(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】送液装置および冷却ユニット
(51)【国際特許分類】
F04D 29/42 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
F04D29/42 A
(21)【出願番号】P 2020185898
(22)【出願日】2020-11-06
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】渡慶次 鋭彦
(72)【発明者】
【氏名】玉岡 健人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼島 直之
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-035102(JP,A)
【文献】特開2020-065009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/00-13/16、
17/00-19/02、
21/00-25/16、
29/00-35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流入する流入口と、前記液体が流出する流出口と、前記流入口と前記流出口とを繋ぐ流路とを有する第1ケーシングと、
前記第1ケーシングの前記流路に配置され、前記液体を循環させるポンプと、
を有し、
前記ポンプは、前記液体が流入するポンプ流入口と、前記液体が流出するポンプ流出口と、を有し、
前記流路は、前記ポンプよりも上流側に位置し前記ポンプ流入口と通ずる上流側流路と、前記ポンプよりも下流側に位置し前記ポンプ流出口と通ずる下流側流路
とを有し、
前記上流側流路は、
前記ポンプ流入口に対して第1方向の一方側に位置する第1流路と、
前記ポンプ流入口に対して前記第1方向の他方側に位置する第2流路と、
前記ポンプ流入口に対して前記第1方向と直交する第2方向の一方側に位置する第3流路と、
前記ポンプ流入口に対して前記第2 方向の他方側に位置する第4流路と、
前記ポンプ流入口に対して前記第1方向および前記第2方向とそれぞれ直交する第3方向の一方側に位置する第5流路と、
前記ポンプ流入口に対して前記第3方向の他方側に位置する第6流路と、
を有
し、
前記第1ケーシングは、
第1外側主面と、
第2外側主面と、
前記第1外側主面および前記第2外側主面と連結する第1外側側面と、
前記第1外側主面および前記第2外側主面と連結する第2外側側面と、
前記第1外側主面、前記第2外側主面、前記第1外側側面および前記第2外側側面と連結する第3外側側面と、
前記第1外側主面、前記第2外側主面、前記第1外側側面および前記第2外側側面と連結する第4外側側面と
を有し、
前記第1外側主面には窪みが設けられ、
前記ポンプは、前記第1外側主面の前記窪みに配置される、送液装置。
【請求項2】
前記ポンプは、
第2ケーシングと、
インペラと、
ポンプ回転軸と、
前記ポンプ回転軸を中心に前記インペラを回転させるモータと
を有し、
前記インペラは、前記第1ケーシングと前記第2ケーシングとの間に位置するポンプ室に収納される、請求項1に記載の送液装置。
【請求項3】
前記第1流路の前記第1方向の一方側の端部は、前記ポンプ室の前記第1方向の一方側の端部よりも前記第1方向の一方側に位置し、
前記第2流路の前記第1方向の他方側の端部は、前記ポンプ室の前記第1方向の他方側の端部よりも前記第1方向の他方側に位置し、
前記第3流路の前記第2方向の一方側の端部は、前記ポンプ室の前記第2方向の一方側の端部よりも前記第2方向の一方側に位置し、
前記第4流路の前記第2方向の他方側の端部は、前記ポンプ室の前記第2方向の他方側の端部よりも前記第2方向の他方側に位置し、
前記第5流路の前記第3方向の一方側の端部は、前記ポンプ室の前記第3方向の一方側の端部よりも前記第3方向の一方側に位置し、
前記第6流路の前記第3方向の他方側の端部は、前記ポンプ室の前記第3方向の他方側の端部よりも前記第3方向の他方側に位置する、請求項2に記載の送液装置。
【請求項4】
前記上流側流路は、前記流入口と繋がる第1タンク室をさらに有し、
前記第1タンク室は、前記第1流路の少なくとも一部と、前記第3流路の少なくとも一部と、前記第4流路の少なくとも一部と、前記第5流路の少なくとも一部と、前記第6流路の少なくとも一部とを有する、請求項3に記載の送液装置。
【請求項5】
前記上流側流路は、前記ポンプ室に対して前記第1タンク室とは反対側に位置する第2タンク室をさらに有し、
前記第2タンク室は、前記第2流路の少なくとも一部と、前記第3流路の少なくとも一部と、前記第4流路の少なくとも一部と、前記第5流路の少なくとも一部と、前記第6流路の少なくとも一部とを有する、請求項4に記載の送液装置。
【請求項6】
前記第1タンク室の容積は、前記第2タンク室の容積よりも大きい、請求項5に記載の送液装置。
【請求項7】
前記上流側流路は、
前記第1タンク室と前記第2タンク室とを前記第2方向の一方側で繋ぐ第1連絡流路と、
前記第1タンク室と前記第2タンク室とを前記第2方向の他方側で繋ぐ第2連絡流路とを有する、請求項5または6に記載の送液装置。
【請求項8】
発熱部品と接するコールドプレートをさらに有し、
前記第6流路は、前記ポンプと前記コールドプレートとの間に位置する、請求項1から
7のいずれかに記載の送液装置。
【請求項9】
前記ポンプと前記コールドプレートとの間に位置する仕切板をさらに有し、
前記上流側流路は、前記仕切板と前記ポンプとの間の位置に、前記第6流路の少なくとも一部として、中間流路を有する、請求項8に記載の送液装置。
【請求項10】
前記第1外側主面の前記窪みは、側面と、底面とを有し、
前記窪みの前記底面は、前記第3方向に沿った法線を有し、
前記ポンプ回転軸は、前記第3方向に対して平行に延びる、
請求項1から9のいずれかに記載の送液装置。
【請求項11】
前記第1外側側面には前記第1外側主面の窪みと連絡する溝が設けられる、
請求項1から10のいずれかに記載の送液装置。
【請求項12】
請求項1から
11のいずれかに記載の送液装置と、
前記送液装置の前記流入口に接続された流入配管と、
前記送液装置の前記流出口に接続された流出配管と、
前記流入配管および前記流出配管の少なくとも一方に接続されたラジエータと
を有する、冷却ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送液装置および冷却ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプを用いて液体を送り出す送液装置は、種々の装置に用いられる。一例では、送液装置は、発熱部品を冷却するための冷媒を循環させる冷却装置に用いられる。ポンプを有する送液装置にコールドプレートを組み込むことが検討されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、インペラを有するポンプ(液駆動ユニット)およびコールドプレートをケーシング内に配置した液冷放熱装置が記載されている。特許文献1の液冷放熱装置では、流入口から流入した液体をポンプによって熱源に取り付けられたコールドプレートに流すことによって熱源の熱を吸収した後、液体は、ダクトを介して放熱フィンまで流れて冷却され、再び液冷放熱装置に戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の液冷放熱装置では、ダクトから液体が蒸発することがある。この場合、ポンプの周囲の液体が不足すると、ポンプが空転してしまい、液体が充分に循環されないことがある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポンプの空転を抑制可能な送液装置および冷却ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な送液装置は、第1ケーシングと、ポンプと、を有する。前記第1ケーシングは、液体が流入する流入口と、前記液体が流出する流出口と、前記流入口と前記流出口とを繋ぐ流路とを有する。前記ポンプは、前記第1ケーシングの前記流路に配置され、前記液体を循環させる。前記ポンプは、前記液体が流入するポンプ流入口と、前記液体が流出するポンプ流出口と、を有する。前記流路は、前記ポンプよりも上流側に位置し前記ポンプ流入口と通ずる上流側流路と、前記ポンプよりも下流側に位置し前記ポンプ流出口と通ずる下流側流路に流出する。前記上流側流路は、前記ポンプ流入口に対して第1方向の一方側に位置する第1流路と、前記ポンプ流入口に対して前記第1方向の他方側に位置する第2流路と、前記ポンプ流入口に対して前記第1方向と直交する第2方向の一方側に位置する第3流路と、前記ポンプ流入口に対して前記第2方向の他方側に位置する第4流路と、前記ポンプ流入口に対して前記第1方向および前記第2方向とそれぞれ直交する第3方向の一方側に位置する第5流路と、前記ポンプ流入口に対して前記第3方向の他方側に位置する第6流路とを有する。
