(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】方法、サーバ、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240806BHJP
【FI】
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2021001671
(22)【出願日】2021-01-07
【審査請求日】2023-02-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】林 雅敏
(72)【発明者】
【氏名】柏井 忠大
(72)【発明者】
【氏名】松谷 慎太郎
【審査官】阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-112873(JP,A)
【文献】特開2020-013352(JP,A)
【文献】特開2018-045616(JP,A)
【文献】国際公開第2018/037708(WO,A1)
【文献】特開2019-116791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバが実行する方法であって、
車両が災害支援のために利用される前における前記車両の第1車両情報を取得すること、
前記車両が災害支援のために利用された後における前記車両の第2車両情報を取得すること、及び
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分に関する情報を前記車両の管理者に通知すること、
前記車両が災害支援のために利用されている間に前記車両に対して実施された操作の履歴情報を取得すること、及び
前記履歴情報を前記管理者に通知すること
を含
み、
前記履歴情報は、前記車両又は前記管理者に関する情報への不正アクセス操作の有無を示す、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分が所定の基準以下であるか否かを判定することを更に含み、
前記サーバは、取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分が前記基準以下であると判定された場合、前記差分に関する前記情報を前記管理者に通知する、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分が前記基準よりも大きいと判定された場合、前記車両の修繕を指示すること、及び
前記車両の修繕が完了した後に前記車両の第2車両情報を再取得すること
を更に含み、
前記サーバは、取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分が前記基準以下であると判定されるまで、前記車両の修繕の指示及び第2車両情報の再取得を繰り返す、方法。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の方法であって、
前記車両又は前記管理者に関する前記情報には、パスワード認証、又は生体認証を用いたアクセス制御が用いられる、方法。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の方法であって、
前記車両又は前記管理者に関する前記情報は、前記車両の走行履歴を示す情報又は前記管理者の個人情報を含む、方法。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の方法であって、
前記車両は、通常時にはシェアリングカーとして利用される一方、災害発生時には災害支援のために利用される車両である、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記車両がシェアリングカーとして利用された場合、前記車両のシェアリングカーとしての利用実績に応じた第1ポイントを前記車両の管理者に付与すること、及び
前記車両が災害支援のために利用された場合、前記車両の災害支援のための利用実績に応じた第2ポイントを前記管理者に付与することを更に含む、方法。
【請求項8】
制御部を備えるサーバであって、
前記制御部は、
車両が災害支援のために利用される前における前記車両の第1車両情報を取得し、
前記車両が災害支援のために利用された後における前記車両の第2車両情報を取得し、
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分に関する情報を前記車両の管理者に通知し、
前記車両が災害支援のために利用されている間に前記車両に対して実施された操作の履歴情報を取得し、
前記履歴情報を前記管理者に通知し、
前記履歴情報は、前記車両又は前記管理者に関する情報への不正アクセス操作の有無を示す、サーバ。
【請求項9】
請求項8に記載のサーバであって、
前記制御部は、
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分が所定の基準以下であるか否かを判定し、
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分が前記基準以下であると判定された場合、前記差分に関する前記情報を前記管理者に通知する、サーバ。
【請求項10】
