(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】セルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物及び樹脂成形品
(51)【国際特許分類】
C08L 23/12 20060101AFI20240806BHJP
C08L 1/02 20060101ALI20240806BHJP
C08L 23/06 20060101ALI20240806BHJP
C08L 23/26 20060101ALI20240806BHJP
C08L 53/00 20060101ALI20240806BHJP
C08L 31/04 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
C08L23/12
C08L1/02
C08L23/06
C08L23/26
C08L53/00
C08L31/04 S
(21)【出願番号】P 2021059585
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096116
【氏名又は名称】松原 等
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 厚子
(72)【発明者】
【氏名】内田 均
(72)【発明者】
【氏名】田中 靖昭
【審査官】佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/170746(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/105584(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/170747(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン系樹脂
(但し、次の酸変性エラストマー及び次の高密度ポリエチレンを除く。)、繊維長1μm以上のセルロース繊維、酸変性エラストマー、及び
MFR(190℃,21.2N)が2.0g/10分以下、密度が0.93以上の高密度ポリエチレンを含有し、
セルロース繊維の配合量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して6~95質量部であり、
酸変性エラストマーの配合量は、配合されたセルロース繊維の質量部に対して0.5~1.2倍の質量部であり、
高密度ポリエチレンの配合量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して15~55質量部であるセルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項2】
酸変性エラストマーがセルロース繊維の周辺に接して存在し、高密度ポリエチレンが該酸変性エラストマーの内部に入って又は周辺に接して存在する請求項1記載のセルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項3】
ポリオレフィン系樹脂
(但し、次の酸変性エラストマー及び次の高密度ポリエチレンを除く。)、繊維長1μm以上のセルロース繊維、酸変性エラストマー、及び
MFR(190℃,21.2N)が2.0g/10分以下、密度が0.93以上の高密度ポリエチレンを含有し、
比剛性(=曲げ弾性率(室温)/比重)が1700MPa以上であり、
シャルピー衝撃強度(室温)が7kJ/m
2以上であるセルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項4】
ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン樹脂である請求項1、2又は3記載のセルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のセルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物により成形された樹脂成形品。
【請求項6】
樹脂成形品は、自動車用内外装部品である請求項5記載の樹脂成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物及び樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
セルロース繊維は植物由来の繊維であり、カーボンニュートラルで、高強度を発現する補強フィラーとして、樹脂コンパウンドが研究されている。
【0003】
特許文献1には、ミクロフィブリル化植物繊維を含むポリオレフィン系樹脂成形体において、無水マレイン酸で変性された高分子化合物と、第1級アミノ基を有するアミン系高分子化合物とを併用することにより、親水性の高い同繊維を疎水性の高いポリオレフィンに均一に分散させ、高強度、高弾性率のポリオレフィン系樹脂成形体を得ることが開示されている。
【0004】
特許文献2には、リグノセルロースを含む繊維をナノサイズレベルまで解繊処理したミクロフィブリル化リグノセルロース繊維をさらに化学修飾(リグニン中のフェニルプロパン単位のα位をアシルオキシ基、オキシ基又はチオ基で修飾)した誘導体繊維と、高分子等のマトリクス材料とを含む成形体が開示されている。同繊維は高い強度を有し、組成物のマトリクス材料中で凝集せず、成形体の強度を向上させるとされている。
