(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】荷重測定システム、歩行訓練システム、荷重測定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01L 5/00 20060101AFI20240806BHJP
A61H 1/02 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G01L5/00 101Z
A61H1/02 R
(21)【出願番号】P 2021108412
(22)【出願日】2021-06-30
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】松本 大河
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-46359(JP,A)
【文献】特開2017-169769(JP,A)
【文献】特開2007-285784(JP,A)
【文献】特開2012-133683(JP,A)
【文献】特開平9-168529(JP,A)
【文献】特開2009-11527(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110664409(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0323501(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/00-1/26,5/00-5/28,25/00
A61B 5/103-5/117
A61H 1/00-5/00,99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の足裏から受ける荷重分布を検出する荷重分布センサの、センサ出力情報を取得する取得部と、
前記センサ出力情報と、前記センサ出力情報に基づいて特定される荷重領域の幾何情報であって、前記荷重領域の水平方向の周囲長を少なくとも含む幾何情報、とに基づいて、合計荷重値を算出する荷重算出部と、
前記合計荷重値を出力する出力部と
を備える荷重測定システム。
【請求項2】
前記荷重分布センサに含まれるセルの出力値が所定値以上の領域を、前記荷重領域として特定し、前記荷重領域の幾何情報を算出する幾何算出部をさらに備える
請求項1に記載の荷重測定システム。
【請求項3】
前記荷重算出部は、幾何情報と、荷重領域に含まれるセルの出力値の合計と、合計荷重値とを対応付けるマップを用いて、前記合計荷重値を算出する
請求項1又は2に記載の荷重測定システム。
【請求項4】
前記荷重算出部は、幾何情報と、荷重領域に含まれるセルの出力値と、圧力値とを対応付けるマップを用いて、前記荷重分布センサに含まれるセル毎の圧力値を算出し、前記セル毎の圧力値に基づいて前記合計荷重値を算出する
請求項1又は2に記載の荷重測定システム。
【請求項5】
前記荷重算出部は、前記荷重領域に含まれるセルの出力値若しくは前記セルの出力値の合計と、前記幾何情報とを入力とし、合計荷重値を出力とする学習済の荷重推定モデルを用いて、前記合計荷重値を算出する
請求項1又は2に記載の荷重測定システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の荷重測定システムと、
前記荷重分布センサと、
移動体と、
前記合計荷重値に基づいて、前記移動体上に形成された歩行面を歩行する前記被験者の少なくとも一方の脚に装着された脚ロボットの伸展を制御する制御装置と
を備える歩行訓練システム。
【請求項7】
被験者の足裏から受ける荷重分布を検出する荷重分布センサの、センサ出力情報を取得し、
前記センサ出力情報と、前記センサ出力情報に基づいて特定される荷重領域の幾何情報であって、前記荷重領域の水平方向の周囲長を少なくとも含む幾何情報、とに基づいて、合計荷重値を算出し、
前記合計荷重値を出力する
荷重測定方法。
【請求項8】
被験者の足裏から受ける荷重分布を検出する荷重分布センサの、センサ出力情報を取得する取得処理と、
前記センサ出力情報と、前記センサ出力情報に基づいて特定される荷重領域の幾何情報であって、前記荷重領域の水平方向の周囲長を少なくとも含む幾何情報、とに基づいて、合計荷重値を算出する荷重算出処理と、
前記合計荷重値を出力する出力処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重測定システム、歩行訓練システム、荷重測定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
