IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-接続構造および蓄電池ユニット 図1
  • 特許-接続構造および蓄電池ユニット 図2
  • 特許-接続構造および蓄電池ユニット 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】接続構造および蓄電池ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/284 20210101AFI20240806BHJP
【FI】
H01M50/284
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020043680
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021144885
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】井上 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】岩井 一
(72)【発明者】
【氏名】猿渡 直人
(72)【発明者】
【氏名】田端 雄樹
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0169213(US,A1)
【文献】特開2001-057479(JP,A)
【文献】特開平11-162560(JP,A)
【文献】特表2018-530877(JP,A)
【文献】国際公開第2018/079460(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/073544(WO,A1)
【文献】特表2022-542938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-298
H01M 50/50-598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1蓄電池と、前記第1蓄電池が内部に収容された第1ハウジングと、第2蓄電池と、前記第2蓄電池が内部に収容された第2ハウジングと、前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングに取り付けられ前記第1蓄電池および前記第2蓄電池を制御する制御ユニットとを有し、前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングの各々が、前記制御ユニットが取り付けられる第1取付面を有し、前記制御ユニットが、前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングに取り付けられたときに前記第1取付面に対向する第2取付面を有する蓄電池ユニットの接続構造であって、
前記第1ハウジングの前記第1取付面に設けられた第1接続部材と、
前記制御ユニットの前記第2取付面に設けられ、前記第1接続部材に接続可能な第2接続部材と
前記第2ハウジングの前記第1取付面に設けられた第3接続部材と、
前記制御ユニットの前記第2取付面に設けられ、前記第3接続部材に接続可能な第4接続部材と
を備え、
前記第2取付面が四角形状を有し、
前記第2接続部材と前記第4接続部材とが、前記第2取付面の対向する角部にそれぞれ位置しており、
前記第1接続部材および前記第2接続部材のいずれか一方のみが、前記第1取付面または前記第2取付面に沿って移動可能に前記第1ハウジングまたは前記制御ユニットに支持されている、接続構造。
【請求項2】
前記第1取付面および前記第2取付面のいずれか一方に設けられ、前記第1取付面または前記第2取付面から、前記第1取付面または前記第2取付面に交差する方向に延びる凸部と、
前記第1取付面および前記第2取付面のいずれか他方に設けられ、前記凸部を収容して、前記第1接続部材および前記第2接続部材間の位置を決める受け部と
をさらに備える、請求項1の接続構造。
【請求項3】
前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングと前記制御ユニットとを固定する締結部材をさらに備える、請求項1または2の接続構造。
【請求項4】
前記第1蓄電池および前記第2蓄電池と、
前記第1蓄電池が収容された前記第1ハウジングと、
前記第2蓄電池が収容された前記第2ハウジングと、
前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングに取り付けられ前記第1蓄電池および前記第2蓄電池を制御する前記制御ユニットと、
前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングと前記制御ユニットとを接続する請求項1から3のいずれか1つの接続構造と
を備える、蓄電池ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続構造、および、配線構造を備える蓄電池ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子機器側に取り付けられた第1のコネクタと、電子機器を収納するシェルフ側に取り付けられ第1のコネクタに結合する第2のコネクタとを備える挿抜式電子機器のコネクタ嵌合装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-093523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記コネクタ嵌合装置では、第1のコネクタおよび第2のコネクタいずれもがフローティング構造で支持されている。このため、第1のコネクタおよび第2のコネクタの結合が困難になり、前記コネクタ嵌合装置を適用した電子機器の組み立て性が低下する場合がある。
【0005】
本開示は、蓄電池ユニットの組み立て性の低下を抑制できる接続構造、および、この接続構造を備えた蓄電池ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例の接続構造は、
