(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】電気光学装置、電子機器
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1368 20060101AFI20240806BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G02F1/1368
G09F9/30 338
(21)【出願番号】P 2020179521
(22)【出願日】2020-10-27
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智
【審査官】植田 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-171136(JP,A)
【文献】登録実用新案第3197989(JP,U)
【文献】特開平09-237830(JP,A)
【文献】国際公開第2018/074060(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0168756(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/136-1/1368
G02F 1/1333
G02F 1/1343
G09F 9/30-9/46
H01L 29/78
H01L 21/88-21/99
H01L 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って延在する半導体層を有するトランジスターと、
前記半導体層と重なるように配置された遮光性を有する第1導電層と、
前記半導体層の前記第1導電層側とは反対側の層に配置された遮光性を有する第2導電
層と、
平面視において前記半導体層に沿うように前記第1方向に沿って配置され、遮光性を有
するとともに前記第1導電層と前記第2導電層とを電気的に接続する第1導体部と、を有
し、
前記第1導体部の一部は、平面視において前記第1導電層及び前記第2導電層の外縁よ
りも外側に配置され、画素の開口領域の一部を区画している、
電気光学装置。
【請求項2】
前記第1導体部は、前記第1導電層の側面を覆うように配置されている、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第2導電層は、走査線であり、
前記第1導電層は、島状の配線である、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記第2導電層は、島状の配線であり、
前記第1導電層は、走査線である、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項5】
平面視において前記半導体層の前記第1導体部側とは反対側に前記半導体層に沿うよう
に前記第1方向に沿って配置され、遮光性を有するとともに前記第1導電層と前記第2導
電層とを電気的に接続する第2導体部を有し、
前記第2導体部の一部は、平面視において前記第1導電層及び前記第2導電層の外縁よ
りも外側に配置され、画素の開口領域の一部を区画している、
請求項1~
4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記第1導体部、および、前記第2導体部を含む中継導体部は、前記第1導体部と、前
記第2導体部とを繋ぐ連結部を有しており、前記平面視において略H字状をなしている、
請求項
5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記中継導体部は、タングステンから構成される、
請求項
6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記中継導体部と前記第1導電層との間、前記中継導体部と前記第2導電層との間のう
ち、少なくとも一方には、バリア層が設けられている、
請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項9】
光を出射する光源と、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の電気光学装置を光変調装置として備える、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置、及び、当該電気光学装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気光学装置として、画素にスイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)を備えたアクティブ駆動型の液晶表示装置が知られている。このような液晶表示装置は、例えば、プロジェクターの光変調装置として用いられる。光変調装置として用いられる液晶表示装置には、光源から強い光が入射されるため、TFTへの光の入射を防ぐ遮光構造が設けられていた。遮光構造により、TFTにおける光リーク電流の発生や、フリッカなどの表示不具合を防止していた。
