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特許7533284情報処理装置、情報処理方法、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240806BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 H
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021032283
(22)【出願日】2021-03-02
(65)【公開番号】P2022133549
(43)【公開日】2022-09-14
【審査請求日】2023-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中園 博行
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-171851(JP,A)
【文献】国際公開第2013/124904(WO,A1)
【文献】特開2007-241729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
G08G 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両が他車両と衝突する可能性があると判定された場合に、
前記自車両の運転者に対してアラートを発する第1アラート装置の電源がオフにされているか否か、および、前記第1アラート装置が故障しているか否かに基づいて、前記第1アラート装置が有効な状態であるか否かを判定し、
前記第1アラート装置の電源がオフにされておらず、かつ、前記第1アラート装置が故障していない場合に、前記第1アラート装置が有効な状態であると判定し、
前記第1アラート装置が有効な状態であると判定されるときは、前記第1アラート装置にアラートを発せさせ、
前記第1アラート装置の電源がオフにされ、または、前記第1アラート装置が故障している場合に、前記第1アラート装置が無効な状態であると判定し、
前記第1アラート装置が無効な状態であると判定されるときは、前記自車両に衝突する可能性があると判定された他車両である対象車両を識別するための車両IDを含むアラート情報を前記他車両にブロードキャスト送信する、
制御部を備え
前記アラート情報は、前記他車両が前記車両IDにより識別される対象車両である場合に、前記対象車両の運転者に対してアラートを発する第2アラート装置にアラートを発せさせるための情報である、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部が、
交差点を左折または右折しようとする前記自車両が、対向車線において前記交差点を直進しようとする前記他車両と衝突する可能性があるか否かを判別する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部が、
交通信号機が赤信号を示している交差点を通過しようとする前記自車両が、前記自車両の進行方向と交差する方向から前記交差点に進入しようとする前記他車両と衝突する可能性があるか否かを判別する、
請求項1または2のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部が、
交差点の手前で一時停止していた状態から前記交差点に進入しようとする前記自車両が、前記自車両とは異なる方向から前記交差点に進入しようとする前記他車両と衝突する可能性があるか否かを判別する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部が、
前記自車両の運転状況を示す情報と、前記他車両の運転状況を示す情報と、前記交差点の状況を示す情報と、を取得し、
前記取得した情報に基づいて、前記他車両と前記自車両が衝突する可能性があるか否かを判別する、
請求項からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は前記自車両に搭載された車載装置である、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部が、車車間通信によって前記他車両に前記アラート情報を送信する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部が、路側装置を経由する路車間通信によって前記他車両に前記アラート情報を送信する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
自車両が他車両と衝突する可能性があるか否かを判別することと、
前記自車両が前記他車両と衝突する可能性があると判定された場合に、
前記自車両の運転者に対してアラートを発する第1アラート装置の電源がオフにされているか否か、および、前記第1アラート装置が故障しているか否かに基づいて、前記第1アラート装置が有効な状態であるか否かを判定し、
前記第1アラート装置の電源がオフにされておらず、かつ、前記第1アラート装置が故障していない場合に、前記第1アラート装置が有効な状態であると判定し、
前記第1アラート装置が有効な状態であると判定されるときは、前記第1アラート装置にアラートを発せさせ、
前記第1アラート装置の電源がオフにされ、または、前記第1アラート装置が故障している場合に、前記第1アラート装置が無効な状態であると判定し、
前記第1アラート装置が無効な状態であると判定されるときは、前記自車両に衝突する可能性があると判定された他車両である対象車両を識別するための車両IDを含むアラート情報を前記他車両にブロードキャスト送信することと、
を含
