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特許7532977ラベルプリンタ、ラベル診断システム及びラベル診断プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】ラベルプリンタ、ラベル診断システム及びラベル診断プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240806BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20240806BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20240806BHJP
   G06F 40/279 20200101ALI20240806BHJP
【FI】
G06F3/12 343
G06F3/12 344
G06F3/12 378
G06F3/12 303
B41J3/36 Z
B41J21/00 Z
G06F40/279
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020123304
(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公開番号】P2021039743
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】P 2019157436
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内山 康幸
(72)【発明者】
【氏名】重田 直希
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-010861(JP,A)
【文献】特開2000-293521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
B41J3/01-3/54
B41J5/00-5/52;21/00-21/18
G06F40/20-40/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルに印刷される項目及び当該項目の内容が対応付けられたラベルデータを取り込む取込部と、
前記取込部で取り込んだラベルデータと規則情報とを対比して、診断対象となる項目及び当該項目の内容が規則情報に適合しているか否か判定する診断部と、
前記診断部での判定結果が不適合である項目があった場合、当該不適合の項目を前記規則情報に基づき修正し当該修正された項目を強調表示して、ラベルデータに基づき出力されるラベルの形態で出力する出力部と
を備えたラベルプリンタ。
【請求項2】
ラベルに印刷される項目及び当該項目の内容に対応する規則情報を記憶する記憶部を備え、
前記診断部は、ラベルデータから文字を認識し、文字から文字列を認識し、文字列から単語、文章を認識して、診断対象となる項目、内容を識別し、
診断対象となる項目の内容と、前記記憶部に記憶された規則情報を対比して、当該内容の規則情報に対する適合、不適合を判定する
請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項3】
規則情報は、ラベルに印刷される項目の規則情報に則した書式ルールと、当該項目に含むことが可能な規則情報に則した物質のリスト情報を有し、
前記診断部は、診断対象となる項目の書式に関する情報と、規則情報に則した書式ルールの適合、不適合を判定すると共に、当該項目に含まれる物質に関する情報と、規則情報に則した物質のリスト情報の適合、不適合を判定する
請求項に記載のラベルプリンタ。
【請求項4】
前記診断部は、診断対象となる項目の内容を物質名と、数値または記号毎に区分し、区分した物質名、数値または記号毎に、診断対象となる項目の書式に関する情報と、規則情報に則した書式に関する情報の適合、不適合を判定すると共に、当該項目に含まれる物質に関する情報と、規則情報に則した物質のリスト情報の適合、不適合を判定する
請求項3に記載のラベルプリンタ。
【請求項5】
前記診断部は、診断対象となる項目の内容に、リスト情報に存在しない物質名が含まれているかを判定する
請求項3または請求項4に記載のラベルプリンタ。
【請求項6】
前記診断部は、診断対象となる項目に、書式ルールに存在しない書式が含まれているかを判定する
請求項3~請求項5の何れか1項に記載のラベルプリンタ。
【請求項7】
書式ルールは、当該項目の内容に印刷されるべき必須情報を有し、
前記診断部は、当該項目の内容に含まれる単語、または数値毎に、書式ルールに基づく必須情報が含まれているか判定する
請求項~請求項の何れか1項に記載のラベルプリンタ。
【請求項8】
前記診断部は、診断対象となる項目、当該項目の内容が規則情報に適合しない場合、法令に適合しない個所を、所定の変換ルールに基づき、規則情報に基づく項目、内容に変換する
請求項~請求項の何れか1項に記載のラベルプリンタ。
【請求項9】
前記診断部は、診断対象となる複数の項目を一括で判定する
請求項~請求項の何れか1項に記載のラベルプリンタ。
【請求項10】
