(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】印刷装置、制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/42 20060101AFI20240806BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240806BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B41J29/42 F
B41J29/38 204
H04N1/00 C
B41J29/38 202
(21)【出願番号】P 2021005099
(22)【出願日】2021-01-15
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 大護
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-022879(JP,A)
【文献】特開2006-015642(JP,A)
【文献】特開2012-148450(JP,A)
【文献】特開2010-050748(JP,A)
【文献】特開2006-088536(JP,A)
【文献】特開2009-131964(JP,A)
【文献】特開2016-022581(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0134452(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38 -29/42
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール媒体から引き出された印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
ステータス情報の印刷指示に応じて、前記印刷部に前記ステータス情報を印刷させる印刷制御部と、を備え、
前記印刷制御部は、
前記ステータス情報のうちの第1のステータス情報を前記印刷部に印刷させ、
印刷対象の候補となる前記ステータス情報それぞれに対応する少なくとも1つの選択項目を前記印刷部に印刷させ、
印刷された前記選択項目のうちの少なくとも1つの選択を検出した場合、選択された前記選択項目に対応する第2のステータス情報を前記印刷部に印刷させる、
印刷装置。
【請求項2】
前記印刷制御部は、少なくとも1つの前記選択項目と、
前記ステータス情報の印刷の終了の選択に用いられる終了選択項目と、を前記印刷部に印刷させ、前記終了選択項目の選択を検出した場合、印刷を終了するよう制御する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
ユーザーからの入力を受け付ける入力受付部をさらに備え、
前記印刷制御部は、
前記選択項目を前記印刷部に印刷させた後、前記入力受付部に対する第1の期間より短い期間継続する入力の回数に応じた前記選択項目の選択を検出し、
前記入力受付部に対する前記第1の期間以上の期間継続する入力に応じて、選択された前記選択項目に対応する前記第2のステータス情報を、前記印刷部に印刷させる、
請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷制御部は、前記印刷部の制御を行う第1制御部と、前記第1制御部と通信を行う第2制御部と、を含み、
前記第1制御部は、前記選択項目の選択を検出した場合、選択された前記選択項目に対応する前記第2のステータス情報に関する情報の送信要求を前記第2制御部に送信し、前記送信要求に応じて前記第2制御部から送信された情報に基づいて、前記第2のステータス情報を、前記印刷部に印刷させる、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第1のステータス情報に含まれる印刷項目の数は、
前記第2のステータス情報に含まれる印刷項目の数よりも少ない、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
少なくとも1つの前記選択項目は、ネットワーク診断情報に対応する前記選択項目、インテリジェント機能情報に対応する前記選択項目、Simple AP機能情報に対応する前記選択項目の少なくともいずれかである、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
ロール媒体から引き出された印刷媒体に印刷を行う印刷部を備える印刷装置の制御方法であって、
ステータス情報の印刷指示に応じて、前記ステータス情報のうちの第1のステータス情報を前記印刷部に印刷させること、
印刷対象の候補となる前記ステータス情報それぞれに対応する少なくとも1つの選択項目を前記印刷部に印刷させること、
印刷された前記選択項目のうちの少なくとも1つが選択された場合、選択された前記選択項目に対応する第2のステータス情報を前記印刷部に印刷させること、
を含む制御方法。
【請求項8】
少なくとも1つの前記選択項目は、ネットワーク診断情報に対応する前記選択項目、インテリジェント機能情報に対応する前記選択項目、Simple AP機能情報に対応する前記選択項目の少なくともいずれかである、
