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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】ソーラ制御装置及び方法並びに車両
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20240806BHJP
   B60R 16/033 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H02M3/00 C
B60R16/033 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021107498
(22)【出願日】2021-06-29
(65)【公開番号】P2023005516
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】玉尾 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 哲朗
【審査官】尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-086302(JP,A)
【文献】特開2018-133905(JP,A)
【文献】特開2018-126014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00- 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラパネル及び第1のDC/DCコンバータを含む第1の構成群と、第2のDC/DCコンバータ及びバッテリを含む第2の構成群との少なくとも一方を複数備え、前記第1のDC/DCコンバータは、前記ソーラパネルにより発電された電力を第1の電力ラインに出力し、前記第2のDC/DCコンバータは、前記第1の電力ラインを介して入力された電力を第2の電力ラインに出力し、前記バッテリは、前記第2の電力ラインに接続されているソーラ発電システムを制御するソーラ制御装置であって、
前記第2のDC/DCコンバータの出力が閾値以下となった場合に、第1の値と、前記第1の値より小さい第2の値とが交互に周期的に切り替わるように、前記第2のDC/DCコンバータに係る出力指令値を設定する指令値設定手段と、
前記出力指令値と、前記第2のDC/DCコンバータの出力とが所定の条件を満たす場合に、前記第2のDC/DCコンバータが異常であると判定する判定手段と、
を備えることを特徴とするソーラ制御装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記出力指令値が前記第1の値であり、且つ、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下である期間が、第1所定期間以上であることを含むことを特徴とする請求項1に記載のソーラ制御装置。
【請求項3】
前記指令値設定手段は、前記第2の値から前記第1の値に前記出力指令値を切り替えた後第2所定期間前記出力指令値を前記第1の値に維持し、前記第1の値から前記第2の値に前記出力指令値を切り換えた後第3所定期間前記出力指令値を前記第2の値に維持し、
前記判定手段は、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下となってから第4所定期間経過した場合に、前記ソーラパネルによる発電が停止したと判定する
ことを特徴とする請求項2に記載のソーラ制御装置。
【請求項4】
前記第1所定期間、前記第2所定期間、前記第3所定期間及び前記第4所定期間は、関係式“(第1所定期間)<(第2所定期間)×(第4所定期間)/{(第2所定期間)+(第3所定期間)}”を満たすことを特徴とする請求項3に記載のソーラ制御装置。
【請求項5】
前記判定手段は、(i)前記出力指令値が前記第1の値であり、且つ、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下である第1状態のときに、前記第1状態である期間を計数し、(ii)前記出力指令値が前記第2の値であり、且つ、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下である第2の状態のときに、前記計数された期間を維持することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のソーラ制御装置。
【請求項6】
ソーラパネル及び第1のDC/DCコンバータを含む第1の構成群と、第2のDC/DCコンバータ及びバッテリを含む第2の構成群との少なくとも一方を複数備え、前記第1のDC/DCコンバータは、前記ソーラパネルにより発電された電力を第1の電力ラインに出力し、前記第2のDC/DCコンバータは、前記第1の電力ラインを介して入力された電力を第2の電力ラインに出力し、前記バッテリは、前記第2の電力ラインに接続されているソーラ発電システムを制御するソーラ制御方法であって、
前記第2のDC/DCコンバータの出力が閾値以下となった場合に、第1の値と、前記第1の値より小さい第2の値とが交互に周期的に切り替わるように、前記第2のDC/DCコンバータに係る出力指令値を設定する指令値設定工程と、
前記出力指令値と、前記第2のDC/DCコンバータの出力とが所定の条件を満たす場合に、前記第2のDC/DCコンバータが異常であると判定する判定工程と、
を含むことを特徴とするソーラ制御方法。
【請求項7】
ソーラ発電システムと、前記ソーラ発電システムを制御するソーラ制御装置とを備える車両であって、
前記ソーラ発電システムは、
ソーラパネル及び第1のDC/DCコンバータを含む第1の構成群と、第2のDC/DCコンバータ及びバッテリを含む第2の構成群との少なくとも一方を複数備え、
前記第1のDC/DCコンバータは、前記ソーラパネルにより発電された電力を第1の電力ラインに出力し、
前記第2のDC/DCコンバータは、前記第1の電力ラインを介して入力された電力を第2の電力ラインに出力し、
前記バッテリは、前記第2の電力ラインに接続されており、
前記ソーラ制御装置は、
前記第2のDC/DCコンバータの出力が閾値以下となった場合に、第1の値と、前記第1の値より小さい第2の値とが交互に周期的に切り替わるように、前記第2のDC/DCコンバータに係る出力指令値を設定する指令値設定手段と、
前記出力指令値と、前記第2のDC/DCコンバータの出力とが所定の条件を満たす場合に、前記第2のDC/DCコンバータが異常であると判定する判定手段と、
を備える
ことを特徴とする車両。
【請求項8】
前記所定の条件は、前記出力指令値が前記第1の値であり、且つ、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下である期間が、第1所定期間以上であることを含むことを特徴とする請求項7に記載の車両。
【請求項9】
前記指令値設定手段は、前記第2の値から前記第1の値に前記出力指令値を切り替えた後第2所定期間前記出力指令値を前記第1の値に維持し、前記第1の値から前記第2の値に前記出力指令値を切り換えた後第3所定期間前記出力指令値を前記第2の値に維持し、
前記判定手段は、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下となってから第4所定期間経過した場合に、前記ソーラパネルによる発電が停止したと判定する
ことを特徴とする請求項8に記載の車両。
【請求項10】
