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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
G03G21/00
G03G21/00 510
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020134380
(22)【出願日】2020-08-07
(65)【公開番号】P2022030386
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 正安
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-263069(JP,A)
【文献】特開2000-338733(JP,A)
【文献】特開平09-054531(JP,A)
【文献】特開2017-207618(JP,A)
【文献】特開2020-052241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布ムラ検知モードを有する画像形成装置であって、
像担持体と、
前記像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段と、
前記潤滑剤塗布手段により潤滑剤が塗布された前記像担持体に画像を形成するとともに、前記塗布ムラ検知モードにおいては塗布ムラの検知感度が高くなるように、前記像担持体を帯電する帯電手段による帯電電位の増大、現像手段の現像バイアスの増大、現像手段の現像バイアスに印加する交流電圧のピーク間電圧の低下、現像手段の現像バイアスに印加する交流電圧の周波数の低下、のうち少なくとも1つの画像形成条件を変更した状態で、前記像担持体に濃度ムラ測定用の画像を形成する画像形成手段と、
自装置または自装置外に備えられた濃度ムラ測定手段であって、前記塗布ムラ検知モードにおいて前記画像形成手段により形成された前記濃度ムラ測定用の画像か、当該画像の1次または複数次の転写によって得られた濃度ムラ測定用の画像の少なくともいずれかの濃度ムラ測定用の画像について、第1の濃度ムラを測定する濃度ムラ測定手段と、
前記濃度ムラ測定手段により測定された第1の濃度ムラに基づいて、前記潤滑剤塗布手段による潤滑剤の塗布ムラを検知する塗布ムラ検知手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記塗布ムラ検知手段は、前記第1の濃度ムラと基準値とを比較し、第1の濃度ムラが基準値以下の場合は塗布ムラは限界に達していないと判定し、前記第1の濃度ムラが基準値を超えている場合は、塗布ムラが既に限界に達しているか、限界に達するタイミングが近いと判定する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記濃度ムラ測定手段は、前記画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラを測定し、
前記塗布ムラ検知手段は、前記第1の濃度ムラが基準値を超えている場合、前記第2の濃度ムラが基準値を超えていれば、塗布ムラが既に限界に達していると判定し、第2の濃度ムラが基準値以下であれば、塗布ムラが限界に達するタイミングが近いと判定する請求項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記塗布ムラ検知モードにおいて、前記画像形成手段は、前記濃度ムラ測定用の画像をハーフトーン画像として形成する請求項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記塗布ムラ検知手段による塗布ムラの検知結果に基づいて、前記潤滑剤塗布手段の交換時期を算出する交換時期算出手段を備えている請求項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記濃度ムラ測定手段は、前記画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラを測定し、
前記第1の濃度ムラが基準値を超えており、前記第2の濃度ムラが基準値以下の場合に、前記交換時期算出手段は前記潤滑剤塗布手段の交換時期を算出する請求項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記塗布ムラ検知手段による塗布ムラの検知結果に基づいて、前記潤滑剤塗布手段による前記像担持体への潤滑剤の塗布量を制御する塗布量制御手段を備えている請求項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記濃度ムラ測定手段は、前記画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラを測定し、
前記第1の濃度ムラ及び第2の濃度ムラが基準値以下である場合、及び/または、前記第1の濃度ムラ及び第2の濃度ムラが共に基準値を超えている場合に、前記塗布量制御手段は前記潤滑剤塗布手段による前記像担持体への潤滑剤の塗布量を制御する請求項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記潤滑剤塗布手段は、前記像担持体に潤滑剤を塗布する回転可能な潤滑剤塗布ブラシと、潤滑剤塗布ブラシへ潤滑剤を押圧して供給する押圧手段を備え、
前記塗布量制御手段は、潤滑剤の塗布量の制御を、前記潤滑剤塗布ブラシの回転停止を含む回転数の変更または潤滑剤塗布ブラシへの潤滑剤押圧力の変更、の少なくともいずれかによって実施する請求項またはに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記塗布ムラ検知手段による塗布ムラの検知結果に基づいて、次回の塗布ムラ検知時期を算出する検知時期算出手段を備えている請求項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記濃度ムラ測定手段は、前記画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラを測定し、
前記第1の濃度ムラが基準値を超えており、前記第2の濃度ムラが基準値以下の場合に、前記検知時期算出手段は次回の塗布ムラ検知時期を算出する請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記塗布ムラ検知手段による塗布ムラの検知結果に基づいて、前記画像形成手段の画像形成条件を制御する画像形成条件制御手段を備えている請求項1~11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記濃度ムラ測定手段は、前記画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラを測定し、
前記第1の濃度ムラ及び第2の濃度ムラが共に基準値を超えている場合に、前記画像形成条件制御手段は画像形成条件を制御する請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