請求項7に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置において、その印刷装置のステータス情報の印刷を行う技術がある。特許文献1には、情報処理装置と通信可能と判断された場合、情報処理装置から受信したデータを用いて印刷処理を行い、情報処理装置と通信不可能と判断された場合、印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを生成する生成手段が生成したデータを用いて印刷処理を行う印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷可能なステータス情報の種類が増加すると、特許文献1では、以下のような課題が生じる。すなわち、ユーザーが一部のステータス情報のみの閲覧を所望する等の場合、全ての種類のステータス情報が印刷されると、ユーザーは不要な情報の印刷にかかる期間を待たされるという課題があった。また、不要な情報の印刷に用いられる印刷媒体が無駄になるという課題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための印刷装置は、ロール状に巻かれた印刷媒体から引き出された前記印刷媒体に印刷を行う印刷部と、ステータス情報の印刷指示に応じて、前記印刷部に前記ステータス情報を印刷させる印刷制御部と、を備え、前記印刷制御部は、前記ステータス情報のうちの第1のステータス情報を前記印刷部に印刷させ、印刷対象の候補となる前記ステータス情報それぞれに対応する少なくとも1つの選択項目を前記印刷部に印刷させ、印刷された前記選択項目のうちの少なくとも1つの選択を検出した場合、選択された前記選択項目に対応する第2のステータス情報を前記印刷部に印刷させる。
上記課題を解決するための制御方法は、ロール状に巻かれた印刷媒体から引き出された前記印刷媒体に印刷を行う印刷部と、ステータス情報の印刷指示に応じて、前記印刷部に前記ステータス情報を印刷させる印刷制御部と、を備える印刷装置の制御方法であって、前記印刷制御部が、前記ステータス情報のうちの第1のステータス情報を前記印刷部に印刷させ、印刷対象の候補となる前記ステータス情報それぞれに対応する少なくとも1つの選択項目を前記印刷部に印刷させ、印刷された前記選択項目のうちの少なくとも1つの選択を検出した場合、選択された前記選択項目に対応する第2のステータス情報を前記印刷部に印刷させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】ステータス情報が印刷された印刷媒体を示す図である。
【
図3】ステータス情報が印刷された印刷媒体を示す図である。
【
図4】ステータス情報の印刷処理を示すフローチャートである。
【
図5】ステータス情報が印刷された印刷媒体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)印刷装置の構成:
(2)ステータス情報印刷処理:
(3)他の実施形態:
【0008】
(1)印刷装置の構成:
図1は、本実施形態にかかる印刷装置1の構成の一例を示すブロック図である。印刷装置1は、ロール状に巻かれたロール媒体が設置され、このロール媒体から引き出された印刷媒体(例えば、紙、フィルム等)に情報を印刷する印刷装置である。本実施形態では、印刷装置1は、レシートプリンター等の小型プリンターである。本実施形態では、印刷装置1は、ステータス情報の印刷の指示に応じて、ステータス情報の印刷を行う。印刷装置1のステータス情報とは、印刷装置1の状態を示す情報である。なお、ロール媒体は、一例としてロール紙を含み、印刷媒体は一例として記録紙、感熱紙を含む。
【0009】
本実施形態において、ステータス情報は、インテリジェント機能に関する情報であるインテリジェント機能情報を含む。インテリジェント機能とは、外部の端末、周辺機器等との接続や連携を行う機能であり、例えば、Webサーバー機能である。インテリジェント機能情報は、例えば、ウェブサーバーとして利用可能か否かの情報等である。また、ステータス情報は、ネットワーク診断情報を含む。ネットワーク診断情報とは、印刷装置1と既定の外部の装置(例えば、印刷装置1に対して情報の印刷を依頼するホストコンピューター等)との間での通信状態の診断情報である。例えば、ネットワーク診断情報は、既定の外部の装置に対して接続可能か否か、既定の外部の装置と接続できない場合における原因等の情報であり、例えば、既定のSSIDの有無、セキュリティー方式の確認情報等である。また、ステータス情報は、Simple AP機能情報を含む。Simple AP機能とは、印刷装置1がアクセスポイントとなり、外部の端末がルーターを介さずに無線で直接,印刷装置1と接続する機能である。Simple AP機能情報は、例えば、印刷装置1のIPアドレス、印刷装置1への接続に用いられる2次元コード等である。また、ステータス情報は、印刷装置1における各種の処理で参照される設定値と、印刷装置1のハードウェアの状態を示す値とを含む。前者は、例えば、ネットワーク接続処理において参照されるパラメーターや、印刷処理において参照される印刷速度や印刷濃度等のパラメーターである。後者は、例えば、消耗品の残量や印刷装置1等の使用開始からの経過時間等の値である。