前記第1所定期間、前記第2所定期間、前記第3所定期間及び前記第4所定期間は、関係式“(第1所定期間)<(第2所定期間)×(第4所定期間)/{(第2所定期間)+(第3所定期間)}”を満たすことを特徴とする請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記判定手段は、(i)前記出力指令値が前記第1の値であり、且つ、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下である第1状態のときに、前記第1状態である期間を計数し、(ii)前記出力指令値が前記第2の値であり、且つ、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下である第2の状態のときに、前記計数された期間を維持することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラ発電システムを制御するソーラ制御装置及び方法、並びに、ソーラ発電システムを備える車両の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置が対象とするシステムとして、例えば、車両に取り付けられたソーラパネルで発電された電力をDC/DCコンバータを介して車載バッテリに供給するシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-170130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したシステムでは、DC/DCコンバータの異常検知が求められる。特許文献1には、DC/DCコンバータの異常検知については開示されていない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ソーラ発電システムのDC/DCコンバータの異常を検知することができるソーラ制御装置及び方法並びに車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るソーラ制御装置は、ソーラパネル及び第1のDC/DCコンバータを含む第1の構成群と、第2のDC/DCコンバータ及びバッテリを含む第2の構成群との少なくとも一方を複数備え、前記第1のDC/DCコンバータは、前記ソーラパネルにより発電された電力を第1の電力ラインに出力し、前記第2のDC/DCコンバータは、前記第1の電力ラインを介して入力された電力を第2の電力ラインに出力し、前記バッテリは、前記第2の電力ラインに接続されているソーラ発電システムを制御するソーラ制御装置であって、前記第2のDC/DCコンバータの出力が閾値以下となった場合に、第1の値と、前記第1の値より小さい第2の値とが交互に周期的に切り替わるように、前記第2のDC/DCコンバータに係る出力指令値を設定する指令値設定手段と、前記出力指令値と、前記第2のDC/DCコンバータの出力とが所定の条件を満たす場合に、前記第2のDC/DCコンバータが異常であると判定する判定手段と、を備えるというものである。
【0007】
本発明の一態様に係るソーラ制御方法は、ソーラパネル及び第1のDC/DCコンバータを含む第1の構成群と、第2のDC/DCコンバータ及びバッテリを含む第2の構成群との少なくとも一方を複数備え、前記第1のDC/DCコンバータは、前記ソーラパネルにより発電された電力を第1の電力ラインに出力し、前記第2のDC/DCコンバータは、前記第1の電力ラインを介して入力された電力を第2の電力ラインに出力し、前記バッテリは、前記第2の電力ラインに接続されているソーラ発電システムを制御するソーラ制御方法であって、前記第2のDC/DCコンバータの出力が閾値以下となった場合に、第1の値と、前記第1の値より小さい第2の値とが交互に周期的に切り替わるように、前記第2のDC/DCコンバータに係る出力指令値を設定する指令値設定工程と、前記出力指令値と、前記第2のDC/DCコンバータの出力とが所定の条件を満たす場合に、前記第2のDC/DCコンバータが異常であると判定する判定工程と、を含むというものである。
【0008】
本発明の一態様に係る車両は、ソーラ発電システムと、前記ソーラ発電システムを制御するソーラ制御装置とを備える車両であって、前記ソーラ発電システムは、ソーラパネル及び第1のDC/DCコンバータを含む第1の構成群と、第2のDC/DCコンバータ及びバッテリを含む第2の構成群との少なくとも一方を複数備え、前記第1のDC/DCコンバータは、前記ソーラパネルにより発電された電力を第1の電力ラインに出力し、前記第2のDC/DCコンバータは、前記第1の電力ラインを介して入力された電力を第2の電力ラインに出力し、前記バッテリは、前記第2の電力ラインに接続されており、前記ソーラ制御装置は、前記第2のDC/DCコンバータの出力が閾値以下となった場合に、第1の値と、前記第1の値より小さい第2の値とが交互に周期的に切り替わるように、前記第2のDC/DCコンバータに係る出力指令値を設定する指令値設定手段と、前記出力指令値と、前記第2のDC/DCコンバータの出力とが所定の条件を満たす場合に、前記第2のDC/DCコンバータが異常であると判定する判定手段と、を備えるというものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係るソーラ発電システムの構成を示す図である。
図2】第1実施形態に係るソーラ発電停止状態検知処理を示すフローチャートである。
図3】第1実施形態に係るDDC出力停止状態検知処理を示すフローチャートである。
図4】指令値等の時間変化の一例を示す図である。
図5】第1実施形態の変形例に係るソーラ発電システムの構成を示す図である。
図6】第2実施形態に係るソーラ発電停止状態検知処理を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態に係るDDC出力停止状態検知処理を示すフローチャートである。
図8】ソーラ発電システムの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
車両1に搭載されたソーラ発電システム100を制御するソーラ制御装置に係る第1実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。車両1について図1を参照して説明する。図1において、車両1は、ソーラ発電システム100を備える。
【0011】
ソーラ発電システム100は、例えば車両1の屋根等に配置されたソーラパネル11及び12を有する。ソーラ発電システム100は、ソーラパネル11と電気的に接続されたソーラDC/DCコンバータ21(以降、適宜“ソーラDDC21”と称する)と、ソーラパネル12と電気的に接続されたソーラDC/DCコンバータ22(以降、適宜“ソーラDDC22”と称する)とを有する。
【0012】
ソーラ発電システム100は、一端が、ソーラDDC21及び22に電気的に接続されるとともに、他端が、駆動用バッテリ31に電気的に接続された昇圧DC/DCコンバータ23(適宜“昇圧DDC23”と表記する)と、一端が、ソーラDDC21及び22に電気的に接続されるとともに、他端が、補機バッテリ32に電気的に接続された補機DC/DCコンバータ24(適宜“補機DDC24”と表記する)とを有する。
【0013】
駆動用バッテリ31は、車両1の駆動用のモータ(図示せず)に電力を供給する。補機バッテリ32は、車両1に搭載されている各種補機(図示せず)に電力を供給する。ソーラ発電システム100は、過電圧及び過電流の少なくとも一方を検知する検知回路41と、補機DDC24の出力電流及び出力電圧の少なくとも一方を検出するセンサ42とを有する。
【0014】
ECU(Electronic Control Unit)50は、ソーラ発電システム100のソーラDDC21及び22、昇圧DDC23並びに補機DDC24を制御する。ECU50は、例えば車両1の走行時には、ソーラパネル11及び12により発電された電力が、補機バッテリ32に供給される一方で、駆動用バッテリ31に供給されないように、ソーラDDC21及び22、昇圧DDC23並びに補機DDC24を制御する。ECU50は、例えば車両1の停止時には、ソーラパネル11及び12により発電された電力が、駆動用バッテリ31に供給される一方で、補機バッテリ32に供給されないように、ソーラDDC21及び22、昇圧DDC23並びに補機DDC24を制御する。
【0015】
ところで、ソーラパネル11及び12により発電される電力量は、例えば天候等の車両1外部からの影響を受ける。また、例えば補機DDC24等の回路に異常が生じる可能性もある。すると、例えば補機バッテリ32への電力供給が停止した場合、その原因が、ソーラパネル11及び12により発電される電力量にあるのか、補機DDC24等の回路にあるのかを特定することが難しい。
【0016】
