(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】印刷履歴管理システム、印刷履歴管理方法、印刷履歴管理プログラム、情報処理装置及び内部システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240806BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G06F3/12 373
B41J29/38 801
G06F3/12 303
(21)【出願番号】P 2021014189
(22)【出願日】2021-02-01
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金川 浩平
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-112706(JP,A)
【文献】特開2014-241008(JP,A)
【文献】特開2006-222811(JP,A)
【文献】特開2014-089648(JP,A)
【文献】特開2017-068835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷履歴情報を管理する内部システムと、
前記内部システムに接続可能であり、且つ、互いに接続可能な複数の情報処理装置と、を備える印刷履歴管理システムであって、
印刷を実行した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置は、通信可能な他の前記情報処理装置に前記印刷履歴情報を送信可能であり、 他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置は、受信した前記印刷履歴情報に対して所定の共有処理を行い、前記印刷履歴情報の送信先である他の前記情報処理装置とは別の他の前記情報処理装置に、前記所定の共有処理後の印刷履歴情報を送信可能であ
り、
前記情報処理装置は、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を取得し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報を取得する印刷履歴取得部と、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を含む共有済印刷履歴情報を記憶し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報に含まれる前記共有済印刷履歴情報を更新して記憶する印刷履歴記憶部と、
前記印刷履歴記憶部に記憶された前記共有済印刷履歴情報を含む印刷履歴情報を、前記内部システム及び他の前記情報処理装置に送信可能な印刷履歴送信部と、を有し、
前記所定の共有処理において、前記情報処理装置は、電子署名の情報を生成して、前記電子署名の情報を前記共有済印刷履歴情報に付加した前記印刷履歴情報を記憶する
ことを特徴とする印刷履歴管理システム。
【請求項2】
印刷履歴情報を管理する内部システムと、
前記内部システムに接続可能であり、且つ、互いに接続可能な複数の情報処理装置と、を備える印刷履歴管理システムであって、
印刷を実行した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置は、通信可能な他の前記情報処理装置に前記印刷履歴情報を送信可能であり、 他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置は、受信した前記印刷履歴情報に対して所定の共有処理を行い、前記印刷履歴情報の送信先である他の前記情報処理装置とは別の他の前記情報処理装置に、前記所定の共有処理後の印刷履歴情報を送信可能であり、
前記情報処理装置は、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を取得し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報を取得する印刷履歴取得部と、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を含む共有済印刷履歴情報を記憶し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報に含まれる前記共有済印刷履歴情報を更新して記憶する印刷履歴記憶部と、
前記印刷履歴記憶部に記憶された前記共有済印刷履歴情報を含む印刷履歴情報を、前記内部システム及び他の前記情報処理装置に送信可能な印刷履歴送信部と、を有し、
前記情報処理装置において印刷が実行された場合には、前記印刷履歴記憶部は、当該情報処理装置の識別情報及び現在の日時情報を含む共有済情報を当該印刷の印刷情報に付加し、前記印刷情報に前記共有済情報が付加された情報を前記共有済印刷履歴情報として記憶し、
前記情報処理装置において他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報が受信された場合には、前記印刷履歴記憶部は、当該情報処理装置の識別情報及び現在の日時情報を含む共有済情報を、受信した前記印刷履歴情報に含まれる共有済印刷履歴情報に追記して更新し、更新された前記共有済印刷履歴情報を記憶する
ことを特徴とする印刷履歴管理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置が前記内部システムに接続されている場合、前記情報処理装置は前記印刷履歴情報を前記内部システムに送信する
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の印刷履歴管理システム。
【請求項4】
前記所定の共有処理において、前記情報処理装置は、電子署名の情報を生成して、前記電子署名の情報を前記共有済印刷履歴情報に付加した前記印刷履歴情報を記憶する
ことを特徴とする請求項
2に記載の印刷履歴管理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置において印刷が実行された場合には、前記印刷履歴記憶部は、当該情報処理装置の識別情報及び現在の日時情報を含む共有済情報を当該印刷の印刷情報に付加し、前記印刷情報に前記共有済情報が付加された情報を前記共有済印刷履歴情報として記憶し、
前記情報処理装置において他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報が受信された場合には、前記印刷履歴記憶部は、当該情報処理装置の識別情報及び現在の日時情報を含む共有済情報を、受信した前記印刷履歴情報に含まれる共有済印刷履歴情報に追記して更新し、更新された前記共有済印刷履歴情報を記憶する
ことを特徴とする請求項
1に記載の印刷履歴管理システム。
【請求項6】
前記内部システムは、
外部の前記情報処理装置から受信した前記印刷履歴情報を保存するデータベースと、 外部の前記情報処理装置から受信した前記印刷履歴情報に含まれる電子署名の情報が正しいか否かを確認する電子署名確認部と、
外部の前記情報処理装置から受信した前記印刷履歴情報の内容と、前記データベースに保存されている、当該受信した印刷履歴情報の送信先である前記情報処理装置以外の前記情報処理装置から受信した当該印刷履歴情報に関連する他の印刷履歴情報の内容とを比較し、当該受信した印刷履歴情報に矛盾があるか否かを確認する印刷履歴確認部と、
前記印刷履歴確認部により、受信した前記印刷履歴情報に含まれる電子署名の情報が正しくなく、又は、当該受信した印刷履歴情報に矛盾があると確認された場合には、その旨の警告を通知する警告通知部と、を有する
ことを特徴とする請求項
1又は
2に記載の印刷履歴管理システム。
【請求項7】
前記印刷情報は、少なくとも印刷された資料の情報及び当該印刷の日時の情報を含む
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の印刷履歴管理システム。
【請求項8】
印刷履歴情報を管理する内部システム及び他の情報処理装置と接続可能な情報処理装置で行われる印刷履歴管理方法であって、
印刷を実行した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置と通信可能な前記他の情報処理装置に前記印刷履歴情報を送信することと、 前記他の情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、受信した前記印刷履歴情報に対して所定の共有処理を行い、前記印刷履歴情報の送信先である前記他の情報処理装置とは別の前記他の情報処理装置に、前記所定の共有処理後の印刷履歴情報を送信することと、
前記情報処理装置は、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を取得し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報を取得することと、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を含む共有済印刷履歴情報を記憶し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報に含まれる前記共有済印刷履歴情報を更新して記憶することと、
記憶された前記共有済印刷履歴情報を含む印刷履歴情報を、前記内部システム及び他の前記情報処理装置に送信することと、
