個人差がある。そして、上記電動工具の制御では、使用者ごとの技量差(上手な人、下手な人)によって、使用者の意に反する出力トルクに制限されてしまうおそれがあった。
【0005】
本発明の課題は、使用者の安全性を確保するとともに、使用者の技量差を考慮して適切な制御を行うことが可能な作業工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る作業工具は、装着された先端工具を駆動させて所定の作業を行う作業工具であって、作業時に使用者によって把持される補助ハンドルと、本体部と、挙動検出部とを備えている。補助ハンドルは、使用者による補助ハンドルを把持した把持力を検出する検出部と、検出部における検出結果を送信する送信部と、を有している。本体部は、先端工具を駆動する駆動部と、送信部から検出結果を受信する受信部と、駆動部の動作を制御する制御部と、を有している。挙動検出部は、補助ハンドルまたは本体部の挙動を検出する。制御部は、検出部における把持力の検出結果と挙動検出部における挙動の検出結果に基づいて、駆動部の動作を許可するか否かを決定する。
【0007】
ここでは、作業工具を両手でつかんで安定した状態で各種作業を行うために本体部に装着された補助ハンドルを含む作業工具において、補助ハンドルを保持する把持力および作業工具の挙動(ブレ)の検出結果に基づいて、駆動部の動作を許可するか否かを決定する。
ここで、作業工具には、例えば、電動ドライバ、グラインダ、ジグソー、チェーンソー等の電力あるいはエアによって先端工具を駆動させて各種作業を行う作業工具が含まれる。
【0008】
また、作業時における作業工具の挙動(ブレ)を検出する挙動検出部は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサであって、作業工具に含まれる本体部側あるいは補助ハンドル側に設けられている。
これにより、例えば、検出された保持ハンドルの把持力と、その把持力で補助ハンドルを把持した状態で作業した際に生じる作業工具のブレとが許容範囲である場合にのみ、駆動部の動作を許可することができる。
【0009】
よって、把持力が所定値よりも小さい場合や、作業時の作業工具のブレが所定量以上である場合には、駆動部の動作を禁止することで、使用者の安全性を向上させることができる。
この結果、使用者の安全性を確保するとともに、使用者の技量差を考慮して適切な制御を行うことができる。
【0010】
第2の発明に係る作業工具は、第1の発明に係る作業工具であって、制御部は、挙動検出部における検出結果が駆動部の動作を許可できない結果であった場合には、駆動部の動作を許可するか否かを決定するために設定された把持力の把持閾値を大きくするように調整する。
ここでは、挙動検出部において検出された結果(ブレ量)が許容範囲外であって駆動部の動作が許可されない場合に、駆動部の動作を許可する条件として設定された把持力の把持閾値を大きくする。
【0011】
これにより、挙動検出部において検出されたブレ量が大きい場合には、駆動部の動作を許可するために設定された補助ハンドルの把持力の把持閾値の値を大きくするように変更することで、把持力が大きくならないと駆動部が動作しない状態とすることができる。
よって、使用者は、駆動部を動作させるためには、もっとしっかりと補助ハンドルを把持する必要があるため、結果として、作業工具のブレ量を抑制することができる。
【0012】
第3の発明に係る作業工具は、第1または第2の発明に係る作業工具であって、制御部は、挙動検出部における検出結果について、一回でも超えると駆動部の動作を停止させる第1閾値と、第1閾値よりも小さく所定時間内に所定回数以上超えると駆動部の動作を停止させる第2閾値と、を有している。
ここでは、挙動検出部における検出結果に応じて駆動部の動作を停止させる制御において、1度検出すると停止させる第1閾値と、所定回数以上検出すると停止させる第2閾値という2つの閾値が設定されている。
【0013】
これにより、挙動検出部において検出される検出結果(作業工具のブレ量)について、即座に駆動部の動作を停止させる第1閾値と、所定回数以上の検出によって駆動部の動作を停止させる第2閾値とを組み合わせて用いることで、ブレ量が第1閾値よりも大きい場合には、即座に駆動部の動作を停止させるとともに、第1閾値より小さく第2閾値よりも大きい場合には、所定回数以上第2閾値以上のブレ量を検出した場合に停止させることができる。
この結果、作業工具のブレ量に応じて、即座に停止させる、あるいは所定条件を満たした場合に停止させるという段階的な制御を実施することができる。
【0014】
第4の発明に係る作業工具は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る作業工具であって、制御部は、高い回転速度で低いトルクを出力するように駆動部を制御する高速低トルクモードと、高速低トルクモードよりも低い回転速度で高いトルクを出力するように駆動部を制御する低速高トルクモードと、を有している。
【0015】
ここでは、制御部が、作業内容等に応じて選択される高速低トルクモードおよび低速高トルクモードによって、駆動部を制御する。
ここで、高速低トルクモードは、例えば、電動ドライバを用いたネジ締め作業等で選択され、低速高トルクモードは、例えば、ディスクグラインダを用いた研磨作業等で選択される。
これにより、作業工具を用いた作業内容に応じて、適切なモードを選択することで、当該作業に最適な回転速度および出力トルクで作業を行うことができる。
【0016】
第5の発明に係る作業工具は、第4の発明に係る作業工具であって、制御部は、低速高トルクモードでは、挙動検出部において検出された検出結果について、高速低トルクモードにおいて設定されており駆動部の動作を停止させる閾値よりも小さい閾値を設定する。
【0017】
ここでは、駆動部の動作を停止させる閾値として、低速高トルクモードでは高速低トルクモードよりも小さい閾値が設定されている。
これにより、使用者が補助ハンドルをしっかり持たずに使用して怪我をする等の事故発生リスクが大きい低速高トルクモードにおけるブレ量の閾値を、高速低トルクモードよりも小さい値とすることで、ブレが生じたら早めに駆動部の動作を停止させる等の安全性の高い制御を行うことができる。
【0018】
第6の発明に係る作業工具は、第4または第5の発明に係る作業工具であって、高速低トルクモードおよび低速高トルクモードの少なくとも一方は、検出部における検出結果について設定された把持力の閾値が複数段階で設定されている。
ここでは、高速低トルクモードおよび低速高トルクモードの少なくとも一方には、補助ハンドルを把持する力に関する閾値が段階的に設定されている。
これにより、作業内容等に応じた適切なモード、段階を設定して作業を行うことで、使用者の安全性を確保しつつ、作業工具を用いた作業を適切に実施することができる。
【0019】
