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特許7532839表示装置の制御方法、情報処理装置および表示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】表示装置の制御方法、情報処理装置および表示システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20240806BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240806BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20240806BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20240806BHJP
【FI】
H04N5/74 Z
G09G5/00 510H
G09G5/37 600
G06F3/0488
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020052206
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021153219
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】板花 京亮
(72)【発明者】
【氏名】上原 隆広
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-037094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/74
G09G 5/00-5/42
G06F 3/01-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指示体の位置に応じて生成される画像情報に基づく画像を表示する表示装置の制御方法であって、
前記指示体の位置に応じて前記画像情報を生成するシステムの負荷に関する負荷値を監視し、
前記負荷値が閾値未満である場合、編集処理可能な第1画像オブジェクト情報を前記指示体の位置に応じて生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の第2画像オブジェクト情報を前記指示体の位置に応じて生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行する、
表示装置の制御方法。
【請求項2】
前記第1画像オブジェクト情報は、ベクター形式の情報であり、
前記第2画像オブジェクト情報は、ラスター形式の情報である、
請求項1に記載の表示装置の制御方法。
【請求項3】
前記ベクター形式の情報は、前記第1画像オブジェクト情報をオブジェクト単位で表す情報である、
請求項2に記載の表示装置の制御方法。
【請求項4】
前記システムは、プロセッサーを含んでおり、
前記プロセッサーの使用率が設定値以上である場合、前記負荷値が前記閾値以上であると判断する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置の制御方法。
【請求項5】
前記第1画像オブジェクト情報に基づく画像オブジェクトの数が設定値以上である場合、前記負荷値が前記閾値以上であると判断する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の表示装置の制御方法。
【請求項6】
前記指示体の数が設定値以上である場合、前記負荷値が前記閾値以上であると判断する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の表示装置の制御方法。
【請求項7】
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記第1モードから前記第2モードに切り替えるか否かを問い合わせる問合画像を前記表示装置に表示させる、
請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置の制御方法。
【請求項8】
前記第2モードを実行する場合、前記画像情報に対する編集を制限する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の表示装置の制御方法。
【請求項9】
指示体の位置に応じて生成される画像情報に基づく画像を表示装置に表示させる情報処理装置であって、
前記指示体の位置に応じて前記画像情報を生成する生成部と、
前記生成部に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する監視部と、
前記画像情報を編集処理する編集部と、を有し、
前記生成部は、
前記負荷値が閾値未満である場合、前記指示体の位置に応じて第1画像オブジェクト情報を生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記指示体の位置に応じて第2画像オブジェクト情報を生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記第1画像オブジェクト情報は、前記編集部で編集処理可能な情報であり、
前記第2画像オブジェクト情報は、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の情報である、
情報処理装置。
【請求項10】
指示体の位置に応じて画像情報を生成する生成部と、
前記生成部に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する監視部と、
前記画像情報を編集処理する編集部と、
前記画像情報に基づく画像を表示する表示部と、を有し、
前記生成部は、
前記負荷値が閾値未満である場合、前記指示体の位置に応じて第1画像オブジェクト情報を生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記指示体の位置に応じて第2画像オブジェクト情報を生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記第1画像オブジェクト情報は、前記編集部で編集処理可能な情報であり、
前記第2画像オブジェクト情報は、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の情報である、
表示システム。
【請求項11】
指示体の位置に応じて生成される画像情報に基づく画像を表示する表示装置の制御方法であって、
前記指示体の位置に応じて前記画像情報を生成するシステムの負荷に関する負荷値を監視し、
前記負荷値が閾値未満である場合、編集処理可能な第1画像オブジェクト情報を前記指示体の位置に応じて生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
記負荷値が前記閾値以上である場合、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の第2画像オブジェクト情報を前記指示体の位置に応じて生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記第1画像オブジェクト情報に基づく画像オブジェクトの数が設定値以上である場合、前記負荷値が前記閾値以上であると判断する、
表示装置の制御方法。
【請求項12】
指示体の位置に応じて生成される画像情報に基づく画像を表示する表示装置の制御方法であって、
前記指示体の位置に応じて前記画像情報を生成するシステムの負荷に関する負荷値を監視し、
前記負荷値が閾値未満である場合、編集処理可能な第1画像オブジェクト情報を前記指示体の位置に応じて生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の第2画像オブジェクト情報を前記指示体の位置に応じて生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記指示体の数が設定値以上である場合、前記負荷値が前記閾値以上であると判断する、
表示装置の制御方法。
