(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】竪型粉砕機
(51)【国際特許分類】
B02C 15/04 20060101AFI20240806BHJP
B02C 23/12 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B02C15/04
B02C23/12
(21)【出願番号】P 2020108322
(22)【出願日】2020-06-24
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】UBEマシナリー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三隅 高寛
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-050141(JP,U)
【文献】実開昭57-165247(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 15/00-16
B02C 23/08-16
B07B 7/08-10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転テーブル上に回転自在な粉砕ローラを配して、
前記回転テーブルと前記粉砕ローラの間に噛み込まれることで圧縮とせん断力によって原料を粉砕する竪型粉砕機において、
原料供給口から前記回転テーブルに向かって延びるシュートと前記回転テーブルの間に円錐体を配し
、
前記円錐体は直円錐体若しくは斜円錐体であって、
前記シュートの下方に設けられた漏斗状の内部コーンの下端に形成した下端管状部の中に配され、
前記円錐体は円錐体の頂点が底面の円と直交する範囲において自在に位置調整が可能である竪型粉砕機。
【請求項2】
円錐体は斜円錐体であって、
前記シュートの直下に位置するように、前記シュートの下方に設けられた漏斗状の内部コーンの内側に配され、
前記円錐体は時計回り又は反時計回りに回転調整が可能である請求項1に記載の竪型粉砕機。
【請求項3】
内部コーンは上下に2分割可能な構造であって、
下方分割部の最上部には円錐体が固設され、前記下方分割部を時計回り又は反時計回りに回転し、
前記円錐体を回転調整する請求項2に記載の竪型粉砕機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
石炭、石灰石、セメント原料、クリンカ、スラグ、オイルコークス及びその他の無機原料、有機原料などの固体物を粉砕するための竪型粉砕機に関する。
【背景技術】
【0002】
粉砕機は石炭、石灰石、セメント原料などを粉砕して微粉化させる装置であり、竪型粉砕機は円盤状の回転テーブルに粉砕ローラを油圧や自重で押し付けて、粉砕ローラと回転テーブルの間で圧縮粉砕を行なっている。この竪型粉砕機は単位粉砕量あたりの動力消費が少なく、また効率的に粉砕できるといった特性を持っていることから広く利用されている。
【0003】
竪型粉砕機内へ原料をシュートより供給すると、内部コーンの下端管状部を介して、回転テーブルの中心に落下し、遠心力によって外周へ押し出され、粉砕ローラと回転テーブルの間に噛み込まれて圧縮とせん断力により粉砕される。この粉砕機内では、粉砕ローラ回転部と回転テーブルの外周にある下部ケーシングとの間に隙間を設けており、その隙間からガスを噴出している。粉砕された原料は、回転テーブルの外周部とケーシングとの間の隙間方向へ向かいガスの気流に乗せられて上昇し搬送される。このようにして、上方につけられた分級機(セパレータ)へ送られ分級され、最後には外部へ製品として回収される。また、サイズが大きく粉砕が不十分なものは、分級機を通過することができず、再度、回転テーブル上へ供給されて粉砕される。
【0004】
このように、ガスの気流を利用して粉砕物を機内の上方へ搬送して取り出す一方で、ガス気流によって搬送できないような大きな粒径の粉砕物は回転テーブルより落下して、機体の下方から回収される。その後、回収された粉砕物はバケットエレベータによって機体の上方より再度、回転テーブル上に供給されて繰り返し所望の粒径になるまで粉砕する構成となっている。
【0005】
竪型粉砕機が粉砕する機能を果たすためには、粉砕ローラのローラタイヤを所定の形状通りに維持していくことが重要であるが、粉砕する時間経過と共に摩耗が進行し、形状が変化する。
また、竪型粉砕機内へ供給された原料は、原料の種類や粉砕条件などによって回転テーブル上で偏って堆積し原料層の層厚が不均一になる。そのため、ケーシング内に固設されている複数の粉砕ローラのローラタイヤへかかる負荷は粉砕ローラの設置位置によって異なり、粉砕ローラごとの摩耗の進行程度にもばらつきが生じる。
このようにローラタイヤが摩耗すると、原料の粉砕が不十分になり、得られる粉砕物の品質が低下してしまう。また、分級機によって粉砕が不十分な粉砕物を再度、粉砕するために余分なエネルギーを消費してしまう。再度、粉砕を行なったとしても、摩耗したローラタイヤでは、所望の粉砕物を得ることは難しい。