【0008】
本発明の例示的な冷却ユニットは、上記に記載の送液装置と、前記送液装置の前記流入口に接続された流入配管と、前記送液装置の前記流出口に接続された流出配管と、前記流入配管および前記流出配管の少なくとも一方に接続されたラジエータとを有する。
【発明の効果】
【0009】
例示的な本発明によれば、ポンプの空転を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】
図1Aは、例示的な第1の実施形態の送液装置の模式的な斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、例示的な第1の実施形態の送液装置の一部透視図である。
【
図2】
図2は、例示的な第1の実施形態の送液装置の模式的な分解図である。
【
図3A】
図3Aは、例示的な第1の実施形態の送液装置におけるポンプの模式的な斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、例示的な第1の実施形態の送液装置におけるポンプの模式的な分解斜視図である。
【
図3C】
図3Cは、例示的な第1の実施形態の送液装置におけるポンプの模式的な断面図である。
【
図3D】
図3Dは、例示的な第1の実施形態の送液装置においてポンプの配置された第1部品の模式的な断面図である。
【
図4A】
図4Aは例示的な第1の実施形態の送液装置における第1ケーシングの第1部品を+Z方向側からみた模式的な斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、例示的な第1の実施形態の送液装置における第1ケーシングの第1部品を-Z方向側からみた模式的な斜視図である。
【
図5】
図5は、例示的な第1の実施形態の送液装置における第1ケーシングの第1部品の模式的な断面斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、例示的な第1の実施形態の送液装置において第1ケーシングの上流側流路の第1流路および第2流路を示す模式図である。
【
図6B】
図6Bは、例示的な第1の実施形態の送液装置において第1ケーシングの上流側流路の第3流路および第4流路を示す模式図である。
【
図6C】
図6Cは、例示的な第1の実施形態の送液装置において第1ケーシングの上流側流路の第5流路および第6流路を示す模式図である。
【
図7A】
図7Aは、例示的な第1の実施形態の送液装置において第1ケーシングの上流側流路の第1タンク室および第2タンク室を示す模式図である。
【
図7B】
図7Bは、例示的な第1の実施形態の送液装置において第1ケーシングの上流側流路の第1連絡流路および第2連絡流路を示す模式図である。
【
図7C】
図7Cは、例示的な第1の実施形態の送液装置において第1ケーシングの上流側流路の第3連絡流路および第4連絡流路を示す模式図である。
【
図8A】
図8Aは、第2外側側面が鉛直上方を向いた例示的な第1の実施形態の送液装置の模式図である。
【
図8B】
図8Bは、第1外側側面が鉛直上方を向いた例示的な第1の実施形態の送液装置の模式図である。
【
図9A】
図9Aは、第3外側側面が鉛直上方を向いた例示的な第1の実施形態の送液装置の模式図である。
【
図9B】
図9Bは、第4外側側面が鉛直上方を向いた例示的な第1の実施形態の送液装置の模式図である。
【
図10A】
図10Aは、第1外側主面が鉛直上方を向いた例示的な第1の実施形態の送液装置の模式図である。
【
図10B】
図10Bは、第2外側主面が鉛直上方を向いた例示的な第1の実施形態の送液装置の模式図である。
【
図11】
図11は、例示的な第1の実施形態の送液装置を有する冷却ユニットの模式図である。
【
図12A】
図12Aは、例示的な第2の実施形態の送液装置の模式的な斜視図である。
【
図12B】
図12Bは、例示的な第2の実施形態の送液装置の模式的な一部透視図である。
【
図13】
図13は、例示的な第2の実施形態の送液装置の模式的な分解斜視図である。
【
図14A】
図14Aは、例示的な第2の実施形態の送液装置における第1ケーシングの第1部分を+Z方向側からみた模式的な斜視図である。
【
図14B】
図14Bは、例示的な第2の実施形態の送液装置における第1ケーシングの第1部分を-Z方向側からみた模式的な斜視図である。
【
図15A】
図15Aは、第2外側側面が鉛直上方を向いた例示的な第2の実施形態の送液装置の模式図である。
【
図15B】
図15Bは、第1外側側面が鉛直上方を向いた例示的な第2の実施形態の送液装置の模式図である。
【
図16A】
図16Aは、第3外側側面が鉛直上方を向いた例示的な第2の実施形態の送液装置の模式図である。
【
図16B】
図16Bは、第4外側側面が鉛直上方を向いた例示的な第2の実施形態の送液装置の模式図である。
【
図17A】
図17Aは、第1外側主面が鉛直上方を向いた例示的な第2の実施形態の送液装置の模式図である。
【
図17B】
図17Bは、第2外側主面が鉛直上方を向いた例示的な第2の実施形態の送液装置の模式図である。
【
図18】
図18は、例示的な第2の実施形態の送液装置を有する冷却ユニットの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。典型的には、X軸、Y軸およびZ軸のいずれか1つが、鉛直方向に平行であり、残りの2つは、水平方向に平行である。ただし、X軸、Y軸およびZ軸の向きは、これらに限定されない。
【0012】
まず、
図1Aおよび
図1Bを参照して、例示的な第1の実施形態の送液装置100を説明する。
図1Aは、送液装置100の模式的な斜視図であり、
図1Bは、送液装置100の模式的な一部透視図である。
【0013】
送液装置100は、液体を順次送り出す。例えば、送液装置100は、液体の循環に用いられる。送液装置100が液体を順次送り出すことにより、液体を循環できる。
【0014】
送液装置100において、送り出される液体は、水であってもよい。あるいは、液体は、混合液であってもよい。例えば、混合液は、水とプロピレングリコールの混合液であってもよい。
【0015】
なお、
図1Aおよび
図1Bに示した送液装置100では、ポンプ120が鉛直上方に位置しているが、ポンプ120は鉛直上方に位置しなくてもよい。送液装置100は、ポンプ120が鉛直上方以外の場所に位置する方向に向いてもよい。
【0016】
図1Aおよび
図1Bに示すように、送液装置100は、第1ケーシング110と、ポンプ120とを有する。第1ケーシング110は、流入口112と、流出口114と、流路116とを有する。流入口112には液体が流入する。流出口114から液体が流出する。流路116は、流入口112と流出口114とを繋ぐ。このため、第1ケーシング110の流入口112から液体が流入すると、液体は、流路116を流れて流出口114から外部に流出する。ポンプ120は、第1ケーシング110の流路116に配置される。ポンプ120により、液体が循環する。
【0017】
第1ケーシング110は、略直方体形状を有する。第1ケーシング110は、第1外側主面110aと、第2外側主面110bと、第1外側側面110cと、第2外側側面110dと、第3外側側面110eと、第4外側側面110fとを有する。第1外側側面110cおよび第2外側側面110dは、それぞれ、第1外側主面110aおよび第2外側主面110bと連結する。また、第3外側側面110eおよび第4外側側面110fは、それぞれ、第1外側主面110a、第2外側主面110b、第1外側側面110cおよび第2外側側面110dと連結する。第1外側主面110aは+Z方向側に位置し、第2外側主面110bは-Z方向側に位置する。第1外側側面110cは-X方向側に位置し、第2外側側面110dは、+X方向側に位置する。第3外側側面110eは+Y方向側に位置し、第4外側側面110fは-Y方向側に位置する。
【0018】