リハビリテーション(リハビリ)の患者が歩行動作を訓練するためのリハビリ訓練システムが開発されている。例えば特許文献1には、脚部に歩行補助装置を装着したユーザの歩行状態に応じて、歩行補助装置を介して、患者の関節の動きを補助する歩行訓練装置が開示されている。このようなリハビリ訓練システムは、トレッドミルのベルト下に配設された荷重分布センサシートから得られた荷重分布に基づいて患者の歩行状態を推定し、患者の関節の動きを補助する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、荷重分布センサシートには、粘弾性シートが含まれる。粘弾性体シートを含む荷重分布センサにおいては、入力荷重の一部がすべり方向(水平方向)の応力に変換され、垂直方向の荷重値の測定精度が低下するという問題がある。特にリハビリ訓練システムに適用する場合は、荷重分布センサシートの上に低摩擦シートやベルトを積み重ねるため、ベルトや低摩擦シートの影響で入力荷重がさらに水平方向に流れてしまうため、測定精度の低下が顕著である。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、荷重値の測定精度が向上する荷重測定システム、歩行訓練システム、荷重測定方法及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる荷重測定システムは、取得部と、荷重算出部と、出力部とを備える。前記取得部は、被験者の足裏から受ける荷重分布を検出する荷重分布センサの、センサ出力情報を取得する。前記荷重算出部は、前記センサ出力情報と、前記センサ出力情報に基づいて特定される荷重領域の幾何情報であって、前記荷重領域の水平方向の周囲長を少なくとも含む幾何情報、とに基づいて、合計荷重値を算出する。前記出力部は、前記合計荷重値を出力する。
これにより、水平方向に流れてしまった荷重分を考慮した垂直方向の荷重値を得ることができる。したがって、荷重値の測定精度が向上する。
【0007】
ここで、荷重測定システムは、前記荷重分布センサに含まれるセルの出力値が所定値以上の領域を、前記荷重領域として特定し、前記荷重領域の幾何情報を算出する幾何算出部をさらに備えてよい。
これにより、セルの幾何学的特徴を用いて幾何情報を容易に算出することができる。
【0008】
前記荷重算出部は、幾何情報と、荷重領域に含まれるセルの出力値の合計と、合計荷重値とを対応付けるマップを用いて、前記合計荷重値を算出してよい。
これにより、荷重測定システムは、幾何情報を用いてセンサ出力情報を合計荷重値に容易に変換できる。
【0009】
また、前記荷重算出部は、幾何情報と、荷重領域に含まれるセルの出力値と、圧力値とを対応付けるマップを用いて、前記荷重分布センサに含まれるセル毎の圧力値を算出し、前記セル毎の圧力値に基づいて前記合計荷重値を算出してもよい。
これにより、荷重測定システムは、幾何情報を用いてセンサ出力情報を合計荷重値に容易に変換できる。また荷重測定システムは1セルずつ出力値を圧力値に変換するため、荷重測定精度がより向上する。
【0010】
また、前記荷重算出部は、前記荷重領域に含まれるセルの出力値若しくは前記出力値の合計と、前記幾何情報とを入力とし、合計荷重値を出力とする学習済の荷重推定モデルを用いて、前記合計荷重値を算出してもよい。
これにより、荷重測定システムは、幾何情報及びセンサ出力情報の未知の組み合わせに対しても、容易に合計荷重値を推定できる。
【0011】
本発明の一態様にかかる歩行訓練システムは、上記荷重測定システムと、前記荷重分布センサと、移動体と、制御装置とを備える。前記制御装置は、上記荷重測定システムが出力した合計荷重値に基づいて、前記移動体上に形成された歩行面を歩行する前記被験者の少なくとも一方の脚に装着された脚ロボットの伸展を制御する。
これにより、水平方向に流れてしまった荷重分を考慮した垂直方向の荷重値を得ることができる。したがって、荷重値の測定精度が向上し、制御装置が適切に脚ロボットの伸展を制御することができる。
【0012】
本発明の一態様にかかる荷重測定方法は、被験者の足裏から受ける荷重分布を検出する荷重分布センサの、センサ出力情報を取得し、前記センサ出力情報と、前記センサ出力情報に基づいて特定される荷重領域の幾何情報であって、前記荷重領域の水平方向の周囲長を少なくとも含む幾何情報、とに基づいて、合計荷重値を算出し、前記合計荷重値を出力する。
これにより、水平方向に流れてしまった荷重分を考慮した垂直方向の荷重値を得ることができる。したがって、荷重値の測定精度が向上する。
【0013】
本発明の一態様にかかるプログラムは、被験者の足裏から受ける荷重分布を検出する荷重分布センサの、センサ出力情報を取得する取得処理と、前記センサ出力情報と、前記センサ出力情報に基づいて特定される荷重領域の幾何情報であって、前記荷重領域の水平方向の周囲長を少なくとも含む幾何情報、とに基づいて、合計荷重値を算出する荷重算出処理と、前記合計荷重値を出力する出力処理とをコンピュータに実行させる。
これにより、水平方向に流れてしまった荷重分を考慮した垂直方向の荷重値を得ることができる。したがって、荷重値の測定精度が向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、荷重値の測定精度が向上する荷重測定システム、歩行訓練システム、荷重測定方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態1にかかる歩行訓練システムの概略斜視図である。
【
図2】歩行補助装置の一構成例を示す概略斜視図である。
【
図3】実施形態1にかかるトレッドミルの側面図および上面図である。
【
図5】実施形態の課題を説明するための領域Aの正面図である。
【
図7】実施形態1にかかる荷重測定装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図8】実施形態1にかかる幾何情報の算出処理を説明するための図である。
【
図9】実施形態1にかかる変換マップの一例を示す図である。
【