前記所定の共有処理において、前記情報処理装置は、電子署名の情報を生成して、前記電子署名の情報を前記共有済印刷履歴情報に付加した前記印刷履歴情報を記憶することと、を含む
ことを特徴とする印刷履歴管理方法。
【請求項9】
印刷履歴情報を管理する内部システム及び他の情報処理装置と接続可能な情報処理装置で行われる印刷履歴管理方法であって、
印刷を実行した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置と通信可能な前記他の情報処理装置に前記印刷履歴情報を送信することと、 前記他の情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、受信した前記印刷履歴情報に対して所定の共有処理を行い、前記印刷履歴情報の送信先である前記他の情報処理装置とは別の前記他の情報処理装置に、前記所定の共有処理後の印刷履歴情報を送信することと、
前記情報処理装置は、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を取得し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報を取得することと、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を含む共有済印刷履歴情報を記憶し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報に含まれる前記共有済印刷履歴情報を更新して記憶することと、
記憶された前記共有済印刷履歴情報を含む印刷履歴情報を、前記内部システム及び他の前記情報処理装置に送信することと、
前記情報処理装置において印刷が実行された場合には、当該情報処理装置の識別情報及び現在の日時情報を含む共有済情報を当該印刷の印刷情報に付加し、前記印刷情報に前記共有済情報が付加された情報を前記共有済印刷履歴情報として記憶することと、
前記情報処理装置において他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報が受信された場合には、当該情報処理装置の識別情報及び現在の日時情報を含む共有済情報を、受信した前記印刷履歴情報に含まれる共有済印刷履歴情報に追記して更新し、更新された前記共有済印刷履歴情報を記憶することと、を含む
ことを特徴とする印刷履歴管理方法。
【請求項10】
印刷履歴情報を管理する内部システム及び他の情報処理装置と接続可能な情報処理装置に実装して実行させる印刷履歴管理プログラムであって、
印刷を実行した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置と通信可能な前記他の情報処理装置に前記印刷履歴情報を送信する処理と、 前記他の情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、受信した前記印刷履歴情報に対して所定の共有処理を行い、前記印刷履歴情報の送信先である前記他の情報処理装置とは別の前記他の情報処理装置に、前記所定の共有処理後の印刷履歴情報を送信する処理と、
前記情報処理装置は、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を取得し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報を取得する処理と、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を含む共有済印刷履歴情報を記憶し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報に含まれる前記共有済印刷履歴情報を更新して記憶する処理と、
記憶された前記共有済印刷履歴情報を含む印刷履歴情報を、前記内部システム及び他の前記情報処理装置に送信する処理と、
前記所定の共有処理において、前記情報処理装置は、電子署名の情報を生成して、前記電子署名の情報を前記共有済印刷履歴情報に付加した前記印刷履歴情報を記憶する処理と、を含む
ことを特徴とする印刷履歴管理プログラム。
【請求項11】
印刷履歴情報を管理する内部システム及び他の情報処理装置と接続可能な情報処理装置に実装して実行させる印刷履歴管理プログラムであって、
印刷を実行した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置と通信可能な前記他の情報処理装置に前記印刷履歴情報を送信する処理と、 前記他の情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、受信した前記印刷履歴情報に対して所定の共有処理を行い、前記印刷履歴情報の送信先である前記他の情報処理装置とは別の前記他の情報処理装置に、前記所定の共有処理後の印刷履歴情報を送信する処理と、
前記情報処理装置は、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を取得し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報を取得する処理と、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を含む共有済印刷履歴情報を記憶し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報に含まれる前記共有済印刷履歴情報を更新して記憶する処理と、
記憶された前記共有済印刷履歴情報を含む印刷履歴情報を、前記内部システム及び他の前記情報処理装置に送信する処理と、
前記情報処理装置において印刷が実行された場合には、当該情報処理装置の識別情報及び現在の日時情報を含む共有済情報を当該印刷の印刷情報に付加し、前記印刷情報に前記共有済情報が付加された情報を前記共有済印刷履歴情報として記憶する処理と、
前記情報処理装置において他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報が受信された場合には、当該情報処理装置の識別情報及び現在の日時情報を含む共有済情報を、受信した前記印刷履歴情報に含まれる共有済印刷履歴情報に追記して更新し、更新された前記共有済印刷履歴情報を記憶する処理と、を含む
ことを特徴とする印刷履歴管理プログラム。
【請求項12】
印刷履歴情報を管理する内部システム及び他の情報処理装置と接続可能な情報処理装置であって、
印刷を実行した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置と通信可能な前記他の情報処理装置に前記印刷履歴情報を送信し、
前記他の情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、受信した前記印刷履歴情報に対して所定の共有処理を行い、前記印刷履歴情報の送信先である前記他の情報処理装置とは別の前記他の情報処理装置に、前記所定の共有処理後の印刷履歴情報を送信
し、
前記情報処理装置は、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を取得し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報を取得する印刷履歴取得部と、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を含む共有済印刷履歴情報を記憶し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報に含まれる前記共有済印刷履歴情報を更新して記憶する印刷履歴記憶部と、
前記印刷履歴記憶部に記憶された前記共有済印刷履歴情報を含む印刷履歴情報を、前記内部システム及び他の前記情報処理装置に送信可能な印刷履歴送信部と、を有し、
前記所定の共有処理において、前記情報処理装置は、電子署名の情報を生成して、前記電子署名の情報を前記共有済印刷履歴情報に付加した前記印刷履歴情報を記憶する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
印刷履歴情報を管理する内部システム及び他の情報処理装置と接続可能な情報処理装置であって、
印刷を実行した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置と通信可能な前記他の情報処理装置に前記印刷履歴情報を送信し、
前記他の情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した前記情報処理装置が前記内部システムに接続されていない場合、受信した前記印刷履歴情報に対して所定の共有処理を行い、前記印刷履歴情報の送信先である前記他の情報処理装置とは別の前記他の情報処理装置に、前記所定の共有処理後の印刷履歴情報を送信し、
前記情報処理装置は、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を取得し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報を取得する印刷履歴取得部と、
当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を含む共有済印刷履歴情報を記憶し、他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報に含まれる前記共有済印刷履歴情報を更新して記憶する印刷履歴記憶部と、