第1外側主面110aには窪み110pが設けられる。窪み110pは、第1外側主面110a全体のうちの-X方向側に位置する。ポンプ120は、第1外側主面110aの窪み110pに配置される。第1ケーシング110の第1外側主面110aの窪み110pにポンプ120を嵌め込むことができる。
【0019】
本明細書において、X方向、Y方向およびZ方向を第1方向、第2方向および第3方向とそれぞれ記載することがある。さらに、本明細書において、+X方向側および-X方向側をそれぞれ第1方向一方側および第1方向他方側と記載することがある。同様に、+Y方向側および-Y方向側をそれぞれ第2方向一方側および第2方向他方側と記載することがあり、+Z方向側および-Z方向側をそれぞれ第3方向一方側および第3方向他方側と記載することがある。したがって、第1外側主面110aは第3方向一方側に位置し、第2外側主面110bは第3方向他方側に位置する。第2外側側面110dは第1方向一方側に位置し、第1外側側面110cは第1方向他方側に位置する。第3外側側面110eは第2方向一方側に位置し、第4外側側面110fは第2方向他方側に位置する。
【0020】
ここでは、第1ケーシング110の第1外側主面110aに流入口112が設けられる。流入口112は、第1外側主面110aから+Z方向側に突出する。また、第2外側主面110bに流出口114が設けられる。流出口114は、第2外側主面110bから-Z方向側に突出する。
【0021】
ポンプ120により、液体を循環できる。ポンプ120は、ポンプ流入口120pと、ポンプ流出口120qとを有する。ポンプ120には、ポンプ流入口120pから液体が流入する。また、液体は、ポンプ流出口120qから流出する。ポンプ流入口120pおよびポンプ流出口120qは、第1ケーシング110の第1外側主面110aの窪み110pに位置する。
【0022】
ポンプ120は、第1ケーシング110の流路116に配置される。流路116は、第1ケーシング110の第1外側主面110a、第2外側主面110b、第1外側側面110c、第2外側側面110d、第3外側側面110eおよび第4外側側面110fに囲まれた領域に形成される。流路116は、上流側流路116pと、下流側流路116qとを有する。上流側流路116pは、ポンプ120よりも上流側に位置する。上流側流路116pは、ポンプ流入口120pと通ずる。流入口112から流入した液体は、上流側流路116pを通ってポンプ流入口120pに流れる。下流側流路116qは、ポンプ120よりも下流側に位置する。下流側流路116qは、ポンプ流出口120qと通ずる。ポンプ流出口120qから流出した液体は、下流側流路116qを通って流出口114に流れる。
【0023】
ここでは、流入口112は、第1外側主面110aに位置し、流出口114は、第2外側主面110bに位置する。したがって、第1外側主面110aの流入口112から流入した液体は、上流側流路116pを通ってポンプ120に到達する。ポンプ120によって送り出された液体は、下流側流路116qを通って第2外側主面110bの流出口114から外部に流出する。
【0024】
送液装置100を用いて液体を送り出す場合、液体は、流入口112に接続された配管を通って流入口112から第1ケーシング110内に流入する。また、液体は、流出口114に接続された配管を通って第1ケーシング110の外部に流出する。このように、液体は、送液装置100に接続された配管を通って流れる。
【0025】
液体は、配管から蒸発することがある。特に、配管として比較的安価なゴムチューブを用いる場合、配管から液体が徐々に蒸発して送液装置100を循環する液体の量が減少することがある。液体の量が減ることで、減った空間に空気が溜まる可能性がある。空気がポンプ内に入り込むと、ポンプが液体を循環させることができなくなる。本発明の送液装置100によれば、循環する液体の量が減少した際に先にポンプ120内に空気が入り込まないようにして、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0026】
次に、
図1A~
図2を参照して例示的な第1の実施形態の送液装置100を説明する。
図2は、送液装置100の模式的な分解斜視図である。
【0027】
図2に示すように、第1ケーシング110の第1外側主面110aに窪み110pが設けられる。ポンプ120は、窪み110pに挿入される。窪み110pの形状は、ポンプ120の外形と略整合する。ポンプ120の厚さ(Z軸方向に沿った長さ)は、窪み110pの深さ(Z軸方向に沿った長さ)よりも小さい。
【0028】
第1外側主面110aの窪み110pは、側面110paと、底面110pbとを有する。底面110pbは、第3方向(Z軸方向)と平行な法線を有する。
【0029】
窪み110pは、第1部分110p1と、第2部分110p2とを有する。第1部分110p1は第2部分110p2と繋がる。第1部分110p1は、第2部分110p2に対して+Z方向側に位置する。第1部分110p1の形状は略直方体形状であり、第2部分110p2の形状は略円柱形状である。第1部分110p1の内径(XY平面に沿った長さ)は、第2部分110p2の内径(XY平面に沿った長さ)よりも大きい。
【0030】
ポンプ120は、第1外面部分120t1と、第2外面部分120t2とを有する。ポンプ120の第1外面部分120t1は、窪み110pの第1部分110p1に対応し、ポンプ120の第2外面部分120t2は、窪み110pの第2部分110p2に対応する。
【0031】
ポンプ120において、第1外面部分120t1は、第2外面部分120t2と繋がる。第1外面部分120t1は、第2外面部分120t2に対して+Z方向側に位置する。第1外面部分120t1の形状は略直方体形状であり、第2外面部分120t2の形状は略円柱形状である。第1外面部分120t1の外径(XY平面に沿った長さ)は、第2外面部分120t2の外径(XY平面に沿った長さ)よりも大きい。
【0032】
ポンプ120の第1外面部分120t1の外径(XY平面に沿った長さ)は、窪み110pの第1部分110p1の内径(XY平面に沿った長さ)とほぼ等しいか、若干小さい。また、ポンプ120の第2外面部分120t2の外径(XY平面に沿った長さ)は、窪み110pの第2部分110p2の内径(XY平面に沿った長さ)とほぼ等しいか、若干小さい。
【0033】
ポンプ120の第1外面部分120t1の厚さ(Z軸方向に沿った長さ)は、窪み110pの第1部分110p1の厚さ(Z軸方向に沿った長さ)よりも小さい。例えば、ポンプ120の第1外面部分120t1の厚さは、窪み110pの第1部分110p1の厚さの半分以下である。ポンプ120の第2外面部分120t2の厚さ(Z軸方向に沿った長さ)は、窪み110pの第2部分110p2の厚さ(Z軸方向に沿った長さ)とほぼ等しいか、若干小さい。
【0034】
第1ケーシング110は、第1部品110vと、第2部品110wと、封止部材110Uとを有する。第1部品110vは一方側が開口(実施形態においては-Z方向側)した略中空箱形状であり、第2部品110wは略板形状である。第1部品110vの開口に対して、第2部品110wが密着して配置される。第1部品110vの開口に対して、第2部品110wが配置されることにより、送液装置100の流路116が形成される。ただし、第1部品110vと第2部品110wとは互いに分離可能である。第1部品110vと第2部品110wとは、XY平面に沿って分離できる。
【0035】
封止部材110Uは、第1部品110vと第2部品110wとの間に配置される。封止部材110Uは、環状構造を有する。封止部材110Uは、弾性を有する。封止部材110Uは、Oリングを含む。第1部品110vおよび第2部品110wのうちの少なくとも一方には、封止部材110Uと接触する部分に、封止部材110Uに対応した溝が形成されてもよい。
【0036】
封止部材110Uにより、第1部品110vおよび第2部品110wによって囲まれた空間から液体が漏れることを抑制できる。第1部品110v、第2部品110wおよび封止部材110Uにより、第1ケーシング110が構成される。
【0037】
第1部品110vは、第1外側主面110aと、第1外側側面110c~第4外側側面110fの大部分とを有する。第2部品110wは、第2外側主面110bと、第1外側側面110c~第4外側側面110fの一部分とを有する。
【0038】
流入口112は、第1部品110vに設けられる。流入口112は、第1部品110vを貫通する。詳細には、流入口112は、第1部品110vのX方向に沿った+X方向側に位置する。
