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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】自動均しシステム
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/43 20060101AFI20240806BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
E02F3/43 A
E02F9/20 N
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020163623
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022055913
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】福尾 展弘
(72)【発明者】
【氏名】野田 大輔
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/095935(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/131979(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/010212(WO,A1)
【文献】特開平09-013420(JP,A)
【文献】実開平05-073046(JP,U)
【文献】特開2003-278158(JP,A)
【文献】特開2019-148166(JP,A)
【文献】国際公開第2019/182042(WO,A1)
【文献】特開2020-002696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/43
E02F 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に収容された均し対象物を均す作業機械と、
前記均し対象物および前記容器の少なくともいずれかの、位置および形状の三次元情報を検出する撮像装置と、
前記容器の傾きを検出する容器傾き検出部と、
コントローラと、
を備え、
前記作業機械は、
上部旋回体と、
前記上部旋回体に起伏可能に取り付けられるアタッチメントと、
を備え、
前記アタッチメントは、前記アタッチメントの先端部に設けられる先端アタッチメントを備え、
前記コントローラは、均し範囲を設定し、前記均し対象物を前記先端アタッチメントで均す均し動作を、前記均し範囲で自動的に行うように前記作業機械を制御し、
前記コントローラは、前記撮像装置に検出された前記容器の前記三次元情報、および、前記容器傾き検出部に検出された傾きに基づいて、前記容器の底面が延びる方向に前記均し対象物を前記先端アタッチメントが均すように、前記均し範囲を設定する、
自動均しシステム。
【請求項2】
均し対象物を均す作業機械と、
前記均し対象物および前記均し対象物の周辺物の少なくともいずれかの、位置および形状の三次元情報を検出する撮像装置と、
コントローラと、
を備え、
前記作業機械は、
上部旋回体と、
前記上部旋回体に起伏可能に取り付けられるアタッチメントと、
を備え、
前記アタッチメントは、前記アタッチメントの先端部に設けられる先端アタッチメントを備え、
前記コントローラは、均し範囲を設定し、前記均し対象物を前記先端アタッチメントで均す均し動作を、前記均し範囲で自動的に行うように前記作業機械を制御し、
前記コントローラは、前記撮像装置に検出された前記三次元情報、および、上部旋回体横方向における前記先端アタッチメントの幅に基づいて、前記均し範囲を設定する、
自動均しシステム。
【請求項3】
容器に収容された均し対象物を均す作業機械と、
前記均し対象物および前記容器の少なくともいずれかの、位置および形状の三次元情報を検出する撮像装置と、
コントローラと、
を備え、
前記作業機械は、
上部旋回体と、
前記上部旋回体に起伏可能に取り付けられるアタッチメントと、
を備え、
前記アタッチメントは、前記アタッチメントの先端部に設けられる先端アタッチメントを備え、
前記コントローラは、均し範囲を設定し、前記均し対象物を前記先端アタッチメントで均す均し動作を、前記均し範囲で自動的に行うように前記作業機械を制御し、
前記コントローラは、前記撮像装置に検出された前記容器の前記三次元情報に基づいて均し範囲を設定し、
前記コントローラは、前記容器の上部旋回体前後方向における端部よりも上部旋回体前後方向の外側から前記均し動作が開始されるように、前記均し範囲の上部旋回体前後方向における端の位置であって前記均し動作の開始位置を、前記容器の上部旋回体前後方向における端部よりも上部旋回体前後方向の外側に設定する、
自動均しシステム。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1項に記載の自動均しシステムであって、
前記撮像装置は、前記均し対象物を収容する容器の、位置および形状の三次元情報を検出し、
前記均し対象物は、前記容器に収容されたものであり、
前記コントローラは、前記容器の前記三次元情報に基づいて前記均し範囲を設定し、
