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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04842 20220101AFI20240806BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20240806BHJP
   G06F 3/041 20060101ALN20240806BHJP
   G06F 3/044 20060101ALN20240806BHJP
【FI】
G06F3/04842
G06F3/14 350B
G06F3/041 640
G06F3/044 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020129712
(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公開番号】P2022026314
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-035496(JP,A)
【文献】特開2016-062220(JP,A)
【文献】国際公開第2006/123513(WO,A1)
【文献】特開2013-114612(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0125144(US,A1)
【文献】特開2009-017328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04842
G06F 3/14
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
変形可能な表示部の変形に伴う曲げ部の位置を境に1つの表示面が複数の領域に分けられる場合、表示の対象である複数の画像の内容に応じて、当該表示面の前記複数の領域に跨って表示する少なくとも1つの単一ページの画像の配置を決定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
複数の前記画像のうち優先度が高い画像の画面比率が横長の場合、前記表示面の使用の向きで前記優先度が高い画像の横の長さが大きくなるように割り当て、残りの領域に他の画像を優先度の順番に割り当てる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
複数の前記画像のうち優先度が高い画像の画面比率が縦長の場合、前記表示面の使用の向きで前記優先度が高い画像の縦の長さが大きくなるように割り当て、残りの領域に他の画像を優先度の順番に割り当てる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像の優先度は、ユーザの設定により定まる、請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
動画像及び静止画像及び文書の優先度は、メモ及び操作子及びウィジェットの優先度よりも高く設定される、請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記画像の優先度は、データ量の大きさにより定まる、請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記画像が複数のページで構成される場合、ページの移動を伴うスクロールの方向に応じ、前記表示面内における領域の割り当てを決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
変形可能な表示部の変形に伴う曲げ部の位置を境に1つの表示面が複数の領域に分けられる場合、表示の対象である複数の画像の内容に応じて、当該表示面の前記複数の領域に跨って表示する少なくとも1つの単一ページの画像の配置を決定させる機能
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、表示面の変形が可能な表示デバイスが実用化されている。表示面が変形する場合には、表示デバイスそのものが任意の位置で変形可能な場合もあれば、変形の位置が予め用意されたヒンジの位置に制限される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-19663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の画像を1つの表示面に表示する場合、各画像の表示に用いる領域が、曲げ部を跨がないように配置する方法がある。曲げ部には筋が視認されることがあり、筋が視認されると、多くの場合、画質の低下をまねくためである。
ただし、画像の内容によっては、筋が見えたとしても横に長い領域を割り当てた方が画像の観察が容易な場合もあれば、反対に縦に長い領域を割り当てた方が画像の観察が容易な場合もある。また、複数のページを含む画像の場合には、1つ前又は後のページに移動する方向に長い領域を割り当てる方が画像の観察が容易な場合もある。
【0005】
本発明は、表示部の変形に伴う曲げ部の位置を基準に画像を表示する領域の割り当てを決定する場合に比して、画像の観察を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、変形可能な表示部の変形に伴う曲げ部の位置を境に1つの表示面が複数の領域に分けられる場合、表示の対象である複数の画像の内容に応じて、当該表示面の前記複数の領域に跨って表示する少なくとも1つの単一ページの画像の配置を決定する、情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、複数の前記画像のうち優先度が高い画像の画面比率が横長の場合、前記表示面の使用の向きで前記優先度が高い画像の横の長さが大きくなるように割り当て、残りの領域に他の画像を優先度の順番に割り当てる、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