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特許7533012情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240806BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020139782
(22)【出願日】2020-08-21
(65)【公開番号】P2022035449
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】片山 泰司
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-046370(JP,A)
【文献】特開2018-190308(JP,A)
【文献】新型コロナウイルス感染予防・拡大防止の取り組みについて,オンライン[検索日:2024年2月9日],2020年06月01日,URL:https://www.hvf.jp/news/detail_142.html
【文献】コロナが疑われるお客様が来館したら、どうしたらよいだろうか!?,オンライン[検索日:2024年2月9日],2020年05月18日,URL:https://yado-japan.net/?p=879
【文献】新型コロナウイルス感染症 感染予防ガイドラインについて,オンライン[検索日:2024年2月9日],2020年07月19日,URL:https://arm-mominoki.com/2020/07/19/新型コロナウイルス感染症%E3%80%80感染予防ガイドライ/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の個別利用対象を含む利用対象を利用する利用者に個別利用対象を割り当てる情報処理システムであって、
前記利用者が操作可能な操作端末において前記利用者から前記利用対象の利用許可手続きを受け付ける受付処理部と、
前記利用許可手続きに関する操作画面を前記操作端末に表示させる表示処理部と、
前記利用者の健康状態を測定した測定結果を取得する取得処理部と、
前記測定結果に基づいて前記利用者の健康状態が異常であると判定された場合に、前記測定結果を前記操作端末に表示させる提示処理部と、
前記測定結果に基づいて前記利用者の健康状態が異常であると判定された場合に、前記利用者に、予め設定された第1範囲に位置する第1個別利用対象を割り当て、前記利用者の健康状態が正常であると判定された場合に、前記利用者に、前記第1範囲から所定距離離れた第2範囲に位置する前記個別利用対象を割り当てる割当処理を実行させる割当要求処理部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記利用対象の予約処理において前記利用者に第2個別利用対象が割り当てられている場合において、
前記割当要求処理部は、前記利用者の健康状態が異常であると判定された場合に、前記第2個別利用対象を前記第1個別利用対象に変更させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記利用対象の予約処理において前記第1個別利用対象が他の利用者に割り当てられている場合において、
前記割当要求処理部は、前記利用者の健康状態が異常であると判定された場合に、前記他の利用者に割り当てられた前記第1個別利用対象を他の個別利用対象に変更させ、前記利用者に前記第1個別利用対象を割り当てる割当処理を実行させる、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記割当処理を実行する割当処理部をさらに備え、
前記割当処理部は、割当候補の複数の個別利用対象の中から、他の利用者が利用中の個別利用対象と、他の利用者の予約時の要望に応じて割り当てられた個別利用対象とを除外して、前記第1個別利用対象を特定し、特定した前記第1個別利用対象を前記利用者に割り当てる、
請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記提示処理部は、前記利用者の健康状態に応じた貸出品の貸し出しを申し込む画面を前記操作端末に表示させる、
請求項1~4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記取得処理部は、前記利用者の体温を取得し、
記利用者の体温が閾値未満の場合に前記利用者の健康状態が正常であると判定し、前記利用者の体温が閾値以上の場合に前記利用者の健康状態が異常であると判定する、
請求項1~のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記利用対象は宿泊施設であり、前記個別利用対象は宿泊施設の客室である、
請求項1~のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第1個別利用対象は、前記複数の個別利用対象のうち健康状態が異常である利用者に優先して割り当てる個別利用対象である、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記第1個別利用対象は、前記宿泊施設のフロント又は前記宿泊施設のスタッフが駐在する部屋に最も近いフロアの客室である、
請求項又はに記載の情報処理システム。
【請求項10】
複数の個別利用対象を含む利用対象を利用する利用者に個別利用対象を割り当てる情報処理方法であって、
前記利用者が操作可能な操作端末において前記利用者から前記利用対象の利用許可手続きを受け付けることと、
前記利用許可手続きに関する操作画面を前記操作端末に表示させることと、
前記利用者の健康状態を測定した測定結果を取得することと、
前記測定結果に基づいて前記利用者の健康状態が異常であると判定された場合に、前記測定結果を前記操作端末に表示させることと、
前記測定結果に基づいて前記利用者の健康状態が異常であると判定された場合に、前記利用者に、予め設定された第1範囲に位置する第1個別利用対象を割り当て、前記利用者の健康状態が正常であると判定された場合に、前記利用者に、前記第1範囲から所定距離離れた第2範囲に位置する前記個別利用対象を割り当てる割当処理を実行させることと、
を一又は複数のプロセッサー実行する情報処理方法。
【請求項11】
複数の個別利用対象を含む利用対象を利用する利用者に個別利用対象を割り当てる情報処理プログラムであって、
前記利用者が操作可能な操作端末において前記利用者から前記利用対象の利用許可手続きを受け付けることと、
前記利用許可手続きに関する操作画面を前記操作端末に表示させることと、
前記利用者の健康状態を測定した測定結果を取得することと、
前記測定結果に基づいて前記利用者の健康状態が異常であると判定された場合に、前記測定結果を前記操作端末に表示させることと、
前記測定結果に基づいて前記利用者の健康状態が異常であると判定された場合に、前記利用者に、予め設定された第1範囲に位置する第1個別利用対象を割り当て、前記利用者の健康状態が正常であると判定された場合に、前記利用者に、前記第1範囲から所定距離離れた第2範囲に位置する前記個別利用対象を割り当てる割当処理を実行させることと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設などの利用対象に適用される情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ホテル、旅館などの宿泊施設を利用する利用者は、予約済みの宿泊施設に到着するとフロントにおいてチェックイン手続きを行う。近年、宿泊施設のフロントの省人化及び前記チェックイン手続きの効率化を図るために、利用者がフロント付近に設置されたチェックイン端末を自ら操作して前記チェックイン手続きを行うことが可能なチェックインシステムが利用されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-32749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ウイルス、細菌などに感染している利用者が宿泊施設を利用した場合、他の利用者、宿泊施設のスタッフなどに感染が広がる恐れがある。利用者が前記チェックイン手続きをフロントにおいてスタッフと対面して行う場合には、スタッフが利用者の体調などを確認することができるため、感染が広がらないように対策を講じることが可能である。しかし、利用者自身がチェックイン端末によりチェックイン手続きを行う場合には、宿泊施設側は利用者の体調を把握することができないため、宿泊施設内で感染が広がるリスクが高くなる。このため、体調の悪い利用者は他人を感染させてしまうという不安を抱え、また他の利用者、スタッフなどは体調の悪い利用者から感染させられてしまうという不安を抱えることになる。なお、このような問題は、利用対象が宿泊施設である場合に限らず、例えば新幹線、長距離バス、航空機などにおいても生じ得る。
【0005】
本発明の目的は、利用者が安心して利用対象を利用することを可能にする情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る情報処理システムは、複数の個別利用対象を含む利用対象を利用する利用者に個別利用対象を割り当てる情報処理システムであって、前記利用者の健康状態を取得する取得処理部と、前記取得処理部により取得される前記利用者の健康状態が正常であるか又は異常であるかを判定する判定処理部と、前記判定処理部により前記利用者の健康状態が異常であると判定された場合に、前記利用者に所定の第1個別利用対象を割り当てる割当処理を実行させる割当要求処理部と、を備える。
