(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】印刷システム、および、配送システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240806BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240806BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240806BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240806BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G06F3/12 303
G06F3/12 326
G06F3/12 385
B41J29/00 Z
H04N1/00 127A
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020138582
(22)【出願日】2020-08-19
【審査請求日】2023-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石澤 卓
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-109159(JP,A)
【文献】特開2000-347827(JP,A)
【文献】特開2002-049472(JP,A)
【文献】特開2004-034499(JP,A)
【文献】特開2003-330669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00-29/70
H04N 1/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムであって、
データ通信可能なネットワーク上に配置された印刷制御システムであって、印刷料金が変動する特定印刷装置を含む複数の印刷装置と、前記複数の印刷装置の動作を制御する制御装置と、を有する印刷制御システムと、
前記ネットワーク上に配置されたサーバー装置であって、(i)前記複数の印刷装置のそれぞれの前記印刷料金に関する料金情報を記憶するサーバー記憶部と、(ii)前記複数の印刷装置のそれぞれについて、印刷要求が有する印刷条件情報に応じた印刷にかかる料金である予想料金を、前記印刷制御システムから取得した前記印刷条件情報と、前記料金情報とを用いて算出するサーバー算出部とを有する、サーバー装置と、を備え
、
前記サーバー算出部は、算出した前記予想料金を示す予想料金情報を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記予想料金情報を受信し、
前記複数の印刷装置は、それぞれ、印刷に用いる消耗品を有し、
前記サーバー装置は、さらに、前記複数の印刷装置のそれぞれの前記消耗品の残量情報を前記印刷制御システムから取得し、取得した前記残量情報と、前記印刷条件情報とを用いて、前記複数の印刷装置のそれぞれについて、前記印刷要求に応じて印刷を実行した場合における印刷実行後の前記消耗品の残量を示す印刷後残量情報を生成して、前記制御装置に送信する残量生成部を有し、
前記制御装置は、さらに、受信した前記印刷後残量情報を用いて前記消耗品の配送を発注するか否かを決定する配送発注部を有する、印刷システム。
【請求項2】
印刷システムであって、
データ通信可能なネットワーク上に配置された印刷制御システムであって、印刷料金が変動する特定印刷装置を含む複数の印刷装置と、前記複数の印刷装置の動作を制御する制御装置と、を有する印刷制御システムと、
前記ネットワーク上に配置されたサーバー装置であって、(i)前記複数の印刷装置のそれぞれの前記印刷料金に関する料金情報を記憶するサーバー記憶部と、(ii)前記複数の印刷装置のそれぞれについて、印刷要求が有する印刷条件情報に応じた印刷にかかる料金である予想料金を、前記印刷制御システムから取得した前記印刷条件情報と、前記料金情報とを用いて算出するサーバー算出部とを有する、サーバー装置と、を備え
、
前記印刷制御システムは、前記特定印刷装置の印刷ログ情報と、前記特定印刷装置における利用明細情報とを出力し、
前記印刷ログ情報は、前記予想料金を示す予想料金情報を含み、
前記利用明細情報は、前記特定印刷装置の利用状況に応じて発生した実際の前記印刷料金を示す実料金情報を含み、
前記制御装置は、前記印刷ログ情報と前記利用明細情報とを照合して、前記予想料金と実料金との差を算出し、前記予想料金と前記実料金との差を示す差情報を表示させるために出力する、印刷システム。
【請求項3】
請求項
2に記載の印刷システムであって、
前記サーバー算出部は、算出した前記予想料金を示す予想料金情報を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記予想料金情報を受信する、印刷システム。
【請求項4】
請求項
3に記載の印刷システムであって、
前記制御装置は、受信した前記予想料金情報を用いて前記複数の印刷装置のうちから前記印刷要求に応じた印刷を実行させる印刷装置を決定し、決定した前記印刷装置に前記印刷要求に応じた印刷を実行させる、印刷システム。
【請求項5】
請求項
3に記載の印刷システムであって、