【0003】
例えば、特許文献1には、TFTを含む半導体層に遮光構造を備えた電気光学装置が開示されている。当該文献によれば、TFTのゲート電極のうち、コンタクトホールの内壁部分にも、遮光膜として機能する有色絶縁膜を設けるとしている。また、遮光構造を非開口領域のみに形成することにより、遮光性を高めつつ、開口率を高くできるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の電気光学装置では、開口率をさらに高めることは困難であるという課題があった。詳しくは、開口率を高めるためには、非開口領域を小さくする必要があるが、特許文献1には、この点に関する記載が見当たらない。
開口率は、光変調装置における重要な性能指標の一つであるため、遮光性を確保した上で、液晶表示装置の開口率をより向上させる技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る電気光学装置は、第1方向に沿って延在する半導体層を有するトランジスタ
ーと、前記半導体層と重なるように配置された遮光性を有する第1導電層と、前記半導体
層の前記第1導電層側とは反対側の層に配置された遮光性を有する第2導電層と、平面視
において前記半導体層に沿うように前記第1方向に沿って配置され、遮光性を有するとと
もに前記第1導電層と前記第2導電層とを電気的に接続する第1導体部と、を有し、前記
第1導体部の一部は、平面視において前記第1導電層及び前記第2導電層の外縁よりも外
側に配置され、画素の開口領域の一部を区画している。
【0007】
本願に係る電子機器は、光を出射する光源と、上記記載の電気光学装置を光変調装置として備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】液晶表示装置のH-H´断面における側断面図。
【
図3】液晶表示装置の電気的な構成を示す等価回路図。
【
図7】比較例におけるトランジスター周辺の拡大平面図。
【
図10】実施形態2に係る配線レイアウトの異なる態様を示す図。
【
図11】実施形態3に係るトランジスターの異なる配置態様を示す図。
【
図12】実施形態4に係る投射型表示装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態1
***液晶表示装置の概要***
図1は、液晶表示装置の平面図である。
図2は、液晶表示装置の
図1におけるH-H´断面における側断面図である。
図1、
図2を含む各図においては、相互に直交する座標軸としてXYZ軸を付し、各矢印が指す方向をプラス方向とし、プラス方向と反対の方向をマイナス方向とする。なお、Zプラス方向を上方、Zマイナス方向を下方ともいう。Zブラス方向から見ることを平面視ともいう。
【0010】
まず、本実施形態の電気光学装置としての液晶表示装置100の概略構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る液晶表示装置100は、第1基板としての素子基板10、及び、第2基板としての対向基板20を備える。素子基板10と対向基板20とは、略矩形であって、対向基板20の外縁に沿って配置されるシール材40を介して重ねられて接合される。シール材40の内側には、マトリクス状に配列された複数の画素Pを含む表示領域Eが設けられる。
【0011】
素子基板10は、データ線駆動回路101、2つの走査線駆動回路102、検査回路103、および複数の外部接続用端子104を有する。素子基板10は平面的に対向基板20よりも大きい。素子基板10には、対向基板20と重ならない領域に複数の外部接続用端子104が設けられ、複数の外部接続用端子104とシール材40との間にデータ線駆動回路101が設けられる。
【0012】
シール材40と表示領域Eとの間には、表示領域Eを囲む見切り部24が設けられる。見切り部24は、略矩形であって、2辺がY軸に沿い、他の2辺がX軸に沿う。Y軸に沿う上記2辺には、各々走査線駆動回路102が平面的に重ねられて配置される。2つの走査線駆動回路102は、配線107を介して電気的に接続される。X軸に沿う上記2辺のうち、Yプラス方向の1辺には検査回路103が平面的に重ねられて配置される。検査回路103は、後述するデータ線と電気的に接続される。
【0013】
データ線駆動回路101および2つの走査線駆動回路102は、外部接続用端子104と電気的に接続される。対向基板20の四隅には上下導通部106が設けられる。
【0014】
図2に示すように、素子基板10、対向基板20およびシール材40に囲まれた領域に液晶層50が封入される。電気光学物質としての液晶層50は、正または負の誘電異方性を有する液晶を含む。素子基板10は、第1基材10a、トランジスター30、画素電極15、および第1配向膜28を含み、これらの構成が第1基材10aから液晶層50に向かって上記の順番で設けられる。なお、素子基板10の詳細な構成は後述する。
【0015】
対向基板20は、第2基材20a、見切り部24、絶縁層25、対向電極21、および第2配向膜32を含み、これらが第2基材20aから液晶層50に向かって上記の順番で設けられる。