、複数の前記画像のうち優先度が高い画像の画面比率が縦長の場合、前記表示面の使用の向きで前記優先度が高い画像の縦の長さが大きくなるように割り当て、残りの領域に他の画像を優先度の順番に割り当てる、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記画像の優先度は、ユーザの設定により定まる、請求項2又は3に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、動画像及び静止画像及び文書の優先度は、メモ及び操作子及びウィジェットの優先度よりも高く設定される、請求項2又は3に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記画像の優先度は、データ量の大きさにより定まる、請求項2又は3に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記画像が複数のページで構成される場合、ページの移動を伴うスクロールの方向に応じ、前記表示面内における領域の割り当てを決定する、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、変形可能な表示部の変形に伴う曲げ部の位置を境に1つの表示面が複数の領域に分けられる場合、表示の対象である複数の画像の内容に応じて、当該表示面の前記複数の領域に跨って表示する少なくとも1つの単一ページの画像の配置を決定させる機能を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、表示部の変形に伴う曲げ部の位置を基準に画像を表示する領域の割り当てを決定する場合に比して、画像の観察を容易にできる。
請求項2記載の発明によれば、優先度の高い画像の観察を容易にできる。
請求項3記載の発明によれば、優先度の高い画像の観察を容易にできる。
請求項4記載の発明によれば、ユーザの希望を優先できる。
請求項5記載の発明によれば、相対的にユーザの注目度が高い情報の観察を容易にできる。
請求項6記載の発明によれば、相対的にデータ量が多い情報の観察を容易にできる。
請求項7記載の発明によれば、スクロールの方向に応じて画像の配置を決定できる。
請求項8記載の発明によれば、表示部の変形に伴う曲げ部の位置を基準に画像を表示する領域の割り当てを決定する場合に比して、画像の観察を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1で使用する携帯可能な携帯端末の外観構成の一例を説明する図である。(A)は携帯端末を正面から見た図であり、(B)は携帯端末を側面から見た図である。
図2】ディスプレイを変形する場合に生じる2つの表示領域と、その境界の位置を与える境界線を説明する図である。(A)は携帯端末を正面から見た図であり、(B)は携帯端末を側面から見た図である。
図3】実施の形態1で使用する携帯端末のハードウェア構成の一例を説明する図である。
図4】ディスプレイに表示される画像の配置を決定する方法の一例を説明するフローチャートである。
図5】実施の形態1で使用する設定の一例を説明する図である。
図6】携帯端末のディスプレイを縦向きで使用する場合における画像の配置例1を説明する図である。(A)は境界線を跨がない配置例を示し、(B)は境界線を跨ぐ配置を含む配置例を示す。
図7】携帯端末のディスプレイを縦向きで使用する場合における画像の配置例2を説明する図である。(A)~(C)は画像の配置が決定される過程を説明する図であり、(D)は各画像が境界線を跨がないように配置する比較例を説明する図である。
図8】携帯端末のディスプレイを縦向きで使用する場合における画像の配置例3を説明する図である。(A)~(C)は画像の配置が決定される過程を説明する図であり、(D)は各画像が境界線を跨がないように配置する比較例を説明する図である。
図9】携帯端末のディスプレイを縦向きで使用する場合における画像の配置例4を説明する図である。(A)~(C)は画像の配置が決定される過程を説明する図であり、(D)は各画像が境界線を跨がないように配置する比較例を説明する図である。
図10】携帯端末のディスプレイを横向きで使用する場合における画像の配置例5を説明する図である。(A)~(C)は画像の配置が決定される過程を説明する図であり、(D)は各画像が境界線を跨がないように配置する比較例を説明する図である。
図11】携帯端末のディスプレイを横向きで使用する場合における画像の配置例6を説明する図である。(A)~(C)は画像の配置が決定される過程を説明する図であり、(D)は各画像が境界線を跨がないように配置する比較例を説明する図である。
図12】携帯端末のディスプレイを縦向きで使用する状態から横向きで使用する状態に変化させる場合の画像の配置例7を説明する図である。(A)はディスプレイを縦向きで使用する場合の画像の配置例であり、(B)はディスプレイを横向きで使用する場合の画像の配置例を説明する図である。
図13】実施の形態2で使用する携帯端末に対する歪ゲージの設置例を説明する図である。
図14】実施の形態2で使用する携帯端末のハードウェア構成の一例を説明する図である。
図15】実施の形態2におけるディスプレイの変形と境界線との関係を説明する図である。(A)は携帯端末をディスプレイの対角線方向の変形させた状態を示し、(B)は変形後における表示領域の設定例を示す。
図16】実施の形態2におけるディスプレイの変形と画像の配置との関係を説明する図である。(A)は携帯端末をディスプレイの対角線方向の変形させた状態を示し、(B)は縦長の画像A及びBを表示する場合の配置例であり、(C)は横長の画像A及びBを表示する場合の配置例である。
図17】2つのヒンジを有する携帯端末の構成例を説明する図である。(A)は携帯端末を正面から見た図であり、(B)は携帯端末を側面から見た図であり、(C)は携帯端末の変形例を説明する図である。
図18】3つの表示領域4A、4B、4Cに対する画像の配置例を説明する図である。(A)は2つ又は3つの表示領域に跨って画像を配置する例を示し、(B)は1つの表示領域に1つの画像を配置する比較例を示す。