印刷装置1は、印刷を行う印刷部10と、印刷部10を制御し印刷を制御する印刷制御部20と、情報の入力に用いられる操作スイッチ31及び背面スイッチ32と、外部の装置との通信に用いられる通信I/F40と、を備える。
【0010】
印刷部10は、ロール媒体から印刷媒体を引き出して搬送を行う媒体搬送装置11と、ロール媒体から引き出された印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッド12と、を備える。媒体搬送装置11は、印刷媒体に当接して搬送力を伝えるローラー111と、伝達機構を介してローラー111を駆動する搬送モーター112と、を備える。印刷ヘッド12は、印刷媒体を加熱し印刷媒体を発色させる発熱素子121(印刷素子)を備える。印刷ヘッド12は、例えば、複数の発熱素子121を直線状(1ドットライン)に配置したラインサーマルヘッド等である。印刷ヘッド12は、発熱素子121に電圧を印加して発熱させ、発熱素子121に当接したロール紙の部分を加熱し、発色させて印刷画像を形成する。なお、印刷部10はカッター装置を備えてもよい。カッター装置は、例えば、可動刃である第1刃、固定刃である第2刃を有し、第1刃が第2刃の方向へ移動して印刷媒体の切断を行う。印刷部10は、カッター装置を備えることで、印刷済みの印刷媒体を任意の長さで連続する印刷媒体から切り離すことができる。
【0011】
印刷制御部20は、印刷装置1を構成する印刷ヘッド12、媒体搬送装置11等の各構成要素及び各装置の動作を統括制御する。印刷制御部20は、第1制御部21と、第2制御部22と、記憶部23と、搬送制御部24と、モーター駆動部25と、印刷ヘッド駆動部26、印刷バッファー27と、を備えている。このように、本実施形態では、印刷制御部20は、第1制御部21と、第2制御部22と、の2つの制御部を有する2コアの制御部である。
【0012】
第1制御部21は、CPU等を備え、印刷部10を用いた印刷の制御を行う。第1制御部21は、搬送制御部24及びモーター駆動部25を介して媒体搬送装置11の駆動を制御して、ロール媒体から引き出された印刷媒体を搬送する。また、第1制御部21は、印刷ヘッド駆動部26を介して印刷ヘッド12の駆動を制御して、媒体搬送装置11により搬送される印刷媒体に印刷ドットを形成し、印刷媒体上に印刷画像を形成する。また、第1制御部21は、操作スイッチ31、背面スイッチ32それぞれと接続し、操作スイッチ31、背面スイッチ32それぞれに対する操作を検知する。操作スイッチ31は、印刷装置1に対する入力受付部として機能するスイッチであり、本実施形態では、印刷媒体の搬送の指示に用いられるフィードボタンである。本実施形態では、操作スイッチ31はボタンであるため、操作スイッチ31への入力は、押下により行われる。操作スイッチ31は、ユーザーが容易に視認及び接触可能なように、印刷装置1の六面図で言う正面、上面、側面の何れかに設置される。背面スイッチ32は、ステータス情報の印刷の指示に用いられるスイッチであり、印刷装置1の六面図で言う背面に設置される。本実施形態では、第1制御部21は、通信I/F40と直接的には接続されていない。
【0013】
第2制御部22は、CPU等を備え、第1制御部21からの指示に応じて、ステータス情報の印刷データを生成する。また、本実施形態では、第2制御部22は、外部の装置との間でのネットワークを介した通信を制御し、インテリジェント機能を実現する。本実施形態では、第2制御部22は、通信I/F40と接続されており、通信I/F40を介して外部の装置とネットワークを経由した通信を行う。また、第1制御部21と第2制御部22とは、通信可能に接続されている。
記憶部23は、各種ステータス情報等を記憶する記憶装置である。
【0014】
搬送制御部24は、第1制御部21からの指示に従って、モーター駆動部25を介して媒体搬送装置11の動作を制御する。モーター駆動部25は、搬送制御部24からの指示に従って、搬送モーター112を駆動して印刷媒体を搬送させる。
印刷ヘッド駆動部26は、第1制御部21からの指示に従って、印刷ヘッド12の発熱素子121に電圧を印加して、印刷ヘッド12を駆動する。
印刷バッファー27は、印刷ヘッド12により印刷される印刷データを格納するRAM等の記憶装置である。
【0015】
続いて、第1制御部21、第2制御部22が実現する機能と、これらの機能により実現されるステータス情報の印刷処理と、の詳細を説明する。
本実施形態では、第1制御部21のCPUは、接続されたROMに記憶されたプログラムを接続されたRAMに展開し、実行することで、指示受付部211、印刷処理部212、選択受付部213の機能を実現する。なお、第1制御部21のCPUが利用するROM、RAMは、第1制御部21に含まれてもよいし、第1制御部21の外部にあってもよい。また、第2制御部22のCPUは、接続されたROMに記憶されたプログラムを接続されたRAMに展開し、実行することで、印刷データ作成部221の機能を実現する。なお、第2制御部22のCPUが利用するROM、RAMは、第1制御部21に含まれてもよいし、第1制御部21の外部にあってもよい。
【0016】
指示受付部211は、背面スイッチ32に対する既定の態様の操作を検出することで、ステータス情報の印刷指示を受け付ける機能である。
