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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】車両のドアハンドル制御装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/16 20140101AFI20240806BHJP
   E05B 79/22 20140101ALI20240806BHJP
   E05B 81/06 20140101ALI20240806BHJP
   E05B 81/16 20140101ALI20240806BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20240806BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
E05B85/16 D
E05B79/22 A
E05B81/06
E05B81/16
B60J5/04 H
B60J5/00 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021015646
(22)【出願日】2021-02-03
(65)【公開番号】P2022118866
(43)【公開日】2022-08-16
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】守山 幸宏
(72)【発明者】
【氏名】倉本 英介
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-90962(JP,A)
【文献】特表2014-522926(JP,A)
【文献】特開平5-302453(JP,A)
【文献】実開平5-34266(JP,U)
【文献】特開2015-90028(JP,A)
【文献】特開2017-66605(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0216373(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 77/00-85/28
B60J 5/00- 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアパネルから出没可能なレバーを一端に有し、該レバーが上記ドアパネルから突出するように回動させる回動支軸を有するヒンジアームと、
上記レバーが上記ドアパネルから突出するように上記ヒンジアームに動力を伝達する駆動装置と、を備え、
上記レバーは、上記ドアパネルと面一になる格納位置と、
上記駆動装置により上記レバーが上記ドアパネルから突出してユーザが把持できる把持位置と、
該把持位置よりもさらに突出する開放位置と、の間で回動可能に構成され、
上記レバーは上記回動支軸に設けられる付勢手段により格納方向に付勢されており、
上記ヒンジアームを上記把持位置で仮保持する仮保持機構を備え、
該仮保持機構は、
上記把持位置において上記ヒンジアームに係止するヒンジアーム係止部を備え、
上記把持位置において上記レバーが把持位置に位置することを検出する把持位置検出機構を備え、
上記把持位置検出機構と上記駆動装置とに接続される制御装置を備え、
該制御装置は上記把持位置検出機構から信号を受けて上記駆動装置を停止することを特徴とする
車両のドアハンドル制御装置。
【請求項2】
上記制御装置は上記把持位置検出機構からの信号を所定時間受けた時、上記駆動装置を駆動して、上記レバーを上記把持位置から上記格納位置に格納する
請求項1に記載の車両のドアハンドル制御装置。
【請求項3】
上記仮保持機構は、ハウジングに枢支されて一端側にローラ部を有すると共に、他端側にスイッチ押圧部を有するアーム部を備え、
上記把持位置検出機構は上記スイッチ押圧部と接触可能に構成されるスイッチ部を備える
請求項1または2に記載の車両のドアハンドル制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フラッシュサーフェイス構造のドアハンドルレバーを格納位置から把持位置に電動で突出させるような車両のドアハンドル制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、ドアハンドルレバー(いわゆるレバー)をドアアウタパネルと面一になるように格納するフラッシュサーフェイス(flush surface)構造の車両のドアハンドル構造が知られている。
【0003】
該特許文献1に開示された車両のドアハンドル構造は、ドアハンドルレバーを、上下方向に延びる軸で支持し、この軸に設けたバネにより上記ドアハンドルレバーを格納方向に付勢すると共に、当該レバーの軸近傍に設けた凸部をオルタネイト機構により操作して、該レバーを突出させるように構成したシーソー式のドアハンドル構造である。
【0004】
また、上述の特許文献1に開示された車両のドアハンドル構造は、格納位置におけるドアハンドルレバーの車両内方にスイッチを設け、当該スイッチにより駆動装置を起動させて、上記ドアハンドルレバーを突出させ、格納時においては上記バネの付勢力にてドアハンドルレバーを格納状態に成すものである。
