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特許7532978申請処理システム、申請処理装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】申請処理システム、申請処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240806BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020124557
(22)【出願日】2020-07-21
(65)【公開番号】P2022021137
(43)【公開日】2022-02-02
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107216
【弁理士】
【氏名又は名称】伊與田 幸穂
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 伸行
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-167029(JP,A)
【文献】特開2020-053091(JP,A)
【文献】特開2015-162077(JP,A)
【文献】特開2018-116536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
操作により選択された申請者の情報である選択申請者情報を取得し、
前記申請者を識別可能な画像情報より得られる画像申請者情報を取得し、
前記選択申請者情報と前記画像申請者情報とが合致するものであるときに申請の処理に用いられる画像を送信し、当該選択申請者情報と当該画像申請者情報とが合致するものでないときに当該画像の送信を制限する、
申請処理システム。
【請求項2】
前記選択申請者情報は、申請手続を行う前記申請者の情報であって操作により選択された情報である、ことを特徴とする請求項1に記載の申請処理システム。
【請求項3】
前記選択申請者情報は、申請案件の承認者への申請手続の代行を前記申請者から予め依頼されている代行者の操作により選択された情報である、ことを特徴とする請求項2に記載の申請処理システム。
【請求項4】
前記申請者を識別可能な画像情報は、当該申請者を特定するための特定情報を複数含む、ことを特徴とする請求項1に記載の申請処理システム。
【請求項5】
前記申請者を識別可能な画像情報は、当該申請者自身の名刺の画像である、ことを特徴とする請求項4に記載の申請処理システム。
【請求項6】
前記申請者を識別可能な画像情報は、項目が予め定められている様式に記入済みの画像である、ことを特徴とする請求項4に記載の申請処理システム。
【請求項7】
予め定められたときに、前記選択申請者情報以外の他の申請者の情報が前記画像申請者情報と合致するか否かの補助判定を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の申請処理システム。
【請求項8】
前記選択申請者情報が前記画像申請者情報と合致するか否かを判定する際に前記補助判定を行う、ことを特徴とする請求項7に記載の申請処理システム。
【請求項9】
前記選択申請者情報が前記画像申請者情報と合致するか否かを判定する判定が合致するものでない場合に前記補助判定を行い、当該補助判定の結果が否定であるときに、前画像の送信を制限する、ことを特徴とする請求項7に記載の申請処理システム。
【請求項10】
画像を読み取る読み取り部と、
ユーザが操作する操作部と、
画像を送信する送信部と、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記操作部の操作により選択された申請者の情報である選択申請者情報を取得し、
前記読み取り部により読み取られた画像の情報であって前記申請者を識別可能な情報より得られる画像申請者情報を取得し、
前記選択申請者情報と前記画像申請者情報とが合致するものであるときに前記送信部による申請の処理に用いられる画像を送信し、当該選択申請者情報と当該画像申請者情報とが合致するものでないときに当該送信部による当該申請処理に用いられる画像の送信を制限する、
申請処理装置。
【請求項11】
画像を読み取る読み取り部と、ユーザが操作する操作部と、画像を送信する送信部と、プロセッサと、を備える申請処理装置の当該プロセッサに、
前記操作部の操作により選択された申請者の情報である選択申請者情報を取得する選択申請者情報取得機能と、
前記読み取り部により読み取られた画像の情報であって前記申請者を識別可能な情報より得られる画像申請者情報を取得する画像申請者情報取得機能と、