【0039】
流出口114は、第2部品110wに設けられる。流出口114は、第2部品110wを貫通する。詳細には、流出口114は、第2部品110wのX方向に沿った略中央に位置する。流出口114は、窪み110pの下方に位置する。第2部品110wには、流出口114と通じる溝が形成されてもよい。
【0040】
次に、
図1A~
図3Dを参照して、送液装置100におけるポンプ120を説明する。
図3Aは、ポンプ120の模式的な斜視図であり、
図3Bは、ポンプ120の模式的な分解斜視図である。
図3Cは、ポンプ120の断面斜視図であり、
図3Dは、第1部品110vの窪み110pに挿入されたポンプ120の模式的な断面図である。
【0041】
図3Aおよび
図3Bに示すように、ポンプ120は、第2ケーシング122と、インペラ124と、ポンプ回転軸126と、モータ128とを有する。インペラ124は、後述するポンプ室P内に配置される。また、ポンプ回転軸126は、第1ケーシング110の軸支持部110ps(
図4A)と第2ケーシング122に装着される。インペラ124はポンプ回転軸126により支持され、ポンプ回転軸126が軸中心として回転すると、インペラ124が回転する。モータ128は、ポンプ回転軸126を中心にインペラ124を回転させる。
【0042】
ポンプ120は、第1外面部分120t1と、第2外面部分120t2とを有する。詳細には、第2ケーシング122は、第1外面部分120t1と、第2外面部分120t2とを有する。第1外面部分120t1は、第2外面部分120t2に対して+Z方向側に位置する。
【0043】
図3Bおよび
図3Cに示すように、モータ128は、ロータ128aと、ステータ128bと、ヨーク128cとを有する。ロータ128aは、ステータ128bに対向する。ヨーク128cは、ロータ128aに対して径方向外側に取り付けられる。ステータ128bは、駆動電流に応じて磁束を発生させる電機子である。ステータ128bは、ポンプ回転軸126を中心とする略円環状構造である。
【0044】
モータ128の駆動時には、外部電源から駆動回路(図示せず)を介してステータ128bに駆動電流が供給される。駆動電流の供給に応じてステータ128bに磁束が生じ、ステータ128bとロータ128aとの間の磁気的反発および吸引の作用により、周方向のトルクが生じる。これにより、ロータ128aが、ポンプ回転軸126を中心に回転し始める。
【0045】
ロータ128aおよびヨーク128cは、インペラ124に取り付けられる。このため、液体が後述するポンプ室P内を流れる場合、ロータ128aおよびヨーク128cは、インペラ124とともに液体に浸る。
【0046】
ステータ128bは、第2ケーシング122の内部に配置され、ポンプ室Pから隔離される。このため、液体が流路116を流れる場合、ステータ128bは、液体に濡れない。ステータ128bからの磁束に応じてロータ128aが回転する。このため、ロータ128aの回転に伴って、インペラ124が回転する。
【0047】
図3Dに示すように、ポンプ120は、第1ケーシング110の窪み110pに挿入される。上述したように、第1外側主面110aの窪み110pは、側面110paと、底面110pbとを有する。底面110pbは、第3方向(Z軸方向)に沿った法線を有する。ポンプ回転軸126は、第3方向(Z軸方向)に対して平行に延びる。ポンプ120が窪み110pに挿入されると、ポンプ回転軸126は、窪み110pの底面110pbの法線方向に平行に配置される。このため、ポンプ120を安定的に回転できる。
【0048】
第1部品110vにおいて、窪み110pの底面110pbには開口部110pcが設けられる。開口部110pcは、略円形状の中心に位置する。開口部110pcは、ポンプ流入口120pとして機能する。
【0049】
また、第1部品110vにおいて、窪み110pの側面110paと底面110pbとの境界に貫通孔110hが設けられる。貫通孔110hは、窪み110pの底面110pbにおいて+X方向側および-Y方向側に位置する。貫通孔110hは、ポンプ流出口120qとして機能する。
【0050】
ポンプ120を第1ケーシング110の窪み110pに取り付けることにより、第1ケーシング110とポンプ120の第2ケーシング122との間にポンプ室Pが形成される。ポンプ室Pは、第1ケーシング110と第2ケーシング122との間に位置する。ポンプ室Pには、インペラ124が収納される。
【0051】
ポンプ室Pには、ポンプ流入口120pおよびポンプ流出口120qが位置する。ポンプ流入口120pは、ポンプ室Pの-Z方向側の面の中心に位置する。ポンプ流出口120qは、ポンプ室Pの+X方向側および-Y方向側の側面に位置する。第1ケーシング110のポンプ流入口120pからポンプ室Pに液体が流入する。インペラ124の回転により、ポンプ室P内の液体は押し出されて第1ケーシング110のポンプ流出口120qから流出する。
【0052】
このように、インペラ124は、第1ケーシング110と第2ケーシング122との間に位置するポンプ室Pに収納される。このため、モータ128がインペラ124を回転させることにより、液体を循環できる。
【0053】
次に、
図1~
図5を参照して、送液装置100における第1部品110vを説明する。
図4Aは、主として+Z方向側から-Z方向側に第1部品110vを見た模式的な斜視図である。
図4Bは、主として+-Z方向側から+Z方向側に第1部品110vを見た模式的な斜視図である。
図5は、XY平面に沿って切断した第1部品110vの模式的な断面斜視図である。
【0054】
図4Aに示すように、第1部品110vの第1外側主面110aには、窪み110pが設けられている。窪み110pの形状は、ポンプ120の形状に対応する。
【0055】
窪み110pは、第1部分110p1と、第2部分110p2とを有する。第1部分110p1は第2部分110p2と繋がる。第1部分110p1は、第2部分110p2に対して+Z方向側に位置する。第2部分110p2の中央に、ポンプ回転軸126(
図3A~
図3D)を支持するための軸支持部110psが設けられる。軸支持部110psは、底面110pbから+Z方向側に突出する。軸支持部110psの-Z方向側には開口部110pc(
図4B)が位置する。
【0056】
窪み110pの底面110pbには貫通孔110hが設けられる。詳細には、貫通孔110hは、第2部分110p2に位置する。貫通孔110hは、窪み110pの底面110pbを貫通する。貫通孔110hは、窪み110pの底面110pbのうちの+X方向側および-Y方向側に位置する。貫通孔110hにより、第1部品110vの外側と内側とがZ方向に貫通する。
【0057】
図4Bは、第1部品110vの第1外側主面110aの裏面を示す。
図4Bに示すように、第1部品110vには、窪み110pに対応して突起部110rが設けられる。突起部110rは、第1外側主面110aの裏側に設けられる。第1外側主面110aの裏側には、流路116が形成される。
【0058】
詳細には、突起部110rは、窪み110pの第1部分110p1に対応する第1部分110r1と、窪み110pの第2部分110p2に対応する第2部分110r2とを有する。第1部分110r1は第2部分110r2と繋がる。第2部分110r2は、第1部分110r1に対して-Z方向側に位置する。第1部分110r1の形状は略直方体形状であり、第2部分110r2の形状は略円柱形状である。第1部分110r1の外径(XY平面に沿った長さ)は、第2部分110r2の外径(XY平面に沿った長さ)よりも大きい。
【0059】
突起部110rにはスリット110sが設けられる。スリット110sは、第1外側主面110aの裏側に設けられる。突起部110rは、スリット110sの設けられた第3部分110r3をさらに有する。第3部分110r3は、第1部分110r1および第2部分110r2にまたがって位置する。詳細には、第3部分110r3は、第1部分110r1および第2部分110r2のうちの+X方向側に位置する。
【0060】
スリット110sは、貫通孔110hと繋がる。貫通孔110hおよびスリット110sは、流路116における下流側流路116q(
図1B)を構成する。
【0061】
第1部品110vにおいて第1外側側面110c~第4外側側面110fの-Z方向側の端部は、突起部110rの第2部分110r2の-Z方向側の端部よりも-Z方向側に位置する。このため、上流側流路116pは、流路116のうちポンプ流入口120pと通じ、ポンプ120に対して-Z方向側に対向する流路を有する。本明細書において、上流側流路116pのうちポンプ流入口120pと通じ、ポンプ120に対して-Z方向側に対向する流路を中間流路116mと記載することがある。
