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  • 特許-方法、制御装置、及びシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】方法、制御装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240806BHJP
   B65F 5/00 20060101ALI20240806BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20240806BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20240806BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240806BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240806BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20240806BHJP
【FI】
G06Q50/10
B65F5/00
G08G1/123 A
G08G5/00 A
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021072737
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2022167146
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】桜田 伸
(72)【発明者】
【氏名】西村 和也
(72)【発明者】
【氏名】金子 宗太郎
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-089427(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0074496(US,A1)
【文献】特開2020-101899(JP,A)
【文献】特開2019-200552(JP,A)
【文献】特開2004-307154(JP,A)
【文献】特開2022-068718(JP,A)
【文献】特開2004-192268(JP,A)
【文献】特開2010-105788(JP,A)
【文献】特開2019-142703(JP,A)
【文献】特開2020-087134(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0082354(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0075417(US,A1)
【文献】「ドローン」でマンションベランダに薬が届く?千葉市が目指す「2020年実用化」の中身[オンライン],日本,2015年12月16日,<インターネット:URL: https://www.j-cast.com/2015/12/16253389.html?p=all><検索日:2024年5月10日検索>
【文献】小野田弘士,ごみ収集の非接触化・自動化に向けた展望,廃棄物資源循環学会[オンライン],日本,2021年,第32巻,第2号,第155-162頁,<インターネット: URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/mcwmr/32/2/32_155/_article/-char/ja/><検索日:2024年5月13日検索>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65F 5/00
G08G 1/123
G08G 5/00
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置が実行する方法であって、
臭気センサによって検出された複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度を示す臭気情報を取得すること、
前記臭気情報に基づいて推定される、前記複数のゴミ回収場所それぞれの将来における臭気強度に基づいて、前記複数のゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を決定することであって、前記複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度の経時変化を推定し、前記複数のゴミ回収場所それぞれについて現在時刻からゴミ回収装置によってゴミが回収される時刻まで臭気強度を積分した値の合計が最小となるように、前記複数のゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を決定すること、及び
前記ゴミ回収装置に、前記順番に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収させること
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記順番に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収するための、前記ゴミ回収装置の移動経路を決定することを更に含み、
前記制御装置は、前記ゴミ回収装置に、前記順番及び前記移動経路に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収させる、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記制御装置は、前記ゴミ回収装置に、所定数のゴミ回収場所からゴミを回収する度に前記ゴミを集積場に輸送するように、前記順番に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収させる、方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって、
前記ゴミ回収装置は、無人航空機であり、
前記複数のゴミ回収場所のそれぞれは、集合住宅の各ベランダに設けられ、
前記集積場は、前記集合住宅に設けられる、方法。
【請求項5】
請求項1からの何れか一項に記載の方法であって、
