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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】光モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20240806BHJP
   H01L 23/38 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G02B6/42
H01L23/38
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020077842
(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公開番号】P2021173875
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】309015134
【氏名又は名称】富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仲尾 拓弥
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05050154(US,A)
【文献】特開2012-084614(JP,A)
【文献】特開2007-071980(JP,A)
【文献】特開2016-208025(JP,A)
【文献】特開2001-339077(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0341118(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26 - 6/27
G02B 6/30 - 6/34
G02B 6/42 - 6/43
H01L 23/34 - 23/46
H01L 31/00 - 31/02
H01L 31/08 - 31/10
H01L 31/18
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の開口を閉塞する蓋と、
前記筐体内部に配置する光部品と、
前記筐体外部の前記蓋の表面に配置し、前記光部品を制御する制御回路を実装したプリント基板と、
前記筐体の側面に備え、前記光部品の電極と電気的に接続する側面電極と、
前記側面電極と前記制御回路の電極との間を電気的に接続するフレキシブル基板と、を有し、
前記筐体内部の前記光部品と前記筐体外部の前記制御回路とを前記蓋を介して上下に配置して、前記光部品と前記制御回路との間を前記蓋で電気的に遮断する
ことを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記制御回路は、
前記プリント基板の表面に実装した第1の制御回路と、
前記プリント基板の裏面に実装した第2の制御回路と
を有し、
前記蓋の表面に形成した凹部に前記第2の制御回路が収容するように、前記プリント基板を前記蓋の表面に配置したことを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記光部品を前記筐体内部に前記蓋を用いて気密封止したことを特徴とする請求項1又は2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記蓋は、
金属製の材質で形成することを特徴とする請求項1~の何れか一つに記載の光モジュール。
【請求項5】
前記蓋は、
電気的な雑音を遮断する材質で形成することを特徴とする請求項1~の何れか一つに記載の光モジュール。
【請求項6】
前記フレキシブル基板と前記側面電極との間を異方性導電接着剤で電気接続したことを特徴とする請求項1~の何れか一つに記載の光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモジュールでは、例えば、樹脂ケースの内側に主回路と、樹脂ケースの外側にパワーボードとを配置して固定する構造がある。また、光モジュールでは、光部品と、光部品を制御する制御回路とを並列に配置するのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-36003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、光モジュールでは、光部品と制御回路とを並列に配置するため、これら光部品及び制御部品を並列に配置するスペースが必要となるため、モジュール全体の小型化を困難にしている。
【0005】
