(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20240806BHJP
H04W 76/30 20180101ALI20240806BHJP
H04W 92/08 20090101ALI20240806BHJP
H04M 1/663 20060101ALI20240806BHJP
H04M 1/724 20210101ALI20240806BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H04W76/10 130
H04W76/30
H04W92/08 110
H04M1/663
H04M1/724
G06F3/12 304
G06F3/12 338
G06F3/12 353
(21)【出願番号】P 2020115949
(22)【出願日】2020-07-03
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】助川 正人
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-163791(JP,A)
【文献】国際公開第2016/189613(WO,A1)
【文献】特開2019-129429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/09-3/12
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-1/82
99/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、前記プロセッサは、
通信を行う端末に表示された前記通信の設定に関する情報である設定情報を認識し、
認識した前記設定情報に基づいて、前記通信を行うためのネットワークの識別名を設定して、前記識別名が設定された前記ネットワークを介して前記端末との通信を行
い、
前記端末との前記通信が確立した後、前記通信を介して前記設定情報を再び取得し、読み取って取得した前記設定情報と、前記通信を介して取得した前記設定情報と、が対応しない場合、前記通信を遮断する
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記通信を遮断した場合、遮断した旨を通知する請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定情報は、前記端末に記憶されている情報、及び前記端末から発行された情報の少なくとも一方である請求項1
又は請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記端末から発行された情報は、前記端末で生成された情報を暗号化して発行される請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定情報は、印刷する際の設定に関する情報である印刷設定情報を含み、
前記プロセッサは、前記設定情報に含まれる前記印刷設定情報に基づいて、印刷を実行する請求項1から請求項
4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記ネットワークを介して、前記印刷設定情報を適用して印刷する印刷データを取得する請求項
5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項
6の何れか1項に記載の情報処理装置と、
通信の設定に関する情報である設定情報を表示し、前記設定情報に基づく識別名が設定されたネットワークを介して前記情報処理装置との通信を行う端末と、
を備えた情報処理システム。
【請求項8】
前記端末は、前記設定情報を表示した後、前記識別名が設定された前記ネットワークを検出する請求項
7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータに
通信を行う端末に表示された前記通信の設定に関する情報である設定情報を認識し、
認識した前記設定情報に基づいて、前記通信を行うためのネットワークの識別名を設定して、前記識別名が設定された前記ネットワークを介して前記端末との通信を行
い、
前記端末との前記通信が確立した後、前記通信を介して前記設定情報を再び取得し、読み取って取得した前記設定情報と、前記通信を介して取得した前記設定情報と、が対応しない場合、前記通信を遮断する
ことを実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サーバ装置と携帯端末とを含むシステムであって、該システムに接続されるサービス装置と前記携帯端末とが通信を行う通信システムであって、前記携帯端末は、前記サーバ装置へ接続するための第1の接続情報と前記サービス装置の識別情報とを前記サービス装置から取得する取得手段と、前記取得手段で取得した前記第1の接続情報に基づいて前記取得手段によって取得された前記サービス装置の識別情報を前記サーバ装置に送信し、該サーバ装置から送信される前記サービス装置へ接続するための第2の接続情報を含む通信プログラムを受信する第1の通信手段と、前記第1の通信手段によって受信された通信プログラムを実行することにより、前記サービス装置と直接通信を行う第2の通信手段と、を有し、前記サーバ装置は、前記サービス装置の識別情報と前記第2の接続情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、前記携帯端末から送信されたサービス装置の識別情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記第2の接続情報を含む通信プログラムを、送信元の前記携帯端末へ送信する送信手段と、を有することを特徴とする通信設定システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公共性の高い施設に設置されている機器(例えば、画像形成装置)と、移動端末(例えば、スマートフォン)と、が通信を行う場合において、移動端末、及び機器が1対1のセキュリティ性が高い通信を行う場合、通信を行うための設定が必要となることがある。