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特許7532825プログラム、通信端末、通信システム、プリンタ、及びカートリッジの適否確認方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】プログラム、通信端末、通信システム、プリンタ、及びカートリッジの適否確認方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/765 20060101AFI20240806BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240806BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240806BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240806BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240806BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H04N5/765
G06F3/12 310
G06F3/12 329
G06F3/12 331
H04N1/00 127B
H04N1/00 002B
G03G21/00 386
G03G21/00 396
B41J29/38 204
B41J29/00 B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020045920
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021150697
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】戸田 雄太
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 聡
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸昌
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-094662(JP,A)
【文献】特開2013-077125(JP,A)
【文献】特開2017-068425(JP,A)
【文献】特開2018-132797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76 - 5/956
G06F 3/09 - 3/12
H04N 1/00
G03G 21/00
B41J 29/00 - 29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ、通信インタフェース、カメラ、及びCPUを備える通信端末に実装されるプログラムであって、
前記通信インタフェースを通じて通信したプリンタからプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理と、
前記カメラが撮像によって生成する写真データであって、カートリッジの撮像によって生成された写真データを取得する写真データ取得処理と、
前記プリンタ情報及び前記写真データに基づいて、当該写真データが示すカートリッジが、当該プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を取得する適否情報取得処理と、
前記適否情報を前記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、
前記写真データが示すカートリッジが、前記プリンタ情報が示すプリンタに適さないことを前記適否情報が示すことに基づいて、カートリッジを使用するか否かの選択を示す選択情報を、前記通信端末が備える入力インタフェースを通じて受け付ける選択受付処理と、
前記選択情報を、前記通信インタフェースを通じてサーバに送信する処理と、を前記CPUに実行させ、
前記適否情報取得処理は、
前記プリンタ情報及び前記写真データを、前記通信インタフェースを通じて前記サーバに送信する第1送信処理と、
前記サーバが送信した前記適否情報を、前記通信インタフェースを通じて受信する第1受信処理と、を含むプログラム。
【請求項2】
ディスプレイ、通信インタフェース、カメラ、及びCPUを備える通信端末に実装されるプログラムであって、
前記通信インタフェースを通じて通信したプリンタからプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理と、
前記カメラが撮像によって生成する写真データであって、カートリッジの撮像によって生成された写真データを取得する写真データ取得処理と、
前記プリンタ情報及び前記写真データに基づいて、当該写真データが示すカートリッジが、当該プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を取得する適否情報取得処理と、
前記写真データが示すカートリッジが、前記プリンタ情報が示すプリンタに適さないことを前記適否情報が示すことに基づいて、カートリッジを使用するか否かの選択を示す選択情報を、前記通信端末が備える入力インタフェースを通じて受け付ける選択受付処理と、
前記適否情報及び前記プリンタ情報を、前記通信インタフェースを通じてサーバに送信する第2送信処理と、
前記選択情報を、前記通信インタフェースを通じて前記サーバに送信する処理と、
前記適否情報を前記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、を前記CPUに実行させ、
前記適否情報取得処理は、
前記写真データが示す形状と、前記通信端末が有する端末メモリに記憶された基本形状とが一致することに基づいて適すると決定し、前記写真データが示す形状と、前記基本形状とが一致しないことに基づいて不適と決定することによって前記適否情報を取得する処理を含む、プログラム。
【請求項3】
ディスプレイ、通信インタフェース、カメラ、及びCPUを備える通信端末に実装されるプログラムであって、
前記通信インタフェースを通じて通信したプリンタからプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理と、
前記カメラが撮像によって生成する写真データであって、カートリッジの撮像によって生成された写真データを取得する写真データ取得処理と、
前記プリンタ情報及び前記写真データに基づいて、当該写真データが示すカートリッジが、当該プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を取得する適否情報取得処理と、
前記適否情報を前記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、
プリンタに装着されたカートリッジが有するカートリッジメモリに記憶されたカートリッジ情報を送信することの要求を示す要求情報を、前記通信インタフェースを通じて当該プリンタに送信する第3送信処理と、
前記プリンタが送信した前記カートリッジ情報を受信する第2受信処理と、
前記カートリッジ情報を、前記通信インタフェースを通じてサーバに送信する第4送信処理と、を前記CPUに実行させ
前記適否情報取得処理は、
前記プリンタ情報及び前記写真データを、前記通信インタフェースを通じて前記サーバに送信する第1送信処理と、
前記サーバが送信した前記適否情報を、前記通信インタフェースを通じて受信する第1受信処理と、を含む、プログラム。
【請求項4】
ディスプレイ、通信インタフェース、カメラ、及びCPUを備える通信端末に実装されるプログラムであって、
前記通信インタフェースを通じて通信したプリンタからプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理と、
前記カメラが撮像によって生成する写真データであって、カートリッジの撮像によって生成された写真データを取得する写真データ取得処理と、
前記プリンタ情報及び前記写真データに基づいて、当該写真データが示すカートリッジが、当該プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を取得する適否情報取得処理と、
前記適否情報及び前記プリンタ情報を、前記通信インタフェースを通じてサーバに送信する第2送信処理と、
前記プリンタに装着されたカートリッジが有するカートリッジメモリに記憶されたカートリッジ情報を送信することの要求を示す要求情報を、前記通信インタフェースを通じてプリンタに送信する第3送信処理と、
前記プリンタが送信した前記カートリッジ情報を受信する第2受信処理と、
前記カートリッジ情報を、前記通信インタフェースを通じて前記サーバに送信する第4送信処理と、
前記適否情報を前記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、を前記CPUに実行させ、
前記適否情報取得処理は、
前記写真データが示す形状と、前記通信端末が有する端末メモリに記憶された基本形状とが一致することに基づいて適すると決定し、前記写真データが示す形状と、前記基本形状とが一致しないことに基づいて不適と決定することによって前記適否情報を取得する処理を含む、プログラム。
【請求項5】
ディスプレイ、通信インタフェース、カメラ、及びCPUを備える通信端末に実装されるプログラムであって、
前記通信インタフェースを通じて通信したプリンタからプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理と、
前記カメラが撮像によって生成する写真データであって、カートリッジの撮像によって生成された写真データを取得する写真データ取得処理と、
前記プリンタ情報及び前記写真データに基づいて、当該写真データが示すカートリッジが、当該プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を取得する適否情報取得処理と、
前記適否情報を前記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、
プリンタが有するプリンタメモリに記憶された履歴情報であって、当該プリンタに装着されていた過去のカートリッジが有するカートリッジメモリから取得されたカートリッジ情報で構成された履歴情報を、前記通信インタフェースを通じて取得する履歴情報取得処理と、
前記履歴情報を、前記通信インタフェースを通じてサーバに送信する第5送信処理と、を前記CPUに実行させ
前記適否情報取得処理は、
前記プリンタ情報及び前記写真データを、前記通信インタフェースを通じて前記サーバに送信する第1送信処理と、
前記サーバが送信した前記適否情報を、前記通信インタフェースを通じて受信する第1受信処理と、を含むプログラム。
【請求項6】
ディスプレイ、通信インタフェース、カメラ、及びCPUを備える通信端末に実装されるプログラムであって、
前記通信インタフェースを通じて通信したプリンタからプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理と、
前記カメラが撮像によって生成する写真データであって、カートリッジの撮像によって生成された写真データを取得する写真データ取得処理と、
前記プリンタ情報及び前記写真データに基づいて、当該写真データが示すカートリッジが、当該プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を取得する適否情報取得処理と、
前記適否情報及び前記プリンタ情報を、前記通信インタフェースを通じてサーバに送信する第2送信処理と、
前記適否情報を前記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、
プリンタが有するプリンタメモリに記憶された履歴情報であって、当該プリンタに装着されていた過去のカートリッジが有するカートリッジメモリから取得されたカートリッジ情報で構成された履歴情報を、前記通信インタフェースを通じて取得する履歴情報取得処理と、
前記履歴情報を、前記通信インタフェースを通じて前記サーバに送信する第5送信処理と、を前記CPUに実行させ、