前記制御装置は、
前記予想料金情報を含む選択受付情報を出力し、前記複数の印刷装置のうちで前記印刷要求に応じた印刷を実行させる印刷装置の選択を受け付ける受付部と、
受け付けた前記印刷装置に前記印刷要求に応じた印刷を実行させる印刷制御部と、を有する、印刷システム。
【請求項6】
請求項
3から請求項
5までのいずれか一項に記載の印刷システムであって、
前記複数の印刷装置は、それぞれ、印刷に用いる消耗品を有し、
前記サーバー装置は、さらに、前記複数の印刷装置のそれぞれの前記消耗品の残量情報を前記印刷制御システムから取得し、取得した前記残量情報と、前記印刷条件情報とを用いて、前記複数の印刷装置のそれぞれについて、前記印刷要求に応じて印刷を実行した場合における印刷実行後の前記消耗品の残量を示す印刷後残量情報を生成して、前記制御装置に送信する残量生成部を有し、
前記制御装置は、さらに、受信した前記印刷後残量情報を用いて前記消耗品の配送を発注するか否かを決定する配送発注部を有する、印刷システム。
【請求項7】
請求項1から請求項
6までのいずれか一項に記載の印刷システムであって、
前記予想料金は、前記印刷要求に従って実行される印刷における、1枚あたりの平均印刷料金と、総印刷料金との少なくとも一方を含む、印刷システム。
【請求項8】
請求項1から請求項
7までのいずれか一項に記載の印刷システムであって、
前記予想料金は、同じ印刷データを繰り返し印刷する場合にかかる繰り返し料金を含む、印刷システム。
【請求項9】
請求項
1に印刷システムであって、
前記印刷制御システムは、前記特定印刷装置の印刷ログ情報と、前記特定印刷装置における利用明細情報とを出力し、
前記印刷ログ情報は、前記予想料金を示す予想料金情報を含み、
前記利用明細情報は、前記特定印刷装置の利用状況に応じて発生した実際の前記印刷料金を示す実料金情報を含む、印刷システム。
【請求項10】
請求項
9に記載の印刷システムであって、
前記制御装置は、前記印刷ログ情報と前記利用明細情報とを照合して、前記予想料金と実料金との差を算出する、印刷システム。
【請求項11】
印刷に用いる消耗品の配送システムであって、
請求項1から請求項
10までのいずれか一項に記載の印刷システムと、
前記消耗品の配送を管理する管理サーバー装置と、を備える、配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷システムおよび配送システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークに接続された複数のプリンターから、ユーザーが入力した印刷条件に合致するプリンターを、印刷単価や性能情報から自動選択する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、プリンターを自動選択するに際し、印刷料金はプリンターごとに固定値である。しかしながら、契約内容によっては印刷状況に応じて印刷料金が変動する場合が生じ得る。この場合、従来の技術では、印刷料金を精度良く予想できない可能性が生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1形態によれば、印刷システムが提供される。この印刷システムは、データ通信可能なネットワーク上に配置された印刷制御システムであって、印刷料金が変動する特定印刷装置を含む複数の印刷装置と、前記複数の印刷装置の動作を制御する制御装置と、を有する印刷制御システムと、前記ネットワーク上に配置されたサーバー装置であって、(i)前記複数の印刷装置のそれぞれの前記印刷料金に関する料金情報を記憶するサーバー記憶部と、(ii)前記複数の印刷装置のそれぞれについて、印刷要求が有する印刷条件情報に応じた印刷にかかる料金である予想料金を、前記印刷制御システムから取得した前記印刷条件情報と、前記料金情報とを用いて算出するサーバー算出部とを有する、サーバー装置と、を備える。
【0006】
本開示の第2形態によれば、印刷に用いる消耗品の配送システムが提供される。この配送システムは、上記形態の印刷システムと、前記消耗品の配送を管理する管理サーバー装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図6】予想料金情報と印刷後残量情報とを説明するための図。
【
図7】予想料金情報と印刷後残量情報とを説明するための図。
【
図10】第2実施形態の制御装置を説明するための図。
【
図12】他の実施形態の予想料金情報を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態の配送システム200を示す図である。
図2は、印刷条件情報の入力画面の一例を示す図である。
図1に示すように、配送システム200は、印刷システム100と、管理サーバー装置90とを備える。印刷システム100は、サーバー装置10と、印刷制御システム85と、複数の端末機器25とを備える。複数の端末機器25を区別して用いる場合には、第1端末機器20と第2端末機器30とを用いる。配送システム200を構成するサーバー装置10や印刷制御システム85や端末機器25や管理サーバー装置90は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのデータ通信可能なネットワーク上に配置されている。
【0009】
