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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】変電所制御装置および変電所制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20240806BHJP
   H02J 9/04 20060101ALI20240806BHJP
   H02J 9/08 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H02J13/00 311A
H02J9/04
H02J9/08
H02J13/00 301A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020213155
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022099407
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】岩井 正浩
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宣久
(72)【発明者】
【氏名】石津 一成
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-186200(JP,A)
【文献】特開2017-017974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B9/00-9/05
H02J3/00-5/00
H02J9/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
需要家と変電所と制御所を含む電力供給システムにおける前記変電所に設けられる変電所制御装置であって、
非常時に非常時用配電線を用いて非常時用の電力供給を行う需要家から送信される非常時起動信号を受信した場合に、前記変電所と前記非常時用配電線との接続状態を投入状態と開放状態とで切り替える遮断器を開放状態に切り替え、
前記遮断器の開放状態を前記需要家に通知し、
前記遮断器の開放状態が通知された前記需要家から送信される非常時発動途中信号を受信した場合に、インターロックにより前記遮断器につながる断路器が投入されないようにする、
変電所制御装置。
【請求項2】
前記遮断器の開放状態を前記制御所に通知する、
請求項1に記載の変電所制御装置。
【請求項3】
非常時が発動途中であることを前記制御所に通知する、
請求項1または請求項2に記載の変電所制御装置。
【請求項4】
前記遮断器を開放状態に切り替えた後に、前記断路器を開放状態に切り替え、
前記遮断器および前記断路器の開放状態を前記需要家に通知する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変電所制御装置。
【請求項5】
前記遮断器および前記断路器の開放状態を前記制御所に通知する、
請求項4に記載の変電所制御装置。
【請求項6】
前記遮断器の保護リレーの動作を前記需要家および前記制御所に通知する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の変電所制御装置。
【請求項7】
非常時に関するアラームを発生する、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の変電所制御装置。
【請求項8】
需要家と変電所と制御所を含む電力供給システムにおける前記変電所に設けられる変電所制御装置において行われる変電所制御方法であって、
非常時に非常時用配電線を用いて非常時用の電力供給を行う需要家から送信される非常時起動信号を受信した場合に、前記変電所と前記非常時用配電線との接続状態を投入状態と開放状態とで切り替える遮断器を開放状態に切り替え、
前記遮断器の開放状態を前記需要家に通知し、
前記遮断器の開放状態が通知された前記需要家から送信される非常時発動途中信号を受信した場合に、インターロックにより前記遮断器につながる断路器が投入されないようにする、
変電所制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変電所制御装置および変電所制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所で発電された電力をビルなどの需要家(需要者)に供給する電力供給システムが知られている。
具体的には、発電所で発電された電力は、一次送電線に供給される。一次送電線で送電された電力は、送電用変電所で降圧されて二次送電線に供給される。二次送電線で送電された電力は、配電用変電所で降圧されて配電線に供給される。そして、配電線に供給された電力が、当該配電線を介して需要家に配電される。
【0003】
このような電力供給システムでは、電力供給を行うための電力系統において停電等が発生することにより、需要家に電力が供給されない事態が発生し得る。このため、停電等が発生した場合においても需要家に電力を供給するために、非常時用の電力供給部を設けることが行われている。