1つの側面では、光部品及び制御回路を一体化して小型化できる光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面の光モジュールは、筐体と、前記筐体の開口を閉塞する蓋と、前記筐体内部に配置する光部品と、前記筐体外部の前記蓋の表面に配置し、前記光部品を制御する制御回路を実装したプリント基板とを有する。更に、光モジュールは、前記筐体の側面に備え、前記光部品の電極と電気的に接続する側面電極と、前記側面電極と前記制御回路の電極との間を電気的に接続するフレキシブル基板とを有する。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面によれば、光部品及び制御回路を一体化して光モジュールを小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1の光モジュールの一例を示す斜視図である。
図2図2は、光モジュールの一例を示す平面図である。
図3図3は、一部を省略した図2のA-A線断面図である。
図4図4は、光モジュールの一例を示す分解斜視図である。
図5図5は、実施例2の光モジュールの一例を示す分解斜視図である。
図6図6は、光モジュールの一例を示す分解斜視図である。
図7図7は、光モジュールの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本願の開示する光モジュール等の実施例を詳細に説明する。尚、各実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
【実施例1】
【0010】
図1は、実施例1の光モジュール1の一例を示す斜視図、図2は、光モジュール1の一例を示す平面図、図3は、一部を省略した図2のA-A線断面図、図4は、光モジュール1の一例を示す分解斜視図である。
【0011】
図1図4に示す光モジュール1は、筐体2と、筐体2の開口を閉塞する蓋3と、筐体2内部に配置する光部品4と、筐体2外部の蓋3の表面に配置し、光部品4を制御する制御回路5を実装したプリント基板6とを有する。更に、光モジュール1は、筐体2の側面に備え、光部品4の電極と電気的に接続する側面電極7と、側面電極7と制御回路5の電極との間を電気的に接続するフレキシブル基板8とを有する。更に、光モジュール1は、その一端側に設けた光出力部9及び光入力部10と、その他端側に設けた低速インタフェース11及び高速インタフェース12とを有する。
【0012】
筐体2は、例えば、セラミック等の材料で形成し、その内部に光部品4を収容する構造である。蓋3は、例えば、Fe-Ni-Co合金等の金属材料で形成する。蓋3は、電気的な雑音を遮断する材質で形成する。筐体2は、その開口を蓋3で閉塞することで、その内部を気密封止する構造としている。
【0013】
光部品4は、例えば、コヒーレント光通信に必要な部品である。光部品4は、光源21と、光送信回路22と、光受信回路23と、高速LSI24と、光導波路25と、ヒートシンクブロック26と、ペルチェ素子27とを有する。光源21は、光信号を発光するレーザダイオードである。光送信回路22は、光出力部9と接続し、光源21からの光信号を用いて光信号を光出力部9に出力する。光受信回路23は、光入力部10と接続し、光源21からの光信号を用いて光入力部10から入力する光信号を受信する。高速LSI24は、光送信回路22と高速インタフェース12との間に接続し、高速インタフェース12から光送信回路22への光信号の信号処理を実行する。また、高速LSI24は、光受信回路23と高速インタフェース12との間に接続し、光受信回路23から高速インタフェース12への光信号の信号処理を実行する。
【0014】
光導波路25は、高速LSI24と光受信回路23との間を接続し、光受信回路23から高速LSI24へ光信号を伝送する導波路である。更に、光導波路25は、高速LSI24と光送信回路22との間を接続し、高速LSI24から光送信回路22へ光信号を伝送する導波路である。ヒートシンクブロック26は、高速LSI24を冷却する冷却部品である。ペルチェ素子27は、光源21、光送信回路22及び光受信回路23を冷却する冷却部品である。
【0015】
プリント基板6は、制御回路5を実装する基板である。制御回路5は、光部品4を制御する。制御回路5は、光部品4内の光送信回路22や光源21の光出力を安定制御する機能や、ペルチェ素子27の温度を制御する機能等を有する。制御回路5は、図示せぬCPUとの通信インタフェースを司る低速インタフェース11と接続する。尚、プリント基板6は、筐2体の開口を閉塞する蓋3上に配置し、プリント基板6と筐体2とを蓋3を介して重ねる。プリント基板6の外形サイズと筐体2の外形サイズとをほぼ同一にし、例えば、22mm×14mmまでの設計が可能となる。
【0016】
更に、側面電極7とフレキシブル基板8との間は異方性導電接着剤で電気的に接続しているものとする。尚、筐体2の左右側面に側面電極7と、制御回路5の左右側面の電極との間をフレキシブル基板8で電気的に接続する。この際、例えば、筐体2の片側の側面電極7を60端子とした場合、筐体2の両側の側面電極7で120端子と電気的に接続できる。筐体2の底面には、例えば、銅タングステン等で構成する放熱板13が貼着してある。
【0017】
光部品4は筐体2内部に気密封止され、制御回路5を実装するプリント基板6は筐体2の開口を閉塞する蓋3の表面上に配置されている。
【0018】