塗布ムラ検知モードを有し、像担持体と、前記像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段と、を備えた画像形成装置のコンピュータに、
前記潤滑剤塗布手段により潤滑剤が塗布された前記像担持体に画像を形成するとともに、前記塗布ムラ検知モードにおいては塗布ムラの検知感度が高くなるように、前記像担持体を帯電する帯電手段による帯電電位の増大、現像手段の現像バイアスの増大、現像手段の現像バイアスに印加する交流電圧のピーク間電圧の低下、現像手段の現像バイアスに印加する交流電圧の周波数の低下、のうち少なくとも1つの画像形成条件を変更した状態で、前記像担持体に濃度ムラ測定用の画像を形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップにより前記像担持体に形成された濃度ムラ測定用の画像か、当該画像の1次または複数次の転写によって得られた濃度ムラ測定用の画像の少なくともいずれかの濃度ムラ測定用の画像について測定された第1の濃度ムラに基づいて、前記潤滑剤塗布手段による前記潤滑剤の塗布ムラを検知する塗布ムラ検知ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項15】
前記塗布ムラ検知ステップでは、前記第1の濃度ムラと基準値とを比較し、第1の濃度ムラが基準値以下の場合は塗布ムラは限界に達していないと判定し、
前記第1の濃度ムラが基準値を超えている場合は、塗布ムラが既に限界に達しているか、限界に達するタイミングが近いと判定する処理を、前記コンピュータに実行させる請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記塗布ムラ検知ステップでは、前記第1の濃度ムラが基準値を超えている場合、前記潤滑剤の塗布量を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について測定された第2の濃度ムラが基準値を超えていれば、塗布ムラが既に限界に達していると判定し、第2の濃度ムラが基準値以下であれば、塗布ムラが限界に達するタイミングが近いと判定する請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記塗布ムラ検知モードにおいて、前記画像形成装置に、前記濃度ムラ測定用の画像をハーフトーン画像として形成させる処理を、前記コンピュータに実行させる請求項1416のいずれかに記載のプログラム。
【請求項18】
前記塗布ムラ検知ステップによる塗布ムラの検知結果に基づいて、前記潤滑剤塗布手段の交換時期を算出する交換時期算出ステップを、前記コンピュータにさらに実行させる請求項1417のいずれかに記載のプログラム。
【請求項19】
前記第1の濃度ムラが基準値を超えており、かつ前記潤滑剤の塗布量を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について測定された第2の濃度ムラが基準値以下の場合に、前記交換時期算出ステップでは前記潤滑剤塗布手段の交換時期を算出する請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記塗布ムラ検知ステップによる塗布ムラの検知結果に基づいて、前記画像形成ステップにおける前記潤滑剤塗布手段による潤滑剤の塗布量を制御する塗布量制御ステップを、前記コンピュータにさらに実行させる請求項1419のいずれかに記載のプログラム。
【請求項21】
前記第1の濃度ムラが基準値以下で、かつ前記潤滑剤の塗布量を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について測定された第2の濃度ムラが基準値以下である場合、及び/または、前記第1の濃度ムラ及び第2の濃度ムラが共に基準値を超えている場合に、前記塗布量制御ステップでは前記像担持体への潤滑剤の塗布量を制御する請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】
前記潤滑剤塗布手段は、潤滑剤塗布対象の前記像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布ブラシと、潤滑剤塗布ブラシへ潤滑剤を押圧して供給する押圧手段を備え、
前記潤滑剤の塗布量の制御を、前記潤滑剤塗布ブラシの回転停止を含む回転数の変更または潤滑剤塗布ブラシへの潤滑剤押圧力の変更、の少なくともいずれかによって実施する処理を、前記コンピュータに実行させる請求項20または21に記載のプログラム。
【請求項23】
前記塗布ムラ検知ステップによる塗布ムラの検知結果に基づいて、次回の塗布ムラ検知時期を算出する検知時期算出ステップを、前記コンピュータにさらに実行させる請求項1422のいずれかに記載のプログラム。
【請求項24】
前記第1の濃度ムラが基準値を超えており、かつ前記潤滑剤の塗布量を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について測定された第2の濃度ムラが基準値以下の場合に、前記検知時期算出ステップでは次回の塗布ムラ検知時期を算出する請求項23に記載のプログラム。
【請求項25】
前記塗布ムラ検知ステップによる塗布ムラの検知結果に基づいて、前記画像形成条件を制御する画像形成条件制御ステップを、前記コンピュータにさらに実行させる請求項1424のいずれかに記載のプログラム。
【請求項26】
前記第1の濃度ムラが基準値を超えており、かつ前記潤滑剤の塗布量を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について測定された第2の濃度ムラが基準値を超えている場合に、前記画像形成条件制御ステップでは画像形成条件を制御する請求項25に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、あるいはこれら複数の装置の機能を備えた複合機等の画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような画像形成装置、特に印刷方式として電子写真方式が採用されている画像形成装置においては、像担持体としての感光体の表面に潤滑剤を塗布するものが知られている。潤滑剤は、感光体の表面の摩擦係数を低下させ、感光体およびクリーニング装置の負荷を低下させるという役割を担っている。また、潤滑剤は、トナーの転写効率を向上させたり、感光体を放電生成物から保護したりする役割をも担っている。
【0003】
このような潤滑剤は、潤滑剤塗布装置によって感光体に塗布されるが、潤滑剤塗布装置の経時劣化等に起因して塗布性能が低下すると、潤滑剤の塗布量が変化して塗布ムラが発生し易くなり、感光体に対する潤滑剤の効果を十分に発揮させることができない。このため、潤滑剤の塗布ムラを早期に検知することが必要となる。
【0004】
特許文献1には、潤滑剤供給ローラの総走行距離または総駆動時間から固形潤滑剤の寿命または総消費量を算出する画像形成装置が開示されている。