第1制御部21は、指示受付部211の機能により、背面スイッチ32に対する既定の態様の操作を、ステータス情報の印刷を指示する操作として検出する。以下では、この既定の態様の操作を、印刷指示操作とする。本実施形態では、印刷指示操作は、既定の期間(例えば、3秒、5秒等)以上の期間継続する態様の背面スイッチ32の押下であるとするが、他の態様の操作であってもよい。例えば、印刷指示操作は、背面スイッチ32に対する複数回連続する押下等であってもよい。例えば、印刷指示操作は、既定の間隔(例えば、1秒、0.8秒等)未満の間隔で、既定の回数連続する背面スイッチ32の押下であってもよい。この場合、1回の押下は、既定の期間(例えば、1秒、0.8秒等)未満の期間継続する押下であってもよい。
【0017】
印刷処理部212は、指示受付部211の機能によりステータス情報の印刷指示が受け付けられた場合に、ステータス情報の印刷を行うよう総括的に印刷部10を制御する機能である。また、印刷データ作成部221は、ステータス情報の印刷データの送信要求に応じて、ステータス情報の印刷データを作成し、要求元に送信する機能である。
第1制御部21は、印刷処理部212の機能により、ステータス情報の印刷指示が受け付けられた場合、既定のステータス情報の印刷データの送信要求を第2制御部22に送信する。本実施形態では、この既定のステータス情報は、ネットワークステータス情報である。この既定のステータス情報は、第1のステータス情報の一例である。ネットワークステータス情報とは、通信I/F40を介して接続される既定の装置に対して接続するための設定値を示す情報である。ネットワークステータス情報は、印刷装置1のネットワークに対する接続形態(有線、無線)、印刷装置1のIPアドレス、サブネットマスク、印刷装置1の接続するネットワークにおけるデフォルトゲートウェイ等の情報である。
【0018】
第2制御部22は、印刷データ作成部221の機能により、第1制御部21からの既定のステータス情報の印刷データの送信要求に応じて、既定のステータス情報の印刷データを作成する。本実施形態では、印刷装置1のネットワークステータスの情報は、記憶部23に記憶されている。そこで、第2制御部22は、記憶部23から印刷装置1のネットワークステータスの情報を取得し、取得した情報を印刷ヘッド12による印刷に用いられる印刷データに変換し、変換したデータを第1制御部21に送信する。
【0019】
ただし、他の例として、印刷データの作成は、第2制御部22でなく、第1制御部21が行うこととしてもよい。その場合、例えば、第2制御部22が印刷データに変換前の情報を第1制御部21に送信し、第1制御部21が送信された情報を印刷データに変換するとしてもよい。また、第2制御部22は、ステータス情報の印刷データの作成の工程のうちの一部を実行し、作成途中の加工データを第1制御部21に送信してもよい。その場合、第1制御部21は、印刷データの作成の工程のうちの残りの工程を実行し、印刷データを作成してもよい。また、第1制御部21が、一部のステータス情報については、第2制御部22を用いずに印刷データを作成してもよい。
【0020】
第1制御部21は、第2制御部22から送信された既定のステータス情報の印刷データを取得し、印刷バッファー27に記憶する。第1制御部21は、搬送制御部24、モーター駆動部25を介して、媒体搬送装置11に印刷媒体を搬送させながら、印刷ヘッド駆動部26を介して、印刷ヘッド12に、印刷バッファー27に記憶された既定のステータス情報の印刷媒体への印刷を行わせる。また、第1制御部21は、その他の印刷可能なステータス情報それぞれに対応し、印刷対象とするステータス情報の選択に用いられる1つ以上の選択項目の印刷媒体への印刷を、印刷ヘッド12に行わせる。すなわち、印刷される選択項目それぞれは、印刷対象の候補であるステータス情報それぞれに対応する項目である。本実施形態では、第1制御部21は、第2制御部22に対して選択項目の印刷データを要求する。そして、第2制御部22が要求に応じて選択項目の印刷データを作成し、印刷データを第1制御部21に送信する。ただし、第2制御部22でなく第1制御部21が、選択項目の印刷データを作成するとしてもよい。
図2に既定のステータス情報と選択項目とが印刷された印刷媒体を示す。
図2に示すように、印刷媒体に、領域201にネットワークステータス情報、領域202に選択項目がそれぞれ印刷されている。本実施形態では、第1制御部21は、ネットワーク診断情報、インテリジェント機能情報、Simple AP機能情報の3つのステータス情報それぞれに対応する3つの選択項目にそれぞれ付番して印刷する。本実施形態では、第1制御部21は、
図2に示すように、ネットワーク診断情報、インテリジェント機能情報、Simple AP機能情報それぞれに対応する3つの選択項目にそれぞれ(1)~(3)と付番する。
【0021】
ユーザーは、このようにして印刷された選択項目を確認することで印刷可能なステータス情報を把握でき、どのステータス情報を印刷したいか、どのステータス情報の印刷が不要かを決定できる。そして、ユーザーは、操作スイッチ31に対する操作によって、印刷したいステータス情報を印刷装置1に指定する。本実施形態では、ユーザーは、既定の第1の期間(例えば、1秒、0.8秒等)未満の期間継続する操作スイッチ31の押下を、既定の間隔(例えば、1秒、0.8秒等)未満の間隔で選択項目に付番された番号と同じ値の回数だけ繰り返すことで、印刷装置1に対応するステータス情報の印刷を指示する。例えば、ユーザーは、既定の間隔未満の間隔で、第1の期間未満の期間継続する操作スイッチ31の押下を2回繰り返すことで、インテリジェント機能情報の印刷媒体への印刷を印刷装置1に指示する。