【0016】
絶縁層25は、例えば、酸化シリコンなどの透光性の無機材料から成る。なお、本実施形態において、透光性とは可視光の透過率が50%以上であることをいう。
【0017】
対向電極21は、共通電極であって、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性の透明導電膜から成る。対向電極21は、上述した上下導通部106を介して、素子基板10と電気的に接続される。
【0018】
第1配向膜28,22には、酸化シリコンなどの無機配向膜、またはポリイミドなどの有機配向膜が用いられる。第1基材10a、第2基材20aには、例えば、ガラス基板や石英基板などの透光性の基板が用いられる。
【0019】
液晶表示装置100は、透過型であって、光Lが素子基板10から入射し、液晶層50を介して対向基板20から出射される。尚、光Lは、対向基板20から入射し、素子基板10から出射される構成としてもよい。液晶表示装置100には、ノーマリーホワイトモードやノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。液晶表示装置100は、光Lの入射側と出射側とに偏光素子を備えていてもよい。
【0020】
図3は、液晶表示装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
図3に示すように、液晶表示装置100は、表示領域Eにおいて互いに絶縁された信号配線として、データ線6、走査線3および容量線8を各々複数有する。走査線3はX軸に沿って延在し、データ線6および容量線8はY軸に沿って延在する。
【0021】
画素電極15、トランジスター30および容量素子16は、走査線3とデータ線6および容量線8とによって区分された領域に画素Pごと設けられ、画素Pの画素回路を構成する。
【0022】
走査線3は、スイッチング素子であるトランジスター30のゲートに電気的に接続される。データ線6は、トランジスター30のデータ線側ソースドレイン領域に電気的に接続される。走査線3は、同一行に設けられたトランジスター30のオン、オフを一斉に制御する。画素電極15は、トランジスター30の画素電極側ソースドレイン領域に電気的に接続される。
【0023】
データ線6は、上述のデータ線駆動回路101(
図1)に電気的に接続され、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1~Dnを画素Pに供給する。画像信号は、各データ線6へ線順次に供給されてもよく、隣り合う複数のデータ線6へグループごとに供給されても良い。
【0024】
走査線3は、上述の走査線駆動回路102(
図1)に電気的に接続され、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1~SCmを画素Pに供給する。走査信号は、走査線3へ所定のタイミングにてパルス的に線順次で供給される。
【0025】
走査信号の入力によりトランジスター30が一定期間オン状態とされ、画像信号が所定のタイミングで画素電極15に書き込まれる。画像信号は、画素電極15を介して液晶層50に所定レベルで書き込まれ、画素電極15と液晶層50を挟んだ対向電極21との間で一定期間保持される。保持された画像信号がリークするのを防ぐため、画素電極15と対向電極21との間に設けられた液晶容量に対して、容量素子16が電気的に並列接続される。
【0026】
図4は、画素の構成を示す平面図である。
図4において、実線は、走査線3およびデータ線6等の遮光性部材により遮光された遮光領域と光Lが通過する透光領域との境界線を示している。一点鎖線は、画素電極15の外縁を示している。点線は、トランジスター30の半導体層の外縁を示している。尚、透光領域は開口領域に対応し、遮光領域は非開口領域に対応し、表示領域Eの画素Pにおける開口領域の割合を開口率という。画素Pにおける遮光領域が狭いほど、開口率は向上して、明るい電気光学装置を実現することができる。画素Pにおいて、隣り合う画素電極15と画素電極15との間には、データ線6や走査線3が配置されている。走査線3およびデータ線6に沿った格子状の部分が、遮光領域となる。そして、格子状の遮光領域における交差部分と交差部分との間の辺に沿ってトランジスター30が配置される。
【0027】
***画素周辺の基本積層構造***
図5は、
図4のI-I´断面における側断面図であり、I-I´断面を矢印の方向に向かって見た図である。
図5において、断面に現れる配線、中継電極や画素電極などの導電材料部材には、ハッチングを付与しているが、基板、絶縁層などの絶縁材料部材には、見やすさのためにハッチングを付与していない。また、断面に現れない主要な構成を一点鎖線で記載している。
図5に示すように、液晶表示装置100は、素子基板10と、これに対向配置される対向基板20と、を備えている。素子基板10を構成する第1基材10aは、例えば、石英である。素子基板10は、第1基材10aの上に、走査線3と、トランジスター30と、データ線6と、容量素子16と、画素電極15と、第1配向膜28と、を備えている。
【0028】