請求項9に記載のサーバであって、
前記制御部は、
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分が前記基準よりも大きいと判定された場合、前記車両の修繕を指示し、
前記車両の修繕が完了した後に前記車両の第2車両情報を再取得し、
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分が前記基準以下であると判定されるまで、前記車両の修繕の指示及び第2車両情報の再取得を繰り返す、サーバ。
【請求項11】
請求項8から10の何れか一項に記載のサーバであって、
前記車両又は前記管理者に関する前記情報には、パスワード認証、又は生体認証を用いたアクセス制御が用いられる、サーバ。
【請求項12】
請求項8から11の何れか一項に記載のサーバであって、
前記車両又は前記管理者に関する前記情報は、前記車両の走行履歴を示す情報又は前記管理者の個人情報を含む、サーバ。
【請求項13】
請求項8から12の何れか一項に記載のサーバであって、
前記車両は、通常時にはシェアリングカーとして利用される一方、災害発生時には災害支援のために利用される車両である、サーバ。
【請求項14】
請求項13に記載のサーバであって、
前記制御部は、
前記車両がシェアリングカーとして利用された場合、前記車両のシェアリングカーとしての利用実績に応じた第1ポイントを前記車両の管理者に付与し、
前記車両が災害支援のために利用された場合、前記車両の災害支援のための利用実績に応じた第2ポイントを前記管理者に付与する、サーバ。
【請求項15】
コンピュータに、
車両が災害支援のために利用される前における前記車両の第1車両情報を取得すること、
前記車両が災害支援のために利用された後における前記車両の第2車両情報を取得すること、
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分に関する情報を前記車両の管理者に通知すること、
前記車両が災害支援のために利用されている間に前記車両に対して実施された操作の履歴情報を取得すること、及び
前記履歴情報を前記管理者に通知すること
を実行させ
、
前記履歴情報は、前記車両又は前記管理者に関する情報への不正アクセス操作の有無を示す、
プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分が所定の基準以下であるか否かを判定することを更に実行させ、
前記コンピュータは、取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分が前記基準以下であると判定された場合、前記差分に関する前記情報を前記管理者に通知する、プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分が前記基準よりも大きいと判定された場合、前記車両の修繕を指示すること、及び
前記車両の修繕が完了した後に前記車両の第2車両情報を再取得すること
を更に実行させ、
前記コンピュータは、取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分が前記基準以下であると判定されるまで、前記車両の修繕の指示及び第2車両情報の再取得を繰り返す、プログラム。
【請求項18】
請求項15から17の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記車両又は前記管理者に関する前記情報には、パスワード認証、又は生体認証を用いたアクセス制御が用いられる、プログラム。
【請求項19】
請求項15~18の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記車両又は前記管理者に関する前記情報は、前記車両の走行履歴を示す情報又は前記管理者の個人情報を含む、プログラム。
【請求項20】
請求項15から19の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記車両は、通常時にはシェアリングカーとして利用される一方、災害発生時には災害支援のために利用される車両であり、
前記コンピュータに、
前記車両がシェアリングカーとして利用された場合、前記車両のシェアリングカーとしての利用実績に応じた第1ポイントを前記車両の管理者に付与すること、及び
前記車両が災害支援のために利用された場合、前記車両の災害支援のための利用実績に応じた第2ポイントを前記管理者に付与することを更に実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法、サーバ、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、災害支援を目的として車両を利用する技術が知られている。例えば特許文献1には、災害発生時に一般車両を救援車両として利用することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
災害支援を目的として車両を利用する技術の改善が望まれている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、災害支援を目的として車両を利用する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