図10】実施形態1にかかる荷重測定方法の手順を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態2にかかる変換マップの一例を示す図である。
【
図12】実施形態2にかかる荷重測定方法における、合計荷重値算出処理の手順を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態3にかかる荷重測定装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図14】実施形態1~3にかかる荷重測定装置及びシステム制御部として用いられるコンピュータの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。
【0017】
<実施形態1>
まず、本発明の実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1にかかる歩行訓練システム1の概略斜視図である。歩行訓練システム1は、実施形態1にかかる荷重測定装置(荷重測定システムとも呼ばれる)が適用されることができるシステムの一例である。歩行訓練システム1は、一方の脚に麻痺を患う片麻痺患者である訓練者900が、歩行訓練を行うためのシステムである。訓練者900は、被験者とも呼ばれる。なお、以下の説明における上下方向、左右方向、前後方向は、訓練者900の向きを基準とする方向である。
【0018】
歩行訓練システム1は、主に、全体の骨格を成すフレーム130に取り付けられた制御盤133と、訓練者900が歩行するトレッドミル131と、訓練者900の少なくとも一方の脚に装着された歩行補助装置120とを備える。本実施形態1では、少なくとも一方の脚は、訓練者900の麻痺側の脚部である患脚である。
【0019】
フレーム130は、床面に設置されるトレッドミル131上に立設されている。トレッドミル131は、不図示のモータによりリング状のベルト132を回転させる移動体である。これにより、ベルト132は、周回軌道に沿って走行する。トレッドミル131は、訓練者900の歩行を促す装置である。歩行訓練を行う訓練者900は、ベルト132に乗り、ベルト132上に形成された歩行面に対して、歩行動作を試みる。
【0020】
フレーム130は、制御盤133及び訓練用モニタ138を支持している。
制御盤133は、荷重測定装置100とシステム制御部200とを収容する。荷重測定装置100は、センサの計測結果に基づいて、訓練者900の足裏から受ける荷重領域の合計荷重値を測定するコンピュータ装置である。システム制御部200は、制御装置とも呼ばれ、センサやモータの制御を行うコンピュータ装置である。例えばシステム制御部200は、荷重測定装置100が測定した合計荷重値に基づいて歩行補助装置120の伸展を制御する。
【0021】
訓練用モニタ138は、訓練や測定に関する情報を訓練者900へ呈示する表示装置である。訓練用モニタ138は、例えば液晶パネルである。訓練用モニタ138は、訓練者900がトレッドミル131のベルト132上を歩行しながら視認できるように設置されている。
【0022】
また、フレーム130は、訓練者900の頭上部前方付近で前側引張部135を、頭上部付近でハーネス引張部112を、頭上部後方付近で後側引張部137を支持している。また、フレーム130は、訓練者900が掴むための手摺り130aを含んでよい。
【0023】
カメラ140は、正面から訓練者900の歩容が認識できる画角で訓練者900を撮像する正面カメラユニットである。カメラ140は、側面から訓練者900の歩容が認識できる画角で訓練者900を撮像する側面カメラユニットを含んでもよい。本実施形態におけるカメラ140は、ベルト132上に立つ訓練者900の頭部を含む全身を捉えられる画角となるようなレンズと撮像素子とのセットを含む。撮像素子は、例えばCMOSイメージセンサであり、結像面に結像した光学像を画像信号に変換する。カメラ140は、訓練用モニタ138の近傍に、訓練者900と相対するように設置される。なおカメラ140が側面カメラユニットを含む場合は、側面カメラユニットは、手摺り130aに、訓練者900を側方から捉えるように設置されてよい。
【0024】
前側ワイヤ134は、一端が前側引張部135の巻取機構に連結されており、他端が歩行補助装置120に連結されている。前側引張部135の巻取機構は、システム制御部200の指示に従って不図示のモータをオン/オフさせることにより、患脚の動きに応じて前側ワイヤ134を巻き取ったり繰り出したりする。同様に、後側ワイヤ136は、一端が後側引張部137の巻取機構に連結されており、他端が歩行補助装置120に連結されている。後側引張部137の巻取機構は、システム制御部200の指示に従って不図示のモータをオン/オフさせることにより、患脚の動きに応じて後側ワイヤ136を巻き取ったり繰り出したりする。このような前側引張部135と後側引張部137の連携した動作により、歩行補助装置120の荷重が患脚の負担とならないように当該荷重を相殺し、更には、設定の程度に応じて患脚の振り出し動作をアシストする。
【0025】