【0022】
選択受付部213は、操作スイッチ31に対して行われる操作に基づいて、印刷処理部212の機能により印刷された選択項目から少なくとも1つの選択を受け付ける機能である。
第1制御部21は、選択受付部213の機能により、操作スイッチ31に対する既定の態様の操作を、選択項目を選択する操作として検出する。以下では、この既定の態様の操作を、選択操作とする。本実施形態では、第1制御部21は、選択操作として、既定の間隔未満の間隔での、第1の期間未満の期間継続する押下が少なくとも1回以上連続する操作スイッチ31の操作を検出する。そして、第1制御部21は、検出した選択操作において操作スイッチ31の押下が連続した回数を特定する。第1制御部21は、印刷媒体に印刷された選択項目のうち、特定した回数と同じ値の番号が付番された選択項目を特定する。そして、第1制御部21は、特定した選択項目に対応するステータス情報を、印刷対象として選択されたステータス情報として決定する。以下では、印刷対象として選択されたステータス情報を、選択ステータス情報とする。選択ステータス情報は、第2のステータス情報の一例である。
【0023】
また、第1制御部21は、選択受付部213の機能により、操作スイッチ31に対する既定の態様の操作を、選択ステータス情報の印刷を指示する操作として検出する。以下では、この既定の態様の操作を、選択ステータス印刷操作とする。本実施形態では、第1制御部21は、選択ステータス印刷操作として、第1の期間以上の期間、押下が継続する操作スイッチ31の操作を検出する。
このようにすることで、印刷装置1は、選択項目の選択と、選択ステータス情報の印刷の指示と、を切り分けて受け付ける。そのため、ユーザーは、印刷装置1において、選択項目の選択と、選択ステータス情報の印刷の指示と、の何れが行われているかをより容易に把握できる。
【0024】
第1制御部21は、選択受付部213の機能により選択ステータス情報の印刷指示を受け付けた場合、印刷処理部212の機能により、選択ステータス情報の印刷を行う。より具体的には、第1制御部21は、選択ステータス情報の印刷データの送信要求を、第2制御部22に送信する。
【0025】
第2制御部22は、印刷データ作成部221の機能により、第1制御部21からの選択ステータス情報の印刷データの送信要求に応じて、選択ステータス情報の印刷データを作成する。本実施形態では、第2制御部22は、選択ステータス情報がネットワーク診断情報である場合、既定の接続先との間での通信I/F40を介した接続の診断を行い、診断結果を取得する。ここで、既定の接続先との接続の診断とは、既定の接続先との接続が可能か否か、接続できない場合はその原因(例えば、ネットワークに接続されていない、接続されているネットワーク上に接続先が発見できない等)について診断することである。そして、第2制御部22は、取得した診断結果を、印刷ヘッド12による印刷に用いられる印刷データに変換することで、ネットワーク診断情報の印刷データを作成する。
【0026】
また、第2制御部22は、選択ステータス情報がインテリジェント機能情報である場合、印刷装置1のインテリジェント機能の各機能が利用可能か否か、利用できない場合はその原因(例えば、ネットワークに接続されていない、他の処理の負荷が過大である等)を診断し、診断結果を取得する。そして、第2制御部22は、取得した診断結果を、印刷ヘッド12による印刷に用いられる印刷データに変換することで、インテリジェント機能情報の印刷データを作成する。
【0027】
また、第2制御部22は、選択ステータス情報がSimple AP機能情報である場合、印刷装置1の外部の端末との間でのルーターを介さない無線接続を受け付ける準備を行う。例えば、第2制御部22は、接続に用いられるポートの解放、外部の端末にとっての接続先となる印刷装置1のIPアドレスの特定等を行う。第2制御部22は、外部の端末が印刷装置1に接続するために用いられる情報(例えば、印刷装置1のIPアドレス、印刷装置1への接続に用いられる2次元コード等)を取得する。そして、第2制御部22は、取得した情報を、印刷ヘッド12による印刷に用いられる印刷データに変換することで、Simple AP機能情報の印刷データを作成する。
第2制御部22は、作成した選択ステータス情報の印刷データを第1制御部21に送信する。
【0028】
第1制御部21は、印刷処理部212の機能により、第2制御部22から送信された選択ステータス情報の印刷データを取得し、印刷バッファー27に記憶する。第1制御部21は、搬送制御部24、モーター駆動部25を介して、媒体搬送装置11に印刷媒体を搬送させながら、印刷ヘッド駆動部26を介して、印刷ヘッド12に、印刷バッファー27に記憶された既定のステータス情報の印刷媒体への印刷を行わせる。
図3に選択ステータス情報としてネットワーク診断情報が選択された場合に、印刷処理部212の機能により選択ステータス情報が印刷された印刷媒体を示す。