前記アラート情報は、前記他車両が前記車両IDにより識別される対象車両である場合に、前記対象車両の運転者に対してアラートを発する第2アラート装置にアラートを発せさせるための情報である、
情報処理方法。
【請求項10】
交差点を左折または右折しようとする前記自車両が、対向車線において前記交差点を直進しようとする前記他車両と衝突する可能性があるか否かを判別する、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
交通信号機が赤信号を示している交差点を通過しようとする前記自車両が、前記自車両の進行方向と交差する方向から前記交差点に進入しようとする前記他車両と衝突する可能
性があるか否かを判別する、
請求項9または10のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項12】
交差点の手前で一時停止していた状態から前記交差点に進入しようとする前記自車両が、前記自車両とは異なる方向から前記交差点に進入しようとする前記他車両と衝突する可能性があるか否かを判別する、
請求項から11のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記自車両の運転状況を示す情報と、前記他車両の運転状況を示す情報と、前記交差点の状況を示す情報と、を取得することをさらに含み、
前記取得した情報に基づいて、前記他車両と前記自車両が衝突する可能性があるか否かを判別する、
請求項10から12のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記コンピュータは前記自車両に搭載された車載装置である、
請求項から13のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
車車間通信によって前記他車両に前記アラート情報を送信する、
請求項14に記載の情報処理方法。
【請求項16】
路側装置を経由する路車間通信によって前記他車両に前記アラート情報を送信する、
請求項14に記載の情報処理方法。
【請求項17】
自車両に搭載された第1車載装置および第1アラート装置と、他車両に搭載された第2車載装置および第2アラート装置と、を含むシステムであって、
前記第1アラート装置は、前記自車両の運転者に対してアラートを発する装置であり、
前記第2アラート装置は、前記他車両の運転者に対してアラートを発する装置であり、
前記第1車載装置が、
前記自車両が前記他車両と衝突する可能性があると判定された場合に、
前記第1アラート装置の電源がオフにされているか否か、および、前記第1アラート装置が故障しているか否かに基づいて、前記第1アラート装置が有効な状態であるか否かを判定し、
前記第1アラート装置の電源がオフにされておらず、かつ、前記第1アラート装置が故障していない場合に、前記第1アラート装置が有効な状態であると判定し、
前記第1アラート装置が有効な状態であると判定されるときは、前記第1アラート装置にアラートを発せさせ、
前記第1アラート装置の電源がオフにされ、または、前記第1アラート装置が故障している場合に、前記第1アラート装置が無効な状態であると判定し、
前記第1アラート装置が無効な状態であると判定されるときは、前記自車両に衝突する可能性があると判定された他車両である対象車両を識別するための車両IDを含むアラート情報を前記第2車載装置にブロードキャスト送信
前記アラート情報は、前記他車両が前記車両IDにより識別される対象車両である場合に、前記対象車両に搭載された第2アラート装置にアラートを発せさせるための情報であり、
前記第2アラート装置は、前記第2車載装置が前記第1車載装置から受信した前記アラート情報に前記他車両自身の車両IDが含まれる場合に、アラートを発する、
システム。
【請求項18】
前記第1車載装置が、車車間通信によって前記第2車載装置に前記アラート情報を送信する、
請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の衝突リスク低減のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自車両が旋回場所で右左折状態にあるときに運転者に対して注意喚起する運転支援装置が開示されている。特許文献1に開示の運転支援装置では、自車両が左折又は右折を開始しようとしていると判定された場合、自車両の予想経路が推定される。また、自車両の周辺に存在する物体についての物体情報と、自車両の予想経路とに基づいて、自車両の運転者の注意を喚起するための要求信号が発生される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-081613号公報
【文献】特開2016-21125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、自車両と他車両との衝突のリスクを低減することが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第一の態様に係る情報処理装置は、
自車両が他車両と衝突する可能性があると判定された場合に、
前記自車両の運転者に対してアラートを発する第1アラート装置が有効な状態のときは、前記第1アラート装置にアラートを発せさせ、
前記第1アラート装置が無効な状態のときは、前記他車両にアラート情報を送信する、
制御部を備える。
【0006】
本開示の第二の態様に係る情報処理方法は、
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
自車両が他車両と衝突する可能性があるか否かを判別することと、
前記自車両が前記他車両と衝突する可能性があると判定された場合に、
前記自車両の運転者に対してアラートを発する第1アラート装置が有効な状態のときは、前記第1アラート装置にアラートを発せさせ、
