(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240806BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240806BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20240806BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240806BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240806BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20240806BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20240806BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20240806BHJP
B60L 53/68 20190101ALI20240806BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240806BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240806BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20240806BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
H02J7/00 P
G01C21/26 P
G01C21/36
G08G1/005
B60L53/67
B60L53/68
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
(21)【出願番号】P 2021111807
(22)【出願日】2021-07-05
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長田 祐
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊洋
【審査官】山口 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-150645(JP,A)
【文献】特開2014-029574(JP,A)
【文献】特開2014-039409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H01M 10/48
H01M 10/44
H02J 7/00
G01C 21/26
G01C 21/36
G08G 1/005
B60L 53/67
B60L 53/68
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の装置を稼働させる電池の
現在の残量の指定を受け付けることと、
前記所定の装置が所定時間の稼働で消費する予定の前記電池の電力量の指定を受け付けることと、
指定の現在の前記電池の残量と、指定の前記消費する予定の前記電池の電力量との差分から第1の充電量を計算することと、
前記第1の充電量の充電に要する充電時間を複数の充電方法について
計算することと、
前記複数の充電方法について取得したそれぞれの前記充電時間を前記所定の装置に通知することと、
を実行する制御部、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記所定の装置の周辺に存在する第1の充電方法によって充電可能な第1の地点と第2の充電方法によって充電可能な第2の地点の情報を前記所定の装置に通知することをさらに実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の装置は、可搬型の端末であり、
前記情報処理装置は、前記端末と通信するサーバであり、
前記制御部は、取得した前記充電時間を前記端末へ送信する、
請求項1
または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の装置と前記情報処理装置とは同一の可搬型の端末である請求項1
または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の装置は、自動走行可能な車両であり、
前記情報処理装置は、前記車両と通信するサーバであり、
前記制御部は、取得した前記充電時間を前記車両へ送信する、
請求項1
または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定の装置は、自動走行可能な車両であり、
前記情報処理装置は、前記車両に搭載されたコンピュータである、
請求項1
または2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
所定の装置を稼働させる電池の
現在の残量の指定を受け付けることと、
前記所定の装置が所定時間の稼働で消費する予定の前記電池の電力量の指定を受け付けることと、
指定の現在の前記電池の残量と、指定の前記消費する予定の前記電池の電力量との差分から第1の充電量を計算することと、
前記第1の充電量の充電に要する充電時間を複数の充電方法について取得することと、
前記複数の充電方法について取得したそれぞれの前記充電時間を前記所定の装置に通知することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