前記ゴミ回収装置が前記複数のゴミ回収場所のうち一部のゴミ回収場所から回収したゴミを集積場に輸送した場合、残りのゴミ回収場所について臭気情報を再取得すること、
再取得された前記臭気情報に基づいて、前記残りのゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を再決定すること、及び
前記ゴミ回収装置に、再決定された前記順番に従って前記残りのゴミ回収場所からゴミを順次回収させることを更に含む、方法。
【請求項6】
制御部を備える制御装置であって、
前記制御部は、
臭気センサによって検出された複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度を示す臭気情報を取得し、
前記臭気情報に基づいて推定される、前記複数のゴミ回収場所それぞれの将来における臭気強度に基づいて、前記複数のゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を決定することであって、前記複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度の経時変化を推定し、前記複数のゴミ回収場所それぞれについて現在時刻からゴミ回収装置によってゴミが回収される時刻まで臭気強度を積分した値の合計が最小となるように、前記複数のゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を決定し、
前記ゴミ回収装置に、前記順番に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収させる、制御装置。
【請求項7】
請求項に記載の制御装置であって、
前記制御部は、
前記順番に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収するための、前記ゴミ回収装置の移動経路を決定し、
前記ゴミ回収装置に、前記順番及び前記移動経路に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収させる、制御装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記ゴミ回収装置に、所定数のゴミ回収場所からゴミを回収する度に前記ゴミを集積場に輸送するように、前記順番に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収させる、制御装置。
【請求項9】
請求項に記載の制御装置であって、
前記ゴミ回収装置は、無人航空機であり、
前記複数のゴミ回収場所のそれぞれは、集合住宅の各ベランダに設けられ、
前記集積場は、前記集合住宅に設けられる、制御装置。
【請求項10】
請求項からの何れか一項に記載の制御装置であって、
前記制御部は、
前記ゴミ回収装置が前記複数のゴミ回収場所のうち一部のゴミ回収場所から回収したゴミを集積場に輸送した場合、残りのゴミ回収場所について臭気情報を再取得し、
再取得された前記臭気情報に基づいて、前記残りのゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を再決定し、
前記ゴミ回収装置に、再決定された前記順番に従って前記残りのゴミ回収場所からゴミを順次回収させる、制御装置。
【請求項11】
制御装置と、前記制御装置と通信するゴミ回収装置と、を備えるシステムであって、
前記制御装置は、
臭気センサによって検出された複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度を示す臭気情報を取得し、
前記臭気情報に基づいて推定される、前記複数のゴミ回収場所それぞれの将来における臭気強度に基づいて、前記複数のゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を決定することであって、前記複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度の経時変化を推定し、前記複数のゴミ回収場所それぞれについて現在時刻から前記ゴミ回収装置によってゴミが回収される時刻まで臭気強度を積分した値の合計が最小となるように、前記複数のゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を決定し、
前記ゴミ回収装置は、前記順番に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収する、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、
前記制御装置は、
前記順番に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収するための、前記ゴミ回収装置の移動経路を決定し、
前記ゴミ回収装置は、前記順番及び前記移動経路に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収する、システム。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のシステムであって、
前記ゴミ回収装置は、所定数のゴミ回収場所からゴミを回収する度に前記ゴミを集積場に輸送するように、前記順番に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収する、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記ゴミ回収装置は、無人航空機であり、
前記複数のゴミ回収場所のそれぞれは、集合住宅の各ベランダに設けられ、
前記集積場は、前記集合住宅に設けられる、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法、制御装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばゴミ収集車等のゴミ回収装置を用いてゴミを回収する技術が知られている。例えば特許文献1には、複数のゴミ集積場を巡回するゴミ収集車の巡回進度を確認するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-282792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゴミ回収装置を用いてゴミを回収する技術には改善の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、ゴミ回収装置を用いてゴミを回収する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