前記コントローラは、前記均し範囲の上部旋回体前側の端の位置を、前記容器の上部旋回体前側の端部よりも上部旋回体後側に設定する、
自動均しシステム。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の自動均しシステムであって、
前記作業機械は、前記上部旋回体を旋回可能に支持する下部走行体を備え、
前記コントローラは、前記上部旋回体に対して前記先端アタッチメントを上部旋回体前後方向に移動させる前記均し動作である前後均し動作と、前記下部走行体に対して前記上部旋回体を旋回させる旋回動作と、を交互に行うように前記作業機械を制御する、
自動均しシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、均し動作を作業機械に自動的に行わせる自動均しシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載の技術では、作業機械が、自動運転により土石に関する作業を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-64359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同文献の図2図7に記載のように、土石は、山形状で配置される場合がある。例えば、この土石は、山形状で地面に置かれる場合や、山形状で容器(同文献ではベッセル)に積み込まれる場合などがある。山形状で配置された土石(均し対象物)は、崩れる場合がある。また、山形状で配置されたものが土石以外の場合も、同様の課題が生じ得る。
【0005】
そこで、本発明は、作業機械を自動制御することで、均し対象物を崩れにくくすることができる、自動均しシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
自動均しシステムは、均し対象物を均す作業機械と、撮像装置と、コントローラと、を備える。前記撮像装置は、前記均し対象物および前記均し対象物の周辺物の少なくともいずれかの、位置および形状の三次元情報を検出する。前記作業機械は、上部旋回体と、前記上部旋回体に起伏可能に取り付けられるアタッチメントと、を備える。前記アタッチメントは、前記アタッチメントの先端部に設けられる先端アタッチメントを備える。前記コントローラは、前記撮像装置に検出された前記三次元情報に基づいて均し範囲を設定し、前記均し対象物を前記先端アタッチメントで均す均し動作を、前記均し範囲で自動的に行うように前記作業機械を制御する。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、作業機械を自動制御することで、均し対象物を崩れにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】自動均しシステム10などを示す図であり、運搬車2および作業機械20を横から見た図である。
図2図1に示す運搬車2および作業機械20を上から見た図である。
図3図1に示す自動均しシステム10のブロック図である。
図4図2に示す上部旋回体23の旋回動作とアタッチメント25の均し動作とが交互に行われる場合の均し範囲Aなどを示す図2相当図である。
図5図2に示す上部旋回体23の旋回角度を算出するための角θなどを示す図である。
図6図1相当図であり、作業機械20に対して容器5が傾斜している場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1図6を参照して、図1に示す運搬車2および自動均しシステム10について説明する。
【0010】
運搬車2は、容器5を備える車両である。運搬車2は、作業機械20によって積み込まれた均し対象物Sを輸送するための車両である。運搬車2は、ダンプカーでもよく、トラックでもよい。運搬車2は、運搬車本体部3と、容器5と、を備える。運搬車本体部3は、走行可能であり、容器5を支持する。運搬車本体部3は、運搬車運転室3aを備える。
【0011】
容器5は、均し対象物Sを収容する。容器5は、例えば運搬車2の荷台である。容器5は、運搬車本体部3に対して可動でもよく、運搬車本体部3に固定されてもよい。容器5は、運搬車2の荷台でなくてもよく、例えば地面などに直接的に置かれるもの(例えば土砂ピットなど)でもよい。容器5は、容器床部5aと、容器後部5bと、容器側部5cと、容器前部5dと、を備える。
【0012】
(容器5に関する方向)
容器5が水平面に置かれたとした場合の容器5の長手方向かつ水平方向を、容器前後方向Uとする。容器前後方向Uにおける一方側を容器前側U1とし、容器前側U1とは逆側を容器後側U2とする。例えば、容器前側U1は、容器5から運搬車運転室3aに向かう側であり、容器後側U2は、運搬車運転室3aから容器5に向かう側である。図2に示すように、容器5が水平面に置かれとした場合の、容器前後方向Uに直交する方向かつ水平方向を、容器横方向Vとする。容器横方向Vにおいて、容器5の容器横方向Vにおける中央に向かう側を容器横方向内側V1とし、容器5の容器横方向Vにおける中央から遠ざかる側を容器横方向外側V2とする。図1に示すように、上下方向Z(上側Z1、下側Z2)(後述)は、容器前後方向Uおよび容器横方向Vのそれぞれに直交する方向、または略直交する方向である。
【0013】