訓練補助者であるオペレータ910は、重度の麻痺を抱える訓練者に対しては、アシストするレベルを大きく設定する。オペレータ910は、歩行訓練システム1の設定項目を選択したり、修正したり、追加したりする権限を有する理学療法士や医師である。アシストするレベルが大きく設定されると、前側引張部135は、患脚の振り出しタイミングに合わせて、比較的大きな力で前側ワイヤ134を巻き取る。訓練が進み、アシストが必要でなくなったら、オペレータは、アシストするレベルを最小に設定する。アシストするレベルが最小に設定されると、前側引張部135は、患脚の振り出しタイミングに合わせて、歩行補助装置120の自重をキャンセルするだけの力で前側ワイヤ134を巻き取る。
【0026】
歩行訓練システム1は、安全装具110、ハーネスワイヤ111、ハーネス引張部112を主な構成要素とする安全装置を備える。安全装具110は、訓練者900の腹部に巻き付けられるベルトであり、例えば面ファスナによって腰部に固定される。ハーネスワイヤ111は、一端が安全装具110に連結されており、他端がハーネス引張部112の巻取機構に連結されているワイヤである。ハーネス引張部112の巻取機構は、不図示のモータをオン/オフさせることにより、ハーネスワイヤ111を巻き取ったり繰り出したりする。このような構成により、安全装置は、訓練者900が体勢を大きく崩した場合に、その動きを検知したシステム制御部200の指示に従ってハーネスワイヤ111を巻き取り、安全装具110により訓練者900の上体を支える。
【0027】
管理用モニタ141は、フレーム130に取り付けられており、オペレータ910が監視および操作するための表示装置である。管理用モニタ141は、例えば液晶パネルであり、その表面には入力部142の一例としてタッチパネルが重畳されている。管理用モニタ141は、訓練・測定の設定に関する各種メニュー項目や、訓練・測定時における各種パラメータ値、訓練時の測定結果などを呈示する。また、オペレータ910は、タッチパネルや不図示のキーボード等の入力部142を介して設定項目を選択したり、修正したり、追加したりする。また、管理用モニタ141は、トレッドミル131上の訓練試行位置から、訓練者900がその表示を視認できない位置に設置されている。なお、管理用モニタ141を支持する支持部は、オペレータ910が表示画面を訓練者900に意図的に見せようとする場合に対応すべく、表示面を反転させる回転機構を有していても良い。
【0028】
歩行補助装置120は、訓練者900の患脚に装着され、患脚の膝関節における伸展および屈曲の負荷を軽減することにより訓練者900の歩行を補助する。歩行補助装置120は、歩行訓練によって得られる運脚に関するデータをシステム制御部200に送信したり、システム制御部200からの指示に従って関節部分を駆動させたりする。歩行補助装置120は、転送防止ハーネス装置の一部である安全装具110に取り付けられたヒップジョイント(回転部を有する接続部材)と、ワイヤなどを介して接続しておくこともできる。
【0029】
図2は、歩行補助装置120の一構成例を示す概略斜視図である。歩行補助装置120は、主に、制御ユニット121と、患脚の各部を支える複数のフレームと、を備える。なお、歩行補助装置120は、脚ロボットとも称す。
【0030】
制御ユニット121は、歩行補助装置120の制御を行う補助制御部220を含み、また、膝関節の伸展運動及び屈曲運動を補助するための駆動力を発生させる不図示のモータを含む。患脚の各部を支えるフレームは、上腿フレーム122と、上腿フレーム122に回動自在に連結された下腿フレーム123と、を含む。また、このフレームは、下腿フレーム123に回動自在に連結された足平フレーム124と、前側ワイヤ134を連結するための前側連結フレーム127と、後側ワイヤ136を連結するための後側連結フレーム128と、を含む。
【0031】
上腿フレーム122と下腿フレーム123は、図示するヒンジ軸Ha周りに相対的に回動する。制御ユニット121のモータは、補助制御部220の指示に従って回転して、上腿フレーム122と下腿フレーム123がヒンジ軸Ha周りに相対的に開くように加勢したり、閉じるように加勢したりする。制御ユニット121に収められた角度センサ223は、例えばロータリエンコーダであり、ヒンジ軸Ha周りの上腿フレーム122と下腿フレーム123の成す角を検出する。下腿フレーム123と足平フレーム124は、図示するヒンジ軸Hb周りに相対的に回動する。相対的に回動する角度範囲は、調整機構126によって事前に調整される。
【0032】
前側連結フレーム127は、上腿の前側を左右方向に伸延し、両端で上腿フレーム122に接続するように設けられている。また、前側連結フレーム127には、前側ワイヤ134を連結するための連結フック127aが、左右方向の中央付近に設けられている。後側連結フレーム128は、下腿の後側を左右方向に伸延し、両端でそれぞれ上下に伸延する下腿フレーム123に接続するように設けられている。また、後側連結フレーム128には、後側ワイヤ136を連結するための連結フック128aが、左右方向の中央付近に設けられている。
【0033】
上腿フレーム122は、上腿ベルト129を備える。上腿ベルト129は、上腿フレームに一体的に設けられたベルトであり、患脚の上腿部に巻き付けて上腿フレーム122を上腿部に固定する。これにより、歩行補助装置120の全体が訓練者900の脚部に対してずれることを防止している。
【0034】
図3は、実施形態1にかかるトレッドミルの側面図および上面図である。トレッドミル131は、リング状のベルト132と、プーリ151と、図示しないモータを少なくとも備える。
【0035】