制御装置が実行する方法であって、
臭気センサによって検出された複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度を示す臭気情報を取得すること、
前記臭気情報に基づいて前記複数のゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を決定すること、及び
ゴミ回収装置に、前記順番に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収させることを含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、
制御部を備える制御装置であって、
前記制御部は、
臭気センサによって検出された複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度を示す臭気情報を取得し、
前記臭気情報に基づいて前記複数のゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を決定し、
ゴミ回収装置に、前記順番に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係るシステムは、
制御装置と、前記制御装置と通信するゴミ回収装置と、を備えるシステムであって、
前記制御装置は、
臭気センサによって検出された複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度を示す臭気情報を取得し、
前記臭気情報に基づいて前記複数のゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を決定し、
前記ゴミ回収装置は、前記順番に従って前記複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、ゴミ回収装置を用いてゴミを回収する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】ゴミ回収装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、ゴミ回収装置10と、複数の臭気センサ20と、制御装置30と、を備える。制御装置30は、例えばインターネット及び移動通信網等を含むネットワーク40を介して、ゴミ回収装置10及び各臭気センサ20とそれぞれ通信可能である。
【0013】
ゴミ回収装置10は、複数のゴミ回収場所からゴミを回収して集積場に輸送する装置である。本実施形態において、ゴミ回収装置10は、例えばドローン等の無人航空機である。ゴミ回収装置10は、例えばフック又はロボットアーム等、ゴミを保持する任意の機械構造体を備えてもよい。ゴミ回収装置10は、自律的に又は制御装置30と協働することによって動作する。例えば、ゴミ回収装置10は、制御装置30から指示された移動経路に沿って飛行可能であってもよい。またゴミ回収装置10は、例えばカメラ等のセンサを用いて障害物を検出すると、自律的に当該障害物を迂回可能であってもよい。またゴミ回収装置10は、例えばカメラ等のセンサを用いて、ゴミ回収場所に置かれたゴミを検出すると、自律的に当該ゴミを回収可能であってもよい。
【0014】
複数のゴミ回収場所のそれぞれは、例えば集合住宅等の建物の各ベランダに設けられる。例えば集合住宅の住民等であるユーザは、回収を希望するゴミをベランダのゴミ回収場所に置いておく。集積場は、当該建物に設けられ、ゴミ回収装置10によって各ゴミ回収場所から回収されたゴミが一時的に集められる場所である。集積所に集められたゴミは、例えばゴミ収集車によって収集され、ゴミ処理場へ輸送される。本実施形態においてゴミ回収装置10は、例えばインターネット及び移動通信網等を含むネットワーク40を介して制御装置30と通信可能である。
【0015】
臭気センサ20は、例えば半導体又は水晶振動子を用いたセンサ素子を有し、周辺空気の臭気強度を検出するセンサである。本実施形態において複数の臭気センサ20は、それぞれ複数のゴミ回収場所に設けられる。各臭気センサ20は、設置されたゴミ回収場所の臭気強度を検出する。本実施形態において臭気センサ20は、ネットワーク40を介して制御装置30と通信可能である。
【0016】
制御装置30は、例えばPC(Personal Computer)、サーバ、スマートフォン、又はタブレット端末等のコンピュータである。
【0017】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。制御装置30は、臭気センサ20によって検出された複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度を示す臭気情報を取得する。制御装置30は、当該臭気情報に基づいて複数のゴミ回収場所のそれぞれについて順番を決定する。そして制御装置30は、ゴミ回収装置10に、当該順番に従って複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収させる。
【0018】
このように、本実施形態によれば、各ゴミ回収場所の臭気強度に応じてゴミを回収する順番が決定される。一般的に、臭気強度の高いゴミが長く放置されると、周囲のユーザが不快に感じる可能性が高い。本実施形態によれば、例えば臭気強度の高いゴミ回収場所から順番にゴミを回収する等、各ゴミ回収場所の臭気強度を考慮した順番でゴミを回収することによってユーザが不快に感じる可能性が低減され得る点で、ゴミ回収装置を用いてゴミを回収する技術が改善される。
【0019】
次に、システム1の各構成について、詳細に説明する。
【0020】
(ゴミ回収装置の構成)
図2に示すように、ゴミ回収装置10は、通信部11と、記憶部12と、測位部13と、検出部14と、制御部15と、を備える。
【0021】
通信部11は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、ゴミ回収装置10は、通信部11を介して制御装置30と通信する。
【0022】