容器床部5aは、容器5の下側Z2部分(底部)である。容器後部5bは、容器5の容器後側U2の部分(例えば端部)である。容器後部5bは、容器床部5aの容器後側U2の部分から上側Z1に突出し、例えば板状(例えば後あおり板)である。容器後部5bは、容器前後方向Uに直交する方向または略直交する方向に延びるように設けられる平面、または略平面を有する(容器前部5dも同様)。図2に示すように、容器側部5cは、容器床部5aの容器横方向外側V2部分である。容器側部5cは、容器床部5aの容器横方向外側V2の両側部分(左右)から上側Z1に突出し、例えば板状(例えば側あおり板)である。容器側部5cは、容器横方向Vに直交する方向または略直交する方向に延びるように設けられる平面、または略平面を有する。図1に示すように、容器前部5dは、容器5の容器前側U1の部分である。容器前部5dは、容器床部5aの容器前側U1の部分から上側Z1に突出し、例えば板状(例えば鳥居部)である。容器5が荷台である場合は、容器前部5dは、容器側部5cおよび容器後部5bよりも上側Z1に突出する。
【0014】
自動均しシステム10は、均し対象物Sを均す動作(均し動作)を作業機械20に自動的に行わせるシステムである。均し対象物Sは、例えば土砂でもよく、石でもよく、廃棄物などでもよい。均し対象物Sは、容器5に収容されてもよい。均し対象物Sは、容器5に収容されなくてもよく、例えば地面などに配置されたもの(例えば地面に積み上げられた土砂山など)でもよい。以下では、主に、均し対象物Sが、運搬車2の容器5(すなわち荷台)に収容される場合について説明する。自動均しシステム10は、作業機械20と、撮像装置41と、図3に示す高さ検出部43と、容器傾き検出部45と、コントローラ50と、を備える。
【0015】
作業機械20は、図1に示すように、作業を行う機械であり、例えば建設作業を行う建設機械であり、例えばショベルなどである。作業機械20は、均し対象物Sを先端アタッチメント25c(後述)で均す動作(均し動作)を行う機械である。作業機械20は、均し対象物Sの捕捉(例えば土砂の掘削)、および、捕捉した均し対象物Sの容器5への積み込み(例えば排土)を行うことが可能でもよい。作業機械20は、下部走行体21と、上部旋回体23と、アタッチメント25と、駆動制御部31(図3参照)と、姿勢検出部33(図3参照)と、を備える。
【0016】
下部走行体21は、上部旋回体23を旋回可能に支持する。下部走行体21は、作業機械20を走行させる。上部旋回体23は、下部走行体21に旋回可能に搭載される。
【0017】
アタッチメント25は、上部旋回体23に起伏可能に取り付けられる。アタッチメント25は、ブーム25aと、アーム25bと、先端アタッチメント25cと、を備える。ブーム25aは、上部旋回体23に起伏可能(上下に回転可能)に取り付けられる。アーム25bは、ブーム25aに回転可能(押し引き可能)に取り付けられる。先端アタッチメント25cは、アタッチメント25の先端部に設けられ、アーム25bに回転可能に取り付けられる。先端アタッチメント25cは、均し部25c1を備える。均し部25c1は、均し対象物Sを均す部分であり、例えば略平面状などである。具体的には例えば、先端アタッチメント25cはバケットであり、均し部25c1はバケットの略平面状の部分(底面など)である。
【0018】
(作業機械20に関する方向など)
下部走行体21に対する上部旋回体23の旋回の回転軸が延びる方向を、上下方向Zとする。上下方向Zに直交する方向であって、上部旋回体23に対してアタッチメント25が突出する側を上部旋回体前後方向Xの上部旋回体前側X1とし、その逆側を上部旋回体前後方向Xの上部旋回体後側X2とする。上下方向Zおよび上部旋回体前後方向Xのそれぞれに直交する方向を、上部旋回体横方向Yとする。
【0019】
駆動制御部31(図3参照)は、作業機械20を駆動させるアクチュエータ(図示なし)を制御する。図3に示すように、駆動制御部31は、旋回制御部31aと、ブーム制御部31bと、アーム制御部31cと、先端アタッチメント制御部31dと、を備える。旋回制御部31aは、図1に示す下部走行体21に対して上部旋回体23を旋回させるモータを制御する。ブーム制御部31b(図3参照)は、上部旋回体23に対してブーム25aを起伏させるシリンダを制御する。アーム制御部31c(図3参照)は、ブーム25aに対してアーム25bを回転させるシリンダを制御する。先端アタッチメント制御部31d(図3参照)は、アーム25bに対して先端アタッチメント25cを回転させるシリンダを制御する。
【0020】
姿勢検出部33(図3参照)は、作業機械20の姿勢を検出する。図3に示す姿勢検出部33は、例えば角度センサを備える。具体的には、姿勢検出部33は、旋回角度検出部33aと、ブーム角度検出部33bと、アーム角度検出部33cと、先端アタッチメント角度検出部33dと、を備える。旋回角度検出部33aは、図1に示す下部走行体21に対する上部旋回体23の旋回角度を検出する。ブーム角度検出部33b(図3参照)は、上部旋回体23に対するブーム25aの回転角度(起伏角度)を検出する。アーム角度検出部33c(図3参照)は、ブーム25aに対するアーム25bの回転角度を検出する。先端アタッチメント角度検出部33d(図3参照)は、アーム25bに対する先端アタッチメント25cの回転角度を検出する。
【0021】