本実施形態では、例えば補機バッテリ32への電力供給が停止した場合の原因を特定することができるソーラ発電システム100の制御方法について説明する。本実施形態に係るソーラ制御装置の一例としてのECU50は、その内部に論理的に実現される処理ブロックとして又は物理的に実現される処理回路として、設定部51、判定部52及び指示部53を有する。
【0017】
ECU50は、補機バッテリ32への電力供給が停止した場合の原因を特定するために、ソーラ発電停止状態検知処理とDDC出力停止状態検知処理とを並行して実施する。
【0018】
(ソーラ発電停止状態検知処理)
第1実施形態に係るソーラ発電停止状態検知処理について図2のフローチャートを参照して説明する。図2において、ECU50の判定部52は、当該ECU50の指示によらずに補機DDC24の出力が停止したか否かを判定する(ステップS101)。
【0019】
ここで、判定部52は、センサ42により検出された出力電流の値が閾電流値(例えばゼロ)以下である場合に、補機DDC24の出力が停止したと判定してよい。「閾電流値」は、補機DDC24の出力が停止したか否かを決定する値であり、予め固定値として又は何らかの物理量若しくはパラメータに応じた可変値として設定されている。「閾電流値」は、経験的若しくは実験的に又はシミュレーションによって、例えば補機DDC24の動作状態と出力電流値との関係を求め、該求められた関係に基づいて補機DDC24が出力停止状態であるときの出力電流値として設定すればよい。
【0020】
ステップS101の処理において、補機DDC24の出力が停止していないと判定された場合(ステップS101:No)、図2に示す処理は終了される。その後、第1所定時間経過後に、ステップS101の処理が実施されてよい。つまり、図2に示す処理は、第1所定時間に応じた周期で繰り返し行われてよい。
【0021】
ステップS101の処理において、補機DDC24の出力が停止していると判定された場合(ステップS101:Yes)、ECU50の設定部51は、補機DDC24に係る電流指令値を最大値に設定する。ECU50の指示部53は、設定部51により設定された電流指令値を、補機DDC24に指示する(ステップS102)。このとき、設定部51は、期間T15(例えば30ミリ秒)だけ電流指令値を最大値に維持する。
【0022】
ステップS102の処理の結果、検知回路41により過電圧が検出され(ステップS103)、上記期間T15の経過後、設定部51は、補機DDC24に係る電流指令値をゼロに設定する。指示部53は、設定部51により設定された電流指令値を、補機DDC24に指示する(ステップS104)。
【0023】
ステップS104の処理の後、期間T11(例えば100ミリ秒)だけ待機する(ステップS105)。その後、判定部52は、上述したステップS101の処理において、補機DDC24の出力が停止したと判定されてから期間T12(例えば3000ミリ秒)が経過したか否かを判定する(ステップS106)。
【0024】
ステップS106の処理において、期間T12が経過していないと判定された場合(ステップS106:No)、ステップS102以降の処理が行われる。ステップS102乃至S105の処理が周期的に繰り返し行われることにより、電流指令値は、例えば図4の上から2段目に示すようにパルス波形となる。
【0025】
ステップS106の処理において、期間T12が経過したと判定された場合(ステップS106:Yes)、判定部52は、ソーラパネル11及び12が発電停止状態であると判定する(ステップS107)。この場合、ECU50は、ソーラ発電システム100の制御に係る処理を停止してよい。
【0026】
(DDC出力停止状態検知処理)
第1実施形態に係るDDC出力停止状態検知処理について図3を参照して説明する。図3において、ECU50の判定部52は、前提条件が成立したか否かを判定する(ステップS201)。ここで、前提条件は、例えば上述したステップS101の処理において、補機DDC24の出力が停止していると判定されたことである。
【0027】
ステップS201の処理において、前提条件が成立していないと判定された場合(ステップS201:No)、図3に示す処理は終了される。その後、第2所定時間経過後に、ステップS201の処理が実施されてよい。つまり、図3に示す処理は、第2所定時間に応じた周期で繰り返し行われてよい。
【0028】
ステップS201の処理において、前提処理が成立したと判定された場合(ステップS201:Yes)、ECU50の設定部51は、異常カウンタ(適宜“異常C”と表記する)をゼロに設定するとともに、異常判定維持カウンタ(適宜“異常判定維持C”と表記する)をゼロに設定する(ステップS202)。つまり、ステップS202の処理では、異常C及び異常判定維持Cを初期化する。
【0029】
ステップS202の処理の後、期間Δt(例えば8ミリ秒)だけ待機する(ステップS203)。その後、判定部52は、補機DDC24に係る電流指令値が最大値であり、且つ、補機DDC24の出力電流がゼロであるか否かを判定する(ステップS204)。「補機DDC24に係る電流指令値が最大値であり、且つ、補機DDC24の出力電流がゼロである」状態を、以降、適宜「第1状態」と称する。尚、判定部52は、補機DDC24の出力電流が上述した閾電流値以下である場合に、補機DDC24の出力電流がゼロであると判定してよい。
【0030】
ステップS204の処理において、第1状態であると判定された場合(ステップS204:Yes)、設定部51は、異常Cの値を増加する(ステップS205)。ここで、設定部51は、異常Cを、例えば1ミリ秒に1だけ増加する。このため、異常Cの値は経過時間を表していると言える。
【0031】
ステップS205の処理の後、期間Δt(例えば8ミリ秒)だけ待機する(ステップS206)。尚、待機中にも異常Cの値は時間経過とともに増加している。その後、判定部52は、異常Cの値が期間T13(例えば300ミリ秒)以上であるか否かを判定する(ステップS207)。
【0032】
ステップS207の処理において、異常Cの値が期間T13以上ではないと判定された場合(ステップS207:No)、ステップS204の処理が行われる。このとき、設定部51は、異常Cの値を増加することを停止する(ただし、異常Cの値は維持される)。ステップS207の処理において、異常Cの値が期間T13以上であると判定された場合(ステップS207:Yes)、判定部52は、補機DDC24が異常であると確定する(ステップS208)。
【0033】
ステップS204の処理において、第1状態ではないと判定された場合(ステップS204:No)、判定部52は、補機DDC24に係る電流指令値がゼロであり、且つ、補機DDC24の出力電流がゼロであるか否かを判定する(ステップS209)。「補機DDC24に係る電流指令値がゼロであり、且つ、補機DDC24の出力電流がゼロである」状態を、以降、適宜「第2状態」と称する。尚、判定部52は、補機DDC24の出力電流が上述した閾電流値以下である場合に、補機DDC24の出力電流がゼロであると判定してよい。
【0034】
ステップS209の処理において、第2状態ではないと判定された場合(ステップS209:No)、判定部52は、補機DDC24が正常であると判定する(ステップS212)。その後、第2所定時間経過後に、ステップS201の処理が実施されてよい。
【0035】
ステップS209の処理において、第2状態であると判定された場合(ステップS209:Yes)、設定部51は、異常判定維持Cの値を増加する(ステップS210)。ここで、設定部51は、異常判定維持Cを、例えば1ミリ秒に1だけ増加する。このため、異常判定維持Cの値は経過時間を表していると言える。
【0036】
その後、判定部52は、異常維持判定Cの値が期間T14(例えば1000ミリ秒)以上であるか否かを判定する(ステップS211)。ステップS211の処理において、異常判定維持Cの値が期間T14以上ではないと判定された場合(ステップS211:No)、ステップS203の処理が行われる。このとき、設定部51は、異常判定維持Cの値を増加することを停止する(異常判定維持Cの値は初期化されてよい)。
【0037】
ステップS211の処理において、異常判定維持Cの値が期間T14以上であると判定された場合(ステップS211:Yes)、判定部52は、補機DDC24が正常であると判定する(ステップS212)。その後、第2所定時間経過後に、ステップS201の処理が実施されてよい。