前記選択申請者情報と前記画像申請者情報とが合致するものであるときに前記送信部による申請の処理に用いられる画像を送信し、当該選択申請者情報と当該画像申請者情報とが合致するものでないときに当該送信部による当該申請処理に用いられる画像の送信を制限する画像送信制限機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、申請処理システム、申請処理装置およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、使用者の識別情報を受付ける識別情報受付部と、受付けられた識別情報を有する使用者に案件の処理のための手続きをするよう委任した委任者についての情報を受信する委任者情報受信部と、画像を取得する画像取得部と、取得された画像を、使用者からの送信指示に基づいて委任者についての画像として送信する画像送信部とを有する画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-174714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、電子化された申請処理システムを利用する申請手続において、その手続きの申請者とは異なる者を申請者として承認処理で参照する画像を送信すると、申請誤りを正す手続が必要になり、煩雑である。
本発明の目的は、申請処理に関する画像送信の際に申請者確認を行わない場合に比べて、申請誤りの発生を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、操作により選択された申請者の情報である選択申請者情報を取得し、前記申請者を識別可能な画像情報より得られる画像申請者情報を取得し、前記選択申請者情報と前記画像申請者情報とが合致するものであるときに申請の処理に用いられる画像を送信し、当該選択申請者情報と当該画像申請者情報とが合致するものでないときに当該画像の送信を制限する、申請処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記選択申請者情報は、申請手続を行う前記申請者の情報であって操作により選択された情報である、ことを特徴とする請求項1に記載の申請処理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記選択申請者情報は、申請案件の承認者への申請手続の代行を前記申請者から予め依頼されている代行者の操作により選択された情報である、ことを特徴とする請求項2に記載の申請処理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記申請者を識別可能な画像情報は、当該申請者を特定するための特定情報を複数含む、ことを特徴とする請求項1に記載の申請処理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記申請者を識別可能な画像情報は、当該申請者自身の名刺の画像である、ことを特徴とする請求項4に記載の申請処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記申請者を識別可能な画像情報は、項目が予め定められている様式に記入済みの画像である、ことを特徴とする請求項4に記載の申請処理システムである。
請求項7に記載の発明は、予め定められたときに、前記選択申請者情報以外の他の申請者の情報が前記画像申請者情報と合致するか否かの補助判定を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の申請処理システムである。
請求項8に記載の発明は、前記選択申請者情報が前記画像申請者情報と合致するか否かを判定する際に前記補助判定を行う、ことを特徴とする請求項7に記載の申請処理システムである。
請求項9に記載の発明は、前記選択申請者情報が前記画像申請者情報と合致するか否かを判定する判定が合致するものでない場合に前記補助判定を行い、当該補助判定の結果が否定であるときに、前画像の送信を制限する、ことを特徴とする請求項7に記載の申請処理システムである。
請求項10に記載の発明は、画像を読み取る読み取り部と、ユーザが操作する操作部と、画像を送信する送信部と、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記操作部の操作により選択された申請者の情報である選択申請者情報を取得し、前記読み取り部により読み取られた画像の情報であって前記申請者を識別可能な情報より得られる画像申請者情報を取得し、前記選択申請者情報と前記画像申請者情報とが合致するものであるときに前記送信部による申請の処理に用いられる画像を送信し、当該選択申請者情報と当該画像申請者情報とが合致するものでないときに当該送信部による当該申請処理に用いられる画像の送信を制限する、申請処理装置である。