第7の発明に係る作業工具は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る作業工具であって、挙動検出部は、補助ハンドルに設けられている。
ここでは、加速度センサ等の挙動検出部が、補助ハンドル側に設けられている。
これにより、補助ハンドル側のブレを検出して、そのブレ量に応じて駆動部の動作を停止するか否かを判定することができる。
【0020】
第8の発明に係る作業工具は、第7の発明に係る作業工具であって、挙動検出部は、補助ハンドルにおける本体部との接続部分とは反対側の端部付近に設けられている。
ここでは、補助ハンドルの端部に、加速度センサ等の挙動検出部を配置している。
これにより、補助ハンドルのブレが生じた場合にもっとも変位量が大きくなる端部(接続側とは反対側)に挙動検出部が配置されていることで、補助ハンドルのブレ量を精度よく検出することができる。
【0021】
第9の発明に係る作業工具は、第1から第8の発明のいずれか1つに係る作業工具であって、挙動検出部は、加速度センサである。
ここでは、挙動検出部として、加速度センサを用いている。
これにより、安価な構成により、作業工具に生じたブレを検出することができる。
【0022】
第10の発明に係る作業工具は、第1から第9の発明のいずれか1つに係る作業工具であって、本体部は、補助ハンドルに対して電力を供給する非接触給電部を有している。補助ハンドルは、本体部の非接触給電部から電力が供給される非接触受電部を有している。
【0023】
ここでは、本体部に対して装着された補助ハンドルが、非接触給電方式によって、本体部側から電力を供給される。
これにより、補助ハンドルへの給電が接点方式の構成と比較して、接点部分が露出しないため、補助ハンドルが装着されていない状態で露出した接点部における短絡や錆等の発生を防止することができる。
この結果、補助ハンドルを備えた構成において、使用環境の制約を受けることなく使用することができる。
【0024】
第11の発明に係る作業工具は、第1から第10の発明のいずれか1つに係る作業工具であって、検出部は、圧力センサである。
ここでは、使用者による補助ハンドルの把持を検出して把持信号を送信する検出部として、圧力センサが用いられる。
これにより、使用者による補助ハンドルを保持する強さ(押圧力)を検出して、本体側へ送信することで、例えば、検出部において検出された保持する強さに応じて、駆動部の出力トルクの制御を行うことができる。
【0025】
第12の発明に係る作業工具は、第1から第11の発明のいずれか1つに係る作業工具であって、駆動部は、先端工具を回転駆動するモータである。
【0026】
ここでは、駆動部として、電力によって駆動されるモータが用いられている。
これにより、例えば、検出部において検出された把持信号および挙動検出部において検出された検出結果に応じて、駆動部の出力トルクの制御を電気的に行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る作業工具によれば、使用者の安全性を確保するとともに、使用者の技量差を考慮して適切な制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に係る電動工具の構成を示す全体斜視図。
図2図1の電動工具の補助ハンドルを本体部から取り外した状態を示す斜視図。
図3図1の電動工具の制御ブロック図。
図4】(a)および(b)は、図1の補助ハンドルに設けられた圧力センサの配置構成を示す斜視図。
図5】(a)および(b)は、図4(a)の補助ハンドルと本体部との接続構造を示す断面図。
図6】(a)および(b)は、図2の補助ハンドルと本体部との接続を保持するロック機構の構成を示す断面図。
図7】(a)および(b)は、図2の補助ハンドルと本体部との接続を解除するロック解除機構の構成を示す断面図。
図8図1の電動工具の補助ハンドルの把持を検出して動作を行う際の処理の流れを示すフローチャート。
図9図8のフローチャートの把持検出信号を検出レベルに応じて処理する場合の処理の流れを示すフローチャート。
図10】(a)~(d)は、図9のフローチャートにおける処理で検出される把持検出信号を処理した処理信号を示す図。
図11図1の電動工具における補助ハンドルを把持した把持値に基づく動作許可制御の処理の流れを示すフローチャート。
図12図1の電動工具における加速度センサによって検出される挙動検出信号に基づく動作許可閾値の更新制御の処理の流れを示すフローチャート。
図13】(a)~(c)は、図12の動作許可閾値の更新制御について説明するグラフ。
図14図1の電動工具に設定される作業モード、これに対応する図12の動作許可閾値、動作許可把持値の範囲、第1の挙動検出閾値、第2の挙動検出閾値を示す図。
図15】本発明の他の実施形態に係る他のロック機構を備えた電動工具の構成を示す全体斜視図。
図16図15の電動工具の補助ハンドルを本体部から取り外した状態を示す斜視図。
図17】(a)および(b)は、図16の補助ハンドルと本体部との接続を保持するロック機構の構成を示す断面図。
図18】(a)および(b)は、図16の補助ハンドルと本体部との接続を解除するロック解除機構の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の一実施形態に係る電動工具(作業工具)10について、図1図14を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、以下で説明する内容は、本発明に係る一実施形態を示したものに過ぎず、本実施形態で説明される構成によって、本発明が限定されることを意図するものではない。
(1)電動工具10の構成
本実施形態に係る電動工具10は、図1に示すように、バッテリ(図示せず)から電力を供給されるブラシレスモータ(駆動部17)によって、先端部分に装着されたドライバ、ドリル等の先端工具30を回転駆動させることで、ネジ締め、ネジ緩め、穴開け等の各種作業に使用される。
電動工具10は、図1および図2に示すように、本体部11と、本体部11に着脱可能な状態で取り付けられる補助ハンドル20とを備えている。
【0030】
(2)本体部11の構成
本体部11は、内蔵されたバッテリ(図示せず)から電力が供給されて駆動される駆動部17を備えており、先端部分に着脱可能な状態で装着された各種先端工具30を交換しながら各種作業を行う。
【0031】
本体部11は、図1に示すように、先端部分に先端工具30が装着され駆動部17(図3参照)によって回転駆動される回転部12と、作業時に使用者の右手で把持されるメインハンドル13と、操作量に応じて駆動部17(図3参照)を駆動する操作部(トリガスイッチ)14と、補助ハンドル20が装着される被接続部15とを備えている。また、本体部11は、図3に示すように、内部に、制御部16と、駆動部17と、非接触給電部18と、信号受信部(受信部)19とを備えている。