【0007】
本発明の他の局面に係る情報処理方法は、複数の個別利用対象を含む利用対象を利用する利用者に個別利用対象を割り当てる情報処理方法であって、前記利用者の健康状態を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得される前記利用者の健康状態が正常であるか又は異常であるかを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記利用者の健康状態が異常であると判定された場合に、前記利用者に所定の第1個別利用対象を割り当てる割当処理を実行させる割当要求ステップと、を一又は複数のプロセッサーにより実行する方法である。
【0008】
本発明の他の局面に係る情報処理プログラムは、複数の個別利用対象を含む利用対象を利用する利用者に個別利用対象を割り当てる情報処理プログラムであって、前記利用者の健康状態を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得される前記利用者の健康状態が正常であるか又は異常であるかを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記利用者の健康状態が異常であると判定された場合に、前記利用者に所定の第1個別利用対象を割り当てる割当処理を実行させる割当要求ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者が安心して利用対象を利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムの具体的構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムで利用される客室データの一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムで利用される予約管理データの一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムで利用される予約管理データの一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムのチェックイン端末の一例を示す外観図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムのチェックイン端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムのチェックイン端末に表示される体温測定結果の画面の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムのチェックイン端末に表示される貸出品案内画面の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムのチェックイン端末に表示されるルームキー発行画面の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムのチェックイン端末に表示されるルームキー発行画面の一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムのチェックイン端末に表示されるモバイルキー発行画面の一例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムのチェックイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムで利用される予約管理データの一例を示す図である。
図15図15は、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムで利用される予約管理データの一例を示す図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る管理装置の他の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
本発明に係る情報処理システムは、複数の個別利用対象を含む利用対象を利用する利用者に所定の個別利用対象を割り当てる割当処理を実行可能である。前記利用対象は、例えば、ホテル、旅館などの宿泊施設、鉄道(例えば新幹線)、バス(例えば長距離バス)、航空機などである。前記利用対象が宿泊施設の場合、前記個別利用対象は客室(部屋)であり、前記利用対象が新幹線、長距離バス、航空機の場合、前記個別利用対象は座席である。すなわち、前記個別利用対象は、利用者が利用する際に予約又は指定を要するものをいう。なお、前記利用対象は、宿泊施設以外の施設であってもよい。以下に示す実施形態では、前記利用対象として宿泊施設を例に挙げ、前記個別利用対象として客室(部屋)を例に挙げる。
【0013】
[宿泊施設チェックインシステム100]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステム100は、管理装置10と、複数のチェックイン端末20とを含む。宿泊施設チェックインシステム100は、本発明の情報処理システムの一例であり、チェックイン端末20は、本発明の操作端末の一例である。宿泊施設チェックインシステム100は、宿泊施設に導入される。管理装置10は、例えば宿泊施設のフロント、事務室などに配置され、予約及び宿泊者情報を管理する。宿泊施設のスタッフ(管理者、従業員など)は、管理装置10を操作することが可能である。チェックイン端末20は、例えば宿泊施設のフロント付近に配置され、宿泊客である利用者自身によるチェックイン手続き(利用許可手続き)及びチェックアウト手続き(利用終了手続き)の操作を受け付ける。管理装置10と複数のチェックイン端末20とは、宿泊施設に設置される有線LAN又は無線LANなどの通信網N1を介して通信可能である。チェックイン端末20は、1台設置されてもよいし、複数台設置されてもよい。図1では、一例として、3台のチェックイン端末20を示している。利用者は、所望のチェックイン端末20を操作することが可能である。複数の利用者端末30及び管理装置10は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N2を介して通信可能である。
【0014】
ここで、宿泊施設の利用者は、自身の利用者端末30を使用して、例えば、宿泊施設が運営するWEBサイトの宿泊予約ページにアクセスして宿泊予約を行う。管理装置10は、宿泊予約された予約情報を取得して予約を管理する。なお、予約処理は、管理装置10で実行されてもよいし、管理装置10に通信網N2を介して接続された予約サーバ(不図示)で実行されてもよい。例えば前記予約サーバは、利用者から予約要求を受け付けて予約処理を実行し、予約が完了した場合に前記予約情報を管理装置10に通知する。管理装置10は、前記予約情報を取得すると、利用者に部屋を割り当て、割り当てた部屋の部屋情報(部屋番号など)を前記予約情報に登録する。なお、利用者の予約要求に部屋の要望(高層階、角部屋など)が含まれる場合には、管理装置10は、当該要望に応じた部屋を割り当てる。
【0015】
宿泊予約した利用者は、宿泊日に宿泊施設を訪れ、チェックイン端末20を操作してチェックイン手続きを行う。なお、宿泊予約をしないで宿泊施設に来訪した利用者は、チェックイン端末20において例えば空室検索(図7参照)を行って所望の客室を予約し、続けてチェックイン手続きを行うことが可能である。また利用者は、必要に応じてチェックイン端末20を操作してチェックアウト手続きを行う。また利用者は、チェックイン手続き又はチェックアウト手続きにおいて、利用代金の決済手続きを行うことも可能である。
【0016】
利用者は、チェックイン端末20においてチェックイン手続きを完了すると、管理装置10により割り当てられた部屋を利用することが可能となる。
【0017】
[利用者端末30]
図2に示すように、利用者端末30は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信部34などを備える。利用者端末30は、宿泊施設を利用する利用者が所有する端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末のような情報処理装置である。利用者端末30は、周知の構成を適用することができる。
【0018】
通信部34は、利用者端末30を有線又は無線で通信網N2に接続し、通信網N2を介して管理装置10などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0019】
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチキーを含むタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0020】
記憶部32は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体又は記憶装置である。例えば、記憶部32には、制御部31に各種処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、利用者端末30に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部32に記憶される。