【0005】
特許文献2には、潤滑剤塗布ブラシの回転数を計測するとともに、潤滑剤塗布ブラシの回転数と固形潤滑剤の寿命との対応データを保持しておき、計測された回転数と対応データから固形潤滑剤の寿命を判断する画像形成装置が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3~6には、潤滑剤の残量を検知あるいは判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6010852号公報
【文献】特開2007-164105号公報
【文献】特許第5790962号公報
【文献】特許第6120130号公報
【文献】特許第5235846号公報
【文献】特許第3406099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記の特許文献1~6には、潤滑剤塗布装置の寿命を潤滑剤供給ローラの走行距離、駆動時間、回転数で推定したり、潤滑剤の残量を直接に検知することは記載されているものの、潤滑剤の塗布ムラを早期に高精度で検知する技術については十分な開示がなされていない。
【0009】
この発明の目的は、潤滑剤の塗布ムラを早期に高精度で検知することができる画像形成装置及びプログラムを提供することにある。
【0010】
この発明の他の目的は、潤滑剤の塗布ムラの検知結果に基づいて、潤滑剤塗布手段の交換時期や次回検出時期の算出、潤滑剤の塗布量の制御や画像形成条件の制御等を行うことができる画像形成装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は以下の手段によって達成される。
(1)塗布ムラ検知モードを有する画像形成装置であって、像担持体と、前記像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段と、前記潤滑剤塗布手段により潤滑剤が塗布された前記像担持体に画像を形成するとともに、前記塗布ムラ検知モードにおいては塗布ムラの検知感度が高くなるように、前記像担持体を帯電する帯電手段による帯電電位の増大、現像手段の現像バイアスの増大、現像手段の現像バイアスに印加する交流電圧のピーク間電圧の低下、現像手段の現像バイアスに印加する交流電圧の周波数の低下、のうち少なくとも1つの画像形成条件を変更した状態で、前記像担持体に濃度ムラ測定用の画像を形成する画像形成手段と、自装置または自装置外に備えられた濃度ムラ測定手段であって、前記塗布ムラ検知モードにおいて前記画像形成手段により形成された前記濃度ムラ測定用の画像か、当該画像の1次または複数次の転写によって得られた濃度ムラ測定用の画像の少なくともいずれかの濃度ムラ測定用の画像について、第1の濃度ムラを測定する濃度ムラ測定手段と、前記濃度ムラ測定手段により測定された第1の濃度ムラに基づいて、前記潤滑剤塗布手段による潤滑剤の塗布ムラを検知する塗布ムラ検知手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
)前記塗布ムラ検知手段は、前記第1の濃度ムラと基準値とを比較し、第1の濃度ムラが基準値以下の場合は塗布ムラは限界に達していないと判定し、前記第1の濃度ムラが基準値を超えている場合は、塗布ムラが既に限界に達しているか、限界に達するタイミングが近いと判定する前項1に記載の画像形成装置。
)前記濃度ムラ測定手段は、前記画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラを測定し、前記塗布ムラ検知手段は、前記第1の濃度ムラが基準値を超えている場合、前記第2の濃度ムラが基準値を超えていれば、塗布ムラが既に限界に達していると判定し、第2の濃度ムラが基準値以下であれば、塗布ムラが限界に達するタイミングが近いと判定する前項に記載の画像形成装置。
)前記塗布ムラ検知モードにおいて、前記画像形成手段は、前記濃度ムラ測定用の画像をハーフトーン画像として形成する前項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
)前記塗布ムラ検知手段による塗布ムラの検知結果に基づいて、前記潤滑剤塗布手段の交換時期を算出する交換時期算出手段を備えている前項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
)前記濃度ムラ測定手段は、前記画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラを測定し、前記第1の濃度ムラが基準値を超えており、前記第2の濃度ムラが基準値以下の場合に、前記交換時期算出手段は前記潤滑剤塗布手段の交換時期を算出する前項に記載の画像形成装置。
)前記塗布ムラ検知手段による塗布ムラの検知結果に基づいて、前記潤滑剤塗布手段による前記像担持体への潤滑剤の塗布量を制御する塗布量制御手段を備えている前項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
)前記濃度ムラ測定手段は、前記画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラを測定し、前記第1の濃度ムラ及び第2の濃度ムラが基準値以下である場合、及び/または、前記第1の濃度ムラ及び第2の濃度ムラが共に基準値を超えている場合に、前記塗布量制御手段は前記潤滑剤塗布手段による前記像担持体への潤滑剤の塗布量を制御する前項に記載の画像形成装置。
)前記潤滑剤塗布手段は、前記像担持体に潤滑剤を塗布する回転可能な潤滑剤塗布ブラシと、潤滑剤塗布ブラシへ潤滑剤を押圧して供給する押圧手段を備え、前記塗布量制御手段は、潤滑剤の塗布量の制御を、前記潤滑剤塗布ブラシの回転停止を含む回転数の変更または潤滑剤塗布ブラシへの潤滑剤押圧力の変更、の少なくともいずれかによって実施する前項またはに記載の画像形成装置。
10)前記塗布ムラ検知定手段による塗布ムラの検知結果に基づいて、次回の塗布ムラ検知時期を算出する検知時期算出手段を備えている前項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
11)前記濃度ムラ測定手段は、前記画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラを測定し、前記第1の濃度ムラが基準値を超えており、前記第2の濃度ムラが基準値以下の場合に、前記検知時期算出手段は次回の塗布ムラ検知時期を算出する前項10に記載の画像形成装置。
12)前記塗布ムラ検知手段による塗布ムラの検知結果に基づいて、前記画像形成手段の画像形成条件を制御する画像形成条件制御手段を備えている前項1~11のいずれかに記載の画像形成装置。
13)前記濃度ムラ測定手段は、前記画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラを測定し、前記第1の濃度ムラ及び第2の濃度ムラが共に基準値を超えている場合に、前記画像形成条件制御手段は画像形成条件を制御する前項12に記載の画像形成装置。