前記適否情報取得処理は、
前記写真データが示す形状と、前記通信端末が有する端末メモリに記憶された基本形状とが一致することに基づいて適すると決定し、前記写真データが示す形状と、前記基本形状とが一致しないことに基づいて不適と決定することによって前記適否情報を取得する処理を含む、プログラム。
【請求項7】
ディスプレイ、通信インタフェース、カメラ、及びCPUを備える通信端末に実装されるプログラムであって、
前記通信インタフェースを通じて通信したプリンタからプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理と、
前記カメラが撮像によって生成する写真データであって、カートリッジの撮像によって生成された写真データを取得する写真データ取得処理と、
前記プリンタ情報及び前記写真データに基づいて、当該写真データが示すカートリッジが、当該プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を取得する適否情報取得処理と、
前記適否情報を前記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、を前記CPUに実行させ、
前記適否情報取得処理は、
前記写真データに基づいて、カートリッジの全体或いは部分の形状である第1形状と、前記カートリッジに表記された文字や図形からなるロゴの全体或いは部分の形状である第2形状と、を取得する処理と、
前記第1形状が、前記通信端末が有する端末メモリに記憶された第1基本形状と一致し、かつ前記第2形状が、前記端末メモリに記憶された第2基本形状と一致することに基づいて適すると決定し、前記第1形状が前記第1基本形状と一致せず、或いは前記第2形状が前記第2基本形状と一致しないことに基づいて不適と決定することによって前記適否情報を取得する処理と、を含むプログラム。
【請求項8】
前記写真データ取得処理は、
前記通信端末が実装する撮像プログラムを、前記通信端末が実装するOSが提供する共有機能を用いて起動させ、当該撮像プログラムが撮像によって生成した写真データを取得する処理を含む、請求項1からのいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
請求項1からのいずれかのプログラムを実装する通信端末。
【請求項10】
ディスプレイ、第1通信インタフェース、カメラ、及び第1CPUを有する通信端末に実装される第1プログラムと、
第2通信インタフェース、及び第2CPUを有するサーバに実装される第2プログラムと、を備えるプログラムであって、
前記第1プログラムは、
前記第1通信インタフェースを通じて通信したプリンタからプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理と、
前記カメラが撮像によって生成する写真データであって、プリンタに使用されるカートリッジの撮像によって生成された写真データを取得する写真データ取得処理と、
前記プリンタ情報及び前記写真データを、前記第1通信インタフェースを通じて前記サーバに送信する第1送信処理と、を前記第1CPUに実行させ、
前記第2プログラムは、
前記プリンタ情報及び前記写真データを、前記第2通信インタフェースを通じて受信する第1受信処理と、
受信した前記プリンタ情報及び前記写真データに基づいて、当該写真データが示すカートリッジが、当該プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を生成する適否情報生成処理と、
生成した前記適否情報を、前記第2通信インタフェースを通じて前記通信端末に送信する第2送信処理と、を前記第2CPUに実行させ、
前記第1プログラムは、
前記適否情報を、前記第1通信インタフェースを通じて受信する第2受信処理と、
受信した前記適否情報を前記ディスプレイに表示させる表示処理と、を前記第1CPUに実行させる、プログラム。
【請求項11】
ディスプレイ、第1通信インタフェース、カメラ、及び第1コントローラを有する通信端末と、
第2通信インタフェース、及び第2コントローラを有するサーバと、を備える通信システムであって、
前記第1コントローラは、
前記第1通信インタフェースを通じて通信したプリンタからプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理と、
前記カメラが撮像によって生成する写真データであって、プリンタに使用されるカートリッジの撮像によって生成された写真データを取得する写真データ取得処理と、
前記プリンタ情報及び前記写真データを、前記第1通信インタフェースを通じて前記サーバに送信する第1送信処理と、を実行し、
前記第2コントローラは、
前記プリンタ情報及び前記写真データを、前記第2通信インタフェースを通じて受信する第1受信処理と、
受信した前記プリンタ情報及び前記写真データに基づいて、当該写真データが示すカートリッジが、当該プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を生成する適否情報生成処理と、
生成した前記適否情報を、前記第2通信インタフェースを通じて前記通信端末に送信する第2送信処理と、を実行し、
前記第1コントローラは、
前記適否情報を、前記第1通信インタフェースを通じて受信する第2受信処理と、
受信した前記適否情報を前記ディスプレイに表示させる表示処理と、を実行する、通信システム。
【請求項12】
第1通信インタフェース及び第1入力インタフェースを有するプリンタであって、カートリッジを装着されて使用されるプリンタと、ディスプレイ、第2通信インタフェース、第2入力インタフェース、及びカメラを有し、かつ端末プログラムを実装する通信端末と、第3通信インタフェースを有するサーバと、を用いたカートリッジの適否確認方法であって、
前記第1通信インタフェースを通じた前記通信端末との通信機能を有効にする第1ステップと、
前記端末プログラムを起動させて前記カメラでカートリッジを撮像する第2ステップと、
撮像によって生成された写真データと、前記通信端末が前記第2通信インタフェースを通じて前記プリンタから取得したプリンタ情報とを、前記通信端末を用いて前記サーバに送信し、前記サーバが返信した適否情報であって、当該写真データが示すカートリッジが、前記プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を前記通信端末に表示させる第3ステップと、備えたカートリッジの適否確認方法。
【請求項13】
ディスプレイ、通信インタフェース、メモリ、スキャナ、及びCPUを備えたプリンタに実装されるプログラムであって、
前記スキャナが生成したスキャン画像データであって、プリンタに使用されるカートリッジのスキャンによって生成されたスキャン画像データを取得する画像データ取得処理と、
前記メモリが記憶するプリンタ情報、及び前記スキャン画像データを、前記通信インタフェースを通じてサーバに送信する送信処理と、
前記サーバが送信した適否情報であって、前記スキャン画像データが示すカートリッジが、前記プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を、前記通信インタフェースを通じて受信する適否情報受信処理と、
前記適否情報を前記ディスプレイに表示させる表示処理と、を前記CPUに実行させる、プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムを実装するプリンタ。
【請求項15】
通信インタフェース、サーバメモリ、及びCPUを備えたサーバであって、指定URLを公開する当該サーバに実装されるプログラムであって、
前記指定URLを示すコードをカメラによって撮像した通信端末が送信したリクエストに基づいて、端末プログラムを、前記通信インタフェースを通じて前記通信端末にダウンロードさせるダウンロード処理と、
前記通信端末にダウンロードされた前記端末プログラムが送信した情報及びデータであって、当該端末プログラムがプリンタから取得したプリンタ情報と、前記通信端末が有するカメラがカートリッジの撮像によって生成した写真データと、を受信する受信処理と、
受信した前記プリンタ情報及び前記写真データに基づいて、当該写真データが示すカートリッジが、当該プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を生成する適否情報生成処理と、
生成した前記適否情報を、前記通信インタフェースを通じて前記通信端末に送信する送信処理と、
前記適否情報及び前記プリンタ情報を前記サーバメモリに記憶させる登録処理と、を前記CPUに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末が実装するプログラム、当該プログラムを実装した通信端末、この通信端末を備えた通信システム、及びプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、デジタル複合機とサーバとを備えた画像形成システムを開示する。デジタル複合機は、トナーコンテナを装着される。トナーコンテナは、識別情報を記憶するICチップを有している。デジタル複合機は、識別情報をICチップから読み出し、読み出した識別情報をサーバに送信する。サーバは、受信した識別情報に基づいて、トナーコンテナが適正であるか否かの認証を行う。サーバは、適正であると判断すると、認証可の通知と、識別情報に対応付けられたデータとをデジタル複合機に送信する。デジタル複合機は、当該通知とデータとを報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-18102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術では、トナーコンテナがデジタル複合機に装着されるまでは、トナーコンテナが適正であるか否かを判断することはできない。適正でないトナーコンテナがデジタル複合機に装着されると、品質の悪いトナーがデジタル複合機内に流入するおそれが生じる。品質の悪いトナーは、デジタル複合機の故障の原因になる。
【0005】
本発明は、トナーやインクなどの印刷材を貯留するカートリッジがデジタル複合機などであるプリンタに装着される前に、カートリッジが適正であるか否かをユーザに報知可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では様々な開示を行う。開示例のプログラムは、ディスプレイ、通信インタフェース、カメラ、及びCPUを備える通信端末に実装される。該プログラムは、前記通信インタフェースを通じて通信したプリンタからプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理と、前記カメラが撮像によって生成する写真データであって、カートリッジの撮像によって生成された写真データを取得する写真データ取得処理と、前記プリンタ情報及び前記写真データに基づいて、当該写真データが示すカートリッジが、当該プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を取得する適否情報取得処理と、前記適否情報を前記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、を前記CPUに実行させる。
【0007】
開示例のプログラムは、カートリッジの撮像によって生成された写真データと、プリンタ情報とに基づいて、写真データが示すカートリッジが、プリンタ情報が示すプリンタに適するか否かを示す適否情報を取得する。そして、プログラムは、取得した適否情報をディスプレイに表示する。したがって、本発明に係るプログラムは、カートリッジがプリンタに装着される前に、カートリッジが適正であるか否かをユーザに報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】プリンタ11、通信端末12、及びサーバ13の機能ブロック図である。
図2】プリンタプログラム34、端末プログラム47、及びサーバプログラム55が実行する処理の一部である。
図3】プリンタプログラム34、端末プログラム47、及びサーバプログラム55が実行する処理の他の一部である。
図4】プリンタプログラム34、端末プログラム47、及びサーバプログラム55が実行する処理のさらに他の一部である。