【0032】
回転部12は、図1に示すように、本体部11における先端工具30が装着される先端に設けられている。そして、回転部12は、駆動部17(図3参照)によって回転駆動されることで、装着された先端工具30に応じた各種作業が行われる。
メインハンドル13は、図1に示すように、本体部11における下面から下向きに延伸する使用者の持ち手部分であって、図1に示す電動工具10では、作業時に使用者の右手によって把持される。
【0033】
操作部(トリガスイッチ)14は、図1に示すように、メインハンドル13の根元部分付近に設けられており、作業時には、メインハンドル13を把持した使用者の右手の人差し指によって操作される。そして、操作部14は、図3に示すように、操作量に応じた操作信号を制御部16へ送信する。これにより、制御部16は、操作部14の操作量に応じた回転数になるように、駆動部17を駆動する。
【0034】
被接続部15は、図2に示すように、本体部11の左側面に設けられた略円筒状の部分であって、補助ハンドル20が装着される。そして、被接続部15は、円筒部15aと、着脱ボタン15bと、挿入孔15cとを有している。
円筒部15aは、図2に示すように、本体部11の左側面に対して略垂直に配置されており、円筒部分の内周面側に、補助ハンドル20が挿入された状態で取り付けられる。また、円筒部15aの内周面には、径方向外側に向かって凹む第1凹部(位置合わせ部)15aaと、第2凹部(位置合わせ部)15abとが形成されている。
【0035】
第1凹部15aaは、図2に示すように、円筒部15aの内周面に形成されており、補助ハンドル20側の円筒部23の外周面に形成された第1凸部23aaが挿入される。
第2凹部15abは、図2に示すように、円筒部15aの内周面における第1凹部15aaと対向する位置に形成されており、補助ハンドル20側の円筒部23の外周面に形成された第2凸部23abが挿入される。
【0036】
ここで、第1凹部15aaは、第2凹部15abと比較して、溝幅(挿入方向に交差する方向における寸法)が小さくなるように形成されている。
着脱ボタン15bは、図2に示すように、円筒部15aの外周面に配置されており、押下操作されることによって、補助ハンドル20が保持された状態から離脱可能な状態へ移行させる。
【0037】
挿入孔15cは、図2に示すように、円筒部15aの略中心に形成された穴であって、補助ハンドル20側の挿入軸22aが挿入される。
制御部16は、図3に示すように、操作部14および信号受信部19と接続されている。そして、制御部16は、操作部14から受信した操作量信号に基づいて、駆動部17の回転数を制御する。また、制御部16は、信号受信部19を介して受信した加速度センサ28における検出結果(ブレ量)と、補助ハンドル20の把持部21を使用者が把持したことを示す把持検出信号(把持力)とに応じて、駆動部17の動作を許可するか否かを判定する。
【0038】
駆動部17は、図3に示すように、電力によって駆動されるモータであって、先端工具30(回転部12)に対して回転駆動力を付与する。
非接触給電部18は、図3に示すように、図示しないバッテリから電力が供給されるとともに、本体部11から補助ハンドル20の非接触受電部24に対して、電気配線等を介すことなく非接触の状態で電力を供給する。
信号受信部(受信部)19は、図3に示すように、補助ハンドル20側の信号送信部26を介して、補助ハンドル20側に設けられた圧力センサ25および加速度センサ28における検出結果を受信する。
【0039】
(3)補助ハンドル20の構成
補助ハンドル20は、例えば、駆動部17が高トルクの回転駆動力を出力する作業を実施する際等において、安定した状態で作業を実施することができるように、使用者の左手によって把持される。そして、補助ハンドル20は、図1に示すように、本体部11の左側面に設けられた被接続部15に対して、着脱可能な状態で取り付けられる。
【0040】
なお、補助ハンドル20は、図1に示す本体部11の左側の側面ではなく、本体部11の右側の側面、あるいは上部、下部等の他の部位に装着される構成であってもよい。
補助ハンドル20は、図1に示すように、把持部21と、接続部22と、円筒部23と、を備えている。また、補助ハンドル20は、内部に、図3に示すように、非接触受電部24と、圧力センサ25と、信号送信部(送信部)26と、把持検出信号処理部27と、加速度センサ(挙動検出部)28とを備えている。
【0041】
把持部21は、図1に示すように、補助ハンドル20における使用者の左手によって把持される部分であって、本体部11の左側面に対して略垂直方向に延伸するように配置されている。
接続部22は、図2に示すように、本体部11の被接続部15の円筒部15aに対して接続される部分であって、本体部11に向かって突出する挿入軸22aを有している。
【0042】
挿入軸22aは、本体部11の円筒部15aの中心位置に設けられた挿入孔15cに対して挿入される。
円筒部23は、図1に示すように、本体部11の被接続部15を構成する円筒部15aの内周面側に挿入される。これにより、補助ハンドル20は、本体部11の左側面に対して位置合わせが行われる。そして、円筒部23の外周面には、径方向内側に向かって突出する第1凸部(位置合わせ部)23aaと、第2凸部(位置合わせ部)23abとが形成されている。
【0043】
第1凸部23aaは、図2に示すように、円筒部23の外周面に形成されており、本体部11側の円筒部15aの内周面に形成された第1凹部15aaに沿って挿入される。
第2凸部23abは、図2に示すように、円筒部23の外周面における第1凸部23aaの反対側に形成されており、本体部11側の円筒部15aの内周面に形成された第2凹部15abに沿って挿入される。
【0044】
ここで、第1凸部23aaは、第2凸部23abよりも幅(挿入方向に交差する方向における寸法)が小さくなるように形成されている。
これにより、補助ハンドル20側の第1凸部23aaと第2凸部23abとが、本体部11側の第1凹部15aaと第2凹部15abとに沿ってそれぞれ挿入される。この結果、補助ハンドル20の挿入軸22aを中心とする回転方向における位置決めを行うことができる。
【0045】
また、第1凸部23aaおよび第2凸部23ab(第1凹部15aaおよび第2凹部15ab)の幅が異なるため、補助ハンドル20を180度回転させても装着することができない。
よって、補助ハンドル20の挿入軸22aを中心とする回転方向における位置決めを確実に行うことができる。
【0046】
非接触受電部24は、図3に示すように、本体部11の非接触給電部18から電力が供給され、他の構成(圧力センサ25、信号送信部26、把持検出信号処理部27、加速度センサ28)へ電力を供給する。これにより、補助ハンドル20は、本体部11側から電力が供給されるため、バッテリ等の電源を内部に持たない簡素な構成とすることができる。