【0004】
例えば、常用電源設備の異常あるいは事故などに起因して供給電力量の不足が発生した場合に、非常用電源設備で供給電力量を補う技術が考えられていた。
例えば、電力会社の電力系統と異なる別の系統を設け、複数の系統で電力供給を可能にする技術が考えられていた。
【0005】
特許文献1に記載された電力供給システムでは、停電などの非常時に複数の需要者間で電力を融通し合うことが可能な技術が開示されている(特許文献1参照。)。特許文献1には、当該電力供給システムにおいて停電時に行われる動作および復電時に行われる動作が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6520773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来では、需要家から非常時の発動が行われる構成に対応して変電所における動作について検討が為されていなかった。
【0008】
例えば、従来では、非常時用電力供給部による電力供給が発動された際に、変電所の遮断器および断路器を開放またはロックするための装置および方法が確立されていなかった。
例えば、従来では、非常時用電力供給部による電力供給が発動された際に、変電所と需要家との間、あるいは、変電所と制御所との間で、情報を送受信する装置あるいは方法が確立されていなかった。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、需要家から非常時の発動が行われる構成に関して、変電所において適切な動作を行うことができる変電所制御装置および変電所制御方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一構成例として、需要家と変電所と制御所を含む電力供給システムにおける前記変電所に設けられる変電所制御装置であって、非常時に非常時用配電線を用いて非常時用の電力供給を行う需要家から送信される非常時起動信号を受信した場合に、前記変電所と前記非常時用配電線との接続状態を投入状態と開放状態とで切り替える遮断器を開放状態に切り替え、前記遮断器の開放状態を前記需要家に通知し、前記遮断器の開放状態が通知された前記需要家から送信される非常時発動途中信号を受信した場合に、インターロックにより前記遮断器につながる断路器が投入されないようにする、変電所制御装置である。
【0011】
一構成例として、需要家と変電所と制御所を含む電力供給システムにおける前記変電所に設けられる変電所制御装置において行われる変電所制御方法であって、非常時に非常時用配電線を用いて非常時用の電力供給を行う需要家から送信される非常時起動信号を受信した場合に、前記変電所と前記非常時用配電線との接続状態を投入状態と開放状態とで切り替える遮断器を開放状態に切り替え、前記遮断器の開放状態を前記需要家に通知し、前記遮断器の開放状態が通知された前記需要家から送信される非常時発動途中信号を受信した場合に、インターロックにより前記遮断器につながる断路器が投入されないようにする、変電所制御方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る変電所制御装置および変電所制御方法によれば、需要家から非常時の発動が行われる構成に関して、変電所において適切な動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る電力供給システムの概略的な構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る変電所における変電所制御装置の概略的な構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る需要家および変電所制御装置において行われる概略的な動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
[電力供給システム]
図1は、本発明の一実施形態に係る電力供給システム1の概略的な構成を示す図である。
電力供給システム1は、変電所11~12と、需要家21~23と、制御所31と、非常時用発電機51と、配電線111、141と、を備える。
ここで、本実施形態では、電力供給システム1が需要家21~23を含む構成として説明するが、需要家21~23は、電力供給システム1には含まれずに、電力供給システム1とは別体であると捉えられてもよい。
【0016】
ここで、変電所11~12は、配電用変電所である。
本実施形態では、発電所、送電用変電所、発電所から送電用変電所に電力を供給するための一次送電線、および、送電用変電所から配電用変電所に電力を供給するための二次送電線については、図示および説明を省略する。
また、本実施形態では、変電所11と変電所12とを別体で示したが、変電所11と変電所12とは一体化されていてもよい。
【0017】
変電所11と各需要家21~23とは、配電線111を介して接続されている。
本実施形態では、説明を簡易化するために、変電所12と各需要家21~23とは、配電線141を介して接続されている場合を例とする。なお、一般に、平常時の系統では各需要家21~23は同じ配電線に接続されていなくてもよく、また、各需要家21~23について電圧階級や変電所が異なってもよい。