【0062】
図4Bおよび
図5に示すように、上流側流路116pは、第1タンク室116tおよび第2タンク室116kをさらに有する。第1タンク室116tは、流入口112と繋がる。第1タンク室116tは、ポンプ120に対して+X方向側に位置する。第2タンク室116kは、ポンプ120に対して-X方向側に位置する。第1タンク室116tの容積は、中間流路116mの容積よりも大きい。また、第1タンク室116tのX方向に沿った長さは、ポンプ室PのX方向に沿った長さよりも大きい。
【0063】
第2タンク室116kは、中間流路116mと繋がる。第2タンク室116kは、流路116のうちポンプ流入口120pと通じる。第2タンク室116kの容積は、中間流路116mの容積よりも大きい。
【0064】
第1タンク室116tの容積は、第2タンク室116kの容積よりも大きい。流入口112と繋がる第1タンク室116tの容積が大きいことにより、流入口112から多量の空気が流路116に流入しても、ポンプ120に空気が流入することを抑制できる。
【0065】
上流側流路116pは、第1連絡流路116rと、第2連絡流路116sとを有する。第1連絡流路116rは、第1タンク室116tと第2タンク室116kとを第2方向の一方側(+Y方向側)で繋ぐ。第2連絡流路116sは、第1タンク室116tと第2タンク室116kとを第2方向の他方側(-Y方向側)で繋ぐ。
【0066】
このように、第1タンク室116tと第2タンク室116kとが第1連絡流路116rおよび第2連絡流路116sを介して繋がる。このため、送液装置100の姿勢が急に変化しても、液体を流路116にスムーズに流すことができる。
【0067】
図5に示すように、窪み110pは、-X方向側において、第1外側側面110cと連結部110uを介して連結される。連結部110uは、第2タンク室116kの+Z方向側に位置する。
【0068】
本実施形態の送液装置100では、下流側流路116qは、第1ケーシング110のうちのポンプ120に対して-Z方向側の一部に対してのみ形成されており、上流側流路116pは第1ケーシング110の大部分を占める。このため、送液装置100の姿勢が変化しても、ポンプ120を液体に浸すことができ、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0069】
次に、
図6A~
図6Cを参照して、送液装置100における上流側流路116p(
図1B)を説明する。ポンプ流入口120pを基準とした場合、上流側流路116pは、第1流路116a、第2流路116b、第3流路116c、第4流路116d、第5流路116eおよび第6流路116fに分けることができる。
【0070】
図6Aに示すように、第1流路116aは、上流側流路116pのうちポンプ流入口120pに対して+X方向側に位置する部分である。第2流路116bは、上流側流路116pのうちポンプ流入口120pに対して-X方向側に位置する部分である。
【0071】
第1流路116aの第1方向の一方側(+X方向側)の端部は、ポンプ室Pの第1方向の一方側(+X方向側)の端部よりも第1方向の一方側(+X方向側)に位置する。また、第2流路116bの第1方向の他方側(-X方向側)の端部は、ポンプ室Pの第1方向の他方側(-X方向側)の端部よりも第1方向の他方側(-X方向側)に位置する。
【0072】
図6Bに示すように、第3流路116cは、上流側流路116pのうちポンプ流入口120pに対して+Y方向側に位置する部分である。第4流路116dは、上流側流路116pのうちポンプ流入口120pに対して-Y方向側に位置する部分である。
【0073】
第3流路116cの第2方向の一方側(+Y方向側)の端部は、ポンプ室Pの第2方向の一方側(+Y方向側)の端部よりも第2方向の一方側(+Y方向側)に位置する。第4流路116dの第2方向の他方側(-Y方向側)の端部は、ポンプ室Pの第2方向の他方側(-Y方向側)の端部よりも第2方向の他方側(-Y方向側)に位置する。
【0074】
図6Cに示すように、第5流路116eは、上流側流路116pのうちポンプ流入口120pに対して+Z方向側に位置する部分である。第6流路116fは、上流側流路116pのうちポンプ流入口120pに対して-Z方向側に位置する部分である。
【0075】
第5流路116eの第3方向の一方側(+Z方向側)の端部は、ポンプ室Pの第3方向の一方側(+Z方向側)の端部よりも第3方向の一方側(+Z方向側)に位置する。第6流路116fの第3方向の他方側(-Z方向側)の端部は、ポンプ室Pの第3方向の他方側(-Z方向側)の端部よりも第3方向の他方側(-Z方向側)に位置する。以上により、送液装置100の姿勢に関わらず、ポンプ室Pに空気が溜まることを抑制できる。
【0076】
このように、上流側流路116pは、ポンプ流入口120pに対して第1方向の一方側(+X方向側)に位置する第1流路116aと、ポンプ流入口120pに対して第1方向の他方側(-X方向側)に位置する第2流路116bと、ポンプ流入口120pに対して第1方向と直交する第2方向の一方側(+Y方向側)に位置する第3流路116cと、ポンプ流入口120pに対して第2方向の他方側(-Y方向側)に位置する第4流路116dと、ポンプ流入口120pに対して第1方向および第2方向とそれぞれ直交する第3方向の一方側(+Z方向側)に位置する第5流路116eと、ポンプ流入口120pに対して第3方向の他方側に(-Z方向側)位置する第6流路116fとを有する。したがって、送液装置100の姿勢に関わらず、ポンプ120に空気が流入することを抑制でき、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0077】
また、第1流路116a~第6流路116fのそれぞれの端部は、ポンプ室Pの対応する端部よりも遠くに位置する。このため、送液装置100の姿勢に関わらず、ポンプ室Pに空気が溜まることを抑制できる。
【0078】
次に、
図1A~
図7Cを参照して、送液装置100における上流側流路116p(
図1B)を説明する。ポンプ室Pを基準とした場合、上流側流路116pは、第1タンク室116t、第2タンク室116k、第1連絡流路116r、第2連絡流路116s、第3連絡流路116u、第4連絡流路116wに分けることができる。
【0079】
図7Aに示すように、第1タンク室116tは、上流側流路116pのうちポンプ室Pに対して+X方向側に位置する。第2タンク室116kは、上流側流路116pのうちポンプ室Pに対して-X方向側に位置する。
【0080】
第1タンク室116tおよび第2タンク室116kのY方向に沿った長さは、ポンプ室PのY方向に沿った長さよりも大きい。また、第1タンク室116tおよび第2タンク室116kのZ方向に沿った長さは、ポンプ室PのZ方向に沿った長さよりも大きい。
【0081】
上述したように、第1タンク室116tは、流入口112と繋がる。第1タンク室116tは、第1流路116aの少なくとも一部と、第3流路116cの少なくとも一部と、第4流路116dの少なくとも一部と、第5流路116eの少なくとも一部と、第6流路116fの少なくとも一部とを有する。流入口112と繋がる第1タンク室116tにより、空気が流入口112から流路116に流入しても、ポンプ120に空気が流入することを抑制できる。
【0082】
また、上述したように、第2タンク室116kは、ポンプ室Pに対して第1タンク室116tとは反対側に位置する。第2タンク室116kは、第2流路116bの少なくとも一部と、第3流路116cの少なくとも一部と、第4流路116dの少なくとも一部と、第5流路116eの少なくとも一部と、第6流路116fの少なくとも一部とを有する。第2タンク室116kにより、送液装置100の姿勢が変化しても、ポンプ120に空気が流入することを抑制できる。
【0083】
図7Bに示すように、第1連絡流路116rは、上流側流路116pのうちポンプ室Pに対して+Y方向側に位置する。第2連絡流路116sは、上流側流路116pのうちポンプ室Pに対して-Y方向側に位置する。
【0084】
第1連絡流路116rおよび第2連絡流路116sのX方向に沿った長さは、ポンプ室PのX方向に沿った長さよりも大きい。また、第1連絡流路116rおよび第2連絡流路116sのZ方向に沿った長さは、ポンプ室PのZ方向に沿った長さよりも大きい。