前記コンピュータは、前記所定の装置の周辺に存在する第1の充電方法によって充電可能な第1の地点と第2の充電方法によって充電可能な第2の地点の情報を前記所定の装置に通知することをさらに実行する、
請求項
7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
所定の装置を稼働させる電池の
現在の残量の指定を受け付けることと、
前記所定の装置が所定時間の稼働で消費する予定の前記電池の電力量の指定を受け付けることと、
指定の現在の前記電池の残量と、指定の前記消費する予定の前記電池の電力量との差分から第1の充電量を計算することと、
前記第1の充電量の充電に要する充電時間を複数の充電方法について取得することと、
前記複数の充電方法について取得したそれぞれの前記充電時間を前記所定の装置に通知することと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータに、前記所定の装置の周辺に存在する第1の充電方法によって充電可能な第1の地点と第2の充電方法によって充電可能な第2の地点の情報を前記所定の装置に通知することをさらに実行させるための請求項
9に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、電気自動車等の移動体または携帯型の情報機器等、電池で稼働する様々な装置が利用されている。例えば、下記特許文献1では、制御装置がバッテリの残量で走行できる走行範囲内で充電速度が相対的に高い高速充電施設と充電速度が相対的に低い低速充電施設とを探索し、高速充電施設まで走行したときのバッテリの残量を推定するとともに、高速充電施設の周囲における低速充電施設の非表示範囲を、推定された残量が小さくなるほど大きくする、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施の形態の1つの側面は、電池を搭載した装置の利用者が異なる充電方法の利用による充電時間の相違を確認でき、柔軟に充電方法を選択できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示の実施形態の第1の態様は、情報処理装置によって例示される。本情報処理装置は、所定の装置を稼働させる電池の第1の充電量の充電に要する充電時間を複数の充電方法について取得することと、前記複数の充電方法について取得したそれぞれの前記充電時間を前記所定の装置に通知することと、を実行する制御部、を備える。
【0006】
開示の実施形態の他の態様は、情報処理方法によって例示される。本情報処理方法では、コンピュータが、所定の装置を稼働させる電池の第1の充電量の充電に要する充電時間を複数の充電方法について取得することと、前記複数の充電方法について取得したそれぞれの前記充電時間を前記所定の装置に通知することと、を実行する。
【0007】
開示の実施形態のさらに他の態様は、プログラムによって例示される。本プログラムは、コンピュータに、所定の装置を稼働させる電池の第1の充電量の充電に要する充電時間を複数の充電方法について取得することと、前記複数の充電方法について取得したそれぞれの前記充電時間を前記所定の装置に通知することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本情報処理装置によれば、電池を搭載した装置の利用者が、異なる充電方法の利用による充電時間の相違を確認でき、柔軟に充電方法を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は第1実施形態の情報システムの構成を例示する図である。
【
図2】
図2は可搬型電子装置を稼働させるバッテリの充電特性を例示する図である。
【
図3】
図3は可搬型電子装置の消費電力特性を例示する図である。
【
図4】
図4は利用者のスケジュール管理情報の一例である。
【
図6】
図6はコンピュータが実行するバッテリ充電時間の計算処理を例示するフローチャートである。
【
図7】
図7は第2実施形態の情報システムの構成を例示する図である。
【
図8】
図8は第2実施形態の利用者のスケジュール管理情報の一例である。
【
図9】
図9は移動体の運行スケジュール情報の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施の形態の情報処理装置、情報処理方法、及び、情報システムを説明する。本情報処理装置は、所定の装置を稼働させる電池の第1の充電量の充電に要する充電時間を複数の充電方法について取得することと、複数の充電方法について取得したそれぞれの充電時間を前記所定の装置に通知することと、を実行する制御部、を備える。
【0011】
ここで所定の装置は、電池で稼働する装置または機器等であれば、限定はない。電池は充電可能な二次電池、または、蓄電池と呼ばれるものである。電池はバッテリとも呼ばれる。上記電池に要求される第1の充電量は、第1の時間経過時に上記所定の装置が利用者に機能を提供するために必要な電池残量を確保するための充電量をいう。例えば、第1の時間の範囲内での第1の充電量の充電によって、所定の装置の使用計画または利用者の行動予定等に影響を及ぼさない程度に機能を提供するための電力量が充電されることが望ましい。また、第1の時間は、例えば、現在から次の充電の実施が可能と想定される日時(充電の機会)までの経過時間である。
【0012】
また、複数の充電方法とは、所定の装置に適用可能な様々な充電設備または充電機器による充電方法をいう。充電方法としては、充電速度の違いに応じて、普通充電または急速充電を例示できる。ただし、充電電圧または充電電流の違いにより、普通充電および急速充電のそれぞれにおいて、複数の充電の仕様または規格が存在し得る。