また、低摩擦シート155を介して、トレッドミル131のベルト132の下側に、すなわち訓練者900が搭乗する面と反対側に、荷重分布センサ150が配置されている。荷重分布センサ150は、トレッドミル131本体に、ベルト132に連動しないように固定されている。
【0036】
荷重分布センサ150は、圧力検出点であるセルを複数有する荷重分布センサシートである。複数のセルは、立位状態の訓練者900の足裏Ftを支持する歩行面W(載置面)に平行に、マトリックス状に配置されている。また荷重分布センサ150は、歩行前後方向に直交する左右方向において、歩行面Wの中央側に配置される。尚、歩行前後方向とは、ベルト132の走行方向に平行な方向である。荷重分布センサ150は、複数のセルの出力値を用いることにより、訓練者900の足裏Ftから受ける垂直荷重の大きさと分布とを検出することができる。それにより、荷重分布センサ150は、ベルト132を介して、立位状態の訓練者900の足裏Ftの位置や、訓練者900の足裏Ftから受ける荷重の分布を検出する。ここで、足裏Ftが接地されることにより荷重が検出された領域を荷重領域SLと呼ぶ。
【0037】
荷重分布センサ150は、荷重測定装置100に接続される。荷重測定装置100は、荷重分布センサ150から出力されるセンサ出力情報を取得し、センサ出力情報に基づいて荷重領域の合計荷重値を算出する。荷重測定装置100は、測定した合計荷重値の情報を、システム制御部200に供給する。
【0038】
システム制御部200は、合計荷重値に基づいて、各種駆動部を制御する。例えば、システム制御部200は、トレッドミル駆動部211と、引張駆動部214と、ハーネス駆動部215と、歩行補助装置120の補助制御部220に、有線又は無線で接続される。そしてシステム制御部200は、トレッドミル駆動部211、引張駆動部214、及びハーネス駆動部215に駆動信号を送信し、補助制御部220に制御信号を送信する。
【0039】
トレッドミル駆動部211は、トレッドミル131のベルト132を回転させる、上述したモータ及びその駆動回路を含む。システム制御部200は、トレッドミル駆動部211へ駆動信号を送ることにより、ベルト132の回転制御を実行する。システム制御部200は、例えば、オペレータ910によって設定された歩行速度に応じて、ベルト132の回転速度を調整する。或いは、システム制御部200は、荷重測定装置100から出力される合計荷重値の情報に応じて、ベルト132の回転速度を調整する。
【0040】
引張駆動部214は、前側引張部135に設けられた、前側ワイヤ134を引張するためのモータ及びその駆動回路と、後側引張部137に設けられた、後側ワイヤ136を引張するためのモータ及びその駆動回路と、を含む。システム制御部200は、引張駆動部214へ駆動信号を送ることにより、前側ワイヤ134の巻き取り及び後側ワイヤ136の巻き取りをそれぞれ制御する。また、システム制御部200は、巻き取り動作に限らず、モータの駆動トルクを制御することにより、各ワイヤの引張力を制御する。さらに、システム制御部200は、例えば、荷重測定装置100から出力される合計荷重値に基づいて、患脚が立脚状態から遊脚状態に切り替わるタイミングを同定し、そのタイミングに同期して各ワイヤの引張力を増減させることにより、患脚の動作をアシストする。
【0041】
ハーネス駆動部215は、ハーネス引張部112に設けられた、ハーネスワイヤ111を引張するためのモータ及びその駆動回路を含む。システム制御部200は、ハーネス駆動部215へ駆動信号を送ることにより、ハーネスワイヤ111の巻き取り、及び、ハーネスワイヤ111の引張力を制御する。システム制御部200は、例えば、訓練者900の転倒を予測した場合に、ハーネスワイヤ111を一定量巻き取って、訓練者の転倒を防止する。
【0042】
補助制御部220は、例えばMPU(micro processor unit)であり、システム制御部200から与えられた制御プログラムを実行することにより、歩行補助装置120の制御を実行する。また、補助制御部220は、歩行補助装置120の状態を、システム制御部200へ通知する。また、補助制御部220は、合計荷重値に基づいたシステム制御部200からの指令を受けて、歩行補助装置120の起動や停止等の制御を実行する。
【0043】
補助制御部220は、制御ユニット121のモータ及びその駆動回路を含む関節駆動部へ駆動信号を送ることにより、上腿フレーム122と下腿フレーム123がヒンジ軸Ha周りに相対的に開くように加勢したり、閉じるように加勢したりする。このような動作により、膝の伸展動作及び屈曲動作をアシストしたり、膝折れを防止したりする。補助制御部220は、ヒンジ軸Ha周りの上腿フレーム122と下腿フレーム123の成す角を検出する角度センサ(不図示)から、検出信号を受け取って膝関節の開き角を演算する。
【0044】
尚、
図3には、訓練者900の足裏Ft及び荷重分布センサ150周りの領域Aが示されている。
【0045】
ここで、
図4は、実施形態1にかかる領域Aの正面図である。荷重分布センサ150は、下から順にコイル部158、クッション157及び金属シート156が積層される構造をとる。コイル部158は、それぞれが圧力検出点として機能するマトリックス状のセルを含んでいる。足裏Ftから荷重を受けた場合、金属シート156とコイル部158との間の距離Xが短くなることで、電磁結合が発生する。荷重分布センサ150は、距離Xの変位に応じた各セルの結合係数を検出し、各セルの結合係数に対応する圧力を出力値(例えば電圧値)として含んだセンサ出力情報を出力する。