サーバが実行する方法であって、
車両が災害支援のために利用される前における前記車両の第1車両情報を取得すること、
前記車両が災害支援のために利用された後における前記車両の第2車両情報を取得すること、及び
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分に関する情報を前記車両の管理者に通知することを含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係るサーバは、
制御部を備えるサーバであって、
前記制御部は、
車両が災害支援のために利用される前における前記車両の第1車両情報を取得し、
前記車両が災害支援のために利用された後における前記車両の第2車両情報を取得し、
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分に関する情報を前記車両の管理者に通知する。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
コンピュータに、
車両が災害支援のために利用される前における前記車両の第1車両情報を取得すること、
前記車両が災害支援のために利用された後における前記車両の第2車両情報を取得すること、及び
取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分に関する情報を前記車両の管理者に通知することを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、災害支援を目的として車両を利用する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバの第1動作を示すフローチャートである。
【
図5】サーバの第2動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の一実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、車両10と、サーバ20と、を備える。車両10及びサーバ20は、例えば移動体通信網及びインターネット等を含むネットワーク30と通信可能に接続される。
【0013】
車両10は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。車両10は、運転者によって運転されてもよい。車両10は、例えばSAE(Society of Automotive Engineers)において定義されるレベル1乃至5等の自動運転が可能であってもよい。システム1が備える車両10の数は、任意に定められてもよい。サーバ20は、1つ又は互いに通信可能な複数のコンピュータである。
【0014】
本実施形態において、車両10は、災害発生時には災害支援のために利用される一方、通常時には災害支援とは異なる所定の目的で利用される。例えば、車両10は、カーシェアリング事業者である管理者によって管理されてもよい。かかる場合、車両10は、通常時にはシェアリングカーとして利用される一方、災害発生時には災害支援のために利用される。或いは、車両10の個人のユーザである管理者によって管理されてもよい。かかる場合、車両10は、通常時には管理者個人によって利用される一方、災害発生時には災害支援のために利用される。災害支援のために利用される場合、車両10は、例えば災害支援団体の作業員によって運転され、物資又は電力を供給するために被災地に派遣され得る。しかしながら、災害支援のための利用態様は当該例に限られず、任意に定められてもよい。
【0015】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。サーバ20は、車両10が災害支援のために利用される前における車両10の車両情報(以下、「第1車両情報」ともいう。)を取得する。サーバ20は、車両10が災害支援のために利用された後における車両10の車両情報(以下、「第2車両情報」ともいう。)を取得する。そしてサーバ20は、取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分に関する情報を、車両10の管理者に通知する。
【0016】
このように、本実施形態によれば、車両10が災害支援のために利用される前後の車両情報の差分に関する情報が、車両10の管理者に通知される。このため、車両10の管理者は、災害支援団体への貸出中に車両10が損傷を受けたか否か等を確認可能である。例えば車両10が貸出中に損傷を受けた場合、車両10の管理者は、通知された情報を根拠に損傷に対する補填を災害支援団体に請求し得る。或いは、災害支援団体が車両10を原状回復すること(すなわち、車両10を借りたときの状態に戻すこと)を条件に管理者から車両10を借りる場合、管理者は、災害支援団体によって車両10が原状回復されたか否かを確認可能である。したがって、車両10の管理者が災害支援のために車両10を貸し出すことを躊躇する可能性が低減される点で、災害支援を目的として車両10を利用する技術が改善される。
【0017】
次に、システム1の各構成について、詳細に説明する。
【0018】
(車両の構成)
図2に示すように、車両10は、通信部11と、測位部12と、撮像部13と、記憶部14と、制御部15と、を備える。