撮像装置41は、撮像対象物の、位置および形状の三次元情報を検出する。上記「撮像対象物」は、均し対象物S、および均し対象物Sの周辺物(例えば容器5など)の少なくともいずれかである。撮像装置41は、距離の情報(奥行きの情報)を有する画像(距離画像)を取得する。撮像装置41は、距離画像と二次元画像とに基づいて、撮像対象物の三次元情報を検出してもよい。
【0022】
この撮像装置41は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。撮像装置41は、作業機械20に搭載されてもよく、作業機械20の外部(例えば作業現場)に配置されてもよい(図2参照)(図3に示す高さ検出部43、容器傾き検出部45、およびコントローラ50についても同様)。図1に示す撮像装置41が作業機械20の外部に配置される場合(図示なし)は、撮像装置41が作業機械20のみに搭載された場合には検出できない位置(例えばアタッチメント25の陰になる部分など)を検出できる場合がある。また、撮像装置41が作業機械20の外部に配置される場合は、作業機械20が撮像装置41を備えていなくても、本実施形態の自動均しシステム10を適用することができる。撮像装置41の三次元の座標系と、作業機械20の三次元の座標系(機械座標)と、が異なる場合は、これらの座標が統一される(変換される)。
【0023】
この撮像装置41は、レーザー光を用いて三次元の情報を検出する装置を備えてもよく、例えばLiDAR(Light Detection and RangingまたはLaser Imaging Detection and Ranging)を備えてもよく、TOF(Time Of Flight)センサを備えてもよい。撮像装置41は、電波を用いて三次元の情報を検出する装置(例えばミリ波レーダなど)を備えてもよい。撮像装置41は、ステレオカメラを備えてもよい。撮像装置41が三次元の情報と二次元の情報とに基づいて運搬車2の三次元の位置および形状を検出する場合などには、撮像装置41は、二次元の画像を検出可能なカメラを備えてもよい。
【0024】
以下では、主に、撮像装置41が容器5の三次元情報を検出する場合について説明する。撮像装置41は、容器5の全体の三次元情報を検出しなくてもよく、容器5の一部の三次元情報を検出してもよい(撮像対象物が均し対象物Sである場合も同様)。具体的には例えば、撮像装置41は、容器後部5b、容器側部5cおよび容器前部5dの三次元情報を検出し、容器床部5aの三次元情報を検出しなくてもよい。例えば、撮像装置41は、容器5の一部の点であって容器5の形状を示す点(例えば上から見た容器5(図2参照)の四隅の点など)の三次元座標を検出する結果、容器5の三次元情報を検出してもよい。
【0025】
高さ検出部43(図3参照)は、均し対象物Sの高さHを検出する。高さHは、作業機械20に対する均し対象物Sの高さでもよく、地面に対する均し対象物Sの高さでもよい。例えば、高さHは、作業機械20の特定の基準位置20aに対する、均し対象物Sの高さ(上下方向Zの距離)でもよい。高さHは、基準位置20aから均し対象物Sの頂点までの高さでもよい。基準位置20aは、上部旋回体23の位置から一意に決まる位置であり、例えばブーム25aの基端部(上部旋回体23側の端部)でもよく、下部走行体21に対する上部旋回体23の旋回中心23o(図4参照)の軸上の特定の点でもよい。高さ検出部43(図3参照)は、先端アタッチメント25cを均し対象物Sに押し付けることで高さHを検出するものでもよい。具体的には例えば、先端アタッチメント25cが均し対象物Sを下側Z2に押し付け、この押し付け力が規定値になったときの先端アタッチメント25cの位置に基づいて、高さHが算出されてもよい。この押し付け力は、アタッチメント25を作動させる油圧シリンダの油圧などから検出される。高さ検出部43(図3参照)は、均し対象物Sの三次元情報または二次元情報から高さHを検出してもよい。高さ検出部43(図3参照)は、撮像装置41と兼用されてもよく、兼用されなくてもよい(容器傾き検出部45(図3参照)も同様)。
【0026】
容器傾き検出部45(図3参照)は、容器5の傾きを検出する。容器傾き検出部45は、例えば水平面に対する容器5の傾きを検出してもよく、作業機械20が配置されている地面に対する容器5の傾きを検出してもよい。容器傾き検出部45は、容器5の三次元情報または二次元情報から、容器5の傾きを検出してもよい。容器傾き検出部45は、容器5に設けられた傾斜センサでもよい。
【0027】
コントローラ50は、信号の入出力、判定や算出などの演算、情報の記憶などを行う。コントローラ50は、均し範囲A(図2参照)の算出、および作業機械20の均し動作の制御などを行う。コントローラ50は、姿勢検出部33(図3参照)に検出された作業機械20の姿勢に基づいて、駆動制御部31(図3参照)を制御することで、作業機械20を自動的に作動させる制御を行う。
【0028】
(作動)
自動均しシステム10は、以下のように作動するように構成される。
【0029】
(均しについて)
作業機械20が、均し対象物Sを均す、すなわち均し対象物Sの上部を平らにすることで、均し対象物Sが崩れることが抑制される。例えば、均し対象物Sが容器5に収容された状態で輸送される場合、均し対象物Sが均された状態であることにより、均し対象物Sが崩れることが抑制され、均し対象物Sが容器5からこぼれることが抑制される。例えば、均し対象物Sが地面に配置された状態である場合、均し対象物Sが均された状態であることにより、均し対象物Sが自重や風などにより崩れることが抑制される。
