(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240806BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20240806BHJP
G06Q 40/08 20120101ALI20240806BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240806BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240806BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20240806BHJP
【FI】
G06Q50/10
G01C21/36
G06Q40/08
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/20
(21)【出願番号】P 2021076639
(22)【出願日】2021-04-28
【審査請求日】2023-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100205833
【氏名又は名称】宮谷 昂佑
(72)【発明者】
【氏名】柏井 忠大
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 豊和
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 英男
(72)【発明者】
【氏名】岩田 和也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 進一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 清教
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 陽太
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-130918(JP,A)
【文献】特開2003-316905(JP,A)
【文献】特開2007-122325(JP,A)
【文献】特開2014-016310(JP,A)
【文献】特開2018-081022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01C 21/36
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地までのユーザの移動情報を
、前記ユーザが車両によって移動しているときは前記車両に接続されているカーナビゲーション機能を有する端末装置による走行距離又は走行ルートを含む情報から、前記ユーザが徒歩によって移動しているときは前記ユーザによって保持されている前記端末装置による前記ユーザの歩行に伴って生じる振動を含む情報から取得し、
取得された前記移動情報に基づいて、前記ユーザが車両による移動の他に徒歩による移動を行ったと判断した場合、
前記徒歩により移動した区間の高低差が大きいほど、前記ユーザに
より多くの量のインセンティブを付与すると決定する制御部
を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記徒歩による前記移動は、前記目的地の周辺に位置する駐車場内の前記車両が駐車された駐車スペースから前記目的地までの徒歩による移動を含む、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記徒歩による移動距離に応じて、前記インセンティブを決定する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記ユーザの属性に
基づいて前記ユーザの健康リスクを推定し、推定された前記健康リスクが高いほど、前記ユーザにより多くの量の前記インセンティブを
付与すると決定する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記ユーザによる出発地から目的地までの移動が行われる度に、前記ユーザの徒歩による移動距離を累積した累積移動距離を更新し、前記累積移動距離が長いほど、前記ユーザにより多くの量の前記インセンティブを付与すると決定する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記ユーザの銀行口座から、予め設定された額の資金を前記銀行口座よりも利率が高い専用口座に移すことによって、前記ユーザに前記インセンティブを
付与する、情報処理装置。
【請求項7】
請求項
1乃至6の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記
ユーザの徒歩による過去の移動実績に基づいて前記ユーザの健康状態を推定し、推定された前記健康状態に基づいて前記ユーザに適した生命保険プランを提案する、情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が実行する方法であって、
出発地から目的地までのユーザの移動情報を
、前記ユーザが車両によって移動しているときは前記車両に接続されているカーナビゲーション機能を有する端末装置による走行距離又は走行ルートを含む情報から、前記ユーザが徒歩によって移動しているときは前記ユーザによって保持されている前記端末装置による前記ユーザの歩行に伴って生じる振動を含む情報から取得すること、及び
取得された前記移動情報に基づいて、前記ユーザが車両による移動の他に徒歩による移動を行ったと判断した場合、
前記徒歩により移動した区間の高低差が大きいほど、前記ユーザに
より多くの量のインセンティブを付与すると決定すること