本実施形態では、変電所12から各需要家21~23に配電線141を介して電力を供給する系統を第1電力系統と呼んで説明する。
本実施形態では、変電所11から各需要家21~23に配電線111を介して電力を供給する系統を第2電力系統と呼んで説明する。本実施形態では、第2電力系統における配電線111は非常時における予備電力線として使用される。
変電所11は、遮断器212および断路器213を備える。
【0018】
本実施形態では、各需要家21~23は、ビルであるが、他の建物等であってもよい。
各需要家21~23は、受電設備などを備える。
本実施形態では、需要家21~23は、非常時に予備電力線である配電線111を用いて電力供給を行うことが可能となる契約に加入している。このような契約のサービスは、例えば、プレミアムグリッド(登録商標)のサービスであってもよい。プレミアムグリッド(登録商標)はPGと呼ばれてもよい。
需要家21は、非常時用発電機51を備える。
ここで、非常時用発電機51は、非常時に電力を供給するための非常時用電力供給部の一例である。非常時用電力供給部としては、様々な電力供給機器が用いられてもよい。
【0019】
需要家21と変電所11とは、通信線161を介して接続されている。
本実施形態では、通信線161は、専用線であるが、インターネットのような一般の回線であってもよい。
また、図1の例では、図示を簡易化するために、通信線161を1本で示してあるが、通信線161は2本以上の線を含んでもよい。
【0020】
制御所31と変電所11とは、通信線171を介して接続されている。
制御所31と変電所12とは、通信線172を介して接続されている。
制御所31は、各変電所11~12を制御する。
なお、制御所31は、さらに他の変電所を制御してもよい。
本実施形態では、通信線171~172は、専用線であるが、インターネットのような一般の回線であってもよい。
また、図1の例では、図示を簡易化するために、それぞれの通信線171~172を1本で示してあるが、それぞれの通信線171~172は2本以上の線を含んでもよい。
【0021】
各変電所11~12、各需要家21~23、および、制御所31では、それぞれの管理者が存在する。それぞれの管理者は、電話あるいは電子メールなどにより互いに連絡を取ることが可能である。また、それぞれの管理者は、それぞれの箇所のスイッチなどの操作を手動で行うことが可能である。
なお、本実施形態において手動で行われる操作は、例えば、コンピュータなどを用いて自動的に行われてもよい。
【0022】
[電力供給システムにおける動作の概略]
本実施形態では、説明を簡易化するために、停電等が発生した非常時に、変電所11~12から各需要家21~23への電力供給が停止した場合を想定する。停電等は、例えば、災害あるいは事故によって起こり得る。
本実施形態では、需要家21において、非常時になったことを知らせる発動が行われる場合について説明する。
なお、変電所12が停電しているが、変電所11が停電してなく通常動作している場合には、予備電力線である配電線111を用いて各需要家21~23へ電力が供給される。
【0023】
まず、停電等が発生していない正常時について説明する。
正常時には、変電所12から各需要家21~23に、配電線141を介して電力が供給される。
各需要家21~23は、配電線141を介して供給される電力を使用する状態になるようにスイッチ等を切り替える。
このとき、非常時用発電機51は起動されていない。
【0024】
停電等が発生した非常時には、変電所11は、遮断器212および断路器213によって、配電線111との接続を開放状態とする。
各需要家21~23は、配電線111と接続された状態になるようにスイッチ等を切り替える。
このとき、非常時用発電機51が起動されて、非常時用発電機51から供給される電力が、需要家21で使用されるとともに、配電線111を介して他の需要家22、23に供給される。
当該他の需要家22、23は、配電線111を介して供給される電力を使用する。
【0025】
停電等が終了して復電した場合には、正常時と同じ状態に戻るように制御される。
【0026】
なお、停電時および復電時に各需要家21~23で行われるスイッチ等の切り替えの動作については、任意の動作が行われてもよく、一例として、特許文献1に記載された動作の一部が適用されてもよい。
【0027】
[非常時の発動に応じた構成および動作]
図2は、本発明の一実施形態に係る変電所11における変電所制御装置211の概略的な構成を示す図である。
図2には、変電所11、需要家21、および制御所31について、非常時の発動に関する構成例を示してある。
なお、本実施形態では、主に、非常時の発動に関する構成および動作について説明する。他の構成および動作については、任意の構成および動作が用いられてもよい。
【0028】
本実施形態では、需要家21と変電所11との間の情報の通信は通信線161を用いて行われるとして説明するが、需要家21と変電所11との間の情報の通信は任意の配線を用いて行われてもよい。