【0085】
図7Cに示すように、第3連絡流路116uは、上流側流路116pのうちポンプ室Pに対して+Z方向側に位置する。第4連絡流路116wは、上流側流路116pのうちポンプ室Pに対して-Z方向側に位置する。第3連絡流路116uのZ方向に沿った長さは、ポンプ室PのZ方向に沿った長さよりも大きい。また、第4連絡流路116wのZ方向に沿った長さは、ポンプ室PのZ方向に沿った長さよりも大きい。
【0086】
さらに、第3連絡流路116uおよび第4連絡流路116wのX方向に沿った長さは、ポンプ室PのX方向に沿った長さよりも大きい。また、第3連絡流路116uおよび第4連絡流路116wのY方向に沿った長さは、ポンプ室PのY方向に沿った長さよりも大きい。
【0087】
次に、
図8A~
図10Bを参照して、送液装置100を説明する。
図8A~
図10Bにおいて、送液装置100は異なる姿勢を示す。
図8Aは、第2外側側面110dが鉛直上方を向いた送液装置100の模式図であり、
図8Bは、第1外側側面110cが鉛直上方を向いた送液装置100の模式図である。
図9Aは、第3外側側面110eが鉛直上方を向いた送液装置100の模式図であり、
図9Bは、第4外側側面110fが鉛直上方を向いた送液装置100の模式図である。
図10Aは、第1外側主面110aが鉛直上方を向いた送液装置100の模式図であり、
図10Bは、第2外側主面110bが鉛直上方を向いた送液装置100の模式図である。
【0088】
図8Aに示すように、送液装置100において+X方向側に位置する第2外側側面110dが鉛直上方を向いた場合、流路116の第1流路116aがポンプ室Pの上方に位置する。このため、第2外側側面110dが鉛直上方を向いた状態で、送液装置100の第1ケーシング110の流路116に気泡が流入しても、流入した気泡は第1流路116aに溜まることになる。したがって、気泡がポンプ流入口120pに流入することを抑制でき、結果として、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0089】
図8Bに示すように、送液装置100において-X方向側に位置する第1外側側面110cが鉛直上方を向いた状態で、流路116の第2流路116bがポンプ室Pの上方に位置する。このため、第1外側側面110cが鉛直上方を向いた状態で、送液装置100の第1ケーシング110の流路116に気泡が流入しても、流入した気泡は第2流路116bに溜まることになる。したがって、気泡がポンプ流入口120pに流入することを抑制でき、結果として、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0090】
図9Aに示すように、送液装置100において+Y方向側に位置する第3外側側面110eが鉛直上方を向いた状態で、流路116の第3流路116cがポンプ室Pの上方に位置する。このため、第3外側側面110eが鉛直上方を向いた状態で、送液装置100の第1ケーシング110の流路116に気泡が流入しても、流入した気泡は第3流路116cに溜まることになる。したがって、気泡がポンプ流入口120pに流入することを抑制でき、結果として、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0091】
図9Bに示すように、送液装置100において-Y方向側に位置する第4外側側面110fが鉛直上方を向いた状態で、流路116の第4流路116dがポンプ室Pの上方に位置する。このため、第4外側側面110fが鉛直上方を向いた状態で、送液装置100の第1ケーシング110の流路116に気泡が流入しても、流入した気泡は第4流路116dに溜まることになる。したがって、気泡がポンプ流入口120pに流入することを抑制でき、結果として、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0092】
図10Aに示すように、送液装置100において+Z方向側に位置する第1外側主面110aが鉛直上方を向いた状態で、流路116の第5流路116eがポンプ室Pの上方に位置する。このため、第1外側主面110aが鉛直上方を向いた状態で、送液装置100の第1ケーシング110の流路116に気泡が流入しても、流入した気泡は第5流路116eに溜まることになる。したがって、気泡がポンプ流入口120pに流入することを抑制でき、結果として、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0093】
図10Bに示すように、送液装置100において-Z方向側に位置する第2外側主面110bが鉛直上方を向いた状態で、流路116の第6流路116fがポンプ室Pの上方に位置する。このため、第2外側主面110bが鉛直上方を向いた状態で、送液装置100の第1ケーシング110の流路116に気泡が流入しても、流入した気泡は第6流路116fに溜まることになる。したがって、気泡がポンプ流入口120pに流入することを抑制でき、結果として、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0094】
次に、
図11を参照して冷却ユニット200を説明する。
図11は、冷却ユニット200の模式的な斜視図である。
【0095】
図11に示すように、冷却ユニット200は、例示的な第1の実施形態の送液装置100と、配管210と、ラジエータ220と、コールドプレート230とを有する。冷却ユニット200は、冷媒として液体を循環する。送液装置100が液体を順次送り出すことにより、冷却ユニット200において液体が循環する。
【0096】
送液装置100、ラジエータ220およびコールドプレート230は、配管210を介して接続する。送液装置100は、配管210を介して供給された液体を、ラジエータ220に向けて送り出す。送液装置100から送り出された液体は、配管210を介してラジエータ220まで流れる。ラジエータ220は、配管210を流れる液体の熱を外部に放出するため、配管210内の液体は冷却される。
【0097】
配管210は、筒状である。例えば、配管210は、樹脂から形成される。一例では、配管210は、ゴムチューブである。
【0098】
典型的には、コールドプレート230は、熱源の近くに配置される。例えば、コールドプレート230は、熱源に対向して配置される。あるいは、コールドプレート230は、熱源と接触して配置されてもよい。コールドプレート230に、ラジエータ220において冷却された液体が流れると、熱源の熱は、コールドプレート230を伝わってコールドプレート230内部の液体に吸収される。その後、コールドプレート230を通過した液体は、送液装置100に戻り、再び、配管210に送り出される。
【0099】
配管210は、流入配管212と、流出配管214と、連絡配管216とを有する。流入配管212は、送液装置100の流入口112に接続される。流入配管212は、コールドプレート230と送液装置100の流入口112とを繋ぐ。コールドプレート230において熱を吸収した液体は、流入配管212を通って送液装置100に向かって流れる。
【0100】
流出配管214は、送液装置100の流出口114に接続される。流出配管214は、送液装置100とラジエータ220とを繋ぐ。送液装置100から送り出された液体は、流出配管214を通ってラジエータ220に向かって流れる。ラジエータ220により、液体の熱が放出される。このため、液体は、ラジエータ220において冷却される。
【0101】
連絡配管216は、ラジエータ220とコールドプレート230とを繋ぐ。ラジエータ220において冷却された液体は、連絡配管216を通ってコールドプレート230に向かって流れる。コールドプレート230において液体は、熱源からの熱を吸収する。コールドプレート230において熱を吸収した液体は、流入配管212を通って送液装置100に向かって流れる。その後、液体は、送液装置100において再び送り出され、流出配管214、ラジエータ220、連絡配管216、コールドプレート230および流入配管212を通って循環する。
【0102】
なお、
図11を参照した上述の説明では、例示的な第1の実施形態の送液装置100は、コールドプレート230に液体を供給したが、本実施形態はこれに限定されない。コールドプレートは送液装置内に配置されてもよい。
【0103】
次に、
図12A~