前記印刷履歴記憶部に記憶された前記共有済印刷履歴情報を含む印刷履歴情報を、前記内部システム及び他の前記情報処理装置に送信可能な印刷履歴送信部と、を有し、
前記情報処理装置において印刷が実行された場合には、前記印刷履歴記憶部は、当該情報処理装置の識別情報及び現在の日時情報を含む共有済情報を当該印刷の印刷情報に付加し、前記印刷情報に前記共有済情報が付加された情報を前記共有済印刷履歴情報として記憶し、
前記情報処理装置において他の前記情報処理装置から前記印刷履歴情報が受信された場合には、前記印刷履歴記憶部は、当該情報処理装置の識別情報及び現在の日時情報を含む共有済情報を、受信した前記印刷履歴情報に含まれる共有済印刷履歴情報に追記して更新し、更新された前記共有済印刷履歴情報を記憶する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
印刷履歴情報を管理する印刷履歴管理システムに含まれる内部システムであって、
外部の情報処理装置から受信した前記印刷履歴情報を保存するデータベースと、
外部の情報処理装置から受信した前記印刷履歴情報に含まれる電子署名の情報が正しいか否かを確認する電子署名確認部と、
外部の前記情報処理装置から受信した前記印刷履歴情報の内容と、前記データベースに保存されている、当該受信した印刷履歴情報の送信先である情報処理装置以外の情報処理装置から受信した当該印刷履歴情報に関連する他の印刷履歴情報の内容とを比較し、当該受信した印刷履歴情報に矛盾があるか否かを確認する印刷履歴確認部と、
前記印刷履歴確認部により、受信した前記印刷履歴情報に含まれる電子署名の情報が正しくなく、又は、当該受信した印刷履歴情報に矛盾があると確認された場合には、その旨の警告を通知する警告通知部と、を備える
内部システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷履歴管理システム、印刷履歴管理方法、印刷履歴管理プログラム、情報処理装置及び内部システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、機密性のある文書を印刷した印刷物の流出による情報漏洩の防止するための文書セキュリティサーバ、文書セキュリティシステム等が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の文書セキュリティサーバは、ユーザー端末により印刷要求が行われた印刷物識別情報が付された機密文書を印刷物として出力した場合、機密文書出力後の制限として、印刷物識別情報に応じて、機密文書の印刷物を廃棄又は収納しない限り建物外に出ることを許可しない機能を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、昨今の新型コロナウイルスの影響により、リモートワークを実施する企業が増えつつあり、リモートワーク時に社内システム(内部システム)へ接続することなく業務を行う機会が増加している。この場合、リモートワーク時に、例えば、社員(ユーザー)が、内部システムから自身のユーザー端末に資料をダウロードした後、社内システムとの接続を切り、当該資料を印刷すると、当該資料の印刷履歴を会社側での管理できないという問題が発生する。上記特許文献1で提案されている技術は、社内システムにアクセスして印刷を行った場合を前提とした印刷管理技術であるので、この技術では、ユーザー端末が社内システムとのアクセスを切断した状態で印刷が行われた場合に発生する上記問題を解消することはできない。なお、上述のような問題を防ぐため、例えば、社内システムからの資料のダウンロードに制限を設ける方法もある。しかし、この方法では、リモートワークで社内システムにアクセスするときに特別な通信手段を使うことが多く、通信負荷を下げるためにファイルのダウンロードを許容する場合があるため、資料のダウンロードを完全に制限することが困難である。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、例えば、リモートワーク時に、ユーザー端末が内部システムに接続されていない状況において、社員が資料等を印刷した場合にも、印刷履歴を管理することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、印刷履歴情報を管理する内部システムと、内部システムに接続可能であり、且つ、互いに接続可能な複数の情報処理装置とを備える印刷履歴管理システムであって、印刷を実行した情報処理装置が内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置は、通信可能な他の情報処理装置に印刷履歴情報を送信可能であり、他の情報処理装置から印刷履歴情報を受信した情報処理装置が内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置は、受信した印刷履歴情報に対して所定の共有処理を行い、印刷履歴情報の送信先である他の情報処理装置とは別の他の情報処理装置に、所定の共有処理後の印刷履歴情報を送信可能であり、情報処理装置は、当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を取得し、他の情報処理装置から印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報を取得する印刷履歴取得部と、当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を含む共有済印刷履歴情報を記憶し、他の情報処理装置から印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報に含まれる共有済印刷履歴情報を更新して記憶する印刷履歴記憶部と、印刷履歴記憶部に記憶された共有済印刷履歴情報を含む印刷履歴情報を、内部システム及び他の情報処理装置に送信可能な印刷履歴送信部と、を有し、所定の共有処理において、情報処理装置は、電子署名の情報を生成して、電子署名の情報を共有済印刷履歴情報に付加した印刷履歴情報を記憶する。
また、本発明は、印刷履歴情報を管理する内部システムと、内部システムに接続可能であり、且つ、互いに接続可能な複数の情報処理装置とを備える印刷履歴管理システムであって、印刷を実行した情報処理装置が内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置は、通信可能な他の情報処理装置に印刷履歴情報を送信可能であり、他の情報処理装置から印刷履歴情報を受信した情報処理装置が内部システムに接続されていない場合、当該情報処理装置は、受信した印刷履歴情報に対して所定の共有処理を行い、印刷履歴情報の送信先である他の情報処理装置とは別の他の情報処理装置に、所定の共有処理後の印刷履歴情報を送信可能であり、情報処理装置は、当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を取得し、他の情報処理装置から印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報を取得する印刷履歴取得部と、当該情報処理装置で印刷を実行した場合には当該印刷の印刷情報を含む共有済印刷履歴情報を記憶し、他の情報処理装置から印刷履歴情報を受信した場合には当該印刷履歴情報に含まれる共有済印刷履歴情報を更新して記憶する印刷履歴記憶部と、印刷履歴記憶部に記憶された共有済印刷履歴情報を含む印刷履歴情報を、内部システム及び他の情報処理装置に送信可能な印刷履歴送信部と、を有し、情報処理装置において印刷が実行された場合には、印刷履歴記憶部は、当該情報処理装置の識別情報及び現在の日時情報を含む共有済情報を当該印刷の印刷情報に付加し、印刷情報に共有済情報が付加された情報を共有済印刷履歴情報として記憶し、情報処理装置において他の情報処理装置から印刷履歴情報が受信された場合には、印刷履歴記憶部は、当該情報処理装置の識別情報及び現在の日時情報を含む共有済情報を、受信した印刷履歴情報に含まれる共有済印刷履歴情報に追記して更新し、更新された共有済印刷履歴情報を記憶する。
【発明の効果】
【0007】
上記構成の本発明によれば、例えば、リモートワーク時に、ユーザー端末が内部システムに接続されていない状況において、社員が資料等を印刷した場合にも、印刷履歴を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る印刷履歴管理システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る印刷履歴管理システムにおいて、管理される共有済印刷履歴情報の構成例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る印刷履歴管理システムにおいて、ユーザー端末間で印刷履歴情報を共有する際の形態を説明するための図である。
【
図4】本発明の一実施形態に印刷履歴管理システムにおいて、チーム内の所定のユーザー端末で印刷が実行された場合に当該所定のユーザー端末で行われる印刷履歴共有処理の手順を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る印刷履歴管理システムにおいて、チーム内の所定のユーザー端末で実行された印刷の印刷履歴情報がチーム内の他のユーザー端末に共有される場合に当該他のユーザー端末で行われる印刷履歴共有処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る印刷履歴管理システムにおいて、印刷履歴が連携された内部システムで行われる印刷履歴の管理処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る印刷履歴管理システムの構成、印刷履歴管理方法及び印刷履歴管理プログラムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0010】