【0046】
ここで、荷重分布センサ150の上には、低摩擦シート155及びベルト132が積層された状態になっている。このような多層構造により、領域Aでは、足裏Ftが接地された場合に、シートの引きずり込み、上下層のひずみ、及びクッション157内のひずみが発生する。これにより、垂直方向に入力された荷重の一部が水平方向の変形のための応力に変換されてしまう。
【0047】
図5では、このような現象を回路で表現している。
図5は、実施形態の課題を説明するための領域Aの正面図である。足裏Ftから荷重が垂直方向にかかり、上述した水平方向への応力変換による変形が発生すると、隣接する測定点間の距離が変わる。例えば測定点間のエッジL2が伸びることにより、セルC2と測定点との距離x2が変わってしまう。距離x2が変わると、センサ出力情報に誤差が生じるため、荷重分布センサ150により正しい荷重が得られなくなる。
【0048】
図6は、センサ出力情報の一例を示す図である。本図は、一例として足裏Ftの代わりに90kgの重りをベルト132上に載置させた場合の荷重分布センサ150のセンサ出力情報を視覚的に示している。本図の一点鎖線は、実際に重りを載置させた領域(載置領域)を示している。本図から、水平方向への変形により、荷重分布センサ150は、載置領域よりも広い範囲で荷重を検出していることがわかる。
【0049】
本実施形態は、このような課題を解決するためのものである。
【0050】
図7は、実施形態1にかかる荷重測定装置100の概略構成を示すブロック図である。荷重測定装置100は、取得部101と、幾何算出部102と、荷重算出部103と、出力部104と、記憶部105とを備える。荷重測定装置100の各構成要素は、互いに接続されている。
【0051】
取得部101は、荷重分布センサから出力されたセンサ出力情報を取得する。センサ出力情報には、互いに位置が異なるセルの各々の出力値(つまり、各セルの圧力に対応する電圧値)の情報が含まれる。取得部101は、荷重分布センサ150からセンサ出力情報を取得してよいが、荷重分布センサ150に接続される他の装置(不図示)から、センサ出力情報を取得してもよい。そして取得部101は、センサ出力情報を幾何算出部102及び荷重算出部103に供給する。
【0052】
幾何算出部102は、センサ出力情報に基づいて荷重領域SLを特定し、特定した荷重領域SLの幾何情報を算出する。幾何情報は、荷重領域SLの水平方向の周囲長を少なくとも含む。
【0053】
図8は、実施形態1にかかる幾何情報の算出処理を具体的に説明するための図である。まず幾何算出部102は、センサ出力情報から、荷重分布センサ150に含まれるセルの出力値が所定値以上の領域を、荷重領域SLとして特定する。荷重領域SLは、所定値以上の出力値を有するセルの集合である。一例として、1セルは、1.3cm角の正方形であり、つまり、W
0=1.3[cm]、L
0=1.3[cm]である。したがって、セルの4辺のうち、他のセルと隣接していない辺の数を算出することで、幾何算出部102は、荷重領域SLの周囲長を算出することができる。
尚、幾何情報は、荷重領域SLの水平方向の周囲長に加えて、荷重領域SLの水平方向の面積を含んでもよい。この場合、幾何算出部102は、所定値以上の出力値を有するセルの個数をカウントすることで、面積を算出できる。
このように幾何算出部102は、出力値が所定値以上のセルの形状、数、面積及び位置情報(特に隣接セルとの位置関係)等の幾何学的特徴に基づいて、荷重領域SLの幾何情報を容易に算出することができる。幾何算出部102は、算出した幾何情報を、荷重算出部103に供給する。
【0054】
図7に戻り説明を続ける。荷重算出部103は、センサ出力情報と幾何情報とに基づいて、合計荷重値を算出する。より具体的には、幾何算出部102は、幾何情報に基づいて変換マップTを選択し、選択した変換マップTと、センサ出力情報とに基づいて、合計荷重値を算出する。尚、発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、幾何情報、特に周囲長が合計荷重値と相関があることを見出している。荷重算出部103は、合計荷重値の情報を、出力部104に供給する。
【0055】
出力部104は、システム制御部200に接続される。出力部104は、合計荷重値をシステム制御部200に出力する。
【0056】
記憶部105は、荷重測定装置100の処理に必要な情報や、生成した情報を格納する記憶媒体である。例えば記憶部105は、幾何情報に対応付けられた変換マップTを記憶する。一例として、記憶部105は、周囲長の範囲に応じた変換マップTを記憶する。
【0057】
図9は、実施形態1にかかる変換マップTの一例を示す図である。例えば変換マップT1は、荷重領域SLの周囲長がl
1~l
2(cm)の間にある場合に荷重算出部103により選択される変換マップである。一例として変換マップT1は、センサ出力合計と、合計荷重値とを対応付けるマップである。センサ出力合計は、荷重分布センサ150に含まれるセルの出力値の合計であってよい。各セルの出力値は、センサ出力情報に含まれる。すなわち変換マップTは、幾何情報と、セルの出力値の合計と、合計荷重値とを対応付けている。荷重算出部103は、幾何情報に基づいて選択された変換マップT1を用いて、センサ出力情報を合計荷重値に変換する。
【0058】
