(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】媒体取扱装置及び媒体取扱システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/18 20120101AFI20240806BHJP
G07D 11/00 20190101ALI20240806BHJP
【FI】
G06Q20/18
G07D11/00
(21)【出願番号】P 2020163567
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】津野 祐丞
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-305767(JP,A)
【文献】特開2018-156287(JP,A)
【文献】特開2013-196047(JP,A)
【文献】特開2002-063015(JP,A)
【文献】特開2007-087051(JP,A)
【文献】特開2003-319370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置により管理され
、利用者の行動を追跡する領域内に設置される媒体取扱装置であって、
前記管理装置から通知された利用者の口座情報から、利用者が所望の口座情報を選択可能な口座情報選択画面を出力する画面制御手段と、
前記口座情報選択画面を介して、利用者によって選択された口座情報及び前記管理装置から通知された認証情報に基づき、取引可能か否かを外部装置に照会する第1の制御手段と、
前記管理装置から通知された、前記領域内で利用者が示した行動に関する情報である利用者行動情報に基づき、前記媒体取扱装置を用いての取引を開始する第2の制御手段と
を有することを特徴とする媒体取扱装置。
【請求項2】
前記第2の制御手段は、前記利用者行動情報が当該媒体取扱装置に対して利用者が手を伸ばしたことを示す情報である場合に、当該媒体取扱装置を用いての取引を開始することを特徴とする請求項1に記載の媒体取扱装置。
【請求項3】
前記第2の制御手段は、前記利用者行動情報が当該媒体取扱装置から利用者が離れたことを示す情報である場合に、当該媒体取扱装置を用いての取引を終了することを特徴とする請求項1又は2に記載の媒体取扱装置。
【請求項4】
利用者の行動を追跡する領域内を管理する管理装置と、前記領域内に設置される媒体取扱装置とを有する媒体取扱システムであって、
前記管理装置は、
前記領域内へ利用者が入場時に所定の認証処理を行う利用者認証手段と、
前記媒体取扱装置の周囲に存在する利用者の行動を解析する利用者行動解析手段と、
利用者の識別情報、口座情報、及び口座認証情報を関連付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された各情報、及び前記領域内で利用者が示した行動に関する情報である利用者行動情報を前記媒体取扱装置に通知する連携手段と
を有し、
前記媒体取扱装置は、
前記連携手段から通知された利用者の口座情報から、利用者が所望の口座情報を選択可能な口座情報選択画面を出力する画面制御手段と、
前記口座情報選択画面を介して、利用者によって選択された口座情報及び前記連携手段から通知された認証情報に基づき、取引可能か否かを外部装置に照会する第1の制御手段と、
前記連携手段から通知された利用者行動情報に基づき、前記媒体取扱装置を用いての取引を開始する第2の制御手段と
を有することを特徴とする媒体取扱システム。
【請求項5】
管理装置により管理され
、利用者の行動を追跡する領域内に設置される媒体取扱装置であって、
前記管理装置から通知された、前記領域内で利用者が示した行動に関する情報である利用者行動情報が当該媒体取扱装置に対する取引意志が明確である場合、所定の取引を選択可能な取引メニュー画面を出力する画面制御手段と、
前記管理装置から通知された支払情報及び支払認証情報に基づき、取引可能か否かを外部装置に照会する第1の制御手段と、
前記管理装置から通知された利用者行動情報に基づき、前記媒体取扱装置を用いての取引を終了する第2の制御手段と
を有することを特徴とする媒体取扱装置。
【請求項6】
利用者の行動を追跡する領域内を管理する管理装置と、前記領域内に設置される媒体取扱装置とを有する媒体取扱システムであって、
前記管理装置は、
前記領域内へ利用者が入場時に所定の認証処理を行う利用者認証手段と、
前記媒体取扱装置の周囲に存在する利用者の行動を解析する利用者行動解析手段と、
利用者の識別情報、支払情報、及び支払認証情報を関連付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された各情報、及び前記領域内で利用者が示した行動に関する情報である利用者行動情報を前記媒体取扱装置に通知する連携手段と
を有し、
前記媒体取扱装置は、
前記連携手段から通知された利用者行動情報が当該媒体取扱装置に対する取引意志が明確である場合、所定の取引を選択可能な取引メニュー画面を出力する画面制御手段と、
前記連携手段から通知された支払情報及び支払認証情報に基づき、取引可能か否かを外部装置に照会する第1の制御手段と、
前記連携手段から通知された利用者行動情報に基づき、前記媒体取扱装置を用いての取引を終了する第2の制御手段と