図3には、印刷媒体における選択項目が印刷された領域202以降の領域203にネットワーク診断情報が印刷されていることが示される。
【0029】
以上の本実施形態の構成により、印刷装置1は、既定のステータス情報であるネットワークステータス情報を印刷部10に印刷させ、印刷対象の候補となるステータス情報それぞれに対応する選択項目を印刷部10に印刷させる。そして、印刷装置1は、印刷された選択項目から少なくとも1つの選択を検出した場合、選択された選択項目に対応するステータス情報を印刷部10にさせる。これにより、印刷装置1は、不要なステータス情報の印刷を行わず、ステータス情報の印刷完了までのユーザーの待ち時間を低減できる。また、印刷装置1は、不要なステータス情報が印刷されることで無駄となる印刷媒体の量を削減できる。
【0030】
また、本実施形態では、印刷装置1は、既定のステータス情報としてネットワークステータス情報については、印刷するか否かの選択を要さずに、印刷する。ネットワークステータス情報は、ユーザーが閲覧を所望する可能性が他のステータス情報に比べて高い。そのため、印刷装置1は、印刷するか否かの選択を要さずに、ネットワークステータス情報を印刷することで、ユーザーによる不要な選択の手間を軽減できる。
また、本実施形態では、印刷装置1は、操作スイッチ31に対する操作に基づいて印刷するステータス情報の選択を受け付ける。そのため、ユーザーは、印刷装置1の他の表面に比べて確認、接触がしづらい背面に存在する背面スイッチ32よりも操作しやすい操作スイッチ31を操作することで、印刷するステータス情報を選択できる。このように、印刷装置1は、印刷装置1の利便性を向上できる。
【0031】
また、本実施形態では、第1制御部21は、ステータス情報の印刷データを第2制御部22に要求する。そのため、印刷するステータス情報が増加すると第1制御部21と第2制御部22との間でやり取りされるデータ量が増加し、第1制御部21と第2制御部22との間の通信にかかる時間が増大する場合がある。印刷装置1は、選択されなかった不要なステータス情報の印刷を行わないことで、第1制御部21と第2制御部22とを備える構成において、第1制御部21と第2制御部22との間でやり取りされるデータ量を削減し、ユーザーの待ち時間をより削減できる。
また、本実施形態では、ネットワーク診断情報、インテリジェント機能情報、Simple AP機能情報それぞれの印刷データの作成の前には、診断や準備等の前処理が行われる。印刷装置1は、不要なステータス情報を印刷しないようにすることで、このような前処理が完了するまでの時間をユーザーに待たせないようにできる。
【0032】
(2)ステータス情報印刷処理:
図4のフローチャートを用いて、印刷装置1が実行するステータス情報の印刷処理を説明する。印刷装置1は、電源がオンになることをトリガーとして
図4の処理を開始するとするが、他のトリガー(例えば、既定の時刻になったこと等)により、
図4の処理を開始してもよい。
S100において、第1制御部21は、指示受付部211の機能により、背面スイッチ32に対する印刷指示操作を検出したか否かを判定する。第1制御部21は、指示受付部211の機能により、背面スイッチ32に対する印刷指示操作を検出したと判定した場合、処理をS105に進め、背面スイッチ32に対する印刷指示操作を検出していないと判定した場合、S100の処理を繰り返す。
【0033】
S105において、第1制御部21は、印刷処理部212の機能により、既定のステータス情報であるネットワークステータス情報の印刷データの送信要求を第2制御部22に送信する。第2制御部22は、印刷データ作成部221の機能により、第1制御部21からの既定のステータス情報の印刷データの送信要求に応じて、既定のステータス情報の印刷データを作成し、作成した印刷データを第1制御部21に送信する。
S110において、第1制御部21は、印刷処理部212の機能により、第2制御部22から送信された既定のステータス情報の印刷データを取得し、印刷バッファー27に記憶する。第1制御部21は、搬送制御部24、モーター駆動部25を介して、媒体搬送装置11に印刷媒体を搬送させながら、印刷ヘッド駆動部26を介して、印刷ヘッド12に、印刷バッファー27に記憶された既定のステータス情報の印刷媒体への印刷を行わせる。
【0034】
S115において、第1制御部21は、印刷処理部212の機能により、その他の印刷可能なステータス情報それぞれに対応する選択項目の印刷を、印刷ヘッド12に行わせる。本実施形態では、第1制御部21は、ネットワーク診断情報、インテリジェント機能情報、Simple AP機能情報の3つのステータス情報それぞれに対応する3つの選択項目にそれぞれ(1)~(3)と付番して印刷させる。
S120において、第1制御部21は、選択受付部213の機能により、操作スイッチ31に対する選択操作が行われたか否かを判定する。第1制御部21は、操作スイッチ31に対する選択操作が行われたと判定した場合、処理をS125に進め、操作スイッチ31に対する選択操作が行われていないと判定した場合、処理をS130に進める。
【0035】
S125において、第1制御部21は、選択受付部213の機能により、直前のS120で検出されたと判定された選択操作において操作スイッチ31の押下が連続した回数を特定する。第1制御部21は、印刷媒体に印刷された選択項目のうち、特定した回数と同じ値の番号が付番された選択項目を特定する。そして、第1制御部21は、特定した選択項目に対応するステータス情報を、選択ステータス情報として決定する。