【0038】
上述したように、ステップS107の処理(図2参照)において、ソーラパネル11及び12が発電停止状態であると判定された場合、ECU50は、ソーラ発電システム100の制御に係る処理を停止してよい。このため、発電停止状態であると判定されると、図3に示すDDC出力停止状態検知処理も停止される可能性がある。
【0039】
そこで、図2及び図3における期間T11、T12、T13、T14及びT15は、関係式“T13<T15×T12/(T15+T11)”及び関係式“T11<T14”を満たすように設定されている。
【0040】
尚、期間T11は、電流指令値がゼロである期間に相当する。期間T12は、発電停止状態であるか否かを決定するための値である。期間T13は、補機DDC24が異常であるか否かを決定するための値である。期間T14は、補機DDC24が正常であるか否かを決定するための値である。期間T15は、電流指令値が最大値である期間に相当する。
【0041】
上述の関係式が満たされていれば、ソーラ発電停止状態検知処理においてソーラパネル11及び12が発電停止状態であると判定される前に、DDC出力停止状態検知処理においてステップS208又はステップS212の処理が行われる。つまり、補機DDC24が異常であるか正常であるかを適切に判定することができる。
【0042】
(技術的効果)
補機DDC24が異常であると判定される場合の電流指令値等の時間変化の一例を、図4を参照して説明する。図4において、時刻t1に補機DDC24の出力電力がゼロ(即ち、出力電流の値がゼロ)になったとする(最上段のグラフ参照)。この結果、図2のステップS102の処理が行われ、補機DDC24に係る電流指令値が最大値となる(上から2段目のグラフ参照)。このとき、補機DDC24に係る電流指令値が最大値であり、且つ、補機DDC24の出力電流がゼロであるので、図3のステップS205の処理が行われ、異常Cの値が増加する(上から3段目のグラフ参照)。
【0043】
その後、図2のステップS104の処理が行われ、補機DDC24に係る電流指令値がゼロとなる(上から2段目のグラフ参照)。このとき、補機DDC24に係る電流指令値がゼロであり、且つ、補機DDC24の出力電流がゼロであるので、図3のステップS210の処理が行われ、異常判定維持Cの値が増加する(最下段のグラフ参照)。この間、異常Cの値は維持される(上から3段目のグラフ参照)。
【0044】
時刻t1から期間T12が経過する前に、図2のステップS102乃至S105の処理が繰り返し行われることにより、時刻t2に異常Cの値が閾値Th(即ち、期間T13に相当する値)に達すると、判定部52により、補機DDC24が異常であると確定される(図3のステップS208参照)。尚、時刻t1から期間T12が経過した時刻t3に、判定部52によりソーラパネル11及び12が発電停止状態であると判定される。
【0045】
本実施形態によれば、補機DDC24の異常に起因して補機バッテリ32への電力供給が停止した場合に、補機DDC24の異常を検知することができる。つまり、本実施形態によれば、ソーラ発電システム100のDC/DCコンバータの異常を検知することができる。
【0046】
<変形例>
第1実施形態の変形例に係るソーラ発電システム101は、互いに電気的に並列に接続された2つの補機DDC24a及び24bを有する(図5参照)。ソーラ発電システム101は、補機DDC24aの出力電流を検出するセンサ42aと、補機DDC24bの出力電流を検出するセンサ42bとを有する。
【0047】
ECU50の判定部52は、図2のステップS101の処理において、センサ42aにより検出された補機DDC24aの出力電流の値と、センサ42bにより検出された補機DDC24bの出力電流の値との合計が閾電流値以下である場合に、補機DDC24a及び24bの出力が停止したと判定してよい。
【0048】
ECU50の設定部51は、図2のステップS102の処理において、補機DDC24a及び24b各々に係る電流指令を最大値に設定する。そして、ECU50の指示部53は、設定された電流指令値を、補機DDC24a及び24b各々に指示する。同様に、設定部51は、図2のステップS104の処理において、補機DDC24a及び24b各々に係る電流指令をゼロに設定する。そして、指示部53は、設定された電流指令値を、補機DDC24a及び24b各々に指示する。
【0049】
<第2実施形態>
車両1に搭載されたソーラ発電システム100を制御するソーラ制御装置に係る第2実施形態について図1に加えて、図6及び図7を参照して説明する。第2実施形態では、ソーラ発電停止状態検知処理及びDDC出力停止状態検知処理各々の一部が異なる以外は、上述した第1実施形態と同様である。従って、第2実施形態について、第1実施形態と重複する説明は適宜省略し、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0050】
(ソーラ発電停止状態検知処理)
第2実施形態に係るソーラ発電停止状態検知処理について図6のフローチャートを参照して説明する。図6において、ECU50の判定部52は、当該ECU50の指示によらずに補機DDC24の出力が停止したか否かを判定する(ステップS301)。
【0051】
ここで、判定部52は、センサ42により検出された出力電圧の値が閾電圧値(例えばゼロ)以下である場合に、補機DDC24の出力が停止したと判定してよい。「閾電圧値」は、補機DDC24の出力が停止したか否かを決定する値であり、予め固定値として又は何らかの物理量若しくはパラメータに応じた可変値として設定されている。「閾電圧値」は、経験的若しくは実験的に又はシミュレーションによって、例えば補機DDC24の動作状態と出力電圧値との関係を求め、該求められた関係に基づいて補機DDC24が出力停止状態であるときの出力電圧値として設定すればよい。
【0052】
ステップS301の処理において、補機DDC24の出力が停止していないと判定された場合(ステップS301:No)、図6に示す処理は終了される。その後、第3所定時間経過後に、ステップS301の処理が実施されてよい。つまり、図6に示す処理は、第3所定時間に応じた周期で繰り返し行われてよい。
【0053】
ステップS301の処理において、補機DDC24の出力が停止していると判定された場合(ステップS301:Yes)、ECU50の設定部51は、補機DDC24に係る電圧指令値を最大値に設定する。ECU50の指示部53は、設定部51により設定された電圧指令値を、補機DDC24に指示する(ステップS302)。このとき、設定部51は、期間T25(例えば30ミリ秒)だけ電圧指令値を最大値に維持する。
【0054】
ステップS302の処理の結果、検知回路41により過電流が検出され(ステップS303)、上記期間T25の経過後、設定部51は、補機DDC24に係る電圧指令値をゼロに設定する。指示部53は、設定部51により設定された電圧指令値を、補機DDC24に指示する(ステップS304)。
【0055】
ステップS304の処理の後、期間T21(例えば100ミリ秒)だけ待機する(ステップS305)。その後、判定部52は、上述したステップS301の処理において、補機DDC24の出力が停止したと判定されてから期間T22(例えば3000ミリ秒)が経過したか否かを判定する(ステップS306)。
【0056】
ステップS306の処理において、期間T22が経過していないと判定された場合(ステップS306:No)、ステップS302以降の処理が行われる。ステップS306の処理において、期間T22が経過したと判定された場合(ステップS306:Yes)、判定部52は、ソーラパネル11及び12が発電停止状態であると判定する(ステップS307)。この場合、ECU50は、ソーラ発電システム100の制御に係る処理を停止してよい。
【0057】
(DDC出力停止状態検知処理)
第2実施形態に係るDDC出力停止状態検知処理について図7を参照して説明する。図7において、ECU50の判定部52は、前提条件が成立したか否かを判定する(ステップS401)。ここで、前提条件は、例えば上述したステップS301の処理において、補機DDC24の出力が停止していると判定されたことである。