印刷制御システム85は、制御装置40と、複数の印刷装置50とを備える、制御装置40は、複数の印刷装置50の動作を制御する。具体的には、制御装置40は、印刷を実行させる印刷指令PCを生成して、印刷を実行させる印刷装置50に送信する。なお、本実施形態では、制御装置40は複数の印刷装置50とは異なる装置であるが、これに限定されるものではない。例えば他の実施形態では、複数の印刷装置50のいずれかに制御装置40の機能を搭載してもよい。
【0010】
複数の印刷装置50は、特定印刷装置としての第1印刷装置70と、特定印刷装置としての第2印刷装置80とによって構成されている。第1印刷装置70と第2印刷装置80はそれぞれ、動作制御部56と、吐出ヘッド58と、カートリッジ55とを備える。カートリッジ55は、内部に印刷に用いる消耗品としてのインクを収容する。印刷装置50は、カートリッジ55のインクを吐出ヘッド58から吐出することで印刷を実行するインクジェットプリンターである。また、印刷装置50は、レーザープリンター、ドットインパクトプリンター、昇華型プリンター等であってもよい。印刷装置50は、予め定めたサイズ、例えばA4サイズの印刷媒体に印刷を行うことができる。第1印刷装置70と第2印刷装置80とのそれぞれについて、カートリッジ55は4つ設けられている。4つのカートリッジ55は、異なる色のインクを収容している。本実施形態では、4つのカートリッジ55は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの色のインクを収容する。カートリッジ55は、印刷装置50の図示しない装着部に着脱可能に装着される。カートリッジ55のインクの残量が少なくなったり、ゼロになったりした場合に、新たなカートリッジ55に交換される。
【0011】
動作制御部56は、制御装置40から送信された印刷指令PCに基づいて印刷動作を実行する。また、動作制御部56は、各色に対応した吐出ヘッド58のノズルから印刷動作によって吐出されるインクをドットカウントして消費量を算出し、算出した消費量から各カートリッジ55の消耗品であるインクの残量情報RAAを生成する。残量情報RAAは、制御装置40に送信される。
【0012】
第1印刷装置70と第2印刷装置80はそれぞれ、ユーザーと代理店との間で締結された契約プランに応じて印刷料金が設定されている。この印刷料金は予め定めたサイズにおける1枚あたりの印刷料金であり、印刷枚数によって変動する。第1印刷装置70や第2印刷装置80の月単位での印刷枚数に応じて、ユーザーに対して印刷料金が請求される。契約プランの詳細は後述する。なお、印刷制御システム85は、印刷枚数によって料金が変動することなく、1枚あたりの印刷料金が固定値である他の印刷装置を含んでいてもよい。
【0013】
端末機器25は、例えばパーソナルコンピューターやタブレット式のコンピューターである。端末機器25は、ユーザーから印刷装置50で印刷を実行する印刷要求PRをユーザーから受け付け、受け付けた印刷要求PRをサーバー装置10に出力する。印刷要求PRは、RGBデータで表された印刷対象の印刷データと、印刷条件を示す印刷条件情報とを含む。
図2に示すように、印刷条件情報PIは、端末機器25のモニターに表示された入力画像IM0を用いてユーザーが入力することで生成される。入力画像IM0は、印刷要求PRを生成する印刷実行画像IM1と、印刷するページ範囲の入力を受け付けるページ画像IM2と、選択指標の入力を受け付ける指標画像IM4とを有する。本実施形態では、印刷条件情報は、ページ画像IM2によって受け付けられた情報を含む。なお、他の実施形態では、印刷条件情報PIは、両面印刷やモノクロ印刷やカラー印刷などの他の情報を含んでいてもよい。
【0014】
印刷実行画像IM1をカーソルなどで選択することで、端末機器25は印刷要求PRを生成してサーバー装置10に出力する。ページ画像IM2は、印刷対象の印刷データのうち印刷するページの入力を受け付ける画像である。指標画像IM4は、印刷装置50が印刷を行うに際してのユーザーの印刷希望条件である。印刷希望条件は、印刷料金条件と、高画質条件と、印刷速度条件とを含む。ユーザーは、印刷データの印刷を実行するに際し、希望する条件を選択する。例えば、ユーザーは、複数の印刷装置70,80のうちで印刷料金が最も低い印刷装置50を用いた印刷を希望する場合には、印刷料金のチェックボックスを選択する。また例えば、ユーザーは、複数の印刷装置70,80のうちで最も高画質な印刷装置50を用いた印刷を希望する場合には、高画質のチェックボックスを選択する。また例えば、ユーザーは、複数の印刷装置70,80のうちで最も印刷速度が高い印刷装置50を用いた印刷を希望する場合には、印刷速度のチェックボックスを選択する。なお、印刷希望条件の各条件は、択一的に選択できる仕様であってもよいし、複数の条件を同時に選択できる仕様であってもよい。本実施形態では、印刷希望条件の各条件は、択一的に選択できる仕様である。
【0015】
図1に示すサーバー装置10は、印刷要求PRに含まれる印刷条件情報PIを用いて複数の印刷装置50のそれぞれにおける印刷にかかる予想料金を算出する。算出された予想料金を示す予想料金情報CIは制御装置40に送信される。また、サーバー装置10は、制御装置40を介して取得した残量情報RAAと、印刷要求PRとを用いて印刷が実行された場合におけるインクの残量を示す印刷後残量情報RAを生成して、制御装置40に送信する。サーバー装置10の詳細は後述する。