図19】他の携帯端末の外観構成の一例を説明する図である。
図20】他の携帯端末の外観構成の一例を説明する図である。(A)は携帯端末を正面から見た図であり、(B)は携帯端末を側面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<実施の形態1>
<外観構成>
図1は、実施の形態1で使用する携帯可能な端末(以下「携帯端末」という)1の外観構成の一例を説明する図である。(A)は携帯端末1を正面から見た図であり、(B)は携帯端末1を側面から見た図である。携帯端末1は情報処理装置の一例である。
図1に示す携帯端末1は、例えばタブレット型のコンピュータやスマートフォンを想定している。もっとも、携帯端末1は、ゲーム機や電子辞書でもよい。
【0010】
本実施の形態における携帯端末1の本体2は、2つの本体パネル2A及び2Bを有している。
本体パネル2A及び2Bの内部には、コンピュータとしての動作を可能にする不図示の部品が内蔵されている。2つの本体パネル2A及び2Bは、ヒンジ3を介して互いに連結されている。本実施の形態で使用するヒンジ3は、携帯端末1の短辺を2分する位置に設けられている。ヒンジ3は、プラスチック、樹脂、ゴム等の変形可能な素材、可動部品で構成される連結金具等でもよい。
【0011】
図1の場合、ディスプレイ4の短辺はx軸の方向であり、長辺はy軸方向である。なお、本実施の形態で使用する携帯端末1の長辺の長さLyは、短辺の長さLxの2倍以上である。
本実施の形態で使用するディスプレイ4は、ヒンジ3を中心としてV字形状への変形が可能である。ヒンジ3が設けられている位置は、曲げ部の位置に対応する。
本実施の形態における携帯端末1は、ディスプレイ4が設けられている面を谷側とする折り曲げ変形が可能である。このため、ディスプレイ4は、折り曲げ変形が可能な素材、例えばフィルム状のプラスチック基板に形成されている。
【0012】
ディスプレイ4は、例えば有機EL(=Electro Luminescent)ディスプレイや液晶ディスプレイで構成される。ディスプレイ4の表面(すなわち表示面)には画像その他の情報が表示される。
図2は、ディスプレイ4を変形する場合に生じる2つの表示領域4A及び表示領域4Bと、その境界の位置を与える境界線41を説明する図である。(A)は携帯端末1を正面から見た図であり、(B)は携帯端末1を側面から見た図である。以下では、図2(A)に示すように、境界線41の向きが縦向きとなるディスプレイ4の配置において、ユーザから見て境界線41の左に位置する表示領域の意味で「左領域4A」ということがあり、反対に境界線41の右に位置する表示領域の意味で「右領域4B」ということがある。
【0013】
境界線41は、折り筋として視認される場合もあれば、折り筋として視認されない場合もある。また、当初は折り筋として視認されないが、経年変化に伴い、折り筋として視認される場合もある。
携帯端末1は、変形前のディスプレイ4を1つの表示領域として管理するが、変形後のディスプレイ4を2つの表示領域4A及び表示領域4Bとして管理する。
本実施の形態における表示領域4Aと表示領域4Bの形状は同じある。従って、表示領域4Aの長辺の長さは、短辺の長さの4倍以上となる。表示領域4Bについても同様である。
【0014】
<ハードウェア構成>
図3は、実施の形態1で使用する携帯端末1のハードウェア構成の一例を説明する図である。
本実施の形態で使用する携帯端末1は、プログラムの実行を通じて各部を制御するプロセッサ101と、ディスプレイ4に表示されるソフトウェアキー(以下「ソフトキー」ともいう)に対する操作を検知する静電容量式のフィルムセンサ102と、ヒンジ角センサ103と、慣性センサ104と、通話や録音に使用されるマイク105と、音の出力に使用されるスピーカ106と、システムデータや内部データが記憶される内部メモリ107と、補助記憶装置としての外部メモリ108と、外部装置との通信に用いられる通信モジュール109等を有している。
【0015】
本実施の形態の場合、内部メモリ107と外部メモリ108は、半導体メモリである。内部メモリ107は、BIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)と、主記憶装置として用いられるRAM(=Random Access Memory)とを有している。プロセッサ101と内部メモリ107はコンピュータを構成する。プロセッサ101は、RAMをプログラムの作業スペースとして使用する。外部メモリ108には、ファームウェアやアプリが記憶される。
【0016】
フィルムセンサ102は、ディスプレイ4の表面に配置される。フィルムセンサ102は、ディスプレイ4に表示される情報の観察を妨げない特性を有し、ユーザが操作する位置を静電容量の変化により検知する。
ヒンジ角センサ103は、本体2がヒンジ3を中心に変形される場合における本体パネル2Aと本体パネル2Bとが成す角度に関する情報を出力する。換言すると、ヒンジ角センサ103は、折り曲げの角度を出力する。なお、折り曲げ角度を表す情報として、ヒンジ3を構成する歯車の回転数や回転角等を出力してもよい。
【0017】
慣性センサ104は、例えば加速度と角速度を検知する6軸センサである。慣性センサ104により携帯端末1の使用時の姿勢の検知が可能になる。
マイク105は、ユーザの音声や周囲の音を電気信号に変換するデバイスである。
スピーカ106は、電気信号を音に変換して出力するデバイスである。
【0018】
通信モジュール109は、複数世代の移動通信システム、無線LAN(=Local Area Network)、ブルートゥース(登録商標)、USB(=Universal Serial Bus)等の規格に準拠している。
移動通信システムに準拠する規格には、例えば第4世代(すなわち4G)や第5世代(すなわち5G)がある。また、無線LANの規格には、例えばIEEE802.11の11a、11b、11g、11n、11ac、11ad、11axがある。
【0019】
<複数の画像の配置の決定>