【0013】
<第1実施形態>(システム構成)
図1は、本実施形態の情報システム101の構成を例示する図である。情報システム101は、コンピュータ10と可搬型電子装置2Aとを有する。コンピュータ10はサーバともいう。また、可搬型電子装置2Aは無線通信可能な端末によって例示される。コンピュータ10はCPU11と、主記憶部12と、インターフェース(I/F)を通じて接続される外部機器を有し、コンピュータプログラムにより情報処理を実行する。CPU11は、プロセッサとも呼ばれる。CPU11は、単一のプロセッサに限定されず、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、CPU11は、Graphics Processing Unit(GPU)、Digital Signal Processor(DSP)等を含むものであってもよい。また、CPU11は、Field Programmable Gate Array(FPGA)等のハードウェア回路と連携するも
のでもよい。外部機器としては、外部記憶部13、表示部14、操作部15、及び、通信部16を例示できる。
【0014】
CPU11は、主記憶部12に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行し、コンピュータ10の機能を提供する。主記憶部12は、CPU11が実行するコンピュータプログラム、CPU11が処理するデータ等を記憶する。主記憶部12は、Dynamic Random Access Memory(DRAM)、Static Random Access Memory(SRAM)、Read Only Memory(ROM)等である。さらに、外部記憶部13は、例えば、主記憶部12を
補助する記憶領域として使用され、CPU11が実行するコンピュータプログラム、CPU11が処理するデータ等を記憶する。外部記憶部13は、ハードディスクドライブ、Solid State Drive(SSD)等である。さらに、コンピュータ10には、着脱可能記憶媒体の駆動装置を設けてもよい。着脱可能記憶媒体は、例えば、ブルーレイディスク、Digi
tal Versatile Disc(DVD)、Compact Disc(CD)、フラッシュメモリカード等である。
【0015】
また、コンピュータ10は、表示部14、操作部15、通信部16を有する。表示部14は、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネル等である。操作部15は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等である。本実施形態では、ポインティングデバイスとしてマウスが例示される。通信部16は、ネットワーク上の他の装置とデータを授受する。例えば、通信部16は、ネットワークN2を介して、可搬型電子装置2Aと通信する。ネットワークN2は、有線ネットワーク、及び、無線ネットワークを含む。有線ネットワークは、例えば、コアネットワーク、バックボーン等とも呼ばれ、光ファイバ網等で例示されるブロードバンドネットワークである。無線ネットワークは、例えば、Long Term Evolution(LTE)、第5世代移動通信システム(5G)、第6世代
移動通信システム(6G)等で例示される携帯電話網を含む。
【0016】
可搬型電子装置2Aの構成は、コンピュータ10と同様である。ただし、可搬型電子装置2Aは、操作部として、ディスプレイ上にタッチセンサを重ねたタッチパネルを有する。可搬型電子装置2Aは、バッテリを内蔵し、バッテリに蓄積されたエネルギー(電力量、電荷)により稼働する。バッテリを充電するための充電器具としては、種々のものが利用される。本実施形態では、普通充電用の充電器具と、急速充電用の充電器具が例示される。しかし、充電器具が普通充電用と急速充電用の2種類に限定される訳ではない。可搬型電子装置2Aの利用者は、可搬型電子装置2Aからコンピュータ10にアクセスすることで、コンピュータ10から様々なサービスの提供を受ける。以下、本実施形態以下のすべての実施形態において、利用者の操作に応じた可搬型電子装置2Aの動作を単に、可搬型電子装置2Aの動作として記述する。例えば、可搬型電子装置2Aは、現在地点付近においてバッテリを充電可能な充電スポットの情報をコンピュータ10に要求する。
【0017】
可搬型電子装置2Aは、コンピュータ10に充電スポットの情報を要求するときに、現在位置と、現在のバッテリ残量を提示してもよい。また、バッテリ残量とともに、次の充電の機会までに充電したい目標充電量を提示してもよい。ただし、可搬型電子装置2Aは、目標充電量に代えて、次の充電を実施可能な時期(充電の機会)までに実行する処理のスケジュールを提示してもよい。ただし、コンピュータ10は、コンピュータ10上で管理される利用者のスケジュール管理データベースから、次の充電の機会までに実行する処理のスケジュールを取得してもよい。
【0018】
コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aのバッテリの充電、及び、利用者による可搬型電子装置2Aの利用を支援する。例えば、コンピュータ10は、充電スポットの情報の要求を可搬型電子装置2Aから受け付ける。コンピュータ10は、充電スポットの情報の要求とともに、可搬型電子装置2Aの現在位置と、現在のバッテリ残量と、目標充電量とを受け付けてもよい。また、コンピュータ10は、例えば、可搬型電子装置2Aを通じて利用者に提供されるスケジュール管理データデータベースにアクセスし、利用者の行動予定を取得してもよい。