【0016】
管理サーバー装置90は、消耗品としてインクが収容されたカートリッジ55の配送を管理する。具体的には、管理サーバー装置90は、印刷装置50を利用するユーザーに対して、消耗品としてのインクが収容されたカートリッジ55を配送する配送処理を実行する。配送処理は、カートリッジ55を販売する図示しない代理店が有するコンピューターに対して、新たなカートリッジ55をユーザーに配送する指示を送信する処理である。配送処理は、例えば、端末機器25を介してユーザーから新たなカートリッジ55の配送発注情報を受信したり、制御装置40からの配送発注情報を受信したりすることで実行される。管理サーバー装置90によって、消耗品であるインクを収容するカートリッジ55の配送を管理できる。
【0017】
図3は、契約プランを説明するための図である。契約プランは印刷料金の内容が異なる複数種類が準備され、ユーザーは代理店との間で第1印刷装置70と第2印刷装置80ごとに適用する契約プランを締結する。例示された契約プランA,Bはそれぞれ、月単位の印刷料金が定められている。契約プランA,Bはそれぞれ、印刷枚数にかかわらず定額料金が発生する。契約プランAにおける1枚当たりの印刷料金は、印刷枚数が100枚以下では0円であり、100枚を超えた分は5円である。契約プランBにおける1枚当たりの印刷料金は、印刷枚数が100枚以下では6円であり、100枚を超えた分は2円である。
【0018】
図4は、サーバー装置10を説明するための図である。
図5は、料金情報17aを説明するための図である。ネットワーク上に配置されたサーバー装置10は、サーバー制御部としてのサーバーCPU11と、ROMやRAMによって構成されたサーバー記憶部17と、サーバー通信部18とを備える。サーバー通信部18は、有線や無線によって外部とデータ通信を行う。サーバー記憶部17は、サーバーCPU11が実行する各種プログラムと、複数の印刷装置70,80のそれぞれの印刷料金に関する料金情報17aとを記憶する。
【0019】
図5に示すように、料金情報17aは、印刷装置70,80毎の料金内容情報と、利用状況情報とを有する。料金内容情報は、印刷装置70,80の印刷にかかる料金に関する情報であり、契約プランが締結されている印刷装置70,80では、契約プランの内容を示す情報である。本実施形態では、料金内容情報は、
図3に示す内容と同じく、契約プラン名と、定額料金と、100枚以下における1枚当たりの印刷料金と、100枚を超えた場合における1枚当たりの印刷料金とを示す情報である。なお、複数の印刷装置50において、契約プランが締結されていない印刷装置が存在する場合には、料金内容情報は、例えば、1枚当たりの印刷料金を示す情報である。利用状況情報は、月ごとにおいて印刷装置70,80によって印刷が行われた印刷枚数を示す情報である。利用状況情報は、月ごとにリセットされる。サーバー装置10は、制御装置40から各印刷装置70,80の印刷枚数を示す情報を取得して、利用状況情報を更新する。
【0020】
図4に示すように、サーバーCPU11は、サーバー記憶部17の各種プログラムを実行することで、サーバー算出部13と残量生成部14として機能する。サーバー算出部13は、複数の印刷装置70,80のそれぞれについて、印刷要求PRが有する印刷条件情報PIに応じた印刷にかかる料金である予想料金を、印刷制御システム85の制御装置40から取得した印刷条件情報PIと、サーバー記憶部17の料金情報17aとを用いて算出する。予想料金は、印刷要求PRに従って実行される印刷における印刷における、1枚あたりの印刷料金である平均印刷料金と、トータルの印刷料金である総印刷料金との少なくとも一方を含む。また、予想料金は、1枚ごとの印刷料金を全ページ分含んでいてもよい。本実施形態では、予想料金は、平均印刷料金と、総印刷料金とを含む。サーバー算出部13の予想料金の算出についての具体例については後述する。サーバー算出部13は、算出した予想料金を示す予想料金情報CIを、サーバー通信部18を介して制御装置40に送信される。
【0021】
残量生成部14は、複数の印刷装置70,80のそれぞれの消耗品の残量情報RAAと、印刷条件情報PIとを用いて、複数の印刷装置70,80のそれぞれについて、印刷要求PRに応じて印刷を実行した場合における印刷実行後の消耗品の残量を示す印刷後残量情報RAを生成する。残量生成部14は、生成した印刷後残量情報RAを、サーバー通信部18を介して制御装置40に送信する。印刷後残量情報RAは、ミリリットルやミリグラムなどのインクの量で示されていてもよいし、消耗品であるインクが消費される前の初期状態におけるカートリッジ55に収容されたインクの量に対する、印刷後のインク残量の割合で示されていてもよい。本実施形態では、印刷後残量情報RAは、インクの量で示されている。なお、残量生成部14は、残量情報RAAを印刷制御システム85の制御装置40から取得する。
【0022】
図6は、第1印刷装置70についての予想料金情報CIと印刷後残量情報RAとを説明するための図である。
図7は、第2印刷装置80についての予想料金情報CIと印刷後残量情報RAとを説明するための図である。
図6および
図7では、1か月間における現時点の印刷枚数が、第1印刷装置70では50枚であり、第2印刷装置80では90枚である。この場合において、印刷要求PRによって100枚の印刷媒体に印刷が行われる場合には、サーバー算出部13は、印刷要求PRの印刷条件情報PIと、サーバー記憶部17の料金情報17aとを用いて、印刷料金を算出する。