図4は、ディスプレイ4に表示される画像の配置を決定する方法の一例を説明するフローチャートである。図4に示す処理は、プロセッサ101(図3参照)が実行する。なお、図中に示す記号のSはステップを表している。
図4の場合、プロセッサ101は、最初に、ディスプレイ4のスペックを取得する(ステップ1)。ここでは、スペックとして、ディスプレイ4の画面サイズ、解像度、アスペクト比等の情報が取得される。アスペクト比は、画面の横の長さと縦の長さの比であり、画面比率の一例である。
【0020】
次に、プロセッサ101は、ディスプレイ4の使用の向き、2つの表示領域4A及び表示領域4Bのサイズ等の情報を取得する(ステップ2)。使用の向きの特定には、例えば慣性センサ104の出力を使用する。本実施の形態では、ディスプレイ4の長辺の向きが、ユーザから見て縦方向か横方向かが特定される。換言すると、境界線41の向きが、ユーザから見て縦向きか横向きかが特定される。本実施の形態では、ディスプレイ4の長辺が縦向きで使用される場合を「縦長」での使用といい、ディスプレイ4の長辺が横向きで使用される場合を「横長」での使用という。
【0021】
続いて、プロセッサ101は、起動中のアプリと各アプリにより表示される画像の内容等を取得する(ステップ3)。ここでのアプリは、ディスプレイ4への画像の表示を伴うアプリに限定される。従って、バックグラウンドで実行中のアプリは無視される。
画像の内容には、画像の種類、アスペクト比、複数ページの有無、スクロールの有無等がある。これらの情報は、例えばアプリから取得する。本実施の形態の場合、画像の種類は、動画像、静止画像、文書、画像の操作子、メモ、ガジェット等により区分される。ここでの動画像、静止画像、文書、画像の操作子、メモ、ガジェット等は、画像の一例である。
本実施の形態では、横の長さが縦の長さよりも長い画像を横長の画像又はアスペクト比が横長といい、縦の長さが横の長さよりも長い画像を縦長の画像又はアスペクト比が縦長という。
【0022】
動画像には、例えばテレビ画像やビデオ画像がある。なお、時間の経過に伴って表示の内容が変化するアイコンも動画像に含まれる。ただし、本実施の形態では、アイコンを、動画像とは別の種類として扱う。アイコンは、特定のアプリの起動や特定の画面等の呼び出しに用いられる。
静止画像には、例えば写真や地図、案内板、標識、アイコンがある。ここでのアイコンは、時間の経過に伴って表示の内容が変化しないアイコンを意味する。
文書には、例えばオフィスソフトで作成される画像、スキャナにより光学的に読み取った画像、Eメール、ファックス画像、ウェブ画像がある。
【0023】
操作子には、例えば動画像や静止画像等に対する動作の指示に用いるソフトキーやスクロールバーがある。操作子には、例えば再生、停止、ページ送り、スクロールの指示に用いる画像がある。本実施の形態における操作子は、動画像や静止画像に従たる画像である。このため、操作子は、基本的に制御の対象である動画像や静止画像の周辺に配置される。
メモには、例えばタスク等のリスト、覚え書き、ノート、付箋、メモ帳がある。本実施の形態の場合、メモは、文書に対して入力や表示が簡略化された又は制限されているアプリに対応する。
ウィジェットには、例えばアプリの起動に用いるアイコンや情報の表示に用いるインターフェースをいう。ウィジェットは、特定の目的に特化したアプリに対応する。
【0024】
次に、プロセッサ101は、取得された内容等に関する設定があるか否かを判定する(ステップ4)。
図5は、実施の形態1で使用する設定の一例を説明する図である。図5に示す設定は、例えば外部メモリ108に記憶されている。
図5に示す設定の場合、各画像は、種類、アスペクト比、複数ページの有無、スクロールの有無、優先度の情報で構成される。
【0025】
本実施の形態の場合、アスペクト比は、アプリにより指定される。もっとも、表示のサイズは、配置された領域に応じて変化する。また、図5の場合、画像のアスペクト比が横長か縦長かで区分しているが、4:3や16:9などの具体的な数値で特定してもよい。なお、画像の操作子であるソフトキーの形状や配列等は様々であるので、図5においては、アスペクト比の区分を記載していない。メモやウィジェットについても同様である。
【0026】
複数ページは、画像がページ形式で管理される場合に画像が複数のページ画像で構成されることを意味する。例えばオフィスソフトで作成されるテキスト文書が代表例である。もっとも、複数ページであっても、1つの領域内に複数のページを割り付けて表示するレイアウトの場合で、1つの領域内に全てのページが割り付けられるときは、スクロールは不要である。
なお、単一ページの場合でも、画像の全てが領域内に収まらないときは、スクロールが必要になるが、ここでの設定では考慮しない。
【0027】
優先度は、対応する画像を配置する表示領域を決定する順番を与える。本実施の形態の場合、数字の「1」が最も優先されることを意味し、次は数字の「2」であり、その次が数字の「3」である。
従って、表示の対象である画像が複数ある場合、優先度が「1」の画像を配置する領域は、優先度が「2」や「3」の画像よりも先に決定される。なお、優先度が同じ画像の間では、予め定めた規則に従って先に領域を決定する画像が特定される。例えば動画像が静止画像よりも優先される。また例えばデータ量の大きい画像が、データ量の小さい画像よりも優先される。
【0028】
図4の説明に戻る。
取得された内容等に関する設定がある場合、プロセッサ101は、ステップ4で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ101は、表示する各画像の優先度を取得する(ステップ5)。次に、プロセッサ101は、優先度に応じて各画像の配置を決定して表示する(ステップ6)。
一方、取得された内容等に関する設定が存在しない場合、プロセッサ101は、ステップ4で否定結果を得る。この場合、プロセッサ101は、1つのアプリを1つの表示領域に順番に配置して表示する(ステップ7)。割り当てる順番は、例えばアプリが起動された順番により決定する。
【0029】
このように、プロセッサ101は、初期の配置を決定して表示する。一方で、プロセッサ101が決定した配置を変更したい場合がある。