を有することを特徴とする媒体取扱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体取扱装置及び媒体取扱システムに関し、例えば、入店時に個人認証を行う店舗に設置される現金自動預け払い装置(ATM:Automated Teller Machine)等の媒体取扱装置、及び当該装置を含む媒体取扱システムに適用し得る。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストア等の業態を中心に、レジを設置せずに会計が可能なレジ無し店舗の導入が進んでいる。これらの店舗では、例えば、利用者の入店時に個人認証を行った後、店舗内のセンサ(カメラ等)やAI技術を用いて、利用者の買い物中の行動(どの商品を買い物かごに入れたか等)を追跡して、退店時には、予め登録された決済手段(例えば、クレジットカード決済)によって、会計が行われる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記に示したようなレジ無し店舗においても、従来形式のコンビニエンスストア等の店舗と同様に、ATM等の媒体取扱装置が設置されることがある。これらのATMでは、一般的に、キャッシュカード又は通帳による口座特定、及び暗証番号又は生体認証等による個人認証が必要であった。
【0005】
しかしながら、レジ無し店舗では、入店時に個人認証を行うのにも関わらず、ATMを利用する場合には、再度個人認証が必要であった。特に、レジ無し店舗のATMだけを利用する目的で来店する利用者にして見れば、入店時の個人認証(例えば、店舗の入口に設置されたゲートに、所定のアプリケーションがインストールされたスマートフォンをタッチして行う等)が必要な分、ATMを利用するまでに、従来よりも余計に手間が掛かってしまう。
【0006】
そのため、入店時に個人認証を行う店舗等に設置される媒体取扱装置でも、利用者の利便性を向上できる媒体取扱装置及び媒体取扱システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、管理装置により管理され、利用者の行動を追跡する領域内に設置される媒体取扱装置であって、(1)前記管理装置から通知された利用者の口座情報から、利用者が所望の口座情報を選択可能な口座情報選択画面を出力する画面制御手段と、(2)前記口座情報選択画面を介して、利用者によって選択された口座情報及び前記管理装置から通知された認証情報に基づき、取引可能か否かを外部装置に照会する第1の制御手段と、(3)前記管理装置から通知された、前記領域内で利用者が示した行動に関する情報である利用者行動情報に基づき、前記媒体取扱装置を用いての取引を開始する第2の制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
第2の本発明は、利用者の行動を追跡する領域内を管理する管理装置と、前記領域内に設置される媒体取扱装置とを有する媒体取扱システムであって、(1)前記管理装置は、(1-1)前記領域内へ利用者が入場時に所定の認証処理を行う利用者認証手段と、(1-2)前記媒体取扱装置の周囲に存在する利用者の行動を解析する利用者行動解析手段と、(1-3)利用者の識別情報、口座情報、及び口座認証情報を関連付けて記憶する記憶手段と、(1-4)前記記憶手段に記憶された各情報、及び前記領域内で利用者が示した行動に関する情報である利用者行動情報を前記媒体取扱装置に通知する連携手段とを有し、(2)前記媒体取扱装置は、(2-1)前記連携手段から通知された利用者の口座情報から、利用者が所望の口座情報を選択可能な口座情報選択画面を出力する画面制御手段と、(2-2)前記口座情報選択画面を介して、利用者によって選択された口座情報及び前記連携手段から通知された認証情報に基づき、取引可能か否かを外部装置に照会する第1の制御手段と、(2-3)前記連携手段から通知された利用者行動情報に基づき、前記媒体取扱装置を用いての取引を開始する第2の制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
第3の本発明は、管理装置により管理され、利用者の行動を追跡する領域内に設置される媒体取扱装置であって、(1)前記管理装置から通知された、前記領域内で利用者が示した行動に関する情報である利用者行動情報が当該媒体取扱装置に対する取引意志が明確である場合、所定の取引を選択可能な取引メニュー画面を出力する画面制御手段と、(2)前記管理装置から通知された支払情報及び支払認証情報に基づき、取引可能か否かを外部装置に照会する第1の制御手段と、(3)前記管理装置から通知された利用者行動情報に基づき、前記媒体取扱装置を用いての取引を終了する第2の制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
第4の本発明は、利用者の行動を追跡する領域内を管理する管理装置と、前記領域内に設置される媒体取扱装置とを有する媒体取扱システムであって、(1)前記管理装置は、(1-1)前記領域内へ利用者が入場時に所定の認証処理を行う利用者認証手段と、(1-2)前記媒体取扱装置の周囲に存在する利用者の行動を解析する利用者行動解析手段と、(1-3)利用者の識別情報、支払情報、及び支払認証情報を関連付けて記憶する記憶手段と、(1-4)前記記憶手段に記憶された各情報、及び前記領域内で利用者が示した行動に関する情報である利用者行動情報を前記媒体取扱装置に通知する連携手段とを有し、(2)前記媒体取扱装置は、(2-1)前記連携手段から通知された利用者行動情報が当該媒体取扱装置に対する取引意志が明確である場合、所定の取引を選択可能な取引メニュー画面を出力する画面制御手段と、(2-2)前記連携手段から通知された支払情報及び支払認証情報に基づき、取引可能か否かを外部装置に照会する第1の制御手段と、(2-3)前記連携手段から通知された利用者行動情報に基づき、前記媒体取扱装置を用いての取引を終了する第2の制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、入店時に個人認証を行う店舗等に設置される媒体取扱装置でも、利用者の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係るATMの内部構成を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態に係る取引システムの全体構成を示す全体構成図である。