14)塗布ムラ検知モードを有し、像担持体と、前記像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段と、を備えた画像形成装置のコンピュータに、前記潤滑剤塗布手段により潤滑剤が塗布された前記像担持体に画像を形成するとともに、前記塗布ムラ検知モードにおいては塗布ムラの検知感度が高くなるように、前記像担持体を帯電する帯電手段による帯電電位の増大、現像手段の現像バイアスの増大、現像手段の現像バイアスに印加する交流電圧のピーク間電圧の低下、現像手段の現像バイアスに印加する交流電圧の周波数の低下、のうち少なくとも1つの画像形成条件を変更した状態で、前記像担持体に濃度ムラ測定用の画像を形成する画像形成ステップと、前記画像形成ステップにより前記像担持体に形成された濃度ムラ測定用の画像か、当該画像の1次または複数次の転写によって得られた濃度ムラ測定用の画像の少なくともいずれかの濃度ムラ測定用の画像について測定された第1の濃度ムラに基づいて、前記潤滑剤塗布手段による前記潤滑剤の塗布ムラを検知する塗布ムラ検知ステップと、を実行させるためのプログラム。
15)前記塗布ムラ検知ステップでは、前記第1の濃度ムラと基準値とを比較し、第1の濃度ムラが基準値以下の場合は塗布ムラは限界に達していないと判定し、前記第1の濃度ムラが基準値を超えている場合は、塗布ムラが既に限界に達しているか、限界に達するタイミングが近いと判定する処理を、前記コンピュータに実行させる前項14に記載のプログラム。
16)前記塗布ムラ検知ステップでは、前記第1の濃度ムラが基準値を超えている場合、前記潤滑剤の塗布量を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について測定された第2の濃度ムラが基準値を超えていれば、塗布ムラが既に限界に達していると判定し、第2の濃度ムラが基準値以下であれば、塗布ムラが限界に達するタイミングが近いと判定する前項15に記載のプログラム。
17)前記塗布ムラ検知モードにおいて、前記画像形成装置に、前記濃度ムラ測定用の画像をハーフトーン画像として形成させる処理を、前記コンピュータに実行させる前項1416のいずれかに記載のプログラム。
18)前記塗布ムラ検知ステップによる塗布ムラの検知結果に基づいて、前記潤滑剤塗布手段の交換時期を算出する交換時期算出ステップを、前記コンピュータにさらに実行させる前項1417のいずれかに記載のプログラム。
19)前記第1の濃度ムラが基準値を超えており、かつ前記潤滑剤の塗布量を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について測定された第2の濃度ムラが基準値以下の場合に、前記交換時期算出ステップでは前記潤滑剤塗布手段の交換時期を算出する前項18に記載のプログラム。
20)前記塗布ムラ検知ステップによる塗布ムラの検知結果に基づいて、前記画像形成ステップにおける前記潤滑剤塗布手段による潤滑剤の塗布量を制御する塗布量制御ステップを、前記コンピュータにさらに実行させる前項1419のいずれかに記載のプログラム。
21)前記第1の濃度ムラが基準値以下で、かつ前記潤滑剤の塗布量を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について測定された第2の濃度ムラが基準値以下である場合、及び/または、前記第1の濃度ムラ及び第2の濃度ムラが共に基準値を超えている場合に、前記塗布量制御ステップでは前記像担持体への潤滑剤の塗布量を制御する前項20に記載のプログラム。
22)前記潤滑剤塗布手段は、潤滑剤塗布対象の前記像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布ブラシと、潤滑剤塗布ブラシへ潤滑剤を押圧して供給する押圧手段を備え、前記潤滑剤の塗布量の変更を、前記潤滑剤塗布ブラシの回転停止を含む回転数の変更または潤滑剤塗布ブラシへの潤滑剤押圧力の変更、の少なくともいずれかによって実施する処理を、前記コンピュータに実行させる前項20または21に記載のプログラム。
23)前記塗布ムラ検知ステップによる塗布ムラの検知結果に基づいて、次回の塗布ムラ検知時期を算出する検知時期算出ステップを、前記コンピュータにさらに実行させる前項1422のいずれかに記載のプログラム。
24)前記第1の濃度ムラが基準値を超えており、かつ前記潤滑剤の塗布量を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について測定された第2の濃度ムラが基準値以下の場合に、前記検知時期算出ステップでは次回の塗布ムラ検知時期を算出する前項23に記載のプログラム。
25)前記塗布ムラ検知ステップによる塗布ムラの検知結果に基づいて、前記画像形成条件を制御する画像形成条件制御ステップを、前記コンピュータにさらに実行させる前項1424のいずれかに記載のプログラム。
26)前記第1の濃度ムラが基準値を超えており、かつ前記潤滑剤の塗布量を変更することなく形成された少なくともいずれかの前記濃度ムラ測定用の画像について測定された第2の濃度ムラが基準値を超えている場合に、前記画像形成条件制御ステップでは画像形成条件を制御する前項25に記載のプログラム。
【発明の効果】
【0012】
前項(1)及び(14)に記載の発明によれば、像担持体に潤滑剤塗布手段により潤滑剤が塗布され、この塗布された像担持体に画像形成手段により画像が形成されるが、塗布ムラ検知モードにおいては塗布ムラの検知感度が高くなるように、前記像担持体を帯電する帯電手段による帯電電位の増大、現像手段の現像バイアスの増大、現像手段の現像バイアスに印加する交流電圧のピーク間電圧の低下、現像手段の現像バイアスに印加する交流電圧の周波数の低下、のうち少なくとも1つの画像形成条件を変更した状態で、像担持体に濃度ムラ測定用の画像が形成される。
【0013】
塗布ムラ検知モードにおいて形成された上記濃度ムラ測定用の画像か、当該画像の1次または複数次の転写によって得られた濃度ムラ測定用の画像の少なくともいずれかの濃度ムラ測定用の画像について、第1の濃度ムラが測定され、この測定された第1の濃度ムラに基づいて、潤滑剤の像担持体への塗布ムラが検知される。
【0014】
潤滑剤塗布手段が経時的に劣化して潤滑剤の塗布ムラが発生すると、濃度ムラも大きくなるから、濃度ムラ測定用の画像の濃度ムラを測定することで、潤滑剤の塗布ムラを検知できる。塗布ムラ検知モードにおいては、塗布ムラの検知感度が高くなるように画像形成条件が変更されているから、濃度ムラも現れやすくなる。つまり、現時点では実際の濃度ムラや塗布ムラの程度が小さくても、塗布ムラ検知モードにおいては塗布ムラの検知感度が高くなっているから、濃度ムラを高精度に測定でき、このため濃度ムラに基づいて、将来の塗布ムラを早期にかつ事前に高精度で検出できる。
【0015】
また、像担持体を帯電する帯電手段の出力と現像手段の現像バイアス出力の増大、現像手段の現像バイアスに印加する交流電圧のピーク間電圧の低下、現像手段の現像バイアスに印加する交流電圧の周波数の低下、の少なくとも1つを変更した状態で濃度ムラ測定用の画像が形成され、濃度ムラが測定されるから、塗布ムラを精度よく確実に検出できる。