そのため、通信に必要な設定を手動で行う代わりに、移動端末がネットワークを介してサーバから接続の設定に関する情報を取得して、機器との通信を確立する技術がある。
【0005】
しかしながら、機器と通信を行う場合、サーバにアクセスする等の通信を行うための操作が必要となり、必ずしも機器との通信の設定における負担を軽減できるとは限らなかった。
【0006】
本発明は、移動端末を通信対象である機器とは別の装置に接続することなく、通信を設定できる情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様の情報処理装置は、プロセッサを有し、プロセッサは、通信を行う端末に表示された通信の設定に関する情報である設定情報を認識し、認識した設定情報に基づいて、通信を行うためのネットワークの識別名を設定して、識別名が設定されたネットワークを介して端末との通信を行う。
【0008】
第2の態様の情報処理装置は、第1の態様に係る情報処理装置において、プロセッサが、端末との通信が確立した後、通信を介して設定情報を再び取得し、読み取って取得した設定情報と、通信を介して取得した設定情報と、が対応しない場合、通信を遮断する。
【0009】
第3の態様の情報処理装置は、第2の態様に係る情報処理装置において、プロセッサが、通信を遮断した場合、遮断した旨を通知する。
【0010】
第4の態様の情報処理装置は、第1の態様から第3の態様の何れか1つの態様に係る情報処理装置において、設定情報は、端末に記憶されている情報、及び端末から発行された情報の少なくとも一方である。
【0011】
第5の態様の情報処理装置は、第4の態様に係る情報処理装置において、端末から発行された情報は、端末で生成された情報を暗号化して発行される。
【0012】
第6の態様の情報処理装置は、第1の態様から第5の態様の何れか1つの態様に係る情報処理装置において、設定情報は、印刷する際の設定に関する情報である印刷設定情報を含み、プロセッサは、設定情報に含まれる印刷設定情報に基づいて、印刷を実行する。
【0013】
第7の態様の情報処理装置は、第6の態様に係る情報処理装置において、プロセッサが、ネットワークを介して、印刷設定情報を適用して印刷する印刷データを取得する。
【0014】
第8の態様の情報処理システムは、第1の態様から第7の態様の何れか1つの態様に係る情報処理装置と、通信の設定に関する情報である設定情報を表示し、設定情報に基づく識別名が設定されたネットワークを介して情報処理装置との通信を行う端末と、を備えている。
【0015】
第9の態様の情報処理システムは、第8の態様に係る情報処理システムにおいて、端末が、設定情報を表示した後、識別名が設定されたネットワークを検出する。
【0016】
第10の態様の情報処理プログラムは、コンピュータに通信を行う端末に表示された通信の設定に関する情報である設定情報を認識し、認識した設定情報に基づいて、通信を行うためのネットワークの識別名を設定して、識別名が設定されたネットワークを介して端末との通信を行うことを実行させる。
【発明の効果】
【0017】
第1の態様の情報処理装置、第8の態様の情報処理システム、及び第10の態様の情報処理プログラムによれば、移動端末を通信対象である機器とは別の装置に接続することなく、通信を設定できる。
【0018】
第2の態様の情報処理装置によれば、端末に表示された設定情報、及び通信を介して取得した設定情報を考慮しない場合と比較して、よりセキュリティが高められる。
【0019】
第3の態様の情報処理装置によれば、通知を行わない場合と比較して、より早く通信が遮断されたことを検知できる。
【0020】
第4の態様の情報処理装置によれば、識別名に設定する設定情報が1つに定められている場合と比較して、よりセキュリティが高められる。
【0021】
第5の態様の情報処理装置によれば、暗号化しない場合と比較して、よりセキュリティが高められる。
【0022】
第6の態様の情報処理装置によれば、印刷における設定を印刷する際に手動で行う場合と比較して、より早くに印刷を実行できる。
【0023】
第7の態様の情報処理装置によれば、容量の大きい印刷データを取得できる。
【0024】
第9の態様の情報処理システムによれば、ネットワークを検出しない場合と比較して、容易にネットワークに接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】各実施形態に係る情報処理システムの一例を示す模式図である。
【
図2】各実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
【
図3】各実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】各実施形態に係る移動端末のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