【
図3】第1の実施形態に係るATMの外観構成を示す外観斜視図である。
【
図4】第1の実施形態に係る店舗管理装置の詳細構成を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施形態に係るATM連携情報の一例を示す説明図である。
【
図6】第1の実施形態に係る取引システムの特徴動作を示すシーケンス図である。
【
図7】第1の実施形態に係る初期表示画面の一例を示す説明図である。
【
図8】第1の実施形態に係る口座選択画面の一例を示す説明図である。
【
図9】第1の実施形態に係る取引意志確認画面の一例を示す説明図である。
【
図10】第2の実施形態に係る取引システムの全体構成を示す全体構成図である。
【
図11】第2の実施形態に係る情報端末連携情報の一例を示す説明図である。
【
図12】第2の実施形態に係る取引システムの特徴動作を示すシーケンス図である。
【
図13】変形実施形態に係る取引システムの特徴動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の媒体取扱装置及び媒体取扱システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。第1の実施形態では、本発明の媒体取扱装置をATMに適用した例について説明する。
【0014】
(A-1)第1の実施形態の構成
(A-1-1)全体構成
図2は、第1の実施形態に係る取引システムの全体構成を示す全体構成図である。
図2において、取引システム1000は、ATM1、外部装置としてのホストコンピュータ2、及び店舗管理装置3を有して構成される。
【0015】
ネットワークNは、金融取引に関するデータを通信することができる通信網であり、例えば、専用網を適用することができる。また、ネットワークNは、金融取引に関するデータを通信することができるのであれば公衆網としても良い。
【0016】
ATM1は、入店時に個人認証を行う店舗(レジ無し店舗等)に設けられている現金自動預け払い装置である。なお、
図2では、説明を容易にするために、1台のATM1のみ図示している。しかし、実際には、各店舗に設置されるATM1のそれぞれが、ネットワークNを介して、ホストコンピュータ2と接続する。ATM1は、ネットワークNを介して、ホストコンピュータ2と通信可能であり、例えば、振り込み取引、預け入れ取引(入金取引)、引き出し取引(出金取引)等の各種金融取引を行うものである。なお、ATM1を設置する箇所は、上記店舗に限らず、店舗管理装置3により管理される領域内(例えば、個人認証が必要な閉鎖区間内に限らず、店舗管理装置3の管理が及ぶ種々様々な範囲内)であれば良い。
【0017】
第1の実施形態のATM1は、店舗管理装置3で管理する利用者の口座情報及び当該口座に係る認証情報のデータ連携を店舗管理装置3との間で行い、利用者が利用を所望する取引を実行する。
【0018】
ホストコンピュータ2は、金融機関のホストコンピュータであり、ATM1から取引に関する情報を取得すると、取得した取引に関する情報に基づいて、利用者が行なった取引の内容を管理するものである。
【0019】
店舗管理装置3は、上述のレジ無し店舗の運営を総合的に管理する装置(システム)である。例えば、店舗管理装置3は、店舗内の扉等を用いて利用者を認証し、認証が成功した利用者の店舗内への入場を許可する(例えば、扉を開く)等の処理(管理)を行う。なお、店舗管理装置3は、扉などで閉鎖されていない店舗でも、店舗の周囲を管理領域内とし、当該領域内に入った利用者を認証することで、領域内の入場を管理しても良い。
【0020】
第1の実施形態の店舗管理装置3は、ATM1との連携処理(店舗管理装置3で管理する利用者の口座情報及び当該口座に係る認証情報のデータ連携)に特徴が存在するので、以下では、この点を中心に説明を行う。
【0021】
(A-1-2)店舗管理装置3の詳細な構成
図4は、第1の実施形態に係る店舗管理装置の詳細構成を示すブロック図である。
図4において、店舗管理装置3は、制御部300、記憶部310、店舗カメラ320、個人認証処理部330、及び通信部340を有する。なお、
図4では、ATM1とのデータ連携に関係する構成のみを示しており、その他の処理(例えば、店舗内の商品の会計に関する処理等)に関する構成については、既存の構成を適用できるために省略している。
【0022】
制御部300は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、記憶部310から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部を制御してATM1とのデータ連携等に係る種々の処理を行う。
【0023】
記憶部310は、制御部300が実行する処理プログラム等を記憶するものあり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等により構成される。記憶部310は、ATM連携情報Tを有するものとして説明する。なお、店舗管理装置3は、複数のレジ無し店舗を統括して管理する統括サーバ(図示せず)に通信部340を介して接続されていてもよく、例えばこの場合ATM連携情報Tは統括サーバが有するものとしてもよい。また、ATM連携情報Tは、統括サーバ(図示せず)から予め取得してATM1(記憶部310)に記憶し、所定のタイミング(例えば、毎日決まった時刻、ATM1の電源投入時等)で統括サーバのATM連携情報Tと同期してもよい。
【0024】
図5は、第1の実施形態に係るATM連携情報の一例を示す説明図である。
【0025】