【0047】
圧力センサ25は、図3に示すように、補助ハンドル20における使用者によって把持される把持部21の内部に設けられており、使用者が把持部21を把持したか否か、あるいは把持部21をどの程度の把持力で把持しているかを検出し、把持検出信号処理部27へ送信する。
ここで、圧力センサ25は、図4(a)に示すように、補助ハンドル20の把持部21の深部に、長手方向に沿って延伸するように配置された圧力センサ25aが用いられる。これにより、使用者によって把持部21が把持されると、圧力センサ25が把持を検出し、把持力に応じた信号を把持検出信号処理部へと送信する。
【0048】
なお、圧力センサ25は、図4(b)に示すように、補助ハンドル20の根元部分に配置された圧力センサ25bを用いてもよい。
信号送信部(送信部)26は、図3に示すように、圧力センサ25において検出された把持検出信号と、加速度センサ28において検出された補助ハンドル20の挙動(ブレ量)を示す挙動検出信号とを、本体部11の信号受信部19へと送信する。
【0049】
把持検出信号処理部27は、図3に示すように、圧力センサ25において検出された把持検出信号を、把持力に応じて互いに異なるパルス信号へと変換する処理を行う(図10(a)~図10(d)参照)。
加速度センサ(挙動検出部)28は、補助ハンドル20の挙動(作業時に生じるブレ量)を検出するために設けられており、図3に示すように、検出したブレ量を信号送信部26へ送信する。また、加速度センサ28は、図4(a)および図4(b)に示すように、補助ハンドル20における端部に配置されている。
これにより、加速度センサ28が電動工具10の中心付近(接続部分付近)に配置された構成と比較して、作業時に生じた補助ハンドル20の挙動(ブレ量)を効果的に検出することができる。
【0050】
<本体部11と補助ハンドル20の接続構造>
本実施形態の電動工具10における本体部11に対する補助ハンドル20の接続構造について、図5(a)および図5(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
【0051】
なお、図5(a)および図5(b)に示す構成では、説明の便宜上、本体部11側の構成は、被接続部15のみを示しており、被接続部15以外の構成は図示を省略している。
すなわち、本実施形態では、補助ハンドル20は、図5(a)に示すように、上述した補助ハンドル20側の挿入軸22aが、本体部11側の挿入孔15cに挿入されるとともに、円筒部23の外周面が、本体部11の被接続部15の円筒部15aの内周面側に挿入された状態で挿入される。
【0052】
このとき、上述した位置合わせ部(第1・第2凹部15aa,15abと第1・第2凸部23aa,23ab)による位置合わせ効果により、本体部11側に設けられた非接触給電部18と、補助ハンドル20側の非接触受電部24とは、図5(b)に示すように、互いに対向する位置に近接配置されている。
これにより、非接触給電部18から非接触受電部24に対する給電効率を向上させることができる。
【0053】
また、上述した位置合わせ部(第1・第2凹部15aa,15abと第1・第2凸部23aa,23ab)による位置合わせ効果により、本体部11側に設けられた信号受信部19と、補助ハンドル20側の信号送信部26とは、図5(b)に示すように、互いに対向する位置に近接配置されている。
これにより、信号送信部26から信号受信部19に対する信号送信効率を向上させることができる。
【0054】
<本体部11と補助ハンドル20とを保持するロック機構>
本実施形態の電動工具10では、図6(a)および図6(b)に示すように、補助ハンドル20側の挿入軸62aの先端に係止部(ロック機構)62bが設けられており、本体部11側に被係止部(ロック機構)56cが設けられた構成であってもよい。
図6(a)は、本体部11側の被接続部15に対して補助ハンドル20側の接続部22(円筒部23)が接続される直前の状態の電動工具10を示している。
【0055】
ここで、後述するロック解除ボタン56は、円筒部15aの中心軸を中心とする径方向外側に向かってバネ等の弾性部材56bによって常に付勢されており、径方向に沿って移動可能な状態で、本体部11側に設けられている。ロック解除ボタン56の下部には、挿入軸62aが挿入される挿入孔56aが設けられている。
図6(a)に示す状態から、本体部11の被接続部15に対して補助ハンドル20の接続部22を近接させていくと、挿入軸62aの先端に設けられた係止部62bが、本体部11の円筒部15aの中心に設けられたロック解除ボタン56の挿入孔56aに沿って挿入される。
【0056】
このとき、挿入軸62aは、その先端部分に、径方向内側に向かって突出する係止部62bを有している。係止部62bは、その先端部分に、挿入方向に対して斜めに配置されたテーパ面を有している。このため、挿入軸62aは、挿入孔56a(ロック解除ボタン56)を径方向内側(図中下向き)に押し付けながら挿入孔56a内を進み、図6(b)に示す位置において保持される。
【0057】
図6(b)に示す状態では、係止部62bは、挿入方向に交差する方向に突出した部分の後端面が、本体部11側に設けられたロック解除ボタン56の下部に形成された挿入孔56aの縁部分(被係止部56c)に引っ掛かり、保持された状態となる。
これにより、本体部11に対して補助ハンドル20が保持されて離脱できない状態とすることで、使用者は安定した状態で補助ハンドル20付きの電動工具10を使用することができる。
【0058】
一方、本体部11に装着された補助ハンドル20を離脱させる際には、図7(a)に示すように、本体部11の円筒部15aの外周面から径方向外側に向かって突出したロック解除ボタン56を径方向内側に向かって押し下げればよい。
このとき、ロック解除ボタン56は、径方向内側に向かって押し込まれることで、ロック解除ボタン56の一部である挿入孔56aも径方向内側に向かって移動する。
【0059】
これにより、挿入孔56aの縁部分に設けられた被係止部56cも径方向内側へ移動することで、補助ハンドル20側の挿入軸62aの先端に設けられた係止部62bと被係止部56cとの係止関係が解除される。
この結果、図7(b)に示すように、補助ハンドル20の挿入軸62aを本体部11の挿入孔56aから引き抜いて、本体部11から補助ハンドル20を取り外すことができる。
【0060】
<電動工具10における駆動部17の動作制御>
本実施形態の電動工具10は、以上のような構成を備えており、補助ハンドル20が装着された状態で作業を行う際に、補助ハンドル20の把持の有無を検出して制御を行う。このような動作制御の処理の流れについて、図8および図9に示すフローチャートを用いて説明すれば以下の通りである。
【0061】