【
図5】各実施形態に係る移動端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】第1実施形態に係る情報処理システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図7】第2実施形態に係る情報処理システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図8】第2実施形態に係る相互認証の説明に供する情報処理システムの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0027】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10、及びユーザによって携帯可能な移動端末50を備えている。
【0028】
情報処理装置10は、移動端末50から印刷に関するデータを取得し、印刷を実行する画像形成装置である。情報処理装置10は、移動端末50と通信を行うための通信装置100を備えている。
【0029】
移動端末50は、情報処理装置10に印刷に関するデータを送信する端末であり、例えば、移動端末50は、ユーザが携帯し、持ち運び可能なスマートフォン、タブレット、及びパーソナルコンピュータ等の端末である。
【0030】
情報処理装置10、及び移動端末50間のデータの送受信に際し、情報処理装置10、及び移動端末50間の通信を確立するために、情報処理装置10は、通信の設定に関する情報(以下、「設定情報」という。)を認識する。設定情報は、例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標)として、後述する移動端末50のモニタ56に表示される。この場合、情報処理装置10は、QRコードリーダを備え、QRコード(登録商標)を認識する。情報処理装置10は、QRコード(登録商標)として認識された設定情報に基づいて、ネットワークの識別名を設定し、設定された識別名を有するネットワークを通信装置100により起動させる。起動されたネットワークを介して、情報処理装置10、及び移動端末50は、通信を行う。識別名は、例えばSSID(Service Set IDentifier)である。
【0031】
通信装置100は、情報処理装置10に接続され、通信を介して、情報処理装置10と、移動端末50と、を接続するルータである。また、通信装置100は、ネットワークを識別するSSIDを情報処理装置10から受け付け、受け付けたSSIDを設定したネットワークの起動、及び停止を行う。
【0032】
なお、本実施形態に係る情報処理装置10は、プリント機能、コピー機能、スキャン機能、及びファクシミリ機能等の機能を有する画像形成装置である形態について説明する。しかし、これに限定されない。公共施設等に設置され、移動端末50と通信が可能な機器であれば、如何なる装置であってもよい。例えば、情報処理装置10は、店舗等に設置されているPOS(Post Of Sale)レジスタであってもよいし、マルチメディアステーションであってもよい。
【0033】
また、本実施形態に係る通信装置100は、情報処理装置10と別体であるように図示したが、情報処理装置10に搭載されている形態について説明する。しかし、これに限定されない。通信装置100は、情報処理装置10と別体であってもよい。また、本実施形態に係る通信装置100は、ルータである形態について説明した。しかし、これに限定されない。通信装置100は、通信を介して、情報処理装置10、及び移動端末50を接続できれば、ブリッジであってもよいし、LAN(Local Area Network)のみで通信を行うアクセスポイント機能を搭載したルータであってもよい。
【0034】
次に、
図2を参照して、情報処理装置10の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、モニタ16、通信インターフェース(通信I/F)17、QRコードリーダ18、及び通信装置100を含んで構成されている。CPU11、ROM12、RAM13、ストレージ14、入力部15、モニタ16、通信I/F17、及びQRコードリーダ18の各々はバス19により相互に接続されている。ここで、CPU11は、プロセッサの一例である。
【0036】
CPU11は、情報処理装置10の全体を統括し、制御する。ROM12は、本実施形態で用いる情報処理プログラムを含む各種プログラム及びデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラムの実行時のワークエリアとして用いられるメモリである。CPU11は、ROM12に記憶されたプログラムをRAM13に展開して実行することにより、ネットワークを起動し、移動端末より印刷物のデータを取得する処理を行う。ストレージ14は、一例としてHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等である。なお、ストレージ14には、情報処理プログラム等を記憶してもよい。入力部15は、文字の入力等を受け付ける入力キー及びタッチパネル等である。モニタ16は、画像データ等を表示する。通信I/F17は、通信装置100に接続され、移動端末50に対してデータの送受信を行う。QRコードリーダ18は、移動端末50に表示されたQRコード(登録商標)を読み取り、データの受信を行う。