図5において、ATM連携情報Tは、利用者を一意に識別可能な情報である「利用者ID」と、銀行等の金融機関で開設した利用者の口座情報(例えば、口座番号、店番号、科目等)を示す「口座情報」と、各口座の認証情報(例えば、暗証番号)を示す「認証情報」の項目を備える。レジ無し店舗の商品購入等に使用する利用者IDと、ATM1で使用する口座情報及び認証情報とを関連付けることによって、店舗管理装置3とATM1との間でデータ連携が可能となる。
【0026】
上記口座情報及び認証情報は、例えば、スマートフォン等の携帯端末にインストールされた専用のアプリケーション(例えば、レジ無し店舗を利用するためのアプリケーション)を介して、利用者によって予め登録された情報である。また、これら情報の登録方法は、他にもWEBブラウザを介して専用のホームページから入力したり、専用の登録装置を介して入力する等、口座情報及び認証情報の登録方法は特に限定されるものでは無い。なお、登録する口座情報は、1又は2以上でも良い。例えば、
図5では、利用者IDが「000000001」の利用者には、口座情報が4個登録されている例(口座1情報~口座4情報)が示されている。
【0027】
店舗カメラ320は、外部の光(利用者の顔等)を、レンズを通して、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementar Metal OxideSemiconductor)などの撮像素子に結像させ、静止画像又は動画像を撮影する機能を有する。店舗に配置する店舗カメラ320の数は特に限定されないが、第1の実施形態では、少なくとも、ATM1を撮影可能な1台のカメラを有するものとする。また、店舗内では、カメラ以外にも利用者の行動を追跡する種々様々なセンサ類を備えても良い。
【0028】
個人認証処理部330は、例えば、店舗に入場する際に、スマートフォン等の携帯端末に保持される利用者のデータ(利用者ID等)を近距離無線等で読み込んで認証を行っても良いし、カメラ等のセンサ類を用いて生体認証を行っても良い。具体的に例えば、利用者IDに紐づけられた情報(生体情報、利用有効期限等)を記憶部310または統括サーバ(図示せず)が有しており、個人認証処理部330は、店舗入場の際に取得した情報を記憶部310または統括サーバ(図示せず)等に送信し、取得した情報に紐づけられた利用者IDが利用可能な状態であるかを取得することで、認証を行うようにしても良い。なお、個人認証処理部330は、利用者の認証に成功した場合には、店舗への入場を許可し、一方、認証に失敗した場合には、必要に応じてゲートなどの物理的な遮断機(図示せず)で利用者の通過を阻止しても良い。
【0029】
通信部340は、ATM1と接続するためのネットワークインタフェースである。また、通信部340は、ATM1との接続は、ネットワークに限らず、USBインタフェース(例えば、USBケーブル)等を適用することができる。
【0030】
制御部300のATM連携部301は、後述する行動解析部302が、例えばATM1へ利用者が手を伸ばしたことを検知した場合には、ATM1へ、該当する利用者(利用者ID)に係る口座情報(ATM連携情報Tの口座情報)をATM1に通知する。また、ATM連携部301は、ATM1から、利用者によって選択された口座情報の認証情報が要求された場合には、当該口座情報に係る認証情報をATM1に通知する。そして、ATM連携部301は、行動解析部302から、例えば、利用者がATM1から離れたことを通知された場合には、ATM1へその旨(ATM1の操作終了の意思表示)を通知する。
【0031】
行動解析部302は、店舗内の利用者の行動を解析する機能部である。行動解析部302は、例えば、店舗カメラ320の撮像画像から、利用者を特定し、特定した利用者の行動を解析する。なお、行動解析部302による解析手法は、種々様々な手法を適用できる。
【0032】
行動解析部302は、利用者によるATM1への操作開始の意思表示(例えば、ATM1へ手を伸ばす)を、解析した場合には、その旨をATM連携部301に通知する。そして、行動解析部302は、ATM1の操作終了の意思表示(例えば、ATM1から離れる)を解析した場合には、その旨をATM連携部301に通知する。
【0033】
(A-1-3)ATM1の詳細な構成
図3は、第1の実施形態に係るATMの外観構成を示す外観斜視図である。
【0034】
図3において、第1の実施形態のATM1は、操作表示部12、紙幣入出口13、硬貨入出口14、レシート排出口15、及びカメラ16を有する。
【0035】
カメラ16は、外部の光を、レンズを通して例えばCCDやCMOSなどの撮像素子に結像させ、静止画像又は動画像を撮影する機能を有する。
【0036】
操作表示部12は、例えば、取引種類の選択メニュー画面、各取引の操作画面、取引内容の確認画面等を表示したり、利用者が入力した入力情報を取り込んだりするものである。操作表示部12は、例えば、タッチパネル方式の操作表示部を適用することができる。なお、操作表示部12は、操作部と表示部とが一体となったタッチパネル方式のものに限らず、操作部と表示部とがそれぞれ物理的に別の構成のものであっても良い。
【0037】
紙幣入出口13は、利用者が紙幣を挿入したり又は紙幣を取り出したりするものである。紙幣入出口13は、例えば、開閉可能な開閉体を有するバケットタイプのものを用いても良いし、若しくは、開閉体を有しないバケットタイプのものを用いることができる。利用者が紙幣を投入するときには、例えば、開閉体を有するバケットタイプの場合、開閉体がバケットの開口部を開けた後、利用者はバケットの開口部に紙幣を投入し、その後ATM1は、開閉体が閉じて投入された紙幣を取り込む。また、ATM1が紙幣を返却するときには、ATM1はバケットに紙幣を繰り出し、その後、開閉体が開放する。なお、紙幣入出口13は、紙幣を投入する紙幣入口と紙幣を放出する紙幣出口とが一体となったものに限らず、紙幣入口と紙幣出口とがそれぞれ物理的に別の構成のものであっても良い。
【0038】