前記診断部は、診断対象となる複数の項目を一括で変換する
請求項8または請求項9に記載のラベルプリンタ。
【請求項11】
診断対象となる項目は、少なくとも原材料、添加物、期限、栄養成分、アレルギーまたは不耐性を引き起こす物質を示すものである
請求項1~請求項10の何れか1項に記載のラベルプリンタ。
【請求項12】
前記診断部は、診断対象となる項目が原材料と添加物である場合、当該項目の内容が原材料と添加物に区別して配置されているか判定する
請求項11に記載のラベルプリンタ。
【請求項13】
前記診断部は、診断対象となる項目の内容に含まれる原材料と添加物が、罫線情報、または改行、または記号で区別して配置されているかを判定する
請求項12に記載のラベルプリンタ。
【請求項14】
前記診断部は、診断対象となる項目の内容に含まれる原材料と添加物が混在して配置されている場合には、原材料と添加物毎に区別して再配置する
請求項12に記載のラベルプリンタ。
【請求項15】
前記診断部は、診断対象となる項目の内容に含まれる期限が日付情報である場合、日付の年月日を区切る区切り情報に、使用不可の記号が含まれる場合には、使用可能な区切り情報に変換する
請求項11に記載のラベルプリンタ。
【請求項16】
診断対象となる項目は、原材料に含まれるアレルギーまたは不耐性を引き起こす物質を示すものである
請求項11に記載のラベルプリンタ。
【請求項17】
前記診断部は、診断対象となる項目が原材料で、原材料にアレルギーまたは不耐性を引き起こす物質が含まれる場合、原材料中にアレルギーまたは不耐性を引き起こす物質が含まれているか判定する
請求項16に記載のラベルプリンタ。
【請求項18】
前記診断部は、診断対象となる項目の内容に含まれるアレルギーまたは不耐性を引き起こす物質が、他の物質に対し、文字のフォント情報の変更、文字のスタイル情報の変更、文字の背景情報の変更で区別されているかを判定する
請求項11または請求項17に記載のラベルプリンタ。
【請求項19】
規則情報は、法令情報、または、業界、企業、店舗で運用される規則である
請求項1~請求項18の何れか1項に記載のラベルプリンタ。
【請求項20】
ラベルに印刷される項目及び当該項目の内容が対応付けられたラベルデータを取り込む取込部と、
前記取込部で取り込んだラベルデータと規則情報とを対比して、診断対象となる項目及び当該項目の内容が規則情報に適合しているか否か判定する診断部と、
前記診断部での判定結果が不適合である項目があった場合、当該不適合の項目を前記規則情報に基づき修正し当該修正された項目を強調表示して、ラベルデータに基づき出力されるラベルの形態で出力する出力部と
を備えたラベル診断システム。
【請求項21】
ラベルに印刷される項目及び当該項目の内容が対応付けられたラベルデータを取り込み、
取り込んだラベルデータと規則情報とを対比して、診断対象となる項目及び当該項目の内容が規則情報に適合しているか否か判定し、
判定結果が不適合である項目があった場合、当該不適合の項目を前記規則情報に基づき修正し当該修正された項目を強調表示して、ラベルデータに基づき出力されるラベルの形態で出力する
ラベル診断プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品に関連する各種情報をラベルに印刷するラベルプリンタ、ラベルを診断するラベル診断システム及びラベル診断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ラベルプリンタは、例えば、原材料、添加物、賞味期限、消費期限等の情報をラベルに印刷して期限ラベルを発行する用途で用いられる。
【0003】
また、食品表示法の改正により、2020年4月からラベルへの各種表示が義務化される。そのため、ユーザは法改正に則したラベルデータを新規に作成するか、既存のラベルデータを修正する必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、原材料ラベルの作成を補助する技術が開示されている。また、特許文献2には、添加物の分類毎に細かい物質名を表示させて、選択、入力を容易にした技術が開示されている。更に、特許文献3には、原材料を変更した場合は、栄養成分情報の確認を促す報知を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-330425号公報
【文献】特許第2629085号公報
【文献】特開2018-158541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来よりラベルプリンタを使用してラベルを発行しているユーザが、法改正や、業界、企業、店舗内等で運用される規則に則したラベルデータを新規に作成するのは手間が掛かる。しかし、既存のラベルデータを使用して、法令や、業界、企業、店舗内で運用される規則等に適合しているか否かを判定することはできず、既存のラベルデータを有効活用することができなかった。
【0007】