図6に示すように、第1印刷装置70では、シングルハッチングを付した面積が総印刷料金を示し、算出される総印刷料金は250円である。また平均印刷料金は、250円を100枚で割ることで2.5円となる。また
図7に示すように、第2印刷装置80では、シングルハッチングを付した面積が総印刷料金を示し、算出される総印刷料金は240円である。また平均印刷料金は、240円を100枚で割ることで2.4円となる。サーバー算出部13は、第1印刷装置70の予想料金CIaと、第2印刷装置80の予想料金CIbとを制御装置40に送信する。
【0023】
また
図6に示すように、残量生成部14は、第1印刷装置70の4つのカートリッジ55の印刷後残量を算出することで、第1印刷装置70の印刷後残量情報RAaを生成する。
図6の「C」はシアンのインクを示し、「M」はマゼンタのインクを示し、「Y」はイエローのインクを示し、「K」はブラックのインクを示す。また
図7に示すように、残量生成部14は、第2印刷装置70の4つのカートリッジ55の印刷後残量を算出することで、第2印刷装置80の印刷後残量情報RAbを生成する。残量生成部14は、印刷後残量情報RAa,RAbを制御装置40に送信する。
【0024】
図8は、制御装置40を説明するための図である。
図9は、照合情報を説明するための図である。
図8に示すように、制御装置40は、装置制御部としての装置CPU41と、ROMやRAMによって構成された装置記憶部47と、装置通信部48と、出力部49とを備える。装置通信部48は、有線や無線によって外部とデータ通信を行う。装置通信部48は、サーバー装置10から送信された印刷後残量情報RAや予想料金情報CIを受信する。
【0025】
出力部49は、例えば、液晶モニターなどによって構成された表示部や、音声を出力するスピーカーによって構成されて、データを出力する。装置CPU41は、装置記憶部47に記憶された各種プログラムを実行することで、印刷制御部42と、印刷条件情報生成部43と、印刷装置決定部44と、照合情報出力部45と、照合部46と、配送発注部52して機能する。
【0026】
印刷制御部42は、印刷指令PCを生成して、印刷を実行させる印刷装置50に送信する。印刷指令PCは、端末機器25から受信した印刷要求PRと、送信先のアドレスとを含む。
【0027】
印刷条件情報生成部43は、端末機器25から受信した印刷要求PRに含まれる印刷条件情報PIを抽出することで、印刷条件情報PIを生成する。生成した印刷条件情報PIは、装置通信部48を介してサーバー装置10に送信される。なお、印刷条件情報生成部43は、端末機器25から受信した印刷要求PRを、装置通信部48を介してサーバー装置10に送信してもよい。
【0028】
印刷装置決定部44は、サーバー装置10から受信した予想料金情報CIを用いて、複数の印刷装置50のうちから印刷要求PRに応じた印刷を実行させる印刷装置50を決定する。これにより、決定された印刷装置50のアドレスが印刷指令PCに付与されて、印刷を行う印刷装置50に印刷指令PCが送信されることで、印刷要求PRに応じた印刷を実行させる。印刷装置決定部44は、印刷条件情報PIにおいて、選択指標として印刷料金が選択されたことを示す情報を有する場合には、複数の印刷装置70,80のそれぞれの予想料金情報CIのうちから、最も予想料金が低い印刷装置70,80を、印刷を実行させる印刷装置50として決定する。
図6および
図7に示す予想料金情報CIでは、印刷装置決定部44は、第2印刷装置80を印刷を実行させる印刷装置50として決定する。
【0029】
照合情報出力部45は、予め定めた期間ごとに、利用料金に関する照合情報を生成して出力する。出力された照合情報は、出力部49や端末機器25によって表示される。
図9に示すように、照合情報は、ユーザーが複数の印刷装置70,80のそれぞれで実行した印刷の履歴を示す印刷ログ情報と、利用明細情報とを含む。印刷ログ情報は、印刷に用いた印刷装置70,80を識別する識別情報、印刷ジョブを識別するジョブ情報、印刷した日付、印刷枚数、予想料金情報を有する。利用明細情報は、複数の印刷装置70,80の印刷の利用状況に応じて各契約プランA,Bに従って発生した実際の印刷料金を示す実料金情報を含む。実料金情報は、印刷ジョブごとにサーバー装置10によって生成されて、制御装置40に送信される。予想料金情報を含む印刷ログ情報および実料金情報を用いて、サーバー装置10によって算出された予想料金が適切であったか否かを判定できる。例えば、ユーザーは、出力部49や端末機器25に表示された印刷ログ情報および実料金情報を比較することで、予想料金が適切であったか否かを照合できる。
図9では、ユーザーは、ジョブ情報「099」において、予想料金と実料金とが異なっていると判定できる。
【0030】
図8に示す照合部46は、照合情報出力部45によって出力された印刷ログ情報と利用明細情報とを照合して、予想料金と実料金との差を算出する。予想料金と実料金との差は、例えば、印刷ジョブごとに算出される。照合部46は、算出した差を示す差情報を出力する。出力された差情報は、出力部49や端末機器25によって表示される。これにより、ユーザーは、差情報が示す値が大きい場合に、予想料金が適切でなかったと容易に判定できる。
【0031】