硬貨入出口14は、利用者が硬貨を投入したり又は硬貨を取り出したりするものである。硬貨入出口14も、例えば、開閉体が開口部を開閉可能なバケットタイプのものを用いても良いし、若しくは、開閉体を有しないバケットタイプのものを用いても良い。この場合も、紙幣入出口13と同様に、利用者が硬貨を投入するときには、例えば、開閉体を有するバケットタイプの場合、開閉体がバケットの開口部を開けた後、利用者はバケットの開口部に硬貨を投入し、その後ATM1は、開閉体を閉じて投入された硬貨を取り込む。またATM1が硬貨を返却するときには、ATM1はバケットに硬貨を繰り出し、その後、開閉体が開放する。なお、硬貨入出口14は、硬貨を投入する硬貨入口と硬貨を放出する硬貨出口とが一体となったものに限らず、硬貨入口と硬貨出口とがそれぞれ物理的に別の構成のものであっても良い。
【0039】
レシート排出口15は、取引内容を印刷したレシートを排出するものである。
【0040】
図1は、第1の実施形態に係るATMの内部構成を示すブロック図である。
図1において、ATM1は、制御部10、記憶部20、操作表示制御部30、通信部40、紙幣入出金部50、硬貨入出金部60、及び明細票発行部70を有する。
【0041】
制御部10は、図示しないCPUを中心に構成されており、ROM、RAM、記憶部20から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して入金取引、収納処理や出金取引等の種々の処理を行う。
【0042】
記憶部20は、制御部10が実行する処理プログラム等を記憶するものあり、例えば、HDDやSSD等により構成される。
【0043】
操作表示制御部30は、制御部10の制御の下、操作表示部12の動作を制御するものである。操作表示制御部30は、制御部10から画面情報に基づいて、操作表示部12に画面を表示させたり、又は操作表示部12から入力された情報を制御部10に与えたりするものである。
【0044】
通信部40は、ホストコンピュータ2及び店舗管理装置と接続するためのネットワークインタフェースである。また、通信部40は、店舗管理装置3との接続は、ネットワークに限らず、USBインタフェース(例えば、USBケーブル)等を適用することができる。
【0045】
紙幣入出金部50は、制御部10の制御の下、紙幣を金種別に収納・管理するものである。
【0046】
硬貨入出金部60は、制御部10の制御の下、硬貨を金種別に収納・管理するものである。
【0047】
明細票発行部70は、制御部10の制御の下、取引明細票に取引結果を印刷して、レシート排出口15から発行(排出)を行うものである。
【0048】
取引処理部11は、顧客との取引処理を行うための情報処理(顧客への操作画面の提示や操作受付に伴う処理を含む)や取引処理に伴ってATM1内の各構成要素の制御等を行うものである。
【0049】
第1の実施形態のATM1(取引処理部11)は、ATM1が設置される店舗への入店時に店舗管理装置3によって利用者が一度個人認証を行うだけで、ATM1での口座特定(例えば、キャッシュカードのデータ読取による特定)、及び個人認証(例えば、暗証番号の入力)を省略できる。具体的には、利用者がATM1に手を伸ばす等を店舗管理装置3が解析した場合には、ATM1に当該利用者が事前に登録した口座情報の一覧を通知する。ATM1(取引処理部11)は、店舗管理装置3から通知された口座情報の一覧を操作表示部12に表示し、利用者が利用を所望する金融機関(一つの金融機関に複数の口座がある場合は口座でもよい)の選択を受け付け、利用者に選択された金融機関の口座である選択口座を店舗管理装置3に通知する。店舗管理装置3は、ATM1から通知された選択口座に係る認証情報をATM1に通知する。そして、ATM1は、店舗管理装置3から通知された口座情報及び認証情報を用いて、ホストコンピュータ2へ自動的に照会を行う。これ以上の取引処理部11の詳細は動作の項で述べる。
【0050】
(A-2)第1の実施形態の動作
図6は、第1の実施形態に係る取引システムの特徴動作を示すシーケンス図である。
【0051】
まず、ATM1では、取引処理部11の制御に基づいて、操作表示部12に、初期状態(利用者待ち状態)の画面(以下、「初期表示画面」と呼ぶ)が表示されているものとする(S100)。例えば、初期表示画面は、
図7に示すような初期表示画面400である。
【0052】
図7の初期表示画面400では、「取引をご希望のお客様は、本ATMへ手を伸ばしてください。」と示されているが、文言は特に限定されるものでは無く、利用者がATM1を用いて取引を行う意思表示が明確になるように誘導できる文言であれば良い。また、変形例として上記文言と共に、ATM1へ手を伸ばすことを誘導するイメージ画像等を表示しても良い。
【0053】
一方、店舗管理装置3では、個人認証処理部330を用いて、ATM1が設置された店舗に入店する利用者の認証処理を行う(S101)。ここでは、利用者の認証処理は成功したものとして、以下の説明を行う。
【0054】
次に、店舗管理装置3では、ATM1の周囲に設置された店舗カメラ320及び行動解析部302を用いて、利用者がATM1を用いて取引を行う意思表示(例えば、ATM1へ利用者が手を伸ばしたか否か等)をしたかを判定する(S102)。行動解析部302は、ATM1へ利用者が手を伸ばしたことを解析した場合(S102/YES)、その旨と共に、特定した利用者の情報(利用者ID)を、ATM連携部301に通知する。なお、行動解析部302が、ATM1へ利用者が手を伸ばしたことを解析するまでは、ATM1は初期表示画面を表示した状態を維持する(S102/NO)。
【0055】
次に、ATM連携部301は、ATM連携情報Tから特定した利用者の利用者IDをキーとして、当該利用者の口座情報を取得し、取得した口座情報の一覧をATM1へ通知する(S103)。
【0056】