図5】管理データベースを示す図である。
図6】(A)は第1画面を示す図であり、(B)は第2画面を示す図であり、(C)は第3画面を示す図である。
図7】(A)はエラー報知画面を示す図であり、(B)は第1報知画面を示す図である。
図8】(A)は第2報知画面を示す図であり、(B)は終了確認画面を示す図である。
図9】変形例1においてプリンタプログラム34、端末プログラム47、及びサーバプログラム55が実行する処理を示す図である。
図10】変形例2においてプリンタプログラム34及びサーバプログラム55が実行する処理を示す図である。
図11】変形例3においてプリンタプログラム34、端末プログラム47、及びサーバプログラム55が実行する処理を示す図である。
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することができる。或いは、後述の処理の一部は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜省略することができる。
【0010】
本実施形態では、図1に示される通信端末12及びサーバ13で構成される通信システム10について説明する。通信システム10は、プリンタ11のユーザによって利用されるシステムである。プリンタ11は、インクやトナーなどの印刷材を貯留するカートリッジ15が装着されて使用されるプリンタである。プリンタ11のユーザは、通信システム10を用いて、プリンタ11に装着予定のカートリッジ15がプリンタ11に適するカートリッジであるか否かを確認する。以下詳しく説明する。
【0011】
プリンタ11は、中央演算処理装置であるCPU21と、プリンタメモリ22と、タッチパネル23と、印刷ユニット24と、スキャナユニット25と、通信インタフェース(以下、通信I/Fと記載する)26と、カートリッジインタフェース(以下、カートリッジI/Fと記載する)27と、通信バス28と、を備える。CPU21やプリンタメモリ22や通信バス28は、パターン回路基板及び当該パターン回路基板に実装されたICやマイクロコンピュータや抵抗やコンデンサやダイオードやコイルなどによって実現される。後述のCPU41及び端末メモリ42と、後述のCPU51及びサーバメモリ52とについても同様である。
【0012】
通信バス28は、CPU21、プリンタメモリ22、タッチパネル23、印刷ユニット24、スキャナユニット25、通信I/F26、及びカートリッジI/F27と接続されている。すなわち、コンピュータ或いはコントローラであるCPU21は、通信バス28を通じて、プリンタメモリ22から情報やデータを読み出すことができ、かつ情報やデータをプリンタメモリ22に記憶させることができる。また、CPU21は、通信バス28を通じて、タッチパネル23に画像を表示させることができ、かつタッチパネル23を通じてユーザの入力を受け付けることができる。また、CPU21は、通信バス28を通じて、印刷ユニット24を駆動してシートに画像を印刷させることができ、かつスキャナユニット25を駆動して画像をスキャンさせることができる。また、CPU21は、通信バス28及び通信I/F26を通じて情報やデータを送受信することができる。また、CPU21は、通信バス28及びカートリッジI/F27を通じて、後述のCTGメモリ17から情報やデータを読み出すことができ、かつ情報やデータをCTGメモリ17に記憶させることができる。
【0013】
タッチパネル23は、ディスプレイ31と、ディスプレイ31に重ねられた透明な板状のタッチセンサ32と、を有する。ディスプレイ31は、入力された画像データに応じた画像を表示する。タッチセンサ32は、タッチされた位置を示す位置情報を出力する。タッチセンサ32は、第1入力インタフェースの一例である。
【0014】
印刷ユニット24は、インクジェット記録方式やレーザ記録方式などの記録方式を用いてシートに画像を印刷するユニットである。すなわち、プリンタ11は、インクジェットプリンタであってもよいし、レーザプリンタであってもよいし、その他の種類のプリンタであってもよい。以下では、プリンタ11がインクジェットプリンタである例を説明する。
【0015】
スキャナユニット25は、シートの画像をスキャンして画像データを出力する装置である。すなわち、プリンタ11は、印刷機能、スキャン機能、及びコピー機能を有する複合機である。なお、プリンタ11は、印刷機能のみを有していてもよい。また、プリンタ11は、FAX機能などの他の機能をさらに有していてもよい。
【0016】
通信I/F26は、有線での通信や無線での通信を行うインタフェースである。有線の通信として、有線LANが挙げられる。無線での通信として、WiFi(登録商標)などの無線LANや、ブルートゥース(登録商標)や、WiFiダイレクトなどが挙げられる。プリンタ11は、通信I/F26によって、少なくともWiFiダイレクト通信を行うことができる。プリンタ11は、通信I/F26を通じて、WiFiダイレクト通信によって後述の通信端末12と通信を行う。なお、プリンタ11と通信端末12とのうちの一方のみがWiFiダイレクト通信を行う機能を有し、他方が、WiFiの無線通信を行う機能を有していれば、プリンタ11と通信端末12との間でWiFiダイレクト通信を行うことができる。以下では、少なくともプリンタ11が、WiFiダイレクト通信が可能な通信I/F26を備えるものとして記載する。すなわち、プリンタ11から通信端末12に対して、WiFiダイレクト通信の通信確立を行うものとする。詳しくは後述する。通信I/F26は、第1通信インタフェースの一例である。
【0017】
カートリッジI/F27は、後述するカートリッジ15が有するICチップ16のメモリ(以下、CTGメモリと記載する)17と通信を行うためのインタフェースである。カートリッジI/F27は、電極、或いはアンテナ、或いは発光ダイオード及びフォトダイオードを有する。一方、ICチップ16は、電極、或いはアンテナ、或いは発光ダイオード及びフォトダイオードを有する。すなわち、プリンタ11は、電極を通じてICチップ16と通信を行い、或いはアンテナが送受信する電波を用いてICチップ16と通信を行い、或いは発光ダイオードが照射する光を用いてICチップ16と通信を行う。CPU21は、カートリッジI/F27を通じて、ICチップ16のCTGメモリ17から情報やデータを読み出し、或いは情報やデータをCTGメモリ17に記憶させる。CTGメモリは、カートリッジメモリの一例である。
【0018】
なお、プリンタ11は、モノクロ印刷のみを行えるプリンタであってもよいし、モノクロ印刷及びカラー印刷を行える、いわゆるカラープリンタであってもよい。プリンタ11がカラープリンタである場合、プリンタ11は、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの印刷材をそれぞれ貯留する4つのカートリッジ15を装着可能である。その場合、プリンタ11は、複数のカートリッジI/F27を備える。一のカートリッジI/F27は、一の色の印刷材を貯留する一のカートリッジ15に対応する。
【0019】
カートリッジ15は、樹脂製のケースと、ケースに取り付けられたICチップ16とを有する。ICチップ16のCTGメモリ17は、型番と、CTG識別情報と、残量情報と、を記憶する。CTG識別情報は、カートリッジ15を個々に識別するシリアルナンバーなどである。残量情報は、カートリッジ15が貯留する印刷材の量を示す情報である。未使用のカートリッジ15のICチップ16のCTGメモリ17は、残量情報として、満量時の印刷材の量である初期残量値を記憶する。残量情報は、印刷材が使用されるごとに、後述のプリンタプログラム34によって更新される。
【0020】
カートリッジ15のケースには、ロゴが付されている。ロゴは、カートリッジ15の製造者を示す文字や図形である。ロゴは、ケースを成形する金型に彫刻されることによってケースに付されていてもよいし、刻印によってケースに付されていてもよいし、ロゴが印刷されたシールがケースに貼り付けられることによってケースに付されていてもよい。ロゴは、例えば、扁平な直方体状であるケースの一対の主面の一方のみに付されていてもよいし、一対の主面の両方に付されていてもよい。
【0021】
カートリッジ15のケースには、QRコード(登録商標)が付されている。QRコードは、例えば、QRコードが印刷されたシールがケースに貼り付けられることによってケースに付される。QRコードは、例えば、ケースの一対の主面の一方のみに付されていてもよいし、一対の主面の両方に付されていてもよい。
【0022】
QRコードは、ウェブサーバがインターネット14上に公開するURLを示す。URLによってダウンロードされる情報は、カートリッジ15の種別を示す種別情報や、カートリッジ15を使用可能なプリンタのモデル名などの情報を含む。種別情報は、例えば、カートリッジ15の型番や、カートリッジ15が貯留するインクやトナーなどの印刷材の色を示す色情報や、水溶性インクや溶剤性インクなど、印刷材の種別を示す印刷材情報や、ノーマルカートリッジや大容量カートリッジなどカートリッジのサイズを示すサイズ情報などを含む。例えば、通信端末が実装するカメラによってQRコードが撮像されると、通信端末が実装する読取プログラムは、QRコードが示すURLを用いてウェブサーバから情報をダウンロードし、ダウンロードした情報が示す種別情報やモデル名をタッチパネルに表示する。すなわち、QRコードは、カートリッジ15の種別などの情報をユーザに提供する機能を有する。通信システム10は、このQRコードを利用して、プリンタ11に装着されたカートリッジ15の管理を行う。詳しくは後述する。
【0023】
プリンタメモリ22は、ROM27やRAM29やEEPROM30や不図示のバッファを有する。プリンタメモリ22は、プリンタ11に設けられたスロットに装着されたUSBメモリなどの可搬記憶媒体を含んでいてもよい。
【0024】
EEPROM30は、プリンタ識別情報や履歴情報やモデル名などを記憶する。プリンタ識別情報は、プリンタ11を個別に識別する情報であって、シリアルナンバーやMACアドレスなどである。履歴情報は、CTG識別情報と残量情報と色情報等とを対応付けた情報である。履歴情報のCTG識別情報及び色情報は、プリンタ11に装着されたカートリッジ15のICチップ16のCTGメモリ17から読み出されてプリンタメモリ22に記憶される。すなわち、履歴情報は、プリンタ11において使用されたカートリッジ15の履歴を示す情報である。履歴情報は、カートリッジ15がプリンタ11に装着された年月日を含んでいてもよい。
【0025】
ROM27は、オペレーティングシステムであるOS33と、プリンタプログラム34と、を記憶する。RAM29は、OS33やプリンタプログラム34がCPU21によって実行される際の演算領域などであり、情報やデータを一時的に記憶する。
【0026】
ROM27或いはEEPROM30は、ホーム画面や第1画面や第2画面等を示す不図示の画面データを記憶する。第1画面や第2画面等については後述する。
【0027】
また、ROM27或いはEEPROM30は、WiFiダイレクト通信に用いるSSID及びパスワードを記憶する。SSID及びパスワードについては後述する。
【0028】
プリンタプログラム34は、履歴情報をプリンタメモリ22に記憶させる履歴登録処理や、印刷ユニット24に印刷を実行させる印刷処理や、印刷処理の実行後に残量情報や履歴情報を更新する更新処理などの処理を実行する。
【0029】
詳しく説明すると、プリンタプログラム34は、例えばカートリッジ15が交換された場合に履歴登録処理を実行する。具体的には、プリンタプログラム34は、プリンタ11にカートリッジ15が装着されたと判断すると、カートリッジI/F27を通じてCTGメモリ17から型番、CTG識別情報、及び残量情報を読み出し、読み出した型番、CTG識別情報、及び残量情報と、装着の年月日とをプリンタメモリ22に記憶させる。
【0030】
プリンタプログラム34は、例えば通信I/F26を通じて印刷データが入力されたことに基づいて印刷処理を実行する。具体的には、プリンタプログラム34は、入力した印刷データに基づいて印刷ユニット24を駆動し、印刷データが示す画像をシートに印刷させる。
【0031】