前記第1アラート装置が無効な状態のときは、前記他車両にアラート情報を送信することと、
を含む。
【0007】
本開示の第三の態様に係るシステムは、
自車両に搭載された第1車載装置および第1アラート装置と、他車両に搭載された第2車載装置および第2アラート装置と、を含むシステムであって、
前記第1アラート装置は、前記自車両の運転者に対してアラートを発する装置であり、
前記第2アラート装置は、前記他車両の運転者に対してアラートを発する装置であり、
前記第1車載装置が、
前記自車両が前記他車両と衝突する可能性があると判定された場合に、
前記第1アラート装置が有効な状態のときは、前記第1アラート装置にアラートを発せさせ、
前記第1アラート装置が無効な状態のときは、前記第2アラート装置にアラートを発せさせるためのアラート情報を前記第2車載装置に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、自車両と他車両との衝突のリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、アラートシステムの概略構成を示す図である。
図2図2は、アラートシステムによってアラートが通知される交通状況の第1の例を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る、第1車載装置および路側装置それぞれの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図4図4は、交差点情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図5図5は、車両情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図6図6は、アラートシステムによってアラートが通知される交通状況の第2の例を示す図である。
図7図7は、自車両の第1車載装置において実行される第1アラート処理のフローを示すフローチャートである。
図8図8は、他車両の第2車載装置において実行される第2アラート処理のフローを示すフローチャートである。
図9図9は、第2実施形態に係る、第1車載装置の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図10図10は、アラートシステムによってアラートが通知される交通状況の第3の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示に係る情報処理装置は制御部を備える。制御部は、自車両が他車両と衝突する可能性があるか否かを判別する。この判別は、自車両の運転状況と、自車両の周囲に存在する他車両の運転状況とに基づいて行うことができる。そして、自車両が他車両と衝突する可能性があると判定された場合に、第1アラート装置が有効な状態のときは、制御部は、第1アラート装置にアラートを発せさせる。第1アラート装置は、自車両に搭載された装置であり、自車両の運転者に対してアラートを発する装置である。
【0011】
第1アラート装置からアラートが発せられることで、自車両の運転者は、自車両が他車両と衝突する可能性があることを把握することができる。その結果、自車両の運転者が、自車両と他車両との衝突を回避するための車両操作を行うことが可能となる。
【0012】
一方、自車両において、第1アラート装置が無効な状態の場合がある。例えば、第1アラート装置の電源がOFFにされている場合、または、第1アラート装置が故障している場合は、第1アラート装置は無効な状態となる。このように第1アラート装置が無効な状態のときは、第1アラート装置からアラートを発せさせることができない。そこで、自車両が他車両と衝突する可能性があると判定された場合に、第1アラート装置が無効な状態のときは、制御部は、他車両にアラート情報を送信する。
【0013】
アラート情報は、他車両の運転者に、他車両が自車両と衝突する可能性があることを通知するための情報である。アラート情報は、例えば、他車両において、他車両の運転者に対してアラートを発する第2アラート装置にアラートを発せさせるための情報であってもよい。自車両から送信されたアラート情報が他車両において受信されることで、他車両が自車両と衝突する可能性があることを他車両の運転者が把握することができる。その結果、他車両の運転者が、自車両と他車両と衝突を回避するための車両操作を行うことが可能
となる。
【0014】
上記のように、本開示によれば、自車両が他車両と衝突する可能性があるときに、自車両の運転者に対してアラートを発することができる場合は、自車両の運転者に衝突回避のための車両操作を行わせることが可能となる。また、自車両の運転者に対してアラートを発することができない場合は、他車両の運転者に衝突回避のための車両操作を行わせることが可能となる。したがって、自車両と他車両との衝突のリスクを低減することができる。
【0015】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0016】
<第1実施形態>
(システム概略)
本実施形態に係るアラートシステムの概略について図1および図2に基づいて説明する。アラートシステムは、車両同士が衝突する可能性がある場合に運転者に対してアラートを通知するためのシステムである。図1は、アラートシステムの概略構成を示す図である。図2は、アラートシステムによってアラートが通知される交通状況の第1の例を示す図である。
【0017】