【0005】
上記特許文献1に開示された構造においてオルタネイト機構に代えてモータを含む駆動装置により、上述のドアハンドルレバーを駆動させることも可能である。
その際、ドアハンドルレバーの把持位置においては、同ドアハンドルレバーを格納方向にバネ付勢するバネの付勢力に抗して上記モータを駆動させることにより、把持位置を維持する構造が考えられる。この場合、把持位置のドアハンドルレバーをユーザが長時間操作しない状態が続くと、上記モータに負荷がかかり、モータの耐久性を損ねるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-94455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明は、駆動装置に負荷をかけることなく、レバーの把持位置を維持することができ、駆動装置に対する負荷低減を図ることができる車両のドアハンドル制御装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による車両のドアハンドル制御装置は、ドアパネルから出没可能なレバーを一端に有し、該レバーが上記ドアパネルから突出するように回動させる回動支軸を有するヒンジアームと、上記レバーが上記ドアパネルから突出するように上記ヒンジアームに動力を伝達する駆動装置と、を備え、上記レバーは、上記ドアパネルと面一になる格納位置と、上記駆動装置により上記レバーが上記ドアパネルから突出してユーザが把持できる把持位置と、該把持位置よりもさらに突出する開放位置と、の間で回動可能に構成され、上記レバーは上記回動支軸に設けられる付勢手段により格納方向に付勢されており、上記ヒンジアームを上記把持位置で仮保持する仮保持機構を備え、該仮保持機構は、上記把持位置において上記ヒンジアームに係止するヒンジアーム係止部を備え、上記把持位置において上記レバーが把持位置に位置することを検出する把持位置検出機構を備え、上記把持位置検出機構と上記駆動装置とに接続される制御装置を備え、該制御装置は上記把持位置検出機構から信号を受けて上記駆動装置を停止するものである。
【0009】
上述の仮保持機構は、付勢手段の付勢力に抗して上記ヒンジアームをレバーの把持位置に保持し、ユーザの手動によるレバーの格納方向または開放方向への動きを許容するものである。
上記仮保持機構と上記把持位置検出機構とは、一体で構成されてもよいし、別体で構成されてもよい。
上記構成によれば、上述の仮保持機構はヒンジアームを把持位置で機械的に保持し、上述の制御装置は把持位置検出機構からの信号を受けて駆動装置を停止制御する。
【0010】
このように、仮保持機構における把持位置検出機構からの信号を受けて駆動装置を停止するので、付勢手段の付勢力に抗して駆動装置を駆動し続けなくても、仮保持機構がヒンジアームを把持位置にて仮保持する。この結果、駆動装置に対する負荷低減を図ることができると共に、レバーの把持位置を保持することができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記制御装置は上記把持位置検出機構からの信号を所定時間受けた時、上記駆動装置を駆動して、上記レバーを上記把持位置から上記格納位置に格納するものである。
【0012】
上記構成によれば、把持位置検出機構からの信号を所定時間受けた場合には、制御装置が駆動装置をレバー突出方向とは逆方向に駆動して、レバーを戻位置(格納位置)に戻す。
この結果、駆動装置に対する負荷低減を図ることができると共に、悪戯防止を図ることができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記仮保持機構は、ハウジングに枢支されて一端側にローラ部を有すると共に、他端側にスイッチ押圧部を有するアーム部を備え、上記把持位置検出機構は上記スイッチ押圧部と接触可能に構成されるスイッチ部を備えるものである。
上記構成によれば、アーム部はその一端側にローラ部を有しており、その他端側にスイッチ押圧部を有しているので、アーム部とローラ部との一体化を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、駆動装置に負荷をかけることなく、レバーの把持位置を維持することができ、駆動装置に対する負荷低減を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の車両のドアハンドル制御装置を備えた車両の側面図。
図2図1の要部拡大側面図。
図3】レインフォースメントの配置構造を示す内側面図。
図4】レバーの格納状態を示す図1のA-A線矢視断面図。
図5】レバーおよびヒンジアームの斜視図。
図6】レバーを含むブラケットの外側面図。
図7】駆動装置を示す平面図。
図8】レバーの把持位置を示す平面図。
図9】レバーの開放位置を示す平面図。
図10】スイッチ押圧位置を仮想線で示す平面図。
図11】レバーの格納位置を示す図4のスイッチユニットの拡大断面図。
図12】レバーの格納位置を示す図4の仮保持機構の拡大断面図。
図13】レバーの把持位置を示す図8の仮保持機構の拡大断面図。
図14】仮保持機構を示す斜視図。
図15】制御回路ブロック図。