【0006】
そこで、一般的に竪型粉砕機において、ローラタイヤの摩耗が進行すると、粉砕ローラのローラタイヤを外して新品に交換、もしくは摩耗があまり進行していないローラタイヤとの交換を行なっている。
しかしながら、竪型粉砕機の運転を停止して機内の冷却を行なった後に、粉塵が発生したケーシング内の悪い環境の下で作業員が作業を行なわなければならない。さらに、ローラタイヤの摩耗状態などを機外から検出する装置を持たない竪型粉砕機においては、ケーシング内に作業員が入ってローラ軸一式を取り外して各部品の状態を点検した上で、交換が必要であるかを判断しなければならない。
【0007】
点検や交換作業後の運転再開においても、ローラタイヤの取り付けに回転テーブルとの隙間調整やケーシング内の加熱など準備作業が必要になるため手間がかかっている。
また、竪型粉砕機の運転を停止してから再開するまでの運転できない時間が長いため、ローラタイヤの交換作業は稼働率を低下させてしまうため問題になっている。
このような状況において、運転トラブルによる想定外のメンテナンス作業は竪型粉砕機を含む設備全体の操業停止を招く危険性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平10-118510号公報
【文献】特開2018-81012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の問題に鑑みて、定期点検などにより粉砕ローラを交換した場合、粉砕ローラと回転テーブルの隙間を迅速かつ正確に調整し設定できるため、運転再開までの時間を短縮することができる技術が特許文献1に開示されている。
また特許文献2には、運転を停止することなく、粉砕ローラ、特に軸受の初期異常を高精度で検出可能な異常検出装置を提供する技術が開示されている。
これらの従来技術によって、運転再開までの時間短縮や運転停止を回避した点検が行なわれ操業の安定化が図られている。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、原料の供給バランスの偏りによって、回転テーブル上に偏って原料が堆積し、粉砕ローラのローラタイヤの摩耗が不均一に進行すること(あるローラタイヤだけ摩耗の進行程度が大きいなど)を防ぐ竪型粉砕機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための第1の手段として、
回転テーブル上に回転自在な粉砕ローラを配して、
前記回転テーブルと前記粉砕ローラの間に噛み込まれることで圧縮とせん断力によって原料を粉砕する竪型粉砕機において、
原料供給口から前記回転テーブルに向かって延びるシュートと前記回転テーブルの間に円錐体を配し、
前記円錐体は直円錐体若しくは斜円錐体であって、
前記シュートの下方に設けられた漏斗状の内部コーンの下端に形成した下端管状部の中に配され、
前記円錐体は円錐体の頂点が底面の円と直交する範囲において自在に位置調整が可能である竪型粉砕機を提供することにある。
上記第1の手段によれば、投入される原料が円錐体によって放射状に流れ、円錐体の頂点が底面の円の中心と成す角度によって円錐体の側面の傾斜角を調整することで、投入される原料の流れをコントロールし、回転テーブル上へ均一に原料を供給することができるため、ローラタイヤへの不均一な摩耗を防ぐことができる。
【0014】
上記の課題を解決するための第2の手段として、
円錐体は斜円錐体であって、
前記シュートの直下に位置するように、前記シュートの下方に設けられた漏斗状の内部コーンの内側に配され、
前記円錐体は時計回り又は反時計回りに回転調整が可能である第1の手段に記載の竪型粉砕機を提供することにある。
上記第2の手段によれば、斜円錐体の側面の傾斜角を変化させ、さらに回転調整することで、投入される原料の流れをコントロールし、回転テーブル上へ均一に原料を供給できるため、ローラタイヤの不均一な摩耗を防ぐことができる。
【0015】
上記の課題を解決するための第3の手段として、
内部コーンは上下に2分割可能な構造であって、
下方分割部の最上部には円錐体が固設され、前記下方分割部を時計回り又は反時計回りに回転し、
前記円錐体を回転調整する第2の手段に記載の竪型粉砕機を提供することにある。
上記第3の手段によれば、斜円錐体の側面の傾斜角を変化させ、さらに回転調整することで、投入される原料の流れをコントロールし、回転テーブル上へ均一に原料を供給できるため、ローラタイヤの不均一な摩耗を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、円錐体によって、竪型粉砕機内へ投入された原料が回転テーブル上へ偏りなく均一に分散して堆積されるため、粉砕ローラのローラタイヤごとの摩耗の進行程度を均一にすることができる。これにより、ローラタイヤの交換頻度を下げるだけでなく、ローラタイヤの異常な摩耗の進行を防ぎ、突発的なメンテナンス作業を回避することができるため、操業の安定化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の下端管状部に配した円錐体の断面図である。