請求項11に記載の発明は、画像を読み取る読み取り部と、ユーザが操作する操作部と、画像を送信する送信部と、プロセッサと、を備える申請処理装置の当該プロセッサに、前記操作部の操作により選択された申請者の情報である選択申請者情報を取得する選択申請者情報取得機能と、前記読み取り部により読み取られた画像の情報であって前記申請者を識別可能な情報より得られる画像申請者情報を取得する画像申請者情報取得機能と、前記選択申請者情報と前記画像申請者情報とが合致するものであるときに前記送信部による申請の処理に用いられる画像を送信し、当該選択申請者情報と当該画像申請者情報とが合致するものでないときに当該送信部による当該申請処理に用いられる画像の送信を制限する画像送信制限機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1によれば、申請処理に関する画像送信の際に申請者確認を行わない場合に比べて、申請誤りの発生を抑制することができる。
請求項2によれば、申請者情報が操作選択されない場合に比べて、申請を行う者が限定されるようにできる。
請求項3によれば、本人申請だけを認める場合に比べて、申請手続の便宜を図ることができる。
請求項4によれば、特定情報が単数である場合に比べて、申請者確認の精度を向上させることができる。
請求項5によれば、画像情報が名刺画像以外のものである場合に比べて、名刺以外の画像情報を用意する手間を省略することができる。
請求項6によれば、画像情報が予め定められている様式以外のものである場合に比べて、取得する画像申請者情報の精度を高めることができる。
請求項7によれば、選択申請者情報のみで申請者確認を行う場合に比べて、申請者確認の精度を向上させることができる。
請求項8によれば、補助判定を申請者確認の際に行わない場合に比べて、申請者確認の精度を向上させることができる。
請求項9によれば、送信の制限を行う前に補助判定を行わない場合に比べて、送信が制限される場面を減らすことができる。
請求項10によれば、申請処理に関する画像送信の際に申請者確認を行わない場合に比べて、申請誤りの発生を抑制することができる。
請求項11によれば、申請処理に関する画像送信の際に申請者確認を行わない場合に比べて、申請誤りの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】申請処理システム及び複合機を含む構成を説明する図である。
図2】複合機のブロック図である。
図3】申請処理システムのブロック図である。
図4】申請処理システムのブロック図である。
図5】申請処理システムの処理手順例を示すフローチャートである。
図6図5のS101の画像抽出を説明する図である。
図7図5のS102の申請者特定情報抽出について説明する図であり、(a)は名刺の場合の読取画像、(b)は名刺以外の場合の読取画像を示す。
図8】申請者情報を示す画面例である。
図9】代理申請の場合の複合機の画面を示す図である。
図10】経費精算システムによる経費精算対象を示す画面を示す図である。
図11】代理申請の場合で再選択するときの複合機の画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、申請処理システム100及び複合機200を含む構成を説明する図である。
同図に示す申請処理システム100は、複合機200及び経費精算システム300にそれぞれ接続され、複合機200からの情報を基に、経費精算システム300に対する経費申請処理を実行する。
【0009】
ここで、経費精算システム300では、上述した申請内容の確認を申請者A本人に限定せず、本人に代わって申請を行う代行者Bでも可能であり、申請処理システム100では、本人申請のみならず代理申請も可能である。代行者Bは、申請案件の承認者Cへの申請手続の代行を申請者Aから予め依頼されており、申請者Aから代理申請についての権限が事前に付与されている。
【0010】
本人申請の場合には、申請者Aが複合機200にログインした後に、ログインした者を示す情報として後述のUI装置201(例えば図2参照)に表示された例えばID等を選択操作する。そして、後述の画像読取装置202(例えば図2参照)により読み取られた例えば名刺画像411及び領収書画像412を、申請者の例えばID等の情報と共に申請処理システム100に送信する操作を行う。このように操作により選択されたID等の申請者の情報を、選択申請者情報という。
【0011】
代理申請の場合には、代行者Bが複合機200にログインすると、その代行者Bに対して代理申請権限を付与している単数または複数の申請者を示す情報である申請者群情報10が、経費精算システム300から申請処理システム100を介して送信される。代行者Bは、複合機200において、申請者群情報10から、今回代理する申請者を選択する。このように代行者Bの操作により選択された申請者を示す情報も、上述した選択申請者情報である。
【0012】
選択申請者情報は、例えば領収書画像412と共に複合機200から申請処理システム100に送信される。
ここにいう領収書画像412から、申請者Aが立て替えて支払った支払い額、支払い先及び支払い日付等の支払い情報を取得するが、経費精算システム300により予め設定されている情報としての支払い情報の一部または全部が含まれるものであれば、領収書画像412に限らない。