ATM1は、取引処理部11の制御に基づいて、操作表示部12に、通知された口座情報から利用者が利用を所望する金融機関(口座)を選択する画面(以下、「口座選択画面」と呼ぶ)を表示する(S104)。
【0057】
図8は、第1の実施形態に係る口座選択画面の一例を示す説明図である。
図8において、口座選択画面410は、利用者に金融機関(口座)の選択を促すメッセージと共に、選択可能な金融機関(口座)の口座情報412を含む口座表示欄411を有する。
【0058】
図8の例では、口座表示欄411には、4個の口座情報412(412-1~412-4)が示されている。ここで表示する口座情報412は、ATM連携情報Tの各利用者の口座情報と一致する。なお、
図8の例では、口座情報412には、金融機関の情報(金融機関の名称)と、口座番号(下4桁)の情報のみ示している。基本的には金融機関の情報のみ表示するが、同一金融機関に複数の口座を所持している場合には、両者を区別するために、口座番号の下4桁を表示するようにしている。なお、口座番号の表示方法は、特に限定されず、下4桁に限らず、下8桁、又は全桁を表示する等種々様々である。また、口座番号の代わりに、利用者が事前に金融機関を登録する際に口座にメモ書を行った場合には、当該メモ書を表示するようにしても良い。例えば、口座1は、「貯蓄口座」、口座2は、「クレジットカード決済のための口座」等利用者による任意のメモ書があれば、当該メモを表示しても良い。いずれにしても、口座表示欄411に表示する口座情報412の表示方法は、特に限定されず、上記に限らず、種々様々な口座情報(金融機関名称、口座番号、店番号、科目等)を取捨選択、加工等を行って表示しても良い。
【0059】
なお、変形例として、ATM1は、上記口座選択画面の表示前に、カメラ16の撮影画像から利用者が当該ATM1を用いて取引意志があるか否かを店舗管理装置3とは別に独自に判定しても良い。この際の判定手法は、店舗管理装置3の判断基準とは同一であっても異なっていても良い。ATM1の独自判定でATM1への利用者の取引意志が確認できない場合には、取引を中止しても良い。また、即取引を中止するのでは無く、例えば、操作表示部12にATM1を用いて何らかの取引を行う意思があるか否かを確認するための画面(以下、「取引意志確認画面」と呼ぶ)を表示しても良い。
図9は、第1の実施形態に係る取引意志確認画面の一例を示す説明図である。
図9において、取引意志確認画面420は、ATM1での取引意志を肯定する肯定ボタン421と、ATM1での取引意志を否定する否定ボタン422とを備える。ATM1は、上述のような取引意志確認画面420を介して、利用者からATM1を用いて取引を行うか否かの選択を受け付ける。例えば、肯定ボタン421が押下された場合には、上述の口座選択画面を表示して取引を継続し、一方、否定ボタン422が押下された場合には取引を中止する。
【0060】
次に、取引処理部11は、上述の口座選択画面410を介して、利用者から金融機関(口座情報412)の選択を受け付けると(S105)、選択口座の認証情報の取得を店舗管理装置3に要求する(S106)。
【0061】
店舗管理装置3(ATM連携部301)は、上記要求に基づいて、ATM連携情報Tを参照し、該当する利用者(利用者ID)の選択口座の認証情報をATM1に通知する(S107)。
【0062】
ATM1(取引処理部11)は、ホストコンピュータ2に、上述のステップS105で選択された口座情報及び上述のステップS107で通知された認証情報に基づいて、取引可能であるか否かの照会を行う(S108)。
【0063】
ホストコンピュータ2は、ATM1から通知された情報に基づき、取引可能であれば、ATM1に取引可能通知を送信する(S109)。なお、
図6では、示していないが、ホストコンピュータ2は、取引不可であれば、ATM1に取引不可の通知を行う。例えば、スマートフォン等のアプリケーションを介して、口座情報を事前に登録(ATM連携情報Tに記憶)したとしても、その後に、口座の解約を行ってしまっては、当然に解約口座に係る取引は行えない。その場合に、従来と同様に、ATM1に取引不可の通知を行い、ATM1は、取引不可の旨を操作表示部12に表示して取引を終了する。
【0064】
上述のステップS109の後、利用者によって、利用を所望する取引が選択され、所望取引に必要な情報の入力(S110)、ホスト通信(S111~S112)、利用者が利用を所望する取引に対するATM1の取引処理(入金、出金等)、レシートの排出(S113)、取引終了の通知(S114)等、従来と同様の処理が実行される。
【0065】
なお、ステップS114の後、利用者が取引を続行する場合(別の取引を行う場合)には、ATM1は、上述のステップS104からの再度処理を行う。この場合、仮に前回と同様の口座を再度のステップS105で選択したとしても、店舗管理装置3から再度のステップS107で改めて認証情報を取得することになる。ただし、再度のステップS104で表示する口座情報(口座情報の一覧)は前回のステップS103で取得したデータをそのまま使用する。
【0066】
一方、店舗管理装置3では、ATM1の周囲に設置された店舗カメラ320及び行動解析部302を用いて、利用者によるATM1を用いての取引終了の意思表示(例えば、ATM1から離れたか否か等)を判定する(S115)。店舗管理装置3は、上述のステップS115で利用者によるATM1の取引終了の意思表示を確認できた場合、その旨をATM1に通知する(S116)。
【0067】
ATM1は、店舗管理装置3から利用者によるATM1を用いての取引終了の意思表示の確認の通知された場合、取引が終了されていれば(即ち、上述のステップS114の後であれば)、上述の初期表示画面400を表示して、ATM1は利用者待ちの状態となる。一方、取引の途中であれば、ATM1は、従来と同様に取引中止に係る処理を行った上で、上述の初期表示画面400を表示して、ATM1は利用者待ちの状態となる。