を含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記徒歩による前記移動は、前記目的地の周辺に位置する駐車場内の前記車両が駐車された駐車スペースから前記目的地までの徒歩による移動を含む、方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の方法であって、
前記徒歩による移動距離に応じて、前記インセンティブを決定することを更に含む、方法。
【請求項11】
請求項8乃至10の何れか一項に記載の方法であって、
前記ユーザの属性に
基づいて前記ユーザの健康リスクを推定することを更に含み、
前記情報処理装置は、推定された前記健康リスクが高いほど、前記ユーザにより多くの量の前記インセンティブを
付与すると決定する
、方法。
【請求項12】
請求項8乃至11の何れか一項に記載の方法であって、
前記ユーザによる出発地から目的地までの移動が行われる度に、前記ユーザの徒歩による移動距離を累積した累積移動距離を更新することを更に含み、
前記情報処理装置は、前記累積移動距離が長いほど、前記ユーザにより多くの量の前記インセンティブを付与すると決定する、方法。
【請求項13】
請求項8乃至12の何れか一項に記載の方法であって、
前記ユーザの銀行口座から、予め設定された額の資金を前記銀行口座よりも利率が高い専用口座に移すことによって、前記ユーザに前記インセンティブを
付与することを更に含む、方法。
【請求項14】
請求項
8乃至13の何れか一項に記載の方法であって、
前記
ユーザの徒歩による過去の移動実績に基づいて前記ユーザの健康状態を推定すること、及び
推定された前記健康状態に基づいて前記ユーザに適した生命保険プランを提案すること、を更に含む、方法。
【請求項15】
コンピュータに、
出発地から目的地までのユーザの移動情報を
、前記ユーザが車両によって移動しているときは前記車両に接続されているカーナビゲーション機能を有する端末装置による走行距離又は走行ルートを含む情報から、前記ユーザが徒歩によって移動しているときは前記ユーザによって保持されている前記端末装置による前記ユーザの歩行に伴って生じる振動を含む情報から取得すること、及び
取得された前記移動情報に基づいて、前記ユーザが車両による移動の他に徒歩による移動を行ったと判断した場合、
前記徒歩により移動した区間の高低差が大きいほど、前記ユーザに
より多くの量のインセンティブを付与すると決定すること
を実行させる、プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムであって、
前記徒歩による前記移動は、前記目的地の周辺に位置する駐車場内の前記車両が駐車された駐車スペースから前記目的地までの徒歩による移動を含む、プログラム。
【請求項17】
請求項15又は16に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記徒歩による移動距離に応じて、前記インセンティブを決定することを更に実行させる、プログラム。
【請求項18】
請求項15乃至17の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記ユーザの属性に
基づいて前記ユーザの健康リスクを推定することを更に実行させ、
前記コンピュータは、推定された前記健康リスクが高いほど、前記ユーザにより多くの量の前記インセンティブを
付与すると決定する
、プログラム。
【請求項19】
請求項15乃至18の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記ユーザの銀行口座から、予め設定された額の資金を前記銀行口座よりも利率が高い専用口座に移すことによって、前記ユーザに前記インセンティブを
付与することを更に実行させる、プログラム。
【請求項20】
請求項
15乃至19の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記
ユーザの徒歩による過去の移動実績に基づいて前記ユーザの健康状態を推定すること、及び
推定された前記健康状態に基づいて前記ユーザに適した生命保険プランを提案すること、を更に実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パークアンドライドの利用を促す情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パークアンドライドは、自家用車両による移動後に公共交通機関による移動を促すものである。しかしながら、ユーザの健康を向上させるためには、車両による移動後に徒歩による移動を促すことが求められている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、徒歩による移動を促し、ユーザの健康を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
出発地から目的地までのユーザの移動情報を取得し、
取得された前記移動情報に基づいて、前記ユーザが車両による移動の他に徒歩による移動を行ったと判断した場合、前記ユーザにインセンティブを付与すると決定する制御部
を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
出発地から目的地までのユーザの移動情報を取得すること、及び
取得された前記移動情報に基づいて、前記ユーザが車両による移動の他に徒歩による移動を行ったと判断した場合、前記ユーザにインセンティブを付与すると決定すること
を含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
コンピュータに、
出発地から目的地までのユーザの移動情報を取得すること、及び
取得された前記移動情報に基づいて、前記ユーザが車両による移動の他に徒歩による移動を行ったと判断した場合、前記ユーザにインセンティブを付与すると決定すること