プリンタプログラム34は、印刷処理を実行したことに基づいて、更新処理を実行する。具体的には、プリンタプログラム34は、印刷処理において使用された印刷材の量をカウントし、カウント値と、履歴情報に含まれる残量情報或いはCTGメモリ17に記憶された残量情報とを用いて、印刷処理の実行後の残量を示す残量情報を算出する。そして、プリンタプログラム34は、算出した残量情報によって、履歴情報の残量情報及びCTGメモリ17に記憶された残量情報を更新する。なお、更新処理は、各色のカートリッジ15ごとに実行される。
【0032】
プリンタプログラム34は、プリンタ11に装着予定のカートリッジ15がプリンタ11に適したカートリッジであるか否かをユーザが確認するための処理(図2図4)をさらに実行する。この処理の詳細については後述する。
【0033】
通信端末12は、無線通信機能を有し、かつユーザが携帯可能な装置である。すなわち、通信端末12は、いわゆるモバイル端末である。通信端末12は、例えばスマートフォン(登録商標)やタブレットなどである。
【0034】
通信端末12は、中央演算処理装置であるCPU41と、端末メモリ42と、タッチパネル43と、カメラ44と、通信I/F45と、不図示の通信バスと、を備える。CPU41、端末メモリ42、タッチパネル43、カメラ44、及び通信I/F45は、通信バスと接続されている。タッチパネル43の構成は、上述のタッチパネル23の構成と同じである。CUP41は、第1CPU及び第1コントローラの一例である。タッチパネル43は、ディスプレイ、入力インタフェース、及び第2入力インタフェースの一例である。
【0035】
通信I/F45は、移動体通信のための基地局やWiFiのアクセスポイント等と無線通信を行う機能を有するインタフェースである。通信端末12は、通信I/F45、移動体通信網、及びインターネット14を通じて後述のサーバ13と通信し、通信I/F45を通じてプリンタ11と通信する。通信I/F45は、通信インタフェース、第1通信インタフェース、及び第2通信インタフェースの一例である。
【0036】
カメラ44は、CCDやCMOSなどの撮像素子を有しており、撮像によって写真データを生成する装置である。
【0037】
端末メモリ42は、ROMやRAMやEEPROMやバッファなどで構成される。端末メモリ42は、オペレーティングシステムであるOS46と、端末プログラム47と、撮像プログラム48と、端末ID(不図示)と、を記憶する。端末プログラム47及び撮像プログラム48は、いわゆるアプリケーションプログラムである。端末IDは、通信端末12を個別に識別する情報であって、例えばMACアドレスやIPアドレスなどである。
【0038】
撮像プログラム48は、タッチパネル43を通じたユーザの指示を受け付け、受け付けたユーザの指示にしたがってカメラ44を駆動させてカメラ44に写真データを生成させるプログラムである。
【0039】
端末プログラム47は、プリンタ11に装着予定のカートリッジ15がプリンタ11に適したカートリッジであるか否かをユーザが確認するための処理(図2図3図4)を実行するプログラムである。この処理の詳細については後述する。端末プログラム47は、プログラム及び第1プログラムの一例である。
【0040】
端末プログラム47は、サーバ13が公開するURLを有している。当該URLは、端末プログラム47に予め組み込まれていてもよいし、ユーザによって端末プログラム47に登録されてもよい。端末プログラム47は、上記URLを用いてサーバ13と通信を行う。サーバ13が公開するURLは、指定URLの一例である。
【0041】
また、端末プログラム47は、第1報知画面(図7(B))や第2報知画面(図8(A))や終了確認画面(図8(B))等を示す画面データを有する。端末プログラム47は、画面データをOS46を通じてタッチパネル43に入力して、第1報知画面等をタッチパネル43に表示する。
【0042】
また、端末プログラム47は、ユーザ識別情報を有する。例えば、端末プログラム47は、通信端末12にダウンロードされる際に、ユーザ識別情報の入力を受け付けて取得する。ユーザ識別情報は、ユーザ名やユーザIDなどである。ユーザ名は、個人名や組織名などである。
【0043】
OS46は、端末プログラム47などの他のプログラムに共有機能を提供する。端末プログラム47は、OS46の共有機能を用いて、撮像プログラム48から写真データを取得する。詳しくは後述する。
【0044】
サーバ13は、インターネット14上にURLを公開する、いわゆるウェブサーバである。サーバ13は、例えば、プリンタ11の製造者によって運用されるサーバや、当該製造者が使用権原を有するレンタルサーバなどである。
【0045】
サーバ13は、中央演算処理装置であるCPU51と、サーバメモリ52と、通信I/F53と、を備える。通信I/F53は、インターネット14と接続されている。サーバ13は、通信I/F53及びインターネット14を通じて、通信端末12と通信を行う。CPU51は、第2CPU及び第2コントローラの一例である。通信I/F53は、第2通信インタフェースの一例である。
【0046】
サーバメモリ52は、ROMやRAMやハードディスクやバッファなどである。サーバメモリ52は、オペレーティングシステムであるOS54と、サーバプログラム55と、管理データベースと、を記憶する。なお、管理データベースは、いわゆるストレージサーバのメモリに記憶されていてもよい。この場合、ストレージサーバのメモリは、サーバ13のサーバメモリ52の一部である。サーバプログラム55は、プログラム及び第2プログラムの一例である。端末プログラム47及びサーバプログラム55は、プログラムの一例である。
【0047】
管理データベースは、プリンタ11で使用されたカートリッジ15の管理を行うデータベースである。管理データベースは、図5に示されるように、複数のカラム(列)と、複数のレコード(行)と、を有する。各カラムは、項目名「プリンタ識別情報」、「モデル名」、「ユーザ識別情報」、「種別(色)」、「CTG使用順」、「CTG識別情報」、「ロゴの有無」、「適正情報」、「QR情報」、「チップ情報」等をそれぞれ付されている。
【0048】
項目名「プリンタ識別情報」が付されたカラムのフィールドには、プリンタ識別情報が登録される。項目名「モデル名」が付されたカラムのフィールドには、プリンタ識別情報が示すプリンタ11のモデル名が登録される。項目名「ユーザ識別情報」が付されたカラムのフィールドには、ユーザ識別情報が登録される。項目名「種別(色)」が付されたカラムのフィールドには、カートリッジ15が貯留する印刷材の色が登録される。例えば、レコードのモデル名が示すプリンタ11の種別がカラープリンタである場合、「ブラック」、「シアン」、「マゼンタ」、「イエロー」が、項目名「種別(色)」が付されたカラムのフィールドに登録される。
【0049】
項目名「CTG使用順」が付されたカラムのフィールドには、プリンタ11におけるカートリッジ15の使用順が登録される。項目名「CTG識別情報」が付されたカラムのフィールドには、プリンタ11に装着されたカートリッジ15のCTG識別情報が登録される。項目名「ロゴの有無」が付されたカラムのフィールドには、プリンタ11に装着されたカートリッジ15にロゴが付されているか否かを示す「有」或いは「無」が登録される。「有」はロゴがあることを示す。「無」はロゴがないことを示す。
【0050】
項目名「適正情報」が付されたカラムのフィールドには、プリンタ11に装着されたカートリッジ15がプリンタ11に適したカートリッジであるか否かを示す「適」或いは「不適」が登録される。「適」は、プリンタ11に装着されたカートリッジ15がプリンタ11に適したカートリッジであることを示す。「不適」は、プリンタ11に装着されたカートリッジ15がプリンタ11に適さないカートリッジであることを示す。
【0051】
項目名「QR情報」が付されたカラムのフィールドには、プリンタ11に使用されたカートリッジ15のケースに付されたQRコードが示す情報であるQR情報が登録される。項目名「チップ情報」が付されたカラムのフィールドには、プリンタ11に使用されたカートリッジ15のICチップ16のCTGメモリ17に記憶された情報であるチップ情報が登録される。
【0052】
管理データベースは、上述の項目名以外の項目名が付されたカラムをさらに有していてもよい。例えば、管理データベースは、項目名「写真データ」を付されたカラムを有していてもよい。項目名「写真データ」が付されたカラムのフィールドには、通信端末12のカメラ44が撮像したカートリッジ15の画像を示す写真データが登録される。
【0053】
項目名「プリンタ識別情報」、「モデル名」、「ユーザ識別情報」、「種別(色)」、「CTG使用順」、「CTG識別情報」、「ロゴの有無」、「適正情報」、「QR情報」、「チップ情報」、「写真データ」等は、サーバプログラム55によって管理データベースに登録される。項目名「プリンタ識別情報」、「モデル名」、「ユーザ識別情報」、「種別(色)」、「CTG使用順」、「CTG識別情報」、「ロゴの有無」、「適正情報」、「QR情報」、「チップ情報」、写真データ等が管理データベースに登録されるタイミングについては後述する。
【0054】
以下、プリンタ11に装着予定のカートリッジ15がプリンタ11に適したカートリッジであるか否かをユーザが確認する際にプリンタプログラム34、端末プログラム47、及びサーバプログラム55が実行する処理について、図2から図8を参照して説明する。
【0055】
プリンタ11が実装するプリンタプログラム34は、印刷の実行指示が入力されると、或いは所定に時間間隔で定期的に、印刷を実行可能な量の印刷材があるか否かを判断する(S11)。例えば、プリンタプログラム34は、プリンタメモリ22が記憶する履歴情報の残量情報が、プリンタメモリ22に予め記憶された閾値未満であることに基づいて、印刷材がないと判断し(S11:No)、残量情報が閾値以上であることに基づいて、印刷材があると判断する(S11:Yes)。なお、プリンタ11がカラープリンタである場合、プリンタプログラム34は、各色について、印刷材があるか否かをそれぞれ判断する。
【0056】
プリンタプログラム34は、印刷材がないと判断すると(S11:No)、CTG交換画面をディスプレイ31に表示させる(S12)。具体的には、プリンタプログラム34は、CTG交換画面を示す画面データをプリンタメモリ22から読み出し、読み出した画面データをディスプレイ31に入力して、CTG交換画面をディスプレイ31に表示させる。なお、プリンタプログラム34は、第1画面や第2画面等についても同様にしてディスプレイ31に表示させる。
【0057】
CTG交換画面は、ユーザにカートリッジの交換を促す画面である。CTG交換画面は、例えば、「インクがありません。カートリッジを交換してください。」の文字を有する。ユーザは、CTG交換画面にしたがって、印刷材が使い切られたカートリッジ15をプリンタ11から取り外す。
【0058】
プリンタプログラム34は、カートリッジ15がプリンタ11から外されたか否かを判断する(S13)。ステップS13の判断は、例えば、所定の期間ごとに定期的に実行される。プリンタプログラム34は、例えば、カートリッジI/F27を通じてCTGメモリ17にアクセスできることにより、カートリッジ15がプリンタ11から外されていないと判断し(S13:No)、CTGメモリ17にアクセスできないことにより、カートリッジ15がプリンタ11から外されたと判断する(S13:Yes)。なお、カートリッジ15が装着されているか否かを検出する装着センサがプリンタ11に設けられていてもよい。その場合、プリンタプログラム34は、装着センサが出力する検出信号に基づいて、カートリッジ15がプリンタ11から外されたか否かを判断する。
【0059】
プリンタプログラム34は、カートリッジ15がプリンタ11から外されるまで(S13:No)、ステップS13の処理を繰り返し実行する。プリンタプログラム34は、カートリッジ15がプリンタ11から外されたと判断すると(S13:Yes)、第1画面をディスプレイ31に表示させる(S14)。
【0060】