そこで、プロセッサ101は、ステップ6又はステップ7の実行後、画像の配置に対する変更の希望があるか否かを判定する(ステップ8)。
ステップ8で肯定結果が得られた場合、プロセッサ101は、ユーザの指示に応じて配置を変更し、変更後の配置を登録する(ステップ9)。ユーザが登録した配置の情報がある場合、プロセッサ101は、ステップ5及び6の配置の決定の際に、ユーザが登録した配置を優先する。
ステップ8で否定結果が得られた場合、プロセッサ101は、画像の配置を決定する処理を終了する。
【0030】
<複数画像の配置例>
以下では、図6図12を用いて画像の配置例を説明する。
<配置例1>
図6は、携帯端末1のディスプレイ4を縦向きで使用する場合における画像の配置例1を説明する図である。(A)は境界線41を跨がない配置例を示し、(B)は境界線41を跨ぐ配置を含む配置例を示す。
図6(A)の場合、左領域4Aには画像Aが配置され、右領域4Bには画像Bと画像Cが上下に配置されている。
一方、図6(B)の場合、左領域4Aと右領域4Bを跨ぐように画像Aが配置され、左領域4Aの下段に画像Bが、右領域4Bの下段に画像Cが配置されている。
【0031】
図6の場合、各画像の面積はほぼ同じである。
ただし、画像Aが縦長の画像の場合や縦方向にスクロールする画像の場合には、図6(A)に示す配置の方がユーザには視認性がよい。
一方、画像Aが横長の画像の場合や横方向にスクロールする画像の場合には、境界線41が筋として視認されることで画像Aの画質を低下させてしまうが、図6(B)に示す配置の方が、アスペクト比を維持したまま画像Aを大きく表示することが可能である。このため、画像Aの表示には、図6(B)に示す配置の方が、ユーザにとっての視認性がよい。
このように、ユーザにとって視認性がよい画像の配置は、画像の内容に応じて定まる。
【0032】
<配置例2>
図7は、携帯端末1のディスプレイ4を縦向きで使用する場合における画像の配置例2を説明する図である。(A)~(C)は画像の配置が決定される過程を説明する図であり、(D)は各画像が境界線41を跨がないように配置する比較例を説明する図である。
図7に示す配置例は、優先度が「1」の動画像401と、優先度が「2」の操作子402とメモ403と、優先度が「3」のウィジェット404をディスプレイ4に配置する場合を想定している。
【0033】
この場合、優先度が「1」の画像は、動画像401だけである。このため、動画像401の配置が最初に決定される。図7で想定する動画像401は横長の画像であるので、左領域4Aと右領域4Bの両方を跨ぐように動画像401の配置が決定される。動画像401の配置が決まった状態が図7(A)である。
【0034】
優先度が「2」の画像は、操作子402とメモ403の2つである。ただし、操作子402の方が、優先度が「1」の動画像401との関連性が高いので、操作子402の配置が先に決定される。図7の場合、操作子402は、動画像401の再生や停止の指示に用いるソフトキーや再生中の位置を示す時間軸とで構成される。操作子402の配置が決まった状態が図7(B)である。図7の場合、操作子402は、動画像401の下辺に沿って配置される。
【0035】
この後、同じ優先度のメモ403の配置が決定され、続いて、優先度が「3」のウィジェット404の配置が決定される。全ての画像の配置が決まった状態が図7(C)である。
参考までに、比較例を図7(D)に示す。図7(D)は、アプリ毎に配置する領域を決定する場合を採用する場合の配置例である。図7(D)は、動画像401のアスペクト比を維持する場合の配置である。この場合、動画像401は、左領域4Aに配置されるので、動画像401の表示上のサイズは、図7(A)の配置に比して格段に小さくなり、視認性が低下してしまう。この視認性の低下の影響は、境界線41が筋として視認される以上に大きい。
【0036】
<配置例3>
図8は、携帯端末1のディスプレイ4を縦向きで使用する場合における画像の配置例3を説明する図である。(A)~(C)は画像の配置が決定される過程を説明する図であり、(D)は各画像が境界線41を跨がないように配置する比較例を説明する図である。
図8に示す配置例は、優先度が「1」の文書411と、優先度が「2」の操作子412とメモ413をディスプレイ4に配置する場合を想定している。
【0037】
この場合、優先度が「1」の画像は、文書411だけである。このため、文書411の配置が最初に決定される。図8で想定する文書411は、2ページが左右に配置される横長の画像であるので、左領域4Aと右領域4Bの両方を跨ぐように文書411の配置が決定される。文書411の配置が決まった状態が図8(A)である。
【0038】
優先度が「2」の画像は、操作子412とメモ413の2つである。ただし、操作子412の方が、優先度が「1」の文書411との関連性が高いので、操作子412の配置が先に決定される。図8の場合、操作子412は、文書411のページ送りの指示に用いるソフトキーや全ページに対する位置を示すスライダとで構成される。操作子412の配置が決まった状態が図8(B)である。
【0039】
この後、同じ優先度のメモ403の配置が決定される。全ての画像の配置が決まった状態が図8(C)である。
参考までに、比較例を図8(D)に示す。図8(D)は、アプリ毎に配置する領域を決定する場合を採用する場合の配置例である。図8(D)は、文書411のアスペクト比を維持する場合の配置である。この場合、文書411は、左領域4Aに配置されるので、文書411の表示上のサイズは、図8(A)の配置に比して格段に小さくなり、視認性が低下してしまう。この視認性の低下の影響は、境界線41が筋として視認される以上に大きい。
【0040】
<配置例4>
図9は、携帯端末1のディスプレイ4を縦向きで使用する場合における画像の配置例4を説明する図である。(A)~(C)は画像の配置が決定される過程を説明する図であり、(D)は各画像が境界線41を跨がないように配置する比較例を説明する図である。