【請求項13】
指示体の位置に応じて生成される画像情報に基づく画像を表示する表示装置の制御方法であって、
前記指示体の位置に応じて前記画像情報を生成するシステムの負荷に関する負荷値を監視し、
前記負荷値が閾値未満である場合、編集処理可能な第1画像オブジェクト情報を前記指示体の位置に応じて生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の第2画像オブジェクト情報を前記指示体の位置に応じて生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記第1モードから前記第2モードに切り替えるか否かを問い合わせる問合画像を前記表示装置に表示させる、
表示装置の制御方法。
【請求項14】
指示体の位置に応じて生成される画像情報に基づく画像を表示する表示装置の制御方法であって、
前記指示体の位置に応じて前記画像情報を生成するシステムの負荷に関する負荷値を監視し、
前記負荷値が閾値未満である場合、編集処理可能な第1画像オブジェクト情報を前記指示体の位置に応じて生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の第2画像オブジェクト情報を前記指示体の位置に応じて生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記第2モードを実行する場合、前記画像情報に対する編集を制限する、
表示装置の制御方法。
【請求項15】
前記第1画像オブジェクト情報は、ベクター形式の情報であり、
前記第2画像オブジェクト情報は、ラスター形式の情報である、
請求項11から14のいずれか1項に記載の表示装置の制御方法。
【請求項16】
前記ベクター形式の情報は、前記第1画像オブジェクト情報をオブジェクト単位で表す情報である、
請求項15に記載の表示装置の制御方法。
【請求項17】
前記システムは、プロセッサーを含んでおり、
前記プロセッサーの使用率が設定値以上である場合、前記負荷値が前記閾値以上であると判断する、
請求項11から16のいずれか1項に記載の表示装置の制御方法。
【請求項18】
指示体の位置に応じて生成される画像情報に基づく画像を表示装置に表示させる情報処理装置であって、
前記指示体の位置に応じて前記画像情報を生成する生成部と、
前記生成部に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する監視部と、
前記画像情報を編集処理する編集部と、を有し、
前記生成部は、
前記負荷値が閾値未満である場合、前記指示体の位置に応じて第1画像オブジェクト情報を生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記指示体の位置に応じて第2画像オブジェクト情報を生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記第1画像オブジェクト情報に基づく画像オブジェクトの数が設定値以上である場合、前記負荷値が前記閾値以上であると判断し、
前記第1画像オブジェクト情報は、前記編集部で編集処理可能な情報であり、
前記第2画像オブジェクト情報は、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の情報である、
情報処理装置。
【請求項19】
指示体の位置に応じて生成される画像情報に基づく画像を表示装置に表示させる情報処理装置であって、
前記指示体の位置に応じて前記画像情報を生成する生成部と、
前記生成部に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する監視部と、
前記画像情報を編集処理する編集部と、を有し、
前記生成部は、
前記負荷値が閾値未満である場合、前記指示体の位置に応じて第1画像オブジェクト情報を生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記指示体の位置に応じて第2画像オブジェクト情報を生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記指示体の数が設定値以上である場合、前記負荷値が前記閾値以上であると判断し、
前記第1画像オブジェクト情報は、前記編集部で編集処理可能な情報であり、
前記第2画像オブジェクト情報は、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の情報である、
情報処理装置。
【請求項20】
指示体の位置に応じて生成される画像情報に基づく画像を表示装置に表示させる情報処理装置であって、
前記指示体の位置に応じて前記画像情報を生成する生成部と、
前記生成部に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する監視部と、
前記画像情報を編集処理する編集部と、を有し、
前記生成部は、
前記負荷値が閾値未満である場合、前記指示体の位置に応じて第1画像オブジェクト情報を生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記指示体の位置に応じて第2画像オブジェクト情報を生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記第1モードから前記第2モードに切り替えるか否かを問い合わせる問合画像を前記表示装置に表示させ、
前記第1画像オブジェクト情報は、前記編集部で編集処理可能な情報であり、
前記第2画像オブジェクト情報は、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の情報である、
情報処理装置。
【請求項21】
指示体の位置に応じて生成される画像情報に基づく画像を表示装置に表示させる情報処理装置であって、
前記指示体の位置に応じて前記画像情報を生成する生成部と、
前記生成部に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する監視部と、
前記画像情報を編集処理する編集部と、を有し、
前記生成部は、
前記負荷値が閾値未満である場合、前記指示体の位置に応じて第1画像オブジェクト情報を生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記指示体の位置に応じて第2画像オブジェクト情報を生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記第2モードを実行する場合、前記画像情報に対する編集を制限し、
前記第1画像オブジェクト情報は、前記編集部で編集処理可能な情報であり、
前記第2画像オブジェクト情報は、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の情報である、
情報処理装置。
【請求項22】
指示体の位置に応じて画像情報を生成する生成部と、
前記生成部に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する監視部と、
前記画像情報を編集処理する編集部と、
前記画像情報に基づく画像を表示する表示部と、を有し、
前記生成部は、
前記負荷値が閾値未満である場合、前記指示体の位置に応じて第1画像オブジェクト情報を生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記指示体の位置に応じて第2画像オブジェクト情報を生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記第1画像オブジェクト情報に基づく画像オブジェクトの数が設定値以上である場合、前記負荷値が前記閾値以上であると判断し、
前記第1画像オブジェクト情報は、前記編集部で編集処理可能な情報であり、
前記第2画像オブジェクト情報は、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の情報である、
表示システム。
【請求項23】
指示体の位置に応じて画像情報を生成する生成部と、
前記生成部に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する監視部と、