図16】ドアハンドル制御を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
駆動装置に負荷をかけることなく、レバーの把持位置を維持することができ、駆動装置に対する負荷低減を図るという目的を、ドアパネルから出没可能なレバーを一端に有し、該レバーが上記ドアパネルから突出するように回動させる回動支軸を有するヒンジアームと、上記レバーが上記ドアパネルから突出するように上記ヒンジアームに動力を伝達する駆動装置と、を備え、上記レバーは、上記ドアパネルと面一になる格納位置と、上記駆動装置により上記レバーが上記ドアパネルから突出してユーザが把持できる把持位置と、該把持位置よりもさらに突出する開放位置と、の間で回動可能に構成され、上記レバーは上記回動支軸に設けられる付勢手段により格納方向に付勢されており、上記ヒンジアームを上記把持位置で仮保持する仮保持機構を備え、該仮保持機構は、上記把持位置において上記ヒンジアームに係止するヒンジアーム係止部を備え、上記把持位置において上記レバーが把持位置に位置することを検出する把持位置検出機構を備え、上記把持位置検出機構と上記駆動装置とに接続される制御装置を備え、該制御装置は上記把持位置検出機構から信号を受けて上記駆動装置を停止するという構成にて実現した。
【実施例
【0017】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両のドアハンドル制御装置を示し、図1は当該ドアハンドル制御装置を備えた車両の側面図、図2図1の要部拡大側面図、図3はレインフォースメントの配置構造を示す内側面図である。
【0018】
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印UPは車両上方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。また、本発明の車両のドアハンドル制御装置は、4ドアタイプの車両のフロントドア、リヤドアやリフトゲート等にも適用できるが、以下の実施例においては2ドアタイプの車両のドアハンドルに適用した構成について述べる。
【0019】
まず、ドアハンドル制御装置を備えた車両のドアハンドル構造について説明する。
図1に示すように、車室前方部において車両の上下方向に延びるヒンジピラー1と、車両下部において車両前後方向に延びるサイドシル2と、ヒンジピラー1の上端から後方かつ上方に向けて斜め方向に延びるフロントピラー3と、該フロントピラー3の後端に連続して車両後方に延びるルーフサイドレール4と、該ルーフサイドレール4と上記サイドシル2とを車両の略上下方向に連結する後部ピラー5と、を備えている。
【0020】
上述のヒンジピラー1、サイドシル2、フロントピラー3、ルーフサイドレール4および後部ピラー5で囲繞されたドア開口部6を形成している。
上述のヒンジピラー1に上下一対のドアヒンジ7,7を介して開閉可能に取付けたサイドドア8により、上記ドア開口部6を開閉すべく構成している。
【0021】
図1図2に示すように、サイドドア8はドア本体9と、ドアウインド部材としてのドアウインドガラス10と、を有している。また、図2図3に示すように、ドア本体9はドアアウタパネル11と、図示しないドアインナパネルと、ドアアウタパネル11の車幅方向内側かつ後部側に設けられたレインフォースメント12と、を備えている。
【0022】
図3に示すように、ドアパネルとしてのドアアウタパネル11の後部上側には、後述するレバー20を収容する開口部13と、当該開口部13の縁部を全周にわたるバーリング加工により一体に折曲げ形成したフランジ部14と、を備えている。
【0023】
また、図3に示すように、レインフォースメント12の上部および下部には上部開口12a、下部開口12bがそれぞれ形成されると共に、これら上下の各開口12a,12b間には、後述するブラケット50(図6参照)を取付けるための開口部12c(ブラケット開口部)が形成されている。
【0024】
図4はレバー20の格納状態を示す図1のA-A線に沿う要部の矢視断面図、図5はレバー20およびヒンジアーム30の斜視図、図6はレバー20を含むブラケット50の外側面図である。
【0025】
また、図7は駆動装置40を示す平面図、図8はレバー20の把持位置を示す平面図、図9はレバー20の開放位置を示す平面図、図10はスイッチ押圧位置を仮想線で示す平面図である。
【0026】
図4に示すように、ドアハンドル構造は、ドアパネルとしてのドアアウタパネル11の開口部13から出没可能なレバー20(詳しくは、ドアハンドルレバー)と、該レバー20を有するスワンネック(swan-neck)構造のヒンジアーム30と、レバー20がドアアウタパネル11から突出するようにヒンジアーム30に動力を伝達する駆動装置40と、を備えている。また、レバー20を収容しドアパネルとしてのレインフォースメント12に固定されるブラケット50を備えている。
【0027】
上述のレバー20は、図4図5に示すアウタカバー21と、インナカバー22と、を有し、これらアウタカバー21とインナカバー22との周縁部を凹凸嵌合および接合固定している。また、該レバー20およびドアアウタパネル11の開口部13は車両側面視で車両前後方向に長い長円形状に形成されている。