【0021】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末30を制御する。
【0022】
具体的に、制御部31は、受付処理部311、表示処理部312、完了通知取得部313などの各種の処理部を含む。なお、制御部31は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0023】
受付処理部311は、利用者が操作表示部33において操作した操作情報を取得する。つまり、受付処理部311は、利用者が操作表示部33を操作したことによって入力された情報を取得する。例えば、受付処理部311は、宿泊施設が運営するWEBサイトにおいて利用者が操作したログイン操作及び予約操作に応じた操作情報を取得する。
【0024】
表示処理部312は、各種の情報を操作表示部33に表示させる。例えば、表示処理部312は、前記WEBサイトの宿泊予約ページを操作表示部33に表示させる。また表示処理部312は、その他の各種メッセージを操作表示部33に表示させる。利用者は、宿泊予約ページにおいて、宿泊日、宿泊日数、宿泊人数、部屋数、宿泊施設に到着する予定の時刻を表す到着予定時刻、部屋プランなどの宿泊情報と、宿泊者の氏名、国籍、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、支払方法などの宿泊者(利用者)の情報(宿泊者情報)とを入力する。また、利用者は、利用する部屋の希望(禁煙、喫煙、低層階、高層階、角部屋など)がある場合には希望を入力する。
【0025】
完了通知取得部313は、前記宿泊予約ページにおいて宿泊予約を完了した場合に、管理装置10から送信される予約完了通知を取得する。前記予約完了通知には、予約完了時に管理装置10が発行した予約番号、及び宿泊予約の内容(予約内容)が含まれる。また、前記予約完了通知に、後述のチェックイン端末20におけるチェックイン手続きに利用可能な二次元コードなどの情報コードが含まれてもよい。前記情報コードには、例えば、利用者(宿泊者)を識別する利用者ID又は会員IDなどの利用者情報、前記予約番号などが含まれてもよい。完了通知取得部313が前記予約完了通知を取得すると、表示処理部312は、予約内容を操作表示部33に表示させる。
【0026】
[管理装置10]
図2に示すように、管理装置10は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、通信部14などを備える。管理装置10は、例えばパーソナルコンピュータ又はタブレット端末のような情報処理装置であってもよい。また、管理装置10は、ホテル管理システム(Property Management System)を構築する情報処理装置又はクラウドサーバであってもよい。管理装置10は、予約を管理する予約管理機能を備えている。なお、管理装置10は、予約管理機能に加えて、客室管理、会計管理、及び顧客管理などの機能を備えてもよい。
【0027】
通信部14は、管理装置10を有線又は無線で通信網N2に接続し、通信網N2を介して利用者端末30などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。また、通信部14は、管理装置10を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介してチェックイン端末20との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
【0028】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0029】
記憶部12は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体又は記憶装置である。例えば、記憶部12には、制御部11に後述のチェックイン処理(図13参照)を実行させるためのチェックイン処理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、これらの制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理装置10に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
【0030】
また、記憶部12には、宿泊施設の部屋の優先情報を含む客室データ121が記憶される。客室データ121は、部屋ごとに、優先利用させる利用者を特定するための優先情報が設定されたデータベースである。図3は、客室データ121の一例を示す図である。図3には、宿泊施設に含まれる全ての部屋に対応する優先情報が登録された客室データ121を示している。例えば、部屋番号「201」~「205」の部屋を、体温が高い利用者、具体的には測定した体温が閾値(例えば37.5度)以上の利用者に優先的に割り当てる場合、部屋番号「201」~「205」に「高体温」などの優先情報を対応付けて登録する。この場合、部屋番号「201」~「205」の部屋は、他の利用者(健康な利用者)より高体温の利用者に優先して割り当てる優先部屋(本発明の第1個別利用対象に相当)となる。
【0031】
なお、前記優先情報の設定は、宿泊施設の管理者により行われる。例えば、体温が高い利用者を1階のフロントに最も近いフロアの部屋に割り当てる場合、管理者は、図3に示すように2階の部屋(部屋番号「201」~「205」)に優先情報「高体温」を対応付けて登録する。また例えば、体温が高い利用者を宿泊施設のスタッフが駐在する部屋(事務所など)に最も近いフロアの部屋に割り当てる場合、管理者は当該部屋に優先情報「高体温」を対応付けて登録する。なお、客室データ121に登録される前記優先情報は、利用者の体温に関する情報に限定されず、利用者の障害の情報、利用者の持病の情報、利用者の怪我の情報などであってもよい。すなわち、前記優先情報には、利用者の健康状態に関する情報が登録される。管理者は、設定画面(不図示)において前記優先情報を登録する操作を行い、制御部11は、当該操作を受け付けて前記優先情報を客室データ121に登録する。
【0032】
また、記憶部12には、利用者端末30から受け付けた宿泊予約の情報(予約情報)を含む予約管理データ122が記憶される。予約管理データ122は、宿泊予約を受け付けた複数の予約情報を含むデータベースであり、キーワード検索が可能なように記憶部12に記憶管理されている。また、予約管理データ122は、チェックイン済の利用者の宿泊状況の情報(宿泊情報)を表す宿泊客管理データを兼ねている。例えば、予約管理データ122には、利用者がチェックインしたか否かを示すチェックイン状況、利用者に割り当てられた部屋の部屋番号などの宿泊情報が含まれる。また、予約管理データ122の一部又は全部の情報は、宿泊台帳データ(不図示)に含まれてもよい。
【0033】
図4は、予約管理データ122の一例を示す図である。図4には、2020年5月1日に宿泊施設を利用する複数の予約情報が予約番号ごとに登録された予約管理データ122が示されている。予約管理データ122には、予約者によって予約された予約内容が、予約番号ごとに登録管理されている。
【0034】
予約管理データ122には、前記宿泊予約ページにおいて入力される宿泊情報及び宿泊者情報が登録される。図4では、説明の便宜上、一部の情報、具体的には、予約時に発行された予約番号、予約者名、宿泊日、宿泊者名(代表者名、同泊者名など)、部屋番号、到着予定時刻、チェックイン状況、部屋情報が示されている。
【0035】
前記部屋番号の欄には、管理装置10により割り当てられた部屋の部屋番号が登録される。具体的には、管理装置10の制御部11(割当処理部112)は、前記予約情報を取得すると、利用者に部屋を割り当て、割り当てた部屋の部屋番号を登録する。
【0036】
前記チェックイン状況の欄には、チェックインが完了したことを示す情報として「済」、又は、チェックインが完了していないことを示す情報として「未」のいずれかが登録され、チェックインが完了するまではデフォルト値として「未」が登録される。
【0037】
前記部屋情報の欄には、利用者が希望する部屋の情報、利用者に割り当てた優先部屋の情報などが登録される。例えば、利用者が前記宿泊予約ページにおいて、希望する部屋として、「低層階」、「高層階」、「角部屋」、「禁煙」、「喫煙」などを入力した場合に、これらの情報が前記部屋情報に登録される。管理装置10の制御部11(割当処理部112)は、前記予約情報に部屋の希望が含まれる場合には希望に応じた部屋を割り当てる。また、チェックイン手続きにおいて、利用者の体温が閾値(例えば37.5度)以上であるために当該利用者に優先部屋が割り当てられた場合に、優先部屋に関する情報が前記部屋情報に登録される。図4には、利用者Aに部屋番号「204」の優先部屋が割り当てられてチェックイン手続きが完了したことを示している。予約管理データ122は、チェックイン手続きに応じてリアルタイムに更新される。
【0038】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理装置10を制御する。
【0039】
具体的に、制御部11は、予約処理部111、割当処理部112、予約情報取得部113、更新処理部114などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記チェックイン処理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記チェックイン処理プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0040】