[印刷履歴管理システムの構成]
図1(a)は、本実施形態に係る印刷履歴管理システムの構成を示す図である。
図1(b)は、本実施形態に係る印刷履歴管理システム中のユーザー端末及び内部システムのハードウェアの構成例を示すブロック図である。印刷履歴管理システム1は、
図1(a)に示すように、ユーザーの業務用の情報処理装置であるユーザー端末10と、他のユーザーの業務用の情報処理装置であるユーザー端末21~23と、内部システム30とを備える。ユーザー端末10は、ユーザー端末21~23のそれぞれとインターネット(パブリックネットワーク)を介して通信可能に接続される。ユーザー端末10及びユーザー端末21~23は、それぞれ内部システム30とプライベートネットワーク(社内ネットワーク等)を介して通信可能に接続される。なお、本実施形態では、ユーザー端末10を使用する社員(ユーザー)及びユーザー端末21~23を使用する各社員は、同じチーム内に所属するものとする。また、チーム内に所属する社員の構成は、管理者により予め設定され、チーム内に所属する社員及びその使用するユーザー端末に関する情報(識別情報)は、各ユーザー端末に登録されているものとする。
【0011】
(1)ユーザー端末(情報処理装置)の内部構成
ユーザー端末10及びユーザー端末21~23は、互いに同様の構成を有するので、以下の説明では、ユーザー端末10の構成のみを説明し、ユーザー端末21~23の構成を省略する。
【0012】
また、ユーザー端末10は、
図1(a)に示すように、印刷履歴共有処理を実行するための機能ブロックとして、印刷履歴取得部11と、印刷履歴記憶部12と、接続確認部13と、印刷履歴共有部14(印刷履歴送信部)とを有する。なお、本実施形態では、これらの機能ブロックによる後述の印刷履歴共有処理は、ソフトウェア(プログラム)上で実行されるが、これらの機能ブロックの一部又は全てをハードウェアで構成してもよい。
【0013】
印刷履歴取得部11は、後述のCPU51の指示に従い、ユーザー端末10で実行された印刷の印刷情報を取得する。また、印刷履歴取得部11は、後述のCPU51の指示に従い、チーム内の他のユーザー端末から、他のユーザー端末で実行又は共有された後述の共有済印刷履歴情報、並びに、それに紐付けられた後述の電子署名の情報及び署名時刻の情報からなる印刷履歴情報を取得する。そして、印刷履歴取得部11は、取得した印刷履歴情報を印刷履歴記憶部12に出力する。なお、印刷情報は、少なくとも印刷された資料(ファイル)の情報及び当該資料が印刷された日時情報を含む。本実施形態では、印刷された資料の情報には、後述のように、例えば、フィル名、ファイルサイズ(容量)、印刷枚数、用紙サイズ等が含まれ、印刷の日時情報には、例えば、印刷受付時刻、印刷完了時刻などが含まれる。
【0014】
ユーザー端末10で印刷が実行された場合、印刷履歴記憶部12は、後述のCPU51の指示に従い、印刷履歴取得部11から入力された印刷情報にユーザー端末10の識別情報及び現在の日時情報(共有日時情報)を含む共有済情報を印刷情報に付加した情報(共有済印刷履歴情報)を保存する。なお、この際、印刷履歴記憶部12は、印刷履歴取得部11から入力された印刷情報を保証するために自身のユーザー端末10で秘密鍵により生成された電子署名及び署名時刻を共有済印刷履歴情報に紐付けて保存する。
【0015】
また、チーム内の他のユーザー端末で実行又は共有された印刷履歴情報、すなわち、他のユーザー端末の共有済印刷履歴情報、並びに、それに紐付けられた電子署名の情報及び署名時刻の情報が印刷履歴取得部11で取得された場合にも、印刷履歴記憶部12は、取得された共有済印刷履歴情報に、ユーザー端末10の識別情報及び現在の日時情報(共有日時情報)を含む共有済情報を付加して更新後の共有済印刷履歴情報として保存するとともに、取得された電子署名の情報及び署名時刻の情報にそれぞれユーザー端末10で作成された電子署名及び署名時刻を付加して保存する。この場合、更新(保存)された共有済情報では、ユーザー端末の識別情報が、印刷履歴情報が共有された順で並べて保存され、共有済情報に含まれる各ユーザー端末の共有日時情報も共有された順で並べて保存される。また、更新(保存)された電子署名の情報及び署名時刻の情報では、各ユーザー端末で作成された電子署名が、印刷履歴情報が共有された順で並べて保存され、電子署名に対応する署名時刻も共有された順で並べて保存される。
【0016】
接続確認部13は、後述のCPU51の指示に従い、ユーザー端末10が内部システム30に接続されているか否かを判定する。具体的には、接続確認部13は、内部システム30に、例えば、ping等のデータパケットを送信し、当該送信に対する内部システム30からの応答の有無により、内部システム30に接続されているか否かを判定する。また、接続確認部13は、同様の方法により、ユーザー端末10がチーム内の他のユーザー端末21~23に接続されているか否かを判定する。
【0017】
印刷履歴共有部14(印刷履歴送信部)は、後述のCPU51の指示の従い、印刷履歴記憶部12により保存された共有済印刷履歴情報、並びに、それに紐付けられた電子署名の情報及び署名時刻の情報を内部システム30及び/又はチーム内の他のユーザー端末21~23に送信する。具体的には、印刷履歴共有部14は、ユーザー端末10が内部システム30に接続されている場合には、共有済印刷履歴情報、並びに、それに紐付けられた電子署名の情報及び署名時刻の情報を内部システム30に送信する。また、印刷履歴共有部14は、ユーザー端末10が内部システム30に接続されていない場合には、共有済印刷履歴情報、並びに、それに紐付けられた電子署名の情報及び署名時刻の情報をチーム内の他のユーザー端末21~23のいずれか(接続が最初に確認されたチーム内の他のユーザー端末)に送信する。この共有済印刷履歴情報、並びに、それに紐付けられた電子署名の情報及び署名時刻の情報の送信処理により、チーム内の他のユーザー端末21~23及び/又は内部システム30とユーザー端末10との間、すなわち、社内で、共有済印刷履歴情報が共有(連携)される。
【0018】
(2)内部システムの構成
内部システム30は、
図1(a)に示すように、データベース31と、電子署名確認部32と、印刷履歴確認部33と、警告通知部34とを有する。なお、本実施形態では、これらの機能ブロックによる各種処理は、ソフトウェア(プログラム)上で実行されるが、これらの機能ブロックの一部又は全てをハードウェアで構成してもよい。
【0019】
データベース31は、ユーザー端末から送信(連携)された印刷履歴情報を保存する。電子署名確認部32は、受信した印刷履歴情報に含まれている電子署名の情報が正確であるか否かを確認する。印刷履歴確認部33は、受信した印刷履歴情報に含まれている共有済印刷履歴情報と、データベース31に保存されている、当該受信した印刷履歴情報に関連する他の印刷履歴情報に含まれている共有済印刷履歴情報とを比較して、受信した共有済印刷履歴情報に矛盾があるか否かを確認する。なお、受信した印刷履歴情報に関連する他の印刷履歴情報は、当該受信した印刷履歴情報の複数の情報処理装置間における共有過程において、当該受信した印刷履歴情報の送信先である情報処理装置以外の情報処理装置から受信した印刷履歴情報である。また、警告通知部34は、電子署名確認部32で受信した共有済印刷履歴情報に紐付けられた電子署名の情報が正確でないと確認された場合、又は、印刷履歴確認部33で受信した共有済印刷履歴情報に矛盾があると確認された場合、その旨の警告を通知する。
【0020】
(3)ユーザー端末及び内部システムのハードウェアの構成例
ユーザー端末10、ユーザー端末21~23、及び内部システム30のそれぞれのハードウェア構成は、例えば、
図1(b)に示すように、CPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、不揮発性ストレージ54と、通信部55とを有するマイクロプロセッサ等の演算処理装置で構成される。
【0021】
CPU51は、ユーザー端末10、ユーザー端末21~23、及び内部システム30のそれぞれにおいて、各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM52から読み出して実行する。ユーザー端末10(ユーザー端末21~23)内では、例えば、CPU51は、印刷履歴取得部11、印刷履歴記憶部12、接続確認部13及び印刷履歴共有部14(印刷履歴送信部)の動作を制御して、後述の印刷履歴共有処理を行う。内部システム30内では、CPU51は、例えば、電子署名確認部32及び印刷履歴確認部33を制御して、それぞれ後述の電子署名確認処理及び印刷履歴情報確認処理を行い、警告通知部34を制御して、印刷履歴情報に矛盾がある場合に警告を通知する。
【0022】
ROM52は、例えば、不揮発性メモリ等の記憶媒体で構成され、CPU51が実行及び参照するプログラムやデータ等を記憶する。
【0023】
RAM53は、例えば、揮発性メモリ等の記憶媒体で構成され、CPU51が行う各処理に必要な情報(データ)を一時的に記憶する。
【0024】