前記画像情報を編集処理する編集部と、
前記画像情報に基づく画像を表示する表示部と、を有し、
前記生成部は、
前記負荷値が閾値未満である場合、前記指示体の位置に応じて第1画像オブジェクト情報を生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記指示体の位置に応じて第2画像オブジェクト情報を生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記指示体の数が設定値以上である場合、前記負荷値が前記閾値以上であると判断し、
前記第1画像オブジェクト情報は、前記編集部で編集処理可能な情報であり、
前記第2画像オブジェクト情報は、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の情報である、
表示システム。
【請求項24】
指示体の位置に応じて画像情報を生成する生成部と、
前記生成部に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する監視部と、
前記画像情報を編集処理する編集部と、
前記画像情報に基づく画像を表示する表示部と、を有し、
前記生成部は、
前記負荷値が閾値未満である場合、前記指示体の位置に応じて第1画像オブジェクト情報を生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記指示体の位置に応じて第2画像オブジェクト情報を生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記第1モードから前記第2モードに切り替えるか否かを問い合わせる問合画像を前記表示に表示させ、
前記第1画像オブジェクト情報は、前記編集部で編集処理可能な情報であり、
前記第2画像オブジェクト情報は、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の情報である、
表示システム。
【請求項25】
指示体の位置に応じて画像情報を生成する生成部と、
前記生成部に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する監視部と、
前記画像情報を編集処理する編集部と、
前記画像情報に基づく画像を表示する表示部と、を有し、
前記生成部は、
前記負荷値が閾値未満である場合、前記指示体の位置に応じて第1画像オブジェクト情報を生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、
前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記指示体の位置に応じて第2画像オブジェクト情報を生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、
前記第2モードを実行する場合、前記画像情報に対する編集を制限し、
前記第1画像オブジェクト情報は、前記編集部で編集処理可能な情報であり、
前記第2画像オブジェクト情報は、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の情報である、
表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の制御方法、情報処理装置および表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ペンツールまたは指等の指示体の位置に応じて描画される画像オブジェクトを表示するプロジェクター等の表示装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の装置は、指示体の位置に応じて画像データを生成し、当該画像データの示す画像を表示する。特許文献1には、編集処理可能なベクターデータを当該画像データとして画像オブジェクトごとに生成することが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-169037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置は、画像データとしてベクターデータを用いる場合、画像データを生成するシステムの負荷の大小または処理能力の高低によらず、指示体の描画動作に応じてベクターデータを生成する。このため、特許文献1に記載の装置では、使用状況によっては、指示体の描画動作とそれに基づく画像オブジェクトの表示との間のイムラグが際立ってしまい、この結果、使い勝手が悪くなるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明に係る表示装置の制御方法の一態様は、指示体の位置に応じて生成される画像情報に基づく画像を表示する表示装置の制御方法であって、前記指示体の位置に応じて前記画像情報を生成するシステムの負荷に関する負荷値を監視し、前記負荷値が閾値未満である場合、編集処理可能な第1画像オブジェクト情報を前記指示体の位置に応じて生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の第2画像オブジェクト情報を前記指示体の位置に応じて生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行する。
【0006】
本発明に係る情報処理装置の一態様は、指示体の位置に応じて生成される画像情報に基づく画像を表示装置に表示させる情報処理装置であって、前記指示体の位置に応じて前記画像情報を生成する生成部と、前記生成部に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する監視部と、前記画像情報を編集処理する編集部と、を有し、前記生成部は、前記負荷値が閾値未満である場合、前記指示体の位置に応じて第1画像オブジェクト情報を生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記指示体の位置に応じて第2画像オブジェクト情報を生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、前記第1画像オブジェクト情報は、前記編集部で編集処理可能な情報であり、前記第2画像オブジェクト情報は、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の情報である。
【0007】
本発明に係る表示システムの一態様は、指示体の位置に応じて画像情報を生成する生成部と、前記生成部に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する監視部と、前記画像情報を編集処理する編集部と、前記画像情報に基づく画像を表示する表示部と、を有し、前記生成部は、前記負荷値が閾値未満である場合、前記指示体の位置に応じて第1画像オブジェクト情報を生成し、前記第1画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第1モードを実行し、前記負荷値が前記閾値以上である場合、前記指示体の位置に応じて第2画像オブジェクト情報を生成し、前記第2画像オブジェクト情報を用いて前記画像情報を生成する第2モードを実行し、前記第1画像オブジェクト情報は、前記編集部で編集処理可能な情報であり、前記第2画像オブジェクト情報は、前記第1画像オブジェクト情報よりも前記システムに与える負荷の小さい形式の情報である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る表示システムを示す模式図である。
図2】表示装置の構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図4】画像オブジェクトの移動の一例を示す図である。
図5】画像オブジェクトの拡大の一例を示す図である。
図6】複数の画像オブジェクトを表示した状態の一例を示す図である。
図7】負荷値の経時的変化の一例を示す図である。
図8】第1モードから第2モードへの切り替えの可否を問い合わせる表示の一例を示す図である。