具体的には、第1基材10aの上に、酸化シリコンなどからなる絶縁層11aが配置されている。絶縁層11aの上には、タングステンシリサイド(WSi)などからなる遮光層としても機能する走査線3が配置されている。
【0029】
走査線3及び絶縁層11aの上には、酸化シリコンなどからなる絶縁層11bが配置されている。絶縁層11bの上には、トランジスター30が配置されている。
【0030】
トランジスター30は、例えば、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、ポリシリコン(高純度の多結晶シリコン)等からなる半導体層30aと、半導体層30a上に形成されたゲート絶縁層11gと、ゲート絶縁層11g上に形成されたアルミニウム等からなるゲート電極30g(2つの電極のうちの他方)と、を有する。
【0031】
半導体層30aは、例えば、リン(P)イオン等のN型の不純物イオンが注入されることにより、N型のトランジスター30として形成されている。具体的には、半導体層30aは、チャネル領域30cと、第1LDD領域30s1と、ソース領域30sと、LDD領域としての第2LDD領域30d1と、ドレイン領域30dとを備えている。なお、ソース領域30sのことをソース端子30s、ドレイン領域30dのことをドレイン端子30dともいう。
【0032】
チャネル領域30cには、ボロン(B)イオン等のP型の不純物イオンがドープされている。その他の領域(30s1,30s,30d1,30d)には、リン(P)イオン等のN型の不純物イオンがドープされている。
【0033】
ゲート電極30g及びゲート絶縁層11gの上には、酸化シリコン等からなる絶縁層11cが配置されている。絶縁層11cの上には、中継導体部60を介してゲート電極30gと電気的に接続されたアルミニウムなどからなるゲート配線35が配置されている。なお、ゲート配線35は、中継導体部60を介して走査線3とも電気的に接続されている。好適例において、中継導体部60はタングステンからなるタングステンプラグである。
【0034】
ゲート配線35及び絶縁層11cの上には、酸化シリコン等からなる絶縁層11dが配置されている。絶縁層11dの上には、コンタクトホールCNT1aを介してドレイン領域30dと電気的に接続されたアルミニウムなどからなる中継配線51が配置されている。中継配線51及び絶縁層11dの上には、酸化シリコン等からなる絶縁層11eが配置されている。
【0035】
絶縁層11eの上には、コンタクトホールCNT2を介してソース領域30sと電気的に接続されたデータ線6が配置されている。データ線6及び絶縁層11eの上には、酸化シリコン等からなる絶縁層11fが配置されている。絶縁層11fの上には、容量線8が配置されている。容量線8の上には、酸化シリコン等からなる層間絶縁層としての絶縁層11hが配置されている。
【0036】
絶縁層11hの上には、容量素子16が配置されている。具体的には、容量素子16は、第1容量電極16aと第2容量電極16bとの間に、誘電体層16cを挟んで構成される。第1容量電極16aは、コンタクトホールCNT5を介して容量線8と電気的に接続されている。第2容量電極16bは、コンタクトホールCNT1b、中継配線51、コンタクトホールCNT1aを介して、トランジスター30のドレイン領域30dと電気的に接続される。
【0037】
容量素子16の上には、酸化シリコン等からなる絶縁層11iが配置されている。絶縁層11iの上には、コンタクトホールCNT1cを介して第2容量電極16bと電気的に接続された画素電極15が形成されている。画素電極15は、例えば、ITO等の透明導電膜である。
【0038】
画素電極15の上には、酸化シリコンなどの無機材料を斜方蒸着した第1配向膜28が配置されている。第1配向膜28の上には、シール材40(
図2)により囲まれた空間に液晶等が封入された液晶層50が配置されている。
【0039】
一方、対向基板20は、第2基材20aの上(液晶層50側)に、絶縁層33と、対向電極31と、第2配向膜32と、を備えている。第2基材20aは、例えば、石英である。絶縁層33は、例えば、酸化シリコンで構成されている。対向電極31は、例えば、ITO等の透明導電膜である。第2配向膜32は、酸化シリコンなどの無機材料が斜方蒸着されて形成されている。
【0040】
液晶層50は、画素電極15と対向電極31との間で電界が生じていない状態で第1配向膜28,第2配向膜32によって所定の配向状態をとる。
【0041】
***平面的な配線レイアウトについて***
図6は、
図4において、二点鎖線で囲ったA部の拡大図であり、トランジスター30周辺の拡大平面図である。
図7は、比較例におけるトランジスター30周辺の拡大平面図であり、
図6に対応している。
ここでは、
図7に示す比較例の配線レイアウトと比較しながら、本実施形態における高開口率を可能とする配線レイアウトについて説明する。
【0042】
まず、
図7に示す比較例の配線レイアウトについて説明する。なお、
図7では配線態様を解り易くするために、第1導電層としての走査線3と、第1導体部および第2導体部を含む中継導体部60を主体に描写している。なお、