【0019】
スケジュール管理データベースは、コンピュータ10の主記憶部12と外部記憶部13に保存されてもよい。可搬型電子装置2AがネットワークN2を介してコンピュータ10にアクセスし、スケジュール管理データベースの機能を利用者に提供すればよい。ただし、スケジュール管理データベースは、可搬型電子装置2Aに保存されてもよい。可搬型電子装置2Aに保存される場合には、コンピュータ10は、利用者の承認を得て、可搬型電子装置2Aからスケジュール管理データベースの情報を収集すればよい。また、スケジュール管理データベースは、コンピュータ10がアクセス可能な他のコンピュータに保存されていてもよい。
【0020】
なお、スケジュール管理データベースには、利用者が可搬型電子装置2Aを使用しない時間帯または使用する時間帯が予め設定されていてもよい。使用しない時間帯または使用する時間帯は、利用者が設定してもよい。また、可搬型電子装置2Aまたはコンピュータ10が利用者による過去の操作履歴を統計処理し、可搬型電子装置2Aが操作されない可能性の高い、曜日、時間帯等を選択してもよい。可搬型電子装置2Aまたはコンピュータ10は選択した曜日、時間帯等を可搬型電子装置2Aのディスプレイから利用者に提示し、予め、確認を求めてもよい。そして、コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aが操作されない可能性の高い、曜日、時間帯等を充電可能な日時(次の充電の機会)としてもよい。
【0021】
そして、コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aの現在のバッテリ残量と、目標充電量とから、普通充電による場合と、急速充電による場合の充電時間を計算する。また、コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aの現在位置に近い充電スポットとその充電スポットで利用可能な充電方法とをデータベースから検索する。そして、コンピュータ10は、普通充電による場合と、急速充電による場合の充電時間、充電スポットの位置、および利用可能な充電方法を可搬型電子装置2Aに通知する。
【0022】
(データ例)
以下、コンピュータ10が計算時に使用する各種のデータを例示する。以下のデータは、例えば、データベースに格納されている。本実施形態のデータベースは、コンピュータ10の主記憶部12と外部記憶部13に保存されてもよい。また、データベースは、コンピュータ10がアクセス可能な他のコンピュータに保存されていてもよい。
【0023】
図2は、コンピュータ10が計算時に使用するバッテリの充電特性を例示する図である。本実施形態では、バッテリの充電特性は、例えば、可搬型電子装置2Aの機種ごとに規定されている。コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aの機種ごとにバッテリの充電特性をデータベースに記録している。
図2は、SMART PHONE TYPE 1という機種のバッテリの充電特性を例示する。
図2の例では、充電方法として、普通充電と急速充電が例示されている。また、
図2の例では、普通充電および急速充電において、それぞれ定電流域と、定電圧域に分かれて、充電速度が規定されている。コンピュータ10は、
図2に例示される充電特性をデータベースから参照し、機種ごとに目標充電量までの充電時間を計算する。
【0024】
例えば、普通充電では、State Of Charge(SOC)において0%乃至70%の範囲が
定電流域である。定電流域では、一定電流で充電が実行され、充電速度は、例えば、60%/時間である。したがって、1時間の充電で電荷0の状態から60%まで充電可能である。また、普通充電では、SOCにおいて70乃至100%の範囲が定電圧域である。また、定電圧域では、一定電圧で充電が実行される。定電圧域では、充電速度は、徐々に低下するため、近似値で例示される。近似値の充電速度は、例えば、約50%/時間である。
【0025】
また、高速充電では、SOCにおいて0%乃至60%の範囲が定電流域である。高速充電の定電流域では、充電速度は、例えば、180%/時間である。したがって、例えば、20分の充電で、電荷0の状態から60%まで充電が可能である。また、この例では、60%乃至100%の範囲が定電圧域である。この例では、高速充電においても、定電圧域では、充電速度は約50%/時間である。
【0026】
図3は、可搬型電子装置2Aの消費電力特性を例示する図である。コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aの機種ごとに消費電力特性をデータベースに記録している。
図3は、SMART PHONE TYPE 1という機種の消費電力特を例示する。ただし、コンピュータ10は
、機種ごとに消費電力特を記録する代わりに、可搬型電子装置2Aのメーカごと、あるいは、メーカの製品シリーズごとに消費電力特を記録してもよい。メーカの製品シリーズとしては、例えば、LTE対応製品、5G対応製品、または、6G対応製品等が例示される。ただし、コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aのメーカ別の平均的な消費電力を取得し、保持してもよい。
【0027】
図3では、コンピュータ10は、無線通信、無線待ち受け、画面表示、動画表示、スクリーンセーバ等の処理ごとに、1時間あたりのSOCの変化量で消費電力特性を保持する。ただし、コンピュータ10は、処理によらず、可搬型電子装置2Aの平均的な動作における平均的な消費電力(