蓄電池と、前記蓄電池が内部に収容されたハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ前記蓄電池を制御する制御ユニットとを有し、前記ハウジングが、前記制御ユニットが取り付けられる第1取付面を有し、前記制御ユニットが、前記ハウジングに取り付けられたときに前記第1取付面に対向する第2取付面を有する蓄電池ユニットの接続構造であって、
前記ハウジングの前記第1取付面に設けられた第1接続部材と、
前記制御ユニットの前記第2取付面に設けられ、前記第1接続部材に接続可能な第2接続部材と
を備え、
前記第1接続部材および前記第2接続部材のいずれか一方のみが、前記第1取付面または前記第2取付面に沿って移動可能に前記ハウジングまたは前記制御ユニットに支持されている。
【0007】
また、本開示の一例の蓄電池ユニットは、
前記蓄電池と、
前記蓄電池が収容された前記ハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられ前記蓄電池を制御する前記制御ユニットと、
前記ハウジングと前記制御ユニットとを接続する前記接続構造と
を備える。
【発明の効果】
【0008】
前記接続構造によれば、第1接続部材および第2接続部材のいずれか一方のみが、第1取付面または第2取付面に沿って移動可能にハウジングまたは制御ユニットに支持されている。このような構成により、第1接続部材および第2接続部材の両方が移動可能な接続構造と比較して、第1接続部材および第2接続部材の接続が容易になる。その結果、蓄電池ユニットの組み立て性の低下を抑制できる接続構造を実現できる。
【0009】
前記蓄電池ユニットによれば、前記接続構造により、組み立て性の高い蓄電池ユニットを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態の接続構造を備える蓄電池ユニットを示す斜視図。
図2図1の蓄電池ユニットの制御ユニットを取り外した状態を示す斜視図。
図3図1のIII-III線に沿った断面の一部を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0012】
本開示の一実施形態の蓄電池ユニット1は、図1に示すように、蓄電池10と、この蓄電池10が収容されたハウジング20と、蓄電池10を制御する制御ユニット30と、ハウジング20と制御ユニット30とを接続する接続構造50とを備えている。蓄電池10は、一例として、複数のセルで構成されている。制御ユニット30は、後述する各ハウジング20の本体21における本体21の長手方向の一端に取り付けられている。
【0013】
また、蓄電池ユニット1は、各蓄電池装置2を一体にして設置場所に固定するためのベース40を備えている。ベース40は、各ハウジング20の本体21における本体21の長手方向の他端に取り付けられている。
【0014】
なお、本実施形態では、蓄電池ユニット1は、1つの蓄電池10と1つのハウジング20とで構成された複数の蓄電池装置2を備えている。各蓄電池装置2は、相互に接触した状態で一体化されている。
【0015】
各ハウジング20は、一例として、図1に示すように、蓄電池10を収容する略直方体状の本体21を有している。本体21は、図2に示すように、その長手方向の一端に設けられ、制御ユニット30が取り付けられる第1取付面22を有している。第1取付面22は、一例として、第1取付面22に交差する方向に沿って見たときに略矩形状を有している。第1取付面22には、第1接続部材23が設けられている。第1接続部材23は、第1取付面22のその長手方向の一端に設けられ、蓄電池10に接続されている。
【0016】
制御ユニット30は、一例として、図1に示すように、略直方体状を有している。この制御ユニット30は、図2に示すように、各ハウジング20の第1取付面22に対向する第2取付面31を有している。第2取付面22には、複数の第2接続部材32が設けられている。各第2接続部材32は、第2取付面31の対向する角部にそれぞれ設けられ、制御ユニット30をハウジング20に取り付けたときに、各ハウジング20の第1接続部材23にそれぞれ接続可能に構成されている。つまり、第1接続部材23および第2接続部材32を介して、蓄電池10と制御ユニット30とが接続される。
【0017】
蓄電池ユニット1の接続構造50は、ハウジング20の第1接続部材23と、制御ユニット30の第2接続部材32とを備えている。図3に示すように、第1接続部材23は、ハウジング20の内部に配置されハウジング20に固定された支持板24に対して、第1取付面22に沿って移動可能に支持されている。一方、第2接続部材32は、制御ユニット30の第2取付面31に対して、移動不可能に制御ユニット30に支持されている。
【0018】
具体的には、第1接続部材23は、複数の略円形状の貫通孔251を有する基板25に固定されている。この貫通孔251の内部には、支持板24に設けられた略円柱形状の突起241が収容されている。突起241は、支持板24の板面から、第1接続部材23および第2接続部材32の接続方向(例えば、図3の上下方向)に延びている。突起241は、貫通孔251の直径よりも小さい直径を有している。つまり、第1取付面22に沿った方向において、貫通孔251の内周面と突起241の外周面との間には、隙間51が形成されている。基板25は、第1接続部材23と共に、形成された隙間51の範囲において、第1取付面22に沿って移動することができる。なお、突起241の先端には、ナット242およびワッシャ243が取り付けられている。また、突起241におけるワッシャ243と支持板24との間には、ナット242およびワッシャ243の位置を調整する略円環状のスペーサ244が配置されている。
【0019】