図10は、実施形態1にかかる荷重測定方法の手順を示すフローチャートである。まず取得部101は、荷重分布センサ150が出力したセンサ出力情報を取得する(S10)。次に、幾何算出部102は、センサ出力情報に含まれる各セルの出力値に基づいて、荷重領域SLを特定する(S11)。次に幾何算出部102は、荷重領域SLに含まれるセルの幾何学的特徴に基づいて、荷重領域SLの幾何情報を算出する(S12)。次に荷重算出部103は、幾何情報から、当該幾何情報に対応する変換マップTを選択する(S13)。そして荷重算出部103は、センサ出力情報及び変換マップTを用いて、合計荷重値を算出する(S14)。例えば荷重算出部103は、荷重領域SLに含まれるセルの出力値の合計を、センサ出力合計として算出し、選択した変換マップTにおいてセンサ出力合計に対応付けられた合計荷重値を特定する。これにより、荷重算出部103は合計荷重値を算出できる。次に、出力部104は、合計荷重値をシステム制御部200に出力する(S15)。そして例えばシステム制御部200は、合計荷重値が所定閾値未満となったことに応じて、補助制御部220に対して歩行補助装置120の伸展を制御する信号を送信する。
【0059】
このように実施形態1によれば、荷重測定装置100は、荷重測定時に水平方向の変形により水平方向に流れてしまった荷重分を考慮した垂直方向の荷重値を得ることができる。したがって、荷重値の測定精度が向上する。これにより、システム制御部200が適切に脚ロボットの伸展を制御することができる。
【0060】
本実施形態1では、変換テーブルTを用いてセンサ出力情報を合計荷重値に変換することで、計算負荷を抑えながら容易に合計荷重値を算出できる。このような合計荷重値の算出手法は、リアルタイム性が求められる歩行訓練システム1において有効である。
【0061】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態2にかかる荷重測定装置100は、実施形態1にかかる荷重測定装置100と基本的に同様の構成及び機能を有する。ただし実施形態2では、荷重測定装置100は、変換マップTを用いてセル毎の出力値をセル毎の圧力値に変換し、セル毎の圧力値に基づいて合計荷重値を算出することに特徴を有する。
【0062】
図11は、実施形態2にかかる変換マップTの一例を示す図である。本図の変換マップT1は、荷重領域SLの周囲長がl
1~l
2(cm)の間にある場合に荷重算出部103により選択される変換マップである。一例として変換マップT1は、セルの出力値と、面圧(圧力値)とを対応付けるマップである。すなわち変換マップTは、幾何情報と、センサ出力情報に含まれるセルの出力値と、圧力値とを対応付けている。荷重算出部103は、幾何情報に基づいて選択された変換マップT1を用いて、荷重分布センサ150に含まれるセル毎の出力値をセル毎の圧力値に変換する。そして荷重算出部103は、セル毎の圧力値に基づいて合計荷重値を算出する。
【0063】
図12は、実施形態2にかかる荷重測定方法における、合計荷重値算出処理(すなわち
図10のS14)の手順を示すフローチャートである。まず荷重算出部103は、荷重領域SLに含まれるセル毎に、荷重領域SLの幾何情報に基づいて選択された変換マップTを用いて、セルの出力値から面圧に変換する処理を繰り返す(S140)。そして荷重算出部103は、各セルの面圧及び1セル当たりの面積に基づいて、合計荷重値を算出する(S141)。例えば、荷重算出部103は、各セルの面圧及び1セル当たりの面積の積を合算することで、合計荷重値を算出してよい。
【0064】
このように実施形態2によれば、実施形態1と同様の効果を奏することができる。また実施形態2によれば、1セルずつ出力値を圧力値に変換するため、荷重算出精度がより向上する。
【0065】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3について説明する。実施形態3は、合計荷重値の算出に、変換マップTに代えて、学習済の荷重推定モデルを用いることに特徴を有する。
【0066】
図13は、実施形態3にかかる荷重測定装置100bの概略構成を示すブロック図である。荷重測定装置100bは、荷重測定装置100と基本的に同様の構成及び機能を有するが、荷重算出部103及び記憶部105に代えて、荷重算出部103b、記憶部105b、学習データベース(DB)106及び学習処理部107を備える点で相違する。
【0067】
荷重算出部103bは、学習済の荷重推定モデルMを用いて合計荷重値を算出する。荷重推定モデルMは、センサ出力値および幾何情報を入力とし、合計荷重値を出力とする。センサ出力値は、センサ出力情報に含まれる、荷重領域SL中のセルの出力値若しくはセルの出力値の合計(センサ出力合計)であってよい。例えば、荷重算出部103bは、センサ出力合計及び荷重領域SLの荷重情報を荷重推定モデルMに入力し、荷重推定モデルMから出力された合計荷重値を取得する。これにより、荷重算出部103bは、幾何情報及びセンサ出力値の未知の組み合わせに対しても、容易に合計荷重値を推定することができる。
【0068】
記憶部105bは、変換マップTに代えて、学習済の荷重推定モデルMを記憶する。
【0069】
学習DB106は、合計荷重値がタグ付けされた、センサ出力値及び幾何情報を含む教師データを記憶するデータベースである。
【0070】