アラートシステム1は、各車両10に搭載されている車載装置100およびアラート装置200と、路側装置300と、を含んで構成される。なお、以下において、自車両と他車両とを区別する場合、自車両の参照番号を10aとし、他車両の参照番号を10bとする。また、自車両10aに搭載されている車載装置100およびアラート装置200を、それぞれ第1車載装置100aおよび第1アラート装置200aと称する。また、他車両10bに搭載されている車載装置100およびアラート装置200を、それぞれ第2車載装置100bおよび第2アラート装置200bと称する。
【0018】
路側装置300は、交差点を走行する車両10および交差点の周囲を走行する車両10に対しいて情報を提供する装置である。また、路側装置300は、コンピュータ含んで構成されている。また、路側装置300は、交差点に設置された交通信号機が含まれている。そして、路側装置300においては、交通信号機の灯火の制御が行われる。
【0019】
アラートシステム1においては、所定の通信可能範囲に存在する車両10同士の間で車車間通信が行われる。車車間通信は、各車両10に搭載された車載装置100によって行われる。また、所定の通信可能範囲に存在する車両10と路側装置300との間では路車間通信が行われる。路車間通信も、各車両10に搭載された車載装置100によって行われる。
【0020】
車載装置100は、車両10に搭載可能なコンピュータを含んで構成される。車載装置100を構成するコンピュータは、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、および通信インターフェース(通信I/F)104を有する。
【0021】
プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。主記憶部102は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。補助記憶部103は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはフラッシュメモリである。また、補助記憶部103は、リムーバブルメディア(可搬記録媒体)を含んでもよい。ここで、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、SDカード、または、CD-ROM、DVDディスク、若しくはブ
ルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。通信I/F104は、無線によって車車間通信および路車間通信を行うためのインターフェースである。通信I/F104は、例えば、DSRC(Dedicated Short-Range Communications)により、他車両の車載装置および路側装置と通信を行う。
【0022】
補助記憶部103には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。そして、プロセッサ101が、補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102にロードして実行することによって、後述するような、アラートを通知するための処理が実現される。ただし、車載装置100における一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、車載装置100は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0023】
アラート装置200は、車両10の運転者に対するアラートを発する装置である。このアラートは、自車両10aと他車両10bとが衝突する可能性があることを警告するためのアラートである。アラート装置200は、車載装置100からの指令を受けることで、アラートを発する。アラート装置200は、例えば、音声出力、車内モニタへの画像出力、または警告灯の点灯を用いてアラートを発することができる。なお、アラート装置200においては、アラート機能の有効/無効を切り替えるために、電源がONまたはOFFにされることができる。
【0024】
ここで、図2に示す交通状況について説明する。なお、図2においては、実線矢印が自車両10aの進行方向を表しており、破線矢印が他車両10bの進行方向を表している。図2においては、自車両10aが交差点に存在している。そして、自車両10aはこの交差点を右折しようとしている。一方で、他車両10bが対向車線に存在してる。そして、他車両10bが交差点に進入しようとしている。このような状況下では、自車両10aの運転者が他車両10bの存在に気が付かずに自車両10aを走行させると、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性がある。
【0025】
そこで、アラートシステム1においては、自車両10aが交差点を走行する際に、第1車載装置100aが、路側装置300から路車間通信により交差点情報を受信する。交差点情報は交差点の状況を示すまた、第1車載装置100aが、他車両10bの第2車載装置100bから車車間通信により車両情報を受信する。車両情報は車両10(ここでは、他車両10b)の運転状況を示す情報である。そして、第1車載装置100aは、受信した交差点情報および車両情報に基づき、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があるか否かを判別する。なお、交差点情報および車両情報の詳細については後述する。
【0026】
そして、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があると判定された場合、第1アラート装置200aが有効な状態であるときは、第1車載装置100aは第1アラート装置200aにアラートを発せさせる。しかしながら、このような状況のときに、第1アラート装置200aが無効な状態となっている場合がある。例えば、第1アラート装置200aの電源が運転者によって意図的にまたは意図せずにOFFにされていた場合、第1アラート装置200aは無効な状態となる。また、第1アラート装置200aが故障により無効な状態となる場合もある。