【0013】
申請処理システム100は、選択申請者情報と領収書画像412を受信すると、選択申請者情報と共に領収書画像412を経費精算システム300に送信し、経費申請を登録する。
【0014】
経費精算システム300は、受信した各種の情報や画像を基に、申請者Aによる登録内容の確認及び承認者Cの承認を経て経費精算を行う。より詳細には、経費精算システム300は、登録内容の確認後に経費レポートを作成し、承認者Cに承認依頼を行い、経費レポートに対する承認者Cの承認後に経費精算を行い、申請者Aの銀行口座に振り込まれる。
【0015】
このような構成による申請処理システム100では、申請内容の誤りに対応するために、申請誤りのときには申請処理を中断し、申請者A本人又は代行者Bによる訂正操作を行えるように制御する。
すなわち、代理申請の場合に申請者群情報10に数多くの申請者が含まれているときには、代行者Bが申請者群情報10から選択する際に操作誤りを行う可能性が高まり、選択申請者情報が正しくないという事態が発生し得る。また、本人申請の場合にも操作誤りによって選択申請者情報が正しくないという事態も発生し得る。
【0016】
本実施の形態では、申請者の例えば名刺等の画像も複合機200から送信する構成を採用し、申請者確認を行い、申請者の正誤について判定を行っている。
より詳細には、名刺等の画像から、申請者を特定する情報である申請者特定情報を取得する。申請処理システム100は、申請者特定情報と選択申請者情報とが合致するか否かを判定する。申請者特定情報は、申請者を識別可能な画像情報より得られる画像申請者情報の一例である。
【0017】
判定結果が合致するものであるときには申請処理を進めて、経費精算システム300に選択申請者情報及び領収書画像412を送信する。その一方で、判定結果が合致するものでないときには、申請処理を中断し、訂正操作を求める。
【0018】
図2は、複合機200のブロック図である。
同図に示すように、複合機200は、UI装置201、画像読取装置202及びCPU(Central Processing Unit)203を備える。また、複合機200のCPU203は、識別情報受付部210と、識別情報送信部220と、申請者群情報受信部230と、表示制御部240と、選択受付部250と、選択情報送信部260と、画像取得部270と、画像送信部280と、を備える。
【0019】
なお、CPU203は、ROM(Read Only Memory)に記憶されているプログラムを読み出し、RAM(Random Access Memory)を作業エリアにしてプログラムを実行する。CPU203によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、複合機200へ提供し得る。また、CPU203によって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて複合機200にダウンロードしてもよい。
【0020】
識別情報受付部210は、UI装置201から識別情報が出力されるとそれを受け付け、識別情報送信部220及び表示制御部240に送信する。識別情報送信部220は、識別情報を申請処理システム100に送信する。
UI装置201から出力される識別情報は、複合機200にログインした者の識別情報であり、申請者または代理者である。
【0021】
申請者群情報受信部230は、申請処理システム100から、識別情報に対応する申請者群情報10(図1参照)が出力されると、それを受信し、表示制御部240に送信する。表示制御部240は、申請者群情報10及び識別情報受付部210からの識別情報をUI装置201に送信する。UI装置201は、それを例えばメニュー方式で申請者群情報10を表示する。
【0022】
選択受付部250は、UI装置201に表示された申請者群情報10から操作選択された選択申請者情報(選択情報)を受け付け、選択情報送信部260に送信する。選択情報送信部260は、選択情報を申請処理システム100に送信する。
【0023】
画像取得部270は、画像読取装置202から名刺画像411及び領収書画像412を取得すると、画像送信部280に送信する。画像送信部280は、名刺画像411及び領収書画像412を申請処理システム100に送信する。名刺画像411及び領収書画像412を別々の画像として送信するほか、1つの画像にして送信しても良い。
【0024】
図3及び図4は、申請処理システム100のブロック図である。
図3に示すように、申請処理システム100の各部を制御するCPU180は、識別情報受信部110と、識別情報送信部120と、申請者群情報受信部130と、申請者群情報送信部140と、を備える。
【0025】
識別情報受信部110は、上述した複合機200の識別情報送信部220から送信された識別情報を受信し、識別情報送信部120に送信する。識別情報送信部120は、その識別情報を経費精算システム300に送信する。