すなわち、本実施形態の電動工具10では、図8に示すように、まず、ステップS11において、補助ハンドル20側の圧力センサ25が、把持部21を使用者が把持した状態を示す把持検出信号を検出するまで待機する。
そして、ステップS11において、把持検出信号が検出されると、ステップS12において、補助ハンドル20側の把持検出信号処理部27が、把持検出信号を電圧値からパルス状のレベル信号に変換処理して、変換処理された処理信号を信号送信部26へ出力する。
【0062】
次に、ステップS13において、補助ハンドル20側の信号送信部26から、本体部11側の信号受信部19に対して、処理信号を送信する。
次に、ステップS14において、本体部11側の信号受信部19が、補助ハンドル20側の信号送信部26から処理信号を受信して、制御部16へと出力する。
次に、ステップS15において、本体部11側の制御部16が、使用者が操作部14を操作した際に検出される操作量を示す信号が入力されるまで待機する。
【0063】
そして、ステップS15において、操作部14を操作した操作量の入力を検出すると、使用者が、補助ハンドル20を把持した状態で操作部14の操作を行ったことが分かる。
よって、このような補助ハンドル20の把持と操作部14の操作とを示す状態を検出した上で、ステップS16において、制御部16は、駆動部17の動作を許可する。これにより、補助ハンドル20付きの電動工具10を用いた作業を安定した状態で行うことができる。
【0064】
なお、ステップS11において検出される把持検出信号は、使用者が補助ハンドル20の把持部21を把持する力の大小に応じて異なるレベル信号として出力されてもよい。
この場合には、図9に示すフローチャートに従って、処理が行われる。なお、図9に示すフローチャートは、図8のステップS12が、ステップS12a,12bに変更されている点のみが異なっており、他のステップSにおける処理は図8と同様である。
【0065】
すなわち、ステップS11において、補助ハンドル20の把持部21を使用者が把持すると検出される把持検出信号が検出されると、ステップS12aにおいて、把持検出信号の検出レベル(電圧値)を判定する。
ここでは、把持検出信号の検出レベル(電圧値)として、強・中・弱・無という4段階で判定が行われる。
【0066】
次に、ステップS12bでは、把持検出信号処理部27が、ステップS12aにおいて判定された把持検出信号の検出レベルに応じて、把持検出信号を4種類の処理信号に変換する。
具体的には、把持検出信号処理部27は、圧力センサ25において検出された把持検出信号を、図10(a)~図10(d)に示す4種類の処理信号に変換する。
【0067】
把持検出信号の検出レベルが「強」であった場合には、図10(a)に示すように、把持検出信号処理部27は、最もパルス幅の大きいパルス状の処理信号に変換する。
把持検出信号の検出レベルが「中」であった場合には、図10(b)に示すように、把持検出信号処理部27は、「強」よりもパルス幅の小さいパルス状の処理信号に変換する。
【0068】
把持検出信号の検出レベルが「弱」であった場合には、図10(c)に示すように、把持検出信号処理部27は、「中」よりもパルス幅の小さいパルス状の処理信号に変換する。
把持検出信号の検出レベルが「無」であった場合には、図10(d)に示すように、把持検出信号処理部27は、最もパルス幅の小さいパルス状の処理信号に変換する。
これにより、補助ハンドル20側の信号送信部26は、圧力センサ25において検出された把持検出信号を把持力の大きさに応じて4段階に分類された処理信号を送信することで、本体部11側の制御部16では、使用者が、どの程度の強さで補助ハンドル20を把持しているかを認識することができる。
【0069】
<電動工具10による駆動部17の動作許可制御>
本実施形態の電動工具10では、補助ハンドル20が装着された状態でより安全性の高い状態で作業を行うための駆動部17の動作許可制御が実施される。この駆動部17の動作許可制御について、図11および図12に示すフローチャートを用いて説明すれば、以下の通りである。
【0070】
すなわち、本実施形態の電動工具10では、図11に示すように、まず、ステップS21において、本体部11側の制御部16は、予め設定されたモードが、「低速高トルクモード」であるか否かを判定する。
ここで、「低速高トルクモード」に設定されている場合には、ステップS22へ進み、設定されていない場合には、ステップS26へ進む。
【0071】
なお、ここで判定される「低速高トルクモード」とは、予め制御部16に設定されるモードの1つである。
制御部16には、図14に示すように、高い回転速度で低いトルクを出力するように駆動部を制御する「高速低トルクモード」と、高速低トルクモードよりも低い回転速度で高いトルクを出力するように駆動部を制御する「低速高トルクモード」とが設定されている。
【0072】
さらに、制御部16には、図14に示すように、「高速低トルクモード」は、駆動部17の動作を許可する把持値の範囲によって、制御No.H1~H5までの5段階に細分化されている。同様に、「低速高トルクモード」は、駆動部17の動作を許可する把持値の範囲によって、制御No.L1~L3の3段階に細分化されている。
ステップS21において判定される「低速高トルクモード」は、駆動部17から付与される回転速度は比較的低速であるものの、高いトルクが付与されるモードであって、回転速度よりもトルクが必要な作業時に選択される。そして、この「低速高トルクモード」は、他のモードと比較して、高いトルクが出力されるため、使用者は電動工具10をしっかりと把持した状態で作業を行う必要がある。よって、ステップS21では、最初に、「低速高トルクモード」であるか否かの判定が行われる。
【0073】
次に、ステップS22では、ステップS21において「低速高トルクモード」であると判定されたため、制御部16が、図示しないメモリ等の記憶部から、予め登録された低速高トルクの制御Noを呼び出す。
次に、ステップS23では、本体部11に補助ハンドル20が装着されているか否かの判定が行われる。ここで、補助ハンドル20が本体部11に装着されている場合には、ステップS24へ進む。一方、補助ハンドル20が装着されていない場合には、「低速高トルクモード」の作業を実施するための条件を満たしていないと判断し、ステップS28へ進み、駆動部17の動作を禁止して処理を終了する。
【0074】
これにより、「低速高トルクモード」の作業を、確実に補助ハンドル20が本体部11に装着された状態で実施することができるため、安全性を向上させることができる。
ここで、補助ハンドル20の有無の検出は、本体部11側の信号受信部19において、補助ハンドル20側の信号送信部26との間の通信が行われるか否か等によって判定すればよい。あるいは、補助ハンドル20の装着を検出するセンサ等を用いて、補助ハンドル20の有無を判定してもよい。
【0075】