【0027】
第1アラート装置200aが無効な状態である。第1アラート装置200aによって自車両10aの運転者に対してアラートを通知することができない。そこで、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があると判定された場合に、第1アラート装置200aが無効な状態であるときは、第1車載装置100aは車車間通信により他車両10bにアラート情報を送信する。アラート情報は、他車両10bにおいて第2アラート装置200
bにアラートを発せさせるための情報である。
【0028】
第1車載装置100aからアラート情報を送信されると、他車両10bの第2車載装置100bによって該アラート情報が受信される。第2車載装置100bは、アラート情報を受信すると、第2アラート装置200bにアラートを発せさせる。
【0029】
上記のようなアラートシステム1によれば、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があるときに、第1アラート装置200aが有効な状態のときは、自車両10aの運転者に対してアラートを通知することができる。その結果、自車両10aの運転者に衝突回避のための車両操作を行わせることが可能となる。また、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があるときに、第1アラート装置200aが無効な状態のときは、他車両10bの運転者に対してアラートを通知することができる。その結果、他車両10bの運転者に衝突回避のため車両操作を行わせることが可能となる。したがって、自車両10aが他車両10bと衝突するリスクを低減することができる。
【0030】
なお、本実施形態においては、第1車載装置100aが、本開示に係る「情報処理装置」に相当する。また、本実施形態においては、第1アラート装置200aが本開示に係る「第1アラート装置」に相当し、第2アラート装置200bが、開示に係る「第2アラート装置」に相当する。
【0031】
(機能構成)
ここで、本実施形態に係るアラートシステム1を構成する車載装置100および路側装置300それぞれの機能構成について図3に基づいて説明する。図3は、本実施形態に係る、第1車載装置100aおよび路側装置300それぞれの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。なお、第2車載装置100bの機能構成は第1車載装置100aと同様である。そのため、以下においては、車載装置100の構成を第1車載装置100aの構成として説明する。
【0032】
(路側装置)
路側装置300は、通信部310、制御部320、信号機制御部330、および交差点情報データベース(交差点情報DB)340を機能部として備えている。通信部310は、交差点を走行する車両10および交差点の周囲を走行する車両10と通信を行う機能を有する。つまり、通信部310は、所定の通信可能範囲に存在する車両10の車載装置100との間で路車間通信を行う機能を有する。通信部310は、路側装置300を構成するコンピュータの通信インターフェースによって実現することができる。
【0033】
制御部320は、路側装置300による路車間通信を制御するための演算処理を行う機能を有する。信号機制御部330は、路側装置300に含まれる交通信号機の灯火を制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部320および信号機制御部330は、路側装置300を構成するコンピュータのプロセッサによって実現することができる。交差点情報DB340には、路側装置300に含まれる交通信号機の灯火を制御するためのデータ(信号サイクルやタイムテーブルに関するデータ等)が格納されている。また、交差点情報DB340には、交差点の道路線形を示す情報が格納されている。
【0034】
信号機制御部330は、交差点情報DB340に格納されているデータに基づいて交通信号機の灯火を制御する。なお、交差点において、互いに交差する各車線に対応する複数の交通信号機が設置されている場合は、信号機制御部330によって、各交通信号機の灯火が関連付けられて制御される。また、制御部320は、交差点情報DB340に格納されているデータに基づき、交差点の状況を示す交差点情報を生成する。さらに、制御部320は、通信部310を用いて交差点情報を所定の周期(例えば、100ms毎)でブロ
ードキャスト送信する処理を行う。図4は、路側装置300からブロードキャスト送信される交差点情報のテーブル構成の一例を示す図である。図4に示すように、交差点情報テーブルは、交差点IDフィールド、線形情報フィールド、および信号機情報フィールドを有する。交差点IDフィールドには、路側装置300が設置されている交差点を特定するための識別情報である交差点IDが入力される。線形情報フィールドには、交差点の道路線形を示す情報が入力される。信号機情報フィールドには、交差点における現在の交通信号機の灯火の状況を示す情報が入力される。
【0035】
(車載装置)
上述したように、第1車載装置100aは、第1アラート装置200aと共に自車両10aに搭載されている。第1車載装置100aは、通信部110および制御部120を機能部として備えている。通信部110は、所定の通信可能範囲に存在する他車両10bの第2車載装置100bとの間で車車間通信を行う機能を有する。また、通信部110は、所定の通信可能範囲に存在する路側装置300との間で路車間通信を行う機能を有する。通信部110は、通信I/F104によって実現することができる。