図9】第1モードと第2モードとの切り替えの流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法または縮尺は実際と適宜に異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0010】
1.表示システムの概要
図1は、実施形態に係る表示システム10を示す模式図である。表示システム10は、指示体300の描画動作に応じた画像オブジェクトGDを含む画像Gを表示可能なインタラクティブ機能を有するプロジェクションシステムである。図1に示すように、表示システム10は、表示装置200と指示体300と情報処理装置100とを含む。
【0011】
表示装置200は、情報処理装置100に有線または無線により通信可能に接続される。表示装置200には、情報処理装置100から画像情報DSが入力される。
【0012】
表示装置200は、情報処理装置100からの画像情報DSに基づく画像GをスクリーンSCに表示する。なお、スクリーンSCの設置箇所は、特に限定されないが、例えば、壁、床またはテーブル等である。また、表示装置200の設置箇所は、特に限定されないが、例えば、天井、壁、床、テーブル、専用設置台等である。
【0013】
本実施形態では、表示装置200は、指示体300の指示により表示装置200に各種の機能を実行させるためのGUI(Graphical User Interface)用の画像であるツールバーGTを画像Gに重ねて表示する。図1に示す例では、ツールバーGTは、取消ボタンUDB、ポインターボタンPTB、ペンボタンPEB、消しゴムボタンERBおよび色選択ボタンCCBを含む。取消ボタンUDBは、1つ前の操作を取り消して元に戻すボタンである。ポインターボタンPTBは、画像等の選択に用いるマウスポインターを表示させるためのボタンである。ペンボタンPEBは、画像オブジェクトGDの描画に用いるペンの種類を選択するためのボタンである。消しゴムボタンERBは、描画済みの画像オブジェクトGDを消去する消しゴムツールを選択するためのボタンである。色選択ボタンCCBは、画像オブジェクトGDの描画に用いるペンの色を選択するためのボタンである。
【0014】
なお、以下では、図1に示す形態のツールバーGTを用いる場合を例に説明するが、ツールバーGTの形態は、図1に示す例に限定されない。また、表示装置200に対する操作は、ツールバーGTを用いる場合のほか、表示装置200本体に配置される操作パネル241、および図1中不図示のリモコンを用いてもよい。
【0015】
画像Gに含まれる画像オブジェクトGDは、描画動作に伴う指示体300の位置の軌跡により描かれる描画画像である。なお、指示体300の位置は、指示体300の先端等の所定部位の位置であるともいえるし、指示体300が指示するスクリーンSC上の位置であるともいえる。
【0016】
本実施形態では、表示装置200は、指示体300の位置を検出し、その検出位置を示す位置情報を情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、表示装置200からの位置情報に応じた画像オブジェクト情報を生成し、この画像オブジェクト情報を用いて画像情報DSを生成する。当該画像オブジェクト情報は、後述の第1画像オブジェクト情報D1または第2画像オブジェクト情報D2である。なお、以下では、第1画像オブジェクト情報D1および第2画像オブジェクト情報D2を総称して単に「画像オブジェクト情報」という場合がある。
【0017】
指示体300は、ペン型のデバイスである。指示体300は、軸部310と、軸部310の先端に配置される先端ボタン320と、を備える。先端ボタン320は、スクリーンSCに押し付けられることでオンになるスイッチである。指示体300の内部には、図示しない赤外線発光部が設けられており、当該赤外線発光部は、先端ボタン320がオンとなることにより駆動する。当該赤外線発光部は、例えば、赤外LED(Light Emitting Diode)等の発光素子、発光制御回路、および電源を含んで構成される。当該赤外線発光部は、例えば、IrDA(Infrared Data Association)規格に準拠した方式により、周期的に赤外線を発光する。この発光は、表示装置200で検出される。表示装置200は、指示体300の発光位置に基づいて、指示体300が指示するスクリーンSC上の位置を検出する。なお、指示体300の形状は、ペン型に限定されない。また、指示体300は、人間の指等であってもよい。
【0018】
画像情報DSが示す画像Gは、例えば、情報処理装置100に表示されるデスクトップ画面等の画像に画像オブジェクトGDを重畳した画像である。したがって、画像情報DSの生成には、表示装置200からの前述の位置情報に応じた画像オブジェクト情報のほか、例えば、情報処理装置100に表示される画像の情報が用いられる。
【0019】
情報処理装置100は、画像情報DSを生成する際、前述の画像オブジェクト情報の生成を担うシステムの負荷の状況に応じて、画像オブジェクト情報のデータ形式を変更する。具体的には、後に詳述するように、当該システムの負荷に関する負荷値が閾値未満である場合、情報処理装置100は、編集処理可能な形式の第1画像オブジェクト情報D1を生成する。このため、編集可能な画像オブジェクトGDを表示することができる。一方、当該システムの負荷に関する負荷値が閾値以上である場合、情報処理装置100は、第1画像オブジェクト情報D1よりも当該システムに与える負荷の小さい形式の第2画像オブジェクト情報D2を生成する。このため、指示体300の描画動作とそれに基づく画像オブジェクトGDの表示との間のタイムラグの発生を低減することができる。
【0020】
2.表示装置の構成
図2は、実施形態に係る表示装置200の構成を示すブロック図である。表示装置200は、図2に示すように、通信部210、画像処理部220、表示部230、操作部240、メモリー250、検出部260およびプロセッサー270を有する。これらは、互いに通信可能に接続される。
【0021】
通信部210は、情報処理装置100と通信可能に接続されるインターフェイスである。例えば、通信部210は、無線または有線のLAN(Local Area Network)、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(High Definition Multimedia Interface)等のインターフェイスである。USBおよびHDMIは、それぞれ、登録商標である。なお、通信部210は、インターネット等の他のネットワークを介して情報処理装置100に接続されてもよい。通信部210は、無線または有線のインターフェイスを介して受信した信号を電気的に処理するインターフェイス回路を備える。
【0022】
通信部210は、情報処理装置100から各種情報を受信する機能と、情報処理装置100へ各種情報を送信する機能と、を有する。ここで、通信部210は、画像情報DSを含む各種情報を情報処理装置100から受信する。また、通信部210は、後述する検出部260からの位置情報PSと制御部271からの操作情報SSとを含む各種情報を情報処理装置100に送信する。なお、図2では、通信部210に接続される情報処理装置100の数が1つである場合が図示されるが、通信部210に接続される情報処理装置100の数は、2以上でもよい。
【0023】
画像処理部220は、通信部210からの画像情報DSを用いて、表示部230を駆動するための画像信号を生成する回路である。具体的には、画像処理部220は、フレームメモリー221を有し、画像情報DSをフレームメモリー221に展開して、解像度変換処理、リサイズ処理、歪み補正処理等の各種処理を適宜実行することにより、画像信号を生成する。ここで、画像処理部220は、必要に応じて、ツールバーGT等を表示部230に表示させるための処理等を実行する。画像処理部220で生成した画像信号は、表示部230に入力される。画像処理部220は、例えば、集積回路により構成される。集積回路には、LSI、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-Chip)等が含まれる。また、集積回路の構成の一部にアナログ回路が含まれていてもよい。
【0024】