【0058】
ステップS401の処理において、前提条件が成立していないと判定された場合(ステップS401:No)、図7に示す処理は終了される。その後、第4所定時間経過後に、ステップS401の処理が実施されてよい。つまり、図7に示す処理は、第4所定時間に応じた周期で繰り返し行われてよい。
【0059】
ステップS401の処理において、前提処理が成立したと判定された場合(ステップS401:Yes)、ECU50の設定部51は、異常Cをゼロに設定するとともに、異常判定維持Cをゼロに設定する(ステップS402)。つまり、ステップS402の処理では、異常C及び異常判定維持Cを初期化する。
【0060】
ステップS402の処理の後、期間Δt(例えば8ミリ秒)だけ待機する(ステップS403)。その後、判定部52は、補機DDC24に係る電圧指令値が最大値であり、且つ、補機DDC24の出力電圧がゼロであるか否かを判定する(ステップS404)。「補機DDC24に係る電圧指令値が最大値であり、且つ、補機DDC24の出力電圧がゼロである」状態を、以降、適宜「第3状態」と称する。尚、判定部52は、補機DDC24の出力電圧が上述した閾電圧値以下である場合に、補機DDC24の出力電圧がゼロであると判定してよい。
【0061】
ステップS404の処理において、第3状態であると判定された場合(ステップS404:Yes)、設定部51は、異常Cの値を増加する(ステップS405)。ここで、設定部51は、異常Cを、例えば1ミリ秒に1だけ増加する。このため、異常Cの値は経過時間を表していると言える。
【0062】
ステップS405の処理の後、期間Δt(例えば8ミリ秒)だけ待機する(ステップS406)。尚、待機中にも異常Cの値は時間経過とともに増加している。その後、判定部52は、異常Cの値が期間T23(例えば300ミリ秒)以上であるか否かを判定する(ステップS407)。
【0063】
ステップS407の処理において、異常Cの値が期間T23以上ではないと判定された場合(ステップS407:No)、ステップS404の処理が行われる。このとき、設定部51は、異常Cの値を増加することを停止する(ただし、異常Cの値は維持される)。ステップS407の処理において、異常Cの値が期間T23以上であると判定された場合(ステップS407:Yes)、判定部52は、補機DDC24が異常であると確定する(ステップS408)。
【0064】
ステップS404の処理において、第3状態ではないと判定された場合(ステップS404:No)、判定部52は、補機DDC24に係る電圧指令値がゼロであり、且つ、補機DDC24の出力電圧がゼロであるか否かを判定する(ステップS409)。「補機DDC24に係る電圧指令値がゼロであり、且つ、補機DDC24の出力電圧がゼロである」状態を、以降、適宜「第4状態」と称する。尚、判定部52は、補機DDC24の出力電圧が上述した閾電圧値以下である場合に、補機DDC24の出力電圧がゼロであると判定してよい。
【0065】
ステップS409の処理において、第4状態ではないと判定された場合(ステップS409:No)、判定部52は、補機DDC24が正常であると判定する(ステップS412)。その後、第4所定時間経過後に、ステップS401の処理が実施されてよい。
【0066】
ステップS409の処理において、第4状態であると判定された場合(ステップS409:Yes)、設定部51は、異常判定維持Cの値を増加する(ステップS410)。ここで、設定部51は、異常判定維持Cを、例えば1ミリ秒に1だけ増加する。このため、異常判定維持Cの値は経過時間を表していると言える。
【0067】
その後、判定部52は、異常維持判定Cの値が期間T24(例えば1000ミリ秒)以上であるか否かを判定する(ステップS411)。ステップS411の処理において、異常判定維持Cの値が期間T24以上ではないと判定された場合(ステップS411:No)、ステップS403の処理が行われる。このとき、設定部51は、異常判定維持Cの値を増加することを停止する(異常判定維持Cの値は初期化されてよい)。
【0068】
ステップS411の処理において、異常判定維持Cの値が期間T24以上であると判定された場合(ステップS411:Yes)、判定部52は、補機DDC24が正常であると判定する(ステップS412)。その後、第4所定時間経過後に、ステップS401の処理が実施されてよい。
【0069】
上述したように、ステップS307の処理(図6参照)において、ソーラパネル11及び12が発電停止状態であると判定された場合、ECU50は、ソーラ発電システム100の制御に係る処理を停止してよい。このため、発電停止状態であると判定されると、図7に示すDDC出力停止状態検知処理も停止される可能性がある。
【0070】
そこで、図6及び図7における期間T21、T22、T23、T24及びT25は、関係式“T23<T25×T22/(T25+T21)”及び関係式“T21<T24”を満たすように設定されている。
【0071】
尚、期間T21は、電圧指令値がゼロである期間に相当する。期間T22は、発電停止状態であるか否かを決定するための値である。期間T23は、補機DDC24が異常であるか否かを決定するための値である。期間T24は、補機DDC24が正常であるか否かを決定するための値である。期間T25は、電圧指令値が最大値である期間に相当する。
【0072】
上述の関係式が満たされていれば、ソーラ発電停止状態検知処理においてソーラパネル11及び12が発電停止状態であると判定される前に、DDC出力停止状態検知処理においてステップS408又はステップS412の処理が行われる。つまり、補機DDC24が異常であるか正常であるかを適切に判定することができる。
【0073】
(技術的効果)
本実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、補機DDC24の異常に起因して補機バッテリ32への電力供給が停止した場合に、補機DDC24の異常を検知することができる。
【0074】
<第3実施形態>
車両1に搭載されたソーラ発電システム100を制御するソーラ制御装置に係る第3実施形態について説明する。第3実施形態では、昇圧DDC23(図1参照)の異常が検知される点で、補機DDC24の異常が検知される第1実施形態と異なる。それ以外は、上述した第1実施形態と同様である。従って、第3実施形態について、第1実施形態と重複する説明は適宜省略し、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0075】
(ソーラ発電停止状態検知処理)
第3実施形態に係るソーラ発電停止状態検知処理について図2のフローチャートを参照して説明する。図2において、ECU50の判定部52は、当該ECU50の指示によらずに昇圧DDC23の出力が停止したか否かを判定する(ステップS101)。
【0076】
ここで、判定部52は、昇圧DDC23の出力電流の値が閾電流値(例えばゼロ)以下である場合に、昇圧DDC23の出力が停止したと判定してよい。「閾電流値」は、昇圧DDC23の出力が停止したか否かを決定する値であり、予め固定値として又は何らかの物理量若しくはパラメータに応じた可変値として設定されている。「閾電流値」は、経験的若しくは実験的に又はシミュレーションによって、例えば昇圧DDC23の動作状態と出力電流値との関係を求め、該求められた関係に基づいて昇圧DDC23が出力停止状態であるときの出力電流値として設定すればよい。
【0077】
ステップS101の処理において、昇圧DDC23の出力が停止していないと判定された場合(ステップS101:No)、図2に示す処理は終了される。
【0078】
ステップS101の処理において、昇圧DDC23の出力が停止していると判定された場合(ステップS101:Yes)、ECU50の設定部51は、昇圧DDC23に係る電流指令値を最大値に設定する。ECU50の指示部53は、設定部51により設定された電流指令値を、昇圧DDC23に指示する(ステップS102)。このとき、設定部51は、期間T15(例えば30ミリ秒)だけ電流指令値を最大値に維持する。
【0079】