【0019】
通信部11は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られない。
【0020】
測位部12は、車両10の位置情報を取得する1つ以上の装置を含む。具体的には、測位部12は、例えばGPSに対応する受信機を含むが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応する受信機を含んでもよい。
【0021】
撮像部13は、1つ以上のカメラを含む。撮像部13に含まれる各カメラは、例えば車外又は車内の被写体を撮像可能となるように車両10に設けられてもよい。撮像部13によって生成される画像は、例えば車両10の自動運転制御に利用され得る。
【0022】
記憶部14は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部14に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部14は、車両10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部14は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部14に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0023】
制御部15は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部15は、車両10全体の動作を制御する。
【0024】
(サーバの構成)
図3に示すように、サーバ20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0025】
通信部21は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。
【0026】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、サーバ20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0027】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部23は、サーバ20全体の動作を制御する。
【0028】
(サーバの動作フロー)
図4を参照して、サーバ20の第1動作のフローについて説明する。第1動作は、概略として、車両10が災害支援のために利用される前後の車両情報の差分に関する情報等を車両10の管理者に通知する動作である。
【0029】
ステップS100:サーバ20の制御部23は、車両10が災害支援のために利用される前における車両10の車両情報を、第1車両情報として取得する。
【0030】
車両情報は、車両10が災害支援のために利用された結果変化し得る車両10の任意の情報を含む。例えば車両情報は、車両10の外装又は内装の状態を示す情報として、車両10を撮像した画像を含んでもよい。当該画像は、例えば車外又は車室内から車両10の一部又は全部を撮像した画像である。制御部23は、車両10が災害支援のために利用される前に車両10の撮像部13によって生成された画像を、第1車両情報として通信部21を介して車両10から取得してもよい。或いは制御部23は、車両10が災害支援のために利用される前に車両10の管理者又は災害支援団体の作業員等の人間が使用する端末装置(例えば、スマートフォン)に搭載されたカメラによって生成された画像を、第1車両情報として通信部21を介して当該端末装置から取得してもよい。
【0031】
車両情報は車両10を撮像した画像に限られず、例えば車両10の検査結果を示す情報を含んでもよい。車両10の検査は、国の法律で定められた車両10の定期検査(例えば日本の自動車検査登録制度に基づく定期検査)に即した検査基準で実施されてもよく、或いは独自の検査基準で実施されてもよい。典型的には、車両10の検査結果は、例えば灯火装置、ブレーキ、又は各種メータ等が正常に機能するか否かを示す情報を含み得る。
【0032】
なお、第1車両情報が生成されるタイミングは、車両10が災害支援のために利用される前である。一方、生成された第1車両情報を制御部23が取得するタイミングは、車両10が災害支援のために利用される前であってもよく、車両10が災害支援のために利用された後であってもよい。
【0033】
ステップS101:制御部23は、車両10が災害支援のために利用された後における車両10の車両情報を、第2車両情報として取得する。なお、第2車両情報が生成されるタイミング、及び生成された第2車両情報を制御部23が取得するタイミングは、何れも車両10が災害支援のために利用された後である。
【0034】
ステップS102:制御部23は、ステップS100で取得された第1車両情報及びステップS101で取得された第2車両情報の差分が所定の基準以下であるか否かを判定する。第1車両情報及び第2車両情報の差分が当該基準以下であると判定された場合(ステップS102-Yes)、プロセスはステップS103に進む。一方、第1車両情報及び第2車両情報の差分が当該基準よりも大きいと判定された場合(ステップS102-No)、プロセスはステップS105に進む。
【0035】