表示部230は、画像処理部220からの画像信号に基づいて、画像Gを表示する機構である。本実施形態の表示部230は、スクリーンSCに画像Gを投射により表示する投射機構である。具体的には、表示部230は、光源231と光変調装置232と投射光学系233とを有する。
【0025】
光源231は、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LED(Light Emitting Diode)またはレーザー光源等を含む。光源231は、例えば、赤色、緑色および青色の光をそれぞれ出射するか、または、白色の光を出射する。光源231が白色の光を出射する場合、光源231から出射される光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布のばらつきが低減され、その後、図示しない色分離光学系によって赤色、緑色および青色の光に分離されて光変調装置232に入射する。
【0026】
光変調装置232は、当該赤色、緑色および青色に対応して設けられる光変調素子232R、232Gおよび232Bを含む。光変調素子232R、232Gおよび232Bは、それぞれ、例えば、透過型の液晶パネル、反射型の液晶パネルまたはDMD(デジタルミラーデバイス)等を含む。光変調素子232R、232Gおよび232Bは、画像処理部220からの画像信号に基づいて、当該赤色、緑色および青色の光をそれぞれ変調して各色の画像光を生成する。光変調装置232で生成される各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって合成され、フルカラーの画像光となる。
【0027】
投射光学系233は、当該フルカラーの画像光をスクリーンSC上に結像させて投射させる。投射光学系233は、少なくとも1つの投射レンズを含む光学系であり、ズームレンズまたはフォーカスレンズ等を含んでもよい。
【0028】
操作部240は、ユーザーからの操作を受け付ける入力装置である。操作部240は、操作パネル241およびリモコン受光部242を有する。操作パネル241は、表示装置200の外装筐体に設けられ、ユーザーからの操作を受け付け可能に構成される。操作パネル241は、ユーザーからの操作に基づく信号を出力する。リモコン受光部242は、図示しないリモコンからの赤外線信号を受光し、当該赤外線信号をデコードして、当該リモコンの操作に基づく信号を出力する。
【0029】
メモリー250は、プロセッサー270が実行する制御プログラムP、およびプロセッサー270が処理する各種情報を記憶する記憶装置である。メモリー250は、例えば、ハードディスクドライブまたは半導体メモリーで構成される。なお、メモリー250は、表示装置200の外部の記憶装置あるいはサーバー等に設けてもよい。
【0030】
検出部260は、指示体300の位置を検出し、当該位置を示す位置情報PSを生成する。検出部260は、撮像部261および位置情報生成部262を有する。撮像部261は、スクリーンSCを撮像する。撮像部261は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーまたはCMOS(Complementary MOS)イメージセンサー等の撮像素子を含む。位置情報生成部262は、撮像部261の出力信号に基づいて、指示体300の位置に関する位置情報PSを生成する。指示体300の位置は、例えば、スクリーンSC上に設定される座標系の座標で表され、位置情報PSは、当該座標を示す情報を含む。なお、検出部260は、指示体300の位置を検出することができればよく、前述のような撮像素子を用いる構成に限定されず、例えば、レーザー光源および受光素子を用いる構成でもよい。
【0031】
プロセッサー270は、表示装置200の各部を制御する機能、および各種データを処理する機能を有する処理装置である。プロセッサー270は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を含む。プロセッサー270は、メモリー250に記憶される制御プログラムPを実行することによって、表示装置200の各部を制御する制御部271として機能する。なお、プロセッサー270は、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーで構成されてもよい。また、プロセッサー270の機能の一部または全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現してもよい。
【0032】
制御部271は、表示装置200の各部を制御したり、各種データを処理したりする。ここで、制御部271は、画像情報DSに基づく画像Gを表示部230に表示させる。また、制御部271は、前述のツールバーGTに対する操作に応じて、その操作内容を示す操作情報SSを生成する。
【0033】
3.情報処理装置の構成
図3は、情報処理装置100の構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、表示装置200からの位置情報PSに基づいて画像情報DSを生成し、画像情報DSに基づく画像Gを表示装置200に表示させるコンピューターである。なお、情報処理装置100は、前述の図1に示す例ではノート型PC(Personal Computer)であるが、これに限定されず、例えば、スマートフォン、タブレット端末または携帯型ゲーム機等の他の可搬型の情報端末、あるいは、デスクトップ型PC等の固定型の情報端末でもよい。
【0034】
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110、表示部120、操作部130、メモリー140およびプロセッサー150を有する。これらは、互いに通信可能に接続される。
【0035】
通信部110は、前述の表示装置200の通信部210と通信可能に接続されるインターフェイスである。例えば、通信部110は、通信部210と同様に構成される。通信部110は、画像情報DSを含む各種情報を表示装置200に送信する。また、通信部110は、位置情報PSおよび操作情報SSを含む各種情報を表示装置200から受信する。
【0036】
表示部120は、プロセッサー150による制御のもとで各種の画像を表示する。表示部120は、例えば、液晶表示パネル、有機EL(electro-luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルを含む。
【0037】
操作部130は、ユーザーからの操作を受け付ける入力機器である。例えば、操作部130は、タッチパッド、タッチパネルまたはマウス等のポインティングデバイスを含んで構成される。ここで、操作部130は、タッチパネルを含んで構成される場合、表示部120を兼ねてもよい。
【0038】
メモリー140は、プロセッサー150が実行する制御プログラムP1、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラム等の各種プログラム、およびプロセッサー150が処理する第1画像オブジェクト情報D1および第2画像オブジェクト情報D2等の各種データを記憶する記憶装置である。メモリー140は、例えば、ハードディスクドライブまたは半導体メモリーを含んで構成される。なお、メモリー140は、情報処理装置100の外部の記憶装置あるいはサーバー等に設けてもよい。また、メモリー140は、生成部151または編集部153での処理に用いるフレームメモリーを含んでもよい。
【0039】
プロセッサー150は、情報処理装置100の各部を制御する機能、および各種データを処理する機能を有する処理装置である。プロセッサー150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを含む。プロセッサー150は、メモリー140に記憶される制御プログラムP1を実行することによって、生成部151、監視部152および編集部153として機能する。
【0040】
なお、プロセッサー150は、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーで構成されてもよい。また、プロセッサー150の機能の一部または全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現してもよい。また、プロセッサー150は、フレームメモリーを有する画像処理回路を含んでもよい。