を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、徒歩による移動を促し、ユーザの健康を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】本開示の一実施形態に係るインセンティブ付与の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。
【0013】
システム1は、車両10と、情報処理装置20と、端末装置30と、を備える。車両10、情報処理装置20、及び端末装置30は、ネットワーク40と通信可能に接続される。
【0014】
車両10は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。自動車は、例えばガソリン自動車、電気自動車(EV;Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HV;Hybrid Vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(PHV;Plug-in Hybrid Vehicle)、又は燃料電池自動車(FCV;Fuel Cell Vehicle)等であるが、これらに限られない。車両10は、運転手によって運転されてもよく、或いは任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5の何れかである。車両10は、MaaS(Mobility as a Service)専用車両でもよい。
【0015】
情報処理装置20は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバ等のコンピュータである。
【0016】
端末装置30は、外部機器として車両10に接続されるか、又はユーザ50によって保持される。端末装置30は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、又はタブレット等のモバイル機器である。或いは、端末装置30は、車両10に搭載され、車両10に乗っているユーザ50によって利用される。端末装置30は、例えば、カーナビゲーション機器等の車載機器であってもよい。
【0017】
ネットワーク40は、インターネット、少なくとも1つのWAN(wide area network)、少なくとも1つのMAN(metropolitan area network)、又はこれらの任意の組合せを含む。ネットワーク40は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN(local area network)、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。
【0018】
【0019】
情報処理装置20の制御部21は、出発地から目的地までのユーザ50の移動情報を取得する。そして、情報処理装置20の制御部21は、取得された移動情報に基づいて、ユーザ50が車両10による移動の他に徒歩による移動を行ったと判断した場合、ユーザ50にインセンティブを付与すると決定する。
【0020】
このように、本実施形態によれば、ユーザ50は、車両10による移動の他に徒歩による移動を行った場合にインセンティブが付与される。したがって、徒歩による移動を促し、ユーザ50の健康を向上させることができる。
【0021】
図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の構成を説明する。
【0022】
情報処理装置20は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、を備える。
【0023】
制御部21は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU(central processing unit)若しくはGPU(graphics processing unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGA(field-programmable gate array)である。専用回路は、例えば、ASIC(application specific integrated circuit)である。制御部21は、情報処理装置20の各部を制御しながら、情報処理装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0024】
通信部22は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。通信部22は、情報処理装置20の動作に用いられるデータを受信し、また情報処理装置20の動作によって得られるデータを送信する。
【0025】
記憶部23は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM(random access memory)又はROM(read only memory)である。RAMは、例えば、SRAM(static random access memory)又はDRAM(dynamic random access memory)である。ROMは、例えば、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)である。記憶部23は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部23には、情報処理装置20の動作に用いられるデータと、情報処理装置20の動作によって得られたデータとが記憶される。本実施形態では、情報処理装置20の動作に用いられるデータは、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を含む。
【0026】
図3を参照して、本実施形態に係る端末装置30の構成を説明する。