照合部46は、差情報を出力することに代えて、算出した差の絶対値が予め定めた閾値以下であるか否かを判定してもよい。予め定めた閾値は、予想料金と実料金との乖離が大きく、サーバー装置10によって算出された予想料金が誤っていると判定できる程度の値に設定される。この場合、照合部46は、算出した差の絶対値が閾値以下である場合には、予想料金と実料金との乖離が小さいと判定し、算出した差の絶対値が閾値よりも大きい場合には、予想料金と実料金との乖離が大きいと判定する。照合部46は、乖離が大きいと判定した場合、乖離が大きいことの確認をユーザーに促す確認情報と、印刷ジョブにおける印刷ログ情報および利用明細情報と、を出力部49や端末機器25に表示させる。確認情報としては、例えば、「乖離が大きいため、予想料金と実料金を確認してください」というメッセージ情報である。なお、他の実施形態では、照合部46は省略してもよい。
【0032】
配送発注部52は、受信した印刷後残量情報RAを用いて消耗品の配送を管理サーバー装置90に発注するか否かを決定する。具体的には、配送発注部52は、複数の印刷装置70,80のそれぞれの印刷後残量情報RAa,RAbを、装置通信部48を介してサーバー装置10から受信する。次に、配送発注部52は、印刷装置決定部44によって決定された印刷を実行させる印刷装置50に対応する印刷後残量情報RAが示す残量が、予め定めた残量閾値以下であるか否かを判定する。配送発注部52は、印刷後残量情報RAが示す残量が残量閾値以下である場合には、印刷を実行させる印刷装置50について消耗品であるインクを収容するカートリッジ55を配送する発注を行う。制御装置40からカートリッジ55を発送する発注を受けた管理サーバー装置90は、カートリッジ55の配送処理を実行する。一方で、印刷後残量情報RAが示す残量が残量閾値より大きい場合には、カートリッジ55の配送の発注は行わない。このように、印刷後残量情報RAを用いて消耗品の配送を発注するか否かを決定できるので、印刷装置50に用いられている消耗品が無くなる前に、ユーザーに消耗品であるインクを収容したカートリッジ55を届けることができる。これにより、消耗品が無くなる前に、新たな消耗品を印刷装置50に用いることができる。また、インク残量が少なく、要求されたジョブの全ページを印刷することができないため出力先候補から除外された印刷装置50があった場合には、次回の印刷時には前回除外された印刷装置50が使用可能となる可能性が生じる。
【0033】
上記第1実施形態によれば、サーバー算出部13が、印刷条件情報PIと料金情報17aとを用いることで、契約プランによって印刷料金が変動する印刷装置50における予想料金を精度良く算出することで予想できる。また上記第1実施形態によれば、
図8に示す印刷装置決定部44が、選択指標として印刷料金が選択されたことを示す情報を有する場合には、複数の印刷装置70,80のそれぞれの予想料金情報CIのうちから、最も予想料金が低い印刷装置70,80を、印刷を実行させる印刷装置50として決定できる。これにより、予想料金情報CIを用いて印刷を実行させる印刷装置50を容易に決定できる。また上記第1実施形態によれば、
図8に示す配送発注部52が、残量生成部14によって生成された印刷後残量情報RAを用いて、消耗品の配送を管理サーバー装置90に発注するか否かを決定する。これにより、印刷装置50のカートリッジ55に収容された消耗品であるインクが無くなる前に、印刷装置50を利用するユーザーに新たなカートリッジ55を届けることができる。
【0034】
B.第2実施形態:
図10は、第2実施形態の制御装置40aを説明するための図である。
図11は、選択受付情報SIを説明するための図である。
図11では、端末機器25のモニターに表示された選択受付情報SIを示している。上記第1実施形態の配送システム200の制御装置40に代えて第2実施形態の制御装置40aを用いてもよい。第2実施形態の制御装置40aと、
図8に示す制御装置40との異なる点は、受付部51を有する点と、印刷装置決定部44を有さない点である。その他の構成については第1実施形態と同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。
【0035】
図10に示すように、受付部51は、予想料金情報CIを含む選択受付情報SIを出力し、複数の印刷装置70,80のうちで印刷要求PRに応じた印刷を実行させる印刷装置70,80の選択を受け付ける。選択受付情報SIは、例えば、出力部49や、端末機器25に送信されて、出力部49や、端末機器25のモニターに表示される。
【0036】
図11に示すように、選択受付情報SIは、選択画像IMAと、装置識別画像IMBと、料金画像IMCと、実行画像IMDとを有する。選択画像IMAは、カーソルなどで選択することで、右側に表示された第1印刷装置70や第2印刷装置80が選択される。装置識別画像IMBは、複数の印刷装置70,80を識別するための画像であり、例えば、印刷装置70,80の名称が表示される。料金画像IMCは、予想料金情報CIを表す。実行画像IMDは、選択画像IMAによって選択した印刷装置50を示す情報である選択情報を制御装置40aに送信するための画像であり、カーソルなどによって選択されることで選択情報が制御装置40aに送信される。
図10に示す、受付部51は、選択情報を受信することで、印刷要求PRに応じた印刷を実行させる印刷装置50の選択を受け付ける。印刷制御部42は、受け付けた選択情報が表す印刷装置50に対して印刷要求PRに応じた印刷を実行させる印刷指令PCを生成して、印刷を実行させる印刷装置50に送信することで、印刷を実行させる。