第1車両情報及び第2車両情報の差分、並びに当該差分の評価に用いる上記基準は、車両情報の内容に応じて任意に定められてもよい。例えば、車両情報が車両10を撮像した画像である場合、制御部23は、第1車両情報及び第2車両情報の差分として、車両10についている傷の数の差を検出してもよい。車両10についている傷の検出は、例えば画像認識処理を用いて実施可能である。また上記基準は、例えば0以上の任意の整数で示される基準値であってもよい。かかる場合、制御部23は、車両10についている傷の数の差が基準値以下である場合、第1車両情報及び第2車両情報の差分が基準以下であると判定する。一方制御部23は、車両10についている傷の数の差が基準値よりも多い場合、第1車両情報と第2車両情報の差分が基準よりも大きいと判定する。
【0036】
ステップS103:ステップS102で第1車両情報と第2車両情報の差分が基準以下であると判定された場合(ステップS102-Yes)、制御部23は、車両10が災害支援のために利用されている間に車両10に対して実施された操作の履歴情報を取得する。
【0037】
例えば、履歴情報は、危険運転を引き起こす運転操作の有無、又は車両10若しくは車両10の管理者に関する情報への不正アクセス操作の有無を示してもよい。危険運転は、例えば急ハンドル、急ブレーキ、又は急発進等を含むが、これらに限られない。車両10に関する情報は、例えば車両10の走行履歴等の情報を含むがこれに限られない。車両10の管理者に関する情報は、例えば管理者の個人情報を含むがこれに限られない。車両10又は車両10の管理者に関する情報は、例えば車両10の記憶部14、又は車両10が通信部11を介して通信可能なクラウドストレージに予め記憶されてもよい。車両10又は車両10の管理者に関する情報には、例えばパスワード認証、生体認証、又はアクセス権限等を用いたアクセス制御が施されていてもよい。
【0038】
ステップS104:制御部23は、第1車両情報及び第2車両情報の差分に関する情報、並びに車両10に対して実施された操作の履歴情報を車両10の管理者に通知する。
【0039】
なお、情報の通知は任意の手法で実施可能である。例えば、制御部23は、記憶部22に予め記憶された車両10の管理者のメールアドレスを用いて情報を電子メールで通知してもよい。或いは制御部23は、車両10の管理者のユーザアカウントに対して情報を通知してもよい。かかる場合、車両10の管理者は、自身のユーザアカウントにログインしている任意の端末装置を用いて情報を確認可能である。
【0040】
ステップS105:ステップS102で第1車両情報及び第2車両情報の差分が基準よりも大きいと判定された場合(ステップS102-No)、制御部23は、車両10の修繕を指示する。
【0041】
具体的には、制御部23は、例えば車両10の修繕計画を決定し、災害支援団体に対して当該修繕計画を通知することによって、当該修繕計画に沿って車両10を修繕するように災害支援団体に対して指示する。車両10の修繕計画は、例えば車両10の修繕を行う事業者、スケジュール、第1車両情報及び第2車両情報の差分を示す情報、並びに第1車両情報及び第2車両情報を含んでもよい。
【0042】
そして車両10の修繕が完了すると、第2車両情報が新たに生成されて、プロセスはステップS101に戻る。したがって、制御部23は、ステップS101で第2車両情報を再取得し、その後ステップS102で第1車両情報及び第2車両情報の差分が基準以下であるか否かを再判定する。結果として制御部23は、ステップS102で第1車両情報及び第2車両情報の差分が基準以下であると判定されるまで、車両10の修繕の指示及び第2車両情報の再取得を繰り返す。
【0043】
図5を参照して、サーバ20の第2動作のフローについて説明する。ここでは車両10は、通常時にはシェアリングカーとして利用される一方、災害支援発生時には災害支援のために利用されるものとして説明する。第2動作は、概略として、車両10がシェアリングカーとして利用された場合と災害支援のために利用された場合とで異なるポイントを車両10の管理者に付与する動作である。
【0044】
ステップS200:サーバ20の制御部23は、車両10がシェアリングカーとして利用されたか否かを判定する。車両10がシェアリングカーとして利用されたと判定された場合(ステップS200-Yes)、プロセスはステップS201に進む。一方、車両10がシェアリングカーとして利用されていないと判定された場合(ステップS200-No)、プロセスはステップS202に進む。
【0045】
具体的には、車両10の制御部15は、車両10がシェアリングカーとして利用されると、車両10のシェアリングカーとしての利用実績を示す情報をサーバ20へ送信してもよい。制御部23は、通信部21を介して車両10から当該情報を受信した場合、車両10がシェアリングカーとして利用されたと判定してもよい。車両10のシェアリングカーとしての利用実績は、例えば利用時間、走行距離、輸送人数、及び輸送貨物の重量等の情報を含み得るが、これらに限られず、車両10のシェアリングカーとしての利用実績に関する任意の情報を含んでもよい。
【0046】
ステップS201:ステップS200で車両10がシェアリングカーとして利用されたと判定された場合(ステップS200-Yes)、制御部23は、車両10のシェアリングカーとしての利用実績に応じた第1ポイントを車両10の管理者に付与する。