【0030】
(均し動作の概要)
コントローラ50は、撮像装置41に検出された撮像対象物の三次元情報に基づいて、均し範囲Aを設定する。均し範囲Aは、均し動作が行われるときに先端アタッチメント25c(さらに詳しくは均し部25c1)が通る範囲である。均し範囲Aには、均し動作の開始位置A1と、均し動作の終了位置A2と、が設定される。コントローラ50は、均し範囲Aで均し動作を行うように、作業機械20を制御する(均し動作を制御する)。コントローラ50は、開始位置A1から終了位置A2に先端アタッチメント25cを直線的に移動させるように、作業機械20を制御する。1回目の均し動作が完了した後、2回目以降の均し動作が行われてもよい。均し動作は1回のみ行われてもよい。
【0031】
(均し動作の詳細)
具体的には、コントローラ50は、駆動制御部31(図3参照)を制御することで、均し動作を制御する。コントローラ50は、アタッチメント25の作動、および下部走行体21に対する上部旋回体23の旋回の、少なくともいずれかを制御することで、均し動作を制御する。なお、コントローラ50は、下部走行体21の走行を制御することで、均し動作を制御してもよい。均し動作において先端アタッチメント25cが移動する方向(先端アタッチメント25cの均し方向)は、上部旋回体前側X1(押し均し)でもよく、上部旋回体後側X2(引き均し)でもよい。先端アタッチメント25cの均し方向は、下部走行体21に対する上部旋回体23の旋回方向でもよい。図2に示すように上側Z1から見たときの先端アタッチメント25cの均し方向は、容器前後方向Uでもよく、容器前後方向Uに対して傾いた方向でもよく(図4参照)、容器横方向Vでもよい。
【0032】
(均し範囲Aの設定)
図1に示すコントローラ50は、様々に均し範囲Aを設定し得る。
【0033】
(均し範囲Aの設定に用いられる三次元情報)
[設定例1A]例えば、コントローラ50は、地面に配置された均し対象物S(図示なし)の三次元情報に基づいて均し範囲Aを設定してもよい。[設定例1B]コントローラ50は、地面に配置された均し対象物Sの三次元情報、およびこの均し対象物Sの周囲物(例えば地面など)の三次元情報に基づいて、均し範囲Aを設定してもよい。[設定例1C]コントローラ50は、容器5に収容された均し対象物Sの三次元情報に基づいて均し範囲Aを設定してもよい。[設定例1D]コントローラ50は、容器5の三次元情報に基づいて、均し範囲Aを設定してもよい。[設定例1E]コントローラ50は、容器5に収容された均し対象物Sの三次元情報、および容器5の三次元情報に基づいて、均し範囲Aを設定してもよい。
【0034】
(均し範囲Aの位置の具体例)
均し範囲Aは、できるだけ万遍なく均し対象物Sが均されるように設定されることが好ましい。開始位置A1および終了位置A2は、図2に示すように上側Z1から見た均し対象物Sの端部(外周)の近傍に設定されてもよい。開始位置A1および終了位置A2は、上側Z1から見た容器5の端部(外周、容器後部5b、容器側部5c、および容器前部5d)の近傍に設定されてもよい。
【0035】
以下では、主に、容器前後方向Uと上部旋回体前後方向Xとが一致または略一致し、均し動作において先端アタッチメント25cが上部旋回体前後方向Xに移動する場合(すなわち押し均しまたは引き均しが行われる場合)について説明する。
【0036】
[設定例2]コントローラ50は、均し範囲Aの端の位置を、容器5の外周部(容器後部5b、容器側部5c、容器前部5d)に対して、ずれた位置(オフセットさせた位置)に設定してもよい。例えば、コントローラ50は、均し範囲Aの上部旋回体前後方向Xにおける端の位置を、容器5の上部旋回体前後方向Xにおける端部(容器後部5b、容器前部5d)に対して、上部旋回体前後方向Xにずれた位置に設定してもよい。
【0037】
[設定例2A]例えば、図1に示す均し動作の開始位置A1で、均し対象物Sが容器5から上部旋回体前後方向Xにこぼれることを抑制できるように、開始位置A1が設定されてもよい。具体的には、コントローラ50は、開始位置A1を、容器5の上部旋回体前後方向Xにおける端部よりも上部旋回体前後方向Xの外側に設定してもよい。[設定例2Aa]さらに具体的には、コントローラ50は、均し範囲Aの上部旋回体後側X2の端の位置であって均し動作の開始位置A1を、容器5の上部旋回体後側X2の端部(例えば容器後部5b)よりも上部旋回体後側X2に設定してもよい。[設定例2Ab]容器5が運搬車2の荷台ではない場合などには、容器前部5dが均し対象物Sよりも低い場合が想定される。このような場合には、均し動作の開始位置A1は、次のように設定されてもよい。コントローラ50は、開始位置A1を、容器5の上部旋回体前側X1の端部(例えば容器前部5d)よりも上部旋回体前側X1に設定してもよい(図示なし)。
【0038】
[設定例2B]例えば、開始位置A1または終了位置A2で、先端アタッチメント25cが容器5に接触することを抑制できるように、均し範囲Aが設定されてもよい。具体的には、コントローラ50は、開始位置A1または終了位置A2を、容器5の上部旋回体前後方向Xにおける端部よりも上部旋回体前後方向Xの内側に設定してもよい。[設定例5b1]さらに具体的には、コントローラ50は、均し範囲Aの上部旋回体前側X1の端の位置を、容器5の上部旋回体前側X1の端部(例えば容器前部5d)よりも上部旋回体後側X2に設定してもよい。