そこで、本開示に係るラベルプリンタ、ラベル診断システム及びラベル診断プログラムは、このような課題を解決するためなされたもので、既存のラベルデータを使用して、法令や、業界、企業等で運用される規則等に適合しているか否かを判定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明は、ラベルに印刷される項目及び当該項目の内容が対応付けられたラベルデータを取り込む取込部と、取込部で取り込んだラベルデータと規則情報とを対比して、診断対象となる項目及び当該項目の内容が規則情報に適合しているか否か判定する診断部と、診断部での判定結果が不適合である項目があった場合、当該不適合の項目を規則情報に基づき修正し当該修正された項目を強調表示して、ラベルデータに基づき出力されるラベルの形態で出力する出力部とを備えたラベルプリンタである。
【0010】
更に、本発明は、ラベルに印刷される項目及び当該項目の内容が対応付けられたラベルデータを取り込む取込部と、取込部で取り込んだラベルデータと規則情報とを対比して、診断対象となる項目及び当該項目の内容が規則情報に適合しているか否か判定する診断部と、診断部での判定結果が不適合である項目があった場合、当該不適合の項目を規則情報に基づき修正し当該修正された項目を強調表示して、ラベルデータに基づき出力されるラベルの形態で出力する出力部とを備えたラベル診断システムである。
【0012】
更に、本発明は、ラベルに印刷される項目及び当該項目の内容が対応付けられたラベルデータを取り込み、取り込んだラベルデータと規則情報とを対比して、診断対象となる項目及び当該項目の内容が規則情報に適合しているか否か判定し、判定結果が不適合である項目があった場合、当該不適合の項目を規則情報に基づき修正し当該修正された項目を強調表示して、ラベルデータに基づき出力されるラベルの形態で出力するラベル診断プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、ラベルの画像データ、レイアウトデータ、テキストデータ等のラベルデータを取り込んで、法令等の規則に適合しているか判定できる。また、ラベルデータが法令等の規則に適合しているか否かを出力でき、さらに、ラベルの出力形態に合わせて判定結果を出力できる。これにより、既存のラベルデータを使用して、法令等の規則に適合しているか否かを判定することができ、既存のラベルデータを有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施の形態のラベル診断システムの一例を示す機能構成図である。
図2】本実施の形態のラベルプリンタの一例を示す機能構成図である。
図3】本実施の形態のラベルプリンタの一例を示す構成図である。
図4】本実施の形態のラベル診断システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図5A】本実施の形態のラベル診断システムの動作の一例を示す診断項目の抽出例を示す説明図である。
図5B】本実施の形態のラベル診断システムの動作の一例を示す診断項目の抽出例を示す説明図である。
図5C】本実施の形態のラベル診断システムの動作の一例を示す診断項目の抽出例を示す説明図である。
図6】本実施の形態のラベル診断システムの動作の他の例を示すフローチャートである。
図7A】ラベルデータの修正例を示す説明図である。
図7B】ラベルデータの修正例を示す説明図である。
図7C】ラベルデータの修正例を示す説明図である。
図7D】ラベルデータの修正例を示す説明図である。
図8A】ラベルデータの他の修正例を示す説明図である。
図8B】ラベルデータの他の修正例を示す説明図である。
図9】アレルゲンの強調表示の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明のラベル診断システム、ラベル診断プログラム及びラベルプリンタの実施の形態について説明する。
【0017】
<本実施の形態のラベル診断システムの構成例>
図1は、本実施の形態のラベル診断システムの一例を示す機能構成図である。
【0018】
本実施の形態のラベル診断システム1は、ラベルプリンタで構成される。また、本実施の形態のラベル診断システム1は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の各種情報処理装置で構成される。更に、本実施の形態のラベル診断システム1は、ラベルプリンタ、各種情報処理装置が接続されるクラウドで構成される。
【0019】
ラベル診断システム1は、ラベルデータを取得するラベルデータ入力部2と、取得したラベルデータが規則情報と適合しているかを判定する診断部3と、ラベルデータの判定結果を出力する出力部4を備える。
【0020】
規則情報は、例えば食品表示法のような法令等の規則で定められた事項の他に、ラベルの使用に係る業界や企業、食品等を販売する店舗内等で運用される独自の規則も含むものである。
【0021】
ラベルデータ入力部2は取込部の一例で、レイアウトデータ、テキストデータまたは画像データでラベルデータを取得する。ラベルデータ入力部2は、既存のラベルデータを記憶する記憶部5から、指定されたラベルのラベルデータを取得する機能で構成される。また、ラベルデータ入力部2は、印刷されたラベルを撮影するカメラで構成される。更に、ラベルデータ入力部2は、ラベルデータをクラウドにアップロードする機能で構成される。
【0022】