図9に示す配置例は、優先度が「1」の静止画像421及び422と、優先度が「2」のメモ423と、優先度が「3」のウィジェット424をディスプレイ4に配置する場合を想定している。
【0041】
図9の場合、優先度が「1」の画像は、静止画像421及び静止画像422の2つである。このため、静止画像421と静止画像422の間で最初に配置する画像が決定される。図9では、表示される画像のサイズが大きい静止画像421の配置が最初に決定される。例外もあるが、一般には、サイズが大きいとデータ量も大きい。
図9で想定する静止画像421は横長の画像であるので、左領域4Aと右領域4Bの両方を跨ぐように静止画像421の配置が決定される。静止画像421の配置が決まった状態が図9(A)である。
【0042】
次に、優先度が同じ「1」の静止画像422の配置が決定される。静止画像422も横長の画像であるが、アプリが指定する画像のサイズは、静止画像421よりも小さい。この静止画像422は、空き領域に配置される。なお、横長である静止画像422も、左領域4Aと右領域4Bの両方を跨ぐように配置が決定される。静止画像422の配置が決まった状態が図9(B)である。
次に高い優先度は「2」である。優先度が「2」の画像はメモ423である。メモ423は、空き領域である領域4Bの下段に配置される。その後、優先度が「3」の画像であるウィジェット424の配置が最後まで残った空き領域に配置される。メモ423とウィジェット424の配置が決まった状態が図9(C)である。
【0043】
参考までに、比較例を図9(D)に示す。図9(D)は、アプリ毎に配置する領域を決定する場合を採用する場合の配置例である。図9(D)は、静止画像421と静止画像422のアスペクト比を維持する場合の配置である。この場合、静止画像421は左領域4Aに配置され、静止画像422は右領域4Bに配置される。横幅が領域4A及び4Bの幅に制限されるので、静止画像421と静止画像422の表示上のサイズは、図9(A)の配置に比して格段に小さくなり、視認性が低下してしまう。この視認性の低下の影響は、境界線41が筋として視認される以上に大きい。
【0044】
<配置例5>
図10は、携帯端末1のディスプレイ4を横向きで使用する場合における画像の配置例5を説明する図である。(A)~(C)は画像の配置が決定される過程を説明する図であり、(D)は各画像が境界線41を跨がないように配置する比較例を説明する図である。
図10に示す配置例は、優先度が「1」の文書431と、優先度が「2」の操作子432とメモ433と、優先度が「3」のウィジェット434をディスプレイ4に配置する場合を想定している。なお、図10の場合、境界線41は横向きとなる。
【0045】
図10の場合、優先度が「1」の画像は、縦書きの文書431だけである。このため、文書431の配置が最初に決定される。図10で想定する文書431は縦書きの画像であるので、縦方向のサイズが長くなるように、左領域4Aと右領域4Bの両方を跨ぐように文書431の配置が決定される。文書431の配置が決まった状態が図10(A)である。
【0046】
次に、優先度が「2」の画像は、操作子432とメモ433の2つである。ただし、操作子432の方が、優先度が「1」の文書431との関連性が高いので、操作子432の配置が先に決定される。図10の場合、操作子432は、文書431の表示位置を指定するスクロールで構成される。操作子432の配置が決まった状態が図10(B)である。
次に、同じ優先度のメモ433の配置が決定され、続いて、優先度が「3」のウィジェット434の配置が決定される。メモ433とウィジェット434の配置が決まった状態が図10(C)である。
【0047】
参考までに、比較例を図10(D)に示す。図10(D)は、アプリ毎に配置する領域を決定する場合を採用する場合の配置例である。図10(D)は、文書431の配置が境界線41を超えないように決定する場合である。この場合、文書431は右領域4Bに配置され、メモ433は左領域4Aに配置される。縦方向の幅が右領域4Bの幅に制限されるので、文書431の表示上の縦方向の幅は、図10(A)の配置に比して格段に狭くなり、視認性が低下してしまう。この視認性の低下の影響は、境界線41が筋として視認される以上に大きい。
【0048】
<配置例6>
図11は、携帯端末1のディスプレイ4を横向きで使用する場合における画像の配置例6を説明する図である。(A)~(C)は画像の配置が決定される過程を説明する図であり、(D)は各画像が境界線41を跨がないように配置する比較例を説明する図である。
図11に示す配置例は、優先度が「1」の文書441と、優先度が「2」の操作子442とメモ443と、優先度が「3」のウィジェット444をディスプレイ4に配置する場合を想定している。なお、図11の場合も、境界線41は横向きとなる。
【0049】
図11の場合、優先度が「1」の画像は、横書きの文書441だけである。このため、文書441の配置が最初に決定される。図11の場合、文書441のスクロールの方向は縦方向である。このため、文書441は、縦方向のサイズが長くなるように、左領域4Aと右領域4Bの両方を跨ぐように配置が決定される。文書441の配置が決まった状態が図11(A)である。図11では、文書441のアスペクト比が維持されている。
【0050】
次に、優先度が「2」の画像は、操作子442とメモ443の2つである。ただし、操作子442の方が、優先度が「1」の文書441との関連性が高いので、操作子442の配置が先に決定される。図11の場合、操作子442は、文書441の表示位置を指定するスクロールで構成される。操作子442の配置が決まった状態が図11(B)である。図11では、文書441は、表示の位置が縦方向にスクロールされる。
次に、同じ優先度のメモ443の配置が決定され、続いて、優先度が「3」のウィジェット444の配置が決定される。メモ443とウィジェット444の配置が決まった状態が図11(C)である。
【0051】