不揮発性ストレージ54は、CPU51によって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記録媒体で構成され、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。不揮発性ストレージ54は、CPU51が各部を制御するためのプログラム、OS(Operating System)、コントローラー等のプログラム、データを記憶する。なお、不揮発性ストレージ54に記憶されるプログラム、データの一部は、ROM52に記憶されてもよい。また、CPU51によって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記録媒体は、HDDに限定されず、例えば、SSD(Solid State Drive)、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0025】
通信部55は、例えば、NIC(Network Interface Card)等で構成され、NICに接続されたネットワークを介して外部と通信することができる。ユーザー端末10(ユーザー端末21~23)内では印刷履歴取得部11、接続確認部13及び印刷履歴共有部14が通信部55に含まれ、内部システム30内では印刷履歴情報の受信機能及び警告通知部34が通信部55に含まれる。
【0026】
[共有済印刷履歴情報の構成例]
次に、本実施形態に係る印刷履歴管理システム1において管理される共有済印刷履歴情報の構成例を説明する。
図2は、本実施形態に係る印刷履歴管理システム1において、ユーザー端末及び内部システム30で共有(保存)される共有済印刷履歴情報の構成例を示す図である。共有済印刷履歴情報には、共有済情報と、印刷情報とが含まれる。
【0027】
図2に示すように、共有済ユーザー列(カンマ区切り)及び共有順時刻列(カンマ区切り)が上述した共有済情報に対応する。共有済印刷履歴情報に含まれる共有済情報以外の情報である、印刷受付時刻、印刷完了時刻、印刷ファイル名、印刷ファイルサイズ、印刷枚数及び用紙サイズを、まとめて印刷情報と称する。
【0028】
共有済ユーザー列(カンマ区切り)は、共有済印刷履歴情報が共有されたユーザー端末の識別情報が、共有済印刷履歴情報が共有された順に並べて規定された情報であり、各ユーザー端末の識別情報は、カンマで区切られている。共有順時刻列(カンマ区切り)は、共有済印刷履歴情報が共有されたユーザー端末での共有日時情報が、共有済印刷履歴情報が共有された順に並べて規定された情報であり、各ユーザー端末の共有日時情報は、カンマで区切られている。なお、共有順時刻列に並べられた各共有日時情報は、共有済ユーザー列に並べられた各ユーザー端末の識別情報のそれぞれに紐付けられる。
【0029】
印刷情報に含まれる、印刷受付時刻、印刷完了時刻、印刷ファイル名、印刷ファイルサイズ、印刷枚数及び用紙サイズは、チーム内のいずれかのユーザー端末において実行された印刷の履歴情報であり、それぞれ、印刷が受付された日時情報、印刷が完了した日時情報、印刷された資料(ファイル)のファイル名、印刷された資料のサイズ(容量)、資料の枚数及び印刷用紙のサイズを記録する。
【0030】
なお、ここでは、図示しないが、印刷履歴管理システム1において管理される共有済印刷履歴情報に紐付けられた電子署名の情報及び署名時刻の情報の構成も、上述した共有済ユーザー列(カンマ区切り)と同様に、共有済印刷履歴情報が共有された順に並べて格納され、各ユーザー端末で生成された電子署名の情報及びその署名時刻の情報は、カンマで区切られている。そして、共有順に並べられた各電子署名の情報及び署名時刻の情報は、
図2中の共有済ユーザー列に並べられた各ユーザー端末の識別情報のそれぞれに紐付けられる。
【0031】
本実施形態では、上述のように、共有済印刷履歴情報と、電子署名の情報及び署名時刻の情報とを別体とする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、電子署名の情報及び署名時刻の情報が共有済印刷履歴情報の中に含まれるようにしてもよい。また、本実施形態では、上述のように、共有済印刷履歴情報に、共有済情報及び印刷情報が含まれる構成例を説明したが、本発明はこれに限定されず、共有済情報と印刷情報とを別体で構成し、互いに紐付けるような構成にしてもよい。
【0032】
[ユーザー端末間における印刷履歴情報の共有形態]
本実施形態の印刷履歴管理システム1では、ユーザー端末が内部システム30に接続されていない状況で、且つ、共有すべき印刷履歴情報がある場合には、同じチーム内のユーザー端末間において当該印刷履歴情報が共有される。ここで、
図3を参照しながら、ユーザー端末間における印刷履歴情報の共有形態について説明する。
図3は、本実施形態の印刷履歴管理システム1において、ユーザー端末間における印刷履歴情報の共有形態の概要を示す図である。ここでは、一例として、ユーザー端末10により実行された印刷の印刷履歴情報がチーム内の他のユーザー端末21に共有され、さらに、ユーザー端末21が当該印刷履歴情報を他のユーザー端末22に共有する場合の共有形態を説明する。なお、本実施形態におけるユーザー端末間での印刷履歴情報の共有形態では、一つのユーザー端末から選択される印刷履歴情報の共有先のユーザー端末は一つとする。
【0033】
まず、印刷履歴管理システム1において、ユーザー端末10により印刷が実行されると、ユーザー端末10において、当該印刷の印刷情報104及び共有済情報103からなる共有済印刷履歴情報(
図2参照)と、当該共有済印刷履歴情報に対してユーザー端末10で秘密鍵により作成された電子署名101及びその署名時刻102とを含む印刷履歴情報100が生成される。次に、ユーザー端末10が内部システム30に接続されているか否かを判定し、ユーザー端末10が内部システム30に接続されている場合には、ユーザー端末10は、印刷履歴情報100を内部システム30に送信し、ユーザー端末10が内部システム30に接続されていない場合には、接続可能なチーム内の他のユーザー端末を検索する。
【0034】
そして、
図3に示す例では、ユーザー端末10が内部システム30と接続されていない状況において、接続可能なチーム内の他のユーザー端末としてユーザー端末21が検出されたとする。この場合、ユーザー端末10は、印刷履歴情報100をユーザー端末21に送信する。なお、ユーザー端末10が印刷履歴情報100をユーザー端末21に送信した後、内部システム30との接続が確認された場合には、ユーザー端末10は、印刷履歴情報100を内部システム30に送信する。この際に、ユーザー端末10から内部システム30に送信された印刷履歴情報100内の電子署名101及びその署名時刻102は、印刷情報104が共有された他のユーザー端末から内部システム30に印刷履歴情報が送信された場合に内部システム30で行われる印刷履歴情報の確認処理で参照される。
【0035】
次に、印刷履歴情報100を受信したユーザー端末21では、秘密鍵により印刷履歴情報100に対して作成された電子署名及びその署名時刻が、印刷履歴情報100内の電子署名101及びその署名時刻102にそれぞれ追記される。これにより、ユーザー端末21において、ユーザー端末10の電子署名及びその署名時刻の次にユーザー端末21の電子署名及びその署名時刻がそれぞれ追記された更新後の電子署名211及びその署名時刻212が生成される。また、印刷履歴情報100を受信したユーザー端末21では、ユーザー端末21の識別情報が受信した共通済情報103内の共有済ユーザー列(カンマ区切り)に追記されるとともに、その追記処理の時刻が、共有順時刻列(カンマ区切り)に追記される。なお、ユーザー端末21では、印刷履歴情報100内の印刷情報104に対して追記等の更新処理は行われない。この結果、ユーザー端末21では、更新後の電子署名211及びその署名時刻212、並びに、更新後の共通済情報213及び印刷情報104からなる更新後の共有済印刷履歴情報を含む更新後の印刷履歴情報210が生成される。本実施形態では、このようにして、ユーザー端末10で実行された印刷の印刷情報104(印刷履歴情報)がユーザー端末21で共有される。
【0036】
ユーザー端末21で印刷履歴情報210が生成された後、ユーザー端末21は内部システム30に接続されているか否かを判定し、ユーザー端末21が内部システム30に接続されている場合には、ユーザー端末21は、印刷履歴情報210を内部システム30に送信し、ユーザー端末21が内部システム30に接続されていない場合には、接続可能なチーム内の他のユーザー端末を検索する。
【0037】
そして、
図3に示す例では、ユーザー端末21が内部システム30に接続されていない状況において、接続可能なチーム内の他のユーザー端末としてユーザー端末22が検出されたとする。この場合、ユーザー端末21は、印刷履歴情報210をユーザー端末22に送信する。なお、ユーザー端末21が印刷履歴情報210をユーザー端末22に送信した後、内部システム30との接続が確認された場合には、ユーザー端末21は、印刷履歴情報210を内部システム30に送信する。この際にユーザー端末21から内部システム30に送信された印刷履歴情報210内の電子署名211及びその署名時刻212は、印刷情報104が共有されたユーザー端末21以外の他のユーザー端末から内部システム30に送信された印刷履歴情報が送信された場合に内部システム30で行われる印刷履歴情報の確認処理で参照される。
【0038】