【0027】
端末装置30は、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、入力部34と、出力部35と、測位部36と、を備える。
【0028】
制御部31は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。専用回路は、例えば、ASICである。制御部31は、端末装置30の各部を制御しながら、端末装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0029】
通信部32は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th generation)規格、若しくは5G(5th generation)規格等の移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。通信部32は、端末装置30の動作に用いられるデータを受信し、また端末装置30の動作によって得られるデータを送信する。
【0030】
記憶部33は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部33は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部33には、端末装置30の動作に用いられるデータと、端末装置30の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0031】
入力部34は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラ、LiDAR(light detection and ranging、又はlaser imaging, detection, and ranging)、又はマイクロフォンである。入力部34は、端末装置30の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部34は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続用インタフェースとしては、例えば、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の規格に対応したインタフェースを用いることができる。
【0032】
出力部35は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD(liquid crystal display)又は有機EL(electro luminescence)ディスプレイである。出力部35は、端末装置30の動作によって得られるデータを出力する。出力部35は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の出力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続用インタフェースとしては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の規格に対応したインタフェースを用いることができる。
【0033】
測位部36は、少なくとも1つのGNSS(global navigation satellite system)受信機を含む。GNSSは、例えば、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、BDS(BeiDou Navigation Satellite System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、又はGalileoである。測位部36は、端末装置30の位置を測定する。なお、測位部36は、任意の速度センサ及びジャイロセンサを含んでもよい。
【0034】
図4を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の動作について説明する。この動作は、本実施形態に係る方法に相当する。
【0035】
本実施形態では、端末装置30は、ユーザ50が車両10によって移動しているときは、外部機器として車両10に接続されており、ユーザ50が徒歩によって移動しているときは、ユーザ50によって保持されているものとする。したがって、端末装置30の位置は、ユーザ50が車両10によって移動しているときは、車両10及びユーザ50の位置に相当し、ユーザ50が徒歩によって移動しているときは、ユーザ50の位置に相当するものとする。
【0036】
ステップS100:情報処理装置20の制御部21は、出発地を示す情報及び目的地を示す情報を取得する。
【0037】
具体的には、端末装置30の制御部31は、端末装置30で動作する地図アプリケーションに、ユーザ50が入力部34を介して目的地を入力する動作を受け付ける。そして、端末装置30の制御部31は、通信部32を介して、端末装置30で動作する地図アプリケーションに入力された目的地を示す情報を情報処理装置20に送信する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、目的地を示す情報を端末装置30から受信する。なお、出発地は、端末装置30の測位部36によって自動で検知されてもよく、或いは、目的地と同様にユーザ50によって手動で入力されてもよい。何れの場合も、端末装置30の制御部31は、通信部32を介して、出発地を示す情報を情報処理装置20に送信する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、出発地を示す情報を端末装置30から受信する。
【0038】
ステップS101:情報処理装置20の制御部21は、出発地から目的地までのユーザ50の移動情報を取得する。
【0039】