図18を参照して、例示的な第2の実施形態の送液装置100を説明する。例示的な第2の実施形態の送液装置100は、流出口114が第1外側主面110aに設けられるとともに、コールドプレート130、仕切板140および弾性部材150をさらに有する点で例示的な第1の実施形態の送液装置100とは異なる。例示的な第2の実施形態の送液装置100において、例示的な第1の実施形態の送液装置100と重複する説明は、冗長を避けるために省略する。
【0104】
図12Aは、送液装置100の模式的な斜視図であり、
図12Bは、送液装置100の模式的な一部透視図である。第2の実施形態の送液装置100は、発熱部品の冷却に用いられる。
【0105】
典型的には、送液装置100は、発熱部品に取り付けられる。送液装置100に流入した液体は、発熱部品の熱を吸収する。その後、液体は、送液装置100から外部に流出する。送液装置100により、発熱部品の熱を吸収できる。
【0106】
なお、
図12Aおよび
図12Bでは、送液装置100の+Z軸側が鉛直上方を向いているが、送液装置100の+Z軸側が鉛直上方を向かなくてもよい。送液装置100の向きは、+Z軸側以外の面が鉛直上方を向いてもよい。
【0107】
図12Aおよび
図12Bに示すように、第1ケーシング110の第1外側主面110aに流入口112および流出口114が設けられる。流入口112および流出口114は、第1外側主面110aから+Z方向側に突出する。
【0108】
送液装置100は、第1ケーシング110およびポンプ120に加えて、コールドプレート130、仕切板140および弾性部材150をさらに有する。コールドプレート130は、発熱部品と接するように配置される。コールドプレート130は、第1ケーシング110内に配置される。コールドプレート130は、第1ケーシング110の-Z方向側に位置する。コールドプレート130は、下流側流路116qに配置される。例えば、コールドプレート130は、第2部品110wに取り付けられる。コールドプレート130は、例えば、金属から構成される。
【0109】
送液装置100が発熱部品を冷却する場合、発熱部品は、コールドプレート130に取り付けられる。典型的には、コールドプレート130は、発熱部品の近くに配置される。例えば、コールドプレート130は、発熱部品に対向して配置される。
【0110】
例えば、送液装置100は、内部に発熱素子を有する電子機器を冷却してもよい。送液装置100は、電子機器の回路を冷却してもよい。あるいは、送液装置100は、電子機器の光源等を冷却してもよい。例えば、電子機器は、サーバ、プロジェクター、ノート型パーソナルコンピュータ、二次元ディスプレイ装置のいずれであってもよい。
【0111】
仕切板140は、ポンプ120とコールドプレート130との間に位置する。仕切板140が第1部品110vに装着されると、第1ケーシング110内の上流側流路116pが仕切板140よりも+Z方向側に仕切られる。仕切板140には、スリット140sが設けられており、スリット140sはポンプ流出口120qと通じる。スリット140sは、下流側流路116qの一部を構成する。
【0112】
上流側流路116pは、ポンプ120と仕切板140との間の位置に、第6流路116fの少なくとも一部として、中間流路116mを有する。このため、第3方向他方側(-Z方向側)が鉛直上方に位置するように送液装置100の姿勢が変化しても、中間流路116mによりポンプ120に空気が流入することを抑制できる。
【0113】
弾性部材150は、コールドプレート130と仕切板140との間に位置する。弾性部材150により、コールドプレート130に対する仕切板140の衝撃を緩衝できる。
【0114】
ここでは、流入口112および流出口114は、第1外側主面110aに位置する。第1外側主面110aの流入口112から流入した液体は、上流側流路116pを通ってポンプ120に到達する。
【0115】
ポンプ120によって送り出された液体は、下流側流路116qを通って流出口114から外部に流出する。詳細には、ポンプ120によって送り出された液体は、仕切板140および弾性部材150を通過してコールドプレート130に流れる。コールドプレート130に流れた液体は、発熱部品からの熱を吸収する。その後、液体は、流出口114を通過して外部に流出する。
【0116】
第1外側側面110cには第1外側主面110aの窪み110pと連絡する溝110gが設けられる。このため、第5流路116eを設けるとともにポンプ駆動のための配線を容易に取付できる。
【0117】
次に、
図12A~
図13を参照して例示的な第2の実施形態の送液装置100を説明する。
図13は、送液装置100の模式的な分解斜視図である。
【0118】
図13に示すように、送液装置100は、第1ケーシング110と、ポンプ120と、コールドプレート130と、仕切板140と、弾性部材150とを有する。コールドプレート130、仕切板140および弾性部材150は、第1部品110vおよび第2部品110wによって形成される空間に配置される。
【0119】
コールドプレート130は、第2部品110wに取り付けられる。典型的には、第2部品110wの2つの主面のうちの+Z方向側の主面にコールドプレート130が取り付けられ、-Z方向側の主面に発熱部品が取り付けられる。コールドプレート130は、フィン構造であってもよい。
【0120】
仕切板140には、スリット140sが設けられる。詳細には、仕切板140のX方向に沿った略中央にスリット140sが位置する。スリット140sは、Y方向に延びる。
【0121】
弾性部材150は、コールドプレート130と仕切板140との間に位置する。弾性部材150のX方向に沿った長さおよびY方向に沿った長さは、コールドプレート130のX方向に沿った長さおよびY方向に沿った長さとそれぞれほぼ等しい。このため、コールドプレート130が仕切板140と直接接触することを避けることができる。
【0122】
弾性部材150には、スリット150sが設けられる。詳細には、弾性部材150のX方向に沿った略中央にスリット150sが位置する。スリット150sは、Y方向に延びる。スリット140sおよびスリット150sは、互いに重なり、下流側流路116qの一部を構成する。
【0123】
なお、
図13には図示しないが、流出口114は、第1部品110vの第1外側主面110aの裏面から-Z方向に延びる。第1部品110vの内部において流出口114は、第1部品110v内の上流側流路116pを貫通するとともに仕切板140および弾性部材150を貫通する。
【0124】
次に、
図14Aおよび
図14Bを参照して、送液装置100における第1部品110vを説明する。
図14Aは、第1部品110vを+Z方向側から-Z方向側に見た模式的な斜視図である。
図14Bは、第1部品110vを-Z方向側から+Z方向側に見た模式的な斜視図である。
【0125】
図14Aに示すように、第1部品110vの第1外側主面110aには、窪み110pが設けられている。窪み110pは、略円柱形状を有する。窪み110pの形状は、ポンプ120の形状に対応する。窪み110pには、段差110pdが設けられる。詳細には、窪み110pの第2部分110p2に段差110pdが設けられる。窪み110pの段差110pdにおいて、窪み110pの内径は、窪み110pが深くなるほど(-Z方向に進むほど)、小さくなる。
【0126】
図14Bは、第1部品110vの第1外側主面110aの裏面を示す。
図14Bに示すように、第1部品110vには、窪み110pに対応して突起部110rが設けられる。突起部110rは、第1外側主面110aの裏側に設けられる。第1外側主面110aの裏側に、流路116が形成される。
【0127】
詳細には、突起部110rは、窪み110pの第1部分110p1に対応する第1部分110r1と、窪み110pの第2部分110p2に対応する第2部分110r2とを有する。第1部分110r1は第2部分110r2と繋がる。第2部分110r2は第1部分110r1に対して-Z方向側に位置する。第1部分110r1の形状は略直方体形状であり、第2部分110r2の形状は略円柱形状である。第1部分110r1の外径(XY平面に沿った長さ)は、第2部分110r2の外径(XY平面に沿った長さ)よりも大きい。
【0128】
突起部110rには、段差110rdが設けられる。突起部110rの段差110rdは、窪み110pの段差110pdに対応する。詳細には、突起部110rの第2部分110r2に段差110rdが設けられる。突起部110rの段差110rdにおいて、突起部110rの外径は、突起部110rが高くなるほど(-Z方向に進むほど)、小さくなる。
【0129】