【0028】
図4に示すように、上述のインナカバー22の前側には、組付け時にヒンジアーム30を挿通させる開口23が形成されている。
図5に示すように、上述のインナカバー22外部におけるヒンジアーム30が挿通する開口23(図4参照)の前部には、ブラケット50の対向壁と当接して前記レバー20の揺動時に支点となる舌片形状の突出部28が形成されている。
【0029】
また、図5に示すように、上述の開口23(図4参照)の車幅方向内側には、ヒンジアーム30を離間して囲繞する筒部29が形成されている。
上述のヒンジアーム30は、図4に示すように、一端(この実施例では後端)に上述のレバー20を有し、該レバー20がドアアウタパネル11から突出するように回動させる回動支軸としてのヒンジピン31を備えている。このヒンジピン31は上述のブラケット50に固定され上下方向に指向している。
【0030】
また、上述のヒンジアーム30は、図4に示すように、ヒンジピン31を枢支する枢支部32と、この枢支部32からスワンネック形状のネック部33を介して車両後方側に延びるレバー支持部34と、枢支部32から上記ネック部33とは反対側の車両前方側に延びる延出部35と、を一体的に備えている。上述のレバー支持部34は、アウタカバー21とインナカバー22とから成るレバー20の内部に配置されている。
【0031】
図4に示すように、ヒンジアーム30の延出部35には、駆動装置40をアセンブリするモータベース41が取付けられている。
また、図4に示すように、上述のヒンジピン31と同軸上には、クランクプレート60が設けられている。このクランクプレート60の後側かつ車幅方向外側には、レバー20およびヒンジアーム30が把持位置(図8参照)に回動した時、ヒンジアーム30のネック部33と当接係止される縦壁61(係止部)が一体形成されている。
【0032】
さらに、上述のクランクプレート60の車幅方向内端部には、ドアラッチ(図示せず)を解除するレリーズワイヤ62が固定されている。このクランクプレート60は、バネ力が大きいコイルスプリング(図示せず)により常時反レリーズ方向にバネ付勢されている。
【0033】
一方、図5に示すように、上述のヒンジピン31には付勢手段としてのトーションスプリング36が巻回されており、このトーションスプリング36の一端36aが、図4に示すクランクプレート60に係止され、トーションスプリング36の他端36bが、図5に示すように、ヒンジアーム30の延出部35に係止されている。これにより、該トーションスプリング36によりレバー20を常時格納方向にバネ付勢している。
このトーションスプリング36のバネ力は、クランクプレート60を反レリーズ方向に付勢するコイルスプリング(図示せず)のバネ力に対して、小さく設定されている。
【0034】
次に、図7を参照してヒンジアーム30の他端側(延出部35参照)に動力を伝達する駆動装置40の構成について説明する。
上述の駆動装置40はヒンジピン31と同軸上に固定されたセクタギヤG1(sector gear、扇形歯車)を備えている。このセクタギヤG1はヒンジピン31に嵌合されると共に、上述のブラケット50に取付けられていて、位置不変に形成されている。つまり、このセクタギヤG1は回動しないように構成されている。
【0035】
上述のモータベース41にはモータ42(可逆モータ)が取付けられている。当該モータ42の回転軸43には出力ギヤG2が嵌合されている。モータベース41に設けられた軸44にはピニオンギヤG3を備えたアイドルギヤG4が設けられている。また、モータベース41に設けられた別の軸45には、ピニオンギヤG5を備えた従動ギヤG6が設けられている。
【0036】
図7に示すように、出力ギヤG2はアイドルギヤG4と噛合している。ピニオンギヤG3は従動ギヤG6と噛合している。ピニオンギヤG5はセクタギヤG1と噛合している。これにより、モータ42をレバー20の突出方向に駆動(正転駆動)して、その回転軸43および出力ギヤG2を、図7の反時計方向に回転させると、各ギヤG2,G4,G3,G6をこの順に介してピニオンギヤG5が図7の反時計方向に回転する。
【0037】
ピニオンギヤG5が図7の反時計方向に回転すると、セクタギヤG1は位置不変であるから、各要素G2~G6から成る歯車列46(gear train)と、モータ42と、モータベース41とは、セクタギヤG1の扇形状に沿ってレバー20突出方向に移動し、ヒンジアーム30を介してレバー20を突出させる。
【0038】
上述のレバー20は、そのアウタカバー21がドアアウタパネル11と面一になる格納位置(図4参照)と、駆動装置40によりレバー20の格納位置において面一になる意匠面全体がドアアウタパネル11から突出してユーザが把持できる把持位置(図8参照)と、この把持位置よりもさらに突出する開放位置(図9参照)と、の間で回動可能に構成されている。
【0039】
図4に示す格納位置から図8に示す把持位置までの間は、駆動装置40によりレバー20を回動することができる。また、ヒンジアーム30が図4に示す格納位置から図8に示す把持位置に達するまでの間においては、クランクプレート60は動くことなく、バネ力の強いコイルスプリング(図示せず)により反レリーズ方向に付勢されている。
【0040】