次に、印刷履歴情報群210を受信したユーザー端末22では、秘密鍵により印刷履歴情報210に対して作成された電子署名及びその署名時刻が、印刷履歴情報210内の電子署名211及びその署名時刻212にそれぞれ追記される。これにより、ユーザー端末22において、ユーザー端末21の電子署名及びその署名時刻の次にユーザー端末22の電子署名及びその署名時刻がそれぞれ追記された更新後の電子署名221及びその署名時刻222が生成される。また、印刷履歴情報210を受信したユーザー端末22では、ユーザー端末22の識別情報が受信した共通済情報213内の共有済ユーザー列(カンマ区切り)に追記されるとともに、その追記処理の時刻が、共有順時刻列(カンマ区切り)に追記される。なお、ユーザー端末22では、印刷履歴情報210内の印刷情報104に対して追記等の更新処理は行われない。この結果、ユーザー端末22では、更新後の電子署名221及びその署名時刻222、並びに、更新後の共通済情報223及び印刷情報104からなる更新後の共有済印刷履歴情報を含む更新後の印刷履歴情報220が生成される。本実施形態では、このようにして、ユーザー端末10で実行された印刷の印刷情報104(印刷履歴情報)がユーザー端末22で共有される。
【0039】
ユーザー端末22で印刷履歴情報220が生成された後、ユーザー端末22は内部システム30に接続されているか否かを判定し、ユーザー端末22が内部システム30に接続されている場合には、ユーザー端末22は、印刷履歴情報220を内部システム30に送信し、ユーザー端末22が内部システム30に接続されていない場合には、接続可能なチーム内の他のユーザー端末を検索する。その後、上述した印刷履歴情報の共有処理が繰り返される。
【0040】
上述のようなユーザー端末間での印刷履歴情報の共有処理を行うと、内部システム30に最終的に送信される電子署名の情報の構造は、各ユーザー端末で生成された電子署名が連鎖した構造となる。この場合、例えば、印刷履歴情報を改ざんしようとすると、電子署名の連鎖に含まれる各電子署名の秘密鍵が全て必要となるため、印刷履歴情報の改ざんが困難になる。
【0041】
[印刷が実行されたユーザー端末で実行される印刷履歴共有処理の手順]
次に、本実施形態の印刷履歴管理システム1に含まれる所定のユーザー端末で印刷が実行された場合に、所定のユーザー端末で行われる印刷履歴共有処理について説明する。なお、以下では、
図3で説明した印刷履歴情報の共有形態に合わせて、ユーザー端末10で印刷が実行された場合の例を説明するが、印刷履歴管理システム1で管理対象となる他のユーザー端末において印刷が実行された場合にも、以下に説明する印刷履歴共有処理と同様の処理が行われる。
図4は、印刷が実行されたユーザー端末10で行われる印刷履歴共有処理の手順を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、以下に説明する印刷履歴共有処理は、ユーザー端末10のCPU51の制御により、ソフトウェア(プログラム)上で実行される。
【0042】
ユーザー端末10により印刷が実行されると、まず、CPU51は、印刷履歴取得部11を制御して、実行された印刷に関する印刷情報(
図2参照)を取得する(ステップS101)。
【0043】
次いで、CPU51は、印刷履歴記憶部12を制御して、取得した印刷情報を含む共有済印刷履歴情報及びそれに対して生成された電子署名及び署名時刻を保存する(ステップS102)。この処理では、印刷履歴記憶部12は、取得した印刷情報に、ユーザー端末10の識別情報(共有済ユーザー列(カンマ区切り))及び現在の日時情報(共有済時刻列(カンマ区切り))からなる共有済情報を付加して構成された共有済印刷履歴情報(
図2参照)を保存するととともに、当該共有済印刷履歴情報に対して秘密鍵により生成された電子署名(ユーザー端末10の電子署名)及びその署名時刻を保存する。
【0044】
次いで、CPU51は、接続確認部13を制御して、ユーザー端末10と内部システム30との接続を確認する(ステップS103)。この処理では、接続確認部13は、内部システム30に例えばping等のデータパケットを送信し、内部システム30からの応答の有無を確認する。
【0045】
次いで、CPU51は、ユーザー端末10が内部システム30に接続されているか否かを判定する(ステップS104)。この処理では、接続確認部13が内部システム30からの応答を受信した場合には、ユーザー端末10が内部システム30に接続されていると判定され、ステップS104はYes判定となる。一方、接続確認部13が内部システム30からの応答を受信しなかった場合には、ステップS104はNo判定となる。
【0046】
ステップS104の処理において、CPU51が、ユーザー端末10が内部システム30に接続されていると判定した場合(ステップS104がYes判定である場合)、CPU51は、後述のステップS110の処理を行う。
【0047】
一方、ステップS104の処理において、CPUが、ユーザー端末10が内部システム30に接続されていないと判定した場合(ステップS104がNo判定である場合)、CPU51は、接続確認部13を制御して、ユーザー端末10と通信可能に接続されているチーム内の他のユーザー端末を検索する(ステップS105)。この処理では、接続確認部13は、予め設定された所定の間隔で、チーム内の他のユーザー端末に対して、順にポーリングを行う。なお、ポーリングの順番は任意である。
【0048】
次いで、CPU51は、ユーザー端末10と通信可能なチーム内の他のユーザー端末が検出されたか否かを判定する(ステップS106)。この処理では、接続確認部13が他のユーザー端末からポーリングに対する応答を受信した場合には、ユーザー端末10と通信可能なチーム内の他のユーザー端末が検出されたと判定され、ステップS106はYes判定となる。一方、接続確認部13が他のユーザー端末からポーリングに対する応答を受信しなかった場合には、ステップS106はNo判定となる。
【0049】
ステップS106の処理において、CPU51が、ユーザー端末10と通信可能な他のユーザー端末が検出されなかったと判定した場合(ステップS106がNo判定である場合)、CPU51は、ステップS105の処理に戻り、ステップS105以降の処理を繰り返す。
【0050】
一方、ステップS106の処理において、CPU51が、ユーザー端末10と通信可能なチーム内の他のユーザー端末が検出されたと判定した場合(ステップS106がYes判定である場合)、CPU51は、印刷履歴共有部14を制御して、ステップS102の処理で保存された共有済印刷履歴情報、電子署名の情報及び署名時刻の情報からなる印刷履歴情報を検出されたチーム内の他のユーザー端末(例えば、他のユーザー端末21等)に送信する(ステップS107)。これにより、他のユーザー端末において、ユーザー端末10により実行された印刷の印刷情報が共有される。
【0051】
次いで、CPU51は、接続確認部13を制御して、ユーザー端末10と内部システム30との接続を確認する(ステップS108)。この処理では、接続確認部13は、予め設定された所定の間隔で、内部システム30に対してポーリングを行い、内部システム30からの応答の有無を確認する。
【0052】
次いで、CPU51は、ユーザー端末10が内部システム30に接続されているか否かを判定する(ステップS109)。この処理では、接続確認部13が内部システム30からポーリングに対する応答を受信した場合には、ユーザー端末10が内部システム30に接続されていると判定され、ステップS109はYes判定となる。一方、接続確認部13が内部システム30からポーリングに対する応答を受信しなかった場合には、ステップS109はNo判定となる。
【0053】
ステップS109の処理において、CPU51が、ユーザー端末10が内部システム30に接続されていないと判定した場合(ステップS109がNo判定である場合)、CPU51は、ステップS108の処理に戻り、ステップS108以降の処理を繰り返す。
【0054】
一方、ステップS109の処理において、CPU51が、ユーザー端末10が内部システム30に接続されていると判定した場合(ステップS109がYes判定である場合)、CPU51は、印刷履歴共有部14を制御して、ステップS102の処理で保存された共有済印刷履歴情報、電子署名の情報及び署名時刻の情報からなる印刷履歴情報を内部システム30に送信する(ステップS110)。これにより、ユーザー端末10により実行された印刷の印刷情報が内部システム30に連携される。そして、この処理後、CPU51は、印刷履歴共有処理を終了する。
【0055】
[他のユーザー端末から共有済印刷履歴情報を受信した場合に実行される印刷履歴共有処理]
次に、他のユーザー端末から印刷履歴情報を受信したユーザー端末で実行される印刷履歴共有処理について説明する。この処理は、例えば
図3で説明した印刷履歴情報の共有形態では、ユーザー端末21及びユーザー端末22で行われる。以下では、
図3で説明した印刷履歴情報の共有形態に合わせて、ユーザー端末10から送信された印刷履歴情報をユーザー端末21で受信し、ユーザー端末21で印刷履歴情報を共有する場合の印刷履歴共有処理の例を説明する。なお、印刷履歴管理システム1で管理対象となる他のユーザー端末において印刷履歴情報を受信した場合にも、以下に説明する印刷履歴共有処理と同様の処理が行われる。
図5は、ユーザー端末10から印刷履歴情報を受信したユーザー端末21で行われる印刷履歴共有処理の手順を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、以下に説明する印刷履歴共有処理は、ユーザー端末21のCPU51の制御により、ソフトウエア(プログラム)上で実行される。
【0056】