予約処理部111は、利用者端末30において宿泊予約の操作が行われた場合に、予約可能であるか否かを判定し、予約可能である場合に予約処理を行う。予約処理が完了した場合、予約処理部111は、利用者端末30に予約完了通知を送信し、前記宿泊情報及び前記宿泊者情報を含む予約情報を予約管理データ122(図4参照)に登録する。なお、本実施形態では、管理装置10において予約処理が行われる例について説明するが、例えば、管理装置10と利用者端末30との間に、利用者からの予約要求に応じて予約処理を実行する予約処理システムが介在してもよい。この場合、管理装置10は、前記予約処理システムから送信される予約情報を予約管理データ122に登録して管理する。
【0041】
割当処理部112は、前記予約情報を取得すると、利用者に部屋を割り当て、割り当てた部屋の部屋番号を予約管理データ122に登録する。割当処理部112は、前記予約情報に部屋の希望が含まれる場合には希望に応じた部屋を割り当てる。例えば、利用者が前記宿泊予約ページにおいて、希望する部屋として「高層階」を入力した場合に、割当処理部112は、高層階の部屋の予約が可能である場合に高層階の部屋を割り当てる。また、例えば利用者が前記宿泊予約ページにおいて、体温が高いなど健康状態が悪いことを申告した場合には、割当処理部112は、高体温の利用者に優先的に利用させる優先部屋(例えば2階の部屋)を割り当てる。
【0042】
また、割当処理部112は、前記予約情報に部屋の希望が含まれない場合には、所定のルールに従って部屋を割り当ててもよいし、ランダムに部屋を割り当ててもよい。割当処理部112は、割り当てた部屋番号の情報をチェックイン端末20に出力する。チェックイン端末20は、部屋番号の情報を取得すると、部屋番号を操作表示部23に表示させたり、部屋番号に対応する部屋IDを含むカードキーを発行したりする。
【0043】
予約情報取得部113は、後述するチェックイン処理(図13参照)が実行される場合に、記憶部12内の予約管理データ122(図4参照)から、チェックイン処理の対象である予約情報を取得する。具体的には、チェックイン端末20に予約検索情報が入力されると、予約情報取得部113は、チェックイン端末20から送信される前記予約検索情報を受け取り、前記予約検索情報に対応する予約情報を予約管理データ122から検索する。予約情報取得部113は、前記予約検索情報を含む予約情報を検索して、その予約情報を予約管理データ122から抽出する。予約情報取得部113は、抽出した予約情報を、チェックイン端末20に送信する。ここで、前記予約検索情報は、前記予約完了通知に含まれる情報であって、利用者の宿泊予約を特定することができるユニークな情報である。例えば、前記予約検索情報は、利用者の氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、予約番号などの各情報である。なお、電話番号や生年月日は、他人と重複する場合があるため、前記予約検索情報は、上述した各情報を組み合わせたものであることが好ましい。
【0044】
例えば、図4に示す例では、チェックイン端末20から予約番号0005又は予約者である利用者Eの氏名が入力されると、予約情報取得部113は、予約管理データ122において利用者Eの氏名を検索して、利用者Eに該当する予約情報(予約番号0005の予約情報)を取得する。
【0045】
なお、チェックイン端末20においてチェックイン手続きに利用可能な二次元コードが読み取られた場合には、予約情報取得部113は、前記二次元コードに含まれるユーザID、予約番号などを用いて、チェックイン処理の対象である予約情報を取得してもよい。この場合、二次元コード又は二次元コードに含まれる情報が前記予約検索情報の一例である。
【0046】
ここで、詳細は後述するが、例えばチェックイン手続きにおいて測定した利用者の体温が閾値(例えば37.5度)以上の場合に、チェックイン端末20は優先割当要求を出力する。割当処理部112は、前記優先割当要求を取得すると、宿泊予約の際に利用者に割り当てた部屋を変更する割当処理を実行する。例えば利用者Eのチェックイン手続きにおいて、チェックイン端末20が優先割当要求を出力した場合、割当処理部112は、予約情報に基づいて利用者Eに割り当てた部屋「403」(図4参照)を高体温の利用者に優先的に利用させる優先部屋(例えば「205」)に変更する(図5参照)。また、割当処理部112は、例えば利用者が希望した部屋を優先部屋に変更した場合に、体温が高いために希望の部屋から変更したことを示すメッセージをチェックイン端末20に表示させてもよい。なお、割当処理部112による割当処理の具体例については後述する。割当処理部112は、変更した部屋番号の情報をチェックイン端末20に出力する。割当処理部112は、本発明の割当処理部の一例である。
【0047】
更新処理部114は、宿泊施設における利用者のチェックイン手続きの状況に応じて予約管理データ122を更新する。例えば、宿泊予約した予約者がチェックイン端末20において行ったチェックイン手続きが許可された場合に、更新処理部114は、予約管理データ122のチェックイン状況の欄に登録されている情報「未」を、チェックイン完了を示す情報「済」に更新する。
【0048】
また、割当処理部112が前記優先割当要求に応じて部屋を変更した場合に、更新処理部114は、部屋番号の欄に変更後の部屋番号を登録し、部屋情報の欄に変更後の部屋に関する情報(例えば「優先部屋(高体温)」)を登録する。図5には、利用者Eのチェックイン手続きが完了した状態を示している。ここでは、利用者Eに宿泊予約の際に割り当てられた部屋「403」が優先部屋「205」に変更されたことを示している。更新処理部114は、チェックイン手続きが完了するごとに予約管理データ122の情報を更新する。
【0049】
また、制御部11は、チェックイン端末20からモバイルキー発行要求(後述)を取得した場合に、前記モバイルキーを利用者端末30に発行するための処理(モバイルキー発行処理)を実行する。ここで、前記モバイルキーは、利用者が宿泊する部屋の解錠を行うために必要な情報であり、例えば利用者が宿泊する部屋の識別情報(部屋ID)、宿泊日を示す宿泊日情報などが含まれる。前記モバイルキー発行処理において、制御部11は、チェックイン手続きにおいて利用者の認証が行われ、チェックイン端末20からモバイルキー発行要求を取得すると、当該モバイルキー発行要求をモバイルキーシステムに送信(通知)する。前記モバイルキーシステムは、管理装置10から前記モバイルキー発行要求を取得すると、例えば利用者の利用者端末30にインストールされたアプリケーション(モバイルキー用アプリケーション)に、当該利用者に対応する前記モバイルキーの前記各情報を送信する。前記各情報を取得した利用者端末30は、前記アプリケーションを起動させることにより前記モバイルキーとして機能する。例えば、利用者端末30及び前記解錠装置においてBluetooth(登録商標)による通信により照合に成功すると前記部屋が解錠される。なお、管理装置10は、前記モバイルキーシステムの機能を備えてもよく、この場合には、制御部11が前記モバイルキーを利用者端末30に発行する。
【0050】
また、制御部11は、前記モバイルキーシステムを利用可能な利用者が優先部屋を利用する場合には、カードキーの発行を禁止して、前記モバイルキーを利用者端末30に発行してもよい。これにより、例えば利用者がウイルスに感染している場合に、カードキーを媒介して宿泊施設内で感染が広がるリスクを低減することができる。
【0051】
[チェックイン端末20]
図2に示すように、チェックイン端末20は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、カードキー発行部24、読取部25、体温測定部26、通信部27などを備える。チェックイン端末20は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。
【0052】
図6は、チェックイン端末20の一例を示す外観図である。図6に示すように、チェックイン端末20において、利用者(宿泊者)は操作表示部23をタッチ操作することが可能となっている。利用者は、操作表示部23に表示される操作画面を操作しながらチェックイン手続きを行う。チェックイン端末20には、クレジットカードなどのカード類を挿入するカード挿入部、カードキー(ルームキー)を発行するカードキー発行部24、レシートなどの印刷媒体を排出する排出部、硬貨及び紙幣を投入する投入部などが含まれる。
【0053】
体温測定部26は、チェックイン端末20の上部に設けられており、操作表示部23の上側に設けられている。体温測定部26は、例えばチェックイン端末20を操作する利用者の体温を測定する。体温測定部26は、例えば赤外線を利用した測定機器(赤外線カメラなど)により構成される。体温測定部26は、チェックイン端末20から離れた場所、例えば宿泊施設の入り口に設置されてもよい。この場合、チェックイン端末20と体温測定部26とは、通信網N1(図1参照)を介して通信可能に接続される。また、チェックイン端末20は、体温測定部26が体温測定した利用者とチェックイン手続きを行う利用者とを照合するためのカメラ(不図示)を備えてもよい。このように、チェックイン端末20は、チェックイン手続きを行う利用者の体温を取得することが可能である。