図8に示す把持位置においては、レバー20がドアアウタパネル11から外方に突出して、ユーザが当該レバー20を把持できるので、図8に示す把持位置から図9に示す開放位置へはユーザによりレバー20を開放することができる。
【0041】
図8に示すようにヒンジアーム30が把持位置に達すると、当該ヒンジアーム30のネック部33がクランクプレート60の縦壁61(係止部)に当接するので、図示しないコイルスプリングのバネ力に抗してレバー20が開放方向に回動操作されると、クランクプレート60がレリーズ方向に回動し、レリーズワイヤ62を介してドアラッチを解除する。
【0042】
ところで、上述のブラケット50は、図4に示すように、開口部13と連通するレバー20の格納空間52と、ヒンジアーム30の挿通孔53とを備えている。
また、上述のブラケット50は、図6に示すように、前側取付け部54と、上側取付け部55と、下側取付け部56と、後側取付け部57と、を備えている。
【0043】
図6図3に示すように、ブラケット50の前側取付け部54はレインフォースメント12の開口部12c周縁の前側取付け座12dに締結固定される。同様に上側、下側の各取付け部55,56はレインフォースメント12の開口部12c周縁の上側取付け座12e、下側取付け座12fにそれぞれ締結固定される。
【0044】
図3図4に示すように、レインフォースメント12の開口部12cにおける後側周縁には、車幅方向外方に延びる切起こし部12gが一体形成されており、図6に示すブラケット50の後側取付け部57は、上記切起こし部12gに締結固定される。
【0045】
一方、図4に示すように、レバー20の後端部、詳しくは、インナカバー22の後端部と対向するブラケット50の後端側の車幅方向内側にはスイッチユニット70が配置されている。
このスイッチユニット70は、レバー20後端部の押圧操作時(図10の仮想線α参照)にユニット内のリクエストスイッチSW1(図11参照)がONとなり、モータ42への通電を行なうものである。
【0046】
また、上記スイッチユニット70の前側近傍におけるブラケット50にはキーシリンダ15が配置されている。
さらに、図4に示すように、レバー20の格納位置において、ヒンジアーム30のネック部33とキーシリンダ15との間のブラケット50の所定位置には、ヒンジアーム30を図8に示す把持位置で仮保持する仮保持機構80が配置されている。
【0047】
この仮保持機構80は、付勢手段としてのトーションスプリング36の付勢力に抗してヒンジアーム30をレバー20の把持位置に機械的に保持し、ユーザの手動による格納方向または開放方向への動きを許容するものである。
【0048】
図10に示すように、上記レバー20はヒンジアーム30のレバー支持部34に対して揺動可能に設けられているので、格納位置にあるレバー20の後端部を外方から押圧すると、図10に仮想線αで示すように、レバー20の後端部が車幅方向内側に揺動変位して、スイッチユニット70内のリクエストスイッチSW1(図11参照)をONにするスイッチ押圧位置となる。
【0049】
図11はレバーの格納位置を示す図4のスイッチユニット70の拡大断面図である。
図11に示すように、上述のスイッチユニット70は、車幅方向内側に位置する内側ハウジング71と車幅方向外側に位置する外側ハウジング72とを備えている。内側ハウジング71にはリクエストスイッチSW1を収納しており、外側ハウジング72には、ピストン74と、該ピストン74と一体的に軸動するスプリングガイド75と、ピストン74を常時外方にバネ付勢するスプリング76と、を収納している。
【0050】
上述のスプリングガイド75のリクエストスイッチSW1側にはスイッチングロッド77を一体的に設け、ピストン74のレバー20側にはピン78を一体的に設けている。また、当該ピン78の外方を覆うバンパラバー79を設け、該バンパラバー79のフランジ部79aをブラケット50と外側ハウジング72との間で挟持固定している。
【0051】
レバー20の格納位置(図4図11参照)においてはスイッチングロッド77とリクエストスイッチSW1のプッシュロッド73とは離間している。
レバー20がスイッチ押圧位置(図10の仮想線α参照)に操作されると、バンパラバー79を介してピン78、ピストン74、スプリングガイド75、スイッチングロッド77がスプリング76の付勢力に抗して押圧され、スイッチングロッド77でプッシュロッド73を押下げてリクエストスイッチSW1がONになるように構成している。
【0052】
図12はレバー20の格納位置を示す図4の仮保持機構80の拡大断面図、図13はレバー20の把持位置を示す図8の仮保持機構80の拡大断面図、図14は仮保持機構80を示す斜視図である。
【0053】
上述の仮保持機構80(いわゆる、メカニカルチェッカ)はヒンジアーム30を図8図13に示す把持位置で仮保持(位置保持)するための機構である。
この仮保持機構80は、図8図13に示す把持位置においてヒンジアーム30を係止するヒンジアーム係止部としてのローラ85と、把持位置においてレバー20が当該把持位置に位置することを検出する把持位置検出機構としてのポジションスイッチSW2とを備えている。
【0054】