【0016】
前項()及び(15)に記載の発明によれば、第1の濃度ムラと基準値とが比較され、第1の濃度ムラが基準値以下の場合は塗布ムラは限界に達していないと判定され、第1の濃度ムラが基準値を超えている場合は、塗布ムラが既に限界に達しているか限界に達するタイミングが近いと判定されるから、塗布ムラが既に限界に達していることや、限界に達するタイミングが近いことを早期に検出できる。
【0017】
前項()及び(16)に記載の発明によれば、画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラが測定され、第1の濃度ムラが基準値を超えている場合、第2の濃度ムラが基準値を超えていれば、塗布ムラが既に限界に達していると判定され、第2の濃度ムラが基準値以下であれば、塗布ムラが限界に達するタイミングが近いと判定されるから、塗布ムラが既に限界に達していることや、限界に達するタイミングが近いことを確実に検出できる。
【0018】
前項()及び(17)に記載の発明によれば、塗布ムラ検知モードにおいて、濃度ムラ測定用のハーフトーン画像の濃度ムラを測定するから、より高精度な濃度ムラの測定を行うことができ、ひいては潤滑剤の塗布ムラの高精度な検知を行うことができる。
【0019】
前項()及び(18)に記載の発明によれば、塗布ムラの検知結果に基づいて、潤滑剤塗布手段の交換時期を算出することができる。
【0020】
前項()及び(19)に記載の発明によれば、画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラが測定され、第1の濃度ムラが基準値を超えており、第2の濃度ムラが基準値以下の場合に、潤滑剤塗布手段の交換時期が算出される。
【0021】
前項()及び(20)に記載の発明によれば、塗布ムラの検知結果に基づいて、潤滑剤塗布手段による像担持体への潤滑剤の塗布量を制御することができる。
【0022】
前項()及び(21)に記載の発明によれば、画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラが測定され、第1の濃度ムラ及び第2の濃度ムラが基準値以下である場合、及び/または、第1の濃度ムラ及び第2の濃度ムラが共に基準値を超えている場合に、潤滑剤塗布手段による像担持体への潤滑剤の塗布量が制御される。
【0023】
前項()及び(22)に記載の発明によれば、潤滑剤塗布ブラシの回転停止を含む回転数の変更または潤滑剤塗布ブラシへの潤滑剤押圧力の変更、の少なくともいずれかによって、潤滑剤の塗布量の変更を確実に実施することができる。
【0024】
前項(10)及び(23)に記載の発明によれば、塗布ムラの検知結果に基づいて、次回の塗布ムラの検知時期を算出することができる。
【0025】
前項(11)及び(24)に記載の発明によれば、画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラが測定され、第1の濃度ムラが基準値を超えており、第2の濃度ムラが基準値以下の場合に、次回の塗布ムラ検知時期が算出される。
【0026】
前項(12)及び(25)に記載の発明によれば、塗布ムラの検知結果に基づいて、画像形成手段の画像形成条件を制御することができる。
【0027】
前項(13)及び(26)に記載の発明によれば、画像形成条件を変更することなく形成された少なくともいずれかの濃度ムラ測定用の画像について第2の濃度ムラが測定され、第1の濃度ムラ及び第2の濃度ムラが共に基準値を超えている場合に、画像形成条件が制御される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に係る電子写真方式の画像形成装置の要部断面図である。
図2】潤滑剤塗布装置の構成を示す図である。
図3】印字枚数と表面電位ムラと潤滑剤の塗布量差と濃度ムラの関係を示す図である。
図4】画像形成装置の塗布ムラ検知モードにおける動作を説明するためのフローチャートである。
図5】中間転写ベルト上に濃度ムラ測定用画像を形成した状態を示す平面図である。
図6】画像形成装置の塗布ムラ検知モードにおける他の動作を説明するためのフローチャートである。
図7】画像形成装置の塗布ムラ検知モードにおけるさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子写真方式の画像形成装置の要部断面図である。
【0031】
図1において、符号1は、潤滑剤塗布対象の像担持体である感光体ドラムである。感光体ドラム1は矢印a方向に回転するが、感光体ドラム1の周囲には回転方向に沿って、帯電部2、露光部3、現像部4、1次転写部材5や中間転写ベルト6などから成る転写手段、クリーニング部7が配置されている。
【0032】
中間転写ベルト6は、図1の紙面上から下へと走行移動する。中間転写ベルト6の移動方向において、1次転写部材5よりも前方側の中間転写ベルト6の表面(転写面)に対向する位置には、画像の濃度を測定する濃度センサ12が配置されている。
【0033】
クリーニング部7は、主に感光体ドラム1に当接するクリーニングブレード71、潤滑剤塗布装置72、回収したトナーをクリーニング部7の外部に搬送する搬送スクリュー73等で構成されている。
【0034】
図1に示した画像形成装置では、帯電部2で帯電された感光体ドラム1の表面に、露光部3により画像データに応じた露光を行って静電潜像を形成した後、現像部4で現像して感光体ドラム1の表面に画像(トナー像)を形成する。
【0035】
この実施形態では、画像形成装置は画像形成に関して、通常の画像形成モードと、塗布ムラ検知モードを有している。画像形成モードでは、感光体ドラム1上に形成された画像は、1次転写部材5により中間転写ベルト6に1次転写される。1次転写された中間転写ベルト6上の画像は、中間転写ベルト6によって図示しない2次転写位置に運ばれ、2次転写位置で2次転写部材によって用紙に転写される。用紙に転写された画像は定着装置で定着され、装置外へと排出される。
【0036】
一方、塗布ムラ検知モードでは、感光体ドラム1上に所定のパターン画像からなる濃度ムラ測定用画像が形成され、この濃度ムラ測定用画像は、1次転写部材5により中間転写ベルト6に一次転写される。一次転写された中間転写ベルト6上の濃度ムラ測定用画像は、中間転写ベルト6の搬送に伴い濃度センサ12を通過するときに濃度センサ12により画像の濃度が測定され、測定された濃度に基づいて後述する制御部100により濃度ムラが算出される。
【0037】
なお、中間転写ベルト6に形成された濃度ムラ測定用画像は、濃度測定後はシートに2次転写されることなく消去されても良い。又、この実施形態では、濃度ムラ測定用画像を中間転写ベルト6に形成する構成となっているが、感光体ドラム1上に形成した濃度ムラ測定用画像の濃度を測定して濃度ムラを算出しても良い。
【0038】