【0036】
制御部120は、第1車載装置100aを制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部120はプロセッサによって実現することができる。制御部120は、自車両10aの運転状況を示す車両情報を生成する。さらに、制御部120は、通信部110を用いて車両情報を所定の周期(例えば、100ms毎)でブロードキャスト送信する処理を行う。図5は、第1車載装置100aからブロードキャスト送信される車両情報のテーブル構成の一例を示す図である。図5に示すように、車両情報テーブルは、車両IDフィールド、位置情報フィールド、速度フィールド、および進行方向フィールドを有する。車両IDフィールドには、自車両10aを特定するための識別情報である車両IDが入力される。位置情報フィールドには、自車両10aの現在位置を示す情報が入力される。速度フィールドには、自車両10aの速度を示す情報が入力される。進行方向フィールドには、自車両10aの進行方向を示す情報が入力される。なお、車両情報テーブルに入力される各情報は、車両10に設けられた、GPS(Global Positioning System)装置、並びに
、速度センサ、ブレーキセンサ、およびステアリングセンサ等の各種センサの検出値に基づいて入力される。また、車両情報には、図5に示す情報以外の車両10の運転状況を示す情報が含まれていてもよい。
【0037】
また、制御部120は、所定の通信可能範囲に存在する他車両10bの第2車載装置100bからブロードキャスト送信された車両情報(すなわち、他車両10bの運転状況を示す車両情報)を、通信部110を用いて受信する処理を行う。さらに、制御部120は、所定の通信可能範囲に存在する路側装置300からブロードキャスト送信された交差点情報を、通信部110を用いて受信する処理を行う。
【0038】
また、制御部120においては、取得部121が、自車両10aの車両情報と、第2車載装置100bから受信した他車両10bの車両情報と、路側装置300から受信した交差点情報とを取得する。なお、以下においては、自車両10aの車両情報を「自車両情報」と称する場合もある。また、他車両10bの車両情報を「他車両情報」と称する場合もある。そして、判別部122が、取得部121によって取得された、自車両情報、他車両情報、および交差点情報に基づいて、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があるか否かを判別する。
【0039】
例えば、図2に示す交通状況のように下記条件1から条件3が全て成立した場合に、判別部122は、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があると判定する。
条件1:自車両10aが、交差点内に存在し、且つ右折しようとしている。
条件2:他車両10bが、対向車線に存在し、且つ交差点を直進しようとしている。
条件3:自車両10aの予測進路と他車両10bの予測進路とが同時期に交差する。
なお、図2では、車両が左側通行の場合の交通状況を示したが、車両が右側通行の場合は、上記の条件1は、「自車両10aが、交差点内に存在し、且つ左折しようとしている。」となる。
【0040】
また、図6は、アラートシステムによってアラートが通知される交通状況の第2の例を示す図である。なお、図6においても、図2と同様、実線矢印が自車両10aの進行方向を表しており、破線矢印が他車両10bの進行方向を表している。図6においては、自車両10aが、交通信号機が赤信号を示している交差点を通過しようとしている。一方で、他車両10bが、自車両10aの進行方向と交差する方向から交差点に進入しようとしている。このような状況下でも、自車両10aの運転者が他車両10bの存在に気が付かずに自車両10aを走行させると、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性がある。
【0041】
そこで、図6に示す交通状況のように下記条件4から条件6が全て成立した場合にも、判別部122は、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があると判定する。
条件4:自車両10aが、交通信号機が赤信号を示している交差点を通過しようとしている。
条件5:他車両10bが、自車両10aの進行方向と交差する方向から交差点に進入しようとしている。
条件6:自車両10aの予測進路と他車両10bの予測進路とが同時期に交差する。
なお、本実施形態において、判別部122によって、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があると判定される交通状況は、図2および図6に示すような状況に限られるものではない。
【0042】
判別部122によって、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があると判定された場合、制御部120は、第1アラート装置200aの状態を確認する。そして、第1アラート装置200aが有効な状態のときは、指令部123が、第1アラート装置200aにアラートを発信させるための指令を送信する。その結果、第1アラート装置200aによって、自車両10aの運転者に対してアラートが発せられる。
【0043】
一方で、第1アラート装置200aが無効な状態のときは、制御部120は、通信部110を用いてアラート情報をブロードキャスト送信する。このときに送信されるアラート情報には、自車両10aが衝突する可能性ありと判定された他車両10bを識別するための車両IDが含まれている。そして、ブロードキャスト送信されたアラート情報が他車両10bの第2車載装置100bによって受信されると、第2アラート装置200bによって、他車両10bの運転者に対してアラートが発せられる。