図7において図示を省略した第2導電層としてのゲート配線35については、後述する。
図7に示すように、平面視において中継導体部60は、略H字状をなしており、Y軸に沿って延在する第1導体部としての第1部60aと、第2導体部としての第2部60bとは、半導体層30aを挟んで配置されている。
【0043】
半導体層30aの両側面に設けられた第1部60aと第2部60bとは、X軸に沿って延在する連結部60cにより、電気的に接続される。連結部60cは、半導体層30aにおけるゲート電極30gと重なって配置されている。詳しくは、ゲート電極30gの下層を跨いで、第1部60aと第2部60bとを連結している。
【0044】
比較例の配線設計では、走査線3における中継導体部60の搭載部分は、画素Pの中心側に張り出した張り出し部3bを備え、張り出し部3bの形状は、中継導体部60の外形よりも一回り大きく設定されていた。詳しくは、
図7に示すように、Xプラス方向において、半導体層30aから中継導体部60の第2部60bまでの距離を距離d1、第2部60bの幅を距離d2、第2部60bから走査線3の張り出し部3bの外縁までの距離を距離d3としたときに、走査線3の張り出し部3bの外縁は、中継導体部60の外形から距離d3分大きく設定されていた。換言すれば、走査線3の搭載部分に、中継導体部60が収まる設定となっていた。また、Xマイナス方向においても同様であり、中継導体部60の外形の外に、走査線3の張り出し部3bの外縁が設けられていた。
【0045】
これに対して、
図6に示す、本実施形態における配線設計においては、走査線3における中継導体部60の搭載部分の張り出し部3aの形状は、比較例のものよりも幅が狭くなっている。詳しくは、Xプラス方向において、走査線3の張り出し部3aの外縁は中継導体部60の第2部60bの内側にあり、中継導体部60が、走査線3の張り出し部3aの搭載部分からはみ出している。なお、中継導体部60のサイズは比較例のものと同じである。換言すれば、平面視において、走査線3の張り出し部3aの外縁は、第2部60bの内側に距離d4分入り込んで、中継導体部60の第2部60bと重なっている。
また、Xマイナス方向においても同様であり、走査線3の外縁は中継導体部60の第1部60aの内側にあり、中継導体部60が、走査線3の搭載部分からはみ出している。
【0046】
本実施形態においては好適例として、非開口領域の一部は走査線3により区画されているため、走査線3において搭載部分の幅が狭くなった分、開口領域が広くなる。詳しくは、走査線3、及び、走査線3からはみ出した中継導体部60の縁により、画素P(
図4)の開口領域が区画される。
【0047】
なお、製造バラつきにより想定される中継導体部60の配置ずれは、最大で第1部60a、第2部60bの幅の半分程度である。例えば、中継導体部60がXプラス方向にずれた場合、第2部60bは走査線3の搭載部分の縁に僅かに重なる配置となるが遮光性に支障はない、他方、第1部60aは走査線3の搭載部分にその殆どが重なる配置となり、電気的な接続面積は十分に確保される。さらに、連結部60cは、配置ずれが発生した場合でも、常に走査線3の搭載部分の上に位置するため、電気的な接続面積は十分に確保される。
【0048】
図8は、ゲート配線と中継導体部を主体に描写したトランジスター30周辺の拡大平面図であり、
図6に対応している。
ここでは、
図8、
図6を用いて、半導体層30aの上層側における第2導電層としてのゲート配線35の配線態様について説明する。
【0049】
図8に示すように、ゲート配線35も、走査線3と同様にX軸に沿って延在した部分を有しているが、連続はしておらず島状に独立している。また、ゲート配線35の中継導体部60に被さる部分の形状は、走査線3の搭載部分と略同様の形状であるが、ドレイン端子30d側の部分が凹状に切り欠かれている。また、ゲート配線35の中継導体部60に被さる部分は、画素Pの中心側に張り出した張り出し部35sを有している。
Xプラス方向において、ゲート配線35の張り出し部35sの外縁は中継導体部60の第2部60bの内側に距離d4分入り込んでおり、中継導体部60が、走査線3の張り出し部35sの部分からはみ出している。同様に、Xマイナス方向においても、ゲート配線35の張り出し部35sの外縁は中継導体部60の第1部60aの内側にあり、中継導体部60が、ゲート配線35の張り出し部35sの部分からはみ出している。
【0050】
なお、好適例においてゲート配線35の幅、及び、中継導体部60に被さる部分の形状は、走査線3の幅、及び、中継導体部60の搭載部分と同じか、小さく設定されている。つまり、両者を重ねた際に、ゲート配線35は走査線3の外形内に収まり、非開口領域の最外形は走査線3により規定している。換言すれば、走査線3により、画素P(
図4)の開口領域が区画される設定としている。
【0051】
***立体的な配線レイアウト、及び、遮光構造***
図9は、
図6、
図8のB-B´断面における断面図であり、B-B´断面を矢印の方向に向かって見た図である。
図9に示すように、半導体層30aの下層には走査線3が、上層にはゲート配線35が配置されている。なお、