第1画面は、プリンタ11に装着予定の新しいカートリッジ15がプリンタ11に適するカートリッジであるか否かの確認を行うか否かをユーザに問い合わせる画面である。詳しく説明すると、プリンタ11の製造者に関連する者でない者によって製造されたカートリッジ15は、プリンタ11において使用した場合にプリンタ11に不具合を生じさせる不適切な印刷材を貯留する場合がある。また、プリンタ11が、例えば水性インクを貯留するカートリッジ15を使用可能なインクジェットプリンタである場合、溶剤性インクを貯留するカートリッジ15は、プリンタ11に適さないカートリッジ15である。このようなカートリッジ15がプリンタ11に誤って装着されると、不適切な印刷材がプリンタ11に流入してしまう。すなわち、プリンタ11が、不適切な印刷材に汚染されてしまう。第1画面は、交換予定の新しいカートリッジ15がプリンタ11に装着される前に、当該カートリッジ15が、適切な印刷材を貯留する適切なカートリッジ15であるか否かの確認を行うか否かをユーザに問い合わせる画面である。
【0061】
第1画面は、図6(A)に示されるように、「カートリッジの適否の確認」の文字と、「交換前にインクカートリッジの適否を確認しますか?」の文字と、「はい」アイコンと、「いいえ」アイコンと、を有する。ユーザは、カートリッジ15の適否の確認を行う場合、「はい」アイコンを選択し、カートリッジ15の適否の確認を行わない場合、「いいえ」アイコンを選択する。
【0062】
プリンタプログラム34は、第1画面において「いいえ」アイコンが選択されたと判断すると(S15:いいえ)、処理を終了する。なお、フローチャートには示されていないが、プリンタプログラム34は、「いいえ」アイコンが選択された後、ユーザによって新しいカートリッジ15がプリンタ11に装着されたと判断すると、上述の履歴登録処理や印刷処理や更新処理などを実行する。
【0063】
プリンタプログラム34は、第1画面において「はい」アイコンが選択されたと判断すると(S15:はい)、ステップS17以降の処理を実行する。ステップS17以降の処理について説明する前に、ステップS16の処理について説明する。プリンタプログラム34は、ステップS11において印刷材があると判断すると(S11:Yes)、確認モードが選択されたか否かを判断する(S16)。ユーザは、例えば、ディスプレイ31に表示されたホーム画面から一乃至複数の画面を経て、確認モード選択画面をディスプレイ31に表示させる。確認モード選択画面は、例えば、「インクカートリッジの適否を確認しますか?」の文字と、「はい」アイコンと、「いいえ」アイコンと、を有する。プリンタプログラム34は、確認モード選択画面において「はい」アイコンが選択されたことに基づいて、確認モードが選択されたと判断する(S16:Yes)。ユーザが、確認モード選択画面において確認モードを選択すること、或いはユーザが、第1画面において「はい」アイコンを選択することは、第1ステップの一例である。
【0064】
プリンタプログラム34は、確認モードが選択されていないと判断すると(S16:No)、処理を終了する。プリンタプログラム34は、確認モードが選択されたと判断すると(S16:Yes)、ステップS17以降の処理を実行する。すなわち、ユーザは、カートリッジ15を交換する際に、プリンタ11に装着予定のカートリッジ15の適否を確認することもできるし、カートリッジ15が貯留する印刷材が使い切られる前に、購入した新しいカートリッジ15の適否を確認することもできる。
【0065】
次に、ステップS17以降の処理について説明する。プリンタプログラム34は、第2画面をディスプレイ31に表示させる(S17)。第2画面は、通信端末12の端末プログラム47を起動させることをユーザに指示する画面である。
【0066】
第2画面は、図6(B)に示されるように、「アプリを起動」の文字と、「携帯のアプリを起動した後、「OK」を選択してください。」の文字と、「OK」アイコンと、「キャンセル」アイコンと、を有する。ユーザは、カートリッジ15の適否の確認を行う場合、通信端末12の端末プログラム47(アプリケーション)を起動した後、「OK」アイコンを選択する。ユーザは、カートリッジ15の適否の確認を行わない場合、「キャンセル」アイコンを選択する。図2のフローチャートには示されていないが、プリンタプログラム34は、第2画面において「キャンセル」アイコンが選択されたと判断すると、1つ前の画面表示に戻る。具体的には、プリンタプログラム34は、第1画面或いは確認モード選択画面をディスプレイ31に表示させる。
【0067】
端末プログラム47は、起動されたことに基づいて(S21)、OS46を通じて通信確立処理を実行する(S22)。一方、プリンタプログラム34は、第1画面において「OK」アイコンが選択されたと判断したことに基づいて、WiFiダイレクト機能をオンにし(S18)、通信確立処理を実行する(S19)。
【0068】
通信確立処理は、プリンタ11と通信端末12との間でWiFiダイレクト通信を確立する処理である。通信確立処理について、簡単に説明する。プリンタ11のプリンタメモリ22は、SSID及びパスワードを記憶する。ユーザは、プリンタ11のディスプレイ31に表示されたSSID及びパスワードを通信端末12の端末プログラム47に登録する。すなわち、端末プログラム47は、ユーザが入力したSSIDとパスワードとを対応付けて端末メモリ42に記憶させる。プリンタプログラム34は、SSIDを含むビーコンを通信I/F26を通じて送信する。端末プログラム47は、受信したビーコンに含まれるSSIDと対応付けられたパスワードと端末IDとを含む応答情報を通信I/F45を通じて送信する。プリンタプログラム34は、受信した応答情報に含まれるパスワードが、プリンタメモリ22に記憶されたパスワードに一致することに基づいて、受信した端末IDをプリンタメモリ22のRAM29やEEPROM30に一時記憶するとともに、通信確認情報を通信I/F26を通じて送信する。端末プログラム47は、通信確認情報を受信したことに基づいて、SSIDを端末メモリ42のRAMなどに一時記憶する。プリンタプログラム34及び端末プログラム47は、プリンタメモリ22に一時記憶された端末ID及び端末メモリ42に一時記憶されたSSIDを用いて、WiFiの通信プロトコルにしたがって、WiFiダイレクト通信を行う。なお、上述した通信確立の方法は一例である。
【0069】
プリンタ11は、WiFiダイレクト通信によって通信端末12との間で通信確立を行うので、プリンタ11がLANと接続されていなくても、プリンタ11と通信端末12との間の通信確立が可能である。また、プリンタ11がWiFiダイレクト通信を行う機能を有しているので、通信端末12がWiFi通信を行う機能を有しており、かつWiFiダイレクト通信を行う機能を有していなくても、プリンタ11と通信端末12との間の通信確立が可能である。
【0070】
プリンタプログラム34は、通信端末12との間で通信が確立したか否かを判断する(S20)。プリンタプログラム34は、通信端末12との間で通信が確立していないと判断すると(S20:No)、エラー報知画面をディスプレイ31に表示させる(S23)。例えば、ユーザの通信端末12に端末プログラム47が実装されていない場合や、ユーザが端末プログラム47を起動していない場合、プリンタ11と通信端末12との間で通信が確立せず、エラー報知画面がディスプレイ31に表示される。エラー報知画面は、図7(A)に示されるように、「通信を確立できませんでした。」の文字と、「OK」アイコンと、を有する。プリンタプログラム34は、図2に示されるように、エラー報知画面において「OK」アイコンが選択されたことに応じて、処理を終了する。なお、プリンタプログラム34は、エラー報知画面において「OK」アイコンが選択されたことに応じて、第2画面をディスプレイ31に再度表示させてもよい。
【0071】
プリンタプログラム34は、通信端末12との間で通信が確立したと判断すると(S20:Yes)、コマンド及びプリンタ情報を通信I/F26を通じて通信端末12に送信する(S24)。プリンタ情報は、プリンタ識別情報、モデル名、及び履歴情報を含む。
【0072】
通信端末12の端末プログラム47は、通信I/F45を通じてコマンド及びプリンタ情報を受信する(S24)。端末プログラム47は、受信したコマンドにしたがって、プリンタ情報を端末メモリ42に記憶させる(S25)。端末プログラム47がプリンタ情報を受信するステップS24の処理は、プリンタ情報取得処理及び履歴情報取得処理の一例である。
【0073】
次に、端末プログラム47は、OS46が提供する共有機能を利用して写真データを取得する(S26、S27)。簡単に説明すると、端末プログラム47は、OS46が自己に割り当てたプログラムIDである端末プログラムIDと、OS46が撮像プログラム48に割り当てた撮像プログラムIDと有するコマンドをOS46に入力する。OS46は、コマンドが有する撮像プログラムIDが示す撮像プログラム48を起動し(S26)、起動した撮像プログラム48に端末プログラムIDを受け渡す。起動された撮像プログラム48は、ユーザの入力にしたがって撮像を行い、写真データを取得する。具体的には、ユーザは、ロゴ及びQRコードを含むカートリッジ15の全体をカメラ44で撮像する。撮像プログラム48は、カメラ44が撮像によって生成したカートリッジ15の写真データを取得する。撮像プログラム48は、取得した写真データ及び端末プログラムIDをOS46に受け渡す。OS46は、受け渡された写真データを、端末プログラムIDが示す端末プログラム47に受け渡す。端末プログラム47は、カートリッジ15の撮像によって生成された写真データをOS46から取得する(S27)。端末プログラム47が写真データを取得するステップS26、S27の処理は、写真データ取得処理の一例である。ユーザが、カメラ44によってカートリッジ15を撮像することは、第2ステップの一例である。
【0074】
端末プログラム47は、OS46の共有機能を利用して写真データを取得するので、ユーザが、撮像プログラム48を起動して撮像を行い、撮像によって生成された写真データを、例えば端末プログラム47が指定するフォルダなどに移動させて、写真データを端末プログラム47に取得させる操作などが不要になる。すなわち、端末プログラム47は、共有機能を利用することにより、ユーザの手間を低減することができる。
【0075】
端末プログラム47は、写真データを取得するまで待機する(S27:No)。端末プログラム47は、写真データを取得したと判断すると(S27:Yes)、図3に示されるように、端末ID、コマンド、プリンタ情報、写真データ、及びユーザ識別情報を含むHTTPリクエストを、サーバ13が公開するURL宛に、通信I/F45を通じて送信する(S28)。以下では、通信端末12が、サーバ13が公開するURL宛に、通信I/F45を通じて情報やデータが送信することを、単に、「サーバ13宛に送信する」と記載して説明する。端末プログラム47が、プリンタ情報及び写真データを含むHTTPリクエストをサーバ13宛に送信するステップS28の処理は、第1送信処理及び第5送信処理の一例である。
【0076】
サーバ13のサーバプログラム55は、通信端末12が送信したHTTPリクエストを、通信I/F53を通じて受信する(S28)。サーバプログラム55が、写真データを含むHTTPリクエストを受信するステップS28の処理は、第1受信処理の一例である。
【0077】
サーバプログラム55は、受信したHTTPリクエストに含まれるコマンドにしたがって、ステップS29の処理を実行する。具体的には、受信したHTTPリクエストに含まれる写真データに基づいて、形状データ及びQR情報を取得する。形状データの取得及びQR情報の取得について、以下詳しく説明する。
【0078】
まず、QR情報の取得について説明する。上述のように、写真データは、QRコードを示す画像(以下、QR画像とも記載する)を含む。サーバプログラム55は、QR画像から、ウェブサーバがインターネット14上に公開するURLを取得する。なお、サーバプログラム55は、QRコードからURLなどの情報を取得する、いわゆるQR読取プログラムをサブプログラムとして有する。或いは、サーバプログラム55は、サーバ13が実装するQR読取プログラムにQR画像を受け渡し、当該QR読取プログラムからURLを取得する。サーバプログラム55は、取得したURL宛にリクエストを送信し、カートリッジの種別を示す種別情報をQR情報として取得する(S29)。なお、QR情報を提供するウェブサーバとサーバ13とは、同一のサーバであってもよい。
【0079】