【0037】
次に、
図3を参照して、情報処理装置10の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
図3に示すように、情報処理装置10は、認識部21、設定部22、通信部23、取得部24、処理部25、及び印刷部26を備えている。CPU11が情報処理プログラムを実行することで、認識部21、設定部22、通信部23、取得部24、処理部25、及び印刷部26として機能する。
【0039】
認識部21は、移動端末50に表示されたQRコード(登録商標)を認識して、QRコード(登録商標)によって示される移動端末50と通信を行うための設定に関する情報である設定情報を取得する。ここで、本実施形態に係る設定情報は、移動端末50の固有の情報、又は移動端末50から発行される情報である。設定情報については、後述する
図5にて詳細に説明する。なお、本実施形態に係るQRコード(登録商標)は、設定情報を示す形態について説明した。しかし、これに限定されない。QRコード(登録商標)は、印刷する際の設定に関する情報(以下、「印刷設定情報」という。)を含んでいてもよい。ここで、印刷設定情報は、ユーザによって予め設定されている情報である。
【0040】
設定部22は、認識部21によって取得した設定情報を移動端末50と通信を行うネットワークを識別するSSIDに設定する。
【0041】
通信部23は、設定部22によって設定されたSSIDのネットワークの起動、及び停止を実行し、移動端末50とデータの送受信を行う。
【0042】
取得部24は、移動端末から印刷物のデータを取得する。また、取得部24は、QRコード(登録商標)を介して取得した設定情報を移動端末から再度取得する。
【0043】
処理部25は、QRコード(登録商標)を介して取得した設定情報と、ネットワークを介して取得した設定情報と、を比較し、対応するか否かの判定を行う。QRコード(登録商標)を介して取得した設定情報と、ネットワークを介して取得した設定情報と、が対応していない場合、処理部25は、ネットワークを遮断し、ネットワークを遮断した旨を通知する処理を行う。なお、本実施形態に係る対応とは、QRコード(登録商標)を介して取得した設定情報と、ネットワークを介して取得した設定情報と、の一致率が予め定められた割合である形態について説明する。
【0044】
印刷部26は、ネットワークを介して印刷データを取得し、QRコード(登録商標)を介して取得した印刷設定情報に基づいて、印刷データを印刷する。
【0045】
次に。
図4を参照して、移動端末50の構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る移動端末50のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0046】
図4に示すように、本実施形態に係る移動端末50は、CPU51、ROM52、RAM53、ストレージ54、入力部55、モニタ56、及び通信I/F57を含んで構成されている。CPU51、ROM52、RAM53、ストレージ54、入力部55、モニタ56、及び通信I/F57の各々はバス59により相互に接続されている。
【0047】
CPU51は、移動端末50の全体を統括し、制御する。ROM52は、情報処理装置10と接続する接続プログラムを含む各種プログラム及びデータ等を記憶している。RAM53は、各種プログラムの実行時のワークエリアとして用いられるメモリである。CPU51は、ROM52に記憶されたプログラムをRAM53に展開して実行することにより、ネットワークを介して印刷データを送信する処理を行う。ストレージ54は、一例としてHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等である。なお、ストレージ54には、設定情報を記憶してもよい。入力部55は、文字の入力等を受け付ける入力キー及びタッチパネル等である。モニタ56は、QRコード(登録商標)等を表示する。通信I/F57は、通信を介して、情報処理装置10に対してデータの送受信を行う。
【0048】
次に、
図5を参照して、移動端末50の機能構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る移動端末50の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0049】
図5に示すように、移動端末50は、生成部61、表示部62、及び通信部63を備えている。CPU11が接続プログラムを実行することで、生成部61、表示部62、及び通信部63として機能する。
【0050】
生成部61は、移動端末50が記憶している設定情報を変換してQRコード(登録商標)を生成する。ここで、上述したように、設定情報として、移動端末50の固有の情報が設定される。移動端末50の固有の情報とは、例えば、移動端末50に記憶されている移動端末50のMAC(Media Access Control)アドレス、及び移動端末50に静的に設定されているIP(Internet Protocol)アドレス等である。
【0051】
なお、本実施形態では、設定情報として、移動端末50の固有の情報が設定される形態について説明した。しかし、これに限定されない。移動端末50から発行された情報を設定情報として設定してもよい。例えば、一定の規則性に基づいて変換を行う暗号化を移動端末50の固有の情報に施して、設定情報に設定してもよいし、移動端末50の固有の情報からランダムに文字を抽出して、設定情報に設定してもよい。暗号化の一例として、ビット化した対象の文字列と、任意のビット列と、のXOR演算を行うXOR暗号、及び対象の文字列の各文字を辞書順に予め定められた文字数分シフトするシーザ暗号等が適用可能である。