【0041】
生成部151は、指示体300の位置に応じた画像情報DSを生成する。具体的には、生成部151は、通信部110からの位置情報PSに基づいて、指示体300の位置に応じた第1画像オブジェクト情報D1または第2画像オブジェクト情報D2を生成し、第1画像オブジェクト情報D1または第2画像オブジェクト情報D2を用いて画像情報DSを生成する。
【0042】
ここで、生成部151は、監視部152の監視結果に応じて、互いに異なる形式の第1画像オブジェクト情報D1および第2画像オブジェクト情報D2のうちのいずれかを生成する。また、生成部151は、生成した第1画像オブジェクト情報D1または第2画像オブジェクト情報D2をメモリー140に記憶した後、メモリー140に記憶された第1画像オブジェクト情報D1または第2画像オブジェクト情報D2を用いて画像情報DSを生成する。さらに、生成部151は、メモリー140に記憶された第1画像オブジェクト情報D1または第2画像オブジェクト情報D2が後述するように編集部153により編集処理された場合、編集処理後の第1画像オブジェクト情報D1または第2画像オブジェクト情報D2を用いて画像情報DSを生成する。なお、第1画像オブジェクト情報D1、第2画像オブジェクト情報D2および画像情報DSの生成については、後に詳述する。
【0043】
監視部152は、生成部151に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する。当該システムは、メモリー140およびプロセッサー150を含むコンピューターシステムである。したがって、当該システムの負荷は、情報処理装置100の負荷であるともいえる。当該システムの負荷は、メモリー140またはプロセッサー150の使用率が高くなるほど大きい。メモリー140またはプロセッサー150の使用率は、当該システムが扱う情報の量が多くなるほど高くなる。ここで、当該システムが扱う情報には、第1画像オブジェクト情報D1および第2画像オブジェクト情報D2だけでなく、情報処理装置100で扱う各種情報が含まれる。
【0044】
なお、以下では、メモリー140およびプロセッサー150を含むコンピューターシステムを単に「システム」ともいう。また、当該システムの負荷に関する負荷値を単に「負荷値」ともいう。
【0045】
本実施形態の監視部152は、プロセッサー150の使用率、表示される画像オブジェクトGDの数、および、指示体300の数を監視対象として監視する。なお、監視部152の監視対象は、システムの負荷値に応じて変化するものであればよく、前述の監視対象に限定されず、例えば、メモリー140の使用率等でもよい。
【0046】
編集部153は、画像情報DSを編集処理する。具体的には、編集部153は、ツールバーGTに対してポインターボタンPTBを選択する操作が行われた場合、指示体300の位置に応じて、画像情報DSを編集処理する。このとき、編集部153は、編集後の画像オブジェクトGDを含む画像Gを示す画像情報DSを生成する。ここで、編集部153は、通信部110からの位置情報PSに基づいて、指示体300の位置を特定する。また、編集部153は、通信部110からの操作情報SSに基づいて、ツールバーGTに対してポインターボタンPTBを選択する操作が行われたか否かを判断する。
【0047】
編集部153における編集処理としては、例えば、画像オブジェクトGDを移動するための移動処理、画像オブジェクトGDを回転させるための回転処理、画像オブジェクトGDを拡大するための拡大処理、画像オブジェクトGDを変形するための変形処理、画像オブジェクトGDの一部または全部を消去する消去処理等が挙げられる。以下、これらの編集処理のうち移動処理および拡大処理の具体例について代表的に説明する。なお、以下の画像オブジェクトGDの移動または拡大は、一例であり、これに限定されない。
【0048】
図4は、画像オブジェクトGDの移動の一例を示す図である。図5は、画像オブジェクトGDの拡大の一例を示す図である。
【0049】
例えば、図4および図5に示すように、ポインターボタンPTBが選択されると、ポインターGPTが表示される。図4および図5では、ポインターボタンPTBが選択される状態が太線を用いて示される。ポインターGPTは、指示体300の位置に応じて画像G内を移動する。
【0050】
例えば、ポインターGPTが画像オブジェクトGDに重なる位置で指示体300がスクリーンSCに押し当てられることで、画像オブジェクトGDが選択される。すると、例えば、図4および図5に示すように、画像オブジェクトGDが選択されていることを示す枠GFが表示される。
【0051】
図4および図5に示す例では、枠GFは、矩形をなしており、枠GFの各角および各辺の中点には、ドットが配置される。なお、枠GFの形態は、図4および図5に示す例に限定されない。また、枠GFとは異なる表示により、画像オブジェクトGDの選択が示されてもよい。
【0052】
ポインターGPTが枠GFのいずれか1つの辺のドット以外の部分に重なる状態で指示体300がスクリーンSCに押し当てられた後、指示体300がスクリーンSCに押し当てられたまま移動されることで、図4中の二点鎖線で示すように、画像オブジェクトGDが移動する。
【0053】
ポインターGPTが枠GFのいずれか1つの角のドットに重なる状態で指示体300がスクリーンSCに押し当てられた後、指示体300がスクリーンSCに押し当てられたまま枠GFの外側に向かう方向へ移動されることで、図5中の二点鎖線で示すように、画像オブジェクトGDが拡大する。
【0054】
なお、ポインターGPTが枠GFのいずれか1つの角のドットに重なる状態で指示体300がスクリーンSCに押し当てられた後、指示体300がスクリーンSCに押し当てられたまま枠GFの内側に向かう方向へ移動されることで、画像オブジェクトGDが縮小する。また、ポインターGPTが枠GFのいずれか1つの辺のドットに重なる状態で指示体300がスクリーンSCに押し当てられた後、指示体300がスクリーンSCに押し当てられたまま枠GFの辺に交差する方向へ移動されることで、画像オブジェクトGDの縦横の長さ比が変化する。
【0055】
図6は、複数の画像オブジェクトGDを表示した状態の一例を示す図である。図6では、複数の画像オブジェクトGDのそれぞれがアルファベット文字を表示する場合が例示される。表示される画像オブジェクトGDの数が多くなるほど、システムの負荷が増大する。システムの負荷が大きくなりすぎると、生成部151における処理速度が低下する。生成部151における処理速度の低下は、指示体300の描画動作とそれに基づく画像オブジェクトGDの表示との間のライムラグの増大を招く原因の1つである。
【0056】
そこで、生成部151は、前述の監視部152で監視される負荷値が閾値以上であるか否かに応じて、画像オブジェクト情報のデータ形式を変更する。ここで、生成部151は、前述の監視部152の監視対象のうちの少なくとも1つが設定値を超える場合、負荷値が閾値以上であると判断する。
【0057】
当該設定値は、監視対象の種類またはシステムの処理能力に応じて決められる。プロセッサー150の使用率に関する当該設定値は、システムの処理能力に応じて決められ、特に限定されないが、例えば、70%以上100%以下であることが好ましく、80%以上90%以下であることがより好ましい。画像オブジェクトGDの数に関する当該設定値は、システムの処理能力に応じて決められ、特に限定されないが、例えば、10以上100以下であることが好ましく、30以上50以下であることがより好ましい。指示体300の数に関する当該設定値は、システムの処理能力に応じて決められ、特に限定されないが、例えば、2以上5以下であることが好ましく、2または3であることがより好ましい。
【0058】
図7は、負荷値の経時的変化の一例を示す図である。生成部151は、図7に示すように、負荷値が閾値未満である場合、第1モードを実行し、一方、負荷値が閾値以上である場合、第2モードを実行する。
【0059】
第1モードにおいて、生成部151は、指示体300の位置に応じて第1画像オブジェクト情報D1を生成し、第1画像オブジェクト情報D1を用いて画像情報DSを生成する。