【0054】
通信部27は、チェックイン端末20を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理装置10との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0055】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0056】
読取部25は、二次元コードなどの情報コードを読み取る。また読取部25は、利用者の旅券(パスポート)、宿泊施設が発行する会員カード、身分証明書などをスキャンする機能を備えてもよい。読取部25によって読み取られた情報は、制御部21によって管理装置10に送信されて、管理装置10の記憶部12に記憶される。
【0057】
カードキー発行部24は、ルームキーの一つであるカードキー(物理キー)を発行(排出)する。利用者がチェックイン手続きにおいてルームキー(モバイルキー又はカードキー)のうちカードキーを選択した場合に、カードキー発行部24は、制御部21の指示に基づいてカードキーを発行する。例えば、カードキー発行部24は、チェックイン手続きにおいて利用者の認証が行われると、当該利用者に対応する情報(部屋ID、宿泊日情報など)を記憶させたICカード型のカードキーをチェックイン端末20から排出する。カードキーは、解錠装置(通信装置)との間の通信処理を介して部屋の解錠を行うICカードキーである。通信処理は、例えば非接触ICカードを利用した近距離無線通信手段が利用可能である。例えば、利用者はカードキーを解錠装置に近接させると、解錠装置が通信処理を介してカードキーの識別情報(部屋IDなど)の照合を行い、照合に成功すると部屋を解錠する。カードキーは、ICカードに限定されず、磁気カードであってもよい。
【0058】
記憶部22は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体又は記憶装置である。例えば、記憶部22には、制御部21に後述のチェックイン処理(図13参照)を実行させるためのチェックイン処理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、これらの制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、チェックイン端末20に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。なお、前記チェックイン処理プログラムは、通信網N1を介してチェックイン端末20の記憶部22にダウンロードされてもよい。
【0059】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりチェックイン端末20を制御する。
【0060】
具体的に、制御部21は、図2に示すように、受付処理部211、表示処理部212、チェックイン処理部213、体温取得処理部214、判定処理部215、提示処理部216、割当要求処理部217などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記チェックイン処理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記チェックイン処理プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0061】
受付処理部211は、宿泊施設の利用者がチェックイン端末20の操作表示部23において操作した操作情報を取得する。例えば、利用者が図7に示すチェックイン画面において前記チェックイン手続きを開始する操作を行うと、受付処理部211は、当該操作情報を取得する。前記チェックイン手続きには、利用者が外国人の場合に旅券をスキャンする手続き、予約番号、氏名、電話番号、住所など宿泊者情報を入力する手続き、決済手続き、貸出品の要否を選択(図9参照)する手続き、ルームキー(モバイルキー又はカードキー)を選択(図10参照)する手続きなどが含まれる。尚、利用者が、前記チェックイン手続きにおいて、利用者端末30(携帯端末)に表示された二次元コードを読取部25(図6参照)に翳した場合に、受付処理部211が、読み取った前記二次元コードに含まれる前記宿泊者情報を取得してもよい。
【0062】
表示処理部212は、各種の情報を操作表示部23に表示させる。例えば、表示処理部212は、チェックイン手続きに必要な情報を入力させるための操作画面(図7参照)、ルームキー発行画面(図10図12参照)を順次、操作表示部23に表示させる。表示処理部212は、その他の各種メッセージを操作表示部23に表示させる。尚、チェックイン端末20がチェックアウト手続きを行う機能を備える場合、チェックアウト手続きに必要な情報を入力させるための操作画面を順次、操作表示部23に表示させる。表示処理部212は、本発明の表示処理部の一例である。
【0063】
チェックイン処理部213は、チェックイン手続きにおいて入力された情報に基づいて、利用者の認証を行う。例えば、チェックイン処理部213は、管理装置10に記憶される予約管理データ122(図4参照)を参照して、利用者が入力した情報(例えば氏名)が予約管理データ122に含まれる宿泊者の氏名と一致する場合に当該利用者を認証してチェックイン手続きを許可する。なお、チェックイン処理部213は、例えば、利用者が入力した氏名の全部が予約管理データ122に含まれる宿泊者の氏名と一致する場合にチェックイン手続きを許可してもよいし、利用者が入力した氏名の一部が予約管理データ122に含まれる宿泊者の氏名と一致する場合にチェックイン手続きを許可してもよい。
【0064】
またチェックイン処理部213は、利用者によるチェックインに必要な情報の入力が完了し、利用者の認証に成功した場合に、宿泊料金の支払い関する決済を行う。例えば、利用者がクレジットカードをチェックイン端末20のカード挿入部に挿入すると、チェックイン処理部213は、利用者が利用する決済事業者の決済サーバに決済要求を送信して決済処理を行う。
【0065】
体温取得処理部214は、チェックイン手続きを行う利用者の体温を取得する。具体的には、体温取得処理部214は、体温測定部26が利用者の体温を測定した場合に、体温測定部26から当該体温の情報を取得する。また、体温取得処理部214は、利用者がチェックイン手続きの操作画面において体温を入力した場合に、入力された体温の情報を取得してもよい。例えば、チェックイン端末20が利用者から健康状態の入力を受け付ける機能を備える場合、体温取得処理部214は、利用者が入力した体温の情報を取得する。また、体温取得処理部214は、利用者が所持する機器から体温を取得してもよい。例えば、利用者が体温測定機能を備えるウェアラブル装置を装着している場合に、体温取得処理部214は、前記ウェアラブル装置とBluetooth通信により測定結果(体温)を取得する。この場合、前記ウェアラブル装置が体温測定部26を構成する。このように、体温取得処理部214は、体温測定部26により測定される体温を取得してもよい、利用者の自己申告により入力される体温を取得してもよい。
【0066】
判定処理部215は、体温取得処理部214により取得される前記利用者の体温が閾値以上であるか否かを判定する。前記閾値は、利用者の健康状態が正常であるか又は異常であるかを判定する基準となる値、例えば37.5度に設定される。また、前記閾値は、平熱との差であってもよい。例えば利用者の通常(健康なとき)の体温(平熱)が会員情報などに登録されている場合には、判定処理部215は、チェックイン手続きの際に測定された体温と、会員情報に登録された平熱との差が閾値(例えば1度)以上であるか否かを判定する。
【0067】
提示処理部216は、判定処理部215により利用者の体温が閾値以上であると判定された場合に、チェックイン手続きの中で、利用者の健康状態に応じた所定の情報(警告情報)を操作表示部23に表示させる。例えば、利用者の体温が37.7度であった場合、提示処理部216は、図8に示すように、測定結果と、体温が高めであることを示すメッセージとを含む警告情報を操作表示部23に表示させる。これにより、提示処理部216は、利用者に健康状態に関する注意を促す。
【0068】
また、提示処理部216は、利用者の健康状態に応じた貸出品の貸し出しを申し込む案内画面を操作表示部23に表示させる。例えば、利用者の体温が閾値以上である場合に、図9に示すように、提示処理部216は、体温計、マスク、氷枕、加湿器などの貸出品の案内画面を操作表示部23に表示させる。利用者は、図9に示す案内画面において、所望の貸出品の貸し出しを申し込むことができる。また、利用者は、図9に示す案内画面において、貸出品をフロントで受け取るか、又は、部屋に届けてもらうかを選択することができる。提示処理部216は、本発明の提示処理部の一例である。
【0069】
割当要求処理部217は、判定処理部215により利用者の体温が閾値以上であると判定された場合に、利用者に優先部屋を割り当てる割当処理を管理装置10に実行させる。具体的には、割当要求処理部217は、判定処理部215により利用者の体温が閾値以上であると判定された場合に、利用者に優先部屋を割り当てる優先割当要求を管理装置10に出力する。割当要求処理部217は、本発明の割当要求処理部の一例である。
【0070】