診断部3は、データ処理、画像処理等によりラベルデータに含まれる文字を認識し、文字列を認識する文字列認識処理、認識した文字列を解析する文字列解析処理等により、単語や文章に細分化する。診断部3は、認識した単語、文章から原材料、添加物、期限、栄養成分等を識別し、規則情報に基づき書式チェック及び内容チェックを行う。
【0023】
出力部4は、例えば、ディスプレイ等の表示部で構成され、書式チェック及び内容チェックの判定結果を表示、印刷等により出力する。また、書式チェック及び内容チェックの判定結果に基づく修正内容を表示、印刷等により出力する。
【0024】
<本実施の形態のラベルプリンタの構成例>
図2は、本実施の形態のラベルプリンタの一例を示す機能構成図、図3は、本実施の形態のラベルプリンタの一例を示す構成図である。
【0025】
ラベルプリンタ10は、ラベル100等が貼着された長尺状の台紙110が巻かれた形態で提供される台紙付きラベル120が装填される。ラベルプリンタ10は、台紙付きラベル120に貼着されたラベル100に印刷を行う印刷ヘッド200と、印刷ヘッド200に対向して設けられ、台紙付きラベル120を搬送するプラテンローラ210と、プラテンローラ210を駆動する搬送モータ210Mを備える。また、ラベルプリンタ10は、ラベルの有無、及び、ラベルの先端位置等を検知するラベルセンサ220と、台紙110の裏面に印刷されたラベル識別情報を読み取る読取部230を備える。
【0026】
ラベルプリンタ10は、通常のラベルを印刷する機能に加えて、ラベル診断プログラムを実行し、既存のラベル、新規に作成するラベルが法令に対応しているか診断する制御部11を備える。また、ラベルプリンタ10は、ラベル診断プログラム、ラベルの診断で必要なデータ等が記憶される記憶部12を備える。制御部11は、CPU、MPUと称されるマイクロプロセッサ等を備える。記憶部12は、RAM、フラッシュメモリ等の記憶装置で構成される。
【0027】
更に、ラベルプリンタ10は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の情報処理装置、着脱可能な半導体メモリ等の外部メモリ、カメラ、クラウド等が接続される通信部13と、賞味期限、消費期限等の期限情報を算出するため年月日及び時刻を特定する日時情報を生成する時計部27を備える。
【0028】
また、ラベルプリンタ10は、ラベル診断プログラムを実行するための操作、通常のラベルを印刷する操作等を受ける入力部14を備える。更に、ラベルプリンタ10は、ラベル診断プログラムを実行するための操作画面、ラベル診断プログラムによる診断結果、通常のラベルを印刷する操作画面等が表示される表示部15を備える。
【0029】
ラベル診断プログラムが実行されることで、上述したラベル診断システム1がラベルプリンタ10で実現される構成では、ラベルデータ入力部2は、記憶部12、図示しない外部の半導体メモリ等から、既存のラベルデータを取得する機能で構成される。また、ラベルデータ入力部2は、通信部13でラベルプリンタ10に接続されるカメラ、スマートフォン等のカメラ等で構成される。更に、ラベルデータ入力部2は、ラベルデータを通信部13でクラウドにアップロードする機能で構成される。
【0030】
診断部3は、ラベルプリンタ10の制御部11及び制御部11で実行されるラベル診断プログラム等で構成される。出力部4は、ラベルプリンタ10の表示部15、印刷ヘッド200等の印刷機能で構成される。
【0031】
なお、ラベル診断システム1がパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の情報処理装置で実現される構成では、ラベルデータ入力部2は、ラベルプリンタ10、図示しない外部の半導体メモリ等から、既存のラベルデータを取得する機能で構成される。また、ラベルデータ入力部2は、外部のカメラ、内蔵されたカメラ等で構成される。更に、ラベルデータ入力部2は、ラベルデータをクラウドにアップロードする機能で構成される。
【0032】
診断部3は、各種情報処理装置の制御部及び制御部で実行されるラベル診断プログラム等で構成される。出力部4は、各種情報処理装置の表示部等で構成される。
【0033】
ラベル診断システム1がクラウドで実現される構成では、ラベルデータ入力部2は、クラウドに接続可能なラベルプリンタ10、半導体メモリ、各種情報処理装置、カメラ等からラベルデータをアップロードする機能で構成される。
【0034】
診断部3は、クラウドを構成するサーバの制御部及び制御部で実行されるラベル診断プログラム等で構成される。出力部4は、クラウドに接続可能なラベルプリンタ10、各種情報処理装置の表示部等で構成される。
【0035】
<ラベル診断システムで使用されるデータベースの構成例>