本実施形態では、制御所31と変電所11との間の情報の通信は通信線171を用いて行われるとして説明するが、制御所31と変電所11との間の情報の通信は任意の配線を用いて行われてもよい。
【0029】
変電所11は、変電所制御装置211と、遮断器212と、断路器213と、保護リレー装置214と、アラーム出力部215と、を備える。
なお、本実施形態では、遮断器212と、断路器213と、保護リレー装置214と、アラーム出力部215が、変電所11に備えられている場合を示したが、これらのうちの一部または全部が変電所11とは別に備えられている構成が用いられてもよい。
【0030】
変電所制御装置211は、監視部311と、開放指令部312と、直流鎖状端子313~314と、非常時発動途中情報転送部321と、投入開放情報転送部331と、保護リレー動作情報転送部341と、アラーム発生部351と、を備える。
遮断器212は、通信部411を備える。
断路器213は、通信部421を備える。
保護リレー装置214は、通信部431を備える。
【0031】
需要家21は、送信部511と、受信部512と、を備える。
制御所31は、受信部611を備える。
【0032】
電力供給システム1において、非常時に行われる動作について説明する。
停電等の非常時になった場合、需要家21では、送信部511は、非常時発動のための所定の信号(本実施形態では、非常時起動信号と呼ぶ。)を変電所制御装置211に送信する。
ここで、需要家では、管理者によって手動で非常時起動信号が発せられてもよく、あるいは、あらかじめ定められた条件に基づいて自動的に非常時起動信号が発せられてもよい。
【0033】
変電所制御装置211について説明する。
監視部311は、需要家21から送信された非常時起動信号を受信した場合、開放指令部312に開放指令を発する。
ここで、監視部311は、遮断器212および断路器213の不応動(不動作)および接点異常の監視を行う。監視部311は、このような監視によって、これらの不具合が生じていることを判定した場合には、遮断器212を開放させないように制御を行う。当該制御は、例えば、需要家21から送信される非常時起動信号を受信しない制御であってもよく、あるいは、需要家21から送信される非常時起動信号を受信しても、遮断器212を開放させるための信号を送信しない制御であってもよい。
【0034】
開放指令部312は、監視部311から発せられた開放指令を受けた場合、遮断器212に開放指令信号を送信するとともに、断路器213に開放指令信号を送信する。
本実施形態では、遮断器212が開放された後に断路器213が開放されるように、これらの開放のタイミングが調整されている。
例えば、変電所制御装置211では、断路器213の開放回路は遮断器212の開放を優先する構成となっており、遮断器212の開放が確認された後に断路器213を開放させるための出力が発動される構成となっている。
なお、遮断器212が開放された後に断路器213が開放されることが実現されれば、変電所制御装置211は、遮断器212の投入および開放の状態を監視しなくてもよく、あるいは、遮断器212の投入および開放の状態を監視してもよい。
遮断器212が開放された後に断路器213が開放されることを実現するために、例えば、断路器213の開放回路に遅延回路が設けられて、当該遅延回路によって、断路器213を開放させるための信号が遅延させられてもよい。
【0035】
なお、開放指令部312と遮断器212との間には、開放回路の経路に直流鎖状端子313が設けられている。
また、開放指令部312と断路器213との間には、開放回路の経路に直流鎖状端子314が設けられている。
直流鎖状端子313、314は、変電所11の点検時、工事のとき、あるいは装置故障時に、不要な開放信号をロックする(防止する)ために設置されている。
直流鎖状端子313、314は、例えば、かぎ状の形状を有しており、管理者の手動によって、経路に挿入され、あるいは、経路から取り外しされる。
通常時には、直流鎖状端子313、314は、経路に挿入された状態とされる。
【0036】
遮断器212では、通信部411は、開放指令部312から送信された開放指令信号を受信した場合、遮断器212の開放が行われる。この場合、通信部411は、遮断器212が開放された状態であることを示す情報を投入開放情報転送部331に送信する。
また、通信部411は、遮断器212が投入されている状態であることを示す情報を投入開放情報転送部331に送信してもよい。
【0037】
断路器213では、通信部421は、開放指令部312から送信された開放指令信号を受信した場合、断路器213の開放が行われる。この場合、通信部421は、断路器213が開放された状態であることを示す情報を投入開放情報転送部331に送信する。
また、通信部421は、断路器213が投入されている状態であることを示す情報を投入開放情報転送部331に送信してもよい。
【0038】
投入開放情報転送部331は、遮断器212の通信部411から送信される情報、および、断路器213の通信部421から送信される情報を受信する。