まず、CPU51は、印刷履歴取得部11を制御して、ユーザー端末10から受信した印刷履歴情報に含まれる共有済印刷履歴情報、電子署名の情報及び署名時刻の情報を取得する(ステップS201)。なお、この処理で取得した共有済印刷履歴情報(
図2参照)内の共有済ユーザー列(カンマ区切り)及び共有順時刻列(カンマ区切り)には、印刷が実行されたユーザー端末10の識別情報及び共有時刻がそれぞれ規定される。また、この処理で取得した電子署名の情報及び署名時刻の情報には、印刷が実行されたユーザー端末10での電子署名の情報及び署名時刻の情報が規定される。
【0057】
次いで、CPU51は、印刷履歴記憶部12を制御して、取得した共有済印刷履歴情報に対して秘密鍵により電子署名(ユーザー端末21の電子署名)を行う(ステップS202)。この処理では、印刷履歴記憶部12は、ユーザー端末10から受信した共有済印刷履歴情報に対してユーザー端末21の電子署名及びその署名時刻を生成し、生成したユーザー端末21の電子署名及びその署名時刻を、それぞれユーザー端末10から受信した電子署名の情報及び署名時刻の情報に追記して、電子署名の情報及び署名時刻の情報を更新して保存する。なお、更新後の電子署名の情報内では、ユーザー端末10の電子署名の次にユーザー端末21の電子署名が並べて規定され、更新後の署名時刻の情報内では、ユーザー端末10の署名時刻の次にユーザー端末21の署名時刻が並べて規定される。これにより、ユーザー端末10の電子署名とユーザー端末21の電子署名とが連鎖した構成が得られる。
【0058】
次いで、CPU51は、印刷履歴記憶部12を制御して、取得した共有済印刷履歴情報を更新して保存する(ステップS203)。この処理では、印刷履歴記憶部12は、ユーザー端末10から受信した共有済印刷履歴情報(
図2参照)内の共有済ユーザー列(カンマ区切り)及び共有順時刻列(カンマ区切り)に、ユーザー端末21の識別情報及び現在の日時情報(共有時刻)を追記して、共有済印刷履歴情報を更新して保存する。なお、更新後の共有済ユーザー列(カンマ区切り)の情報内では、ユーザー端末10の識別情報の次にユーザー端末21の識別情報が並べて規定され、両識別情報間がカンマで区切られる。また、更新後の共有順時刻列(カンマ区切り)の情報内では、ユーザー端末10の共有時刻の次にユーザー端末21の共有時刻が並べて規定され、両共有時刻間がカンマで区切られる。
【0059】
次いで、CPU51は、接続確認部13を制御して、ユーザー端末21と内部システム30との接続を確認する(ステップS204)。この処理では、接続確認部13は、内部システム30に例えばping等のデータパケットを送信し、内部システム30からの応答の有無を確認する。
【0060】
次いで、CPU51は、ユーザー端末21が内部システム30に接続されているか否かを判定する(ステップS205)。この処理では、接続確認部13が内部システム30からの応答を受信した場合には、ユーザー端末21が内部システム30に接続されていると判定され、ステップS205はYes判定となる。一方、接続確認部13が内部システム30からの応答を受信しなかった場合には、ステップS205はNo判定となる。
【0061】
ステップS205の処理において、CPU51が、ユーザー端末21が内部システム30に接続されていると判定した場合(ステップS205がYes判定である場合)、CPU51は、後述のステップS211の処理を行う。
【0062】
一方、ステップS205の処理において、CPU51が、ユーザー端末21が内部システム30に接続されていないと判定した場合(ステップS205がNo判定である場合)、CPU51は、接続確認部13を制御して、印刷履歴を共有可能な他のユーザー端末を検索する(ステップS206)。この処理では、接続確認部13は、予め設定された所定の間隔で、チーム内の他のユーザー端末に対して、順にポーリングを行う。なお、ポーリングの順番は任意である。
【0063】
なお、本実施形態では、後述のステップS210がNo判定であるときにステップS206を行う場合であって、この時点で、既に後述のステップS208が行われた場合、すなわち、ステップS206の処理時点で、既にユーザー端末21から他のユーザー端末に印刷履歴情報が送信された場合(他のユーザー端末で印刷履歴情報が共有された場合)には、CPU51がステップS206の処理を行わない。既にユーザー端末21から他のユーザー端末に印刷履歴情報が送信されたか否かの判定は、例えば、次のような手法により行われる。まず、例えば、印刷履歴の共有状態を判断するための共有済フラグ(初期状態はオフ状態)を設け、後述のステップS208の処理が行われた場合に、共有済フラグをオン状態にセットする。そして、ステップS206の処理で共有済フラグのオン/オフ状態を参照することにより、既にユーザー端末21から他のユーザー端末に印刷履歴情報が送信されたか否かを判定することができる。
【0064】
次いで、CPU51は、印刷履歴を共有可能な他のユーザー端末が存在するか否かを判定する(ステップS207)。この処理では、接続確認部13がチーム内の他のユーザー端末からポーリングに対する応答を受信した場合、CPU51は、当該他のユーザー端末(例えば、
図3に示す例では、ユーザー端末22)を共有可能な他のユーザー端末とし、ステップS207はYes判定となる。一方、接続確認部13が他のユーザー端末からポーリングに対する応答を受信しなかった場合には、ステップS207はNo判定となる。また、本実施形態では、ステップS207の処理時点で、既にユーザー端末21から他のユーザー端末に印刷履歴情報が送信された場合(他のユーザー端末で印刷履歴情報が共有されている場合)にも、ステップS207はNo判定となる。
【0065】
ステップS207の処理において、CPU51が、共有可能な他のユーザー端末が存在すると判定した場合(ステップS207がYes判定である場合)、CPU51は、印刷履歴共有部14を制御して、ステップS203で更新された共有済印刷履歴情報、並びに、ステップS202で更新された電子署名の情報及び署名時刻の情報からなる印刷履歴情報を検出された当該共有可能な他のユーザー端末(例えば、
図3に示す例では、ユーザー端末22)に送信する(ステップS208)。これにより、他のユーザー端末においてユーザー端末10から受信した印刷履歴情報が共有される。
【0066】
一方、ステップS207の処理において、CPU51が、共有可能な他のユーザー端末が存在しないと判定した場合(ステップS207がNo判定である場合)、CPU51は、後述のステップS209の処理を行う。
【0067】
ステップS207がNo判定である場合、又は、ステップS208の処理後、CPU51は、接続確認部13を制御して、ユーザー端末21と内部システム30との接続を確認する(ステップS209)。この処理では、接続確認部13は、内部システム30に対して例えばping等のデータパケットを送信し、内部システム30からの応答の有無を確認する。
【0068】
次いで、CPU51は、ユーザー端末21が内部システム30に接続されているか否かを判定する(ステップS210)。この処理では、接続確認部13が内部システム30からの応答を受信した場合には、ユーザー端末21が内部システム30に接続されていると判定され、ステップS210はYes判定となる。一方、接続確認部13が内部システム30からの応答を受信しなかった場合には、ステップS210はNo判定となる。
【0069】
ステップS210の処理において、CPU51が、他のユーザー端末21が内部システム30に接続されていないと判定した場合(ステップS210がNo判定である場合)、CPU51は、ステップS206の処理に戻り、ステップS206以降の処理を繰り返す。
【0070】
一方、ステップS210の処理において、CPU51が、ユーザー端末21が内部システム30に接続されていると判定した場合(ステップS210がYes判定である場合)、又は、ステップS205がYes判定である場合、CPU51は、印刷履歴共有部14を制御して、ステップS203で更新された共有済印刷履歴情報、並びに、ステップS202で更新された電子署名の情報及び署名時刻の情報からなる印刷履歴情報を内部システム30に送信する(ステップS211)。これにより、ユーザー端末10から受信した印刷履歴情報が内部システム30に連携される。そして、この処理後、CPU51は、印刷履歴共有処理を終了する。
【0071】
[内部システムにおいて印刷履歴が受信された場合に行われる印刷履歴の管理処理の手順]
次に、本実施形態に係る内部システム30において印刷履歴が受信された場合に行われる印刷履歴の管理処理について説明する。
図6は、内部システム30において印刷履歴が連携された場合に行われる印刷履歴の管理処理の手順を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、以下に説明する印刷履歴の管理処理は、ソフトウエア(プログラム)上で実行される。
【0072】
内部システム30が、ユーザー端末(ユーザー端末10及び他のユーザー端末21~23を含む)から印刷履歴情報(共有済印刷履歴情報、電子署名の情報及び署名時刻の情報)を受信すると、まず、電子署名確認部32は、ユーザー端末から受信した電子署名の情報を確認する(ステップS301)。この処理では、電子署名確認部32は、受信した共有済ユーザー列(カンマ区切り)の情報(ユーザー端末の識別情報の共有順序)に基づいて、電子署名の情報に含まれる全てのユーザー端末の電子署名を、それぞれの公開鍵を用いて復号し、共有済ユーザー列(カンマ区切り)の情報と電子署名の情報との間に矛盾が無いか否かを確認する。具体的には、電子署名の情報に含まれる全てのユーザー端末の電子署名が正しいか否かを確認するとともに、ユーザー端末の電子署名の順序が、共有済ユーザー列(カンマ区切り)の情報に含まれているユーザー端末の識別情報の順序(共有済ユーザー列の順序)と一致しているかを確認する。なお、内部システム30で管理対象となる各ユーザー端末の公開鍵は予め内部システム30に登録されている。