図3の平均消費電力)を取得し、保持してもよい。平均的な動作は、例えば、1または複数の利用者による可搬型電子装置2Aの使用結果を統計処理することで得ることができる。また、コンピュータ10は、メーカおよび機種によらず、可搬型電子装置2A一般での平均的な消費電力を記録し、本実施形態における計算に用いてもよい。
【0028】
図4は、利用者のスケジュール管理情報の一例である。
図4の例では、ある特定の年月日の1時間の時間帯ごとのスケジュール管理情報が例示されている。スケジュール管理情報は、利用者が実施する予定の行動を含む。予定の行動は、例えば、ウェブ会議、出張、外出等である。また、スケジュール管理情報は、利用者が所在する場所(
図4の場所)を含んでもよい。利用者が所在する場所は、例えば、自席、出張先のA社等である。
【0029】
図5は、充電スポット管理表の一例である。コンピュータ10は、充電スポット管理表をデータベースに保持する。充電スポット管理表は各行が1つのレコードである。充電スポット管理表の各レコードは、充電種別、充電スポット名、緯度、経度、住所、電話番号の各要素を含む。
【0030】
充電種別は、当該充電スポットで利用可能な充電方法である。
図5では、普通充電と、急速充電が例示されている。充電種別は、さらに詳細な情報を含んでもよい。例えば、充電種別は、可搬型電子装置2Aのメーカ別、製品別の充電器に対応する充電種別を含んでもよい。
【0031】
充電スポット名は、充電スポットを表す名称であって、利用者が認識可能な名称である。緯度、経度は、地図情報上での位置を特定するために利用される。住所は、利用者が認識可能な地点の住所である。ただし、住所は、地図データベースにおいて、緯度および経度に対応付けされ、緯度および経度との間で相互に変換可能な情報であってもよい。
【0032】
(処理例)
図6は、コンピュータ10が実行するバッテリ充電時間の計算処理を例示するフローチャートである。コンピュータ10のCPU11は、主記憶部12に実行可能に展開されたコンピュータプログラムにより
図6の処理を実行する。この処理では、コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aから充電スポットについての情報の要求を受け付ける(S1)。コンピュータ10は、情報の要求とともに、現在のバッテリの充電状態(SOC)を取得する。現在のバッテリの充電状態(SOC)は、バッテリの残量または充電量ということもできる。このとき、コンピュータ10は、必要充電量も取得してもよい。必要充電量は、今後、次の充電機会までの間に、可搬型電子装置2Aが稼働するために必要な電力量である。必要充電量は、例えば、充電後のバッテリの充電状態(SOC)で指定されればよい。なお、必要充電量は、目標充電量ということもできる。なお、S1の処理で、可搬型電子装置2Aが充電スポットについての情報の要求をコンピュータ10に送信するときに、利用者は可搬型電子装置2Aのバッテリに充電可能な充電の機会にあることが想定されている。
【0033】
そして、コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aからの要求に必要充電量の指定があるか否かを判定する(S2)。可搬型電子装置2Aからの要求に必要充電量の指定がある場合(S2でYES)、コンピュータ10は、指定された必要充電量を受け付ける(S3)。一方、必要充電量の指定がない場合(S2でNO)、コンピュータ10は、利用者のスケジュール管理データベースのスケジュール管理情報から必要消費電力量を計算する。コンピュータ10は、利用者のスケジュール管理情報において、自席を離れる予定が含まれる時間には充電できないと判断してもよい。また、コンピュータ10は、利用者のスケジュール管理情報において、出張中および出張に伴う移動中には充電できないと判断してもよい。一方、コンピュータ10は、利用者のスケジュール管理情報において、利用者のいる場所が自席または自宅となる時間帯には充電できると判断してもよい。また、コンピュータ10は、利用者のスケジュール管理情報において、休憩時間、または、自由時間には充電が可能と判断してもよい。そして、コンピュータ10は、自席を離れる予定時刻、出張および出張に伴う移動が開始する予定時刻等から、自席または自宅に戻る時刻、自由時間の開始時刻および休憩時間の開始時刻のいずれかまでの時間(以下、装置稼働時間)を計算する。ここで、自席または自宅に戻る時刻、自由時間の開始時刻および休憩時間の開始時刻が次の充電機会となる。
【0034】
そして、コンピュータ10は、装置稼働時間から予測消費電力量を計算する(S4)。コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aの機種によらない平均消費電力から、予測消費電力量を計算すればよい。ただし、コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aからの要求において、可搬型電子装置2Aの機種が取得できる場合には、当該機種の平均消費電力を用いて予測消費電力量を計算してもよい。また、コンピュータ10は、利用者のスケジュール管理情報から、可搬型電子装置2Aの情報処理の種別が取得できる場合には、
図3に例示した可搬型電子装置2Aの消費電力特性にしたがって、予測消費電力量を計算してもよい。例えば、5時間の出張および移動の間に、5時間の無線待ち受け(5%/時間)、1時間の画面表示(15%/時間)、4時間のスクリーンセーバによる処理(3%/時間)が実施される場合には、以下のように計算される。
【0035】
予測消費電力量=5%×5+15%×1+3%×4=52%;