【0039】
上記[設定例2A]および[設定例2B]における、開始位置A1および終了位置A2の位置は、例えば次の通りである。上側Z1から見たとき、均し部25c1は範囲である(線や点ではなく面積を有する範囲である)。均し動作が開始されるときの均し部25c1の範囲のうち、均し動作における最も上流側の位置(例えば押し均しの場合は最も上部旋回体後側X2の位置)が、開始位置A1である。同様に、均し動作が終了するときの均し部25c1の範囲のうち、均し動作における最も下流側の位置(例えば押し均しの場合は最も上部旋回体前側X1の位置)を、終了位置A2である。
【0040】
(旋回動作を含む均し範囲Aの設定)
図2に示す先端アタッチメント25cの上部旋回体横方向Yにおける幅に対して、容器5の容器横方向Vにおける幅が、大幅に(例えば2倍以上など)広い場合が想定される。この場合は、上部旋回体23に対して先端アタッチメント25cを上部旋回体前後方向Xに移動させる均し動作(前後均し動作)を1回行うだけでは、均し対象物Sを十分に均せない場合がある。そこで、コントローラ50は、前後均し動作と、下部走行体21に対して上部旋回体23を旋回させる旋回動作と、を交互に行うように作業機械20を制御してもよい。前後均し動作と旋回動作とが交互に行われることで、前後均し動作が1回のみ行われる場合よりも、均し範囲Aが容器横方向Vに広く設定され、容器横方向Vの広い範囲で均し対象物Sが均される。例えば、上側Z1から見たときの容器5の内部の全体または略全体に、均し範囲Aが設定される(網羅される)ことが好ましい。
【0041】
具体的には例えば、図4に示すように、コントローラ50は、作業機械20に前後均し動作を行わせた後、旋回動作を行わせ、その後、前後均し動作(2回目の前後均し動作)を行わせる。コントローラ50は、作業機械20に2回目の前後均し動作を行わせた後、旋回動作を行わせ、その後、3回目の前後均し動作を行わせてもよい。4回目以降の前後均し動作が行われる場合も同様である。
【0042】
例えば、作業機械20から見て、容器横方向V中央の均し対象物Sを均した後、容器横方向外側V2の一方(例えば右)の均し対象物Sを均し、その後、容器横方向外側V2の他方(例えば左)の均し対象物Sを均すように、作業機械20が制御されてもよい。容器横方向外側V2の一方(例えば右)から他方(例えば左)に順に、均し対象物Sを均すように、作業機械20が制御されてもよい。
【0043】
コントローラ50は、前後均し動作と旋回動作とが交互に行われる際の、下部走行体21に対する上部旋回体23の旋回角度を、例えば次のように設定する。図5に示すように、上側Z1から見たとき、下部走行体21に対する上部旋回体23の旋回中心23oを通り、上部旋回体前側X1に延びる直線を、直線Loとする。旋回中心23oを基準とする座標(機械座標)において、容器5の容器前側U1(上部旋回体前側X1)かつ容器横方向外側V2の1つの点P(例えば作業機械20から見て左奥の点)の座標を、(Px、Py、Pz)とする。上側Z1から見たとき、旋回中心23oと点Pとを結ぶ直線を、直線Lpとする。上側Z1から見たとき、直線Loと直線Lpとがなす角θは、Arctan(Py/Px)である。コントローラ50(図1参照)は、この角θに基づいて、下部走行体21に対する上部旋回体23の目標旋回角度を算出し、目標旋回角度に基づいて上部旋回体23を旋回させ、アタッチメント25に前後均し動作を行わせる。これにより、容器5の点Pの近傍の均し対象物Sを均すことができる。なお、図5では、直線Loとアタッチメント25の中心軸とが一致しているが、直線Loとアタッチメント25の中心軸とは、上部旋回体横方向Yにずれる場合がある。この場合、コントローラ50(図1参照)は、このずれを加味して、下部走行体21に対する上部旋回体23の旋回角度を設定してもよい。
【0044】
(先端アタッチメント25cの幅に基づく均し範囲Aの設定)
上部旋回体横方向Yにおける先端アタッチメント25cの幅(横幅)によって、前後均し動作と旋回動作とを交互に行う必要性の有無や、先端アタッチメント25cが容器側部5cに接触するか否かが変わる。そこで、コントローラ50は、先端アタッチメント25cの横幅に基づいて、均し範囲Aを設定してもよい。先端アタッチメント25cの横幅の情報は、コントローラ50に設定され、例えば通信などによりコントローラ50に入力されてもよく、作業機械20の製造時などにコントローラ50に入力されてもよく、作業者の操作によりコントローラ50に入力されてもよい。先端アタッチメント25cの横幅の情報は、距離画像や二次元画像に基づいて検出されてもよい。この場合、先端アタッチメント25cの画像は、撮像装置41に取得されてもよく、撮像装置41とは異なるセンサに検出されてもよい。
【0045】