【
図2】本発明の下端管状部に配した円錐体の説明図であり、(a)は調整前の実施形態を、(b)は調整後の実施形態を示している。
【
図3】本発明の内部コーンに配した円錐体の断面図である。
【
図4】本発明の内部コーンに配した円錐体の説明図であり、(a)は調整前の実施形態を、(b)は調整後の実施形態を示している。
【
図5】本発明の上下2分割に可能な内部コーンに配した円錐体の断面図である。
【
図6】本発明の上下2分割に可能な内部コーンに配した円錐体の説明図であり、(a)は調整前の実施形態を、(b)は調整後の実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0019】
[従来の竪型粉砕機]
図7は、従来の竪型粉砕機の断面図である。図示のように、竪型粉砕機1には、外郭を形成する上部ケーシング2A及び下部ケーシング2Bの下方に設置された減速機と駆動モータ(不図示)によって駆動される回転テーブル6と粉砕ローラ4Aを備えている。また、回転テーブル6の上方には、形状が漏斗状の内部コーン3Aを配し、内部コーン3Aの上部に分級機構8が固定されている。分級機構8の中心及び内部コーン3Aの下部開口の中心と同軸上に円筒状の原料供給口10を配置しており、原料供給口10より投入された原料は、シュート5を介して回転テーブル6上に堆積していく。堆積した原料は、粉砕ローラ4Aのローラタイヤ4Bと回転テーブル6の間に噛み込まれて圧縮とせん断力によって粉砕される。
さらに、竪型粉砕機1は、回転テーブル6の下方にガスを導入するためのガス導入口7と、ガス気流によって搬送できないような粉砕が不十分な重量の大きな粉砕物を取り出すための排出シュート11と、分級機構8の上方にガスと共に所望の粒径になった粉砕物(製品)を取り出す上部取出口12を備えている。
【0020】
[下端管状部内に円錐体を配置]
本発明の竪型粉砕機において、
図1に示すように内部コーン23Aの下端管状部23Bの排出口付近に円錐体22が配置される。この配置の調整は、下端管状部23B内に支持される少なくとも2方向から等間隔に配された支持体24によって行われる。
図2には、下端管状部23B内に4方向から等間隔に配された支持体24によって支持された円錐体22を示す。この構造において、円錐体22は時計回り又は反時計回りに回転して調整可能であって、円錐体22を支持する4つの支持体24を下端管状部23Bの内壁面へ向かって円錐体22を押し引きすることで円錐体22の底面と同一平面上をx軸方向若しくはy軸方向へと移動調整する。
このとき、下端管状部23B内に設けられた円錐体22は斜円錐体又は直円錐体であり、円錐体22の底面の直径サイズや側面の傾斜角は、竪型粉砕機に投入される原料の流れの傾向によって調整する。また、円錐体22の底面の円の直径サイズは、下端環状部23Bの内径サイズの5分の2以下のサイズが望ましい。支持体24にはボールねじ又はナットとねじを組み合わせた構造を採用し、円錐体22と支持体24の接続部はフレキシブルに支持可能な可動ジョイントを用いる。
【0021】
このような円錐体22の位置調整は、予め確認した原料流れの傾向から判断する。円錐体22を回転テーブルの対向する平面上においてx軸方向若しくはy軸方向へ自在に移動させて、下端管状部23B内と円錐体22の隙間の幅を調整し、回転テーブル上において原料が偏在して量が少なくなる傾向の箇所へは多くの量の原料が供給されるように(反対に、量が多くなる傾向の箇所へは原料の供給を抑えるように)する。
【0022】
図2には円錐体の頂点21が円錐体22の底面の円の中心とは直交しない斜円錐体が示してあり、
図2(a)の実施形態を調整前とすると、
図2(b)の実施形態は(a)の実施形態から円錐体22の底面の円の中心を基準点にして円錐体22を時計回りに20°回転した後、円錐体22の底面と同一平面上を下端管状部23Bの内径が1mの場合、x軸方向へ-3cm、y軸方向へ+10cm移動し調整した結果である。
図2において(a)は調整前の実施形態とするが、調整の結果、(a)の実施形態にもなり得る。
このようにして、予め確認した原料流れによって、下端管状部23B内に設けた最適な傾斜角の円錐体22を回転かつ、円錐体22と同一平面上をx軸方向又はy軸方向へと移動調整することで、回転テーブル上に堆積する原料の偏在を防ぎ、ローラタイヤの摩耗の進行程度を均一にできるため、時間と手間のかかる作業である粉砕ローラのメンテナンスやローラタイヤの交換の頻度を下げることができる。また、ローラタイヤの異常な摩耗の進行を防ぎ、突発的なメンテナンス作業を回避することができるため、操業の安定化が可能になる。
【0023】
[内部コーン内に円錐体を配置]
図3、5に示すように、円錐体32、42は内部コーン33A、43A内の斜面長の中間地点に少なくとも2方向から等間隔に支持体34、44によって支持して、投入される原料が回転テーブル上に偏って堆積しないように、投入された原料の流れをコントロールする。