コンピュータ10は、計算した、次の充電機会までの予測消費電力量を必要充電量として以下の処理を実行すればよい。なお、利用者のスケジュール管理情報の各予定(出張、移動等)において、可搬型電子装置2Aで実施される情報処理の種別は、例えば、経験値を統計処理して得ることができる。例えば、コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aの処理を記録したログファイルの記録と、利用者のスケジュール管理情報とを照合すればよい。この照合により、コンピュータ10は、利用者のスケジュール管理情報の各予定(出張、移動等)において、過去にどのような割合でどのような処理が実行されたかを推定できる。以上の処理で取得される必要充電量は、可搬型電子装置2Aが所定時間の稼働で消費する予定の電池の電力量ということができる。
【0036】
次に、コンピュータ10は、現在のバッテリの充電状態と必要充電量とを基に、普通充電時間と急速充電時間を計算する(S5)。すなわち、バッテリの充電状態および必要充電量がともに定電流域にある場合、定電流域の充電速度を用いて以下を計算する。
【0037】
普通充電時間TA=(必要充電量-現在のバッテリの充電状態)/普通充電の定電流域の充電速度;
急速充電時間TB=(必要充電量-現在のバッテリの充電状態)/急速充電の定電流域の充電速度;
一方、現在のバッテリの充電状態が定電流域にあって、かつ、必要充電量が定電圧域にある場合には、コンピュータ10は、定電流域と定電圧域のそれぞれで充電時間を計算す
る。まず、定電流域での充電時間は、以下の通りである。
【0038】
普通充電時間TA1=(定電流域と定電圧域を分けるSOC値-現在のバッテリの充電状態)/普通充電の定電流域の充電速度;
急速充電時間TB1=(定電流域と定電圧域を分けるSOC値-現在のバッテリの充電状態)/急速充電の定電流域の充電速度;
次に、定電圧域での充電時間は、以下の通りである。
【0039】
普通充電時間TA2=(必要充電量-定電流域と定電圧域を分けるSOC値)/普通充電の定電圧域の充電速度;
急速充電時間TB2=(必要充電量-定電流域と定電圧域を分けるSOC値)/急速充電の定電圧域の充電速度;
普通充電の充電時間=TA1+TA2;
急速充電の充電時間=TB1+TB2;
なお、バッテリの充電状態および必要充電量がともに定電圧域にある場合、コンピュータ10は、定電圧域の充電速度を用いて以下を計算する。
【0040】
普通充電時間TA=(必要充電量-現在のバッテリの充電状態)/普通充電の定電圧域の充電速度;
急速充電時間TB=(必要充電量-現在のバッテリの充電状態)/急速充電の定電圧域の充電速度;
なお、上記計算で、必要充電量-現在のバッテリの充電状態は、第1の充電量と呼ぶ。第1の充電量は、所定時間の稼働で消費する予定の電池の電力量と現在のバッテリの充電状態(電池の残量)との差分値である。したがって、S1の処理は、可搬型電子装置2Aで消費する予定の電池の電力量または第1の充電量の指定を受け付けることの一例ということができる。また、コンピュータ10は、S5の処理で、現在の電池の残量と、可搬型電子装置2Aが所定時間の稼働で消費する予定の電池の電力量と、から第1の充電量を取得するということできる。また、S5の処理は、可搬型電子装置2Aを稼働させる電池の第1の充電量の充電に要する充電時間を複数の充電方法について取得することの一例と言える。
【0041】
次に、コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aの現在位置付近の充電スポットを充電スポット管理表(
図5参照)から検索する(S6)。そして、コンピュータ10は、必要充電量、充電方法別の充電時間、および各充電方法による充電が可能な充電スポットの情報を可搬型電子装置2Aに送信し、ディスプレイに表示させる(S7)。コンピュータ10は、S7の処理により、複数の充電方法について、充電が可能な充電スポットの情報を可搬型電子装置2Aに表示させる。すなわち、S7の処理は、可搬型電子装置2Aの周辺に存在する第1の充電方法によって充電可能な第1の地点と第2の充電方法によって充電可能な第2の地点の情報を出力する処理の一例と言える。また、S7の処理は、複数の充電方法について取得したそれぞれの充電時間を所定の装置である可搬型電子装置2Aに通知することの一例と言える。
【0042】
(第1実施形態の効果)
以上述べたように、本実施形態のコンピュータ10は、次の充電機会までの間に、可搬型電子装置2Aを稼働させる必要充電量を取得する。そして、コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aの現在の充電量から必要充電量を充電する充電時間を普通充電と急速充電の場合において計算する。そして、コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aのディスプレイに、必要充電量、各充電方法での充電時間、および各充電方法での充電が可能な充電スポットの情報を可搬型電子装置2Aのディスプレイに表示させる。したがって、可搬型電子装置2Aの利用者は、可搬型電子装置2Aを必要充電量まで充電する時間と、その充
電が可能な充電スポットを複数の充電方法について認識できる。したがって、可搬型電子装置2Aの利用者は、いつでもどこでも、適切な充電方法を決定するための情報を得ることができる。すなわち、可搬型電子装置2Aの利用者は、各充電方法の充電時間を確認でき、柔軟に充電方法を選択できる。
【0043】