【0037】
上記第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の構成を有する点において同様の効果を奏する。また第2実施形態によれば、
図10に示す受付部51が、
図11に示す選択受付情報SIを出力して、印刷装置を実行させる印刷装置50の選択を受け付けることで、予想料金情報CIをもとにユーザーが印刷を実行させる印刷装置50を選択できる。
【0038】
C.予想料金情報を他の実施形態:
上記の第1実施形態、第2実施形態では、
図6や
図7に示すように、予想料金は、総印刷料金と平均印刷料金とを有していたが、その他の料金を含んでいてもよい。
図12は、他の実施形態の予想料金情報CIAを説明するための図である。予想料金情報CIAは、同じ印刷データを繰り返し印刷する回数である繰り返し印刷回数を示す情報と、繰り返し印刷回数だけ同じデータを印刷した場合にかかる予想料金である繰り返し料金を示す情報とを含む。繰り返し印刷回数を示す回数情報は、制御装置40,40aによって生成されて、印刷条件情報PIに付加されてサーバー装置10に送信される。繰り返し印刷回数は、固定値であってもよいし、過去の印刷履歴、例えば前月の印刷履歴から制御装置40,40aが推定した値であってもよい。制御装置40,40aは、例えば、先月の印刷履歴において、ある印刷データについて10回の印刷が実行されている場合には、繰り返し印刷回数を10回とする回数情報を生成する。また例えば、制御装置40,40aは、過去の印刷履歴において、ある印刷データについての印刷回数の1か月の平均値を繰り返し印刷回数とする回数情報を生成してもよい。サーバー装置10は、制御装置40,40aから受信した回数情報と、料金情報17aとを用いて、複数の印刷装置70,80ごとの繰り返し印刷回数に応じた印刷料金を算出する。
【0039】
第1実施形態の制御装置40について、印刷条件情報PIにおいて選択指標として印刷料金が選択されたことを示す情報を有する場合には、例えば、印刷装置決定部44は以下のように印刷を実行させる印刷装置50を決定する。すなわち、1回の印刷ジョブの予想印刷料金の高低にかかわらず、繰り返し印刷にかかる予想された総印刷料金が最も低い印刷装置70,80を、印刷を実行させる印刷装置50として決定する。
【0040】
上記によれば、同じ印刷データを繰り返し印刷する繰り返し回数を考慮して印刷を実行する印刷装置50を決定できる。例えば、第2印刷装置80は、第1印刷装置70よりも印刷枚数が多くなるほどトータルでの印刷料金は安くなる。よって、1回の印刷枚数が少ない場合でも、繰り返し回数が多い場合には、第2印刷装置80の方が第1印刷装置70よりもトータルの印刷料金が安くできる。繰り返し回数を考慮することで、トータルの印刷料金を安くできる印刷装置50を決定できる。
【0041】
D.他の実施形態:
D-1.他の実施形態1:
管理サーバー装置90が行う配送処理のトリガーは、制御装置40,40aからの配送の発注を受信した場合に限られない。例えば、配送処理のトリガーは各印刷装置70,80から以下に説明するエンド情報を受信した場合であってもよい。この場合、印刷装置50は、カートリッジ55のインク残量が予め定めた基準残量値以下であるエンド状態を検出する残量検出部を有する。残量検出部は、例えば、カートリッジ55が有する残量センサーから出力される検出信号を用いてエンド状態を検出する。基準残量値は、消耗品の残量がゼロまたはゼロに近い量であり、カートリッジ55の交換が必要な程度の量に設定される。残量センサーとしては、例えば、プリズムなどを用いて光学的に残量を検出するセンサーや、残留振動を検出信号として出力する圧電振動素子などが挙げられる。印刷装置50は、エンド状態を検出した場合、エンド状態を検出したことを示すエンド情報を管理サーバー装置90に出力する。
【0042】
D-2.他の実施形態2:
上記実施形態では、配送システム200は、カートリッジ55を配送していたが、消耗品が収容されたボトルであってもよい。この場合、ユーザーは、ボトルに収容された消耗品をカートリッジに注入することで消耗品を補充する。
【0043】
E.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0044】
(1)本開示の第1形態によれば、印刷システムが提供される。この印刷システムは、データ通信可能なネットワーク上に配置された印刷制御システムであって、印刷料金が変動する特定印刷装置を含む複数の印刷装置と、前記複数の印刷装置の動作を制御する制御装置と、を有する印刷制御システムと、前記ネットワーク上に配置されたサーバー装置であって、(i)前記複数の印刷装置のそれぞれの前記印刷料金に関する料金情報を記憶するサーバー記憶部と、(ii)前記複数の印刷装置のそれぞれについて、印刷要求が有する印刷条件情報に応じた印刷にかかる料金である予想料金を、前記印刷制御システムから取得した前記印刷条件情報と、前記料金情報とを用いて算出するサーバー算出部とを有する、サーバー装置と、を備える。この形態によれば、印刷料金が変動する特定印刷装置について、印刷条件情報に応じた印刷にかかる料金である予想料金を精度良く算出することで予想できる。
【0045】