【0068】
なお、変形例として、ATM1は、上述のステップS116の通知後、カメラ16の撮影画像から利用者によるATM1を用いての取引終了の意思表示が存在するか否かの独自の判定を行っても良い。例えば、店舗管理装置3及びATM1の判断が共に、ATM1を用いての取引終了の意思表示を示していた場合には、取引を終了(中止を含む)する。また、上述のステップS115の処理を省略して、ATM1単独でATM1を用いての取引終了の意思表示の判定を行っても良い。
【0069】
なお、複数のレジ無し店舗を統括して管理する統括サーバがATM連携情報Tを有している場合、ステップS103において、店舗管理装置3は、統括サーバ(図示せず)に当該利用者の口座情報を要求し、統括サーバ(図示せず)から取得した口座情報の一覧をATM1へ通知するようにしてもよい。この場合、例えば統括サーバ(図示せず)は、上記要求に基づいてATM連携情報Tから特定した利用者の利用者IDをキーとして、当該利用者の口座情報を取得し、取得した口座の一覧を店舗管理装置3に送信するようにしてもよい。
【0070】
さらに、複数のレジ無し店舗を統括して管理する統括サーバがATM連携情報Tを有している場合、ステップS106において、選択口座の認証情報の取得を統括サーバ(図示せず)に要求してもよく、この場合ステップS107において、統括サーバ(図示せず)は、上記要求に基づいて、ATM連携情報Tを参照し、該当する利用者(利用者ID)の選択口座の認証情報をATM1に通知するようにしてもよい。この時、ATM1と統括サーバ(図示せず)は、ネットワークによって直接接続され、直接やり取りをしてもよいし、店舗管理装置3を介して接続され、店舗管理装置3を介してやり取りをしてもよい。
【0071】
また、上述のステップS115において、利用者がATM1を利用している途中でしゃがんだり、転倒したりしたと判断した場合も、覗き見防止の為に、取引終了の意思表示を判断した場合と同様の処理を行うようにしてもよい。
【0072】
(A-3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、利用者は入店時に個人認証を行うだけで、ATM1で個別に認証をすることが不要になる。これにより、キャッシュカードや通帳が不要になるため、スキミングの防止効果があり、さらに、暗証番号の入力が不要なため、のぞき見防止効果がある。また、入力操作の削減に加え、扱う媒体が現金のみとなるため、ATM待ち時間の短縮の効果等が得られ、利用者の利便性が向上する。
【0073】
(B)第2の実施形態
以下、本発明による自動取引装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第2の実施形態では、本発明の媒体取扱装置を情報端末に適用した場合の例について説明する。
【0074】
(B-1)第2の実施形態の構成
図10は、第2の実施形態に係る取引システムの全体構成を示す全体構成図である。
図10において、取引システム1000Aは、店舗管理装置3A、情報端末5、及び外部装置としての上位サーバ6を有して構成される。
【0075】
情報端末5は、入店時に個人認証を行う店舗(レジ無し店舗等)に設けられている端末であって、例えば、券売機、電子マネーチャージ機、収納代行装置、マルチメディア端末等である。なお、
図10では、説明を容易にするために、1台の情報端末5のみ図示しているが、店舗に設置される情報端末5の数は特に限定されるものでは無い(例えば、情報端末5として、券売機、電子マネーチャージ機、及び収納代行装置が各々配置されていても良い)。情報端末5は、ネットワークMを介して、上位サーバ6と通信可能であり、例えば、チケットの発券取引、電子マネーチャージ取引、収納代行取引等の各種取引を行うものである。
【0076】
情報端末5の発券処理、電子マネーチャージ等に係る処理は、従来装置と同様であるので、以下では、第2の実施形態の情報端末5の特有の処理(取引処理部501の処理)について説明を行う。
【0077】
情報端末5の取引処理部501は、店舗管理装置3Aで管理する利用者の支払情報及び当該支払情報に係る認証情報のデータ連携を行い、利用者が利用を所望する取引を実行する。第2の実施形態の情報端末5も第1の実施形態のATM1と同様の仕組みにより、個別の認証処理を省略できる(認証処理は店舗管理装置3Aの一度のみで良い)。また、例えば、情報端末5を用いて、チケットを発券する等の取引を行う際には、第1の実施形態のATM1と同様の仕組みにより、店舗管理装置3Aで管理する利用者の支払情報を利用できる。例えば、利用者IDに関連する(紐づく)支払情報として、クレジットカード情報が登録されていた場合には、事前登録されたクレジットカード情報及び当該クレジットカードの認証情報を情報端末5に通知する。そして、情報端末5では、通知された情報を上位サーバ6に通知して照会を行う。
【0078】
店舗管理装置3Aは、第1の実施形態の店舗管理装置3と同様の機能を備える端末であり、第1の実施形態とはATM1の代わりに情報端末5とデータ連携する点が異なる。ただし、上述したようにデータ連携の仕組み自体は第1の実施形態と同様であるので、以下では異なる点のみ説明を行う。
【0079】
店舗管理装置3Aは、情報端末5の種類によっては、必ずしも第1の実施形態で示したように、利用者IDに関連する支払情報(第1の実施形態では口座情報)を、情報端末5を利用するためだけに登録する必要は無い。例えば、情報端末5が発券機等であれば、上記に示したようにレジ無し店舗で支払される手段と同様の支払手段をそのまま適用すれば良い。ただし、情報端末5がマルチメディア機等のようにサービス毎に異なる支払手段が存在する場合には、
図11の情報端末連携情報Uに示すように、利用者IDに関連する複数の支払手段を事前に登録する必要がある。
【0080】