そして、投入開放情報転送部331は、これらの情報を需要家21の受信部512および制御所31の受信部611に送信する。本実施形態では、投入開放情報転送部331は、接点増幅により、これらの情報を転送(送信)する。一般に、接点増幅では、接点を増やして同一の情報を同報することが行われる。
なお、投入開放情報転送部331は、遮断器212および断路器213の投入・開放の情報を接点増幅転送する。
本実施形態では、投入開放情報転送部331は、遮断器212および断路器213の投入および開放の状態を接点増幅させ、その情報を需要家21と制御所31に同時に送信することができる。
【0039】
需要家21では、受信部512は、投入開放情報転送部331から送信される情報を受信する。これにより、需要家21では、遮断器212が投入されている状態であるか開放されている状態であるかを把握することができ、また、断路器213が投入されている状態であるか開放されている状態であるかを把握することができる。
【0040】
制御所31では、受信部611は、投入開放情報転送部331から送信される情報を受信する。これにより、制御所31では、遮断器212が投入されている状態であるか開放されている状態であるかを把握することができ、また、断路器213が投入されている状態であるか開放されている状態であるかを把握することができる。
【0041】
需要家21では、送信部511は、非常時の動作が正常に実現された場合、非常時発動途中を通知するための所定の信号(実施形態では、非常時発動途中信号と呼ぶ。)を非常時発動途中情報転送部321に送信する。
ここで、需要家21では、管理者によって手動で非常時発動途中信号が発せられてもよく、あるいは、あらかじめ定められた条件に基づいて自動的に非常時発動途中信号が発せられてもよい。本実施形態では、需要家21では、投入開放情報転送部331から送信される情報に基づいて遮断器212および断路器213が開放されたことを判定した場合に、自動的に、非常時発動途中信号を発する。
【0042】
非常時発動途中情報転送部321は、需要家21の送信部511から送信された非常時発動途中信号を受信した場合、非常時の発動途中であることを示す情報を制御所31の受信部611に送信する。本実施形態では、非常時発動途中情報転送部321は、接点増幅により、当該情報を転送(送信)する。
なお、非常時発動途中情報転送部321は、非常時の発動途中であることを示す情報を接点増幅転送する。
本実施形態では、非常時発動途中情報転送部321は、需要家21からの非常時発動途中信号を接点増幅させ、その情報を制御所31に送信することができる。
【0043】
ここで、本実施形態では、変電所制御装置211は、需要家21による非常時の発動途中である場合に断路器213を投入しないように、断路器213の投入回路の経路にインターロックの回路が設けられている。
本実施形態では、需要家21から非常時発動途中情報転送部321に非常時発動途中信号が入力されているときには、断路器213が投入されない回路が構成されている。
【0044】
需要家21では、インターロックが為された後に、非常時用発電機51が起動して、非常時用発電機51によって生成される電力が、需要家21に供給されるとともに、配電線111を介して需要家22、23に供給される。
【0045】
制御所31では、受信部611は、非常時発動途中情報転送部321から送信される情報を受信する。これにより、制御所31では、非常時の発動途中であることを把握することができる。
【0046】
保護リレー装置214は、遮断器212の保護リレーを備える。保護リレー装置214は、当該保護リレーの動作を表す情報を保護リレー動作情報転送部341に送信する。
保護リレー動作情報転送部341は、保護リレー装置214から送信される情報を需要家21の受信部512および制御所31の受信部611に送信する。本実施形態では、保護リレー動作情報転送部341は、接点増幅により、当該情報を転送(送信)する。
なお、保護リレー動作情報転送部341は、保護リレーの動作を表す情報を接点増幅転送する。
本実施形態では、保護リレー動作情報転送部341は、遮断器212の保護リレー動作時に接点増幅させ、その情報を需要家21と制御所31に同時に送信することができる。
【0047】
需要家21では、受信部512は、保護リレー動作情報転送部341から送信される情報を受信する。これにより、需要家21では、変電所11の保護リレーの動作の情報を把握することができる。
【0048】
制御所31では、受信部611は、保護リレー動作情報転送部341から送信される情報を受信する。これにより、制御所31では、変電所11の保護リレーの動作の情報を把握することができる。
【0049】
アラーム発生部351は、所定の異常が発生したことを検出した場合、アラーム信号を発生し、当該アラーム信号をアラーム出力部215に送信する。
アラーム出力部215は、アラーム発生部351から送信されたアラーム信号を受信した場合、所定のアラームを発する。
当該アラームは、任意の形式のアラームであってもよく、例えば、視覚的な表示によるアラームであってもよく、あるいは、音によるアラームであってもよい。視覚的な表示の態様として、透明な窓が設けられて、当該窓の内部にアラームを示す情報が表示される態様が用いられてもよい。当該窓は、故障を示す故障窓であってもよい。視覚的な表示の態様は、ディスプレイ画面に情報を表示する態様であってもよく、あるいは、画面以外の所定の物体の色または形状などによってアラームを通知する態様であってもよい。一例として、異常時には、異常を示す赤色のターゲットが透明な故障窓の内側に出現する態様が用いられてもよい。