【0052】
また、移動端末50から一定期間毎に発行されるワンタイムパスワードを生成して、設定情報に設定してもよいし、生成した情報に対して暗号化を施して設定情報に設定してもよい。つまり情報処理装置10、及び移動端末50のみが知り得る情報であれば、如何なる情報を設定情報に設定してもよい。
【0053】
したがって、設定情報として、暗号化した情報、ランダムに抽出した情報、及びワンタイムパスワード等の情報を設定することによって、情報処理装置10と、移動端末50が接続するネットワークのSSIDが事前に漏洩することが抑制される。
【0054】
表示部62は、生成部61で生成されたQRコード(登録商標)を表示する。ここで、QRコード(登録商標)には、印刷設定情報が含まれている。
【0055】
通信部63は、SSIDに設定情報が設定されたネットワークを検出するまでポーリング通信を行い、ネットワークを検出した場合、情報処理装置10に印刷データを送信する。
【0056】
次に、
図6を参照して、情報処理装置10と移動端末50とが協働する情報処理システムの作用について説明する。
図6は、本実施形態の情報処理システムの流れの一例を示すシーケンス図である。
【0057】
一例として、
図6に示すように、移動端末50は、記憶している設定情報、及び印刷設定情報を取得して(ステップS101)、設定情報、及び印刷設定情報を用いてQRコード(登録商標)を生成し(ステップS102)、移動端末50のモニタ56にQRコード(登録商標)を表示する(ステップS103)。
【0058】
情報処理装置10は、ユーザによってかざされた移動端末50のモニタ56に表示されたQRコード(登録商標)を認識し(Sステップ104)、QRコード(登録商標)から設定情報、及び印刷設定情報を取得する(ステップS105)。情報処理装置10は、取得した設定情報をネットワークのSSIDに設定し(ステップS106)、通信装置100にSSIDを設定したネットワークを起動させる(ステップS107)。
【0059】
移動端末50は、QRコード(登録商標)を表示した後、SSIDに設定情報が設定されたネットワークを検出するポーリングを行い、ネットワークを検出して接続できた場合(ステップS108:YES)、印刷データを情報処理装置10に送信する(ステップS109)。一方、ネットワークを検出できない場合(ステップS108:NO)、移動端末50は、ネットワークを検出するまでポーリングを継続する。
【0060】
情報処理装置10は、印刷データを受け付け(ステップS110)、予め取得した印刷設定情報を適用して、印刷データの印刷を実行して(ステップS111)、通信装置100にネットワークを停止させる(ステップS112)。
【0061】
以上説明したように、本実施形態によれば、情報処理装置10、及び移動端末50のみが知り得る情報がSSIDに設定され、情報処理装置10、及び移動端末50の通信が行われる。したがって、移動端末50を通信対象である機器とは別の装置に接続することなく、通信を設定できる。
【0062】
[第2実施形態]
第1実施形態では、QRコード(登録商標)を介して設定情報を取得する形態について説明した。本実施形態では、QRコード(登録商標)、及びネットワークを介して設定情報を取得し、移動端末50を認証する形態について説明する。
【0063】
なお、本実施形態に係る情報処理システム構成(
図1参照)、情報処理装置10のハードウェア構成(
図2参照)、及び情報処理装置10の機能構成(
図3参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、本実施形態に係る移動端末50のハードウェア構成(
図4参照)、及び移動端末50の機能構成(
図5参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
本実施形態では、
図7を参照して、情報処理装置10と移動端末50とが協働する情報処理システムの作用について説明する。
図7は、本実施形態の情報処理システムの流れの一例を示すシーケンス図である。なお、
図7における
図6に示す情報処理と同一のステップについては、
図6と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0065】
情報処理装置10は、移動端末50から印刷データを受け付けた後、ネットワークを介して移動端末50に設定情報を要求する(ステップS113)。
【0066】
移動端末50は、設定情報を情報処理装置10に送信する(ステップS114)。
【0067】
情報処理装置10は、ネットワークを介して移動端末50から設定情報を取得し(ステップS115)、QRコード(登録商標)を介して取得した設定情報と、ネットワークを介して取得した設定情報と、が対応するか否かを判定する(ステップS116)。QRコード(登録商標)を介して取得した設定情報と、ネットワークを介して取得した設定情報と、が対応する場合(ステップS116:YES)、情報処理装置10は、QRコード(登録商標)を介して設定情報を送信した移動端末50と同一であると判断し、移動端末50を認証する。情報処理装置10は、印刷データの印刷を実行し(ステップS111)、通信装置100にネットワークを停止させる(ステップS117)。情報処理装置10は、ネットワークが停止した後、ネットワークを停止した旨をモニタ16に表示して通知する(ステップS118)。なお、QRコード(登録商標)を介して取得した設定情報と、ネットワークを介して取得した設定情報と、が対応する場合、情報処理装置10は、印刷が成功した旨を通知する。