表1は、診断すべき項目と、該当する規則情報等として食品表示法に関する法令情報が対応付けられた法令ルールデータベースの一例を示す説明図である。表1に示す法令ルールデータベース(D/B)は、原材料、添加物、期限、栄養成分等の診断すべき項目と、書式ルール等、該当する規則情報と、参照すべきデータベース名と、法令に対して不適合である場合の変換ルール等が対応付けられる。例えば、ラベルの項目が「原材料」、区分が「アレルギー」、チェック項目が「書式チェック」である場合、規則情報(書式ルール)として、アレルゲン項目を有しているかがチェックされる。更に、アレルギーに関する書式チェックでは、アレルゲンが他の物質と区別された表示で配置されているかがチェックされる。アレルゲンを他の物質と区別して表示する例としては、アレルゲンのフォント情報(字体、文字サイズ等)、スタイル情報(斜体、太文字等文字の太さ、下線、四角の罫線での囲み、文字色等)、背景情報(マーカーや網掛け等のハイライト、背景対比色等)の変更により、アレルゲンと他の物質の表示を区別する。









































【0036】
【表1】
【0037】
表2は、原材料データベースの一例を示す説明図である。表2に示す原材料データベース(D/B)は、表1に示す法令ルールデータベースで参照先に指定されたデータベースであって、食品の品名と、食品の原産地情報と、食品に含まれるアレルギーまたは不耐性を引き起こす物質の情報と、食品に含まれる添加物情報等が対応付けられる。なお、アレルギーまたは不耐性を引き起こす物質をアレルゲンとも称す。
【0038】
【表2】
【0039】
表3は、添加物データベースの一例を示す説明図である。表3に示す添加物データベース(D/B)は、表1に示す法令ルールデータベースで参照先に指定されたデータベースであって、食品に含まれる添加物の品名と、用途等が対応付けられる。
【0040】
【表3】
【0041】
表4は、アレルゲンデータベースの一例を示す説明図である。表4に示すアレルゲンデータベース(D/B)は、表1に示す法令ルールデータベースで参照先に指定されたデータベースであって、表示義務の有無と、食品に含まれるアレルゲンの名称等が対応付けられる。









【0042】
【表4】
【0043】
表5は、商品データベースの一例を示す説明図である。表5に示す商品データベース(D/B)は、表1に示す法令ルールデータベースで参照先に指定されたデータベースであって、商品の名称と、商品に含まれる原材料名と、商品の使用原材料名と、商品に含まれる添加物情報と、商品の重量と、商品の期限情報が対応付けられる。
【0044】
【表5】
【0045】
表6は、栄養成分データベースの一例を示す説明図である。表6に示す栄養成分データベース(D/B)は、表1に示す法令ルールデータベースで参照先に指定されたデータベースであって、食品の品名と、単位(g)当たりのエネルギー量と、たんぱく質の量と、脂質の量と、炭水化物の量と、食塩相当量が対応付けられる。
【0046】
【表6】
【0047】
診断部3は、表1に示す法令ルールデータベースに基づいて、原材料に関する各種情報が記憶された表2に示す原材料データベースを参照し、原材料の書式チェック及び内容チェックを行う。また、診断部3は、表1に示す法令ルールデータベースに基づいて、添加物に関する各種情報が記憶された表3に示す添加物データベースを参照し、添加物の書式チェック及び内容チェックを行う。更に、診断部3は、表1に示す法令ルールデータベースに基づいて、アレルゲンに関する各種情報が記憶された表4に示すアレルゲンデータベースを参照し、アレルゲンの書式チェック及び内容チェックを行う。
【0048】
また、診断部3は、規則情報のデータベースである表1に示す法令ルールデータベースに基づいて、商品に関する各種情報が記憶された表5に示す商品データベースを参照し、添加物の書式チェック及び内容チェックを行う。更に、診断部3は、表1に示す法令ルールデータベースに基づいて、栄養成分に関する各種情報が記憶された表6に示す栄養成分データベースを参照し、栄養成分の書式チェック及び内容チェックを行う。
【0049】
法令ルールルールデータベース、原材料データベース、添加物データベース、アレルゲンデータベース、商品データベース及び栄養成分データベースは、記憶部5に記憶される。
【0050】
ラベル診断システム1がラベルプリンタ10で実現される構成では、各データベースが内部データとして記憶部12に記憶される。また、ラベル診断システム1がラベルプリンタ10と各種情報処理装置が組み合わせられた構成では、各データベースが外部データとして各種情報処理装置の記憶部に記憶される。更に、ラベル診断システム1がラベルプリンタ10とクラウドが組み合わせられた構成では、各データベースが外部データとしてクラウドを構成するサーバの記憶部に記憶される。
【0051】
<本実施の形態のラベル診断システムの動作例>
図4は、本実施の形態のラベル診断システム(ラベル診断プログラム、ラベルプリンタの動作の一例を示すフローチャート、図5A図5B及び図5Cは、本実施の形態のラベル診断システムの動作の一例を示す診断項目の抽出例を示す説明図である。なお、ラベル診断プログラムがラベルプリンタ10で実行されることで、ラベル診断システム1がラベルプリンタ10で実現される構成では、ラベル診断システム1の動作は、ラベルプリンタ10の動作とみなすことができる。
【0052】
ラベル診断システム1は、図4のステップSA1で、ラベルデータ入力部2によりラベルデータを取得する。ラベルデータをカメラで撮影して画像データとして取得した場合、診断部3は、ステップSA2で、画像処理により文字を認識し、ステップSA3で、文字列を認識する文字列認識処理、認識した文字列を解析する文字列解析処理等により、単語や文章に細分化する。