【0060】
第1画像オブジェクト情報D1は、編集部153で編集処理可能な情報である。生成部151で生成された第1画像オブジェクト情報D1は、メモリー140に記憶され、その後、必要に応じて、編集部153での編集処理に用いられる。
【0061】
第1画像オブジェクト情報D1は、編集部153で編集処理可能な形式であればよいが、ベクター形式の情報であることが好ましい。ベクター形式は、円または直線等の解析幾何的な図形の集まりとして画像を表現する形式である。このため、ベクター形式の情報に基づく画像オブジェクトGDでは、拡大、縮小または変形等の編集が容易であるとともに、編集による画質の劣化が生じない。したがって、第1画像オブジェクト情報D1がベクター形式の情報であることにより、第1画像オブジェクト情報D1に基づく画像オブジェクトGDを好適に編集することができる。
【0062】
また、第1画像オブジェクト情報D1に用いるベクター形式の情報は、第1画像オブジェクト情報D1をオブジェクト単位で表す情報であることが好ましい。この場合、画像オブジェクトGDをオブジェクト単位で編集を行うことができる。ここで、オブジェクト単位とは、直線、曲線、文字または図形等の要素を単位とすることを意味する。
【0063】
一方、第2モードにおいて、生成部151は、指示体300の位置に応じて第2画像オブジェクト情報D2を生成し、第2画像オブジェクト情報D2を用いて画像情報DSを生成する。
【0064】
第2画像オブジェクト情報D2は、第1画像オブジェクト情報D1よりもシステムに与える負荷の小さい形式の情報である。生成部151で生成された第2画像オブジェクト情報D2は、メモリー140に記憶され、その後、必要に応じて、編集部153での編集処理に用いられる。
【0065】
第2画像オブジェクト情報D2は、第1画像オブジェクト情報D1よりもシステムに与える負荷の小さい形式であればよいが、ラスター形式の情報であることが好ましい。ラスター形式は、色情報等を有する画素の集合として画像を表現する形式である。一般に、ラスター形式の情報を生成する処理の負荷は、ベクター形式の情報を生成する処理の負荷に比べて小さい。したがって、第2画像オブジェクト情報D2がラスター形式の情報であることにより、第2モードの実行時における指示体300の描画動作とそれに基づく画像オブジェクトGDの表示との間のタイムラグの発生を好適に低減することができる。また、ラスター形式は、表示装置200の表示形式と同様であるため、画像情報DSを生成する際に、ベクター形式を用いる場合のようなラスタライズ処理が不要である。このため、この点でも、第2モードの実行時における指示体300の描画動作とそれに基づく画像オブジェクトGDの表示との間のタイムラグの発生を好適に低減することができる。
【0066】
図8は、第1モードから第2モードへの切り替えの可否を問い合わせる表示の一例を示す図である。生成部151は、監視部152で監視される負荷値が閾値未満から閾値以上に変化したとき、図8に示すように、第1モードから第2モードへの切り替えの可否を問い合わせる問合画像GQを表示部230に表示させる。図8に示す例では、問合画像GQには、「描画方式を変更しますか?」および「描画速度が速くなります」の文字と、指示体300による操作を受け付けるボタンBYおよびBNとが表示される。なお、問合画像GQの表示内容は、第1モードから第2モードへの切り替えの可否を問い合わせる内容であればよく、図8に示す例に限定されず、任意である。
【0067】
ボタンBYは、第1モードから第2モードへの切り替えを許可するためのボタンである。生成部151は、ボタンBYへの操作が行われると、第1モードから第2モードに切り替える。ボタンBNは、第1モードから第2モードへの切り替えを拒否するためのボタンである。生成部151は、ボタンBNへの操作が行われると、第1モードから第2モードに切り替えずに第1モードを維持する。なお、第1モードから第2モードへの切り替えを許可するか否かの操作は、問合画像GQ以外の手段、例えば操作部130により行ってもよい。
【0068】
第1モードから第2モードに切り替えられた場合、すでに生成された第1画像オブジェクト情報D1は、メモリー140に記憶されたままでもよいし、メモリー140から削除してもよい。第1画像オブジェクト情報D1がメモリー140に記憶されたままである場合、第1モードから第2モードに切り替えられた後も、メモリー140に記憶された第1画像オブジェクト情報D1に基づく画像オブジェクトGDを編集することができる。一方、第1画像オブジェクト情報D1がメモリー140から削除される場合、第1画像オブジェクト情報D1がメモリー140に記憶されたままである場合に比べて、システムの負荷を低減することができ、この結果、生成部151での画像情報DSの生成速度を高めることができる。
【0069】
第1画像オブジェクト情報D1をメモリー140から削除する場合、例えば、第1画像オブジェクト情報D1をベクター形式からラスター形式にラスタライズし、ラスタライズ後のオブジェクト情報をメモリーに記憶してもよい。ただし、ラスタライズ処理は、システムへの負荷の増大を招くため、描画動作が行われていない期間に行われることが好ましい。
【0070】
4.表示システムの動作
図9は、第1モードと第2モードとの切り替えの流れを示すフローチャートである。情報処理装置100では、まず、図9に示すように、ステップS110において、生成部151が第1モードに設定する。このとき、監視部152は、システムの負荷に関する負荷値を監視する。
【0071】
次に、生成部151は、ステップS120において、プロセッサー150の使用率が設定値を超えたか否かを判断する。
【0072】
プロセッサー150の使用率が設定値を超えていない場合、ステップS130において、生成部151は、表示される画像オブジェクトGDの数が設定値を超えたか否かを判断する。
【0073】
表示される画像オブジェクトGDの数が設定値を超えていない場合、ステップS140において、生成部151は、アクティブ状態の指示体300の数が設定値を超えたか否かを判断する。例えば、検出部260で検出した指示体300の数に関する情報を、制御部271が通信部210により通信部110へ送信させ、通信部110は検出部260で検出した指示体300の数に関する情報をプロセッサー150に送信し、プロセッサー150の監視部152が指示体300の数に関する情報を監視し、監視部152が指示体300の数が設定値を超えたと判断した時に生成部151に監視部152から通知がされることで、生成部151はアクティブ状態の指示体300の数が設定値を超えたと判断する。
【0074】
プロセッサー150の使用率が設定値を超えず、表示される画像オブジェクトGDの数が設定値を超えず、かつ、アクティブ状態の指示体300の数が設定値を超えない場合、生成部151は、前述のステップS120に戻る。
【0075】
これに対し、プロセッサー150の使用率が設定値を超えた場合、表示される画像オブジェクトGDの数が設定値を超えた場合、または、アクティブ状態の指示体300の数が設定値を超えた場合、ステップS150において、生成部151は、問合画像GQを表示部230に表示させる。
【0076】
問合画像GQの表示後、ステップS160において、生成部151は、第1モードから第2モードへの切り替えの指示があるか否かを判断する。ここで、生成部151は、問合画像GQのボタンBYへ操作が行われた場合、第1モードから第2モードへの切り替えの指示があると判断し、一方、問合画像GQのボタンBNへ操作が行われた場合、第1モードから第2モードへの切り替えの指示がないと判断する。
【0077】
第1モードから第2モードへの切り替えの指示がある場合、ステップS170において、生成部151は、第1モードから第2モードに切り替えた後、ステップS180に移行する。一方、第1モードから第2モードへの切り替えの指示がない場合、生成部151は、第1モードから第2モードに切り替えずに、ステップS180に移行する。
【0078】
ステップS180において、生成部151は、終了指示があるか否かを判断し、ある場合、終了し、一方、ない場合、前述のステップS120に戻る。
【0079】