図9はドレイン端子30d側における断面のため、ゲート配線35が2つに分かれているが、ゲート電極30gに重なる部分ではゲート配線35は連続してベタ状に設けられている。また、半導体層30aの両側面には、中継導体部60の第1部60a、第2部60bが配置される。このように、トラジスター30の半導体層30aは、走査線3、ゲート配線35、中継導体部60の第1部60aと第2部60bに四方向を囲まれた位置に配置されている。
第1部60aと第2部分60bにおいて、走査線3の張り出し部3aからはみ出した部分は、走査線3の張り出し部3aの側面に沿って配置されている。これは、第1部60aと第2部分60bを形成するためのコンタクトホールを絶縁層11b、ゲート絶縁層11gおよび絶縁層11cにエッチングにより形成する際に、オーバーエッチングにより走査線3の張り出し部3aの側面に沿って穴が形成され、当該穴にも中継導体部60が成膜されるからである。
【0052】
このように、半導体層30aにおける上下のゲート配線35、走査線3、及び、両側面の中継導体部60の第1部60a、第2部60bにより、トランジスター30を立体的に囲う遮光構造が構成される。
【0053】
また、
図9に示すように、走査線3の張り出し部3aの外縁は、点線で示す比較例の外縁よりも小さくなっており、中継導体部60の第2部60bに入り込んでいるが、両者の重なり部分が確保されているため、比較例構成と同等の遮光性能を有している。第1部60a側も同様である。
ゲート配線35の張り出し部35sの外縁は、点線で示す比較例の外縁よりも小さくなっており、中継導体部60の第2部60bに入り込んでいるが、両者の重なり部分が確保されているため、比較例構成と同等の遮光性能を有している。第1部60a側も同様である。
そして、
図9における非開口領域は、中継導体部60の外形で規定されるため、距離d3分小さくなり、その分、開口領域が広くなる。
【0054】
***走査線、ゲート配線の異なる配置態様***
図6~
図9を用いて説明する。
上記では、トランジスター30の下層に走査線3が、上層にゲート配線35が配置される構成として説明したが、この構成に限定するものではなく、電気的接続、遮光性能、及び、高開口率が確保可能な構成であれば良い。
【0055】
例えば、上下の配線を入れ替えて、トランジスター30の下層にゲート配線35が、上層に走査線3が配置される構成であっても良い。この場合、ゲート配線35が第2導電層となり、
図8に示すようにトランジスター30の下層に島状に配置される。また、走査線3が第1導電層となり、
図6に示すようにトランジスター30の上層にX軸の延在方向に沿って連続して設けられる。
この構成であっても、
図9において走査線3とゲート配線35とを入れ替えた立体構成となり、上記と同様に、トランジスター30を4方から囲う遮光構造が構成される。また、好適例において非開口領域は走査線3により規定しているため、上記と同様に、開口領域を広くすることができる。
【0056】
***中継導体部の形成方法とゲート配線の詳細***
図9を用いて説明する。
前述の通り、好適例において中継導体部60はタングステンから構成された、所謂タングステンプラグである。
ここでは、中継導体部60の形成方法について簡単に説明する。
まず、絶縁層11b、ゲート絶縁層11g、絶縁層11cからなる積層構造における中継導体部60となる位置に、エッチング処理を施すことによってコンタクトホールを形成する。
次に、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法でタングステン膜を形成し、コンタクトホールを埋め込む。そして、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、表面を研磨し、コンタクトホールの中だけにタングステンを残すことで、
図9に示すような、中継導体部60が形成される。
【0057】
そして、中継導体部60と接続するゲート配線35は、好適例において3層構造としている。詳しくは、ゲート配線35は、窒化チタン(TiN)層35a、アルミニウム(Al)層35b、窒化チタン(TiN)層35cによる3層構造としている。窒化チタン層35aは、タングステンからなる中継導体部60とのバリア層であり、両者の密着性を高め、接続抵抗を低くするために設けられている。なお、バリア層は、TiNに限定する物ではなく、同様の機能を有する物質であれば良く、例えば、チタン(Ti)や、窒化タングステン(WN)を用いても良い。
【0058】
なお、例えば、走査線3がアルミニウムなどタングステン以外の材質で構成される場合も、同様に、走査線3と中継導体部60との間にバリア層を設けることが好ましい。また、酸化シリコンからなる絶縁層11b、ゲート絶縁層11g、絶縁層11cと接する中継導体部60の側面にも、バリア層を設けても良い。
【0059】
以上述べた通り、本実施形態の液晶表示装置100によれば、以下の効果を得ることができる。