あるいはさらに、中間転写ベルト6上の濃度ムラ測定用画像をシートに2次転写したのち図示しない定着装置で定着し、この定着されたシート上の濃度ムラ測定用画像の濃度を測定して濃度ムラを算出しても良い。この場合、濃度ムラ測定用画像の濃度測定や濃度ムラの算出を、画像形成装置が行うのではなく、画像形成装置に接続可能な自動品質最適化ユニット(コニカミノルタ株式会社製のIQ-501)やスキャナ装置等の外部装置が、シートに転写定着された濃度ムラ測定用画像を読み込んで、濃度測定及び/又は濃度ムラの算出を行い、画像形成装置がその結果を受信して塗布ムラを検知しても良い。
【0039】
また、中間転写ベルト6を備えていない画像形成装置においては、感光体ドラム1上に形成した濃度ムラ測定用画像の濃度ムラや、シートに転写定着した濃度ムラ測定用画像の濃度ムラを測定すれば良い。
【0040】
なお、感光体ドラム1を複数個備えたカラー画像形成装置では、カラー画像からなる濃度ムラ測定用画像を形成しても良いし、複数個の感光体ドラム1のうちの1個、例えばブラック用の感光体ドラム1を用いて、濃度ムラ測定用画像を形成しても良い。
【0041】
中間転写ベルト6へ画像転写された感光体ドラム1は、クリーニング部7のクリーニングブレード71で残留トナーを除去回収される。回収されたトナーは搬送スクリュー73でクリーニング部7の外部へ搬送される。残留トナーを除去された感光体ドラム1の表面には、潤滑剤塗布装置72により潤滑剤が塗布される。
【0042】
潤滑剤塗布装置72は図2に示すように、潤滑剤塗布ブラシ8と、固形の潤滑剤9と、押圧バネ10と、均一化部材11(図1に示す)を備えている。潤滑剤9は潤滑剤塗布ブラシ8の下方に位置すると共に、下方から押圧バネ10による上方への付勢力を付与されて、潤滑剤塗布ブラシ8の下部領域に圧接した状態で設けられており、潤滑剤塗布ブラシ8に潤滑剤を供給する。潤滑剤塗布ブラシ8は図示しないモータ等の駆動手段により回転駆動されるローラの表面にブラシが配設された構成を有し、感光体ドラム1の表面に接触している。そして、感光体ドラム1の回転時に潤滑剤塗布ブラシ8のローラを回転させることにより、潤滑剤9から供給された潤滑剤を感光体ドラム1の表面に塗布する。
【0043】
潤滑剤は、感光体ドラム1の表面の摩擦係数を低下させ、感光体ドラム1およびクリーニング装置の負荷を低下させたり、トナーの転写効率を向上させたり、感光体ドラム1を放電生成物から保護する等の役割を担う。
【0044】
均一化部材11は、感光体ドラム1の表面に塗布された潤滑剤を均一に均す役割を果たす。なお、押圧バネ10の下端は、ハウジング14に取り付けられるカバー13に止着されている。
【0045】
制御部100は、CPU101と、CPU101の動作プログラムその他のデータが格納されたROM102と、CPU101が動作する際の作業領域となるRAM103を備え、CPU101がROM102等に格納された動作プログラムに従って動作することにより、画像形成装置の全体を統括的に制御する。
【0046】
具体的には、制御部100は、画像形成部による画像形成動作を制御する。画像形成部は、感光体ドラム1、帯電部2、露光部3、現像部4、1次転写部材5、中間転写ベルト6、クリーニング部7、図示しない2次転写部材等、画像形成に係わる部材で構成される。
【0047】
更に制御部100は、画像形成部による画像形成条件を変更したり、潤滑剤塗布装置72による潤滑剤の感光体ドラム1に対する塗布量を変更したり、濃度センサ12によって測定された画像の濃度から画像の濃度ムラを算出したり、濃度ムラに基づいて潤滑剤の感光体ドラム1への塗布ムラを検知したり、塗布ムラの検知結果に基づいて、各種の判定や制御等を行うが、詳細については後述する。
【0048】
ところで、潤滑剤塗布装置72を備える画像形成装置は、感光体ドラム1の表面の潤滑剤量が所定量以下に低下すると、隣接する位置の潤滑剤量に所定以上の差が発生し易くなる。つまり潤滑剤の塗布ムラが発生し易くなる。塗布ムラが発生すると画像の濃度ムラが発生する。これは、感光体ドラム1の表面電位が潤滑剤の塗布量に依存することに起因している。
【0049】
具体的には、印字枚数の進行(耐久)に伴い潤滑剤塗布装置72の劣化等により潤滑剤の塗布量が減少すると、図3の第4象限に実線で示すように、潤滑剤量差つまり塗布ムラが大きくなる。また、図3の第3象限に実線で示すように、塗布ムラが大きくなると感光体ドラム1の表面電位ムラが大きくなり、図3の第2象限及び第1象限に実線で示すように、画像の濃度ムラは増大し、いずれは限界に達する。このように、塗布ムラの発生と濃度ムラとは相関がある。このため、濃度ムラを測定することで塗布ムラの状態を知ることができる。
【0050】
通常の潤滑剤塗布条件で濃度ムラが発生していなくても、潤滑剤塗布ムラの検出感度が高くなるように現像剤量を増加すべく画像形成条件を変更すると、図3の第2象限及び第1象限に破線で示すように、濃度ムラが大きくなる。
【0051】
そこで、塗布ムラ検知モードにおいて、潤滑剤の塗布ムラの検知感度が高くなるように画像形成条件を変更し、その状態で形成した画像の濃度ムラを測定することにより、塗布ムラの発生時期ひいては潤滑剤塗布装置72の塗布性能の限界時期を早期に精度良く検出予測することができる。潤滑剤塗布装置72の塗布性能の限界時期は、後述するように、基準値(限界と判断する閾値)との差分に基づき算出する。
[第1の実施形態]
図1に示した画像形成装置の塗布ムラ検知モードにおける動作を、図4のフローチャートを参照して説明する。図4及び以降のフローチャートに示される処理は、制御部100のCPU101がROM102等に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0052】
この実施形態では、潤滑剤の塗布ムラを検知すると共に、検知結果に基づいて潤滑剤塗布装置72の寿命を予測するものである。
【0053】
まず、ステップS01で通常の画像形成モードにおける画像形成条件、換言すれば画像形成条件を変更することなく、濃度ムラ測定用の画像を形成する。
【0054】
具体的には、ステップS011で、感光体ドラム1に潤滑剤を塗布したのち、通常の画像形成条件で、感光体ドラム1上に所定のパターン画像をハーフトーン画像として形成する。次に、感光体ドラム1上に形成したハーフトーン画像を中間転写ベルト6上に一次転写して、図5に示すように、中間転写ベルト6上に濃度ムラ測定用画像200を形成する。濃度ムラ測定用画像200の濃度は、ベタを256階調として64階調に相当する濃度に設定するのが、濃度ムラを精度良く測定できる点で望ましい。
【0055】
次に、形成した濃度ムラ測定用画像200について、ステップS02で、濃度ムラの解析処理を行う。具体的には、濃度センサ12は、通紙方向(中間転写ベルト6の移動方向)と直交する方向(CD方向)において、複数の位置の画像濃度を測定し、測定結果を制御部100に送信する。各測定位置の画像濃度は、通紙方向(FD方向)で複数回測定したデータを用いて算出する。制御部100は、濃度センサ12から受信した濃度に基づき濃度ムラ(第2の濃度ムラに相当)を算出する。濃度ムラは、CD方向の各測定位置において、隣接する測定位置との濃度差を算出したときの、全ての測定位置の濃度差の最大値で定義される。なお、図5の濃度ムラ測定用画像200には、感光体ドラム1への潤滑剤の塗布ムラに起因して、通紙方向(FD方向)に沿った複数の線状ノイズ201が生じている。