次に、ステップS24では、補助ハンドル20側の圧力センサ25において検出された把持検出信号の値(把持値)が、ステップS22で呼び出された制御Noに対応する動作許可把持値の範囲内であるか否かを判定する。
ここで、把持値が動作許可把持値の範囲内である場合には、「低速高トルクモード」の作業を実施するための条件を満たしていると判断し、ステップS25へ進み、駆動部17の動作を許可して処理を終了する。
【0076】
一方、把持値が動作許可把持値の範囲よりも小さい場合には、「低速高トルクモード」の作業を実施するための条件を満たしていないと判断し、ステップS26へ進む。
次に、ステップS26では、ステップS21において「低速高トルクモード」ではないと判定された、あるいはステップS24において、把持値が動作許可把持値の範囲よりも小さいと判定されているため、「低速高トルクモード」よりも使用条件が緩い「高速低トルクモード」の制御Noを呼び出す。
【0077】
次に、ステップS27では、把持値が、ステップS26において呼び出された「高速低トルクモード」の制御Noに対応する動作許可把持値の範囲内であるか否かを判定する。
ここで、把持値が動作許可把持値の範囲内である場合には、「高速低トルクモード」の作業を実施するための条件を満たしていると判断し、ステップS25へ進み、駆動部17の動作を許可して処理を終了する。
【0078】
一方、把持値が動作許可把持値の範囲よりも小さい場合には、「高速低トルクモード」の作業を実施するための条件を満たしていないと判断し、ステップS28へ進み、駆動部17の動作を禁止して処理を終了する。
本実施形態の電動工具10では、以上のように、補助ハンドル20を用いた安全性の高い作業が要求される「低速高トルクモード」等の作業時において、補助ハンドル20の把持を検出するとともに、把持力の大きさ(把持値)が設定されたモードに応じた範囲内であるか否かを判定して、範囲内である場合のみ、駆動部17の動作を許可することで、補助ハンドル20付きの電動工具10を用いてより安全性の高い作業を行うことができる。
【0079】
さらに、本実施形態の電動工具10では、上述した補助ハンドル20を把持する把持力に応じて駆動部17の動作許可制御を行うとともに、図12に示すように、電動工具10の挙動(ブレ量)を検出し、ブレ量が所定範囲を超えている場合には、駆動部17の動作を停止させるように制御を行う。
具体的には、図12に示すように、まず、ステップS31において、本体部11側の制御部16は、信号送信部26および信号受信部19を介して、補助ハンドル20側の把持部21の端部に設けられた加速度センサ28において検出される挙動検出信号を取得する。
【0080】
これにより、制御部16は、電動工具10にブレが生じていることを認識することができる。
次に、ステップS32では、図13(a)に示すように、加速度センサ28から受信した挙動検出信号が、作業中の所定時間(例えば、60sec)内に、予め設定された2つの閾値(第1・第2の挙動検出閾値)のうち、第1の挙動検出閾値を超えたか否かを判定する。
【0081】
ここで、挙動検出信号が、図13(a)に示すように、予め設定された第1の挙動検出閾値を超えている場合には、ステップS33へ進む。一方、挙動検出信号が、図13(b)に示すように、予め設定された第1の挙動検出閾値を超えていない場合には、ステップS27へ進む。
なお、第1の挙動検出閾値は、図14に示すように、予め設定されたモードの制御Noごとにそれぞれ閾値が設定されている。例えば、高速低トルクモードの制御No.H1~H5の場合には、第1の挙動検出閾値は、20m/sが設定されている。そして、低速高トルクモードの制御No.L1~L3の場合には、第1の挙動検出閾値は、高速低トルクモードの値よりも小さい18m/sが設定されている。
【0082】
次に、ステップS33では、ステップS32において第1の挙動検出閾値を超えたと判定されたため、制御部16は、電動工具10のブレ量が大きいと判断して、駆動部17の動作を停止させて作業を中止させる。
次に、ステップS34では、制御部16が、第1の挙動検出閾値を超えた時(ブレ量が大きい時)における補助ハンドル20の把持力の大きさ(把持値)を、圧力センサ25から取得する。
【0083】
次に、ステップS35では、制御部16が、圧力センサ25から取得した把持値と、図14に示す設定された作業モードの制御Noごとの制御テーブルの動作許可把持値の範囲とを照合する。
図14には、設定された作業モードの制御Noごとの制御テーブルの動作許可把持値の範囲を含む制御テーブルが示されている。
【0084】
例えば、高速低トルクモードの制御No.H1~H5の場合には、動作許可把持値の範囲として、26kg~、21~25kg、16~20kg、11~15kg、0~10kgが設定されている。そして、低速高トルクモードの制御No.L1~L3の場合には、動作許可把持値の範囲として、26kg~、21~25kg、0~20kgが設定されている。
【0085】
次に、ステップS36では、ステップS35の照合の結果を踏まえて、動作許可把持値の範囲をより大きい範囲に変更したテーブルに更新し、ステップS31へ戻る。
これにより、使用者の技量によっては、各作業モードの制御Noに応じた動作許可把持値の範囲内であってもブレ量が大きくなる場合には、使用者の技量が低いと判断して駆動部17の動作を許可する把持値の範囲を、図13(c)に示すように、より大きな値の範囲に変更することができる。
【0086】
よって、使用者の技量に応じて動作許可把持値の範囲を適正化することで、使用者の安全性を確保するとともに、使用者の技量差を考慮して適切な制御を行うことができる。
さらに、ステップS37では、ステップS32において、取得した挙動検出信号が第1の挙動検出閾値を超えていないと判定されているため、ブレ量は比較的小さいものと思われる。そこで、ステップS37では、図13(b)に示すように、所定時間(例えば、60sec)内において、第1の挙動検出閾値よりも小さい第2の挙動検出閾値を設定し、取得した挙動検出信号が第2の挙動検出閾値を超えたか否かを判定する。
【0087】
なお、第2の挙動検出閾値は、図14に示すように、予め設定されたモードの制御Noごとにそれぞれ閾値が設定されている。例えば、高速低トルクモードの制御No.H1~H5の場合には、第2の挙動検出閾値は、第1の挙動検出閾値(20m/s)よりも小さい15m/sが設定されている。そして、低速高トルクモードの制御No.L1~L3の場合には、第2の挙動検出閾値は、高速低トルクモードの値よりも小さく第1の挙動検出閾値(18m/s)よりも小さい12m/sが設定されている。
【0088】
ここで、挙動検出信号が第2の挙動検出閾値を超えている場合には、ステップS38へ進む。一方、挙動検出信号が第2の挙動検出閾値を超えていない場合には、電動工具10のブレ量が少なく良好な作業状態であると判断し、駆動部17の動作を停止させることなく、ステップS31へ戻る。