管理装置10の割当処理部112は、チェックイン端末20から前記優先割当要求を取得すると、利用者に優先部屋(例えば2階の部屋)を割り当てる。ここで、事前に宿泊予約をした利用者についてチェックイン手続きにおいて体温が閾値以上であると判定された場合には、割当処理部112は、宿泊予約の際に利用者に割り当てた部屋(本発明の第2個別利用対象の一例)を優先部屋(本発明の第1個別利用対象の一例)に変更する。また、事前に宿泊予約をしないで宿泊施設に来訪した利用者についてチェックイン手続きにおいて体温が閾値以上であると判定された場合には、割当処理部112は、利用者に優先部屋を割り当てる。割当処理部112は、利用者に割り当てた部屋の情報(部屋番号)をチェックイン端末20に出力する。
【0071】
ここで、利用者が宿泊予約の際に特定の部屋(例えば高層階)を希望し、当該利用者に高層階の部屋が割り当てられていた場合において、チェックイン手続きにおいて当該利用者の体温が閾値以上であると判定され、割当処理部112が、事前に割り当てられた高層階の部屋を優先部屋(例えば2階の部屋)に変更した場合には、提示処理部216が、体温が高いために希望の部屋から変更したことを示すメッセージを操作表示部23に表示させてもよい。これにより、利用者に対して、宿泊予約の際の希望の部屋を変更したことを通知することができる。
【0072】
制御部21は、管理装置10から利用者に割り当てられた部屋番号の情報を取得する。また、制御部21は、ルームキーを発行する処理を行う。例えば、チェックイン手続きにおいて利用者が認証され、図9に示す画面において利用者が貸出品の選択操作を終了すると、制御部21はルームキー発行処理を行う。
【0073】
具体的には、利用者が前記モバイルキーの使用資格者である場合に、表示処理部212は、前記ルームキー発行処理において、図10に示すルームキー発行画面を表示させて、受付処理部211は当該ルームキー発行画面において利用者から前記モバイルキー及び前記カードキーのいずれかを選択する操作(キー選択操作)を受け付ける。なお、利用者が前記モバイルキーの使用資格者でない場合には、表示処理部212は前記モバイルキーを選択する画面を表示させず、受付処理部211は前記カードキーのみを選択する操作を受け付ける。ここで、制御部21は、記憶部12の会員情報を参照して利用者が前記アプリケーションの登録会員である場合に、当該利用者を前記モバイルキーの使用資格者であると判定してもよいし、利用者が宿泊施設の登録会員(会員カード所有者など)である場合に、当該利用者を前記モバイルキーの使用資格者であると判定してもよい。また、前記会員情報が前記ホテル管理システム(PMS)に記憶される場合には、制御部21は、前記ホテル管理システムに照会して利用者が前記アプリケーションの登録会員であるか否かを判定する。
【0074】
受付処理部211が利用者から前記モバイルキーを選択する操作を受け付けた場合、制御部21は、前記モバイルキー発行要求を管理装置10に出力する。一方、受付処理部211が利用者から前記カードキーを選択する操作を受け付けた場合、制御部21は、前記カードキーの発行指示をカードキー発行部24に出力する。なお、制御部21は、管理装置10において割り当てられた部屋番号に対応する部屋IDを前記カードキーに記憶する。
【0075】
ここで、利用者が前記モバイルキーの使用資格者であって、かつ判定処理部215により利用者の体温が閾値以上であると判定された場合には、表示処理部212は前記カードキーを選択する画面を表示させず、受付処理部211は前記モバイルキーのみを選択する操作を受け付けてもよい。この場合、制御部21は、前記モバイルキー発行要求を管理装置10に出力する。
【0076】
制御部21は、利用者に対して前記ルームキーの発行を完了すると、前記チェックイン処理を終了してチェックイン手続きを終了する。このように、各利用者は、宿泊施設に到着すると、自らチェックイン端末20を操作して前記チェックイン手続きを行う。また、複数のチェックイン端末20は、並行して前記チェックイン処理を行うことが可能である。
【0077】
[チェックイン処理]
以下、図13を参照しつつ、宿泊施設チェックインシステム100において実行されるチェックイン処理の一例について説明する。チェックイン処理は、管理装置10の制御部11及びチェックイン端末20の制御部21により実行される。例えば、制御部11,21は、前記チェックイン処理プログラムの実行を開始することによって、前記チェックイン処理の実行を開始する。なお、前記チェックイン処理は、管理装置10及びチェックイン端末20における所定の操作に応じて途中で終了されることがある。
【0078】
なお、本発明は、前記チェックイン処理に含まれる一又は複数のステップを実行するチェックイン方法(本発明の情報処理方法の一例)の発明として捉えることができる。
【0079】
また、以下に説明する前記チェックイン処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記チェックイン処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、本実施形態では、制御部11,21に対応する複数のプロセッサーによって前記チェックイン処理における各ステップが分散して実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、1つのプロセッサーによって前記チェックイン処理における各ステップが実行されてもよい。
【0080】
先ずステップS11において、チェックイン端末20の制御部21は、チェックイン端末20に表示されるチェックイン画面(図7参照)において利用者から前記チェックイン手続きを開始する操作を受け付けると、当該操作情報を取得する。制御部21は、前記チェックイン手続きを開始する操作を受け付けるまで待機する(S11:No)。制御部21が前記操作情報を取得すると(S11:Yes)、処理はステップS12に移行する。
【0081】
ステップS12において、制御部21は、前記チェックイン手続きの操作画面(不図示)において利用者から宿泊者情報などを入力する操作を受け付ける。例えば、制御部21は、表示言語を選択する操作、利用者が外国人の場合に旅券をスキャンする操作、予約番号、氏名、電話番号、住所などの宿泊者情報を入力する操作を受け付ける。
【0082】
ステップS13において、制御部21は、前記宿泊者情報に基づいて、利用者の認証処理を実行する。前記認証処理では、制御部21は、管理装置10に記憶される予約管理データ122(図4参照)を参照して、利用者が入力した前記宿泊者情報(例えば氏名)が予約管理データ122の予約情報(例えば氏名)に一致する場合に当該利用者を認証してチェックイン手続きを許可する。利用者が認証された場合(S13:Yes)、処理はステップS14に移行する。
【0083】
一方、利用者が認証されなかった場合(S13:No)、処理はステップS131に移行する。ステップS131では、制御部21は、チェックイン端末20におけるチェックイン手続きを中止して、利用者をフロントへ案内するメッセージなどを操作表示部23に表示させる。その後、前記チェックイン処理は終了する。
【0084】
次にステップS14において、制御部21は、利用者の体温を取得する。具体的には、体温測定部26(図6参照)がチェックイン端末20を操作する利用者の体温を測定すると、制御部21は、体温測定部26から測定結果を取得する。なお、利用者が操作画面において体温を入力した場合には、制御部21は、利用者が入力した体温を取得する。ステップS14は、本発明の取得ステップの一例である。
【0085】
次にステップS15において、制御部21は、取得した体温が閾値以上であるか否かを判定する。例えば、制御部21は、取得した体温が37.5以上であるか否かを判定する。前記体温が閾値以上である場合(S15:Yes)、処理はステップS16に移行する。一方、前記体温が閾値未満である場合(S15:No)、処理はステップS18に移行する。ステップS15は、本発明の判定ステップの一例である。
【0086】
ステップS16では、制御部21は、利用者の健康状態に応じた所定の警告情報をチェックイン端末20に表示させる。例えば、利用者の体温が37.7度であった場合、制御部21は、図8に示すように、測定結果と、体温が高めであることを示すメッセージとを含む警告情報をチェックイン端末20に表示させる。なお、利用者の体温が閾値未満であった場合に(S15:No)、制御部21は、前記警告情報の表示を省略してもよいし、測定結果と体温が標準であることを示すメッセージとをチェックイン端末20に表示させてもよい。
【0087】
次にステップS17において、制御部21は、利用者に優先部屋を割り当てる割当処理を実行させる。具体的には、制御部21は、利用者に優先部屋を割り当てる優先割当要求を管理装置10に出力する。管理装置10の制御部11は、チェックイン端末20から前記優先割当要求を取得すると、利用者に優先部屋を割り当てる割当処理を実行する。ステップS17は、本発明の割当要求ステップの一例である。
【0088】
ここでは、例えば利用者Eがチェックイン手続きを行うものとする。利用者Eは宿泊施設に来訪する前に事前に宿泊予約をしており、制御部11により部屋番号「403」が割り当てられている(図4参照)。利用者Eが宿泊日に来訪してチェックイン端末20においてチェックイン手続きを行う際に測定された体温が37.7度であった場合、制御部21は、利用者Eに優先部屋を割り当てる優先割当要求を管理装置10に出力する。管理装置10の制御部11は、チェックイン端末20から前記優先割当要求を取得すると、利用者Eに割り当てた部屋番号「403」の部屋を2階の優先部屋(図3参照)に変更する割当処理を実行する。