(2)上記形態において、前記サーバー算出部は、算出した前記予想料金を示す予想料金情報を前記制御装置に送信し、前記制御装置は、前記予想料金情報を受信してもよい。この形態によれば、制御装置が予想料金情報を受信できる。
【0046】
(3)上記形態において、前記制御装置は、受信した前記予想料金情報を用いて前記複数の印刷装置のうちから前記印刷要求に応じた印刷を実行させる印刷装置を決定し、決定した前記印刷装置に前記印刷要求に応じた印刷を実行させてもよい。この形態によれば、制御装置が予想料金情報を用いて印刷を実行させる印刷装置を決定できる。
【0047】
(4)上記形態において、前記制御装置は、前記予想料金情報を含む選択受付情報を出力し、前記複数の印刷装置のうちで前記印刷要求に応じた印刷を実行させる印刷装置の選択を受け付ける受付部と、受け付けた前記印刷装置に前記印刷要求に応じた印刷を実行させる印刷制御部と、を有していてもよい。この形態によれば、予想料金情報をもとにユーザーが印刷を実行させる印刷装置を選択できる。
【0048】
(5)上記形態において、前記複数の印刷装置は、それぞれ、印刷に用いる消耗品を有し、前記サーバー装置は、さらに、前記複数の印刷装置のそれぞれの前記消耗品の残量情報を前記印刷制御システムから取得し、取得した前記残量情報と、前記印刷条件情報とを用いて、前記複数の印刷装置のそれぞれについて、前記印刷要求に応じて印刷を実行した場合における印刷実行後の前記消耗品の残量を示す印刷後残量情報を生成して、前記制御装置に送信する残量生成部を有し、前記制御装置は、さらに、受信した前記印刷後残量情報を用いて前記消耗品の配送を発注するか否かを決定する配送発注部を有してもよい。この形態によれば、印刷後残量情報を用いて消耗品の配送を発注するか否かを決定できるので、印刷装置に用いられている消耗品が無くなる前に、新たな消耗品を印刷装置に用いることができる。
【0049】
(6)上記形態において、前記予想料金は、前記印刷要求に従って実行される印刷における、1枚あたりの平均印刷料金と、総印刷料金との少なくとも一方を含んでいてもよい。この形態によれば、予想料金に平均印刷料金と総印刷料金の少なくとも一方を含ませることができる。
【0050】
(7)上記形態において、前記予想料金は、同じ印刷データを繰り返し印刷する場合にかかる繰り返し料金を含んでいてもよい。この形態によれば、同じ印刷データを繰り返し印刷する繰り返し回数を考慮して、印刷を実行する印刷装置を決定できる。
【0051】
(8)上記形態において、前記印刷制御システムは、前記特定印刷装置の印刷ログ情報と、前記特定印刷装置における利用明細情報とを出力し、前記印刷ログ情報は、前記予想料金を示す予想料金情報を含み、前記利用明細情報は、前記特定印刷装置の利用状況に応じて発生した実際の前記印刷料金を示す実料金情報を含んでいてもよい。この形態によれば、出力された予想料金情報を含む印刷ログ情報および実料金情報を用いて、予想料金が適切であったか否かを照合できる。
【0052】
(9)上記形態において、前記制御装置は、前記印刷ログ情報と前記利用明細情報とを照合して、前記予想料金と実料金との差を算出してもよい。この形態によれば、予想料金と実料金との差を算出することで、算出した差を用いて予想料金が適切であったか否かを容易に判定できる。
【0053】
(10)本開示の第2形態によれば、印刷に用いる消耗品の配送システムが提供される。この配送システムは、上記形態の印刷システムと、前記消耗品の配送を管理する管理サーバー装置と、を備える。この形態によれば、消耗品の配送を管理できる。
【0054】
本開示は、上記以外に種々の形態で実現することも可能である。例えば、上記形態のいずれかのシステムを制御する制御方法、上記形態のいずれかを実現するコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
【0055】
上述した本開示の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本開示の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本開示の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本開示の独立した一形態とすることも可能である。
【符号の説明】
【0056】
10…サーバー装置、11…サーバーCPU、13…サーバー算出部、14…残量生成部、17…サーバー記憶部、17a…料金情報、18…サーバー通信部、20…第1端末機器、25…端末機器、30…第2端末機器、40,40a…制御装置、41…装置CPU、42…印刷制御部、43…印刷条件情報生成部、44…印刷装置決定部、45…照合情報出力部、46…照合部、47…装置記憶部、48…装置通信部、49…出力部、50…印刷装置、51…受付部、52…配送発注部、55…カートリッジ、56…動作制御部、58…吐出ヘッド、70…第1印刷装置、80…第2印刷装置、85…印刷制御システム、90…管理サーバー装置、100…印刷システム、200…配送システム、CI,CIA,CIa,CIb…予想料金情報、IM0…入力画像、IM1…印刷実行画像、IM2…ページ画像、IM4…指標画像、IMA…選択画像、IMB…装置識別画像、IMC…料金画像、IMD…実行画像、PC…印刷指令、PI…印刷条件情報、PR…印刷要求、RA,RAa,RAb…印刷後残量情報、RAA…残量情報、SI…選択受付情報