また、例示的な第2の実施形態の送液装置100では、流出口114が、第1タンク室116t内に位置する。上述したように、流出口114は、仕切板140を貫通して第2部品110w側まで延びる。
【0130】
【0131】
図15Aは、第2外側側面110dが鉛直上方を向いた送液装置100を示し、
図15Bは、第1外側側面110cが鉛直上方を向いた送液装置100を示す。
図16Aは、第3外側側面110eが鉛直上方を向いた送液装置100を示し、
図16Bは、第4外側側面110fが鉛直上方を向いた送液装置100を示す。
図17Aは、第1外側主面110aが鉛直上方を向いた送液装置100を示し、
図17Bは、第2外側主面110bが鉛直上方を向いた送液装置100を示す。
【0132】
図15Aに示すように、送液装置100において+X方向側に位置する第2外側側面110dが鉛直上方を向いた状態で、流路116の第1流路116aがポンプ室Pの上方に位置する。このため、第2外側側面110dが鉛直上方を向いた状態で、送液装置100の第1ケーシング110の流路116に気泡が流入しても、流入した気泡は第1流路116aに溜まることになる。したがって、気泡がポンプ流入口120pに流入することを抑制でき、結果として、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0133】
図15Bに示すように、送液装置100において-X方向側に位置する第1外側側面110cが鉛直上方を向いた状態で、流路116の第2流路116bがポンプ室Pの上方に位置する。このため、第1外側側面110cが鉛直上方を向いた状態で、送液装置100の第1ケーシング110の流路116に気泡が流入しても、流入した気泡は第2流路116bに溜まることになる。したがって、気泡がポンプ流入口120pに流入することを抑制でき、結果として、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0134】
図16Aに示すように、送液装置100において+Y方向側に位置する第3外側側面110eが鉛直上方を向いた状態で、流路116の第3流路116cがポンプ室Pの上方に位置する。このため、第3外側側面110eが鉛直上方を向いた状態で、送液装置100の第1ケーシング110の流路116に気泡が流入しても、流入した気泡は第3流路116cに溜まることになる。したがって、気泡がポンプ流入口120pに流入することを抑制でき、結果として、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0135】
図16Bに示すように、送液装置100において-Y方向側に位置する第4外側側面110fが鉛直上方を向いた状態で、流路116の第4流路116dがポンプ室Pの上方に位置する。このため、第4外側側面110fが鉛直上方を向いた状態で、送液装置100の第1ケーシング110の流路116に気泡が流入しても、流入した気泡は第4流路116dに溜まることになる。したがって、気泡がポンプ流入口120pに流入することを抑制でき、結果として、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0136】
図17Aに示すように、送液装置100において+Z方向側に位置する第1外側主面110aが鉛直上方を向いた状態で、流路116の第5流路116eがポンプ室Pの上方に位置する。このため、第1外側主面110aが鉛直上方を向いた状態で、送液装置100の第1ケーシング110の流路116に気泡が流入しても、流入した気泡は第5流路116eに溜まることになる。したがって、気泡がポンプ流入口120pに流入することを抑制でき、結果として、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0137】
図17Bに示すように、送液装置100において-Z方向側に位置する第2外側主面110bが鉛直上方を向いた状態で、流路116の第6流路116fがポンプ室Pの上方に位置する。このため、第2外側主面110bが鉛直上方を向いた状態で、送液装置100の第1ケーシング110の流路116に気泡が流入しても、流入した気泡は第6流路116fに溜まることになる。したがって、気泡がポンプ流入口120pに流入することを抑制でき、結果として、ポンプ120の空転を抑制できる。
【0138】
第6流路116fは、ポンプ120とコールドプレート130との間に位置する。発熱部品と接するコールドプレート130を送液装置100内に配置することで、冷却ユニット200全体の大きさを小さくすることができる。このような構造でも、送液装置100の姿勢に関わらず、ポンプ室Pに空気が溜まることを抑制できる。
【0139】
次に、
図12~
図18を参照して、冷却ユニット200を説明する。
図18は、冷却ユニット200の模式図である。例示的な第2の実施形態の冷却ユニット200は、送液装置100を有する。冷却ユニット200は、発熱部品の冷却に用いられる。
【0140】
冷却ユニット200は、送液装置100と、配管210と、ラジエータ220とを有する。送液装置100は、液体を循環する。送液装置100が液体を順次送り出すことにより、冷却ユニット200において液体が循環する。
【0141】
送液装置100およびラジエータ220は、配管210を介して接続する。送液装置100は、配管210を介して供給された液体を、ラジエータ220に向けて送り出す。液体は、送液装置100によって配管210を介してラジエータ220にまで送られる。ラジエータ220は、配管210を流れる液体の熱を外部に放出するため、配管210内の液体は冷却される。
【0142】
送液装置100のコールドプレート130に、ラジエータ220において冷却された液体が流れると、発熱部品の熱は、コールドプレート130および内部の液体に吸収される。
【0143】
上述したように、液体は、配管210を通って流れる。この際に、液体が、配管210から蒸発することがある。特に、配管210として比較的安価なゴムチューブを用いる場合、冷却ユニット200を長期間使用すると、配管210から液体が徐々に蒸発して冷却ユニット200を循環する液体の量が減少することがある。送液装置100によれば、送液装置100を循環する液体の量が減少してもポンプ120の空転を抑制できる。
【0144】
配管210は、流入配管212と、流出配管214とを有する。流入配管212および流出配管214は、それぞれ、ラジエータ220と送液装置100とを繋ぐ。ラジエータ220は、流入配管212および流出配管214の少なくとも一方に接続される。ここでは、流入配管212は、ラジエータ220と送液装置100の流入口112に接続される。また、流出配管214は、ラジエータ220と送液装置100の流出口114に接続される。
【0145】
送液装置100において発熱部品の熱を吸収した液体は、送液装置100から流出配管214を通ってラジエータ220に向かって送り出される。ラジエータ220により、液体の熱が放出される。このため、液体は、ラジエータ220において冷却される。送液装置100により、ラジエータ220の液体を供給できる。
【0146】
ラジエータ220において冷却された液体は、流入配管212を通って送液装置100に向かって流れる。送液装置100において液体は、発熱部品からの熱を吸収する。送液装置100において発熱部品の熱を吸収した液体は、再び送液装置100によって押し出され、再び、流出配管214および流入配管212を通って循環する。
【0147】
本実施形態の冷却ユニット200によれば、ラジエータ220において冷却された液体を送液装置100のコールドプレート130に供給できるため、発熱部品の熱を効率的に吸収できる。また、冷却ユニット200によれば、送液装置100の姿勢にかかわらずポンプ120の空転を抑制できる。
【0148】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0149】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は、送液装置、冷却モジュールおよび冷却ユニットに好適に利用される。
【符号の説明】
【0151】
100 送液装置
110 第1ケーシング
112 流入口
114 流出口
116 流路
116p 上流側流路
116q 下流側流路
116a 第1流路
116b 第2流路
116c 第3流路
116d 第4流路
116e 第5流路
116f 第6流路
120 ポンプ
120p ポンプ流入口
120q ポンプ流出口