図4に示すように、コントローラ50は、先端アタッチメント25cの横幅に基づいて、容器側部5cと先端アタッチメント25cとが接触しないように、均し範囲Aを設定してもよい。コントローラ50は、先端アタッチメント25cの横幅に基づいて、前後均し動作と旋回動作とが交互に行われる際の、上部旋回体23の旋回角度を設定してもよい。具体的には例えば、コントローラ50は、図5に示す角θを算出し、算出した角θを、先端アタッチメント25cの横幅に基づいて補正し、補正した値を上部旋回体23の旋回角度としてもよい。また、コントローラ50は、図4に示すように、上側Z1から見たときに直線Lqが点Pを通るように、上部旋回体23の旋回角度を設定してもよい。直線Lqは、上部旋回体横方向Yにおける先端アタッチメント25cの端を通り、直線Lo(旋回中心23oを通り上部旋回体前側X1に延びる直線)と平行な直線である。
【0046】
(均し対象物Sの高さHに基づく均し範囲Aの設定)
図1に示すコントローラ50は、高さ検出部43(図3参照)に検出された均し対象物Sの高さHに基づいて、均し範囲Aの高さ方向における位置(均し高さ)を設定してもよい。例えば、コントローラ50は、均し対象物Sの頂点の位置から、所定量だけ下側Z2の位置を、均し高さとして設定してもよい。上記「所定量」は、コントローラ50に設定され、例えば均し対象物Sの三次元情報に基づいて設定されてもよく、作業者が入力してもよく、通信などにより入力されてもよい。高さ検出部43(図3参照)が、先端アタッチメント25cを均し対象物Sに押し付けることで高さHを検出するものである場合は、押し付け力が規定値になったときの先端アタッチメント25cの高さに基づいて、コントローラ50が均し高さを設定してもよい。
【0047】
(容器5の傾斜に基づく均し範囲Aの設定)
図6に示すように、コントローラ50は、容器傾き検出部45(図3参照)に検出された容器5の傾きに基づいて、均し範囲Aを設定してもよい。このとき、コントローラ50は、容器5の底面(容器床部5a)が延びる方向に均し対象物Sを均すように、均し範囲Aを設定してもよい。このとき、コントローラ50は、均し範囲Aを、容器床部5aと平行に設定してもよい。
【0048】
(第1の発明の効果)
図1に示す自動均しシステム10による効果は、次の通りである。自動均しシステム10は、均し対象物Sを均す作業機械20と、撮像装置41と、コントローラ50と、を備える。撮像装置41は、均し対象物Sおよび均し対象物Sの周辺物(例えば容器5)の少なくともいずれかの、位置および形状の三次元情報を検出する。作業機械20は、上部旋回体23と、上部旋回体23に起伏可能に取り付けられるアタッチメント25と、を備える。アタッチメント25は、アタッチメント25の先端部に設けられる先端アタッチメント25cを備える。
【0049】
[構成1]コントローラ50は、撮像装置41に検出された三次元情報に基づいて均し範囲Aを設定する。コントローラ50は、均し対象物Sを先端アタッチメント25cで均す均し動作を、均し範囲Aで自動的に行うように作業機械20を制御する。
【0050】
上記[構成1]では、均し対象物Sが均される均し範囲Aが、撮像装置41に検出された三次元情報に基づいてコントローラ50に設定される。よって、三次元情報に基づくことなく均し範囲Aが設定される場合に比べ、均し範囲Aを適切に設定することができる。そして、このように適切に設定された均し範囲Aにおいて、均し対象物Sが先端アタッチメント25cで均されるように、コントローラ50が作業機械20を制御する。よって、適切な位置で均し対象物Sを均すことができる。したがって、作業機械20を自動制御することで、均し対象物Sを崩れにくくすることができる。
【0051】
(第2の発明の効果)
[構成2]上記「均し対象物Sの周辺物」は、容器5である。均し対象物Sは、容器5に収容されたものである。コントローラ50は、容器5の三次元情報に基づいて均し範囲Aを設定する。
【0052】
上記[構成1]および[構成2]では、容器5に収容された均し対象物Sが均される。よって、容器5に収容された均し対象物Sが崩れることを抑制できるので、均し対象物Sが容器5からこぼれることを抑制することができる。
【0053】
また、上記[構成2]により、次の効果が得られてもよい。均し対象物Sは様々な形状に刻々と変化し得るが、通常、容器5の形状は刻々とは変化しない。よって、撮像装置41は、均し対象物Sの三次元情報よりも容器5の三次元情報を容易に検出できる。よって、容器5に収容された均し対象物Sの三次元情報のみに基づいて均し範囲Aが設定される場合に比べ、上記[構成2]では容器5の三次元情報に基づいて均し範囲Aし範囲が設定されるので、より確実に均し範囲Aを設定することができる。
【0054】
(第3の発明の効果)
[構成3]コントローラ50は、均し範囲Aの上部旋回体前後方向Xにおける端の位置を、容器5の上部旋回体前後方向Xにおける端部に対して、上部旋回体前後方向Xにずれた位置に設定する。
【0055】
上記[構成3]により、次の効果が得られる。上部旋回体前後方向Xに先端アタッチメント25cを移動させることで均し動作が行われる(前後均し動作が行われる)場合が想定される。この場合に、上部旋回体前後方向Xにおいて、均し範囲Aの端の位置と容器5の端部とが一致していると、例えば容器5から均し対象物Sがこぼれる可能性や、先端アタッチメント25cが容器5に接触する可能性がある。そこで、上記[構成3]では、上部旋回体前後方向Xにおいて、均し範囲Aの端の位置と容器5の端部とがずれている。よって、容器5から均し対象物Sがこぼれることや、先端アタッチメント25cが容器5に接触することを抑制することができる。
【0056】
(第4の発明の効果)