学習処理部107は、学習DB106に格納された教師データを用いて、荷重推定モデルMのパラメータを最適化する。これにより、荷重推定モデルMを学習する。
【0071】
尚、荷重推定モデルMは、各セルの出力値がピクセル値として保持されたマトリクス図から、合計荷重値を出力するモデルであってもよい。この場合、荷重推定モデルMは、マトリクス図を入力とし、合計荷重値を出力とする。荷重推定モデルMは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN=Convolutional Neural Network)を含んでよい。そして荷重算出部103bは、各セルの出力値と、各セルの位置情報とに基づいてマトリクス図を生成し、マトリクス図を荷重推定モデルMに入力することで、荷重推定モデルMから出力された合計荷重値を取得してよい。これにより、荷重算出部103bは、幾何情報が複雑であっても、容易かつ精度よく合計荷重値を推定できる。尚、この場合、荷重測定装置100bの幾何算出部102は省略されてよい。
【0072】
図14は、実施形態1~3にかかる荷重測定装置100,100b及びシステム制御部200として用いられるコンピュータの概略構成図である。
【0073】
コンピュータ1900は、主要なハードウェア構成として、プロセッサ1000と、ROM1010(Read Only Memory)と、RAM1020(Random Access Memory)と、インターフェース部1030(IF;Interface)とを有する。プロセッサ1000、ROM1010、RAM1020およびインターフェース部1030は、データバスなどを介して相互に接続されている。
【0074】
プロセッサ1000は、制御処理および演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。プロセッサ1000は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(digital signal processor)またはASIC(application specific integrated circuit)並びにこれらの組み合わせであってよい。ROM1010は、プロセッサ1000によって実行される制御プログラムおよび演算プログラム等を記憶するための機能を有する。RAM1020は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。インターフェース部1030は、有線または無線を介して外部と信号の入出力を行う。また、インターフェース部1030は、ユーザによるデータの入力の操作を受け付け、ユーザに対して情報を表示する。例えば、インターフェース部1030は、荷重分布センサ150、入力部142およびシステム制御部200と通信を行う。
【0075】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、ROM1010の一例として様々な非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0076】
上述の実施形態ではコンピュータ1900は、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等を含むコンピュータシステムで構成される。しかしこれに限らず、コンピュータ1900は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)のサーバ、コンピュータ(パソコン)通信のホスト、インターネット上に接続されたコンピュータシステム等によって構成されることも可能である。また、ネットワーク上の各機器に機能分散させ、ネットワーク全体でコンピュータ1900を構成することも可能である。したがって、荷重測定装置100の構成要素がそれぞれ異なる機器に分散されていてもよい。
【0077】
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 歩行訓練システム
100,100b 荷重測定システム(荷重測定装置)
101 取得部
102 幾何算出部
103,103b 荷重算出部
104 出力部
105,105b 記憶部
106 学習データベース(DB)
107 学習処理部
110 安全装具
111 ハーネスワイヤ
112 ハーネス引張部
120 歩行補助装置
121 制御ユニット
122 上腿フレーム
123 下腿フレーム
124 足平フレーム
126 調整機構
127 前側連結フレーム
127a 連結フック
128 後側連結フレーム
128a 連結フック
129 上腿ベルト
130 フレーム
130a 手摺り
131 トレッドミル
132 ベルト
133 制御盤
134 前側ワイヤ
135 前側引張部
136 後側ワイヤ
137 後側引張部
140 カメラ
141 管理用モニタ
142 入力部
150 荷重分布センサ
151 プーリ
155 低摩擦シート
156 金属シート
157 クッション
158 コイル部
200 システム制御部
211 トレッドミル駆動部
214 引張駆動部
215 ハーネス駆動部
220 補助制御部
223 角度センサ
900 訓練者(被験者)
910 オペレータ
1000 プロセッサ
1010 ROM
1020 RAM
1030 インターフェース部(IF)
1900 コンピュータ
SL 荷重領域
T 変換マップ
M 荷重推定モデル