【0056】
次に、ステップS03で、画像形成条件を変更した状態で、濃度ムラ測定用の画像を作成する。具体的には、ステップS031で、塗布ムラの検知感度を高くするために、画像形成条件を変更して感光体ドラム1にハーフトーン画像を形成した後、中間転写ベルト6上に一次転写して濃度ムラ測定用画像200を形成する。濃度ムラ測定用画像200の濃度は、前述した通常時と同じ階調に設定するのが良い。
【0057】
変更する画像形成条件は、感光体ドラム1の帯電電位、現像剤担持体に印加する電圧(現像バイアス)、現像バイアスの交流電圧、現像バイアスの交流電圧の周波数の少なくとも1つとするのが良い。一例として、帯電電位、現像バイアスを変更する場合は共に+50V増大し、現像バイアスの交流電圧を変更する場合は交流電圧のピーク間電圧を100V低下し、現像バイアスの交流電圧の周波数を変更する場合は周波数を0.9倍に低下する。
【0058】
次に、形成した濃度ムラ測定用画像200について、ステップS04で、濃度ムラの解析処理を行い、濃度ムラ(第1の濃度ムラに相当)を算出する。この処理はステップS02の通常時の濃度ムラ解析処理と同じ手順で行われる。
【0059】
ステップS05では、ステップS02で算出された通常時の濃度ムラ(第2の濃度ムラ)と、ステップS04で算出された画像形成条件変更時(検知感度アップ時ともいう)の濃度ムラ(第1の濃度ムラ)を、予め設定された基準値(限界と判断する閾値)と比較して、塗布ムラの検出及び潤滑剤塗布装置72の交換時期の算出を行う。
【0060】
具体的には、ステップS05で、通常時の濃度ムラと検知感度アップ時の濃度ムラが共に基準値を超えた場合、ステップS06で、塗布ムラが限界に達しておりライフ(寿命)の余裕を超えていると判断する。この場合は、例えば図示しない操作パネル等に潤滑剤塗布装置72の交換を促すメッセージを表示する。
【0061】
尚、潤滑剤塗布装置72の交換は、潤滑剤9のみを交換しても良く、潤滑剤9と潤滑剤塗布ブラシ8が一体となったカートリッジを交換しても良い。さらに、潤滑剤塗布装置72が、感光体ドラム1等のプロセスカートリッジと一体になっている場合は、プロセスカートリッジを交換しても良い。
【0062】
ステップS05で、通常時の濃度ムラは基準値を超えておらず、検知感度アップ時の濃度ムラのみが基準値を超えている場合は、ステップS07で、塗布ムラは限界に達していないが、塗布ムラが限界に達するタイミングは近いと判定し、潤滑剤塗布装置72の交換時期を算出する。交換時期の算出は、各濃度ムラと基準値との差分の比率に基づき、下記式にて行われる。
【0063】
交換時期=交換係数×(Z-X)÷(Y-Z)
ただし、通常の画像形成時の濃度ムラ:X、画像形成条件変更時(検知感度アップ時)の濃度ムラ:Y、基準値:Zである。
【0064】
ステップS05で、検知感度アップ時の濃度ムラが基準値以下の場合(この場合は通常時の濃度ムラも共に基準値以下である)、ステップS08で、塗布ムラは限界に達しておらずライフ(寿命)に余裕があると判断し、しばらく間潤滑剤塗布装置72の交換は不要と判断する。
【0065】
このようにこの実施形態では、塗布ムラ検知モードにおいて、画像形成条件を変更して塗布ムラ検知感度を高めた状態で、濃度ムラ測定用の画像を形成して濃度ムラを算出し、基準値と比較して潤滑剤塗布装置72による潤滑剤の塗布ムラを検知する。このため、塗布ムラの検知時点では塗布ムラが限界に達しておらず潤滑剤塗布装置72が寿命に達していなくても、近い将来潤滑剤塗布装置72が寿命に達して塗布むらが限界に達するかどうかを早期にかつ事前に検知することができる。しかも、塗布ムラ検知感度を高めているから、画像形成条件を変更しない実際の濃度ムラよりも大きな濃度ムラが得られるから、塗布ムラが限界に達しているかどうかを精度良く検知することができる。また、塗布ムラの検知結果に基づいて、潤滑剤塗布装置72が寿命となる時期を精度良く算出することができる。
【0066】
なお、塗布ムラ検知モードにおける塗布ムラの検知タイミングは、所定の印字枚数毎(例えば5万枚毎)に行えば良い。また、検知タイミングは長くしても短くしても良い。検知タイミングを短くすると検知精度が高くなる。更に、検知タイミングは耐久枚数に応じて変更しても良い。例えば、潤滑剤剤塗布量抑制時の濃度ムラが基準値以下の時は、検知タイミングを長く(例えば10万枚毎)、潤滑剤剤塗布量抑制時の濃度ムラが基準値を超える時は実施タイミングを短く(例えば1万枚毎)しても良い。尚、検知タイミングは、低温時や印字率が高い時は検知間隔を短くするなど、設置環境や印字率に応じて変更しても良い。
[第2の実施形態]
図1に示した画像形成装置の塗布ムラ検知モードにおける他の動作を、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0067】
この実施形態では、潤滑剤の塗布ムラを検知すると共に、検知結果に基づいて、潤滑剤塗布装置72による画像形成時の塗布量を制御するものである。
【0068】
ステップS01、011における、通常の画像形成条件で濃度ムラ測定用画像を形成する処理、ステップS02の濃度ムラの解析処理、ステップS03、031における画像形成条件を変更して濃度ムラ測定用画像を作成する処理、ステップS04の濃度ムラの解析処理、ステップS05の比較処理、については図4に示した第1の実施形態における各ステップの処理と同じであるので、同一のステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0069】
ステップS05では、ステップS02で算出された通常時の濃度ムラと、ステップS04で算出された検知感度アップ時の濃度ムラを、予め設定された基準値と比較し、塗布ムラの検出及び比較結果に応じた潤滑剤塗布装置72の塗布条件(塗布量)の制御を行う。
【0070】
具体的には、通常時の濃度ムラと検知感度アップ時の濃度ムラが共に基準値を超えている場合、ステップS11で、塗布ムラが限界に達していると判定すると共に、潤滑剤塗布ブラシ8の回転速度を所定量変更(例えば線速度1.1倍)して、潤滑剤の塗布量を増加する。
【0071】
次にステップS12で、潤滑剤の塗布量の増加量が上限に達しているかどうかを判断し、達していなければ(ステップS12でNO)、ステップS01に戻ってステップS01~S05を繰り返す。ステップS05において、通常の画像形成時の濃度ムラが基準値以下で、かつ、検知感度アップ時の濃度ムラが基準値を超えるまで、潤滑剤塗布ブラシ8の回転速度の変更と濃度ムラ測定を繰り返す。なお、潤滑剤塗布ブラシ8の回転速度の変更による塗布量の増大が限界に達したときは(ステップS12でYES)、ステップS13で、潤滑剤塗布装置72は交換時期であると判定する。
【0072】