【0005】
特許文献3には、化学修飾(リグニン中の一部の水酸基の水素原子をアシル基等の官能基により置換)したミクロフィブリル化セルロース系繊維と、ガラス繊維、炭素繊維等の無機フィラーと、ポリアミド、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂とを含有する繊維強化樹脂組成物が開示されている。同繊維は、繊維強化樹脂組成物中での分散性が良好であるとされている。また、同繊維と無機フィラーの双方を含有させた繊維強化樹脂組成物は、後者のみを含有させたものに比べ、比重が低減し、強度特性(弾性率及び強度)が高いとされている。
【0006】
特許文献4には、化学修飾(リグニン中の一部の水酸基の水素原子をアシル基等の官能基により置換)したミクロフィブリル化セルロース系繊維と、ラミー、ヘンプ等の植物繊維と、ポリアミド、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂とを含有する繊維強化樹脂組成物が開示されている。同繊維は、繊維強化樹脂組成物中での分散性が良好であるとされている。また、同繊維強化樹脂組成物は、ガラス繊維などを含む繊維強化樹脂組成物と比べ、軽量であるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2011/049162号
【文献】特開2016-169382号公報
【文献】特開2019-6997号公報
【文献】特開2020-75950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特に自動車部品向けのセルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物の開発においては、弾性率及び強度は容易に向上させることができても、相反して衝撃強度が低下する。セルロース繊維は水酸基を有する親水性の高い繊維であり、疎水性の高い樹脂であるポリオレフィンとの界面相互作用が弱く、衝撃を受けた際、セルロース繊維/ポリオレフィン界面剥離を起点とする破壊が起きるためと考えられる。
【0009】
上記特許文献1のように、無水マレイン酸で変性された高分子化合物を相溶化剤に使用して、ミクロフィブリル化植物繊維とポリオレフィン間の界面接着を向上させようとする例もみられるが、その耐衝撃性への効果は小さい。
【0010】
また、上記特許文献2~4のように、ミクロフィブリル化セルロース系繊維を化学修飾して、樹脂組成物中での分散性を良好にしようとする例もみられるが、化学修飾の手間・時間・コストがかかるうえ、その耐衝撃性への効果は小さい。
【0011】
そこで、本発明は、曲げ弾性率と衝撃強度が共に向上したセルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物と、それを用いた樹脂成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、酸変性高分子化合物として酸変性エラストマーを用い、さらに高密度ポリエチレンを配合することにより、繊維長1μm以上のセルロース繊維とポリオレフィン系樹脂組成物との剥離を抑制できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
【0013】
[1]セルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物
ポリオレフィン系樹脂、(好ましくは植物由来の)繊維長1μm以上のセルロース繊維、酸変性エラストマー、及び高密度ポリエチレンを含有し、
セルロース繊維の配合量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して6~95質量部であり、
酸変性エラストマーの配合量は、配合されたセルロース繊維の質量部に対して0.5~1.2倍の質量部であり、
高密度ポリエチレンの配合量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して15~55質量部であるセルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物。
【0014】
[作用]
酸変性エラストマーの相溶化効果により、セルロース繊維とポリオレフィン系樹脂との界面脆弱性が補強され、同界面起点の破壊(剥離)を抑制することができる。また、高密度ポリエチレンが、複合材料としての耐衝撃性と剛性を向上させる。これらの作用により、樹脂組成物の曲げ弾性率と衝撃強度とが共に向上し、自動車用内外装部品に適用可能な曲げ弾性率/衝撃強度バランスが得られる。また、セルロース繊維を複合したことにより、軽量化が可能であり、植物由来原料ゆえに環境負荷低減に繋がる。
【0015】
ここで、酸変性エラストマーがセルロース繊維の周辺に接して存在し、高密度ポリエチレンが該酸変性エラストマーの内部に入って又は周辺に接して存在することが好ましい。
【0016】
酸変性エラストマーがセルロース繊維の周辺に接して存在する(言い換えれば、セルロース繊維が酸変性エラストマーに包埋される)と、前記相溶化効果が高くなり、前記界面脆弱性が効率よく補強される。また、高密度ポリエチレンが酸変性エラストマーの内部に入って又は周辺に接して存在すると、前記耐衝撃性と剛性の向上効果が高くなる。
【0017】