また、上述の仮保持機構80は、ハウジング81に枢支されて一端側83a(この実施例では前端側)にローラ部であるローラ85を有すると共に、他端側(この実施例では、後端側)にスイッチ押圧部83bが設けられたアーム部83を備えている。
【0055】
詳しくは、上記仮保持機構80は、図12図13に示すように、ハウジング81を備えており、該ハウジング81には支軸82を介してアーム部83を枢支している。アーム部83の一端側83aにはローラ軸84を介してヒンジアーム係止部としてのローラ85を設けている。
【0056】
また、アーム部83の一端側83aとこれに対向するハウジング81との間には、上述のローラ85を常時突出方向(ヒンジアーム30に近接する方向)に付勢するスプリング86が設けられている。
さらに、アーム部83他端側のスイッチ押圧部83bと対向する位置には把持位置検出機構としてのポジションスイッチSW2が配置されている。
【0057】
図4図12に示すレバー20の格納位置にあっては、スプリング86の付勢力に抗して、ローラ85がヒンジアーム30で押圧され、アーム部83他端側のスイッチ押圧部83bはポジションスイッチSW2のプッシュロッド88から離間している(SW2のOFF状態)。
【0058】
図8図13に示すように、レバー20が把持位置に突出すると、ローラ85は、スプリング86の付勢力により、ヒンジアーム30の中間に位置する凹状の変曲部30aに突出し、アーム部83が支軸82を支点として回動することで、バネ付勢されたローラ85およびアーム部83にてヒンジアーム30を仮保持すると共に、アーム部83他端側のスイッチ押圧部83bにてポジションスイッチSW2のプッシュロッド88を押下げて、該ポジションスイッチSW2をONにする。
このような仮保持機構80を設けることで、モータ42を駆動し続けなくても、図8図13に示す把持位置でヒンジアーム30を機械的に仮保持するように構成したものである。
【0059】
この仮保持機構80は、付勢手段であるトーションスプリング36のレバー20をイニシャル位置へ戻す方向のバネ付勢力に抗して上述のヒンジアーム30をレバー20の把持位置に保持すると共に、ユーザの手動によるレバー20の格納方向または開放方向への動きを許容するものである。
【0060】
特に、実施例で示したように、セクタギヤG1に対して歯車列46を設け、モータ42の駆動時に、モータベース41、モータ42、歯車列46がセクタギヤG1の扇形状に沿って移動する所謂自走式の駆動装置40と成した場合には、レバー20およびヒンジアーム30をトーションスプリング36の付勢力に抗して把持位置で位置保持する仮保持機構80が必須となる。
【0061】
要するに、ドアハンドル制御装置を備えた車両のドアハンドル構造は、ドアアウタパネル11から出没可能なレバー20を一端に有し、該レバー20が上記ドアアウタパネル11から突出するように回動させるヒンジピン31を有するヒンジアーム30と、上記レバー20が上記ドアアウタパネル11から突出するように上記ヒンジアーム30に動力を伝達する駆動装置40と、を備え、上記レバー20は、上記ドアアウタパネル11と面一になる格納位置(図4参照)と、上記駆動装置40により上記レバー20が上記ドアアウタパネル11から突出してユーザが把持できる把持位置(図8参照)と、該把持位置よりもさらに突出する開放位置(図9参照)と、の間で回動可能に構成され、上記レバー20は上記ヒンジピン31に設けられる付勢手段であるトーションスプリング36により格納方向に付勢されており、上記ヒンジアーム30を上記把持位置で仮保持する仮保持機構80を備え、該仮保持機構80は、上記把持位置(図8図13参照)において上記ヒンジアーム30に係止するローラ85を備え、上記把持位置において上記レバー20が把持位置に位置することを検出するポジションスイッチSW2を備えたものである。
【0062】
図15は車両のドアハンドル制御装置の制御回路ブロック図である。
次に、図15を参照して車両のドアハンドル制御装置の構成について説明する。
【0063】
把持位置検出機構であるポジションスイッチSW2と、駆動装置40のモータ42とに接続される制御装置としてのCPU90を設けている。
CPU90の入力側には上記リクエストスイッチSW1と上記ポジションスイッチSW2とが接続されており、CPU90の出力側には上記モータ42が接続されている。
【0064】
CPU90は、リクエストスイッチSW1およびポジションスイッチSW2からの信号入力に基づいて、ROM91に格納されたプログラムに従って、モータ42を駆動制御し、またRAM92は、図16に示すステップS6のポジションスイッチSW2ON後の所定時間に相当するデータなどの必要なデータを読出し可能に記憶する。
【0065】
また、上述のCPU90は、把持位置検出機構としてのポジションスイッチSW2からの信号を受けて駆動装置40のモータ42を停止するモータ停止手段(図16に示すフローチャートのステップS5参照)と、ポジションスイッチSW2からの信号を所定時間受けた時、駆動装置40のモータ42を逆転駆動して、レバー20を把持位置から格納位置に格納するモータ逆転駆動手段(図16に示すフローチャートのステップS7参照)と、を兼ねる。
【0066】