コンピュータ10は、可搬型電子装置2Aからの要求により上記処理を実行する。したがって、可搬型電子装置2Aの利用者は、所望の時点で適切な充電方法を決定するための情報を得ることができる。また、コンピュータ10は、現在のバッテリの充電状態と必要充電量とを基に、精度よく、複数の充電方法による充電時間を把握できる。コンピュータ10は、必要充電量として、次の充電機会まで可搬型電子装置2Aが稼働した場合の電力量(必要消費電力量)を計算する。したがって、可搬型電子装置2Aの利用者は、バッテリがエネルギー不足となる前に、充電の機会を適切に得ることができる。さらに、コンピュータ10は、複数の充電方法それぞれに対応する充電スポットの情報を可搬型電子装置2Aに提供するので、利用者は計算された充電時間に対応する充電スポットの情報を適切なタイミングで得ることができる。
【0044】
(変形例)
本実施形態では、コンピュータ10が可搬型電子装置2Aからの要求により、必要充電量、各充電方法での充電時間、および各充電方法での充電が可能な充電スポットの情報を可搬型電子装置2Aに通知し、可搬型電子装置2Aのディスプレイに表示させる。しかし、このような計算と表示の処理を可搬型電子装置2Aが実行してもよい。可搬型電子装置2Aが、バッテリの充電特性(
図2)、消費電力特性(
図3)、スケジュール管理情報(
図4)等を保持してもよい。そして、可搬型電子装置2Aが、利用者からの要求に応答して、
図6と同様の処理を実行すればよい。
【0045】
<第2実施形態>
第1実施形態では、可搬型電子装置2Aを稼働させるバッテリについて、普通充電と急速充電の充電時間が計算された。第1実施形態の処理は、移動体に搭載されたバッテリについても適用可能である。
図7は、第2実施形態の情報システム102の構成を例示する図である。情報システム102は、コンピュータ10と、移動体2Bを有している。コンピュータ10の構成は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0046】
移動体2Bは、例えば、車両である。車両は4輪でも、3輪でも、2輪でもよい。車両はエンジンで駆動されるものでもよいし、モータで駆動されるものでもよい。車両は自律走行可能または自動走行可能な自動運転システムを搭載した車両でもよい。
【0047】
図1のように、移動体2Bは、Data Communication Module(DCM)21と、Electrical Control Unit(ECU)22とを有する。DCM21は、ネットワークN2にアクセスし、他の移動体、コンピュータ10等と通信する。DCM21は、携帯通信網を介した無線通信が可能である。ネットワークN2は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0048】
ECU22は、移動体2B内の各機器を管理する。ECU22は、
図1に例示されるコンピュータ10のCPU11と主記憶部12と同様の構成を含む。ECU22は、例えば、プロセッサとメモリを有する。プロセッサはメモリ上のコンピュータプログラムを実行し、ECU22としての処理を実行する。ECU22は、DCM21を介してコンピュータ10にアクセスし、様々な機能を移動体2Bの利用者に提供する。ECU22は、例えば、移動体2Bの現在位置付近の充電スポット情報をコンピュータ10に要求する。ECU22は、第1実施形態の可搬型電子装置2Aと同様、コンピュータ10に充電スポットの情報を要求するときに、現在位置と、現在のバッテリ残量を提示してもよい。また、バ
ッテリ残量とともに、次の充電の機会までに充電したい目標充電量を提示してもよい。ただし、ECU22は、目標充電量に代えて、次の充電の機会までに実行する処理のスケジュールを提示してもよい。ただし、コンピュータ10は、コンピュータ10上で管理される利用者のスケジュールデータベース等から、次の充電の機会までに実行する処理のスケジュールを取得してもよい。ECU22は、車両に搭載されたコンピュータの一例である。
【0049】
図8は、第2実施形態の利用者のスケジュール管理情報の一例である。
図8の例でも、第1実施形態の
図4と同様、ある特定の年月日の1時間で区切られた時間帯ごとのスケジュール管理情報が例示されている。スケジュール管理情報は、利用者が実施する予定の行動を含む。予定の行動は、例えば、「内勤」「外回り」「休憩」「退勤」等である。コンピュータ10は、スケジュール管理情報が、例えば、「外回り」となっている場合には、充電の機会は、次の「内勤」「休憩」「退勤」等の時間帯までない、と判断できる。
【0050】
図9は、移動体2Bの運行スケジュール情報の一例である。コンピュータ10は、移動体2Bの運行スケジュール情報は、移動体IDの欄を有する点以外は、
図8と同様である。運行スケジュールは、移動体2Bごとに作成される。このため、
図3の運行スケジュールは移動体2Bを識別するための移動体IDを含む。また、
図9の例では、運行スケジュールは、日ごとに作成されるので、年月日を含む。さらに、
図9の例では、運行スケジュールは、時間帯ごとの移動体2Bの運行、及び、保守等の予定が規定される。
【0051】
例えば、年月日DDMMMYYYYにおいて、0:00から9:00までの間は、移動体2Bの保守が実施される。保守は、移動体ID:E-PALETTE EV1のバッテリの充電と、
コンピュータプログラムの更新を含む。移動体ID:E-PALETTE EV1は、9:00から1
1:00まで運行する。移動体ID:E-PALETTE EV1は、11:00から13:00まで
の間、運行を停止し、保守状態となり、バッテリが充電される。移動体ID:E-PALETTE EV1は、13:00から23:00まで運行し、23時以降運行を停止し、保守状態とな
る。なお、