[2]セルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物
ポリオレフィン系樹脂、(好ましくは植物由来の)繊維長1μm以上のセルロース繊維、酸変性エラストマー、及び高密度ポリエチレンを含有し、
比剛性(=曲げ弾性率(室温)/比重)が1700MPa以上であり、
シャルピー衝撃強度(室温)が7kJ/m2以上であるセルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物。
【0018】
上記[1]又は[2]におけるポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン樹脂であることが好ましい。
【0019】
[3]樹脂成形品
上記[1]又は[2]のセルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物により成形された樹脂成形品。
【0020】
ここで、樹脂成形品としては、自動車用内外装部品が好適である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、曲げ弾性率と衝撃強度とが共に向上したセルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物と、それを用いた樹脂成形品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は実施例1のセルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物の透過型電子顕微鏡(TEM)写真(20万倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[1]ポリオレフィン系樹脂
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリメチルペンテン(TPX)等を例示できる。
【0024】
これらのうち、特にポリプロピレン樹脂は、機械的性能と低価格の両方を満たしやすいことに加え、高密度ポリエチレンとの相溶性が優れるために界面脆弱性を少なくでき、同界面起点の破壊(剥離)を抑制することができる。結果、セルロース繊維強化ポリオレフィン系樹脂組成物全体の曲げ弾性率と衝撃強度とが共に向上し、自動車用内外装部品に適用可能な曲げ弾性率/衝撃強度バランスが得られる。
ポリプロピレン樹脂は、特に限定されないが、ISO1133に準拠して測定した230℃、21.2Nにおけるメルトフローレート(MFR)が5~120g/10分であるものが好ましく、より好ましくは10~100g/10分である。樹脂組成物の流動性が適切になるからである。
【0025】
[2]セルロース繊維
セルロース繊維としては、特に限定されないが、植物由来の繊維長1μm以上のセルロースマイクロファイバー(CMF)、セルロースナノファイバー(CNF)等を例示できる。
CMFは、繊維径がマイクロメートルレベルのものであり、例えば、日本製紙社から商品名「KCフロック」で市販されている粉末セルロース(平均繊維径10~100μm、平均アスペクト比4~10の短繊維である(特開平9-295947号公報))や、レッテンマイヤー社から商品名「ARBOCEL」で市販されているセルロースファイバー(繊維径15~35μm、繊維長18~2200μm)等を用いることができる。
CNFは、繊維径がナノメートルレベルのものであり、例えば、上記特許文献1~4に記載されたようなミクロフィブリル化セルロース繊維を用いることができる。
【0026】
[2]酸変性エラストマー
酸変性されるエラストマーとしては、特に限定されないが、スチレン系エラストマー、エチレン-αオレフィン共重合エラストマー等を例示できる。
酸変性の変性基としては、特に限定されないが、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸グリシジル等を例示できる。
変性(グラフト)量は、特に限定されないが、0.1~10wt%を例示できる。変性量が少ないとセルロースとの反応性が劣り、全てのセルロース界面を包埋することができない。一方、変性量が多いと、エラストマー自身が脆弱となることと、ポリプロピレン樹脂への分散性が悪くなり、セルロース界面に存在できない。
【0027】
[3]高密度ポリエチレン
高密度ポリエチレン(HDPE)としては、特に限定されないが、MFR(190℃,21.2N)が2.0g/10分以下、密度が0.93以上のものが好ましい。MFRが2.0g/10分を超えるものは、分子量が小さく、耐衝撃性を向上させにくいからである。また、密度が0.93未満のものは、剛性を向上させにくいからである。
【0028】
[4]その他の添加物
剛性を向上させるため、タルクやウィスカなど他のフィラーを添加してもよい。
同様に、ポリアミドなどポリオレフィン系樹脂より高弾性率の樹脂を添加してもよい。
その他、炭酸カルシウム、カオリンクレー、マイカ等の充填材や、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、着色剤等を添加してもよい。
【0029】
[5]混練
混練の方法や条件は、特に限定されない。二軸混練押出機、バンバリーミキサーなどにより、混練すればよい。
【0030】
[7]樹脂成形品