次に、ステップS38では、ステップS37において第2の挙動検出閾値を超えたと判定されたため、制御部16は、処理フラグをONにする。
【0089】
次に、ステップS39では、所定時間(例えば、60sec)内に、検出された挙動検出信号の値が、第2の挙動検出閾値を超えた回数が所定回数(例えば、5回)を超えたか否かを判定する。
ここで、検出された挙動検出信号の値が第2の挙動検出閾値を超えた所定回数(例えば、5回)を超えている場合には、ステップS40へ進む。一方、検出された挙動検出信号の値が第2の挙動検出閾値を超えた所定回数(例えば、5回)を超えていない場合には、ステップS43へ進む。
【0090】
次に、ステップS40では、ステップS39において、検出された挙動検出信号の値が第2の挙動検出閾値を超えた所定回数(例えば、5回)を超えていると判定されたため、第1の挙動検出閾値を超えるほどの大きなブレ量は生じていないものの、第2の挙動検出閾値を超えるブレが所定時間内に何度も発生していることを考慮して、制御部16が、第2の挙動検出閾値を超えた期間における補助ハンドル20の把持力の大きさ(把持値)の最大値を、圧力センサ25から取得する。
【0091】
次に、ステップS41では、制御部16が、圧力センサ25から取得した把持値の最大値と、図14に示す設定された作業モードの制御Noごとの制御テーブルの動作許可把持値の範囲とを照合する。
次に、ステップS42では、ステップS41の照合の結果を踏まえて、図13(c)に示すように、動作許可把持値の範囲をより大きい範囲に変更したテーブルに更新し、ステップS31へ戻る。
【0092】
これにより、使用者の技量によっては、各作業モードの制御Noに応じた動作許可把持値の範囲内であっても第2の挙動検出閾値を超えるブレが所定回数を超えるほど発生する場合には、使用者の技量が低いと判断して駆動部17の動作を許可する把持値の範囲をより大きな値の範囲に変更することができる。
よって、使用者の技量に応じて動作許可把持値の範囲を適正化することで、使用者の安全性を確保するとともに、使用者の技量差を考慮して適切な制御を行うことができる。
【0093】
次に、ステップS43では、ステップS39において、検出された挙動検出信号の値が第2の挙動検出閾値を超えた所定回数(例えば、5回)を超えていないと判定されたため、電動工具10のブレの回数が少なく良好な作業状態であると判断し、駆動部17の動作を停止させることなく、ステップS44へ進む。
次に、ステップS44では、ステップS38においてONにした処理フラグをOFFにして、ステップS31へ戻る。
【0094】
本実施形態の電動工具10では、以上のように、補助ハンドル20付きの電動工具10を用いた作業中に第1の挙動検出閾値を超えるブレ量が発生した場合には、即座に駆動部17の動作を停止させるとともに、動作を許可するために設定された補助ハンドル20の把持部21を把持する力の大きさ(動作許可把持値)を、図13(c)に示すように、より大きい値に変更する。
【0095】
これにより、第1の挙動検出閾値を超えるブレ量が生じた場合には、駆動部17の駆動を停止させて安全性を確保するとともに、より強い力で把持していないと駆動部17の動作が許可されないようにテーブルを書き換えることができる。
また、第1の挙動検出閾値は超えないものの第2の挙動検出閾値を超えるブレ量が発生し、かつ所定時間内に所定回数を超えるまで発生した場合には、駆動部17の駆動を停止させて安全性を確保するとともに、より強い力で把持していないと駆動部17の動作が許可されないようにテーブルを書き換えることができる。
【0096】
一方、検出された挙動検出信号が第1の挙動検出閾値を超えない場合、あるいは、第1の挙動検出閾値は超えないものの第2の挙動検出閾値を超えるブレ量が発生しかつ所定時間内にブレ発生回数が所定回数を超えない場合には、電動工具10のブレの回数が少なく良好な作業状態であると判断し、駆動部17の動作を停止させることなく継続して作業を行わせることができる。
【0097】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、電動工具10の本体部11に対する補助ハンドル20の保持を、図6に示すロック機構(被係止部56cと係止部62b)を用いて行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0098】
例えば、図15および図16に示すように、本体部111に対して着脱可能な状態で装着される補助ハンドル120を含む電動工具110であってもよい。
なお、図15図18に示す電動工具110は、上記実施形態で説明した電動工具10とは異なる構成を備えた部材には異なる符号を付し、電動工具10と同じ構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0099】
すなわち、電動工具110は、図15および図16に示すように、本体部111と補助ハンドル120との接続部分に、図6に示すロック機構とは別のロック機構(溝部115cと係止部123a)を採用している。
具体的には、図16に示すように、本体部111側の被接続部115の円筒部115aの円周方向に沿って形成された3つの凹部(位置合わせ部)115bに対して、補助ハンドル120側の円筒部123の外周面から径方向外側に向かって突出するように形成された3つの係止部(位置合わせ部、ロック機構)123aが挿入される。
【0100】
ここで、3つの凹部115bと3つの係止部123aとは、それぞれ周方向において異なる寸法を有していることが好ましい。これにより、補助ハンドル120を本体部111に対して装着する際に、回転方向(円筒部23の軸を中心とする回転方向)における位置合わせを行うことができる。
また、電動工具110では、図17(a)に示すように、本体部111側の3つの凹部115bに対して、補助ハンドル120側の3つの係止部123aが挿入された後、3つの係止部123aが、3つの凹部115bに連通する溝部(ロック部)115cに嵌合するように、補助ハンドル120を時計回りに回転させる。
【0101】
これにより、3つの係止部123aは、溝部115cに嵌合した状態となる。さらに、図17(b)に示すように、本体部111側の円筒部115aの中心軸付近に設けられた円筒部115dの外周に巻回されるように配置されたバネ(ロック解除機構)132によって、補助ハンドル120が離脱方向に向かって付勢力が付与されていることで、補助ハンドル120が本体部111側において保持される。
【0102】
一方、本体部111から補助ハンドル120を離脱させる際には、図18(a)に示すように、円筒部115aの外周面から一部が突出するように配置されたロック解除部131を本体部11側に向かって移動するように操作することで、本体部111の壁面との間に挟まれるように配置されたバネ132が縮む方向に移行する。