【0026】
申請者群情報受信部130は、識別情報に対応する申請者群情報10(図1参照)を経費精算システム300から受信すると、申請者群情報送信部140に送信する。申請者群情報送信部140は、その申請者群情報10を複合機200に送信する。
【0027】
図4に示すように、CPU180は、画像受信部152、画像抽出部154、申請者特定情報抽出部156、選択情報受信部158、合致判定部162、選択情報送信部164、画像送信部166、中断通知部168、選択情報再受信部172及び選択情報確定部174を備える。
【0028】
画像受信部152は、複合機200からの領収書画像及び名刺画像を受信し、画像抽出部154に送信する。画像抽出部154は、領収書画像及び名刺画像から、領収書部分の画像と名刺部分の画像を抽出する処理を行う。申請者特定情報抽出部156は、抽出した画像から申請者特定情報を抽出し、合致判定部162に申請者特定情報を送信する。選択情報受信部158は、複合機200から選択申請者情報(選択情報)を受信する。
【0029】
合致判定部162は、選択情報受信部158の選択情報と申請者特定情報抽出部156の申請者特定情報とが合致するかどうかを判定する。
【0030】
選択情報送信部164は、上記判定結果が合致する場合に選択情報を経費精算システム300に送信する。
画像送信部166は、領収書画像412(例えば図1参照)を経費精算システム300に送信する。
【0031】
中断通知部168は、合致判定部162による判定が合致しないとして申請処理が中断された場合、画像の送信を制限し、UI装置201に中断通知を表示させる。かかる通知は、選択情報を再び入力することを促す画像も含まれる。
なお、中断通知部168によるUI装置201の通知と共に、あるいはUI装置201の通知の代わりに、識別情報に対応付けられる電子メールアドレスへの通知を行うようにしても良い。
【0032】
選択情報再受信部172は、UI装置201の要求画像に応じて識別情報の再入力が行われた場合、UI装置201から選択情報を受信する。
選択情報確定部174は、選択情報再受信部172の選択情報が申請者特定情報抽出部156の申請者特定情報と合致する場合、合致した選択情報として確定する。これにより、画像送信の制限が解除され、処理が再開される。すなわち、選択情報送信部164及び画像送信部166から経費精算システム300への送付が行われる。
【0033】
なお、本実施の形態では、図3に示す識別情報受信部110等や図4に示す画像受信部152等を申請処理システム100のCPU180により実現しているが、これに限られず、複合機200のCPU203(例えば図2参照)により実現しても良い。この場合、選択情報受信部(図4では符号158)は、選択申請者情報取得機能の一例であり、申請者特定情報抽出部(同図では符号156)は、画像申請者情報取得機能の一例であり、中断通知部(同図では符号168)は、画像送信制限機能の一例である。
また、図2のCPU203はプロセッサの一例であり、UI装置201は操作部の一例であり、画像読取装置202は読み取り部の一例であり、画像送信部280は送信部の一例である。複合機200は申請処理装置の一例である。
【0034】
図5は、申請処理システム100の処理手順例を示すフローチャートである。
同図に示す処理手順例では、画像抽出部154(図4参照)により画像抽出が行われ(ステップ101)、申請者特定情報抽出部156により画像から申請者特定情報が抽出される(ステップ102)。
S101の画像抽出の処理例としては、例えばエッジ検出などの方法でスキャン画像から部分画像を抽出し、抽出された各画像に対してOCR処理を適用して得られた文字列に「受領書」などの文言や金額、日付等がある場合は領収書とするという判別を行う。また、得られた文字列に会社名や氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス等を表わす文字列がある場合は名刺とするという判別を行う。また、部分画像のサイズが名刺の定型サイズと近い場合は名刺とする、という判別を行う。
【0035】
S102の申請者特定情報抽出の処理としては、名刺画像の抽出処理において、申請者の会社名や氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス等の情報が画像とあわせて抽出される。なお、部署名や役職に関する情報の抽出方法については、氏名の近傍に存在する「部」「課」を含む文字列や「部長」「課長」を含む文字列、などとして抽出する。
なお、本実施の形態では、画像抽出及び申請者特定情報抽出は、申請処理システム100で処理するが、これに限られず、複合機200で処理しても良い。
【0036】
選択申請者情報(選択情報)が、S102で抽出された申請者特定情報と合致するか否かの合致判定を合致判定部162(図4参照)が行う(S103)。