ステップS102の処理の結果、検知回路41により過電圧が検出され(ステップS103)、上記期間T15の経過後、設定部51は、昇圧DDC23に係る電流指令値をゼロに設定する。指示部53は、設定部51により設定された電流指令値を、昇圧DDC23に指示する(ステップS104)。
【0080】
ステップS104の処理の後、期間T11(例えば100ミリ秒)だけ待機する(ステップS105)。その後、判定部52は、上述したステップS101の処理において、昇圧DDC23の出力が停止したと判定されてから期間T12(例えば3000ミリ秒)が経過したか否かを判定する(ステップS106)。
【0081】
ステップS106の処理において、期間T12が経過していないと判定された場合(ステップS106:No)、ステップS102以降の処理が行われる。ステップS106の処理において、期間T12が経過したと判定された場合(ステップS106:Yes)、判定部52は、ソーラパネル11及び12が発電停止状態であると判定する(ステップS107)。この場合、ECU50は、ソーラ発電システム100の制御に係る処理を停止してよい。
【0082】
(DDC出力停止状態検知処理)
第3実施形態に係るDDC出力停止状態検知処理について図3を参照して説明する。図3において、ECU50の判定部52は、前提条件が成立したか否かを判定する(ステップS201)。ここで、前提条件は、例えば上述したステップS101の処理において、昇圧DDC23の出力が停止していると判定されたことである。
【0083】
ステップS201の処理において、前提条件が成立していないと判定された場合(ステップS201:No)、図3に示す処理は終了される。ステップS201の処理において、前提処理が成立したと判定された場合(ステップS201:Yes)、ECU50の設定部51は、異常Cをゼロに設定するとともに、異常判定維持Cをゼロに設定する(ステップS202)。つまり、ステップS202の処理では、異常C及び異常判定維持Cを初期化する。
【0084】
ステップS202の処理の後、期間Δt(例えば8ミリ秒)だけ待機する(ステップS203)。その後、判定部52は、昇圧DDC23に係る電流指令値が最大値であり、且つ、昇圧DDC23の出力電流がゼロであるか否かを判定する(ステップS204)。「昇圧DDC23に係る電流指令値が最大値であり、且つ、昇圧DDC23の出力電流がゼロである」状態を、以降、適宜「第5状態」と称する。尚、判定部52は、昇圧DDC23の出力電流が上述した閾電流値以下である場合に、昇圧DDC23の出力電流がゼロであると判定してよい。
【0085】
ステップS204の処理において、第5状態であると判定された場合(ステップS204:Yes)、設定部51は、異常Cの値を増加する(ステップS205)。ここで、設定部51は、異常Cを、例えば1ミリ秒に1だけ増加する。このため、異常Cの値は経過時間を表していると言える。
【0086】
ステップS205の処理の後、期間Δt(例えば8ミリ秒)だけ待機する(ステップS206)。尚、待機中にも異常Cの値は時間経過とともに増加している。その後、判定部52は、異常Cの値が期間T13(例えば300ミリ秒)以上であるか否かを判定する(ステップS207)。
【0087】
ステップS207の処理において、異常Cの値が期間T13以上ではないと判定された場合(ステップS207:No)、ステップS204の処理が行われる。このとき、設定部51は、異常Cの値を増加することを停止する(ただし、異常Cの値は維持される)。ステップS207の処理において、異常Cの値が期間T13以上であると判定された場合(ステップS207:Yes)、判定部52は、昇圧DDC23が異常であると確定する(ステップS208)。
【0088】
ステップS204の処理において、第5状態ではないと判定された場合(ステップS204:No)、判定部52は、昇圧DDC23に係る電流指令値がゼロであり、且つ、昇圧DDC23の出力電流がゼロであるか否かを判定する(ステップS209)。「昇圧DDC23に係る電流指令値がゼロであり、且つ、昇圧DDC23の出力電流がゼロである」状態を、以降、適宜「第6状態」と称する。尚、判定部52は、昇圧DDC23の出力電流が上述した閾電流値以下である場合に、昇圧DDC23の出力電流がゼロであると判定してよい。
【0089】
ステップS209の処理において、第6状態ではないと判定された場合(ステップS209:No)、判定部52は、昇圧DDC23が正常であると判定する(ステップS212)。ステップS209の処理において、第6状態であると判定された場合(ステップS209:Yes)、設定部51は、異常判定維持Cの値を増加する(ステップS210)。ここで、設定部51は、異常判定維持Cを、例えば1ミリ秒に1だけ増加する。このため、異常判定維持Cの値は経過時間を表していると言える。
【0090】
その後、判定部52は、異常維持判定Cの値が期間T14(例えば1000ミリ秒)以上であるか否かを判定する(ステップS211)。ステップS211の処理において、異常判定維持Cの値が期間T14以上ではないと判定された場合(ステップS211:No)、ステップS203の処理が行われる。このとき、設定部51は、異常判定維持Cの値を増加することを停止する(異常判定維持Cの値は初期化されてよい)。
【0091】
ステップS211の処理において、異常判定維持Cの値が期間T14以上であると判定された場合(ステップS211:Yes)、判定部52は、昇圧DDC23が正常であると判定する(ステップS212)。
【0092】
ここで、図2及び図3における期間T11、T12、T13、T14及びT15は、関係式“T13<T15×T12/(T15+T11)”及び関係式“T11<T14”を満たすように設定されている。
【0093】
尚、期間T11は、電流指令値がゼロである期間に相当する。期間T12は、発電停止状態であるか否かを決定するための値である。期間T13は、補機DDC24が異常であるか否かを決定するための値である。期間T14は、昇圧DDC23が正常であるか否かを決定するための値である。期間T15は、電流指令値が最大値である期間に相当する。
【0094】
上述の関係式が満たされていれば、ソーラ発電停止状態検知処理においてソーラパネル11及び12が発電停止状態であると判定される前に、DDC出力停止状態検知処理においてステップS208又はステップS212の処理が行われる。つまり、昇圧DDC23が異常であるか正常であるかを適切に判定することができる。
【0095】
<第4実施形態>
車両1に搭載されたソーラ発電システム100を制御するソーラ制御装置に係る第4実施形態について説明する。第4実施形態では、昇圧DDC23(図1参照)の異常が検知される点で、補機DDC24の異常が検知される第1及び第2実施形態と異なる。それ以外は、上述した第1及び第2実施形態と同様である。従って、第4実施形態について、第1及び第2実施形態と重複する説明は適宜省略し、第1及び第2実施形態と異なる点について主に説明する。
【0096】
(ソーラ発電停止状態検知処理)
第4実施形態に係るソーラ発電停止状態検知処理について図6のフローチャートを参照して説明する。図6において、ECU50の判定部52は、当該ECU50の指示によらずに昇圧DDC23の出力が停止したか否かを判定する(ステップS301)。
【0097】
ここで、判定部52は、昇圧DDC23の出力電圧の値が閾電圧値(例えばゼロ)以下である場合に、昇圧DDC23の出力が停止したと判定してよい。「閾電圧値」は、昇圧DDC23の出力が停止したか否かを決定する値であり、予め固定値として又は何らかの物理量若しくはパラメータに応じた可変値として設定されている。「閾電圧値」は、経験的若しくは実験的に又はシミュレーションによって、例えば昇圧DDC23の動作状態と出力電圧値との関係を求め、該求められた関係に基づいて昇圧DDC23が出力停止状態であるときの出力電圧値として設定すればよい。
【0098】
ステップS301の処理において、昇圧DDC23の出力が停止していないと判定された場合(ステップS301:No)、図6に示す処理は終了される。ステップS301の処理において、昇圧DDC23の出力が停止していると判定された場合(ステップS301:Yes)、ECU50の設定部51は、昇圧DDC23に係る電圧指令値を最大値に設定する。ECU50の指示部53は、設定部51により設定された電圧指令値を、昇圧DDC23に指示する(ステップS302)。このとき、設定部51は、期間T25(例えば30ミリ秒)だけ電圧指令値を最大値に維持する。