【0053】
診断部3は、ステップSA4で、単語、文章を解析して原材料、添加物、期限、栄養成分等の項目を識別する。例えば、図5Aに示すように、画像データであるラベルデータ600から、原材料が表記される項目601、添加物が表記される項目602、期限が表記される項目603、栄養成分が表記される項目604を識別する。
【0054】
診断部3は、ステップSA5で、表1に示す法令ルールデータベースを参照し、ラベルデータから識別した項目に、未診断の項目があるか判断する。
【0055】
診断部3は、未診断の項目があると判断すると、ステップSA6で、項目毎に法令ルールデータベースで指定されたデータベースを参照し、規則情報に基づき書式チェック及び内容チェックを行う。
【0056】
例えば、診断対象の項目が添加物である場合、図5Bに示すように、添加物の項目602を抽出し、添加物の個々の内容602aを識別する。診断部3は、法令ルールデータベースに基づき、添加物に対応した規則情報を参照して、添加物の項目の書式チェックを行う。また、表2に示す原材料データベース及び表3に示す添加物データベースを参照して、添加物の項目の内容チェックを行う。
【0057】
診断部3は、添加物の項目の書式チェックでは、添加物の項目が原材料等の他の項目とは個別に作成されているか否かを診断する。また、添加物の項目の内容チェックでは、原材料データベースの照合により、添加物の項目に原材料が含まれているか否かを診断する。更に、添加物データベースの照合により、該当する添加物が添加物データベースに登録されているか否かを診断する。
【0058】
診断対象の項目が栄養成分である場合、図5Cに示すように、栄養成分の項目604を抽出し、栄養成分の個々の内容と数値604aを識別する。診断部3は、法令ルールデータベースに基づき、栄養成分に対応した規則情報を参照して、栄養成分の項目の書式チェックを行う。また、表3に示す商品データベース及び表6に示す栄養成分データベースを参照して、栄養成分の項目の内容チェックを行う。
【0059】
診断部3は、栄養成分の項目の書式チェックでは、栄養成分データベースの照合で。栄養成分に表示すべき必須の項目が決められた順番で表示されているか否か、数値の桁数が適切か否か、文字サイズが適切か否かを診断する。また、栄養成分の項目の内容チェックでは、商品データベースの照合により、表示内容が適切か否かを診断する。
【0060】
なお、診断対象の項目が原材料、期限である場合も同様で、原材料の項目601を抽出し、原材料の個々の内容を識別する。診断部3は、法令ルールデータベースに基づき、原材料に対応した規則情報を参照して、原材料の項目の書式チェックを行う。また、原材料データベース、添加物データベース、アレルゲンデータベース及び商品データベースを参照して、原材料の項目の内容チェックを行う。
【0061】
診断部3は、診断対象の項目に対して規則情報に基づき書式チェック及び内容チェックを行い、ステップSA7で、適合の可否を判断する。診断部3は、ステップSA8で、規則情報に対して不適合である項目の内容について、記憶部5に保存される不適合内容リストに追加する。
【0062】
例えば、診断対象の項目が添加物である場合、添加物の項目に原材料またはアレルゲン、あるいは、原材料及びアレルゲンが混在していると判断すると、この不適合内容を保存する。添加物の項目に原材料またはアレルゲン、あるいは、原材料及びアレルゲンが混在しているとは、表1に示す書式ルールの内容で、原材料と添加物等が区別されていないことを示す。よって、表1に示す書式ルールの内容で、原材料と添加物等が区別されていれば、原材料と添加物等が区別されていると判断できる。また、診断対象の項目が栄養成分である場合、栄養成分が決められた順番で表示されていないと判断すると、この不適合内容を保存する。更に、栄養成分の数値が決められた桁数ではないと判断すると、この不適合内容を保存する。また、診断対象の項目が原材料である場合、原材料データベース及びアレルゲンデータベースを参照して、原材料にアレルゲンが含まれる場合、原材料の項目の中にアレルゲンが含まれているか、また、アレルゲンが原材料と区別されているか判断する。原材料の項目中にアレルゲンが含まれるが、原材料と区別されていないと判断すると、この不適合内容を保存する。更に、診断対象の項目が原材料である場合、原材料データベース及びアレルゲンデータベースを参照して、原材料がアレルゲンである場合、アレルゲンが原材料と区別されているか判断する。アレルゲンが原材料と区別されていないと判断すると、この不適合内容を保存する。
【0063】
診断部3は、未診断の項目がないと判断すると、ステップSA9で、ラベルのイメージ画像に不適合内容のコメントを付加して、ラベルのイメージ画像を作成する。
【0064】
診断部3は、ステップSA10で、不適合内容のコメントが付加されたラベルのイメージ画像を、出力部4で表示、印刷により出力する。
【0065】
図6は、本実施の形態のラベル診断システムの動作の他の例を示すフローチャートである。
【0066】
ラベル診断システム1は、図6のステップSB1で、ラベルデータ入力部2によりラベルデータを取得する。ラベルデータをレイアウトデータ、テキストデータとして取得した場合、診断部3は、ステップSB2で、文字列を認識する文字列認識処理、認識した文字列を解析する文字列解析処理等により、単語や文章に細分化する。