【0044】
(情報処理)
次に、車載装置100においてアラート発信のために実行される情報処理について図7および図8に基づいて説明する。図7は、自車両10aの第1車載装置100aにおいて実行される第1アラート処理のフローを示すフローチャートである。図8は、他車両10bの第2車載装置100bにおいて実行される第2アラート処理のフローを示すフローチャートである。
【0045】
図7に示す第1アラート処理のフローは、第1車載装置100aの制御部120によって所定の間隔で繰り返し実行される。本フローでは、先ずS101において、路側装置300から送信された交差点情報が受信されたか否かが判別される。上述したように、路側装置300と自車両10aとが所定の通信可能範囲に存在すれば、路側装置300から送信された交差点情報が第1車載装置100aによって受信される。S101において否定判定された場合は、本フローの実行が一旦終了される。
【0046】
一方、S101において肯定判定された場合、すなわち、第1車載装置100aが交差点情報を受信した場合、次にS102の処理が実行される。S102においては、第2車載装置100bから送信された他車両情報が受信されたか否かが判別される。上述したように、他車両10bと自車両10aとが所定の通信可能範囲に存在すれば、第2車載装置100bから送信された他車両情報が第1車載装置100aによって受信される。なお、このときに、所定の通信可能範囲に複数の他車両10bが存在していれば、複数の他車両10bそれぞれの他車両情報が受信される。S102において否定判定された場合は、本フローの実行が一旦終了される。
【0047】
一方、S102において肯定判定された場合、すなわち、第1車載装置100aが他車両情報を受信した場合、次にS103の処理が実行される。S103においては、交差点情報、他車両情報、および自車両情報が取得される。次に、S104において、S103で取得された、交差点情報、他車両情報、および自車両情報に基づいて、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があるか否かが判別される。ここで、複数の他車両10bの他車両情報が受信された場合は、それぞれの他車両10bについて、自車両10aと衝突する可能性があるか否かが判別される。S104において否定判定された場合は、本フローの実行が一旦終了される。
【0048】
一方、S104において肯定判定された場合、すなわち、自車両10aと衝突する可能性がある他車両10bが存在する場合、次にS105の処理が実行される。S105においては、第1アラート装置200aが有効な状態か否かが判別される。このとき、第1アラート装置200aの電源がOFFとなっていれば、第1アラート装置200aが無効な状態であると判定される。また、故障診断によって第1アラート装置200aが故障していると診断されている場合も、第1アラート装置200aが無効な状態であると判定される。
【0049】
S105において肯定判定された場合、すなわち、第1アラート装置200aが有効な状態である場合、次にS106の処理が実行される。S106においては、第1アラート装置200aに、アラートを発信させるための指令が送信される。その結果、第1アラート装置200aによってアラートが発せられる。これにより、自車両10aの運転者に対してアラートが通知される。
【0050】
一方、S105において否定判定された場合、すなわち、第1アラート装置200aが無効な状態である場合、次にS107の処理が実行される。S107においては、第1車載装置100aからアラート情報がブロードキャスト送信される。S106またはS107の処理が終了すると、本フローの実行が一旦終了される。
【0051】
図8に示す第2アラート処理のフローは、第2車載装置100bの制御部120によって所定の間隔で繰り返し実行される。本フローでは、先ずS201において、第1車載装置100aから送信されたアラート情報が受信されたか否かが判別される。上記の第1アラート処理のフローが実行された結果、第1車載装置100aからアラート情報がブロードキャスト送信されていれば(すなわち、S107の処理が実行されていれば)、該アラート情報が第2車載装置100bによって受信される。S201において否定判定された場合は、本フローの実行が一旦終了される。
【0052】
一方、S201において肯定判定された場合、次にS202の処理が実行される。ここで、自車両10aと複数の他車両10bとが所定の通信可能範囲に存在していれば、複数の他車両10bの第2車載装置100bによってアラート情報が受信される。つまり、自車両10aと衝突する可能性があると判定された他車両10b(以下、「対象車両」と称
する場合もある。)の第2車載装置100bのみならず、対象車両以外の他車両10bの第2車載装置100bによってもアラート情報が受信される。そこで、S202においては、アラート情報に含まれる他車両10bの車両ID(すなわち、対象車両の車両ID)に基づいて、アラート情報を受信した車両自身が対象車両である否かが判別される。S202において否定判定された場合は、本フローの実行が一旦終了される。つまり、対象車両以外の他車両10bにおいては、第2アラート装置200bからアラートは発せられない。
【0053】
一方、S202において肯定判定された場合、すなわち、アラート情報を受信した車両自身が対象車両である場合、次にS203の処理が実行される。S203においては、第2アラート装置200bに、アラートを発信させるための指令が送信される。その結果、第2アラート装置200bによってアラートが発せられる。これにより、対象車両である他車両10bの運転者に対してアラートが通知される。
【0054】
(変形例)