合致する場合(S103でYes)、画像送信部166(同図参照)により領収書画像が経費精算システム300に送信される(S104)。すなわち、抽出された領収書部分の画像を、選択された申請者のものとして経費精算システム300に送信する。
合致しない場合(S103でNo)、中断通知部168によりUI装置201に中断が通知され(S105)、選択情報再入力指示ないし再開指示が表示される(S106)。代理申請の場合、中断通知としては、複合機200で選択した申請者と名刺等の情報が一致しなかったために領収書画像を申請者のものとして送信する処理を中断したことを、代行者に電子メール等で通知する。
【0037】
S103の合致判定は、例えば代理申請の場合、代行者が複合機200で選択した申請者について、経費精算システムに登録されている氏名等の情報が、名刺画像から抽出した氏名等の情報と合致するか判定する。すなわち、複数の情報を用いて合致判定を総合的に判断する。
【0038】
その一例を示すと、例えば重み付けによる数値化を行い、閾値よりも大きい場合に、選択申請者情報と申請者特定情報とが合致するとし、閾値以下の場合に両者は合致しないとする。例えば、氏名等の情報の種類をi、各情報毎の文字列の一致度合いをM(i)、各情報に対する重みをw(i)として、一致度合いの重み付け和
【数1】

の値で数値化する。
例えば、姓、名、従業員ID及びユーザIDを用いる場合には、iが4になる。
氏名の場合には、同姓同名を考慮してw(i)の値を小さくし、IDの場合には、一意に特定されるものであることからw(i)の値を大きくする等としても良い。
【0039】
ここで、選択申請者情報(選択情報)が申請者特定情報と合致するか否かの合致判定のほか、選択申請者情報以外の他の申請者の情報についての補助判定を採用しても良い。ここにいう補助判定は、選択申請者情報以外の他の申請者の情報が申請者特定情報と合致するか否かの判定をいう。
【0040】
補助判定は、S103の合致判定を行う際に併せて行う場合と、S103の合致判定が合致するものでないときに補助判定を行う場合と、がある。
前者の場合には、申請者群情報に含まれる複数の申請者がいる場合、申請者それぞれについて数値化し、選択申請者情報の値がそれ以外の申請者の値よりも大きいときに選択申請者情報(選択情報)が申請者特定情報と合致するとされる。この場合には閾値を用いないことから、固定の閾値を用いる場合に比べて判定の精度が向上する。
【0041】
後者の場合は二段階の判定であり、合致判定が否定の場合に補助判定を行い、補助判定でも否定のときに、S105の中断通知を行う。後者の場合、合致判定が閾値を用い、補助判定も閾値を用いる場合の他、補助判定で選択申請者情報を基準に用いる場合も考えられる。
【0042】
S106で示す再入力指示ないし再開指示に対し、代行者は申請処理システム100にアクセスし、中断された処理と再選択可能な申請者の一覧を参照することになる。
なお、S103の合致判定で他の申請者に合致するとされた場合はその申請者を提示しても良い。また、再選択可能な申請者の一覧を、上記数値化された値Sの降順に示す等のソート処理表示することで、申請者の再選択が容易になる。代行者は、再選択結果を確認した後に、中断された処理の再開を指示する。
【0043】
次に、図5のフローチャートにおける処理についてさらに説明する。
図6は、図5のS101の画像抽出を説明する図であり、複合機200の画像読取装置202により読み取られた読取画像である。
図6に示す読取画像410は、申請者の名刺1枚と領収書5枚を画像読取装置202(図2参照)で読み取った場合の名刺画像411及び領収書画像412a~412eを示す。この際に、名刺及び領収書に黒い紙を被せて、名刺画像411及び領収書画像412a~412eと背景413との境界が明確になるようにすることで、黒色以外の部分を切り取りやすくなり、画像からの情報抽出処理の精度が高まる。
【0044】
図7は、図5のS102の申請者特定情報抽出について説明する図であり、(a)は名刺画像411、(b)は名刺以外の場合の読取画像420を示す。これらの名刺画像411、読取画像420は、申請者を識別可能な画像情報の一例であり、氏名や会社名等の申請者を特定するための特定情報を複数含む。名刺画像は、申請者自身の名刺の画像の一例である。読み取り画像420は、項目が予め定められている様式に記入済みの画像の一例である。
図7(a)の名刺画像411に示すように、名刺には、姓、名、部署名、役職、会社住所、メールアドレス、電話番号等の、会社ないし組織の外部に提示可能な情報である対外的情報が複数記載されている。メールアドレスは、申請者を一意に特定可能であることから、メールアドレスの情報が重要になり得る。このため、図5のS103の合致判定にメールアドレスの情報のみで行ったり、メールアドレスの情報と共に他の情報を用いて行ったりすることが考えられる。
【0045】