このとき、内部コーン33A、43A内に設けられる円錐体32、42は斜円錐体であり、予め確認した原料流れの傾向に応じて、最適な傾斜角に調整する。さらに、円錐体32、42の頂点は底面と直交する位置になければならず、底面と直交する平面において底面の円と同軸上にある同じサイズの円内を自在に移動が可能である、つまり種々の傾斜角に調整可能である。このとき、円錐体32、42の底面となる円の直径は原料が回転テーブルに供給されるシュート35、45の開口径のサイズと同じである。
【0024】
図3に示すように原料供給口から回転テーブルに向かって延びるシュート35の直下に円錐体32が設けられており、円錐体32は内部コーン33A内の空間に4方向から十字状に架けられた支持体34の上に固設されている。
【0025】
図4は内部コーン33Aの内側に固設された円錐体32を説明する図である。円錐体32の底面の固定穴36と支持体34を下からボルト留めして支持体上34に固設される。そのため、円錐体32の底面にはボルトの固定用に等間隔に固定穴36が設けられており、固定穴36の数は粉砕機のサイズや粉砕条件によって変更可能である。
円錐体32は斜円錐体であって、円錐体の頂点31は円錐体32の底面の円の中心とは直交せず、円錐体32の傾斜角は予め確認する原料の流れによって調整可能である。
この円錐体32を回転調整することで、円錐体の頂点31の位置を調整し原料の流れをコントロールする。
図4(a)の実施形態を調整前とすると、
図4(b)の実施形態は(a)の実施形態から円錐体32を底面の円の中心を基準点にして時計回りに120°回転調整した結果である。
図4において(a)は調整前の実施形態とするが、調整の結果、(a)の実施形態にもなり得る。
このようにして、予め確認した原料流れによって、内部コーン33A内に設けた最適な傾斜角の円錐体32を回転調整することで、回転テーブル上に堆積する原料の偏在を防ぎ、ローラタイヤの摩耗の進行程度を均一にできるため、時間と手間のかかる作業である粉砕ローラのメンテナンスやローラタイヤの交換の頻度を下げることができる。また、ローラタイヤの異常な摩耗の進行を防ぎ、突発的なメンテナンス作業を回避することができるため、操業の安定化が可能になる。
【0026】
また、
図5に示すように原料供給口から回転テーブルに向かって延びるシュート45の直下に円錐体42が設けられており、円錐体42は上下に2分割できる内部コーン43Aの下部構造から内部コーン43A内の空間に4方向から十字に延伸した支持体44上に固設されている。
円錐体42が固設される支持体44と一体型である内部コーン43Aの下部構造には、内部コーン43Aの外周を囲う環状の固定具があって、その固定具には等間隔に設けられた複数の固定穴があって、ボルト47で締めて固設される。
【0027】
図5は内部コーン43Aの内側に固設された円錐体42を説明する図である。円錐体42は斜円錐体であって、円錐体の頂点41は円錐体42の底面の円の中心とは直交せず、円錐体42の傾斜角は予め確認する原料の流れによって調整可能である。
この円錐体42を回転調整することで、円錐体の頂点41の位置を調整し原料の流れをコントロールする。このとき、円錐体42は固定具にある固定穴46にあわせて回転し固設されるため、固定穴46の数は粉砕機のサイズや粉砕条件によって変更可能である。
図6(a)の実施形態を調整前とすると、
図6(b)の実施形態は(a)の実施形態から円錐体32の底面の円の中心を基準点にして円錐体32を時計回りに30°回転調整した結果である。
図6において(a)は調整前の実施形態とするが、調整の結果、(a)の実施形態にもなり得る。
このようにして、予め確認した原料流れによって、内部コーン43A内に設けた最適な傾斜角の円錐体42を回転調整することで、回転テーブル上に堆積する原料の偏在を防ぎ、ローラタイヤの摩耗の進行程度を均一にできるため、時間と手間のかかる作業である粉砕ローラのメンテナンスやローラタイヤの交換の頻度を下げることができる。また、ローラタイヤの異常な摩耗の進行を防ぎ、突発的なメンテナンス作業を回避することができるため、操業の安定化が可能になる。
【0028】
また竪型粉砕機に投入される原料が繰り返し粉砕されることで粉砕ローラへの噛み込み力が低下してスティックスリップ現象が生じて異常振動を引き起こすといった問題も、上記、本発明によって回転テーブル上へ均一に原料が堆積するため、確実に粉砕ローラへ噛み込まれることで防ぐことが期待される。
【0029】
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 竪型粉砕機
2A 上部ケーシング
2B 下部ケーシング
3A、23A、33A、43A 内部コーン
3B、23B、33B、43B 下端管状部
4A 粉砕ローラ
4B ローラタイヤ
5、25、35、45 シュート
6 回転テーブル
7 ガス導入口
8 分級機構
10 原料供給口
11 排出シュート
12 上部取出口
21、31、41 円錐体の頂点
22、32、42 円錐体
24、34、44 支持体
36、46 固定穴
47 ボルト