記憶部12は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部12に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、ゴミ回収装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部12に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0023】
測位部13は、衛星測位システムに対応する受信機を含む。当該受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)に対応するが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応してもよい。また測位部13は、例えばジャイロセンサ、地磁気センサ、及び気圧センサを含む。本実施形態においてゴミ回収装置10は、測位部13を用いて自機の位置情報及び姿勢情報を取得可能である。位置情報は、緯度及び経度を含む二次元座標データを含んでもよく、緯度及び経度に加えて高度を含む三次元座標データを含んでもよい。姿勢情報は、自機が向いている方角及び自機の傾きを示す情報を含み得るが、これらに限られず自機の姿勢に関する任意の情報を含んでもよい。
【0024】
検出部14は、ゴミ回収装置10の周囲に存在する障害物の検出に用いられる1つ以上のセンサを含む。本実施形態において当該センサは、カメラを含むがこれに限られず、例えばミリ波レーダ又はLiDAR(Light Detection and Ranging)等を更に含んでもよい。検出部14のセンサの出力情報は、例えばゴミ回収装置10が周囲の障害物を自律的に迂回して飛行するために用いられ得る。
【0025】
制御部15は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部15は、ゴミ回収装置10全体の動作を制御する。
【0026】
(制御装置の構成)
図3に示すように、制御装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を備える。
【0027】
通信部31は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、制御装置30は、通信部31を介してゴミ回収装置10と通信する。
【0028】
記憶部32は、1つ以上のメモリを含む。記憶部32に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、制御装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部32に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0029】
本実施形態において記憶部32は、複数のゴミ回収場所及び集積場が設けられた建物に関する情報を記憶する。建物に関する情報は、ゴミ回収装置10が当該建物における任意の位置まで移動する移動経路の決定に用いられる任意の情報を含む。例えば、建物に関する情報は、当該建物の三次元測量データ、並びに当該建物に設けられた各ゴミ回収場所及び集積場の三次元座標データを含んでもよい。建物の三次元測量データは、例えば当該建物に対応する複数の三次元座標データ(すなわち、三次元点群データ)である。建物の三次元測量データを用いることによって、制御装置30は、例えばゴミ回収装置10が当該建物の外壁に接触しないように、ゴミ回収装置10の移動経路を決定し得る。
【0030】
制御部33は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部33は、制御装置30全体の動作を制御する。制御部33によって制御される制御装置30の動作の詳細については後述する。
【0031】
(制御装置の動作フロー)
図4を参照して、本実施形態に係る制御装置30の動作について説明する。
【0032】
ステップS100:制御装置30の制御部33は、臭気センサ20によって検出された複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度を示す臭気情報を取得する。
【0033】
具体的には、制御部33は、通信部31及びネットワーク40を介して複数の臭気センサ20から、複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度を示す情報を臭気情報として取得する。各臭気センサ20は、例えば所定の周期で、臭気強度を検出し制御装置30に通知してもよい。或いは、制御部33は、通信部31及びネットワーク40を介して要求信号を各臭気センサ20へ送信し、各臭気センサ20は、当該要求信号を受信する度に臭気強度を検出し制御装置30に通知してもよい。
【0034】
ステップS101:制御部33は、ステップS100で取得された臭気情報に基づいて、複数のゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を決定する。
【0035】
臭気情報に基づく順番の決定には、任意の手法が採用可能である。一例において、制御部33は、臭気強度が高いほど回収する順番が早くなるように、複数のゴミ回収場所のそれぞれについて順番を決定してもよい。他の例において、制御部33は、臭気情報に基づいて推定される、複数のゴミ回収場所それぞれの将来における臭気強度に基づいて、複数のゴミ回収場所のそれぞれについてゴミを回収する順番を決定してもよい。具体的には、制御部33は、複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度の経時変化を推定する。制御部33は、各ゴミ回収場所において現在時刻からゴミ回収装置10によってゴミが回収される時刻まで臭気強度を積分した値の合計が最小となるように、複数のゴミ回収場所のそれぞれについて順番を決定してもよい。換言すると、制御部33は、ゴミを回収する順番を異ならせた複数のパターンを対象に最小化問題を解くことにより、臭気強度の積分値の合計を最小とする順番を決定してもよい。
【0036】
ステップS102:制御部33は、ステップS101で決定された順番に従って複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収するための、ゴミ回収装置10の移動経路を決定する。