参考までに、比較例を図11(D)に示す。図11(D)は、アプリ毎に配置する領域を決定する場合を採用する場合の配置例である。図11(D)は、文書441の配置が境界線41を超えないように決定する場合である。この場合、文書441は、アスペクト比を維持した状態で左領域4Aに配置され、メモ443は右領域4Bに配置される。縦方向の幅が領域4Aの幅に制限されるので、文書441の表示上の縦方向の幅は、図11(A)の配置に比して格段に狭くなり、視認性が低下してしまう。この視認性の低下の影響は、境界線41が筋として視認される以上に大きい。
【0052】
<配置例7>
図12は、携帯端末1のディスプレイ4を縦向きで使用する状態から横向きで使用する状態に変化させる場合の画像の配置例7を説明する図である。(A)はディスプレイ4を縦向きで使用する場合の画像の配置例であり、(B)はディスプレイ4を横向きで使用する場合の画像の配置例を説明する図である。
図12に示す配置例は、優先度が「1」の画像が画像451と画像452の2つであり、優先度が「2」の画像が画像453の場合を想定している。
本実施の形態の場合には、携帯端末1の使用の向きが縦向きでも横向きでも、優先度の順番に配置が決定され、相対的に順位が低い優先度の画像が空き領域に配置される。このため、使用の向きが変更されても、画像451と画像452の画像は、境界線41を跨いで配置されるので、画像のサイズが大きく変化することはなく、視認性が確保される。
【0053】
<実施の形態2>
図13は、実施の形態2で使用する携帯端末1Aに対する歪ゲージ5の設置例を説明する図である。
図13に示す図は、携帯端末1Aを正面から見た図である。
本実施の形態で使用する携帯端末1Aの本体2とディスプレイ4は、柔軟性が高い基板で構成され、任意の位置で表方向にも裏方向にも折り曲げ変形が可能である。すなわち、本実施の形態で使用する携帯端末1Aは、実施の形態1で説明した携帯端末1(図1参照)とは異なり、表示面を任意の場所で変形することが可能である。このため、本実施の形態で使用する携帯端末1Aにはヒンジ3が設けられていない。
【0054】
代わりに、ディスプレイ4の全面に歪ゲージ5が配置される。図13の場合、複数の歪ゲージ5は、ディスプレイ4の全面に等間隔に配置されている。もっとも、歪ゲージ5は、ディスプレイ4の外周である額縁の領域にのみ配置してもよい。本実施の形態の場合、複数の歪ゲージ5から出力される歪の大きさの分布に基づいてディスプレイ4の折り曲げ変形後の形状が推定される。
歪ゲージ5は、ディスプレイ4の下層と本体2との間に設けられる。本実施の形態では、折り曲げ変形に伴う境界線41の位置の特定に歪ゲージ5を使用する。
本実施の形態における携帯端末1Aも、情報処理装置の一例である。
【0055】
図14は、実施の形態2で使用する携帯端末1Aのハードウェア構成の一例を説明する図である。図14には、図3との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態で使用する携帯端末1Aには、ヒンジ角センサ103(図3参照)に代えて歪ゲージ5が設けられている。
歪ゲージ5は、薄い絶縁体上にジグザグ形状にレイアウトされた金属の抵抗体が取り付けられた構造を有し、抵抗体の変形に伴う電気抵抗の変化を測定し、これを被測定物の歪量に換算する。歪ゲージ5は、力学的センサの一例である。
【0056】
本実施の形態におけるプロセッサ101は、複数の歪ゲージ5から出力される歪の大きさ等の分布からディスプレイ4の折り曲げ変形後の形状を推定し、境界線41(図2参照)の位置を特定する。境界線41の位置が特定されると、プロセッサ101は、境界線41を挟んで隣り合う領域を、前述した実施の形態における表示領域4A及び表示領域4Bとして特定する。
図15は、実施の形態2におけるディスプレイ4の変形と境界線41との関係を説明する図である。(A)は携帯端末1Aをディスプレイ4の対角線方向の変形させた状態を示し、(B)は変形後における表示領域4A及び表示領域4Bの設定例を示す。
図15に示す変形の場合、境界線41は、ディスプレイ4の対角線方向に形成される。この結果、表示領域4A及び表示領域4Bは三角形になる。
【0057】
図16は、実施の形態2におけるディスプレイ4の変形と画像の配置との関係を説明する図である。(A)は携帯端末1Aをディスプレイ4の対角線方向の変形させた状態を示し、(B)は縦長の画像A及びBを表示する場合の配置例であり、(C)は横長の画像A及びBを表示する場合の配置例である。図16には、図15との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態で使用する携帯端末1Aの場合、ディスプレイ4に形成される境界線41の位置は固定されておらず、曲げ位置に応じて変化する。このため、表示領域4Aと表示領域4Bの形状も様々である。仮に、表示領域4Aと表示領域4Bの形状に合わせて画像を表示すると、画像のアスペクト比が変化し、画像の視認性が低下する。また、画像のサイズが小さくなる可能性がある。
【0058】
しかし、本実施の形態の場合には、表示領域4A及び表示領域4Bを跨いで画像を配置することが可能である。このため、画像A及び画像Bが縦長であれば、図16(B)に示すように、縦長のアスペクト比のまま、ディスプレイ4のサイズを活用した表示が可能になる。また、画像A及び画像Bが横長であれば、図16(C)に示すように、横長のアスペクト比のまま、ディスプレイ4のサイズを活用した表示が可能になる。
【0059】
<実施の形態3>
前述の実施の形態では、境界線41(図2参照)が1箇所の場合について説明したが、境界線41は2つ以上でもよい。
図17は、2つのヒンジ3を有する携帯端末1Bの構成例を説明する図である。(A)は携帯端末1Bを正面から見た図であり、(B)は携帯端末1Bを側面から見た図であり、(C)は携帯端末1Bの変形例を説明する図である。
なお、本実施の形態で使用するヒンジ3は、実施の形態1とは異なり、ディスプレイ4が配置されている側の面が、尾根側にも谷側にも変形が可能である。
図17に示す携帯端末1Bは、3つの本体パネル2A、2B、2Cにより構成され、それぞれは2つのヒンジ3により連結されている。携帯端末1Bを変形すると、2つの境界線41(図2参照)が現れ、3つの表示領域4A、4B、4Cに分割される。
【0060】