この状態で、補助ハンドル120を半時計周りに回転させることで、3つの係止部123aが3つの凹部115bから抜け出させることができる。
これにより、補助ハンドル120を、本体部111側から離脱させることができる。
【0103】
(B)
上記実施形態では、図14に示すように、各作業モード(高速低トルク、低速高トルク)の制御Noごとにそれぞれ動作許可閾値、動作許可把持値の範囲が設定されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0104】
例えば、各作業モード(高速低トルク、低速高トルク)の制御Noごとにそれぞれ設定された動作許可閾値、動作許可把持値の範囲は、図14に示す値に限らず、作業工具の種類、作業内容等に応じて、より大きい値、あるいはより小さい値で適切に設定されていてもよい。
また、各作業モード(高速低トルク、低速高トルク)の制御Noごとにそれぞれ設定された第1・第2の挙動検出閾値についても同様に、図14に示す値に限らず、作業工具の種類、作業内容等に応じて、より大きい値、あるいはより小さい値で適切に設定されていてもよい。
【0105】
(C)
上記実施形態では、電動工具10の作業時における挙動を検出する加速度センサ28が、補助ハンドル20側に設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、加速度センサ等の挙動検出部が、本体部側に設けられた構成であってもよい。
【0106】
この場合でも、本体部側に設けられた挙動検出部が、作業時における電動工具(作業工具)の挙動(ブレ量)を検出することで、上記と同様の効果を得ることができる。
また、加速度センサ等の挙動検出部は、本体部側と補助ハンドル側とにそれぞれ設けられていてもよい。
なお、加速度センサ等の挙動検出部は、本体部側に設けられている場合でも、できるだけ端部に配置されていることが好ましい。これにより、挙動検出部が本体部の中心付近に設けられた構成と比較して、本体部に生じたブレ量を検出しやすくすることができる。
【0107】
(D)
上記実施形態では、本体部11と補助ハンドル20との間における信号の送受信を非接触通信によって実施する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本体部と補助ハンドルとの間の通信が接触した状態で信号の送受信を行う方式であってもよい。
【0108】
(E)
上記実施形態では、電動工具10の作業時における挙動を検出する挙動検出部として、加速度センサ28を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、加速度センサの代わりに、ジャイロセンサ等の他のセンサを用いてもよい。
【0109】
(F)
上記実施形態では、図示しない交換可能なバッテリから供給される電力によって駆動部17が駆動される電動工具10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、電源ケーブルを介して電力が駆動部に供給され、駆動部が駆動される電動工具であってもよい。
【0110】
(G)
上記実施形態では、使用者の右手でメインハンドル13、左手で補助ハンドル20が把持される電動工具10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、使用者の左手でメインハンドル、右手で補助ハンドルが把持されるように、補助ハンドルが装着された電動工具であってもよい。
【0111】
(H)
上記実施形態では、電動工具10の駆動部(モータ)17を駆動するための操作部として、引き量(操作量)に応じて駆動部(モータ)17の出力トルクを調整するトリガスイッチを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、トリガスイッチの代わりに、ON/OFFスイッチ等の他のスイッチを用いてもよい。
【0112】
(I)
上記実施形態では、電力によって駆動されるモータを搭載した電動工具10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、電力の代わりに、エアによって駆動部を動作させる作業工具に対して本発明を適用してもよい。
【0113】
(J)
上記実施形態では、本発明に係る作業工具として、電動ドライバ等の電動工具10に対して本発明を適用した例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、電動ドライバ以外にも、グラインダ、ジグソー、チェーンソー等の各種作業を行う作業工具に対して、本発明が適用されてもよい。
【0114】
(K)
上記実施形態では、本体部11に着脱可能な状態で取り付けられる補助ハンドル20を含む電動工具10に対して、本発明が適用された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本体部に対して着脱不能に固定された補助ハンドルを含む電動工具(作業工具)に対して本発明が適用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明の作業工具は、補助ハンドルを備えた構成において、使用環境の制約を受けることなく使用することができるという効果を奏することから、各種作業工具に対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0116】
10 電動工具(作業工具)
11 本体部
12 回転部
13 メインハンドル
14 操作部
15 被接続部
15a 円筒部
15aa 第1凹部(位置合わせ部)
15ab 第2凹部(位置合わせ部)
15b 着脱ボタン
15c 挿入孔
16 制御部
17 駆動部
18 非接触給電部
19 信号受信部(受信部)
20 補助ハンドル
21 把持部
22 接続部
22a 挿入軸
23 円筒部
23aa 第1凸部(位置合わせ部)
23ab 第2凸部(位置合わせ部)
24 非接触受電部
25 圧力センサ(把持検出部)
25a,25b 圧力センサ(把持検出部)
26 信号送信部(送信部)
27 把持検出信号処理部
28 加速度センサ(挙動検出部)
30 先端工具
56 ロック解除ボタン(ロック解除機構)
56a 挿入孔
56b 弾性部材
56c 被係止部(ロック機構)
62a 挿入軸
62b 係止部(ロック機構)
110 電動工具(作業工具)
111 本体部
115 被接続部
115a 円筒部
115b 凹部(位置合わせ部)
115c 溝部(ロック機構)
115d 円筒部
120 補助ハンドル
123 円筒部
123a 係止部(位置合わせ部、ロック機構)
131 ロック解除部
132 バネ(ロック解除機構)
図1
図2
図3
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