上位サーバ6は、情報端末5を管理する上位のサーバであり、例えば、電子マネーを管理するサーバであったり、クレジットカード決済を処理するサーバであったりする。上位サーバ6は、既存のサーバと同様であるので詳しい説明は省略する。
【0081】
(B-2)第2の実施形態の動作
図12は、第2の実施形態に係る取引システムの特徴動作を示すシーケンス図である。なお、
図12の処理の内、上述の
図6のフローチャートと同一符号に係る処理は、基本的に同一又は類似する処理のため、詳しい説明を省略する。
【0082】
上述のステップS102で示したように、利用者が手を伸ばした等、利用者による情報端末5への操作意思表示が確認された場合には、店舗管理装置3Aは、情報端末5に取引メニューを表示するように指示を行う(S201)。
【0083】
情報端末5(取引処理部501)は、所定の取引を選択可能な取引メニュー画面を表示する。ここでの取引メニュー画面は、例えば、情報端末5が券売機の場合には、チケットの購入やオンライン予約したチケットの発券等、種々様々が取引を選択可能なメニュー画面である。
【0084】
次に、取引処理部501は、上述の取引メニュー画面を介して、利用者から所定の取引の選択を受け付けると(S203)、選択取引に係る支払情報及び認証情報の取得を店舗管理装置3Aに要求する(S204)。
【0085】
店舗管理装置3Aは、上記要求に基づいて、支払情報及び認証情報をATM1に通知する(S205)。通知する支払情報及び認証情報は、店舗内の商品購入の支払情報及び認証情報をそのまま通知しても良いし、上述の情報端末連携情報Uから通知しても良い。なお、複数の支払情報から1の支払情報を選択する場合の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0086】
情報端末5(取引処理部501)は、上位サーバ6に、上述のステップS205で通知された支払情報及び認証情報に基づいて、取引可能であるか否かの照会を行う(S206)。
【0087】
上位サーバ6は、情報端末5から通知された情報に基づき、取引可能であれば、情報端末5に取引可能を通知する(S207)。
【0088】
上述のステップS207の後、利用者によって、所望取引に必要な情報の入力、所望取引に係る処理(チケットの発券、納税支払通知書に基づく支払い、電子マネーチャージ等)、取引内容を記載したレシートの排出等、従来と同様の処理がステップS208~ステップS212で実行される。
【0089】
以降の処理(利用者が情報端末5から離れた場合の処理等)は第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0090】
(B-3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態で述べた効果と同様の効果を情報端末でも奏することができる。
【0091】
(C)他の実施形態
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0092】
(C-1)上記第1の実施形態では、店舗管理装置3側が主体となって、利用者の行動を解析して、ATM1に対する取引意志が明確である場合に、利用者の口座一覧の情報を通知して取引を開始していたが、変形例として、
図13のステップS300~S303に示すように、ATM1側が主体となって、当該装置に対する利用者の取引意志を確認した上で、取引を開始しても良い。
【0093】
具体的には、まず、ATM1では、取引処理部11の制御に基づいて、操作表示部12に、取引意志確認画面を表示する(S300)。ここでの、取引意志確認画面は、例えば、上述の
図9で示したような取引意志確認画面420で良い。次に、取引処理部11は、上述の取引意志確認画面420を介して、利用者から取引意志の確認(肯定)を受け付けると(S301)、利用者の口座情報の一覧の取得を店舗管理装置3に要求する(S302)。店舗管理装置3(ATM連携部301)は、上記要求に基づいて、ATM連携情報Tを参照し、該当する利用者(利用者ID)の口座情報をATM1に通知する(S303)。以降の処理は、
図6と同様であるので、詳しい説明を省略する。
【0094】
(C-2)上記各実施形態では、店舗入店時に個人認証する店舗の場合の支払い手段について説明したが、これに限定するものではなく、例えば、銀行店舗、映画館などの閉鎖された空間での支払いシステムの構成としても本発明を適用しても良い。
【0095】
(C-3)変形例として、ATM1、店舗管理装置3、店舗管理装置3A、及び情報端末5は、上記各実施形態、(C-1)~(C-2)で述べた変形例の構成及び/又は機能の全部又は一部を組み合わせて使用しても良い。また、ATM1、店舗管理装置3、店舗管理装置3A、及び情報端末5は、上記各実施形態及び(C-1)~(C-2)で述べた変形例の構成及び/又は機能のうち少なくとも一部を省略しても良い。また、上記各実施形態及び(C-1)~(C-2)で述べた変形例の構成及び/又は機能のうち少なくとも一部を、他の実施形態及び(C-1)~(C-2)で述べた他の変形例の構成及び/又は機能と置き換えても良い。
【符号の説明】
【0096】
1…ATM、2…ホストコンピュータ、3、3A…店舗管理装置、5…情報端末、6…上位サーバ、10…制御部、11…取引処理部、12…操作表示部、13…紙幣入出口、14…硬貨入出口、15…レシート排出口、16…カメラ、20…記憶部、30…操作表示制御部、40…通信部、50…紙幣入出金部、60…硬貨入出金部、70…明細票発行部、300…制御部、301…ATM連携部、302…行動解析部、310…記憶部、320…店舗カメラ、330…個人認証処理部、340…通信部、400…初期表示画面、410…口座選択画面、420…取引意志確認画面、1000…取引システム、1000A…取引システム、T…ATM連携情報、U…情報端末連携情報。