【0067】
診断部3は、ステップSB3で、単語、文章を解析して原材料、添加物、期限、栄養成分等の項目を識別する。例えば、図5Aに示すように、ラベルデータ600から、原材料が表記される項目601.添加物が表記される項目602、期限が表記される項目603、栄養成分が表記される項目604を識別する。
【0068】
診断部3は、ステップSB4で、法令ルールデータベースを参照し、ラベルデータから識別した項目に、未診断の項目があるか判断する。
【0069】
診断部3は、未診断の項目があると判断すると、ステップSB5で、項目毎に法令ルールデータベースで指定されたデータベースを参照し、規則情報に基づき書式チェック及び内容チェックを行う。
【0070】
診断部3は、診断対象の項目に対して規則情報に基づき書式チェック及び内容チェックを行い、ステップSB6で、適合の可否を判断する。診断部3は、ステップSB7で、規則情報に対して不適合である項目の内容について、記憶部5に保存される不適合内容リストに追加する。
【0071】
例えば、診断対象の項目が添加物である場合、添加物の項目に原材料またはアレルゲン、あるいは、原材料及びアレルゲンが混在していると判断すると、この不適合内容を保存する。また、診断対象の項目が栄養成分である場合、栄養成分が決められた順番で表示されていないと判断すると、この不適合内容を保存する。更に、栄養成分の数値が決められた桁数ではないと判断すると、この不適合内容を保存する。また、診断対象の項目が原材料である場合、原材料データベース及びアレルゲンデータベースを参照して、原材料にアレルゲンが含まれる場合、原材料の項目の中にアレルゲンが含まれているか、また、アレルゲンが区別されているか判断する。原材料中にアレルゲンが含まれることが区別されていないと判断すると、この不適合内容を保存する。更に、診断対象の項目が原材料である場合、原材料データベース及びアレルゲンデータベースを参照して、原材料がアレルゲンである場合、アレルゲンが原材料と区別されているか判断する。アレルゲンが原材料と区別されていないと判断すると、この不適合内容を保存する。
【0072】
診断部3は、未診断の項目がないと判断すると、ステップSB8で、法令ルールデータベース50に保存された変換ルールに基づき、不適合内容の修正を行い、ラベルのイメージ画像を作成する。
【0073】
例えば、添加物の項目に原材料が混在しているという不適合内容に対し、添加物の項目から原材料の削除、添加物の項目から削除した原材料を原材料の項目への移動(再配置)を行う。また、栄養成分が決められた順番で表示されていないという不適合内容に対し、規則情報に基づく並べ替えを行う。更に、栄養成分の数値が決められた桁数ではないという不適合内容に対し、四捨五入、丸め処理により桁数を合わせる。また、原材料中にアレルゲンが含まれていないという不適合内容に対し、原材料名表記の後側にアレルゲンの物質名を追加し、更にアレルゲンの物質名を括弧で括ることで同原材料にアレルゲンを含む旨を追加する。更に、アレルゲンが含まれるが、原材料と区別されていないという不適合内容に対し、アレルゲンを、他の物質に対し、字体、文字サイズ等のフォント情報の変更、斜体、太文字等文字の太さ、下線、四角の罫線での囲み、文字色等のスタイル情報の変更、マーカーや網掛け等のハイライト、背景対比色等の背景情報の変更で区別する。
【0074】
診断部3は、ステップSB9で、不適合内容が修正されたラベルのイメージ画像を、出力部4で表示、印刷により出力する。
【0075】
図7A図7B図7C及び図7Dは、ラベルデータの修正例を示す説明図である。図7Aに示すように、ラベルデータ600から、規則情報で使用が認められていない添加物605が含まれていたとする。
【0076】
このような場合、不適合内容のコメントが付加されたラベルのイメージ画像として、図7Bに示すように、規則情報で使用が認められていない添加物の物質名に、マーカー、網掛け表示等による強調表示606を行ったラベルのイメージ画像608を、表示、印刷により出力する。
【0077】
また、不適合内容のコメントが付加されたラベルのイメージ画像として、図7Cに示すように、規則情報で使用が認められていない添加物の物質名に対応して、使用が認められていない添加物である旨の文字情報607を付加したラベルのイメージ画像609を、表示、印刷により出力する。
【0078】
あるいは、図7Dに示すように、規則情報で使用が認められていない添加物の物質名を削除する修正を行ったラベルのイメージ画像610を、表示、印刷により出力する。
【0079】
図8A及び図8Bは、ラベルデータの他の修正例を示す説明図である。原材料が表記される項目601において、原材料にアレルゲンが含まれていたとする。このような場合、不適合内容が修正されたラベルのイメージ画像として、図8Aに示すように、原材料に含まれるアレルゲンの物質名611に、四角の罫線での囲みによるスタイル情報の変更、及び網掛けによる背景情報の変更による強調表示612を行ったラベルのイメージ画像613を、表示、印刷により出力する。なお、原材料中にアレルゲンが含まれていないという不適合内容であった場合、原材料名表記の後側にアレルゲンの物質名を追加し、更にアレルゲンの物質名を括弧で括ることで同原材料にアレルゲンを含む旨を追加し、更に、同アレルゲンの物質名に強調表示を行う。なお、強調表示612としては、図示以外にも、原材料に含まれるアレルゲンの物質名611に対し、字体、文字サイズ等のフォント情報の変更、斜体、太文字等文字の太さ、下線、文字色等のスタイル情報の変更、マーカー等のハイライト、背景対比色等の背景情報の変更等が挙げられる。