【0099】
ステップS302の処理の結果、検知回路41により過電流が検出され(ステップS303)、上記期間T25の経過後、設定部51は、昇圧DDC23に係る電圧指令値をゼロに設定する。指示部53は、設定部51により設定された電圧指令値を、昇圧DDC23に指示する(ステップS304)。
【0100】
ステップS304の処理の後、期間T21(例えば100ミリ秒)だけ待機する(ステップS305)。その後、判定部52は、上述したステップS301の処理において、昇圧DDC23の出力が停止したと判定されてから期間T22(例えば3000ミリ秒)が経過したか否かを判定する(ステップS306)。
【0101】
ステップS306の処理において、期間T22が経過していないと判定された場合(ステップS306:No)、ステップS302以降の処理が行われる。ステップS306の処理において、期間T22が経過したと判定された場合(ステップS306:Yes)、判定部52は、ソーラパネル11及び12が発電停止状態であると判定する(ステップS307)。この場合、ECU50は、ソーラ発電システム100の制御に係る処理を停止してよい。
【0102】
(DDC出力停止状態検知処理)
第4実施形態に係るDDC出力停止状態検知処理について図7を参照して説明する。図7において、ECU50の判定部52は、前提条件が成立したか否かを判定する(ステップS401)。ここで、前提条件は、例えば上述したステップS301の処理において、昇圧DDC23の出力が停止していると判定されたことである。
【0103】
ステップS401の処理において、前提条件が成立していないと判定された場合(ステップS401:No)、図7に示す処理は終了される。ステップS401の処理において、前提処理が成立したと判定された場合(ステップS401:Yes)、ECU50の設定部51は、異常Cをゼロに設定するとともに、異常判定維持Cをゼロに設定する(ステップS402)。つまり、ステップS402の処理では、異常C及び異常判定維持Cを初期化する。
【0104】
ステップS402の処理の後、期間Δt(例えば8ミリ秒)だけ待機する(ステップS403)。その後、判定部52は、昇圧DDC23に係る電圧指令値が最大値であり、且つ、昇圧DDC23の出力電圧がゼロであるか否かを判定する(ステップS404)。「昇圧DDC23に係る電圧指令値が最大値であり、且つ、昇圧DDC23の出力電圧がゼロである」状態を、以降、適宜「第7状態」と称する。尚、判定部52は、昇圧DDC23の出力電圧が上述した閾電圧値以下である場合に、昇圧DDC23の出力電圧がゼロであると判定してよい。
【0105】
ステップS404の処理において、第7状態であると判定された場合(ステップS404:Yes)、設定部51は、異常Cの値を増加する(ステップS405)。ここで、設定部51は、異常Cを、例えば1ミリ秒に1だけ増加する。このため、異常Cの値は経過時間を表していると言える。
【0106】
ステップS405の処理の後、期間Δt(例えば8ミリ秒)だけ待機する(ステップS406)。尚、待機中にも異常Cの値は時間経過とともに増加している。その後、判定部52は、異常Cの値が期間T23(例えば300ミリ秒)以上であるか否かを判定する(ステップS407)。
【0107】
ステップS407の処理において、異常Cの値が期間T23以上ではないと判定された場合(ステップS407:No)、ステップS404の処理が行われる。このとき、設定部51は、異常Cの値を増加することを停止する(ただし、異常Cの値は維持される)。ステップS407の処理において、異常Cの値が期間T23以上であると判定された場合(ステップS407:Yes)、判定部52は、昇圧DDC23が異常であると確定する(ステップS408)。
【0108】
ステップS404の処理において、第7状態ではないと判定された場合(ステップS404:No)、判定部52は、昇圧DDC23に係る電圧指令値がゼロであり、且つ、昇圧DDC23の出力電圧がゼロであるか否かを判定する(ステップS409)。「昇圧DDC23に係る電圧指令値がゼロであり、且つ、昇圧DDC23の出力電圧がゼロである」状態を、以降、適宜「第8状態」と称する。尚、判定部52は、昇圧DDC23の出力電圧が上述した閾電圧値以下である場合に、昇圧DDC23の出力電圧がゼロであると判定してよい。
【0109】
ステップS409の処理において、第8状態ではないと判定された場合(ステップS409:No)、判定部52は、昇圧DDC23が正常であると判定する(ステップS412)。ステップS409の処理において、第8状態であると判定された場合(ステップS409:Yes)、設定部51は、異常判定維持Cの値を増加する(ステップS410)。ここで、設定部51は、異常判定維持Cを、例えば1ミリ秒に1だけ増加する。このため、異常判定維持Cの値は経過時間を表していると言える。
【0110】
その後、判定部52は、異常維持判定Cの値が期間T24(例えば1000ミリ秒)以上であるか否かを判定する(ステップS411)。ステップS411の処理において、異常判定維持Cの値が期間T24以上ではないと判定された場合(ステップS411:No)、ステップS403の処理が行われる。このとき、設定部51は、異常判定維持Cの値を増加することを停止する(異常判定維持Cの値は初期化されてよい)。
【0111】
ステップS411の処理において、異常判定維持Cの値が期間T24以上であると判定された場合(ステップS411:Yes)、判定部52は、昇圧DDC23が正常であると判定する(ステップS412)。
【0112】
ここで、図6及び図7における期間T21、T22、T23、T24及びT25は、関係式“T23<T25×T22/(T25+T21)”及び関係式“T21<T24”を満たすように設定されている。
【0113】
尚、期間T21は、電圧指令値がゼロである期間に相当する。期間T22は、発電停止状態であるか否かを決定するための値である。期間T23は、昇圧DDC23が異常であるか否かを決定するための値である。期間T24は、昇圧DDC23が正常であるか否かを決定するための値である。期間T25は、電圧指令値が最大値である期間に相当する。
【0114】
上述の関係式が満たされていれば、ソーラ発電停止状態検知処理においてソーラパネル11及び12が発電停止状態であると判定される前に、DDC出力停止状態検知処理においてステップS408又はステップS412の処理が行われる。つまり、昇圧DDC23が異常であるか正常であるかを適切に判定することができる。
【0115】
<その他>
上述したソーラ発電停止状態検知処理及びDDC出力停止状態検知処理は、例えば図8(a)に示す、1つのソーラパネルで発電された電力を駆動用バッテリ及び補機バッテリに供給可能なソーラ発電システムにも適用可能である。この場合にも、補機DDC及び昇圧DDCの少なくとも一方の異常を適切に判定することができる。
【0116】
上述したソーラ発電停止状態検知処理及びDDC出力停止状態検知処理は、例えば図8(b)に示す、2つのソーラパネルで発電された電力を補機バッテリに供給可能なソーラ発電システムにも適用可能である。この場合にも、補機DDCの異常を適切に判定することができる。
【0117】
上述したソーラ発電停止状態検知処理及びDDC出力停止状態検知処理は、例えば図8(c)に示す、2つのソーラパネルで発電された電力を駆動用バッテリに供給可能なソーラ発電システムにも適用可能である。この場合にも、昇圧DDCの異常を適切に判定することができる。
【0118】
以上に説明した実施形態及び変形例から導き出される発明の各種態様を以下に説明する。
【0119】