【0068】
一方、QRコード(登録商標)を介して取得した設定情報と、ネットワークを介して取得した設定情報と、が対応しない場合(ステップS116:NO)、情報処理装置10は、移動端末50の認証を行わず、印刷を実行せずに、ネットワークを停止する(ステップS117)。情報処理装置10は、ネットワークを停止した後、ネットワークを停止した旨をモニタ16に表示して通知する(ステップS118)。なお、QRコード(登録商標)を介して取得した設定情報と、ネットワークを介して取得した設定情報と、が対応しない場合、情報処理装置10は、印刷が失敗した旨を通知する。
【0069】
なお、本実施形態では、移動端末50から情報処理装置10に設定情報を送信することによって、移動端末50を認証する形態について説明した。しかし、これに限定されない。情報処理装置10から移動端末50に設定情報を送信して、情報処理装置10を認証してもよいし、情報処理装置10、及び移動端末50がお互いに情報を送信して、相互に認証を行ってもよい。
【0070】
具体的には、一例として
図8に示すように、移動端末50は、QRコード(登録商標)を介して、設定情報、及び印刷設定情報を情報処理装置10に送信する。
【0071】
ネットワークを検出した後、移動端末50は、設定情報を情報処理装置10に送信し、情報処理装置10から印刷設定情報を取得する。QRコード(登録商標)を介して送信した印刷設定情報と、ネットワークを介して取得した印刷設定情報と、が対応する場合、移動端末50は、同一の情報処理装置10として、情報処理装置10を認証する。
【0072】
同様に、情報処理装置10は、印刷設定情報を移動端末50に送信し、移動端末50から設定情報を取得する。QRコード(登録商標)を介して取得した設定情報と、ネットワークを介して取得した設定情報と、が対応する場合、情報処理装置10は、同一の移動端末50として、移動端末50を認証する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、QRコード(登録商標)を介して取得した情報と、ネットワークを介して取得した情報と、が対応するか否かを判定することによって、情報処理装置10、及び移動端末50を認証できる。
【0074】
また、本実施形態に係る通知は、情報処理装置10のモニタ16に表示する形態について説明した。しかし、これに限定されない。移動端末50のモニタ56に表示してもよいし、音声で通知してもよい。
【0075】
以上、各実施形態を用いて本発明について説明したが、本発明は各実施形態に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で各実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0076】
上記実施形態においては、
図6のステップS110において、移動端末50から情報処理装置10に直接、印刷データを送信する形態について説明した。しかし、移動端末50から情報処理装置10へ直接印刷データを送信しなくてもよい。印刷データは、図示しないサーバ等に記憶されており、当該サーバから印刷データが情報処理装置10に送信されてもよい。この場合、例えば、移動端末50は、サーバにおける印刷データの格納場所を示す情報を、情報処理装置10に送信する。情報処理装置10は、格納場所を参照し、サーバから印刷データを取得できる。
【0077】
なお、本実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、例えばCPU等の汎用的なプロセッサや、例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びプログラマブル論理デバイス等の専用のプロセッサを含むものである。
【0078】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0079】
また、本実施形態では、情報処理プログラムがストレージ14にインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本実施形態に係る情報処理プログラムを、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、本発明に係る情報処理プログラムを、CD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態で提供してもよい。本発明に係る情報処理プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、本実施形態に係る情報処理プログラムを、通信I/F17に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11、51 CPU
12、52 ROM
13、53 RAM
14、54 ストレージ
15、55 入力部
16、56 モニタ
17、57 通信I/F
18 QRコードリーダ
19、59 バス
21 認識部
22 設定部
23、63 通信部
24 取得部
25 処理部
26 印刷部
50 移動端末
61 生成部
62 表示部
100 通信装置