【0089】
例えば、客室データ121(図3参照)において優先部屋として部屋番号「201」~「205」の部屋が設定されている場合に、制御部11は、いずれかの部屋を利用者Eに割り当てる。優先部屋に登録された複数の部屋は、利用者に対する割当候補の部屋である。ここでは、図4に示すように、部屋番号「201」,「204」の部屋は既にチェックイン済み(利用中)であるため、制御部11は、部屋番号「201」,「204」の部屋を除外して、部屋番号「202」,「203」,「205」の部屋の中からいずれかの部屋を特定する。例えば、制御部11は、健康状態が正常な利用者Bに割り当てた部屋番号「201」の部屋よりも、体温が高く優先部屋として利用者Aに割り当てた部屋番号「204」の部屋に最も近い部屋番号「205」の部屋を利用者Eに割り当てる。このように、制御部11は、健康状態が正常な利用者が利用する部屋の区域と、健康状態が異常な利用者が利用する部屋の区域とを、区分けして部屋を割り当てる。これにより、健康状態が正常な利用者に対する感染のリスクを低減することができる。管理装置10の制御部11は、利用者に割り当てた部屋番号の情報をチェックイン端末20に出力する。
【0090】
次にステップS18では、制御部21は、宿泊料金の支払い関する決済処理を行う。なお、前記決済処理は、前記チェックイン処理に含まれず、チェックアウト処理に含まれてもよい。
【0091】
次にステップS19において、制御部21は、貸出品の貸し出しを申し込む案内画面をチェックイン端末20に表示させる。具体的には、制御部21は、利用者の健康状態に応じた貸出品の貸し出しを申し込む案内画面をチェックイン端末20に表示させる。例えば、利用者の体温が閾値未満である場合には、制御部21は、ドライヤー、浴衣、アイロン、加湿器などの貸出品の案内画面(不図示)をチェックイン端末20に表示させる。一方、例えば、利用者の体温が閾値以上である場合には、制御部21は、体温計、マスク、氷枕、加湿器などの貸出品の案内画面(図9参照)をチェックイン端末20に表示させる。また、制御部21は、各案内画面において、貸出品をフロントで受け取るか、又は、部屋に届けてもらうかを選択可能なボタンを表示させる(図9参照)。制御部21は、前記案内画面において利用者から操作を受け付けると、管理装置10、フロント端末、スタッフ端末などに貸出品の申し込み情報を通知する。利用者が前記案内画面において貸出品に関する操作を終了すると、処理はステップS20に移行する。
【0092】
ステップS20において、制御部21は、ルームキー発行処理を行う。ルームキー発行処理では、例えば制御部21は、図10に示すルームキー発行画面をチェックイン端末20に表示させて、利用者の選択操作を受け付ける。図10に示すルームキー発行画面において利用者がカードキーボタンK1を押した場合、制御部21は、図11に示すカードキー発行画面をチェックイン端末20に表示させて、チェックイン端末20からカードキーを発行(排出)する。例えば、制御部21は、管理装置10が割り当てた部屋番号に対応する部屋ID、宿泊日情報などを記憶させたICカード型のカードキーを発行する。
【0093】
一方、図10に示すルームキー発行画面において利用者がモバイルキーボタンK2を押した場合、制御部21は、モバイルキー発行要求を管理装置10に出力する。また、制御部21は、モバイルキーを発行したことを示すモバイルキー発行画面(図12参照)をチェックイン端末20に表示させる。前記モバイルキー発行画面には、利用者端末30においてモバイルキーを確認するように促すメッセージが表示されてもよい。管理装置10の制御部11は、チェックイン端末20から前記モバイルキー発行要求を取得すると、前記モバイルキーを利用者端末30に発行する。具体的には、制御部11は、利用者の利用者端末30にインストールされた前記アプリケーションに、当該利用者に割り当てた部屋に対応する部屋ID、宿泊日情報を含む前記モバイルキー(キー情報)を送信(発行)する。
【0094】
なお、利用者が前記モバイルキーの使用資格者であって、かつ利用者の体温が閾値以上であると判定された場合には、制御部21は、ルームキー発行画面にカードキーボタンK1を表示させず、モバイルキーボタンK2のみを表示させてもよい。この場合、制御部21は、モバイルキーの発行処理を行う。
【0095】
利用者端末30が管理装置10から前記モバイルキーを取得すると、利用者は、部屋の入り口で利用者端末30のモバイルキーを使用して部屋を解錠させることが可能となる。
【0096】
ステップS20のルームキー発行処理が終了すると、利用者に対応するチェックイン処理が終了する。
【0097】
以上説明したように、本実施形態に係る宿泊施設チェックインシステム100は、利用者の体温が閾値以上であると判定された場合に、当該利用者に優先部屋を割り当てる割当処理を実行させる。具体的には、チェックイン端末20は、チェックイン手続きにおいて利用者の体温を測定し、測定した体温が閾値以上である場合に、宿泊予約の際に当該利用者に割り当てた部屋を予め設定された優先部屋に変更する割当処理を実行させる。例えば、チェックイン端末20は、体温が閾値以上の利用者に対して、フロントに近い部屋、スタッフの駐在場所に近い部屋、健康状態が正常な利用者が利用する部屋から離れた部屋、別館などを優先部屋として割り当てる。
【0098】
これにより、例えばウイルス、細菌などに感染している利用者から宿泊施設内において感染が広がるリスクを低減することができる。また、宿泊施設のスタッフが、健康状態が悪い利用者の部屋に迅速にかけつけることができる。このため、感染している利用者及び健康状態が正常な利用者のそれぞれの不安を抑えることができる。よって、利用者は安心して宿泊施設を利用することが可能となる。
【0099】
本発明は上述の実施形態に限定されない。本発明の情報処理システムは、以下の実施形態であってもよい。
【0100】
例えば、管理装置10の制御部11は、チェックイン端末20から前記優先割当要求を取得すると、以下の方法により利用者に優先部屋を割り当ててもよい。
【0101】
ここでは、例えば利用者Eがチェックイン手続きを行うものとする。利用者Eは宿泊施設に来訪する前に事前に宿泊予約をしており、制御部11により部屋番号「403」が割り当てられている(図14参照)。利用者Eが宿泊日に来訪してチェックイン端末20においてチェックイン手続きを行う際に測定された体温が37.7度であった場合、制御部21は、利用者Eに優先部屋を割り当てる優先割当要求を管理装置10に出力する。管理装置10の制御部11は、チェックイン端末20から前記優先割当要求を取得すると、利用者Eに割り当てた部屋番号「403」の部屋を2階の優先部屋(図3参照)に変更する。
【0102】
例えば、優先部屋として部屋番号「201」~「205」の部屋が設定されている場合に、制御部11は、いずれかの部屋を利用者Eに割り当てる。ここでは、図14に示すように、部屋番号「201」,「204」の部屋は既にチェックイン済み(利用中)であるため、制御部11は、部屋番号「201」,「204」の部屋を除外して、部屋番号「202」,「203」,「205」の部屋の中からいずれかの部屋を特定する。このように、制御部11は、割当候補の複数の優先部屋の中から優先部屋に対する利用状況に基づいて特定の優先部屋を特定し、特定した優先部屋を利用者に割り当てる。
【0103】
ここで、部屋番号「202」の部屋は利用者Fの宿泊予約において利用者Fに割り当てられており、部屋番号「203」の部屋は利用者Jの宿泊予約において利用者Jに割り当てられており、部屋番号「205」の部屋は利用者Lの宿泊予約において利用者Lに割り当てられている。さらに、利用者Lは、宿泊予約の際に低層階を希望しており、この希望に従って利用者Lに部屋番号「205」の部屋が割り当てられている。また、利用者F,J,Lは、利用者Eがチェックイン手続きを行っている時点で、未だチェックイン手続きが完了していない。
【0104】
この場合、例えば、制御部11は、部屋番号「202」,「203」,「205」の部屋のうち、利用者Eがチェックイン手続きを行っている時点から、到着予定時刻が最も遅い利用者に割り当てられた部屋を利用者Eに割り当てる。例えば、利用者Eがチェックイン手続きを行っている時点の時刻が18:30である場合に、利用者Lの到着予定時刻「20:00」が最も遅い。そこで、制御部11は、利用者Lに割り当てた部屋番号「205」の部屋を利用者Eに割り当てる。また制御部11は、利用者Eに当初割り当てた部屋番号「403」の部屋を利用者Lに割り当てる。このように、到着予定時刻が遅い利用者Lに割り当てられた部屋を利用者Eに割り当てることにより、利用者Lに対する部屋の変更の影響を低減することができる。
【0105】
ここで、部屋番号「205」は利用者Lが要望した部屋(低層階)であるため、低層階ではない部屋に変更することは好ましくない。そこで、制御部11は、利用者の要望に応じて割り当てた部屋(ここでは部屋番号「205」の部屋)を除外して、割当処理を実行することが好ましい。このように、制御部11は、割当候補の複数の優先部屋の中から優先部屋に対する予約状況に基づいて特定の優先部屋を特定し、特定した優先部屋を利用者に割り当ててもよい。例えば、制御部11は、利用者Lに割り当てた部屋番号「205」の部屋を除外して、部屋番号「202」,「203」の部屋のうち、利用者Eがチェックイン手続きを行っている時点から到着予定時刻が最も遅い利用者に割り当てられた部屋を利用者Eに割り当てる。例えば、制御部11は、利用者Jに割り当てた部屋番号「203」の部屋を利用者Eに割り当てる。また制御部11は、利用者Eに当初割り当てた部屋番号「403」の部屋を利用者Jに割り当てる。この割当処理により更新された予約管理データ122を図15に示す。図15に示すように、利用者Eの予約情報の部屋情報の欄には変更後の部屋に関する情報(例えば「優先部屋(高体温)」)が登録される。また、利用者Jの予約情報の部屋情報の欄には部屋の変更履歴(例えば「203」から変更)が登録される。