本実施形態では、このようなアラームの情報が管理者に明確に示される。
【0050】
ここで、アラームを発する対象とされる所定の異常としては、あらかじめ定められてもよい。
当該所定の異常としては、遮断器212および断路器213の不応動(不動作)および接点異常であってもよい。この場合、アラーム発生部351は、監視部311によって遮断器212および断路器213の不応動(不動作)あるいは接点異常の発生が判定されたことに応じて、所定の異常が発生したことを検出し、アラーム信号を発生して、当該アラーム信号をアラーム出力部215に送信する。
【0051】
[非常時起動信号と非常時発動途中信号]
本実施形態では、非常時起動信号と非常時発動途中信号とを別の信号として設けている。これらの信号について説明する。
【0052】
非常時起動信号について説明する。
本実施形態では、非常時の発動に当たり、需要家21からの非常時起動信号によって変電所11の設備の遮断器212を開放する。変電所11から見ると、遮断器212が開放した場合に、遮断器212の開放が、自然開放であるか、あるいは、事故による開放であるが表示が出なかったのか、あるいは、非常時起動信号による開放であるのか、を瞬時に判断することができない。
このため、本実施形態では、変電所11において、需要家21から送信された非常時起動信号が受信された場合に、直ちに遮断器212を開放し、その開放の理由を示す情報および運転担当個所を示す情報を表示する回路構成となっている。これらの情報は、例えば、アラーム出力部215によって出力されてもよく、あるいは、他の手法によって出力されてもよい。
【0053】
非常時起動信号は、例えば、パルス信号であってもよい。この場合、需要家21から送信された非常時起動信号(例えば、1回目のパルス信号)によって、監視部311および開放指令部312を介して遮断器212が開放状態になっているときには、再び需要家21から非常時起動信号(例えば、2回目以降のパルス信号)が送信されても、遮断器212は開放状態のままとなる。
【0054】
非常時発動途中信号について説明する。
本実施形態では、非常時の発動中には、配電線111などの設備(例えば、電力会社の設備)を利用して需要家21~23どうしで電力を供給することが行われる。この際、このような電力供給に利用される設備を、もとの系統(例えば、電力会社の系統)から切り離すために、遮断器212と断路器213を開放することが行われる。
ここで、遮断器212と断路器213が開放された状態では、一般的に、監視者(例えば、電力会社の担当社員)は、該当する線路は否充電の状態である、と認識することが多い。
しかしながら、非常時の発動中は、需要家21~23どうしで電力供給が行われているため、当該電力供給に使用されている設備が否充電であるという認識は誤認識となる。このため、本実施形態では、このような誤認識による感電等を防止するために、非常時発動途中信号に応じて、当該設備が充電中であることを表す情報を、現場および運転担当個所に表示することが行われる。本実施形態では、変電所11において、需要家21から送信された非常時発動途中信号が受信された場合に、このような情報を表示する回路構成となっている。これらの情報は、例えば、アラーム出力部215によって出力されてもよく、あるいは、他の手法によって出力されてもよい。
特に、非常時の発動が行われる状況が、大規模災害で広域停電が発生しているような非常に緊迫した状況である場合には、このような表示は重要である。
【0055】
非常時発動途中信号は、例えば、オンとオフとが切り替えられる信号であってもよい。一例として、非常時発動途中信号がオンである場合に非常時の発動途中であることを示し、非常時発動途中信号がオフである場合に非常時の発動途中ではないことを示す。
非常時発動途中信号は、非常時の電力供給状態が整えられたことを変電所制御装置211に通知し、遮断器212が投入されないように、遮断器212の開放状態を維持させるための信号である。
【0056】
ここで、非常時起動信号と非常時発動途中信号とを別の信号とすることの利点を説明する。
本実施形態では、非常時の発動中には、非常時の電力供給に利用される設備を、もとの系統(例えば、電力会社の系統)から切り離す必要がある。
しかしながら、非常時の発動が発生した時点で、遮断器212の開放に失敗して、非常時の発動中の状態(非常時用発電機51によって電力供給が行われる状態)に正常に移行されない可能性も考えられる。
また、需要家21ごとに、非常時の発動を行う条件として、様々な条件が用いられる可能性が考えられることから、このような条件が適切に作成される前には非常時の発動中の状態に正常に移行されない可能性も考えられる。
【0057】
このように、非常時の発動中の状態となるための何らかの準備が整わないことによって、非常時の発動中の状態に正常に移行されない場合が考えられる。