S130において、第1制御部21は、選択受付部213の機能により、操作スイッチ31に対する選択ステータス印刷操作が行われたか否かを判定する。第1制御部21は、操作スイッチ31に対する選択ステータス印刷操作が行われたと判定した場合、処理をS135に進め、操作スイッチ31に対する選択ステータス印刷操作が行われていないと判定した場合、処理をS120に進める。
【0036】
S135において、第1制御部21は、選択ステータス情報の印刷データの送信要求を、第2制御部22に送信する。第2制御部22は、印刷データ作成部221の機能により、第1制御部21からの選択ステータス情報の印刷データの送信要求に応じて、選択ステータス情報の印刷データを作成し、作成した印刷データを第1制御部21に送信する。
S140において、第1制御部21は、印刷処理部212の機能により、第2制御部22から送信された選択ステータス情報の印刷データを取得し、印刷バッファー27に記憶する。第1制御部21は、搬送制御部24、モーター駆動部25を介して、媒体搬送装置11に印刷媒体を搬送させながら、印刷ヘッド駆動部26を介して、印刷ヘッド12を制御し、印刷バッファー27に記憶された選択ステータス情報の印刷媒体への印刷を行わせる。
【0037】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。以上の実施形態のようにステータス情報の印刷指示に応じて、既定のステータス情報と、他の印刷可能なステータス情報に対応する選択項目と、を印刷し、印刷した選択項目のうちの少なくとも1つの選択を受け付け、選択されたステータス情報を印刷する手法は、プログラムの発明、方法の発明としても実現可能である。
【0038】
上述の実施形態では、印刷制御部20は、2コアであり、第1制御部21と第2制御部22とを有する。そして、第1制御部21と第2制御部22とが協働してステータス情報の印刷を行う。ただし、印刷制御部20は、1つの制御部を有する1コアとして構成されてもよい。その場合、印刷制御部20内の1つの制御部は、例えば、第1制御部21と第2制御部22との双方の機能を有するよう構成される。印刷制御部20は、3つ以上の制御部を有する3つ以上のコアとして構成されてもよい。
【0039】
また、上述の実施形態では、印刷装置1は、既定のステータス情報を印刷媒体に印刷した後で、他の印刷可能なステータス情報それぞれに対応する選択項目を印刷媒体に印刷する。ただし、既定のステータス情報と選択項目との印刷の順序は、この順序に限定されない。例えば、
図4の処理において、S110とS115との処理の順序を入れ替えてもよい。すなわち、印刷装置1は、選択項目を印刷媒体に印刷した後で、既定のステータス情報を印刷してもよい。
また、上述の実施形態では、第2制御部22が、ネットワーク診断情報、インテリジェント機能情報、Simple AP機能情報それぞれの印刷データの作成の前処理を行う。ただし、第2制御部22が、ネットワーク診断情報、インテリジェント機能情報、Simple AP機能情報それぞれの印刷データの作成の前処理を行うとしてもよい。
【0040】
また、上述の実施形態では、既定のステータス情報は、ネットワークステータス情報である。ただし、既定のステータス情報は、ネットワークステータス情報と異なる情報であってもよいし、複数のステータス情報の組み合わせであってもよい。例えば、既定のステータス情報は、印刷装置1に設置されたロール媒体についてのステータス情報(例えば、媒体の種類、残量等)であってもよい。
また、既定のステータス情報は、他の印刷可能なステータス情報と比べて、印刷される項目である印刷項目の数が少ない方が望ましい。既定のステータス情報については、ステータス情報の印刷の際には、ユーザーの選択に関わらず印刷される。そのため、印刷装置1は、他の印刷可能なステータス情報よりも印刷項目が少ないステータス情報を、既定のステータス情報とすることで、印刷にかかる時間の増加を抑制できる。
【0041】
また、上述の実施形態では、既定のステータス情報の他の印刷可能なステータス情報は、ネットワーク診断情報、インテリジェント機能情報、Simple AP機能情報である。ただし、他の印刷可能なステータス情報は、これらの情報のうちの少なくとも一部を含まないこととしてもよいし、これらの情報と異なる情報(ロール媒体についてのステータス情報)を含んでもよい。
【0042】
また、上述の実施形態では、印刷装置1は、背面スイッチ32に対する印刷指示操作をトリガーとして、ステータス情報の印刷を開始する。ただし、印刷装置1は、背面スイッチ32に対する印刷指示操作と異なるトリガーによって、ステータス情報の印刷を開始してもよい。例えば、印刷装置1は、印刷装置1におけるロール媒体の格納部のカバーが閉まっている状態で操作スイッチ31に対して既定の閾値(例えば、3秒、5秒等)以上の期間継続する押下が行われたことをトリガーとして、ステータス情報の印刷を開始してもよい。
また、上述の実施形態では、操作スイッチ31は、フィードボタンである。ただし、操作スイッチ31は、フィードボタンと異なるスイッチでもよい。例えば、操作スイッチ31は、選択項目の選択用に設置されたボタンであってもよい。