上記の実施形態では、アラートシステム1において、自車両10aの第1車載装置100aと他車両10bの第2車載装置100bとの間の車両情報およびアラート情報の送受信が、車車間通信によって行われた。しかしながら、路車間通信が可能な路側装置300が交差点に設置されている場合は、自車両10aと他車両10bとの間で車車間通信が行われることは必須ではない。つまり、第1車載装置100aと第2車載装置100bとの間の情報を送受信が、路側装置300を経由する路車間通信によって行われてもよい。この場合、第1車載装置100aおよび第2車載装置100bのいずれか一方から送信された車両情報が、路側装置300によって受信される。さらに、路側装置300から第1車載装置100aおよび第2車載装置100bのいずれか他方に車両情報が送信される。また、第1車載装置100aから送信されたアラート情報が、路側装置300によって受信される。さらに、路側装置300から第2車載装置100bにアラート情報が送信される。
【0055】
<第2実施形態>
本実施形態に係るアラートシステムは、路側装置を含まない点で第1実施形態と異なる。ここで、本実施形態に係るアラートシステム1を構成する車載装置100の機能構成について図9に基づいて説明する。図9は、本実施形態に係る、第1車載装置100aの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0056】
図9に示すように、本実施形態では、第1車載装置100aが、通信部110および制御部120に加え、地図情報データベース(地図情報DB)130を備えている。地図情報DB130には、車両走行用の道路情報を含む地図情報が格納されている。
【0057】
そして、本実施形態では、制御部120が、自車両10aの位置情報と、地図情報DB130に格納された地図情報とに基づいて、自車両10aが交差点または交差点の周囲を走行していることを検知する。さらに、取得部121が、地図情報DB130に格納された地図情報に基づいて、交差点の道路線形、および停止線の有無等についての情報を含む交差点情報を取得する。また、判別部122が、他車両情報および自車両情報と、地図情報に基づいて取得された交差点情報とに基づいて、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があるか否かを判別する。
【0058】
図10は、アラートシステムによってアラートが通知される交通状況の第3の例を示す図である。なお、図10においても、図2と同様、実線矢印が自車両10aの進行方向を表しており、破線矢印が他車両10bの進行方向を表している。図10においては、自車両10aが、交差点の手前(停止線手前)で一時停止していた状態から交差点に進入しよ
うとしている。一方で、他車両10bが、自車両10aとは異なる方向から交差点に進入しようとしている。このような状況下でも、自車両10aの運転者が他車両10bの存在に気が付かずに自車両10aを走行させると、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性がある。
【0059】
そこで、図10に示す交通状況のように下記条件7から条件9が全て成立した場合に、判別部122は、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があると判定する。
条件7:自車両10aが、交差点の手前で一時停止していた状態から交差点に進入しようとしている。
条件8:他車両10bが、自車両10aとは異なる方向から交差点に進入しようとしている。
条件9:自車両10aの予測進路と他車両10bの予測進路とが同時期に交差する。
なお、本実施形態において、判別部122によって、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があると判定される交通状況は、図10に示すような状況に限られるものではない。
【0060】
上記のように、本実施形態によれば、路車間通信が可能な路側装置が設置されていない交差点においても、自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があるか否かを判別することができる。なお、本実施形態でも、判別部122によって自車両10aが他車両10bと衝突する可能性があると判定された場合に制御部120によって行われるアラート発信のための処理は、第1実施形態と同様である。
【0061】
上記の第1および第2実施形態では、交差点において自車両10aが他車両10bと衝突する可能性がある場合を例にあげて、アラートシステム1におけるアラート発信のため
の処理について説明した。しかしながら、本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、およびシステムは、交差点以外の場所で自車両が他車両と衝突する可能性がある場合にも適用することができる。
【0062】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0063】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0064】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0065】
1・・・アラートシステム
10・・車両
10a・・自車両
10b・・他車両
100・・車載装置
100a・・第1車載装置
100b・・第2車載装置
110、310・・通信部
120、320・・制御部
200・・アラート装置
200a・・第1アラート装置
200b・・第2アラート装置
300・・路側装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10