【0106】
なお、上述の例において、利用者Eに当初割り当てられた部屋が低層階(例えば3階)の部屋(例えば部屋番号「303」)であった場合には、利用者Lに当初割り当てられた部屋番号「205」の部屋を利用者Eに割り当て、利用者Eに当初割り当てられた部屋番号「303」の部屋を利用者Lに割り当ててもよい。このように、制御部11は、割当候補の複数の優先部屋の中から優先部屋に対する予約状況及び要望情報に基づいて特定の優先部屋を特定し、特定した優先部屋を利用者に割り当ててもよい。
【0107】
上述の実施形態では、宿泊施設チェックインシステム100は、利用者の体温を取得し、利用者の体温が閾値以上の場合に、利用者に所定の優先部屋を割り当てる処理を実行する構成であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、宿泊施設チェックインシステム100は、利用者の障害の情報、利用者の持病の情報、利用者の怪我の情報などを取得し、これらの情報に基づいて、利用者に所定の優先部屋を割り当てる処理を実行してもよい。例えば、宿泊施設チェックインシステム100は、チェックイン端末20でチェックイン手続きを行う利用者をカメラ(不図示)により撮像し、撮像画像を解析して、杖、車椅子などを認識した場合、客室データ121を参照して利用者に所定の優先部屋を割り当てる。なお、客室データ121には、高体温、障害、怪我などの情報に応じて部屋番号に優先情報が対応付けて登録される。
【0108】
このように、宿泊施設チェックインシステム100は、利用者の健康状態を取得し、利用者の健康状態が正常であるか又は異常であるかを判定し、利用者の健康状態が異常である場合に、利用者に所定の優先部屋を割り当てる処理を実行する。例えば、宿泊施設チェックインシステム100は、利用者の体温が閾値以上の場合、障害を持っている場合、怪我をしている場合、又は持病がある場合に、利用者の健康状態が異常であると判定して、健康状態に応じた優先部屋を割り当てる。宿泊施設チェックインシステム100は、健康状態の異常の原因(高温、怪我など)に応じて異なる優先部屋を割り当ててもよい。上記構成によれば、利用者の健康状態に応じた部屋が割り当てられるため、利用者は安心して宿泊施設を利用することが可能となる。
【0109】
図16は、他の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステム100における管理装置10の構成を示すブロック図である。図16に示す管理装置10では、制御部11が、図2に示す構成に加えて、さらに体温取得処理部115、判定処理部116、提示処理部117、割当要求処理部118を備えている。体温取得処理部115、判定処理部116、提示処理部117、及び割当要求処理部118のそれぞれは、図2に示すチェックイン端末20の体温取得処理部214、判定処理部215、提示処理部216、及び割当要求処理部217のそれぞれと同一の構成である。
【0110】
例えば、体温取得処理部115は、体温測定部26が測定した利用者の体温の情報を体温測定部26から取得する。また、判定処理部116は、体温取得処理部115により取得される前記利用者の体温が閾値以上であるか否かを判定する。また、提示処理部117は、判定処理部116により利用者の体温が閾値以上であると判定された場合に、利用者の健康状態に応じた所定の情報(警告情報)をチェックイン端末20に表示させる。
【0111】
また、割当要求処理部118は、判定処理部116により利用者の体温が閾値以上であると判定された場合に、利用者に優先部屋を割り当てる割当処理を割当処理部112に実行させる。具体的には、割当要求処理部118は、判定処理部116により利用者の体温が閾値以上であると判定された場合に、利用者に優先部屋を割り当てる優先割当要求を割当処理部112に通知する。割当処理部112は、前記優先割当要求を取得すると、利用者に優先部屋を割り当てる割当処理を実行する。
【0112】
割当処理部112は、本発明の割当処理部の一例である。また体温取得処理部115は、本発明の取得処理部の一例である。また判定処理部116は、本発明の判定処理部の一例である。また提示処理部117は、本発明の提示処理部の一例である。また割当要求処理部118は、本発明の割当要求処理部の一例である。
【0113】
本発明の他の実施形態として、チェックイン端末20の制御部21は、利用者の健康状態に応じて、案内するエレベーターを変更してもよい。例えば、制御部21は、利用者の体温が閾値未満である場合には、チェックイン手続き完了画面に健康状態が良い利用者専用の第1エレベーターの案内情報を表示させる。これに対して、制御部21は、利用者の体温が閾値以上である場合には、チェックイン手続き完了画面に健康状態が悪い利用者専用の第2エレベーターの案内情報を表示させる。このように、利用者の健康状態に応じて利用者が利用可能なエレベーターを分けることにより、宿泊施設内における感染のリスクを低減することができる。なお、第1エレベーター及び第2エレベーターの設定は、宿泊施設内における利用者の動線、利用者が利用する部屋のフロア及びフロア内の部屋の位置などを考慮して決定することができる。
【0114】
上述の実施形態では、宿泊施設に適用される宿泊施設チェックインシステム100を例示したが、本発明は航空機、鉄道(例えば新幹線)、バス(例えば長距離バス)などに適用することもできる。
【0115】
例えば、本発明の情報処理システムは、空港チェックインシステム、鉄道チェックインシステム、バスチェックインシステムなどに適用することができる。
【0116】
前記空港チェックインシステムでは、航空機の利用者は空港施設に設置されたチェックイン端末20において搭乗チェックイン手続きを行う。具体的には、前記空港チェックインシステムは、チェックイン端末20におけるチェックイン手続き(搭乗手続き)おいて利用者の体温を取得し、利用者の体温が閾値以上である場合に、利用者に、他の利用者(健康な利用者)より高体温の利用者に優先して割り当てる優先座席(本発明の第1個別利用対象に相当)を割り当てる。なお、利用者が事前に座席を予約していた場合には、前記空港チェックインシステムは、利用者に割り当てた座席を優先座席に変更する。なお、前記優先座席は、例えば、航空機内の全座席のうち、前方の座席(搭乗口に近い座席)に設定される。
【0117】
なお、前記空港チェックインシステムでは、搭乗ゲートにおいて利用者の体温を測定してもよい。この場合、搭乗ゲート装置が、利用者の体温を判定して前記割当処理を実行してもよい。
【0118】
また、前記空港チェックインシステムは、利用者の航空機への搭乗順を案内してもよい。例えば、前記空港チェックインシステムは、体温が閾値未満である利用者を先に航空機内に搭乗させ、その後に、体温が閾値以上である利用者を航空機内に搭乗させる。これにより、体温が閾値以上の利用者を最後に搭乗させ、目的地において先に降ろすことができるため、体温が高い利用者から健康な利用者に感染するリスクを低減することができる。前鉄道チェックインシステム、前記バスチェックインシステムにおいても、前記空港チェックインシステムと同様の構成を採用することができる。
【0119】
また、本発明の情報処理システムは、利用者自身が操作する操作端末(チェックイン端末)に限定されず、宿泊施設のスタッフ、空港のスタッフ、駅のスタッフなどが操作する操作端末に適用することもできる。
【0120】
また、本実施形態では、チェックイン端末20単体が本発明に係る情報処理システムに相当するが、本発明に係る情報処理システムは、管理装置10及びチェックイン端末20のうち一又は複数の構成要素を含むものであってもよい。例えば、管理装置10及びチェックイン端末20のうち複数の構成要素が協働して上述のチェックイン処理(図13参照)を分担して実行する場合には、その処理を実行する複数の構成要素を含むシステムを本発明に係る情報処理システムとして捉えることが可能である。例えば、管理装置10及びチェックイン端末20が本発明に係る情報処理システムを構成してもよいし、管理装置10単体が本発明に係る情報処理システムを構成してもよい。
【符号の説明】
【0121】
10 :管理装置
20 :チェックイン端末
26 :体温測定部
30 :利用者端末
100 :宿泊施設チェックインシステム
111 :予約処理部
112 :割当処理部
113 :予約情報取得部
114 :更新処理部
115 :体温取得処理部
116 :判定処理部
117 :提示処理部
118 :割当要求処理部
121 :客室データ
122 :予約管理データ
211 :受付処理部
212 :表示処理部
213 :チェックイン処理部
214 :体温取得処理部
215 :判定処理部
216 :提示処理部
217 :割当要求処理部
311 :受付処理部
312 :表示処理部
313 :完了通知取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16