次に、形状データについて説明する。サーバプログラム55は、取得した写真データに基づいて、カートリッジ15の形状を示すCTG形状データと、ロゴの形状を示すロゴ形状データと、を取得する。CTG形状データは、カートリッジ15の外形線の全部又は一部、或いは、カートリッジ15の形状の全部または一部を示すデータである。カートリッジ15の形状とは、外形線の内側の形を示す図形を意味する。ロゴ形状データは、ロゴの外形線の全部又は一部、或いは、ロゴの形状の全部または一部を示すデータである。サーバプログラム55は、例えば、写真データに2値化処理を行った後、エッジ処理を行って外形線を抽出してCTG形状データ及びロゴ形状データを取得する(S29)。CTG形状データが示す形状は、第1形状の一例である。ロゴ形状データが示す形状は、第2形状の一例である。
【0080】
サーバプログラム55は、取得したCTG形状データ及びロゴ形状データが、サーバメモリ52に記憶された判断画像データが示す第1判断画像及び第2判断画像と一致するか否か、かつ、取得したQR情報が示すカートリッジ14が、取得したプリンタ情報が示すプリンタ11に適合するカートリッジであるか否かを判断する(S30)。第1判断画像は、プリンタ情報が示すプリンタ11に適合するカートリッジ15の形状を示すデータである。サーバメモリ52は、カートリッジ15の種別ごとに第1判断画像を記憶する。具体的には、サーバメモリ52は、カートリッジ15の種別を示す種別情報と第1判断画像とを対応付けた対応テーブルを記憶する。第2判断画像は、適正なロゴの形状を示すデータである。なお、複数種類のロゴがある場合、例えば、サーバメモリ52は、カートリッジ15の種別を示す種別情報とロゴの種類と第2判断画像とを対応付けた対応テーブルを記憶する。第1判断画像は、カートリッジ15の外形の全部や特徴的な一部等である。第2判断画像は、ロゴの外形の全部や特徴的な一部等である。第1判断画像が示す形状は、第1基本形状の一例である。第2判断画像が示す形状は、第2基本形状の一例である。
【0081】
サーバプログラム55は、例えば、ステップS29で取得したCTG形状データが示すカートリッジ15の形状と第1判断画像との一致率が第1閾値以上であることに応じて、一致すると判断する。また、サーバプログラム55は、例えば、ステップS29で取得したロゴ形状データが示すロゴの形状と第2判断画像との一致率が第1閾値以上であることに応じて、一致すると判断する。また、サーバプログラム55は、CTG形状データが示すカートリッジ15の形状が第1判断画像と一致し、かつ、ロゴ形状データが示すロゴの形状が第2判断画像と一致し、さらにかつ、QR情報が示すカートリッジ14がプリンタ情報が示すプリンタ11に適合するカートリッジであることに基づいて、一致すると判断する(S30:Yes)。サーバプログラム55は、CTG形状データが示すカートリッジ15の形状が第1判断画像と一致せず、或いは、ロゴ形状データが示すロゴの形状が第2判断画像と一致せず、或いはQR情報が示すカートリッジ14がプリンタ情報が示すプリンタ11に適合するカートリッジでないことに基づいて、一致しないと判断する(S30:No)。なお、上述の第1閾値は、サーバプログラム55が予め有する。また、一致するか否かの判断方法は、第1閾値を用いた方法に限られない。
【0082】
サーバプログラム55は、ステップS30において、一致しないと判断すると(S30:No)、「不適」を示す適否情報を生成する(S31)。サーバプログラム55は、ステップS30において、一致すると判断すると(S30:Yes)、「適」を示す適否情報を生成する(S32)。サーバプログラム55は、コマンドと、生成した適否情報と、種別情報と、を含むHTTPレスポンスを通信I/F53を通じて通信端末12に返信する(S33)。種別情報は、ステップS29で取得したQR情報が示す種別情報である。具体的には、種別情報は、上述の色情報や印刷材情報やサイズ情報などである。サーバプログラム55が適否情報を生成するステップS31、S32の処理は、適否情報生成処理の一例である。サーバプログラム55が、適否情報を含むHTTPレスポンスを通信端末12に返信するステップS33の処理は、第2送信処理の一例である。
【0083】
また、サーバプログラム55は、ステップS28で受信した端末IDやプリンタ情報や適否情報や写真データ等を対応付けて端末メモリ42に一時的に記憶する(S34)。「一時的に記憶」とは、管理データベースへの登録ではないことを意味する。サーバプログラム55は、端末メモリ42に一時的に登録した端末ID等を、ステップS42において管理データベースに登録する。
【0084】
通信端末12の端末プログラム47は、サーバ13が送信したHTTPレスポンスを通信I/F45を通じて受信する(S33)。端末プログラム47が、適否情報を含むHTTPレスポンスを受信するステップS33の処理は、適否情報取得処理、第1受信処理、及び第2受信処理の一例である。
【0085】
端末プログラム47は、受信したHTTPレスポンスに含まれるコマンドにしたがって、受信した適否情報が「適」を示すか「不適」を示すかを判断する(S35)。端末プログラム47は、受信した適否情報が「適」を示すと判断すると(S35:適)、第1報知画面をディスプレイ31に表示させる(S36)。
【0086】
第1報知画面は、図7(B)に示されるように、「適正なインクカートリッジです。インクカートリッジをプリンタに装着してください。」の文字と、「OK」アイコンとを有する。ユーザは、第1報知画面によって、交換予定のカートリッジ15が適正なカートリッジであることを確認した後、「OK」アイコンを選択する。
【0087】
端末プログラム47は、受信した適否情報が「不適」を示すと判断すると(S35:不適)、第2報知画面をディスプレイ31に表示させる(S37)。第2報知画面は、図8(A)に示されるように、「適正なインクカートリッジではありません。このインクカートリッジを使用すると、プリンタの故障の原因となることがあります。使用しますか?」の文字と、「使用する」アイコンと、「使用しない」アイコンと、を有する。ユーザは、交換予定のカートリッジ15を使用する場合、「使用する」アイコンを選択して、当該カートリッジ15をプリンタ11に装着する。ユーザは、交換予定のカートリッジ15を使用しない場合、「使用しない」アイコンを選択して、他のカートリッジ15をプリンタ11に装着する。端末プログラム47が第1報知画面或いは第2報知画面をディスプレイ31に表示させるステップS36、S37の処理は、第1表示処理及び表示処理の一例である。ユーザが、端末プログラム47を起動させてステップS36、S37の処理を実行させることは、第3ステップの一例である。
【0088】
端末プログラム47は、図3に示されるように、第2報知画面において選択されたアイコンが「使用する」アイコンであるか、「使用しない」アイコンであるかを判断する(S38)。端末プログラム47が、「使用する」アイコン或いは「使用しない」アイコンのユーザの選択を受け付けるステップS38の処理は、選択受付処理の一例である。
【0089】
端末プログラム47は、選択されたアイコンが「使用しない」アイコンであると判断すると(S38:使用しない)、「不使用」を示す選択情報を生成する(S39)。端末プログラム47は、選択されたアイコンが「使用する」アイコンであると判断すると(S38:使用する)、或いは第1報知画面において「OK」アイコンが選択されたと判断すると、「使用」を示す選択情報を生成する(S40)。端末プログラム47は、コマンドと、端末IDと、生成した選択情報と、を含むHTTPリクエストを生成し、生成したHTTPリクエストをサーバ13宛に送信する(S41)。端末プログラム47が、選択情報を含むHTTPリクエストをサーバ13宛に送信するステップS41の処理は、第2送信処理の一例である。
【0090】
サーバ13のサーバプログラム55は、通信端末12が送信したHTTPリクエストを、通信I/F53を通じて受信する(S41)。サーバプログラム55は、受信したHTTPリクエストに含まれるコマンドにしたがって、ステップS42の処理を実行する。具体的には、サーバプログラム55は、受信した端末IDと一致する端末IDを有する適否情報等であって、ステップS34でサーバメモリ52に一時記憶させた適否情報等を特定し、特定した適否情報及び選択情報を管理データベース(図5)に登録する。
【0091】
詳しく説明すると、サーバプログラム55は、ステップS34でサーバメモリ52に一時記憶させたプリンタ識別情報と一致するプリンタ識別情報を有するレコードが管理データベースに登録されているか否かを判断する。サーバプログラム55は、サーバメモリ52に一時記憶させたプリンタ識別情報と一致するプリンタ識別情報を有するレコードが管理データベースに登録されていると判断すると、当該プリンタ識別情報を有するレコードにサブレコードを生成し、生成したサブレコードに、CTG使用順と、一時記憶させた種別情報やCTG識別情報やロゴの有無や適否情報やQR情報や写真データ等とを登録する。CTG使用順は、サーバプログラム55によって、通し番号として生成されて管理データベースに登録される。
【0092】
また、サーバプログラム55は、例えば、上述のステップS30において、ロゴ形状データが示すロゴの形状と第2判断画像との一致率が第2閾値未満であることに基づいて、カートリッジ15にロゴが付されていないと判断して、ロゴの有無を「無」と特定する。他方、サーバプログラム55は、一致率が第2閾値以上であることに基づいて、ロゴの有無を「有」と特定する。サーバプログラム55は、特定したロゴの有無を管理データベースに登録する。
【0093】
また、サーバプログラム55は、履歴情報のCTG識別情報と一致するCTG識別情報を有するサブレコードが、特定したレコードに含まれないと判断すると、サブレコードを生成し、生成したサブレコードに、履歴情報のCTG識別情報を登録する。なお、履歴情報が、カートリッジ15がプリンタ11に装着された年月日を含む場合、当該年月日が、生成されたサブレコードに登録されてもよい。
【0094】
サーバプログラム55は、サーバプログラム55は、サーバメモリ52に一時記憶させたプリンタ識別情報と一致するプリンタ識別情報を有するレコードが管理データベースに登録されていないと判断すると、新たなレコードを生成し、生成したレコードに、一時記憶させたプリンタ識別情報やモデル名やユーザ識別情報や種別情報やCTG識別情報やロゴの有無や適否情報やQR情報や履歴情報や写真データ等を登録する。なお、管理データベースにおけるチップ情報の登録については後述のステップS55において行われる。
【0095】
なお、サーバプログラム55がステップS41で受信したHTTPリクエストに含まれる選択情報が「不使用」を示す場合、適否情報等を管理データベースに登録するステップS42の処理がスキップされてもよい。すなわち、プリンタ11で使用されなかったカートリッジ15については、管理データベースで管理されなくてもよい。ただし、プリンタ11で使用されなかったカートリッジ15についても、管理データベースで管理してもよい。
【0096】
一方、図4に示されるように、プリンタ11のプリンタプログラム34は、カートリッジ15がプリンタ11に装着されたか否かを判断する(S51)。プリンタプログラム34は、カートリッジ15がプリンタ11に装着されるまで待機する(S51:No)。プリンタプログラム34は、カートリッジ15がプリンタ11に装着されたと判断すると(S51:Yes)、CTGメモリ17に記憶された種別情報、CTG識別情報、及び残量情報を含むチップ情報をカートリッジI/F27を通じて読み出して取得する(S52)。
【0097】
他方、通信端末12の端末プログラム47は、チップ情報を送信することを指示するコマンドを、ステップS19で通信確立を行ったWiFiダイレクト通信を用いて、通信I/F26を通じてプリンタ11に送信する(S525)。当該コマンドを受信したプリンタ11のプリンタプログラム34は、コマンド、チップ情報、及びプリンタ識別情報を、WiFiダイレクト通信を用いて、通信I/F26を通じて通信端末12に送信する(S53)。端末プログラム47がプリンタ11に送信するコマンドは、要求情報の一例である。チップ情報は、カートリッジ情報の一例である。端末プログラム47がコマンドをプリンタ11に送信するステップS525の処理は、第3送信処理の一例である。
【0098】