[構成4]コントローラ50は、均し範囲Aの上部旋回体前後方向Xにおける端の位置であって均し動作の開始位置A1を、容器5の上部旋回体前後方向Xにおける端部よりも上部旋回体前後方向Xの外側に設定する。
【0057】
上記[構成4]により、容器5の上部旋回体前後方向Xの端部から、上部旋回体前後方向Xの外側に均し対象物Sがこぼれることを抑制することができる。具体的には例えば、容器5の上部旋回体後側X2の端部(例えば容器後部5b)から上部旋回体後側X2に均し対象物Sがこぼれることを抑制することができる。
【0058】
(第5の発明の効果)
[構成5]コントローラ50は、均し範囲Aの上部旋回体前側X1の端の位置を、容器5の上部旋回体前側X1の端部よりも上部旋回体後側X2に設定する。
【0059】
容器5の上部旋回体前側X1の端部(例えば容器前部5dなど)が、均し対象物Sよりも上側Z1に突出する場合がある。この場合、上記[構成5]により、容器5の上部旋回体前側X1の端部に先端アタッチメント25cが接触することを抑制することができる。
【0060】
(第6の発明の効果)
[構成6]自動均しシステム10は、均し対象物Sの高さを検出する高さ検出部43(図3参照)を備える。コントローラ50は、高さ検出部43(図3参照)に検出された均し対象物Sの高さHに基づいて、均し範囲Aの高さ方向における位置を設定する。
【0061】
上記[構成6]により、均し対象物Sの高さに応じた適切な高さに、均し範囲Aを設定することができる。よって、より適切な位置で均し対象物Sを均し、均し対象物Sを崩れにくくすることができる。
【0062】
(第7の発明の効果)
[構成7]自動均しシステム10は、容器5の傾きを検出する容器傾き検出部45(図3参照)を備える。コントローラ50は、容器傾き検出部45(図3参照)に検出された傾きに基づいて、図6に示すように、容器5の底面(容器床部5a)が延びる方向に均し対象物Sを均すように均し範囲Aを設定する。
【0063】
上記[構成7]により、容器5の底面(容器床部5a)が延びる方向に均し対象物Sが均される。よって、例えば、水平面に対して容器5の底部が傾いた状態で均し対象物Sが均された後、容器5の底部が水平面と平行(または略平行)に配置されると、均し対象物Sの均された部分が、水平面と平行(または略平行)に配置される。よって、均し対象物Sをより崩れにくくすることができる。
【0064】
(第8の発明の効果)
[構成8]図4に示すように、作業機械20は、上部旋回体23を旋回可能に支持する下部走行体21を備える。コントローラ50は、上部旋回体23に対して先端アタッチメント25cを上部旋回体前後方向Xに移動させる均し動作である前後均し動作と、下部走行体21に対して上部旋回体23を旋回させる旋回動作と、を交互に行うように作業機械20を制御する。
【0065】
上記[構成8]により、下部走行体21に対する上部旋回体23の旋回角度を一定にした状態で前後均し動作のみが行われる場合に比べ、より広い範囲で均し対象物Sを均すことができる。よって、均し対象物Sをより適切に均すことができ、均し対象物Sをより崩れにくくすることができる。
【0066】
(第9の発明の効果)
[構成9]コントローラ50は、上部旋回体横方向Yにおける先端アタッチメント25cの幅に基づいて、均し範囲Aを設定する。
【0067】
上記[構成9]により、上部旋回体横方向Yにおける先端アタッチメント25cの幅に応じた適切な位置に、均し範囲Aを設定することができる。よって、より適切な位置で均し対象物Sを均し、均し対象物Sを崩れにくくすることができる。
【0068】
(第10の発明の効果)
[構成10]図2に示すように、撮像装置41は、作業機械20の外部に設けられる。
【0069】
作業機械20のみに撮像装置41が設けられた場合は、撮像装置41の撮像対象物(均し対象物Sおよび均し対象物Sの周囲物の少なくともいずれか)が、作業機械20の構成要素(例えばアタッチメント25など)の陰になる場合がある。上記[構成10]では、作業機械20の外部の適切な位置に撮像装置41が配置された場合、撮像装置41の撮像対象物を作業機械20の構成要素の陰にならないように撮像することができる。また、上記[構成10]により、作業機械20が撮像装置41を備えていなくても、自動均しシステム10を適用することができる。なお、撮像装置41が作業機械20の外部に設けられている場合に、撮像装置41がさらに作業機械20に設けられていてもよい。
【0070】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の各構成要素の配置、形状、および接続が変更されてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。例えば、コントローラ50は、1つの装置でもよく、複数の装置でもよい。
【符号の説明】
【0071】
5 容器(均し対象物Sの周辺物)
10 自動均しシステム
20 作業機械
21 下部走行体
23 上部旋回体
25 アタッチメント
25c 先端アタッチメント
41 撮像装置
43 高さ検出部
45 容器傾き検出部
50 コントローラ
A 均し範囲
S 均し対象物
X 上部旋回体前後方向
Y 上部旋回体横方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6