実施例1の光モジュール1は、筐体2内部に光部品4を配置し、筐体2の開口を蓋3で閉塞することで筐体2内部に光部品4を気密封止する構造とする。更に、光モジュール1は、蓋3の表面上に制御回路5を実装したプリント基板6を配置し、光部品4の電極と電気的に接続する筐体2側面の側面電極7と制御回路5の電極とをフレキシブル基板8で電気的に接続して構成した。その結果、光部品4と、制御回路5とを蓋3を介して上下に重ねることで光モジュール1全体を小型化できる。
【0019】
更に、筐体2内部に光部品4を蓋3を用いて気密封止する構造としたので、製造工程での制御回路5からのフラックス等の異物やアウトガスの光部品4に対する影響を抑制できる。また、制御回路5が故障した場合でも、制御回路5が筐体2の外部にあるため、制御回路5を容易に修理・交換が可能となる。
【0020】
しかも、制御回路5は、筐体2の蓋3側に配置するため、光部品4からの熱の影響を受けることなく、放熱構造が容易となる。
【0021】
筐体2内部に光部品4を金属製の蓋3を用いて気密封止する構造とし、制御回路5と光部品4との間を蓋3で遮断する構造にした。その結果、蓋3が制御回路5から発生する高周波の雑音を遮断するため、制御回路5から発生する高周波の雑音が筐体2内部の光部品4に干渉するような事態を抑制することで、信号品質の劣化を抑制できる。
【0022】
また、筐体2内部の光部品4、特に高速LSI24と、筐体2外部の制御回路5とを蓋3を介して重ねる構造としたので、筐体2とほぼ同等の回路実装面積を得る。その結果、回路の設計自由度が向上し、部品の選択範囲が拡大、低コスト部品の適用も可能となることから光モジュール1全体での低コスト化が可能となる。
【0023】
光部品4の放熱面と制御回路5の放熱面とを分離することで、放熱設計が容易となる。また、筐体2内部の光部品4の熱は筐体2底面の放熱板13から、制御回路5の熱は制御回路5の上面から放熱できる。
【0024】
更に、光部品4内の高速LSI24の熱はヒートシンクブロック26で放熱し、例えば、光源21、光送信回路22、光受信回路23及び光導波路25の熱はペルチェ素子27で放熱する。その結果、光部品4への熱の影響を回避できる。
【0025】
尚、実施例1の光モジュール1では、筐体2内に配置した光部品4を蓋3を用いて気密封止する構造としたが、気密封止する構造に限定されるものではなく、気密でなくても良く、適宜変更可能である。
【0026】
また、蓋3は金属製で構成する場合を例示したが、金属製に限定されるものではなく、制御回路5で発生する高周波の雑音を遮断する材質で構成する電波吸収体でも良く、適宜変更可能である。
【0027】
また、蓋3の材質としては、例えば、コバール(Fe-29Ni-17Co)、ステンレス(SUS304)や42アロイ(Fe-42Ni)等でも良い。また、電波吸収体の材料としては、例えば、カーボンを含有させたアルミナセラミックス(Al2O3)、フェライト系セラミックス(Fe2O3)等で構成しても良い。尚、電波吸収体の材料としては、筐体2の蓋3の代用となる硬質なもの(シート状・フィルム状の変形するものは除く)でも良い。
【0028】
尚、実施例1の光モジュール1は、プリント基板6の一面側に制御回路5を実装する場合を例示したが、プリント基板6の両面側に制御回路5を実装するタイプにも適用可能であり、その実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。尚、実施例1の光モジュール1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【実施例2】
【0029】
図5は、実施例2の光モジュール1Aの一例を示す分解斜視図、図6は、光モジュール1Aの一例を示す分解斜視図、図7は、光モジュール1Aの一例を示す断面図である。図5乃至図7に示す制御回路5は、プリント基板6の表面に実装した第1の制御回路5Aと、プリント基板6の裏面に実装した第2の制御回路5Bとを有する。プリント基板6は、第1の制御回路5A及び第2の制御回路5Bを両面実装した基板である。蓋3Aは、その表面に凹部31を形成する。凹部31は、プリント基板6を蓋3Aの表面に配置した場合に第2の制御回路5Bを収容する構成とする。
【0030】
実施例2の光モジュール1Aでは、蓋3Aの表面に凹部31を形成し、第1の制御回路5A及び第2の制御回路5Bを両面実装したプリント基板6を蓋3Aの表面に配置した場合に第2の制御回路5Bを凹部31に収容する。その結果、両面実装のプリント基板6にも対応できるため、回路実装面積を更に拡大でき回路設計の自由度が向上する。また蓋3A側に配置することにより放熱面を確保でき、ヒートシンク構造が容易に構成できる。
【0031】
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0032】
1,1A 光モジュール
2 筐体
3,3A 蓋
4 光部品
5 制御回路
5A 第1の制御回路
5B 第2の制御回路
6 プリント基板
7 側面電極
8 フレキシブル基板
21 光源
22 光送信回路
23 光受信回路
31 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7