【0037】
具体的には、制御部33は、記憶部32に記憶された建物に関する情報を用いて、上記順番に従って複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収するための移動経路を決定する。ここで制御部33は、ゴミ回収装置10が所定数(例えば、1つ)のゴミ回収場所からゴミを回収する度に集積場に当該ゴミを輸送するような移動経路を決定してもよい。或いは制御部33は、ゴミ回収装置10が全てのゴミ回収場所からゴミを回収したのちに集積場にゴミを輸送するような移動経路を決定してもよい。
【0038】
ステップS103:制御部33は、ゴミ回収装置10に、ステップS101で決定された順番及びステップS102で決定された移動経路に従って複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収させる。
【0039】
具体的には、制御部33は、通信部31及びネットワーク40を介してゴミ回収装置10に、決定された順番及び移動経路を通知する。ゴミ回収装置10は、通知された順番及び移動経路に従って、複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収する。ここで、ゴミ回収装置10は、例えば回収したゴミの重量が規定値以上となった場合、通知された移動経路とは無関係に、当該ゴミを集積場へ輸送してもよい。
【0040】
ステップS104:制御部33は、ゴミ回収装置10によって少なくとも1つのゴミ回収場所から回収されたゴミが集積場に輸送されたか否かを判定する。ゴミが集積場に輸送されたと判定した場合(ステップS104-Yes)、プロセスはステップS105に進む。一方、ゴミが集積場に輸送されていないと判定した場合(ステップS104-No)、プロセスはステップS104を繰り返す。
【0041】
具体的には、ゴミ回収装置10の制御部15は、通信部11及びネットワーク40を介して制御装置30に、ゴミを集積場に輸送する度に、ゴミの回収が完了したゴミ回収場所を通知する。制御装置30の制御部33は、通信部31及びネットワーク40を介してゴミ回収装置10から当該通知を取得すると、ゴミが集積場に輸送されたと判定する。
【0042】
ステップS105:ステップS104でゴミが集積場に輸送されたと判定した場合(ステップS104-Yes)、制御部33は、複数のゴミ回収場所の全てについてゴミ回収が完了したか否かを判定する。
【0043】
具体的には、制御部33は、ステップS104でゴミ回収装置10から全てのゴミ回収場所が通知された場合、複数のゴミ回収場所の全てについてゴミ回収が完了したと判定する。ゴミ回収が完了したと判定された場合(ステップS105-Yes)、プロセスは終了する。一方、制御部33は、ステップS104でゴミ回収装置10から通知されていないゴミ回収場所が残っている場合、当該残っているゴミ回収場所についてゴミ回収が完了していないと判定する。ゴミ回収が完了していないと判定された場合(ステップS105-No)、ゴミ回収が完了していない残りのゴミ回収場所(以下、単に「残りのゴミ回収場所」ともいう。)を対象として、プロセスはステップS100に戻る。プロセスがステップS100に戻ると、制御部33は、残りのゴミ回収場所について臭気情報を再取得し(ステップS100)、残りのゴミ回収場所のそれぞれについて順番を再決定し(ステップS101)、再決定された順番に基づいて移動経路を再決定し(ステップS102)、ゴミ回収装置10に、再決定された順番及び移動経路に従って残りのゴミ回収場所からゴミを順次回収させる(ステップS103)。その後、ステップS104~S105が再び実行される。このようにして、全てのゴミ回収場所についてゴミ回収が完了するまで、ステップS100~S105が繰り返される。
【0044】
以上述べたように、本実施形態に係る制御装置30は、臭気センサ20によって検出された複数のゴミ回収場所それぞれの臭気強度を示す臭気情報を取得する。制御装置30は、当該臭気情報に基づいて複数のゴミ回収場所のそれぞれについて順番を決定する。そして制御装置30は、ゴミ回収装置10に、当該順番に従って複数のゴミ回収場所からゴミを順次回収させる。
【0045】
かかる構成によれば、各ゴミ回収場所の臭気強度に応じてゴミを回収する順番が決定される。一般的に、臭気強度の高いゴミが長く放置されると、周囲のユーザが不快に感じる可能性が高い。本実施形態によれば、例えば臭気強度の高いゴミ回収場所から順番にゴミを回収する等、各ゴミ回収場所の臭気強度を考慮した順番でゴミを回収することによってユーザが不快に感じる可能性が低減され得る点で、ゴミ回収装置を用いてゴミを回収する技術が改善される。
【0046】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0047】
例えば、上述した実施形態において、制御装置30の構成及び動作を、互いに通信可能な複数の装置に分散させた実施形態も可能である。また例えば、制御装置30の一部又は全部の構成要素をゴミ回収装置10に設けた実施形態も可能である。
【0048】
また、上述した実施形態において、ゴミ回収装置10がドローン等の無人航空機である場合について説明した。しかしながら、ゴミ回収装置10は、例えばゴミ回収車等の車両であってもよい。かかる場合、例えばゴミ回収エリア内に存在する集合住宅等の建物に設けられた集積場が、上記実施形態における「ゴミ回収場所」として採用され得る。また、例えばゴミ処理場が、上記実施形態における「集積場」として採用され得る。
【0049】
また、例えば汎用の無人航空機又はコンピュータを、上述した実施形態に係るゴミ回収装置10又は制御装置30として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係るゴミ回収装置10又は制御装置30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用の無人航空機又はコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 システム
10 ゴミ回収装置
11 通信部
12 記憶部
13 測位部
14 検出部
15 制御部
20 臭気センサ
30 制御装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
40 ネットワーク
図1
図2
図3
図4