このように構成した車両のドアハンドル制御装置の作用を、図16に示すフローチャートを参照して、以下に説明する。なお、以下に述べるフローチャートの各ステップは、その処理内容に応じた判定手段や処理手段を構成するものである。
【0067】
ステップS1で、CPU90はリクエストスイッチSW1からのリクエスト信号入力の有無を判定する。つまり、レバー20が図10に仮想線αで示すように押圧されて、リクエストスイッチSW1がONになったか否かを判定する。
【0068】
ステップS1でのNO判定時(リクエストスイッチSW1がOFFの時)にはリターンする一方、ステップS1でのYES判定時(リクエストスイッチSW1がONの時)には、次のステップS2に移行する。
【0069】
ステップS2で、CPU90はポジションスイッチSW2がOFFか否かを判定する。つまり、レバー20が格納位置(図4図12参照)にあるか否かを判定する。当該ステップS2でのNO判定時(ポジションスイッチSW2がONの時)にはステップS1にリターンする一方、YES判定時(ポジションスイッチSW2がOFFの時)には次のステップS3に移行する。
【0070】
ステップS3で、CPU90はモータ42に対して通電を実行する。モータ42が通電されると、該モータ42の回転軸43がレバー突出方向に正転し、図7で示した歯車列46を介してピニオンギヤG5にモータ回転力が伝達される。これにより、各要素46,42,41はセクタギヤG1の扇形状に沿ってレバー20の突出方向に移動して、ヒンジアーム30を介してレバー20を格納位置から把持位置の方向に突出させる。
【0071】
次に、ステップS4で、CPU90はポジションスイッチSW2がONになったか否かを判定する。つまり、レバー20が把持位置(図8図13)に達したか否かを判定し、NO判定時にはステップS3にリターンする一方で、YES判定時には、次のステップS5に移行する。
【0072】
モータ42の正転駆動によりヒンジアーム30が図12に示す格納位置から図13に示す把持位置に達すると、仮保持機構80のローラ85がヒンジアーム30の変曲部30aに係止し、スプリング86の付勢力によりトーションスプリング36のバネ力に抗してヒンジアーム30を把持位置に仮保持する。同時に、支軸82を支点として回動するアーム部83のスイッチ押圧部83bにて、図13に示すように、プッシュロッド88が押下げられて、ポジションスイッチSW2がONになる。
【0073】
上述のステップS5(モータ停止手段)で、CPU90はモータ42への通電を遮断する。該モータ42への通電が遮断されて、当該モータ42がOFFになっても、ヒンジアーム30はトーションスプリング36のバネ力に抗して仮保持機構80により把持位置に機械的に仮保持されているので、ヒンジアーム30が格納方向に逆戻り移行することはない。
【0074】
レバー20が図8図13に示す把持位置での仮保持状態下において、ユーザはレバー20を把持して図4に示す格納方向または図9に示す開放方向へ操作することができる。
【0075】
次に、ステップS6で、CPU90はポジションスイッチSW2がONになった後、所定時間(例えば、15~20秒)当該ポジションスイッチSW2のON信号が継続しているか否かを判定し、NO判定時には一連の処理を終了する一方で、YES判定時には、次のステップS7に移行する。
【0076】
このステップS7(モータ逆転駆動手段)で、CPU90はモータ42を逆転駆動する。すなわち、モータ42の回転軸43を図7に矢印で示すレバー突出方向とは反対のレバー格納方向に回転駆動する。
モータ42が逆転駆動されると、レバー20およびヒンジアーム30は、図8図13に示す把持位置から図4図12に示す格納位置の方向へ移動する。
【0077】
次にステップS8で、CPU90は、レバー20およびヒンジアーム30が格納位置(図4図12参照)に達することで、ポジションスイッチSW2がOFFになったか否かを判定し、NO判定時(格納位置に達していない時)には、ステップS7にリターンする一方で、YES判定時(格納位置に達した時)には、次のステップS9に移行する。
このステップS9で、CPU90はモータ42への通電を遮断し、モータ42の逆転駆動を停止して、一連の処理を終了する。
【0078】
このように、上記実施例の車両のドアハンドル制御装置は、ドアパネル(ドアアウタパネル11)から出没可能なレバー20を一端に有し、該レバー20が上記ドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出するように回動させる回動支軸(ヒンジピン31)を有するヒンジアーム30と、上記レバー20が上記ドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出するように上記ヒンジアーム30に動力を伝達する駆動装置40と、を備え、上記レバー20は、上記ドアパネル(ドアアウタパネル11)と面一になる格納位置(図4参照)と、上記駆動装置40により上記レバー20が上記ドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出してユーザが把持できる把持位置(図8参照)と、該把持位置よりもさらに突出する開放位置(図9参照)と、の間で回動可能に構成され、上記レバー20は上記回動支軸(ヒンジピン31)に設けられる付勢手段(トーションスプリング36)により格納方向に付勢されており、上記ヒンジアーム30を上記把持位置で仮保持する仮保持機構80を備え、該仮保持機構80は、上記把持位置において上記ヒンジアーム30に係止するヒンジアーム係止部(ローラ85)を備え、上記把持位置において上記レバー20が把持位置に位置することを検出する把持位置検出機構(ポジションスイッチSW2)を備え、上記把持位置検出機構(ポジションスイッチSW2)と上記駆動装置40とに接続される制御装置(CPU90)を備え、該制御装置(CPU90)は上記把持位置検出機構(ポジションスイッチSW2)から信号を受けて上記駆動装置40を停止するものである(図4図8図9図10図12図13図15図16参照)。