以上のように、表示装置200の制御方法は、指示体300の位置に応じて生成される画像情報DSに基づく画像Gを表示する。この制御方法は、表示システム10において実行される。表示システム10は、表示装置200と情報処理装置100とを有する。情報処理装置100は、指示体300の位置に応じて生成される画像情報DSに基づく画像Gを表示装置200に表示させる。
【0080】
表示装置200は、画像情報DSに基づく画像Gを表示する表示部230を有する。情報処理装置100は、生成部151と監視部152と編集部153とを有する。生成部151は、指示体300の位置に応じて画像情報DSを生成する。監視部152は、生成部151に用いるシステムの負荷に関する負荷値を監視する。編集部153は、画像情報DSを編集処理する。
【0081】
ここで、生成部151は、負荷値が閾値未満である場合、第1モードを実行し、負荷値が閾値以上である場合、第2モードを実行する。第1モードは、指示体300の位置に応じて第1画像オブジェクト情報D1を生成し、第1画像オブジェクト情報D1を用いて画像情報DSを生成する。第1画像オブジェクト情報D1は、編集部153で編集処理可能な情報である。これに対し、第2モードは、指示体300の位置に応じて第2画像オブジェクト情報D2を生成し、第2画像オブジェクト情報D2を用いて画像情報DSを生成する。第2画像オブジェクト情報D2は、第1画像オブジェクト情報D1よりもシステムに与える負荷の小さい形式の情報である。
【0082】
以上の表示装置200の制御方法、情報処理装置100および表示システム10において、第1モードでは、編集処理可能な第1画像オブジェクト情報D1を生成する。このため、第1画像オブジェクト情報D1に基づく画像オブジェクトGDを編集することができる。
【0083】
これに対し、第2モードでは、第1画像オブジェクト情報D1よりも処理負荷の小さい形式の第2画像オブジェクト情報D2を生成する。このため、第1モードを実行する場合に比べて、システムの処理負荷が軽減されることにより、画像情報DSの生成速度を高めることができる。この結果、第2モードでは、第1モードを実行する場合に比べて、指示体300の描画動作とそれに基づく画像オブジェクトGDの表示との間のタイムラグの発生を低減することができる。
【0084】
ここで、負荷値が閾値以上であるか否かにより第1モードおよび第2モードを切り替えるので、画像オブジェクトGDの編集が必要以上に制限されずに、前述の第1モードおよび第2モードによる効果が得られる。
【0085】
第1画像オブジェクト情報D1は、ベクター形式の情報であることが好ましい。この場合、第1画像オブジェクト情報D1に基づく画像オブジェクトGDを好適に編集することができる。これに対し、第2画像オブジェクト情報D2は、ラスター形式の情報であることが好ましい。この場合、第2モードの実行時における指示体300の描画動作とそれに基づく画像オブジェクトGDの表示との間のタイムラグの発生を好適に低減することができる。
【0086】
第1画像オブジェクト情報D1に用いるベクター形式の情報は、第1画像オブジェクト情報D1をオブジェクト単位で表す情報であることが好ましい。この場合、画像オブジェクトGD単位で編集を行うことができる。
【0087】
生成部151は、システムに含まれるプロセッサー150の使用率が設定値以上である場合、負荷値が閾値以上であると判断する。プロセッサー150の使用率が高いほど、システムの負荷に関する負荷値が大きい。したがって、プロセッサー150の使用率が設定値以上である場合、負荷値が閾値以上であると判断することができる。
【0088】
また、生成部151は、第1画像オブジェクト情報D1に基づく画像オブジェクトGDの数が設定値以上である場合、負荷値が閾値以上であると判断する。画像オブジェクトGDの数が多いほど、システムの負荷に関する負荷値が大きい。したがって、画像オブジェクトGDの数が設定値以上である場合、負荷値が閾値以上であると判断することができる。
【0089】
さらに、生成部151は、指示体300の数が設定値以上である場合、負荷値が閾値以上であると判断する。指示体300の数が多いほど、システムの負荷に関する負荷値が大きい。したがって、指示体300の数が設定値以上である場合、負荷値が閾値以上であると判断することができる。
【0090】
また、生成部151は、負荷値が閾値以上である場合、第1モードから第2モードに切り替えるか否かを問い合わせる問合画像GQを表示装置200に表示させる。このため、負荷値が閾値以上である場合であっても、ユーザーの意思によらず、第1モードから第2モードに切り替わることを防止することができる。
【0091】
さらに、生成部151は、第2モードを実行する場合、画像情報DSに対する編集を制限することが好ましい。この場合、第2モード時に編集を行う場合に比べて、システムの負荷を低減することができる。
【0092】
5.変形例
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0093】
前述の形態では、生成部151、監視部152および編集部153のすべてが情報処理装置100の構成要素である場合が例示されるが、この例示に限定されず、生成部151、監視部152および編集部153のうちの一部または全部が表示装置200の構成要素でもよい。また、生成部151の一部、監視部152の一部または編集部153の一部が表示装置200の構成要素でもよい。
【0094】
また、前述の形態では、表示装置200がプロジェクターである場合が例示されるが、本発明の表示装置は、プロジェクターに限定されず、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイまたは有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ等の表示装置であってもよい。
【0095】
また、前述の形態では、表示装置200および情報処理装置100が別体である構成が例示されるが、この構成に限定されず、表示装置200および情報処理装置100が一体でもよい。すなわち、生成部151、監視部152、編集部153および表示部230のすべてが、PC等の情報処理装置の構成要素でもよいし、プロジェクター、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイまたは有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ等の表示装置の構成要素でもよい。
【0096】
また、前述の形態では、監視部152の監視対象がプロセッサー150の使用率、画像オブジェクトGDの数、および指示体300の数である場合が例示されるが、この例示に限定されず、例えば、監視部152の監視対象が前述の監視対象のうちの少なくとも1つを含んでいればよい。
【0097】
また、前述の形態では、監視部152で監視される負荷値が閾値未満から閾値以上となったとき、問合画像GQを表示させる形態が例示されるが、この形態に限定されない。例えば、監視部152で監視される負荷値が閾値未満から閾値以上となったとき、問合画像GQを表示せずに、第1モードから第2モードに切り替えてもよい。
【0098】
また、前述の形態では、表示装置200がツールバーGTを画像Gに重ねて表示し、制御部271がツールバーGTに対する操作に応じて、その操作内容を示す操作情報SSを生成する形態が例示されるが、この形態に限定されない。例えば、画像情報DSにツールバーGTと同様な画像を表示させる情報が含まれており、画像GにツールバーGTを含めてもよい。また、このとき、プロセッサー150で通信部110を介して位置情報PSを受信し、位置情報PSに基づいてプロセッサー150が操作情報SSを生成してもよい。
【符号の説明】
【0099】
10…表示システム、100…情報処理装置、150…プロセッサー、151…生成部、152…監視部、153…編集部、200…表示装置、230…表示部、300…指示体、D1…第1画像オブジェクト情報、D2…第2画像オブジェクト情報、DS…画像情報、G…画像、GD…画像オブジェクト、GQ…問合画像。
図1
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