具体的には、端末装置30の測位部36は、端末装置30の位置が目的地と一致するまで、端末装置30の位置を繰り返し測定する。そして、端末装置30の制御部31は、測位部36による測定の度に、端末装置30の位置を示す情報及び測定時刻を示す情報を、通信部32を介して情報処理装置20に送信する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、端末装置30から端末装置30の位置を示す情報及び測定時刻を示す情報を受信する。そして、情報処理装置20の制御部21は、端末装置30の位置が目的地と一致したと判断すると、端末装置30の位置が目的地と一致するまでの端末装置30の位置の時間的な推移を解析することによって、ユーザ50の移動情報に相当する端末装置30の移動経路及び移動速度を取得する。なお、本実施形態における一致は、数学的に厳密な一致である必要はなく、許容誤差範囲内の一致であってもよい。
【0040】
ステップS102:情報処理装置20の制御部21は、ステップS101で取得された移動情報に基づいて、ユーザ50が車両10による移動の他に徒歩による移動を行ったか否かを判断する。ユーザ50が車両10による移動の他に徒歩による移動を行ったと判断された場合、プロセスはステップS103に進む。一方、ユーザ50が車両10による移動の他に徒歩による移動を行っていないと判断された場合、プロセスは終了する。
【0041】
具体的には、情報処理装置20の制御部21は、ステップS101で取得された端末装置30の移動経路において、端末装置30の移動速度が一般的な車速と一致する区間(以下、「車両10による移動区間」とも称する。)の他に、端末装置30の移動速度が一般的な歩行速度と一致する区間(以下、「徒歩による移動区間」とも称する。)が含まれるか否かを判断する。そして、情報処理装置20の制御部21は、車両10による移動区間の他に徒歩による移動区間が含まれると判断した場合、ユーザ50が車両10による移動の他に徒歩による移動を行ったと判断する。そして、情報処理装置20の制御部21は、車両10による移動区間を示す情報及び徒歩による移動区間を示す情報を記憶部23に記憶する。なお、情報処理装置20の制御部21は、車両10から取得された走行距離又は走行ルート等に基づいて、車両10による移動区間を特定してもよい。また、情報処理装置20の制御部21は、端末装置30から取得された車両10の走行又はユーザ50の歩行に伴って生じる振動等に基づいて、車両10による移動区間又は徒歩による移動区間を特定してもよい。
【0042】
ここで、出発地がユーザ50の自宅であり、目的地がショッピングセンター等の施設である場合を例にステップS102をより具体的に説明する。この例では、ユーザ50は、自宅から施設の周辺に位置する駐車場まで車両10により移動した後に、駐車場内の駐車スペースに車両10を駐車させて、徒歩により施設の入口まで移動するものとする。この場合、情報処理装置20の制御部21は、自宅から車両10が駐車された駐車スペースまでを車両10による移動が行われたと判断する。また、情報処理装置20の制御部21は、車両10が駐車された駐車スペースから施設の入口までを徒歩による移動が行われたと判断する。なお、施設の周辺に位置する駐車場は、施設に併設された駐車場を含んでもよく、或いは、施設に併設されず且つ当該施設から徒歩圏内(例えば徒歩で10分以内)の地点に位置する駐車場を含んでもよい。
【0043】
なお、徒歩による移動区間は、例えばカーナビゲーション機器等において徒歩による移動が推奨される区間である必要はなく、カーナビゲーション機器等において車両10による移動が推奨される区間のうち一部の区間をユーザ50が徒歩で移動した場合における当該一部の区間であってもよい。
【0044】
ステップS103:情報処理装置20の制御部21は、ユーザ50にインセンティブを付与すると決定する。
【0045】
具体的には、情報処理装置20の制御部21は、ユーザ50が何らかの商品を購入するとき、若しくは何らかのサービスを受けるときに利用可能なポイントの付与、預金口座の利率の引上げ、又は証券等の投資における手数料の低廉化を含むインセンティブを、ユーザ50に付与すると決定する。
図5を参照して、預金口座の利率の引上げによりユーザ50にインセンティブを付与する例を説明する。
図5の例では、ユーザ50がいつも使っている銀行口座から、予め設定された額が当該銀行口座よりも利率が高い専用口座に移される。ただし、ユーザ50がいつも使っている銀行口座の残高が、予め設定された額以上あることが適用条件である。
【0046】
ステップS103において、情報処理装置20の制御部21は、徒歩による移動距離に応じて、ユーザ50に付与するインセンティブを決定してもよい。具体的には、情報処理装置20の制御部21は、記憶部23を参照して、徒歩による移動経路を示す情報から徒歩による移動距離を算出する。そして、情報処理装置20の制御部21は、算出された徒歩による移動距離が長いほど、より多くの量のインセンティブをユーザ50に付与すると決定する。例えば、ショッピングセンター等の施設が目的地である場合、ユーザ50は、施設の入口から遠い地点に位置する駐車スペースに車両10を駐車させるほど、車両10が駐車された駐車スペースから施設の入口までの徒歩による移動距離が長くなる。そこで、情報処理装置20の制御部21は、施設の入口から遠い地点に位置する駐車スペースに車両10を駐車させたユーザ50により多くの量のインセンティブを付与すると決定する。これにより、徒歩による移動を促すことができるため、ユーザ50の健康を向上させることができる。
【0047】