【0079】
この構成によれば、上述の仮保持機構80はヒンジアーム30を把持位置で機械的に保持し、上述の制御装置(CPU90)は把持位置検出機構(ポジションスイッチSW2)からの信号を受けて駆動装置40を停止制御する。
【0080】
このように、仮保持機構80における把持位置検出機構(ポジションスイッチSW2)からの信号を受けて駆動装置40を停止するので、付勢手段(トーションスプリング36)の付勢力に抗して駆動装置40を駆動し続けなくても、仮保持機構80がヒンジアーム30を把持位置にて機械的に仮保持する。この結果、駆動装置40(特に、モータ42)に対する負荷低減を図ることができると共に、レバー20の把持位置を保持することができる。
【0081】
また、この発明の一実施形態においては、上記制御装置(CPU90)は上記把持位置検出機構(ポジションスイッチSW2)からの信号を所定時間受けた時、上記駆動装置40を駆動(逆転駆動)して、上記レバー20を上記把持位置(図8図13参照)から上記格納位置(図4図12参照)に格納するものである(図4図8図12図13図15図16参照)。
【0082】
この構成によれば、把持位置検出機構(ポジションスイッチSW2)からの信号を所定時間受けた場合には、制御装置(CPU90)が駆動装置40をレバー突出方向とは逆方向に駆動して、レバー20を戻位置(格納位置)に戻す。
この結果、駆動装置40(特に、モータ42)に対する負荷低減を図ることができると共に、悪戯防止を図ることができる。
【0083】
さらに、この発明の一実施形態においては、上記仮保持機構80は、ハウジング81に枢支されて一端側83aにローラ部(ローラ85)を有すると共に、他端側にスイッチ押圧部83bを有するアーム部83を備え、上記把持位置検出機構(ポジションスイッチSW2)は上記スイッチ押圧部83bと接触可能に構成されるスイッチ部(プッシュロッド88)を備えるものである(図12図13参照)。
【0084】
この構成によれば、アーム部83はその一端側83aにローラ部(ローラ85)を有しており、その他端側にスイッチ押圧部83bを有しているので、アーム部83とローラ部(ローラ85)との一体化を図ることができる。
【0085】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のドアパネルは、実施例のドアアウタパネル11に対応し、
以下同様に、
回動支軸は、ヒンジピン31に対応し、
付勢手段は、トーションスプリング36に対応し、
ヒンジアーム係止部、ローラ部は、ローラ85に対応し、
スイッチ部は、プッシュロッド88に対応し、
把持位置検出機構は、ポジションスイッチSW2に対応し、
制御手段は、CPU90に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0086】
例えば、上記実施例においては、車両のドアハンドル制御装置を備えたドアハンドル構造を、2ドアタイプの車両のドアハンドルに適用した構造について例示したが、これは4ドアタイプの車両のフロントドア、リヤドア(観音開き構造のドアを含む)におけるドアハンドルまたはリフトゲートにおけるドアハンドルに適用してもよい。
【0087】
また、図11で示したリクエストスイッチSW1に代えて、キーレスエントリーシステムの受信器を用いるように構成してもよい。すなわち、IDコード信号およびリクエスト信号を発信する発信器を備えた携帯端末を設け、携帯端末から発信されるIDコード信号のIDコードと自車のIDコードとが一致し、かつ、リクエスト信号を受信器が受信した時にのみ、モータ42をレバー突出方向に駆動するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上説明したように、本発明は、フラッシュサーフェイス構造のドアハンドルレバーを格納位置から把持位置に電動で突出させるような車両のドアハンドル制御装置について有用である。
【符号の説明】
【0089】
11…ドアアウタパネル(ドアパネル)
20…レバー
30…ヒンジアーム
31…ヒンジピン(回動支軸)
36…トーションスプリング(付勢手段)
40…駆動装置
80…仮保持機構
81…ハウジング
83…アーム部
83b…スイッチ押圧部
85…ローラ(ヒンジアーム係止部、ローラ部)
88…プッシュロッド(スイッチ部)
90…CPU(制御装置)
SW2…ポジションスイッチ(把持位置検出機構)
図1
図2
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