ステップS05において、検知感度アップ時の濃度ムラが基準値以下の時(通常時の濃度ムラも基準値以下)は、塗布ムラは限界に達していないが潤滑剤塗布量が過剰であると判断して、ステップS011で、潤滑剤塗布ブラシ8の回転速度を所定量変更(例えば線速度0.9倍)する。回転速度の変更は回転停止を含んで行われても良い。変更後に再び濃度ムラを測定し、通常の画像形成時の濃度ムラが基準値以下で、かつ、検知感度アップ時の濃度ムラが基準値を超えるまで潤滑剤塗布ブラシ8の回転速度の変更と濃度ムラ測定を繰り返す。
【0073】
ステップS05において、通常の画像形成時の濃度ムラが基準値以下で、検知感度アップ時の濃度ムラが基準値を超えていた時は、塗布ムラが限界に達するタイミングは近いがまだ達しておらず、潤滑剤塗布量も適正であると判断し、ステップS14で、次回の塗布ムラ検知モードにおける塗布ムラの検知時期を算出した後、処理を終了する。
【0074】
ステップS14での次回の検知時期の算出は、下記式にて行われる。
【0075】
次回の検知時期=検知時期係数×(Z-X)÷(Y-Z)
ただし、通常の画像形成時の濃度ムラ:X、画像形成条件変更時(検知感度アップ時)の濃度ムラ:Y、基準値:Zである。
【0076】
なお、ステップS11で潤滑剤の塗布条件が変更された場合、変更後の条件で画像形成モードにおける画像形成が行われる。
【0077】
上記の例では、感光体ドラム1への潤滑剤の塗布量の変更を、潤滑剤塗布ブラシ8の回転停止を含む回転数の変更によって行う構成としたが、押圧バネ10の下端が取り付けられたカバー13の位置を電磁アクチュエータ等により押圧バネ10に対して押したり引いたりすることにより、潤滑剤塗布ブラシ8へ潤滑剤9を押圧する押圧バネ10の押圧力を変更することにより行っても良い。あるいは潤滑剤塗布ブラシ8の回転数の変更と、押圧バネ10の押圧力の変更を同時に行っても良い。
【0078】
このように、この実施形態では、通常時の濃度ムラと検知感度アップ時の濃度ムラが共に基準値を超えている場合は、塗布ムラが限界に達していると判定し、潤滑剤塗布ブラシ8の回転速度を変更して潤滑剤の塗布量を増やして塗布ムラを減少させるから、潤滑剤塗布装置72が寿命に達する極限まで潤滑剤塗布装置72を使用して、良好な画像形成を行うことが可能となる。
【0079】
一方、検知感度アップ時の濃度ムラが基準値以下の場合は、塗布ムラは限界に達していないが、潤滑剤が過剰であると判定し、潤滑剤塗布ブラシ8の回転速度を変更して潤滑剤の塗布量を減らすから、潤滑剤の塗布量を適正値にすることで、やはり良好な画像形成が可能となるとともに、潤滑剤の無駄な消費を抑制することができる。
【0080】
上記の例では、通常時の濃度ムラと検知感度アップ時の濃度ムラが共に基準値を超えている場合と、検知感度アップ時の濃度ムラが基準値以下の場合の両方において、感光体ドラム1への潤滑剤の塗布量の変更制御を行うものとしたが、いずれか一方の場合においてのみ、感光体ドラム1への潤滑剤の塗布量の変更制御を行う構成としても良い。
[第3の実施形態]
図1に示した画像形成装置の塗布ムラ検知モードにおけるさらに他の動作を、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0081】
この実施形態では、潤滑剤の塗布ムラを検知するとともに、検知結果に基づいて画像形成条件を制御するものである。
【0082】
ステップS01、011における、通常の画像形成条件で濃度ムラ測定用画像を形成する処理、ステップS02の濃度ムラの解析処理、ステップS03、031における画像形成条件を変更して濃度ムラ測定用画像を作成する処理、ステップS04の濃度ムラの解析処理、ステップS05の比較処理、については図4に示した第1の実施形態における各ステップの処理と同じであるので、同一のステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0083】
ステップS05では、ステップS02で算出された通常時の濃度ムラと、ステップS04で算出された検知感度アップ時の濃度ムラを、予め設定された基準値と比較し、比較結果に応じて画像形成条件を制御する。
【0084】
具体的には、通常時の濃度ムラと潤滑剤塗布量抑制時の濃度ムラが共に基準値を超えている場合、塗布ムラが限界に達していると判定し、ステップS21で画像形成条件を変更する。
【0085】
次に、ステップS22で、画像形成条件の変更が限界に達したかどうかを判断し、達していなければ(ステップS22でNO)、ステップS01に戻ってステップS01~S05を繰り返す。
【0086】
変更する画像形成条件は、感光体ドラム1の帯電電位、現像剤担持体に印加する電圧(現像バイアス)、現像バイアスの交流電圧、現像バイアスの交流電圧の周波数の少なくとも1つとするのが良い。例えば、帯電電位と現像バイアスを共に-50V変更する。変更後に再び濃度ムラを測定し、通常の画像形成時の濃度ムラが基準値以下で、かつ、画像形成条件変更後の濃度ムラが基準値を超えるまで、画像形成条件の変更と濃度ムラ測定を繰り返す。現像バイアスの交流電圧を変更する場合は交流電圧を例えば100V増加し、交流電圧の周波数を変更する場合は周波数を例えば1.1倍に変更する。
【0087】
変更後、再度、濃度ムラ測定用画像を形成して濃度ムラを算出し、通常の画像形成時の濃度ムラが基準値以下で、かつ、潤滑剤塗布量抑制時の濃度ムラが基準値を超えるまで、画像形成条件の変更と濃度ムラ測定を繰り返す。なお、画像形成条件の変更が限界に達したときは(ステップS22でYES)、ステップS23で、潤滑剤塗布装置72は交換時期であると判定する。
【0088】
ステップS05において、潤滑剤塗布量抑制時の濃度ムラが基準値以下(通常の画像形成時の濃度ムラも共に基準値以下)の時は、画像形成条件の変更は不要であると判断して、何もすることなく処理を終了する。通常の画像形成時の濃度ムラが基準値以下で、潤滑剤塗布量抑制時の濃度ムラが基準値を超えていた時も同様に、画像形成条件の変更は不要であると判断して、何もすることなく処理を終了する。
【0089】
なお、ステップS21で画像形成条件が変更された場合、変更後の条件で画像形成モードにおける画像形成が行われる。
【0090】
このように、この実施形態では、通常時の濃度ムラと潤滑剤塗布量抑制時の濃度ムラが共に基準値を超えている場合は、画像形成条件を変更して、画像形成モードにおける画像形成を行うから、潤滑剤塗布装置72が寿命に達する極限まで潤滑剤塗布装置72を使用して、良好な画像形成を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0091】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 帯電部
3 露光部
4 現像部
5 1次転写部材
6 中間転写ベルト
7 クリーニング部
8 潤滑剤塗布ブラシ
9 潤滑剤
10 押圧バネ
11 均一化部材
12 濃度センサ
71 クリーニングブレード
72 潤滑剤塗布装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7