樹脂成形品としては、特に限定されないが、自動車の内外装部品(外板を含む)、鉄道車両や建築物の内外装部品(外板を含む)、電気製品の筺体や部品等を例示できる。自動車の内外装部品としては、ボンネットフード、フェンダー、バンパー、ドア、トランクリッド、ルーフ、ラジエータグリル、ホイールキャップ、インストルメントパネル、ピラーガーニッシュ等を例示できる。
【実施例】
【0031】
次の表1に示す実施例、及び表2に示す比較例の樹脂組成物を配合・混練し、各樹脂組成物を用いて射出成形品を射出成形し、物性を調べた。
【0032】
【0033】
【0034】
[配合]
表1において、配合欄の数値は、ポリプロピレン100質量部を基準にした質量部である。使用した成分の配合と詳細は、次のとおりである。
・ポリプロピレン樹脂は、SK化学社製の商品名「YUPLENE BX3920」(MFR(230℃,2.16N)100g/10分、降伏強度32MPa、曲げ弾性率1.8GPa)である。
【0035】
・セルロース繊維(ARBOCEL FD600-30)は、レッテンマイヤー社製のセルロースファイバー:商品名「ARBOCEL FD600-30」(平均繊維径35μm、平均繊維長45μm)である。
・セルロース繊維(KCフロック W-100)は、日本製紙社製の粉末セルロース:商品名「KCフロック W-100」(平均繊維径37μm、平均アスペクト比8.5)である。
【0036】
・マレイン酸変性スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン共重合体(mah-SEBS)は、旭化成社製の商品名「タフテック M1913」(スチレン含有量30%)である。
・マレイン酸変性エチレン-ブテン共重合体(mah-EBM)は、三井化学社製の商品名「タフマー MH7020」である。
・アクリル酸グラフトエチレン-酢酸ビニル共重合体(acly-EVA)は、BYK社製の商品名「SCONA TPEV 1110 PB」である。
・エチレン-グリシジルメタクリレート-ビニルアセテート共重合体(E-GMA-VA)は、住友化学社製の商品名「ボンドファースト 2B」である。
【0037】
・高密度ポリエチレン(HDPE)は、日本ポリエチレン社製の商品名「ノバテック HY540」である。
・マレイン酸変性中密度ポリエチレン(mah-MDPE)は、日本ポリエチレン社製の商品名「アドテックス FT61AR3」である。
・低密度ポリエチレン(LDPE)は、日本ポリエチレン社製の商品名「ノバテック YF30」である。
・スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン共重合体(SEPS)は、クラレ社製の商品名「セプトン 2063」(スチレン含有量13%)である。
・酸変性ポリプロピレン(mah-PP)は、三井化学社製の商品名「アドマー QE800」である。
・ポリアミド(PA6)は、東レ社製の商品名「アミラン CM1017」である。
【0038】
・ウィスカ(硫酸マグネシウム無機繊維)は、宇部マテリアルズ社製の商品名「モスハイジ」である。
・タルクは、林化成社製の商品名「ミクロンホワイト #5000S」(平均粒径4.7μm)である。
【0039】
[混練]
二軸混練押出機により、全成分を同時に溶融混練した。
【0040】
[射出成形]
実施例及び比較例の樹脂組成物を、金型のキャビティに射出してISO527-1Aに準拠した樹脂成形体を成形した。この成形体から、次に述べる各測定に応じた所定寸法の試験片を切り出し、TEM観察と物性測定を行った。測定結果は表1に示す。
【0041】
[TEM観察]
実施例の樹脂組成物で成形した樹脂成形体の薄切片をTEM観察したところ、例えば実施例1のTEM写真(
図1)のように、酸変性エラストマーがセルロース繊維の周辺に接して存在し、高密度ポリエチレンが該酸変性エラストマーの内部に入って又は周辺に接して存在していた。
【0042】
[物性測定]
(1)比重
ISO1183に準拠して、比重を測定した。
【0043】
(2)曲げ強度・曲げ弾性率・比剛性
ISO178に準拠して、試験片(長さ80mm、幅10mm、厚さ4.0mm)を室温(18~28℃(以下同じ))にて3点曲げ試験し、曲げ強度と曲げ弾性率を測定した。また、比剛性(曲げ弾性率/比重)を算出した。
曲げ弾性率の目標値を1500MPa以上とし、比剛性の目標値を1700MPa以上とした。
【0044】
(3)シャルピー衝撃値
ISO179-1に準拠して、ノッチ付き試験片(長さ80mm、ノッチ部深さ2mm、厚さ4.0mm、ノッチR0.25mm)を室温にてシャルピー衝撃試験し、シャルピー衝撃値を測定した、
シャルピー衝撃値の目標値を7kJ/m2 以上とした。
【0045】
(4)引張降伏強度・引張破断伸び
ISO527に準拠して、試験片(1A型)を室温にて引張速度1mm/分で引張試験し、引張降伏強度と引張破断伸びを測定した。
【0046】
(5)MFR
ISO1133に準拠して、230℃、21.1NでMFRを測定した。
【0047】
表1のとおり、実施例1~12の樹脂成形品は、比剛性の目標値1700MPa以上、シャルピー衝撃値の目標値7kJ/m2 を共に満たした。また、曲げ弾性率の目標値1500MPa以上も満たした。
これに対し、比較例1~10の樹脂成形品は、比剛性の目標値とシャルピー衝撃値の目標値のいずれか一方又は両方を満たさなかった。
【0048】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。