この場合に、仮に、非常時発動途中信号が用いられない構成であって、非常時起動信号だけで非常時の発動中の状態に移行したとみなされると、需要家21では停電中であっても、変電所制御装置211あるいは制御所31では、需要家21では非常時の発動中であって非常時の電力供給が行われており、通常の電力供給を復旧する必要は無いと、誤認する可能性がある。このとき、需要家21では、停電中の状態が継続してしまう。
【0058】
つまり、非常時起動信号によって非常時発動途中信号を兼ねると、このような問題が生じる可能性が考えられる。
そこで、本実施形態では、非常時の発動を行うための信号として非常時起動信号を設け、非常時の発動途中であることを示す信号として非常時発動途中信号を設けた。非常時起動信号によって非常時の発動のための準備が開始され、非常時の発動途中になった場合に、現在の状態として非常時の発動途中の状態であることを非常時発動途中信号によって通知する。
【0059】
図3は、本発明の一実施形態に係る需要家21および変電所制御装置211において行われる概略的な動作の一例を示す図である。
図3の例では、需要家21において行われる処理T1~T3と、変電所制御装置211において行われる処理T11~T13と、需要家21と変電所制御装置211との間で行われる通信の処理T21~T23を示してある。
なお、図3の例では、需要家21における非常時の発動から非常時の発動中になる際の動作の例を示してある。
【0060】
需要家21では、非常時の発動が必要な停電等の状況が発生する(処理T1)。
これに応じて、需要家21は、非常時起動信号を変電所制御装置211に送信する(処理T21)。
【0061】
変電所制御装置211は、当該非常時起動信号を受信する。
変電所制御装置211は、遮断器212を開放させる制御を行う(処理T11)。
変電所制御装置211は、遮断器212の開放状態を示す情報を需要家21に送信する(処理T22)。
変電所制御装置211は、断路器213を開放させる制御を行う(処理T12)。
変電所制御装置211は、断路器213の開放状態を示す情報を需要家21に送信する(処理T23)。
【0062】
需要家21は、当該情報を受信する。
これに応じて、需要家21は、非常時の発動途中であることを把握する(処理T2)。
これに応じて、需要家21は、非常時発動途中信号を変電所制御装置211に送信する(処理T24)。
【0063】
変電所制御装置211は、当該非常時発動途中信号を受信する。
これに応じて、変電所制御装置211は、断路器213のインターロックを行う。
なお、本実施形態では、非常時起動信号の発生から非常時発動途中信号の発生まではインターロックが為されないが、非常時起動信号の発生から非常時発動途中信号の発生まではほぼ同時に行われる。
【0064】
需要家21では、非常時用発電機51が起動される(処理T3)。
そして、需要家21では、非常時用発電機51によって発電された電力が供給される。
【0065】
ここで、図3の例では、変電所制御装置211が断路器213の開放状態を示す情報を需要家21に送信する処理(処理T23)が行われる場合を示したが、他の例として、この処理は行われなくてもよい。
この場合、断路器213の通信部421は、状態情報を投入開放情報転送部331に送信する機能を有していなくてもよい。
また、この場合、投入開放情報転送部331は、遮断器212の通信部411から送信される情報を受信して、当該情報を需要家21の受信部512および制御所31の受信部611に送信する。
このように、遮断器212の状態情報と断路器213の状態情報とは、必ずしもセットで用いられなくてもよく、当該セットの代わりに、遮断器212の状態情報だけが用いられて、図1図3を参照して説明したのと同様な処理が行われてもよい。
また、遮断器212の状態情報と断路器213の状態情報との両方が用いられる場合においても、例えば、遮断器212の状態情報だけに基づいて非常時の発動途中であることが確認されてもよい。つまり、断路器213の状態情報は、遮断器212の状態情報に対して、補助的に用いられてもよく、あるいは、用いられなくてもよい。
【0066】
[以上の実施形態について]
以上のように、本実施形態に係る電力供給システム1では、変電所制御装置211は、需要家21から送信される非常時起動信号を受信した場合に遮断器212および断路器213を開放する回路を備える。
【0067】
本実施形態に係る電力供給システム1では、変電所制御装置211によって、需要家21から非常時の発動が行われる構成に関して、変電所11において適切な動作を行うことができる。
例えば、本実施形態では、非常時用電力供給部による電力供給が発動された際に、変電所11の遮断器212および断路器213を開放またはロックする制御を行うことができる。
例えば、本実施形態では、非常時用電力供給部による電力供給が発動された際に、変電所11と需要家21との間、あるいは、変電所11と制御所31との間で、情報を送受信することができる。
【0068】
このように、本実施形態では、需要家21から非常時の発動が行われる構成に対応して、遮断器212および断路器213の開放の制御を行う方法、および、変電所11と需要家21との間あるいは変電所11と制御所31との間で情報の送受信を行う方法が確立されている。これにより、需要家21から非常時の発動が行われる構成に対して、変電所11による対応が可能である。