【0080】
また、原材料が表記される項目601において、原材料中にアレルゲンが含まれているにもかかわらず、アレルゲンの物質名が強調表示なされていないという不適合内容であった場合、不適合内容が修正されたラベルのイメージ画像として、図8Bに示すように、原材料を構成するアレルゲンの物質名611に強調表示612を行ったラベルのイメージ画像614を、表示、印刷により出力する。
【0081】
図9は、アレルゲンの強調表示の一例を示す説明図である。なお、アレルゲンとして「milk」を例に説明する。強調表示612の例として、(1)に示すフォント情報のとしては、文字サイズを大きくした例を示す。(2)に示すスタイル情報としては、太文字とした例、斜体とした例、大文字とした例、下線を引いた例を示す。(3)の背景情報としては、文字列にマーカーを引いた例、文字列の背景色を変更した例を示す。なお、文字サイズの変更と下線を組み合わせる等、フォント情報、スタイル情報及び背景情報を必要に応じて組み合わせることも可能である。図8A及び図8Bに示すアレルゲンの強調表示612としては、図8A及び図8Bに示す例のみならず、図9に示す例であっても良い。
【0082】
以下に、具体的な事例を示す。
【0083】
事例1
既存の食品ラベルの実物をスマートフォンあるいはタブレットのカメラで撮影し、ラベル診断プログラムが実行されるクラウドにアップロードする。クラウドの文字抽出機能で、食品ラベル内の、法令に関する項目の文字列に分割する。項目とは、名称、原材料、添加物、内容用、期限、栄養成分、販売者、製造者等、食品表示等を示す。分割された文字列を、文字列解析処理により、単語や文章として細分化する。表1に示す法令ルールデータベースに則り、分割された栄養成分文字列内の単語情報と、法令ルールデータベースで参照先とされた各データベースを照合して、必須項目の有無を検知する。必須項目の記載がないと判定された場合には、取り込んだラベルのイメージに、間違っているコメントを付けて表示する。
【0084】
事例2
既存の食品ラベルのレイアウトデータを、外部メモリ、ネットワークでラベルプリンタ10に取り込む。文字列として入っているデータを、文字列認識処理で、法令に関する項目と照合して、項目を特定する。ここでは、添加物情報として特定。添加物情報の文字列を、文字列解析処理により、単語に細分化する。表3に示す添加物データベース内の指定添加物と細分化された添加物単語を照合し、指定添加物に存在しない単語は抽出された場合には、抽出された単語をハイライトまたは反転された文字列等に変換して、ラベルを印刷する。この場合、不適合箇所が表記されたラベルが使用されないように、不適合内容を文言で示すラベルを印刷するか、画面表示にとどめてもよい。
【0085】
事例3
食材の重量や成分や原産地が記載されたレシピを、画像またはデータで、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に取り込む。情報処理装置で、食品ラベル内の、法令に関する項目の文字列に分割する。分割された文字列を、文字列解析処理により、単語や文章として細分化する。例えば原材料の場合、含まれる重量情報から、含有量が多い食材を抽出し、原産地が情報に含まれているかを判断する。原産地情報が含まれていない場合、また含まれている場合にも、表2に示す原材料データベースと照合し、情報が不足している場合には、画面上に「最大重量の小麦粉の原産地の記載がありません」等、不適合の内容を表示する。このとき、修正レイアウト作成処理を指定すると、修正したレイアウトデータを作成できるようにしてもよい。
【0086】
事例4
事例1~3で判定した不適合内容を、ラベルプリンタ10、各情報処理装置、クラウドサーバに設けた以下の表7に示す不適合内容データベース(D/B)に保存して、管理者及び製造担当者が確認できるようにする。
【0087】
【表7】
【0088】
なお、本発明のラベルプリンタ、ラベル診断システム、ラベル診断プログラムは、特定の業界や企業、店舗等で運用されているローカルルールに適用することが可能である。この場合、法令ルールデータベースのラベル項目、区分、規則情報(書式ルール)、参照データベース、不適合の場合の変換ルールを特定の業界や企業での規則に合わせた内容に置き換えることが可能である。
【符号の説明】
【0089】
1・・・ラベル診断システム、2・・・ラベルデータ入力部、3・・・診断部、4・・・出力部、5・・・記憶部、10・・・ラベルプリンタ、11・・・制御部、12・・・記憶部、13・・・通信部、14・・・入力部、15・・・表示部、200・・・印刷ヘッド(印刷部)、210・・・プラテンローラ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9