通信端末12の端末プログラム47は、プリンタ11が送信したコマンド、プリンタ識別情報、及びチップ情報を、通信I/F45を通じて受信する(S53)。端末プログラム47がチップ情報を受信するステップS53の処理は、第2受信処理の一例である。
【0099】
端末プログラム47は、受信したコマンドにしたがって、プリンタ識別情報及びチップ情報と、コマンドと、端末IDとを含むHTTPリクエストを生成し、生成したHTTPリクエストをサーバ13宛に送信する(S54)。端末プログラム47が、チップ情報を含むHTTPリクエストをサーバ13宛に送信するステップS54の処理は、第4送信処理の一例である。
【0100】
サーバ13のサーバプログラム55は、通信端末12が送信したHTTPリクエストを、通信I/F53を通じて受信する(S54)。サーバプログラム55は、受信したHTTPリクエストに含まれるコマンドにしたがって、チップ情報を管理データベースに登録する(S55)。詳しく説明すると、サーバプログラム55は、受信したプリンタ識別情報と同一のプリンタ識別情報を有するレコードを管理データベースにおいて特定し、特定したレコードにチップ情報を登録する(S55)。
【0101】
管理データベースに登録されたレコードについて、以下、さらに詳しく説明する。図5に示された管理データベースにおいて、項目「種別(色)」のカラムに「黒」が登録され、かつ「CTG使用順」のカラムに「1」或いは「2」が登録されたサブレコードは、端末プログラム47によってカートリッジ15の適否が確認される前にプリンタ11に装着されたカートリッジ15のデータを示す。当該サブレコードに登録されたCTG識別情報は、ステップS28においてサーバプログラム55が受信したプリンタ情報に含まれる履歴情報が有するCTG識別情報である。
【0102】
管理データベースにおいて、項目「種別(色)」のカラムに「黒」が登録され、かつ「CTG使用順」のカラムに「3」或いは「4」或いは「5」が登録されたサブレコードは、端末プログラム47によってカートリッジ15の適否が確認されたカートリッジ15のデータを示す。そして、「CTG使用順」のカラムに「3」が登録されたサブレコードは、プリンタ11に適するカートリッジ15がプリンタ11に装着されて使用されたことを示す。一方、「CTG使用順」のカラムに「4」或いは「5」が登録されたサブレコードは、プリンタ11に適さないカートリッジ15がプリンタ11に装着されて使用されたことを示す。また、「CTG使用順」のカラムに「5」が登録されたサブレコードは、ロゴの有無が「有」であり、かつ適否情報が「不適」であることにより、ロゴまで違法に模倣されたコピー品であることを示す。すなわち、管理データベースでは、プリンタ11に適するカートリッジ15が使用されたか否かや、違法なコピー品が使用されたか否かを管理することができる。また、管理データベースにおいて、違法なコピー品のCTG識別情報やチップ情報や写真データ(図5では不図示)も管理することができる。
【0103】
通信端末12の端末プログラム47は、図4に示されるように、チップ情報をサーバ13宛に送信した後、終了確認画面をディスプレイ31に表示させる(S56)。終了確認画面は、図8(B)に示されるように、「インクカートリッジの確認を終了しますか?続行しますか?」の文字と、「続行」アイコンと、「終了」アイコンと、を有する。ユーザは、例えば、マゼンタのインクを貯留するカートリッジ15及びブラックのインクを貯留するカートリッジ15など、複数のカートリッジ15を交換する場合、1つのカートリッジ15の確認が終了した後、「続行」アイコンを選択する。ユーザは、他に確認したいカートリッジ15が無い場合、「終了」アイコンを選択する。
【0104】
端末プログラム47は、図4に示されるように、終了確認画面において選択されたアイコンが「続行」アイコンであるか「終了」アイコンであるかを判断する(S57)。端末プログラム47は、選択されたアイコンが「続行」アイコンであると判断すると(S57:続行)、ステップS26(図2)以降の処理を再度実行する。端末プログラム47は、選択されたアイコンが「終了」アイコンであると判断すると(S57:終了)、WiFiダイレクト通信を切断することをプリンタ11に通知し(S58)、通信切断処理を実行し(S59)、処理を終了する。具体的には、端末プログラム47は、端末メモリ42のRAMに一時記憶させたSSIDを破棄する。
【0105】
一方、プリンタ11のプリンタプログラム34は、通信端末12が送信した通知を通信I/F26を通じて受信したことに基づいて、RAM29或いはEEPROM30に一時記憶させた端末IDを破棄する通信切断処理を実行するとともに、WiFiダイレクト機能をオフにして(S60)、処理を終了する。
【0106】
[実施形態の作用効果]
本実施形態では、通信端末12が実装する端末プログラム47は、カートリッジ15の撮像によって生成された写真データ及びプリンタ情報をサーバ13宛に送信することにより、写真データが示すカートリッジ15が、プリンタ情報が示すプリンタ11に適するか否かを示す適否情報を取得する。端末プログラム47は、取得した適否情報を含む第1報知画面(図7(B))或いは第2報知画面(図8(A))をディスプレイ31に表示させる。したがって、端末プログラム47は、カートリッジ15がプリンタ11に装着される前に、カートリッジ15がプリンタ11に適しているか否かをユーザに報知することができる。その結果、プリンタ11の故障の原因となる印刷材がプリンタ11に誤って流入することが防止される。
【0107】
また、本実施形態では、端末プログラム47は、プリンタ情報及び写真データをサーバ13宛に送信し、サーバ13が返信した適否情報を受信して適否情報を取得する。したがって、プリンタ情報及び写真データに基づいて適否を判断するための情報が端末プログラム47において不要になる。その結果、端末プログラム47のプログラムサイズが低減し、端末プログラム47のプログラムサイズを、通信端末12で規定されたプログラムサイズ以下とすることができる。また、端末プログラム47における処理負担が低減する。
【0108】
また、本実施形態では、端末プログラム47は、不適切なカートリッジ15を使用するか使用しないかのユーザの選択を示す選択情報をサーバ13宛に送信する。したがって、サーバ13において、プリンタ11に適するカートリッジ15がプリンタ11に使用されたか、プリンタ11に適さないカートリッジ15がプリンタ11に使用されたかの管理を行うことができる。
【0109】
また、本実施形態では、端末プログラム47は、プリンタ11に装着されたカートリッジ15のCTGメモリ17に記憶されたチップ情報をサーバ13宛に送信する。したがって、サーバ13において、違法なコピー品など、適切でないカートリッジ15のCTGメモリ17に記憶されたチップ情報を管理することができる。
【0110】
また、本実施形態では、端末プログラム47は、プリンタ11から履歴情報を取得してサーバ13宛に送信する。したがって、端末プログラム47によって適否が確認される前にプリンタ11において使用されたカートリッジ15についても、サーバ13において管理することができる。
【0111】
また、本実施形態では、カートリッジ15の形状に加え、ロゴの形状を用いて、カートリッジ15が適正であるか否かが判断される。したがって、ロゴの形状を用いずに、カートリッジ15の形状によってカートリッジ15の適否を判断する場合よりも、カートリッジ15の適否の判断が正確になる。また、サーバ13において、ロゴまで模倣した違法なコピー品がプリンタ11に使用されているか否かの管理を行うことができる。
【0112】
また、本実施形態では、端末プログラム47は、OS46が提供する共有機能を利用して写真データを取得する。したがって、端末プログラム47が共有機能を利用しない場合よりも、ユーザにおける操作の手間が低減する。
【0113】
[変形例1]
上述の実施形態では、サーバプログラム55が、カートリッジ15の適否を判断する例を説明した。本変形例では、端末プログラム47が、カートリッジ15の適否を判断する例を説明する。
【0114】
プリンタプログラム34、端末プログラム47、及びサーバプログラム55がそれぞれ実行する処理について、図9を参照して説明する。なお、実施形態で説明した処理と同様の処理については、実施形態と同じステップ番号を付して説明を省略する。また、以下で説明する構成や処理以外の構成や処理は、実施形態で説明した構成や処理と同じである。
【0115】
プリンタ11のプリンタプログラム34は、ステップS11からS20及びS23の処理を実行する。そして、通信端末12の端末プログラム47は、ステップS21、S22の処理を実行する。すなわち、プリンタ11と通信端末12との間でWiFiダイレクト通信の通信確立が行われる。そして、確立されたWiFiダイレクト通信によって、プリンタプログラム34は、プリンタ情報を通信端末12に送信する(S24)。次いで、プリンタ情報を受信した端末プログラム47は、ステップS25からS27、S29からS32の処理を実行する。すなわち、端末プログラム47は、カートリッジ15を撮像した写真データを取得し、取得した写真データから形状データ及びQR情報を取得し、取得した形状データ及びQR情報と第1判断画像及び第2判断画像とを用いて、写真データが示すカートリッジ15の適否を判断して適否情報を生成する。なお、第1判断画像及び第2判断画像は、通信端末12の端末メモリ42に予め記憶される。
【0116】
次に、端末プログラム47は、ステップS34からS40の処理を実行する。すなわち、端末プログラム47は、生成した適否情報等を端末メモリ42に一時記憶するとともに、適否を判断したカートリッジ15を使用するか否かをユーザに問い合わせ、問い合わせに対するユーザの判断を受け付け、選択情報を生成する。
【0117】
一方、プリンタプログラム34は、ステップS51、S52、S53の処理を実行する。すなわち、プリンタプログラム34は、プリンタ11に装着されたカートリッジ15のCTGメモリ17からチップ情報を読み出し、読み出したチップ情報及びプリンタ識別情報を通信端末12に送信する。
【0118】
端末プログラム47は、受信したチップ情報及びプリンタ識別情報と、端末メモリ42に一時記憶させた適否情報等と、コマンドと、を含むHTTPリクエストを生成し、生成したHTTPリクエストをサーバ13宛に送信する(S61)。端末プログラム47が適否情報を含むHTTPリクエストをサーバ13宛に送信するステップS61の処理は、第2送信処理の一例である。
【0119】
サーバ13のサーバプログラム55は、通信端末12が送信したHTTPリクエストに含まれるコマンドに基づいて、HTTPリクエストに含まれるプリンタ識別情報、チップ情報、及び適否情報等を、上述の実施形態と同様にして管理データベースに登録する(S62)。
【0120】
端末プログラム47は、HTTPリクエストをサーバ13宛に送信した後(S61)、ステップS56からS58の処理を実行する。一方、プリンタプログラム34は、ステップS60の処理を実行する。すなわち、カートリッジ15の確認を継続するか否かをユーザに問い合わせて、処理が終了或いは継続される。
【0121】
[変形例1の作用効果]
本変形例では、実施形態と同様に、端末プログラム47は、カートリッジ15がプリンタ11に装着される前に、カートリッジ15がプリンタ11に適しているか否かをユーザに報知することができる。その結果、プリンタ11の故障の原因となる印刷材がプリンタ11に誤って流入することが防止される。
【0122】
また、本変形例では、端末プログラム47においてカートリッジ15の適否が判断されるので、サーバ13がなくても、カートリッジ15がプリンタ11に適するか否かをユーザに報知することができる。
【0123】
また、本変形例では、端末プログラム47は、適否情報やチップ情報をサーバ13宛に送信するので、端末プログラム47においてカートリッジ15の適否を判断したとしても、適否情報やチップ情報等の管理をサーバ13で行うことができる。
【0124】
[変形例2]
上述の実施形態では、カートリッジ15の撮像によって生成された写真データがサーバ13宛に送信される例を説明した。本変形例では、プリンタ11のスキャナユニット25によって生成されたスキャン画像データであって、カートリッジ15のスキャンによって生成されたスキャン画像データがサーバ13宛に送信される例を説明する。本変形例におけるプリンタプログラム34は、プログラムの一例である。
【0125】