図9の例では、13:00から22:00までの間の保守の予定と運行の予定の詳細は省略されている。コンピュータ10は、移動体2Bの運行スケジュールが例えば、「運行」となっている場合には、充電の機会は、次の「保守」の時間帯までない、と判断できる。
【0052】
第2実施形態においても、コンピュータ10は、移動体2BのECU22からの充電スポットの情報の要求に対して、異なる充電方法について、目標充電量、すなわち、必要充電量までの充電時間、その充電方法を利用可能な充電スポットの情報を提供できる。充電スポットの情報を提供する処理は
図6の場合と同一である。ここでは、
図6を参照して、移動体2Bに充電スポットの情報を提供する処理を説明する。
【0053】
(処理例)
この処理では、コンピュータ10は、移動体2BのECU22から充電スポットについての情報の要求を受け付ける(S1)。コンピュータ10は、情報の要求とともに、現在のバッテリの充電状態(SOC)を取得する。
【0054】
このとき、コンピュータ10は、必要充電量も取得してもよい。必要充電量は、今後、次の充電機会までの間に、移動体2Bが稼働するために必要な電力量である。必要充電量は、例えば、充電後のバッテリの充電状態(SOC)で指定されればよい。すなわち、コンピュータ10は、移動体2Bからの要求に必要充電量の指定があるか否かを判定する(S2)。
【0055】
移動体2Bからの要求に必要充電量の指定がある場合(S2でYES)、コンピュータ
10は、指定された必要充電量を受け付ける(S3)。一方、必要充電量の指定がない場合(S2でYES)、コンピュータ10は、利用者のスケジュール管理情報または移動体2Bの運行スケジュールから必要消費電力量を計算する。コンピュータ10は、利用者のスケジュール管理情報において、「外回り」の時間には充電できないと判断してもよい。また、コンピュータ10は、移動体2Bの運行スケジュールが「運行」の場合には充電できない判断すればよい。そして、コンピュータ10は、利用者の「外回り」の時間または移動体2Bの「運行」の時間、すなわち、装置稼働時間を計算する。
【0056】
そして、コンピュータ10は、装置稼働時間から必要消費電力量を計算する(S4)。コンピュータ10は、移動体2Bの機種によらない平均消費電力から、必要消費電力量を計算すればよい。ただし、コンピュータ10は、移動体2Bのからの要求において、移動体2Bの機種が取得できる場合には、当該機種の平均消費電力を用いて必要消費電力量を計算してもよい。
【0057】
次に、コンピュータ10は、現在のバッテリの充電状態と必要充電量とを基に、普通充電時間と急速充電時間を計算する(S5)。普通充電時間と急速充電時間の計算方法は、第1実施形態と同様であるので、その詳細を省略する。
【0058】
次に、コンピュータ10は、移動体2Bの現在位置付近の充電スポットを充電スポット管理表から検索する(S6)。ここで、充電スポット管理表の構成は、移動体2Bの充電と、可搬型電子装置2Aとの相違があるが、
図5と同様である。そして、コンピュータ10は、必要充電量、充電方法別の充電時間、および各充電方法による充電が可能な充電スポットを移動体2Bに送信し、車載器のディスプレイに表示させる(S7)。
【0059】
(第2実施形態の効果)
以上述べたように、本実施形態のコンピュータ10は、次の充電機会までの間に移動体2Bの稼働を維持するための必要充電量を取得する。そして、コンピュータ10は、移動体2Bの現在の充電量から必要充電量を充電する充電時間を普通充電と急速充電の場合において計算する。そして、コンピュータ10は、必要充電量、各充電方法での充電時間、および各充電方法での充電が可能な充電スポット等の情報を移動体2Bに搭載された車載器に通知し、車載器のディスプレイに表示させる。したがって、移動体2Bの利用者は、移動体2Bを必要充電量まで充電する時間と、その充電可能な充電スポットを複数の充電方法について認識できる。したがって、第2実施形態の移動体2Bの利用者は、第1実施形態の可搬型電子装置2Aの利用者と同様、いつでもどこでも、適切な充電方法を決定するための情報を得ることができる。すなわち、移動体2Bの利用者は、各充電方法の充電時間を確認でき、柔軟に充電方法を選択できる。
【0060】
(変形例)
本実施形態では、コンピュータ10は移動体2BのECU22からの要求により、必要充電量、各充電方法での充電時間を計算する。そして、コンピュータ10は計算結果および各充電方法での充電が可能な充電スポットを移動体2Bの車載器のディスプレイに表示させる。しかし、このような処理を移動体2BのECU22が実行してもよい。移動体2BのECU22が、バッテリの充電特性(
図2)、消費電力特性(すなわち、運行1時間あたりの消費電力量)、および、スケジュール管理情報等を保持してもよい。そして、移動体2BのECU22が、利用者からの要求に応答して、
図6と同様の処理を実行すればよい。
【0061】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生
じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0062】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0063】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0064】
2A 可搬型電子装置
2B 移動体
10 コンピュータ
11 CPU
12 主記憶部
13 外部記憶部
14 表示部
15 操作部
16 通信部
21 DCM
22 ECU
101、102 情報システム