また、図7(b)に示す読取画像420は、経費精算システム300(図1参照)で管理されている情報の一部である項目が予め定められている様式に記入済みの画像であり、会社ないし組織内の情報である内部情報が複数含まれている。かかる内部情報は、名刺には含まれていないものであり、読取画像420の場合には、従業員ID及び経費精算システム300へのログイン名である経費精算システムログイン名が含まれている。
このような予め定められた書式を用いることで、様々な書式で表示される名刺の場合よりも読み取りが容易になる。
なお、画像の四隅にある記号は、画像における上下位置を認識するために用いるものであり、その一例を示す。
【0046】
図7に示す例のほか、申請者の顔の画像を用いても良い。このような顔の画像は、判定精度が高まる。顔の画像は、名刺にも含まれる場合があり、また、予め定められた書式に含ませることが可能である。
また、申請者を特定可能なバーコード、2次元バーコードを用いても良い。
【0047】
図8は、申請者情報を示す画面例である。
同図に示す画面430は、経費精算システム300に保存される申請者情報を初期設定や設定変更する場合のものであり、経費精算システム300に接続される例えば不図示の端末に表示される。
画面430は、全般設定のプロパティ画面であり、図7(b)に示すログイン名や、同図(a)に示す情報メールアドレス等の情報を含む申請者情報が表示されている。
S103の合致判定を行う申請処理システム100は、経費精算システム300から選択申請者情報(選択情報)として、図8に示す申請者情報を取得する。
【0048】
図9は、代理申請の場合の複合機200の画面440を示す図である。
同図に示す画面440は、代行者が複合機200(図1参照)にログインした場合、その代行者が代理申請権限を有する申請者のリストが表示された状態を示す。すなわち、上述の申請者群情報10(図1)に基づく申請者の一覧表示として、「申請者氏名1」~「申請者氏名11」の項目441が表示されている。
また、ログインした代行者は、「申請者氏名1」~「申請者氏名11」のいずれかを選択し、「OK」の項目442を選択して代理申請を進める。1つの画面で申請者の一覧表示がなされないほど多くの申請者の代理申請権限を有するときには、「次」の項目443を表示させることで、残りの申請者を選択することが可能になる。
なお、ログインした代行者が代理申請ではなく本人申請する場合に選択することになる「設定しない」の項目444が用意されている。
【0049】
図10は、経費精算システム300による経費精算対象を示す画面450を示す図である。
同図に示すように、画面450は、申請者1による経費精算を行う場合に表示される例であり、経費精算システム300に接続される例えば不図示の端末に表示される。
画面450は、承認依頼する「経費レポート一覧」の欄451と、「レポートに添付できる領収書」の欄452を含む。なお、申請者1に成り代わって代理申請が行われる場合でも、申請者1による本人申請の場合でも、表示内容は同じであるが、代理申請の場合に代行者を表示しても良い。
【0050】
代行者Bまたは申請者Aは、欄451にある「日付」及び「金額」を確認し、修正の必要がなければ、すべてのチェック欄にチェックし、「承認依頼」の項目453を操作する。また、削除するときには、該当するチェック欄にチェックし、「削除」の項目454を操作する。また、修正する必要があるときは、該当するレポートの「編集」の項目455を操作し、編集操作する。その際、欄452の領収書画像1~3のうち対応するものの参照欄456を操作することで、添付されている領収書画像を参照する。また、領収書画像1~3のいずれかを削除する必要があるときには、「削除」の項目457を操作する。
【0051】
図11は、代理申請の場合で再選択するときの複合機200の画面460を示す図である。
同図に示す画面460は、合致判定で合致しないとして中断通知(S103でNo、S105参照)された後の選択情報再入力/再開指示(S106)において、上述の補助判定による重み付け和の値Sの大きい順に並べられて上位5名を示す項目461に表示される。このため、選択情報再入力を行う際の負担が軽減される。画面460は、合致度合いに応じてソート順に表示している点で、図9の画面440と異なる。
もし上位5名に含まれないときは、「他」の項目462を押すと残りが表示される。
なお、再選択時の画面460をプルダウンメニューで表示しても良い。
また、画面460の項目461は、上位者に限定して表示しているが、これに限られず、表示可能な申請者をソート表示しても良い。
【0052】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【符号の説明】
【0053】
100…申請処理システム、158…選択情報受信部、180、203…CPU、200…複合機、201…UI装置、202…画像読取装置、280…画像送信部、411…名刺画像、420…読取画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11