液晶表示装置100は、画素Pと、画素Pをスイッチングするトランジスター30と、断面視においてトランジスター30の両側面に沿って設けられた中継導体部60と、断面視においてトランジスター30の下層、及び、上層に設けられた第1導電層としての走査線3、及び、第2導電層としてのゲート配線35を含み、走査線3とゲート配線35とは、中継導体部60を介して電気的に接続されており、平面視において、走査線3の縁が、中継導体部60と重なっている。換言すれば、中継導体部60の縁が、遮光領域と透光領域の境界の一部をなしている。
【0060】
この構成によれば、トランジスター30は、上下のゲート配線35、走査線3、及び、両側面の中継導体部60の第1導体部としての第1部60a、第2導体部としての第2部60bなどからなる遮光構造により四方向を囲まれる。そして、平面視において走査線3の縁が中継導体部60と重なる、つまり、開口領域を区画する走査線3が比較例よりも細く形成されているため、開口領域が広くなる。詳しくは、
図9における非開口領域は、中継導体部60の外形で規定されるため、距離d3分小さくなり、その分、開口領域が広くなる。走査線3の外形で規定される部分では、さらに距離d4分、開口領域が広くなる。
従って、遮光性を確保した上で、開口率をより向上させた液晶表示装置100を提供することができる。
【0061】
好適例において、第2導電層はトランジスター30の下層に形成された走査線3であり、第1導電層はトランジスター30の上層に形成された島状のゲート配線35である。
または、第2導電層がトランジスター30の下層に形成された島状のゲート配線で、第1導電層がトランジスターの上層に形成された走査線3であっても良い。
いずれの構成であっても、遮光性を確保した上で、開口率をより向上させた液晶表示装置100を提供することができる。
【0062】
また、平面視において走査線3、及び、走査線からはみ出した中継導体部60の縁により、画素Pの開口領域が区画される。
これによれば、比較例よりも細い走査線3により、開口領域が区画されるため、開口率を高めることができる。
【0063】
また、中継導体部60は、両側面の第1部60a、第2部60bを繋ぐ連結部60cを有しており、平面視において略H字状をなしている。
これによれば、トランジスター30の両側面において遮光壁として機能する第1部60aと第2部60bとを、電気的に接続することができる。
【0064】
また、中継導体部60は、タングステンから構成される。
これによれば、電気的接続の信頼性、及び、遮光性に優れた中継導体部60を形成することができる。
【0065】
また、中継導体部60とゲート配線35との間には、バリア層が設けられている。
これによれば、両者の密着性が向上し、接続抵抗が低くなり、接続信頼性が向上する。
【0066】
実施形態2
***配線レイアウトの異なる態様***
図10は、配線レイアウトの異なる態様を示す図であり、
図6に対応している。
図10は、
図6のドレイン端子30d周辺の拡大図であるが、データ線61の配線態様が
図6とは異なっている。なお、上記説明と同一の部位には同一の附番を附し、重複する説明は省略する。
【0067】
上記実施形態では、中継導体部60における上下の配線パターンを縮小することで開口率を高める事例を説明したが、この構成に限定するものではなく、非開口領域に設けられた上下コンタクト部にも適用することができる。
例えば、
図6に示すドレイン端子30dのコンタクトホールCNT1aにおける上層のデータ線61にも適用できる。詳しくは、データ線61は、
図6のデータ線6よりも線幅が細く形成されている。片側で距離d5細く設定されているので、全体では2×d5細くなっており、この分、開口領域を広くすることができる。なお、コンタクトホールCNT1aに限定するものではなく、非開口領域に設けられた他の上下コンタクト部にも同様に適用することができる。
【0068】
実施形態3
***トランジスターの異なる配置態様***
図11は、トランジスターの異なる配置態様を示す図であり、
図4に対応している。
上記各実施形態では、
図4のようにトランジスター30を含む半導体層30aを隣り合う画素P間の非開口領域の交差部分において、Y軸の延在方向に沿って縦置きするものとして説明したが、この構成に限定するものではなく、半導体層30aは、非開口領域であればどこに配置することであっても良い。なお、上記説明と同一の部位には同一の附番を附し、重複する説明は省略する。
【0069】
例えば、
図11の半導体層130のように、隣り合う画素P間の非開口領域の交差部分において、Y軸の延在方向に沿って横置きする構成であっても良い。換言すれば、画素トランジスターは、隣り合う画素P間の非開口領域における画素Pの頂点に対応した位置に配置されていれば、縦置きであっても、横置きであっても良い。または、半導体層131のように、画素Pの辺に沿う非開口領域に重ねて配置する構成であっても良い。これらの配置態様であっても、上記各実施形態と同様に、中継導体部や、上下コンタクト部において、接続する配線パターンを縮小化することにより、開口率を向上させることができる。
【0070】
実施形態4
***電子機器としてのプロジェクター***
図12は、投射型表示装置の概略構成図である。
ここでは、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000について説明する。