本変形例の通信システムは、プリンタ11及びサーバ13によって構成される。プリンタ11は、LANと、ルータなどのゲートウェイ装置と、を介してインターネット14と接続されている。すなわち、プリンタ11は、LAN、ゲートウェイ装置、及びインターネット14を通じて、サーバ13と通信可能である。
【0126】
以下、プリンタプログラム34及びサーバプログラム55がそれぞれ実行する処理について、図10を参照して説明する。なお、実施形態で説明した処理と同様の処理については、実施形態と同じステップ番号を付して説明を省略する。また、以下で説明する構成や処理以外の構成や処理は、実施形態で説明した構成や処理と同じである。
【0127】
プリンタ11のプリンタプログラム34は、ステップS11からS16の処理を実行した後、第3画面をディスプレイ31に表示させる(S71)。第3画面は、カートリッジ15のスキャンをユーザに指示する画面である。
【0128】
第3画面は、図6(C)に示されるように、「インクカートリッジをスキャン」の文字と、「ロゴ及びQRコードがある面を下にしてインクカートリッジをスキャンして下さい。」の文字と、「OK」アイコンと、「キャンセル」アイコンと、を有する。ユーザは、第3画面において、「OK」アイコン或いは「キャンセル」アイコンを選択する。ユーザは、「OK」アイコンを選択したことに応じて、カートリッジ15をスキャナユニットにセットして、カートリッジ15のスキャンを実行する。スキャナユニット25は、カートリッジ15をスキャンして、スキャン画像データを生成する。
【0129】
プリンタプログラム34は、図10に示されるように、第3画面においてユーザが選択したアイコンが「OK」アイコンであるか「キャンセル」アイコンであるかを判断する(S72)。プリンタプログラム34は、「キャンセル」アイコンが選択されたと判断すると(S72:キャンセル)、処理を終了する。プリンタプログラム34は、「OK」アイコンが選択されたと判断すると(S72:OK)、スキャナユニット25が生成したスキャン画像データを取得するまで待機する(S73:No)。
【0130】
プリンタプログラム34は、スキャン画像データを取得したことに応じて(S73:Yes)、コマンド、プリンタ情報、スキャン画像データを含むHTTPリクエストを生成し、生成したHTTPリクエストを、サーバ13が公開するURL宛に、通信I/F26を通じて送信する(S74)。すなわち、プリンタプログラム34は、生成したHTTPリクエストをサーバ13宛に送信する。なお、サーバ13が公開するURLは、プリンタ11のプリンタメモリ22に、ユーザなどによって予め記憶される。プリンタプログラム34が、スキャン画像データを取得するステップS73の処理は、画像データ取得処理の一例である。プリンタプログラム34が、スキャン画像データを含むHTTPリクエストをサーバ13宛に送信するステップS74の処理は、送信処理の一例である。
【0131】
サーバ13のサーバプログラム55は、受信したHTTPリクエストに含まれるコマンドにしたがって、ステップS29からS32の処理を実行する。すなわち、サーバプログラム55は、HTTPリクエストに含まれるスキャン画像データから形状データ及びQR情報を取得し、取得した形状データ及びQR情報と第1判断画像及び第2判断画像とを用いて、スキャン画像データが示すカートリッジ15の適否を判断して適否情報を生成する。そして、サーバプログラム55は、生成した適否情報、コマンド、及び種別情報を含むHTTPレスポンスを生成し、生成したHTTPレスポンスをプリンタ11に返信する(S75)。また、サーバプログラム55は、適否情報等をサーバメモリ52に一時記憶させる(S34)。
【0132】
プリンタプログラム34は、サーバ13が返信したHTTPレスポンスを通信I/F26を通じて受信する(S75)。そして、プリンタプログラム34は、ステップS35からS40の処理を実行する。すなわち、プリンタプログラム34は、カートリッジ15を使用するか否かをユーザに問い合わせ、カートリッジ15を使用するか否かのユーザの選択を受け付けて選択情報を生成する。そして、プリンタプログラム34は、コマンド、プリンタ識別情報、及び選択情報を含むHTTPリクエストを生成し、生成したHTTPリクエストを通信I/F26を通じてサーバ13宛に送信する(S76)。プリンタプログラム34が、適否情報を含むHTTPレスポンスを受信するステップS75の処理は、適否情報受信処理の一例である。プリンタプログラム34が、適否情報をディスプレイ31に表示させるステップS36或いはS37の処理は、表示処理の一例である。
【0133】
サーバプログラム55は、プリンタ11が送信したHTTPリクエストを通信I/F53を通じて受信する(S76)。サーバプログラム55は、受信したHTTPリクエストに含まれるコマンドにしたがって、サーバメモリ52に一時記憶させた適否情報等を管理データベースに登録する(S42)。
【0134】
プリンタプログラム34は、ステップS76の処理の実行後、ステップS51、S52、の処理を実行する。すなわち、プリンタプログラム34は、プリンタ11に装着されたカートリッジ15のICチップ16のCTGメモリ17からチップ情報を読み出す。そして、プリンタプログラム34は、読み出したチップ情報と、プリンタ識別情報と、コマンドとを含むHTTPリクエストを生成し、生成したHTTPリクエストをサーバ13宛に送信する(S77)。
【0135】
サーバプログラム55は、受信したHTTPリクエストに含まれるコマンドにしたがって、受信したチップ情報を、上述の実施形態と同様にして管理データベースに登録する(S55)。
【0136】
プリンタプログラム34は、ステップS77の処理の実行後、図8(B)に示される終了確認画面と同内容の終了確認画面をディスプレイ31に表示させる(S78)。ユーザは、終了確認画面において、「終了」アイコン或いは「続行」アイコンを選択する。プリンタプログラム34は、図10に示されるように、終了確認画面においてユーザが選択したアイコンが「終了」アイコンであるか「続行」アイコンであるかを判断する(S79)。プリンタプログラム34は、選択されたアイコンが「続行」アイコンであると判断すると(S79:続行)、ステップS73以降の処理を再度実行する。プリンタプログラム34は、選択されたアイコンが「終了」アイコンであると判断すると(S79:終了)、処理を終了する。
【0137】
[変形例2の作用効果]
本変形例では、実施形態と同様に、プリンタプログラム34は、カートリッジ15がプリンタ11に装着される前に、カートリッジ15がプリンタ11に適しているか否かをユーザに報知することができる。その結果、プリンタ11の故障の原因となる印刷材がプリンタ11に誤って流入することが防止される。
【0138】
また、本変形例においても、サーバ13において、プリンタ11に適正なカートリッジ15が使用されたか、不適なカートリッジ15が使用されたかなどの管理を行うことができる。
【0139】
[変形例3]
本変形例では、カートリッジ15に付されたQRコードに基づいて端末プログラム47が通信端末12にダウンロードされる例を説明する。
【0140】
本変形例では、通信端末12の端末メモリ42は、QRコードの読取プログラムを記憶する。その他の構成は、上述の実施形態の構成と同じである。
【0141】
プリンタプログラム34、端末プログラム47、及びサーバプログラム55が実行する処理について、図11を参照して以下説明する。なお、実施形態で説明した処理と同様の処理については、実施形態と同じステップ番号を付して説明を省略する。また、以下で説明する処理以外の処理は、実施形態で説明した構成や処理と同じである。
【0142】
プリンタ11のプリンタプログラム34は、ステップS11、S12、S13、S16の処理を実行した後、不図示の第4画面をディスプレイ31に表示させる(S81)。第4画面は、例えば、「通信端末の読取アプリでインクカートリッジのQRコードを読み込んで下さい。」の文字と、「はい」アイコンと、「いいえ」アイコンと、を有する。ユーザは、カートリッジ15の適否の確認を行う場合、「はい」アイコンを選択し、読取アプリを起動してカメラ44でカートリッジ15のQRコードを撮像する。ユーザは、カートリッジ15の適否の確認を行わない場合、「いいえ」アイコンを選択する。
【0143】
プリンタプログラム34は、第4画面において選択されたアイコンが「はい」アイコンであるか「いいえ」アイコンであるかを判断する(S82)。プリンタプログラム34は、選択されたアイコンが「いいえ」アイコンであると判断すると(S82:いいえ)、処理を終了する。
【0144】
ユーザが第4確認画面において「はい」アイコンを選択する場合、ユーザによって読取プログラムが起動される(S83)。起動された読取プログラムは、カメラ44がカートリッジ15のQRコードの撮像によって生成したQR画像データを取得する。そして、読取プログラムは、QR画像データが示すサーバ13のURL宛にHTTPリクエストを送信する(S85)。
【0145】
通信端末12が送信したHTTPリクエストを受信したサーバ13のサーバプログラム55は、端末プログラム47を含むHTTPレスポンスを生成し、生成したHTTPレスポンスを通信端末12に返信する(S86)。サーバプログラム55が、端末プログラム47を含むHTTPレスポンスを通信端末12に返信するステップS86の処理は、ダウンロード処理の一例である。
【0146】
通信端末12は、サーバ13が返信したHTTPレスポンスに含まれる端末プログラム47をインストールして起動させる(S87)。なお、通信端末12に端末プログラム47がダウンロードされない場合、端末プログラム47がダウンロードされないことにより、ユーザは、カートリッジ15が適正なカートリッジ15でないことを認識することができる。
【0147】
一方、ユーザは、読取プログラムを起動して端末プログラム47をダウンロードすると、第4画面において「はい」アイコンを選択する。プリンタプログラム34は、第4画面において「はい」アイコンが選択されたと判断すると(S82:はい)、ステップS18以降の処理を実行する。一方、通信端末12にダウンロードされて起動された端末プログラム47は、ステップS21以降の処理を実行する。サーバプログラム55が、写真データを含むHTTPリクエストを受信するステップS28の処理は、受信処理の一例である。サーバプログラム55が、生成した適否情報を含むHTTPレスポンスを通信端末に送信するステップS33の処理は、送信処理の一例である。サーバプログラム55が、適否情報を管理データベースに登録するステップS42の処理は、登録処理の一例である。
【0148】
[変形例3の作用効果]
本変形例では、サーバプログラム55は、通信端末12にダウンロードさせた端末プログラム47を用いて、カートリッジ15の適否をユーザに報知することができ、また、端末プログラム47を用いて、管理データベースに登録するプリンタ情報や適否情報等を収集することができる。
【0149】
[その他の変形例]
上述の実施形態では、WiFiダイレクト通信によってプリンタ11と通信端末12とが通信を行う例を説明した。しかしながら、プリンタ11と通信端末12とは、LANを通じて通信を行ってもよい。具体的には、プリンタ11は、アクセスポイントを有するLANに接続されている。通信端末12は、アクセスポイント及びLANを通じてプリンタ11と通信を行い、プリンタ情報やチップ情報等をプリンタ11から取得する。
【0150】
上述の実施形態や変形例で説明した端末プログラム47は、プラグインプログラムであってもよい。
【符号の説明】
【0151】
10・・・通信システム
11・・・プリンタ
12・・・通信端末
13・・・サーバ
15・・・カートリッジ
17・・・CTGメモリ
21・・・CPU
22・・・プリンタメモリ
25・・・スキャナユニット
26・・・通信I/F
27・・・カートリッジI/F
31・・・ディスプレイ
34・・・プリンタプログラム
41・・・CPU
42・・・端末メモリ
43・・・タッチパネル
44・・・カメラ
45・・・通信I/F
46・・・OS
47・・・端末プログラム
48・・・撮像プログラム
51・・・CPU
52・・・サーバメモリ
53・・・通信I/F
55・・・サーバプログラム

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11