【0043】
また、上述の実施形態では、印刷装置1は、印刷可能なステータス情報に対応する選択項目を印刷媒体に印刷し、操作スイッチ31を介して印刷した選択項目から少なくとも1つの選択を受け付ける。ただし、印刷装置1は、選択項目と併せて、ステータス情報の印刷の終了の選択に用いられる項目である終了選択項目を印刷媒体に印刷してもよい。例えば、印刷装置1は、
図5に示すように、終了選択項目として、選択項目(1)~(3)が印刷された領域202の直下の領域203に(4)と付番された「Exit」項目を印刷してもよい。この場合、印刷装置1は、例えば、操作スイッチ31に対する選択操作と同様の押下が4回連続して行われる操作を検出した場合、ステータス情報の印刷を終了する。これにより、印刷装置1は、印刷された選択項目に対応するステータス情報の中にユーザーの所望のステータス情報がない場合、印刷装置1による印刷を終了し、ロール媒体をより節約できる。
【0044】
また、印刷装置1は、既定のステータス情報と選択項目とを印刷した後で、既定の期間(例えば、1分間、2分間、3分間)経過するまでに操作スイッチ31に対する操作が検出されなかった場合、ステータス情報の印刷を終了してもよい。また、印刷装置1は、既定のステータス情報と選択項目とを印刷した後で、操作スイッチ31に対する選択ステータス印刷操作が行われた場合、選択ステータス情報が選択されていなかったら、ステータス情報の印刷を終了してもよい。
【0045】
また、上述の実施形態では、印刷装置1は、既定のステータス情報と選択項目とを印刷した後で、操作スイッチ31に対する選択ステータス印刷操作が行われるまで、選択項目の選択を受け付ける。ただし、例えば、選択項目に対応するステータス情報のうち、ユーザーが1つのステータス情報のみを確認したい場合がある。このような場合、選択操作は一度しか行われないため、選択操作の後で改めて選択ステータス印刷操作を行うことがユーザーにとって手間となる場合がある。そこで、印刷装置1は、既定のステータス情報と選択項目とを印刷した後で、操作スイッチ31に対する選択操作が1回行われた場合、選択操作に応じて決定した選択ステータス情報の印刷を開始してもよい。これにより、印刷装置1は、不要な操作の手間を軽減できる。
【0046】
また、上述の実施形態では、印刷装置1は、既定のステータス情報と選択項目とを印刷した後で、選択項目の選択を受け付ける。印刷装置1は、選択項目の選択を受け付けた後で、操作スイッチ31に対する選択ステータス印刷操作が行われるまで、選択項目の選択のリセットを指示する操作スイッチ31に対する既定の態様の操作を検出してもよい。例えば、印刷装置1は、操作スイッチ31に対する選択操作と同様の押下が既定の回数(例えば,10回等)以上連続する操作を検出した場合、決定した選択ステータス情報を、選択ステータス情報としないように決定してもよい。これにより、ユーザーが選択項目の選択を失敗した場合でも,ユーザーは、所望の選択項目を選択できる。
【0047】
また、上述の実施形態では、選択操作は、既定の間隔未満の間隔での、第1の期間未満の期間継続する押下が少なくとも1回以上連続する操作スイッチ31の操作であるとした。ただし、選択操作は、操作スイッチ31に対する他の操作であってもよく、例えば、選択する選択項目の付番に応じた長さの期間と既定の誤差(例えば、0.1秒等)以内の期間継続する押下であってもよい。選択する選択項目の付番に応じた長さの期間は、例えば、選択項目(1)~(3)それぞれに対しては1秒間、2秒間、3秒間等である。
【0048】
また、上述の実施形態では、選択ステータス印刷操作は、操作スイッチ31に対にする第1の期間以上の期間継続する押下である。ただし、選択ステータス印刷操作は、他の操作であってもよく、例えば、既定の間隔未満の間隔での、第1の期間未満の期間継続する押下が印刷された選択項目の数以上連続する操作スイッチ31の操作であるとしてもよい。
【0049】
選択項目は、対応するステータス情報が何であるかを示す項目であればよい。例えば、選択項目は、対応するステータス情報の名称であればよい。
【0050】
さらに本発明は、コンピューターが実行するプログラムや、方法としても適用可能である。また、以上のようなプログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置が備える部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、プログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリー等であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0051】
1…印刷装置、10…印刷部、11…媒体搬送装置、111…ローラー、112…搬送モーター、12…印刷ヘッド、121…発熱素子、20…印刷制御部、21…第1制御部、211…指示受付部、212…印刷処理部、213…選択受付部、22…第2制御部、221…印刷データ作成部、23…記憶部、24…搬送制御部、25…モーター駆動部、26…印刷ヘッド駆動部、27…印刷バッファー、31…操作スイッチ、32…背面スイッチ、40…通信I/F