また、ステップS103において、情報処理装置20の制御部21は、ユーザ50の属性に応じて、ユーザ50に付与するインセンティブを決定してもよい。具体的には、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、端末装置30で動作する健康管理アプリケーション等から、ユーザ50の年齢、BMI(Body Mass Index)、又は病歴を含むユーザ50の属性を示す情報を取得する。そして、情報処理装置20の制御部21は、取得されたユーザ50の属性を示す情報に基づいて、ユーザ50の健康リスクを推定する。例えば、情報処理装置20の制御部21は、ユーザ50の年齢が高いほど、ユーザ50の健康リスクが高いと推定する。また、例えば、情報処理装置20の制御部21は、ユーザ50のBMIが高いほど、ユーザ50の健康リスクが高いと推定する。また、例えば、情報処理装置20の制御部21は、ユーザ50の病歴が多いほど、ユーザ50の健康リスクが高いと推定する。そして、情報処理装置20の制御部21は、推定されたユーザ50の健康リスクが高いほど、より多くの量のインセンティブを付与すると決定する。これにより、健康リスクが高いユーザ50に徒歩による移動を促すことができるため、ユーザ50の健康を向上させることができる。なお、健康リスクは、高血圧、糖尿病、又は心疾患等が発症するリスクを含んでもよいが、これらに限られない。
【0048】
また、ステップS103において、情報処理装置20の制御部21は、ユーザ50の徒歩による過去の移動実績に応じて、ユーザ50に付与するインセンティブを決定してもよい。具体的には、出発地から目的地までの移動が行われる度に、情報処理装置20の制御部21は、ユーザ50の徒歩による過去の移動実績に相当する累積移動距離に、最新の移動における徒歩による移動距離を加算することによって、累積移動距離を更新し、記憶部23に記憶しておく。そして、ステップS103において、情報処理装置20の制御部21は、記憶部23を参照して、累積移動距離が長いほど、より多くの量のインセンティブを付与すると決定する。これにより、徒歩による移動を継続させることをユーザ50に促すことができるため、ユーザ50の健康を向上させることができる。
【0049】
ステップS104:情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、インセンティブを付与したことをユーザ50に通知する。
【0050】
具体的には、情報処理装置20の制御部21は、インセンティブを付与したことを示すメッセージを生成する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、生成されたメッセージを端末装置30に送信する。そして、端末装置30の制御部31は、通信部32を介して、送信されたメッセージを情報処理装置20から受信する。そして、端末装置30の制御部31は、出力部35を介して、受信されたメッセージを画面表示又は音声等によりユーザ50に出力する。
【0051】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置20の制御部21は、出発地から目的地までのユーザ50の移動情報を取得する。そして、情報処理装置20の制御部21は、取得された移動情報に基づいて、ユーザ50が車両10による移動の他に徒歩による移動を行ったと判断した場合、ユーザ50にインセンティブを付与すると決定する。
【0052】
かかる構成によれば、ユーザ50は、車両10による移動の他に徒歩による移動を行った場合にインセンティブが付与される。したがって、徒歩による移動を促し、ユーザ50の健康を向上させることができる。
【0053】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0054】
一変形例として、情報処理装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。また、例えば、情報処理装置20の一部又は全部の構成要素を車両10に設けた実施形態も可能である。例えば、車両10に搭載されるカーナビゲーション機器が、情報処理装置20の一部又は全部の構成要素を備えてもよい。
【0055】
また、一変形例として、情報処理装置20の制御部21は、上述したステップS103において、生命保険プランに関してユーザ50にインセンティブを付与すると決定してもよい。具体的には、情報処理装置20の制御部21は、ユーザ50の徒歩による過去の移動実績に基づいて、ユーザ50の健康状態を推定する。そして、情報処理装置20の制御部21は、推定されたユーザ50の健康状態に基づいて、ユーザ50に適した生命保険プランを提案する。例えば、情報処理装置20の制御部21は、ユーザ50の徒歩による過去の移動実績が多いほど、ユーザ50の健康状態がより良好であると推定する。そして、情報処理装置20の制御部21は、ユーザ50の健康状態がより良好であるほど、記憶部23に予め記憶された複数の生命保険プランの中から保険料がより低廉な生命保険プランを提案する。
【0056】
また、一変形例として、情報処理装置20の制御部21は、ユーザ50が徒歩により移動した経路の高低差に応じて、ユーザ50に付与するインセンティブを決定してもよい。具体的には、情報処理装置20の制御部21は、記憶部23を参照して、徒歩による移動区間における高低差を算出する。そして、情報処理装置20の制御部21は、算出された高低差が大きいほど、より多くの量のインセンティブをユーザ50に付与すると決定する。例えば、ユーザ50は、ショッピングセンター等の施設から徒歩圏内の地点に位置する駐車場に車両10を駐車させて、徒歩により坂を上って施設の入口まで移動した場合、より多くの量のインセンティブが付与される。
【0057】
また、一変形例として、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 システム
10 車両
20 情報処理装置
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
30 端末装置
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
34 入力部
35 出力部
36 測位部
40 ネットワーク
50 ユーザ