図18は、3つの表示領域4A、4B、4Cに対する画像の配置例を説明する図である。(A)は2つ又は3つの表示領域に跨って画像を配置する例を示し、(B)は1つの表示領域に1つの画像を配置する比較例を示す。
本実施の形態の場合、画像A、画像B、文書はいずれも優先度が「1」である。ただし、画像のサイズやデータ量の観点から、画像B、画像A、文書の順番に配置が決定される。このため、サイズやデータ量が最も大きい画像Bが3つの表示領域4A、4B、4Cを跨るように、ディスプレイ4の下段に配置されている。また、サイズやデータ量が2番目に大きい画像Aは、2つの表示領域4A、4Bを跨るように、ディスプレイ4の上段に配置されている。文書は、空き領域であるディスプレイ4の上段右端に配置されている。
なお、比較例の場合は、横幅が1つの表示領域に制限されながらもアスペクト比を維持するため、画像Aと画像Bの表示のサイズが小さくなり視認性が低くなる。
【0061】
<他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は前述した実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0062】
(1)前述の実施の形態では、携帯端末1(図1参照)等のディスプレイ4(図1参照)が常に露出している場合について説明した。しかし、ディスプレイ4は、使用する場合に限り引き出され、使用しない場合には収容される構造でもよい。
図19は、他の携帯端末1Cの外観構成の一例を説明する図である。携帯端末1Cも情報処理装置の一例である。
【0063】
図19に示す携帯端末1Cは、変形可能な表示面を有する1枚のディスプレイ4が設けられているフィルム状の本体2を巻き取った状態で収容する装置本体20Aと、本体2の他端側に取り付けられる引き出し部材20Bとを有している。
図19の場合、装置本体20Aから引き出されたディスプレイ4は、変形により波打った形状を有している。このため、3つの境界線41が設けられている。この場合、3つの境界線41により区分される4つの表示領域4A~4Dのうちの2つ又は4つを跨いで画像を配置することが可能になる。なお、図19では、境界線41が3つ形成されているが、境界線41が形成されない場合もあれば、境界線41が1つだけ形成される場合、境界線41が2つ形成される場合、4つ以上形成される場合も起こりうる。
【0064】
(2)前述の実施の形態1においては、携帯端末1(図1参照)等に変形可能な1枚のディスプレイ4(図1参照)を有する場合について説明した。しかし、ディスプレイ4は複数枚でもよい。
図20は、他の携帯端末1Dの外観構成の一例を説明する図である。(A)は携帯端末1Dを正面から見た図であり、(B)は携帯端末1Dを側面から見た図である。図20には、図1との対応する部分に対応する符号を付して示している。携帯端末1Dも情報処理装置の一例である。
【0065】
図20に示す携帯端末1Dは、2枚のディスプレイ4により表示面が構成される。これら2枚のディスプレイ4は、それぞれ独立した表示領域を構成する。各アプリの画像は1つの表示領域にのみ表示してもよいし、2枚のディスプレイ4に跨いで表示してもよい。
携帯端末1Dの場合、本体パネル2Aと本体パネル2Bは、ヒンジ3Aに対して両方向に回転が可能に取り付けられている。ヒンジ3Aには、本体パネル2Aを両方向に回転が自在に取り付ける回転軸と、本体パネル2Bを両方向に回転が自在に取り付ける回転軸とが内蔵されている。このため、ディスプレイ4を内側に折り畳むことも、ディスプレイ4を外側に折り畳むことも可能である。
本実施の形態で使用する本体パネル2A、本体パネル2B、ディスプレイ4は、いずれも剛性が高く、それ自体は変形しない。
【0066】
(3)前述の実施の形態におけるディスプレイ4の長辺の長さLyは、短辺の長さLxの2倍以上である場合について説明したが、長辺の長さLyが短辺の長さLxの2倍以下でも構わない。
(4)前述の実施の形態では、ディスプレイ4の形状として矩形形状を想定しているが、長方形の4つの角のうち少なくとも1つを面取り加工した形状や丸めた加工した形状でもよい。この形状の例には、長方形の4つの角の全てを丸め加工した形状がある。
また、ディスプレイ4の形状は、矩形形状に限定されず、例えば多角形の形状や閉曲線の形状でもよい。多角形の形状は、正多角形に限らず、凸多角形でもよい。また、閉曲線の形状は、楕円形状や円形状、ハート形状でもよい。
【0067】
(5)前述した各実施の形態におけるプロセッサは、広義的な意味でのプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit)の他、専用的なプロセッサ(例えばGPU(=Graphical Processing Unit)、ASIC(=Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(=Field Programmable Gate Array)、プログラム論理デバイス等)を含む。
また、前述した各実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサが単独で実行してもよいが、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して実行してもよい。また、プロセッサにおける各動作の実行の順序は、前述した各実施の形態に記載した順序のみに限定されるものでなく、個別に変更してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1、1A、1B、1C、1D…携帯端末、2…本体、2A、2B、2C…本体パネル、3、3A…ヒンジ、4…ディスプレイ、4A、4B、4C、4D…表示領域、5…歪ゲージ、41…境界線、20A…装置本体、20B…引き出し部材、101…プロセッサ、102…フィルムセンサ、103…ヒンジ角センサ、104…慣性センサ、105…マイク、106…スピーカ、107…内部メモリ、108…外部メモリ、109…通信モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20