また、蓄電池ユニット1の接続構造50は、図3に示すように、第1取付面22に設けられた凸部26と、第2取付面31に設けられ凸部26を収容可能な受け部33とをさらに備えている。凸部26は、第1取付面22から第1接続部材23および第2接続部材32の接続方向に延びている。受け部33は、一例として、制御ユニット30の第2取付面22を構成する部材34を貫通する貫通孔で構成されている。第1接続部材23および第2接続部材32を接続する際に、凸部26を受け部33に挿入することで、第1接続部材23および第2接続部材32間の位置を決めながら、第1接続部材23および第2接続部材32を接続することができる。
【0020】
本実施形態では、ハウジング20と制御ユニット30とは、ネジなどの締結部材35を介して固定されている。具体的には、ハウジング20の取付面22には、締結部材35を嵌合する嵌合部27が設けられ、この嵌合部27に締結部材35が嵌合されて、ハウジング20の取付面22に制御ユニット30が固定されている。
【0021】
蓄電池ユニット1の接続構造によれば、次のような効果を発揮できる。
【0022】
前記接続構造によれば、第1接続部材23のみが、第1取付面22に沿って移動可能にハウジング20に支持されている。このような構成により、第1接続部材23および第2接続部材32の両方が移動可能な接続構造と比較して、第1接続部材23および第2接続部材32の接続が容易になる。その結果、蓄電池ユニット1の組み立て性の低下を抑制できる接続構造を実現できる。
【0023】
前記接続構造が、第1取付面22に、第1取付面22から第1取付面22に交差する方向に延びる凸部26を有し、第2取付面31に、凸部26を収容して第1接続部材23および第2接続部材32間の位置を決める受け部33を有する。このような構成により、蓄電池ユニット1に対して要求される加工精度を低減することができる。
【0024】
前記接続構造が、ハウジング20と制御ユニット30とを固定する締結部材35をさらに備える。このような構成により、ハウジング20と制御ユニット30とをより確実に接続できる。
【0025】
蓄電池ユニット1によれば、次のような効果を発揮できる。
【0026】
前記接続構造により、組み立て性の高い蓄電池ユニット1を実現できる。
【0027】
蓄電池ユニット1の接続構造および蓄電池ユニット1は、次のように構成することもできる。
【0028】
第1接続部材23のみが、第1取付面22に沿って移動可能にハウジング20に支持されている場合に限らない。例えば、第2接続部材32のみが、第2取付面31に沿って移動可能に制御ユニット30に支持されていてもよい。一般に、制御ユニット30よりも蓄電池装置2の方が、重量が大きい。このため、第2接続部材32のみを移動可能に制御ユニット30に支持させることで、第1接続部材23および第2接続部材32の接続がより容易になる。
【0029】
凸部26を第2取付面31に設け、受け部33を第1取付面22に設けてもよい。
【0030】
凸部26および受け部33は、省略することができる。
【0031】
締結部材35は、省略することができる。つまり、ハウジング20に制御ユニット30を固定しなくても構わない。また、他の構造により、ハウジング20に制御ユニット30を固定してもよい。
【0032】
本開示は、前記蓄電池ユニット1に限らず、蓄電池10と、蓄電池10が収容されたハウジング20と、制御ユニット30と、前記接続構造を備える蓄電池ユニットに適用できる。
【0033】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。なお、以下の説明では、一例として、参照符号も添えて記載する。
【0034】
本開示の第1態様の接続構造50は、
蓄電池10と、前記蓄電池10が内部に収容されたハウジング20と、前記ハウジング20に取り付けられ前記蓄電池10を制御する制御ユニット30とを有し、前記ハウジング20が、前記制御ユニット30が取り付けられる第1取付面22を有し、前記制御ユニット30が、前記ハウジング20に取り付けられたときに前記第1取付面22に対向する第2取付面31を有する蓄電池ユニット1の接続構造50であって、
前記ハウジング20の前記第1取付面22に設けられた第1接続部材23と、
前記制御ユニット30の前記第2取付面31に設けられ、前記第1接続部材23に接続可能な第2接続部材32と
を備え、
前記第1接続部材23および前記第2接続部材32のいずれか一方のみが、前記第1取付面22または前記第2取付面31に沿って移動可能に前記ハウジング20または前記制御ユニット30に支持されている。
【0035】
本開示の第2態様の接続構造50は、
前記第1取付面22および前記第2取付面31のいずれか一方に設けられ、前記第1取付面22または前記第2取付面31から、前記第1取付面22または前記第2取付面31に交差する方向に延びる凸部26と、
前記第1取付面22および前記第2取付面31のいずれか他方に設けられ、前記凸部26を収容して、前記第1接続部材23および前記第2接続部材32間の位置を決める受け部33と
をさらに備える。
【0036】
本開示の第3態様の接続構造50は、
前記ハウジング20と前記制御ユニット30とを固定する締結部材35をさらに備える。
【0037】
本開示の第4態様の蓄電池ユニット1は、
前記蓄電池10と、
前記蓄電池10が収容された前記ハウジング20と、
前記ハウジング20に取り付けられ前記蓄電池10を制御する前記制御ユニット30と、
前記ハウジング20と前記制御ユニット30とを接続する請求項1から3のいずれか1つの接続構造50と
を備える。
【0038】
なお、前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本開示の接続構造は、例えば、蓄電池ユニットに適用できる。
【0040】
本開示の蓄電池ユニットは、例えば、太陽光発電を用いた蓄電システムに適用できる。
【符号の説明】
【0041】
1 蓄電池ユニット
2 蓄電池装置
10 蓄電池
20 ハウジング
21 本体
22 第1取付面
23 第1接続部材
24 支持板
241 突起
242 ナット
243 ワッシャ
244 スペーサ
25 基板
251 貫通孔
26 凸部
30 制御ユニット
31 第2取付面
32 第2接続部材
33 受け部
34 部材
35 締結部材
40 ベース
50 接続構造
51 隙間
図1
図2
図3