【0071】
図12に示す投射型表示装置1000は、液晶方式のプロジェクターである。
投射型表示装置1000は、光源としてのランプユニット1001、色分離光学系としてのダイクロイックミラー1011,1012、光変調装置としての3つの液晶装置1B,1G,1R、3個の反射ミラー1111,1112,1113、3個のリレーレンズ1121,1122,1123、色合成光学系としてのダイクロイックプリズム1130、投射光学系としての投射レンズ1140を備えている。
【0072】
ランプユニット1001では、例えば、放電型の光源を採用している。光源の方式はこれに限定されず、発光ダイオード、レーザーなどの固体光源を採用してもよい。
ランプユニット1001から射出された光は、2個のダイクロイックミラー1011,1012によって、各々異なる波長域の3色の色光に分離する。3色の色光とは、略赤色の光、略緑色の光、略青色の光である。以降の説明において、上記略赤色の光を赤色光Rともいい、上記略緑色の光を緑色光Gともいい、上記略青色の光を青色光Bともいう。
【0073】
ダイクロイックミラー1011は、赤色光Rを透過させると共に、赤色光Rよりも波長が短い緑色光G、及び、青色光Bを反射させる。ダイクロイックミラー1011を透過した赤色光Rは、反射ミラー1111で反射され、液晶装置1Rに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射された緑色光Gは、ダイクロイックミラー1012によって反射された後、液晶装置1Gに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射された青色光Bは、ダイクロイックミラー1012を透過してリレーレンズ系1120へ射出される。
【0074】
リレーレンズ系1120は、リレーレンズ1121,1122,1123、反射ミラー1112,1113を有している。青色光Bは、緑色光Gや赤色光Rと比べて光路が長いため、光束が大きくなりやすい。そのため、リレーレンズ1122を用いて光束の拡大を抑えている。リレーレンズ系1120に入射した青色光Bは、反射ミラー1112で反射されると共に、リレーレンズ1121によってリレーレンズ1122の近傍で収束される。そして、青色光Bは、反射ミラー1113およびリレーレンズ1123を経て、液晶装置1Bに入射する。
【0075】
投射型表示装置1000における、光変調装置である液晶装置1R,1G,1Bには、第1実施形態の電気光学装置としての液晶表示装置100が適用されている。
【0076】
液晶装置1R,1G,1Bのそれぞれは、投射型表示装置1000の上位回路と電気的に接続される。上位回路では、外部回路から供給される赤色光R、緑色光G、青色光Bの階調レベルを指定する画像信号を処理し、液晶装置1R,1G,1Bを表示駆動する。
【0077】
液晶装置1R,1G,1Bによって変調された赤色光R、緑色光G、青色光Bは、ダイクロイックプリズム1130に3方向から入射する。ダイクロイックプリズム1130は、入射した赤色光R、緑色光G、青色光Bを合成する。ダイクロイックプリズム1130において、赤色光Rおよび青色光Bは90度に反射され、緑色光Gは透過する。そのため、赤色光R、緑色光G、青色光Bは、カラー画像を表示する表示光として合成され、投射レンズ1140に向かって射出される。表示光は、投射レンズ1140を介して拡大されて射出され、投射対象であるスクリーン1200に投射される。
【0078】
上記の通り、投射型表示装置1000は、遮光性を確保した上で、開口率をより向上させた液晶表示装置100を光変調装置として用いている。
従って、継ぎ目感が少なく、ちらつきのない鮮明な投射画像が得られる投射型表示装置1000を提供することができる。
【0079】
なお、本実施形態では、電子機器として投射型表示装置1000を例示したが、本発明の電気光学装置が適用される電子機器はこれに限定されない。例えば、投射型のHUD(Head-Up Display)、直視型のHMD(Head Mounted Display)、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、液晶テレビなどの電子機器に適用しても良い。
また、本発明は上述した記述により限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。なお、各図面および各部材間の縮尺は理解の容易のため異ならせている場合がある。
【符号の説明】
【0080】
3…走査線、6…データ線、8…容量線、10…素子基板、10a…第1基材、11a~11f…絶縁層、11g…ゲート絶縁層、15…画素電極、16…容量素子、20…対向基板、20a…第2基材、30…トランジスター、30a…半導体層、30c…チャネル領域、30d…ドレイン端子、30g…ゲート電極、30s…ソース端子、35…ゲート配線、35a…窒化チタン層、35b…アルミニウム層、35c…窒化チタン層、60…中継導体部、60a…第1部、60b…第2部、60c…連結部、61…データ線、100…液晶表示装置、130,131…半導体層、1000…投射型表示装置。