【0073】
次いで、電子署名確認部32は、ステップS301での確認結果に基づいて、受信した電子署名の情報が正しいか否かを判定する(ステップS302)。この処理では、ステップS301の確認結果が、電子署名の情報に含まれる全てのユーザー端末の電子署名が正しく且つその順序が正しい場合には、ステップS302はYes判定となる。それ以外の場合には、ステップS302はNo判定となる。
【0074】
ステップS302の処理において、電子署名確認部32が、受信した電子署名の情報が正しくないと判定した場合(ステップS302がNo判定である場合)、後述のステップS306の処理が行われる。
【0075】
一方、ステップS302の処理において、電子署名確認部32が、受信した電子署名の情報が正しいと判定した場合(ステップS302がYes判定である場合)、印刷履歴確認部33は、受信した印刷履歴情報に矛盾があるか否かを確認する(ステップS303)。
【0076】
ステップS303の処理では、印刷履歴確認部33は、受信した共有済印刷履歴情報と、データベース31に保存されている、今回受信した共有済印刷履歴情報に関連する他の共有済印刷履歴情報とを比較して、矛盾がないか否かを確認する。具体的には、共有済ユーザー列(カンマ区切り)及び共有順時刻列(カンマ区切り)の情報に矛盾がないか否かを確認する。なお、ステップS303で今回受信した共有済印刷履歴情報と比較するデータベース31内の他の共有済印刷履歴情報は、今回の印刷履歴情報のユーザー端末間における共有過程で、今回の印刷履歴情報を送信したユーザー端末以外の他のユーザー端末から内部システム30に送信された印刷履歴情報に含まれる共有済印刷履歴情報である。
【0077】
なお、内部システム30で受信した印刷履歴情報が、当該印刷履歴情報の送信先のユーザー端末以外のユーザー端末で共有されていない場合、すなわち、
図4に示す印刷が実行されたユーザー端末で実行される印刷履歴共有処理中において、ステップS104の処理がYes判定となった場合、ステップS303の処理では、印刷履歴確認部33は、受信した共有済ユーザー列(カンマ区切り)の情報(ユーザー端末の識別情報)と復号された電子署名の情報とを比較して、受信した印刷履歴情報に矛盾があるか否かを確認してもよい。また、この場合には、ステップS303及び後述のステップS304の処理を省略して、後述のステップS305の処理を行ってもよい。
【0078】
次いで、印刷履歴確認部33は、ステップS303での確認結果に基づいて、受信した印刷履歴情報に矛盾がないか否かを判定する(ステップS304)。
【0079】
ステップS304の処理において、印刷履歴確認部33が、受信した印刷履歴情報に矛盾があると判定した場合(ステップS304がNo判定である場合)、後述のステップS306の処理が行われる。
【0080】
一方、ステップS304の処理において、印刷履歴確認部33は印刷履歴情報に矛盾がないと判定した場合(ステップS304がYes判定である場合)、受信した印刷履歴情報(共有済印刷履歴情報、電子署名の情報及び署名時刻の情報)をデータベース31に格納(更新)する(ステップS305)。これにより、印刷履歴管理システム1内のユーザー端末と内部システム30との間で印刷履歴情報が連携される。そして、この処理後、印刷履歴の管理処理は終了する。
【0081】
ステップS302がNo判定である場合、又は、ステップS304がNo判定である場合、警告通知部34は、印刷履歴管理システム1の管理者に受信した印刷履歴情報に矛盾がある旨の警告を通知する(ステップS306)。そして、この処理後、印刷履歴の管理処理は終了する。
【0082】
[効果]
上述のように、本実施形態の印刷履歴管理システム1において、印刷が実行されたユーザー端末が内部システム30に接続されていない場合、当該印刷の印刷情報に当該ユーザー端末の識別情報及び現在の日時情報からなる共有済情報が付加された共有済印刷履歴情報、並びに、当該共有済印刷履歴情報に対して生成された電子署名の情報及び署名時刻の情報は、チーム内の通信可能な他のユーザー端末で共有される。また、本実施形態の印刷履歴管理システム1において、他のユーザー端末から印刷履歴情報(共有済印刷履歴情報、その電子署名の情報及び署名時刻の情報)を受信したユーザー端末では、自身のユーザー端末の識別情報及び現在の日時情報を、受信した共有済印刷履歴情報に追記して、共有済印刷履歴情報を更新するとともに、当該共有済印刷履歴情報に対して秘密鍵により生成した電子署名及びその署名時刻を受信した電子署名の情報及び署名時刻の情報のそれぞれに追記して保存(更新)する。また、他のユーザー端末から印刷履歴情報を受信したユーザー端末が内部システム30に接続されている場合、更新後の共有済印刷履歴情報、更新後の電子署名の情報及び署名時刻の情報は内部システム30に送信(連携)される。一方、他のユーザー端末から印刷履歴情報を受信したユーザー端末が内部システム30に接続されていない場合、更新後の共有済印刷履歴情報、更新後の電子署名の情報及び署名時刻の情報はさらにチーム内の通信可能な他のユーザー端末に送信(共有)される。すなわち、本実施形態の印刷履歴管理システム1において、印刷が実行されたユーザー端末が内部システム30に接続されていない場合、当該印刷の印刷履歴情報は、チーム内の通信可能な他のユーザー端末に共有され、さらに、他のユーザー端末を介して、内部システム30に連携される。それゆえ、本実施形態の印刷履歴管理システム1において、例えば、リモートワーク時に、ユーザー端末が内部システムに接続されていない状況において、社員が資料等を印刷した場合にも、当該印刷の印刷履歴情報を管理することができる。
【0083】
また、本実施形態の印刷履歴管理システム1において、ユーザー端末間での印刷履歴情報の共有処理を行うことにより、内部システム30に最終的に送信される電子署名の情報の構造が印刷履歴情報を共有した各ユーザー端末で作成された電子署名が連鎖した構造となる。この場合、例えば、印刷履歴情報を改ざんしようとすると、電子署名の連鎖に含まれる各電子署名の秘密鍵が全て必要となるため、印刷履歴情報の改ざんを防ぐことができる。
【0084】
<各種変形例>
以上では、本発明の一実施形態に係る印刷履歴管理システム1の構成及び印刷履歴管理方法について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、その他種々の変形例の形態を取ることができる。
【0085】
上記実施形態の印刷履歴管理システム1では、印刷履歴情報の改ざんを防ぐため、ユーザー端末間での印刷履歴情報の共有処理において生成する電子署名の情報の構成を、印刷履歴情報を共有した各ユーザー端末で生成された電子署名が連鎖した構成とする例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、機密性の高い資料の印刷履歴管理に対して、ユーザー端末間での印刷履歴情報の共有処理において、電子署名の技術に加え、ブロックチェーン技術も適用してもよい。この場合、各ユーザー端末で電子署名を作成する前に、共有済印刷履歴情報のデータの前に可変領域を追加し、この可変領域を含む共有済印刷履歴情報のデータのハッシュ値が予め設定された閾値以下となる場合には、電子署名を作成する。一方、共有済印刷履歴情報のデータのハッシュ値が閾値を超える場合には、共有済印刷履歴情報のデータのハッシュ値が閾値以下になるまで可変領域を変更する処理を行い、その後、電子署名を作成する。
【0086】
上記実施形態及び変形例の印刷履歴管理システム1では、印刷履歴情報の改ざんを防ぐため、印刷履歴情報を共有した各ユーザー端末において電子署名を生成する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、機密性の低い資料又は機密性のない資料等の印刷履歴管理では、印刷履歴情報を共有した各ユーザー端末において電子署名を生成しないような構成にしてもよい。
【0087】
上記実施形態及び各種変形例の印刷履歴管理システム1では、各ユーザー端末において、印刷を実行した場合には、共有済情報(自身のユーザー端末の識別情報及び現在日時情報)を実行された印刷情報に付加して保存し、他のユーザー端末から共有済印刷履歴情報を受信した場合には、受信した共有済印刷履歴情報に含まれた共有済情報に自身の共有済情報を追記して保存する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、機密性の低い資料又は機密性のない資料等の印刷履歴管理で共有済情報が必要でない場合には、印刷履歴情報を共有した各ユーザー端末において、共有済情報の作成及び送信を行わないような構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…印刷履歴管理システム、10,21,22,23…ユーザー端末、11…印刷履歴取得部、12…印刷履歴記憶部、13…接続確認部、14…印刷履歴共有部、30…内部システム、31…データベース、32…電子署名確認部、33…印刷履歴確認部、34…警告通知部、51…CPU、52…ROM、53…RAM、54…不揮発性ストレージ、55…通信部