発明の一態様に係るソーラ制御装置は、ソーラパネル及び第1のDC/DCコンバータを含む第1の構成群と、第2のDC/DCコンバータ及びバッテリを含む第2の構成群との少なくとも一方を複数備え、前記第1のDC/DCコンバータは、前記ソーラパネルにより発電された電力を第1の電力ラインに出力し、前記第2のDC/DCコンバータは、前記第1の電力ラインを介して入力された電力を第2の電力ラインに出力し、前記バッテリは、前記第2の電力ラインに接続されているソーラ発電システムを制御するソーラ制御装置であって、前記第2のDC/DCコンバータの出力が閾値以下となった場合に、第1の値と、前記第1の値より小さい第2の値とが交互に周期的に切り替わるように、前記第2のDC/DCコンバータに係る出力指令値を設定する指令値設定手段と、前記出力指令値と、前記第2のDC/DCコンバータの出力とが所定の条件を満たす場合に、前記第2のDC/DCコンバータが異常であると判定する判定手段と、を備えるというものである。
【0120】
上述の実施形態においては、「ソーラDDC21」及び「ソーラDDC22」が「第1のDC/DCコンバータ」の一例に相当し、「昇圧DDC23」及び「補機DDC24」が「第2のDC/DCコンバータ」の一例に相当し、「駆動用バッテリ31」及び「補機バッテリ32」が「バッテリ」の一例に相当し、「ECU50」が「ソーラ制御装置」の一例に相当し、「設定部51」が「指令値設定手段」の一例に相当し、「判定部52」が「判定手段」の一例に相当する。
【0121】
図1において「ソーラDDC21」及び「ソーラDDC22」各々と「昇圧DDC23」及び「補機DDC24」とを接続する電力線が「第1の電力ライン」に相当する。図1において「昇圧DDC23」と「駆動用バッテリ31」とを接続する電力線、及び、「補機DDC24」と「補機バッテリ32」とを接続する電力線が「第2の電力ライン」の一例に相当する。「電流指令値の最大値」及び「電圧指令値の最大値」が「第1の値」の一例に相当する。「電流指令値ゼロ」及び「電圧指令値ゼロ」が「第2の値」の一例に相当する。
【0122】
当該ソーラ制御装置では、前記所定の条件は、前記出力指令値が前記第1の値であり、且つ、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下である期間が、第1所定期間以上であることを含んでよい。上述の実施形態においては、「期間T13」及び「期間T23」が「第1所定期間」の一例に相当する。
【0123】
当該ソーラ制御装置では、前記指令値設定手段は、前記第2の値から前記第1の値に前記出力指令値を切り替えた後第2所定期間前記出力指令値を前記第1の値に維持し、前記第1の値から前記第2の値に前記出力指令値を切り換えた後第3所定期間前記出力指令値を前記第2の値に維持し、前記判定手段は、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下となってから第4所定期間経過した場合に、前記ソーラパネルによる発電が停止したと判定してよい。
【0124】
上述の実施形態においては、「期間T15」及び「期間T25」が「第2所定期間」の一例に相当し、「期間T11」及び「期間T21」が「第3所定期間」の一例に相当し、「期間T12」及び「期間T22」が「第4所定期間」の一例に相当する。
【0125】
当該ソーラ制御装置では、前記第1所定期間、前記第2所定期間、前記第3所定期間及び前記第4所定期間は、関係式“(第1所定期間)<(第2所定期間)×(第4所定期間)/{(第2所定期間)+(第3所定期間)}”を満たしてよい。
【0126】
当該ソーラ制御装置では、前記判定手段は、(i)前記出力指令値が前記第1の値であり、且つ、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下である第1状態のときに、前記第1状態である期間を計数し、(ii)前記出力指令値が前記第2の値であり、且つ、前記第2のDCコンバータの出力が前記閾値以下である第2の状態のときに、前記計数された期間を維持してよい。
【0127】
上述の実施形態においては、「第1状態」、「第3状態」、「第5状態」及び「第7状態」が「第1の状態」の一例に相当し、「第2状態」、「第4状態」、「第6状態」及び「第8状態」が「第2の状態」の一例に相当する。
【0128】
本発明の一態様に係るソーラ制御方法は、ソーラパネル及び第1のDC/DCコンバータを含む第1の構成群と、第2のDC/DCコンバータ及びバッテリを含む第2の構成群との少なくとも一方を複数備え、前記第1のDC/DCコンバータは、前記ソーラパネルにより発電された電力を第1の電力ラインに出力し、前記第2のDC/DCコンバータは、前記第1の電力ラインを介して入力された電力を第2の電力ラインに出力し、前記バッテリは、前記第2の電力ラインに接続されているソーラ発電システムを制御するソーラ制御方法であって、前記第2のDC/DCコンバータの出力が閾値以下となった場合に、第1の値と、前記第1の値より小さい第2の値とが交互に周期的に切り替わるように、前記第2のDC/DCコンバータに係る出力指令値を設定する指令値設定工程と、前記出力指令値と、前記第2のDC/DCコンバータの出力とが所定の条件を満たす場合に、前記第2のDC/DCコンバータが異常であると判定する判定工程と、を含むというものである。
【0129】
本発明の一態様に係る車両は、ソーラ発電システムと、前記ソーラ発電システムを制御するソーラ制御装置とを備える車両であって、前記ソーラ発電システムは、ソーラパネル及び第1のDC/DCコンバータを含む第1の構成群と、第2のDC/DCコンバータ及びバッテリを含む第2の構成群との少なくとも一方を複数備え、前記第1のDC/DCコンバータは、前記ソーラパネルにより発電された電力を第1の電力ラインに出力し、前記第2のDC/DCコンバータは、前記第1の電力ラインを介して入力された電力を第2の電力ラインに出力し、前記バッテリは、前記第2の電力ラインに接続されており、前記ソーラ制御装置は、前記第2のDC/DCコンバータの出力が閾値以下となった場合に、第1の値と、前記第1の値より小さい第2の値とが交互に周期的に切り替わるように、前記第2のDC/DCコンバータに係る出力指令値を設定する指令値設定手段と、前記出力指令値と、前記第2のDC/DCコンバータの出力とが所定の条件を満たす場合に、前記第2のDC/DCコンバータが異常であると判定する判定手段と、を備えるというものである。
【0130】
当該車両では、前記所定の条件は、前記出力指令値が前記第1の値であり、且つ、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下である期間が、第1所定期間以上であることを含んでよい。
【0131】
当該車両では、前記指令値設定手段は、前記第2の値から前記第1の値に前記出力指令値を切り替えた後第2所定期間前記出力指令値を前記第1の値に維持し、前記第1の値から前記第2の値に前記出力指令値を切り換えた後第3所定期間前記出力指令値を前記第2の値に維持し、前記判定手段は、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下となってから第4所定期間経過した場合に、前記ソーラパネルによる発電が停止したと判定してよい。
【0132】
当該車両では、前記第1所定期間、前記第2所定期間、前記第3所定期間及び前記第4所定期間は、関係式“(第1所定期間)<(第2所定期間)×(第4所定期間)/{(第2所定期間)+(第3所定期間)}”を満たしてよい。
【0133】
当該車両では、前記判定手段は、(i)前記出力指令値が前記第1の値であり、且つ、前記第2のDC/DCコンバータの出力が前記閾値以下である第1状態のときに、前記第1状態である期間を計数し、(ii)前記出力指令値が前記第2の値であり、且つ、前記第2のDCコンバータの出力が前記閾値以下である第2の状態のときに、前記計数された期間を維持してよい。
【0134】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うソーラ制御装置及び方法並びに車両もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0135】
1…車両、11、12…ソーラパネル、21、22…ソーラDC/DCコンバータ、23…昇圧DC/DCコンバータ、24、24a、24b…補機DC/DCコンバータ、31…駆動用バッテリ、32…補機バッテリ、41…検知回路、42、42a、42b…センサ、50…ECU、51…設定部、52…判定部、53…指示部、100、101…ソーラ発電システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8