【0047】
具体的には、制御部23は、車両10のシェアリングカーとしての利用実績に基づいて第1ポイントを決定し、決定された第1ポイントを車両10の管理者に付与する。第1ポイントは、例えば法定通貨、電子マネー、又は暗号資産等であるが、これらに限られない。第1ポイントは、車両10がシェアリングカーとして利用された場合に車両10の管理者が得るべき利益であってもよい。例えば、制御部23は、シェアリングカーとしての利用時間、走行距離、輸送人数、又は輸送貨物の重量が大きいほど、第1ポイントの額を大きくしてもよい。
【0048】
ステップS202:ステップS201の後、又はステップS200で車両10がシェアリングカーとして利用されていないと判定された場合(ステップS200-No)、制御部23は、車両10が災害支援のために利用されたか否かを判定する。車両10が災害支援のために利用されたと判定された場合(ステップS202-Yes)、プロセスはステップS203に進む。一方、車両10が災害支援のために利用されていないと判定された場合(ステップS202-No)、プロセスはステップS200に戻る。
【0049】
具体的には、車両10の制御部15は、車両10が災害支援のために利用されると、車両10の災害支援のための利用実績を示す情報をサーバ20へ送信してもよい。制御部23は、通信部21を介して車両10から当該情報を受信した場合、車両10が災害支援のために利用されたと判定してもよい。車両10の災害支援のための利用実績は、例えば利用時間、走行距離、輸送人数、及び輸送貨物の重量等の情報を含み得るが、これらに限られず、車両10の災害支援のための利用実績に関する任意の情報を含んでもよい。
【0050】
ステップS203:ステップS202で車両10が災害支援のために利用されたと判定された場合(ステップS202-Yes)、制御部23は、車両10の災害支援のための利用実績に応じた第2ポイントを車両10の管理者に付与する。その後、プロセスはステップS200に戻る。
【0051】
具体的には、制御部23は、車両10の災害支援のための利用実績に基づいて第2ポイントを決定し、決定された第2ポイントを車両10の管理者に付与する。第2ポイントは、例えば法定通貨、電子マネー、又は暗号資産等であるが、これらに限られない。第2ポイントは、車両10が災害支援のために利用された場合に車両10の管理者が得るべき利益であってもよい。例えば、制御部23は、災害支援のための利用時間、走行距離、輸送人数、又は輸送貨物の重量が大きいほど、第2ポイントの額を大きくしてもよい。ここで制御部23は、例えば利用時間、走行距離、輸送人数、又は輸送貨物の重量等の実績がシェアリングカーとしての利用時と災害支援のための利用時とで等しいと仮定した場合に、第1ポイントよりも第2ポイントを大きくしてもよい。
【0052】
以上述べたように、本実施形態に係るサーバ20は、車両10が災害支援のために利用される前における車両10の第1車両情報を取得する。サーバ20は、車両10が災害支援のために利用された後における車両10の第2車両情報を取得する。そしてサーバ20は、取得された第1車両情報及び第2車両情報の差分に関する情報を、車両10の管理者に通知する。
【0053】
かかる構成によれば、車両10が災害支援のために利用される前後の車両情報の差分に関する情報が、車両10の管理者に通知される。このため、車両10の管理者は、災害支援団体への貸出中に車両10が損傷を受けたか否か等を確認可能である。例えば車両10が貸出中に損傷を受けた場合、車両10の管理者は、通知された情報を根拠に損傷に対する補填を災害支援団体に請求し得る。或いは、災害支援団体が車両10を原状回復すること(すなわち、車両10を借りたときの状態に戻すこと)を条件に管理者から車両10を借りる場合、管理者は、災害支援団体によって車両10が原状回復されたか否かを確認可能である。したがって、車両10の管理者が災害支援のために車両10を貸し出すことを躊躇する可能性が低減される点で、災害支援を目的として車両10を利用する技術が改善される。
【0054】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0055】
例えば、上述した実施形態においてサーバ20が実行する一部又は全部の動作を、車両10に実行させてもよい。また、サーバ20が実行する動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散して実行させてもよい。
【0056】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係るサーバ20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係るサーバ20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、コンピュータのメモリに格納し、コンピュータのプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 システム
10 車両
11 通信部
12 測位部
13 撮像部
14 記憶部
15 制御部
20 サーバ
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 ネットワーク