【0069】
ここで、図1の例では、電力供給システム1において、1つの変電所11に変電所制御装置211が備えられている場合を示したが、変電所制御装置を備える変電所が2つ以上あってもよい。
また、図1の例では、電力供給システム1において、1つの需要家21に非常時用発電部(図1の例では、非常時用発電機51)が備えられている場合を示したが、非常時用発電部を備える需要家が2つ以上あってもよい。
また、図1の例では、電力供給システム1において、3つの需要家21~23において非常時用の電力供給が行われる場合を示したが、非常時用の電力供給が行われる需要家の数は任意であってもよい。
【0070】
[構成例]
一構成例として、需要家(図1の例では、需要家21)と変電所(図1の例では、変電所11)と制御所(図1の例では、制御所31)を含む電力供給システム(図1の例では、電力供給システム1)における変電所に設けられる変電所制御装置(図2の例では、変電所制御装置211)であって、次のような構成とする。
変電所制御装置は、非常時に非常時用配電線(図1の例では、配電線111)を用いて非常時用の電力供給を行う需要家から送信される非常時起動信号を受信した場合に、変電所と非常時用配電線との接続状態を投入状態と開放状態とで切り替える遮断器(図2の例では、遮断器212)を開放状態に切り替える。
変電所制御装置は、遮断器の開放状態を需要家に通知する。
変電所制御装置は、遮断器の開放状態が通知された需要家から送信される非常時発動途中信号を受信した場合に、インターロックにより遮断器につながる断路器(図2の例では、断路器213)が投入されないようにする。
【0071】
一構成例として、変電所制御装置において、遮断器の開放状態を制御所に通知する。
一構成例として、変電所制御装置において、非常時が発動途中であることを制御所に通知する。
一構成例として、変電所制御装置において、遮断器を開放状態に切り替えた後に、断路器を開放状態に切り替え、遮断器および断路器の開放状態を需要家に通知する。
一構成例として、変電所制御装置において、遮断器および断路器の開放状態を制御所に通知する。
一構成例として、変電所制御装置において、遮断器の保護リレーの動作を需要家および制御所に通知する。
一構成例として、変電所制御装置において、非常時に関するアラームを発生する。
【0072】
ここで、変電所制御装置において行われる変電所制御方法などが提供されてもよい。
一構成例として、需要家と変電所と制御所を含む電力供給システムにおける変電所に設けられる変電所制御装置において行われる変電所制御方法であって、次のような処理を行う。
変電所制御方法は、非常時に非常時用配電線を用いて非常時用の電力供給を行う需要家から送信される非常時起動信号を受信した場合に、変電所と非常時用配電線との接続状態を投入状態と開放状態とで切り替える遮断器を開放状態に切り替える。
変電所制御方法は、遮断器の開放状態を前記需要家に通知する。
変電所制御方法は、遮断器の開放状態が通知された需要家から送信される非常時発動途中信号を受信した場合に、インターロックにより遮断器につながる断路器が投入されないようにする。
【0073】
ここで、以上に示した実施形態に係る変電所制御装置211などにおける任意の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録(記憶)して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティング・システム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体である。
【0074】
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバあるいはクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0075】
以上に説明した変電所制御装置211などにおける任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、本実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0076】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0077】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1…電力供給システム、11、12…変電所、21~23…需要家、31…制御所、51…非常時用発電機、111、141…配電線、161、171~172…通信線、211…変電所制御装置、212…遮断器、213…断路器、214…保護リレー装置、215…アラーム出力部、311…監視部、312…開放指令部、313~314…直流鎖状端子、321…非常時発動途中情報転送部、331…投入開放情報転送部、341…保護リレー動作情報転送部、351…アラーム発生部、411、421、431…通信部、511…送信部、512、611…受信部
図1
図2
図3