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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、車両及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240806BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20240806BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240806BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20240806BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20240806BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20240806BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20240806BHJP
【FI】
H02J7/00 302B
H02J7/00 P
H02J13/00 311A
H02J7/34 G
B60L55/00
B60L58/10
B60L53/66
B60L53/14
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021146444
(22)【出願日】2021-09-08
(65)【公開番号】P2023039322
(43)【公開日】2023-03-20
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田畑 満弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幹
(72)【発明者】
【氏名】曲田 尚史
(72)【発明者】
【氏名】東 裕子
(72)【発明者】
【氏名】立石 崇晴
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-182925(JP,A)
【文献】特開2013-099077(JP,A)
【文献】特開2013-130963(JP,A)
【文献】特開2021-092146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 13/00
H02J 7/34
B60L 55/00
B60L 58/10
B60L 53/66
B60L 53/14
G16Y 10/40
G16Y 40/10
G06Q 30/00
G06Q 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子機器が電気的に接続されている給電対象に対する電力の供給を要求する給電要求情報を取得した場合に、外部に電力を供給する給電装置を有する車両から、前記給電要求情報に基づいて、前記複数の電子機器から電力を供給する前記電子機器を選択するように構成されるプロセッサを備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記給電要求情報は、予めユーザが設定した各電子機器に対する給電の優先度を含み、
前記プロセッサは、前記優先度が閾値以上の前記電子機器を選択する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記給電要求情報は、前記給電装置から電力を供給する前記電子機器を、ユーザが入力により選択した選択情報を含み、
前記プロセッサは、前記選択情報に応じて、前記給電装置から電力を供給する前記電子機器を選択する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記給電要求情報は、前記電子機器の特性を表す特性情報を含み、
前記プロセッサは、前記特性情報が、常時電力を必要とすることを示す前記電子機器を選択する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記給電要求情報は、前記電子機器の特性を表す特性情報を含み、
前記プロセッサは、前記特性情報が、災害時に必要な機能を有することを示す前記電子機器を選択する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記車両は、前記給電対象から受電して蓄電可能であり、かつ前記給電対象に給電可能な車載バッテリを備え、
前記プロセッサは、前記給電対象からの受電と、前記給電対象への給電とを制御する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記給電対象に対する電力の供給が停止したことを表す停電情報を取得した場合、前記給電装置から前記給電対象への給電を開始させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
外部に電力を供給する給電装置と、
複数の電子機器が電気的に接続されている給電対象に対する電力の供給を要求する給電要求情報を取得した場合に、前記給電要求情報に基づいて、前記複数の電子機器から電力を供給する前記電子機器を選択するように構成されるプロセッサと、
を備える、
車両。
【請求項9】
前記給電要求情報は、予めユーザが設定した各電子機器に対する給電の優先度を含み、
前記プロセッサは、前記優先度が閾値以上の前記電子機器を選択する、
請求項8に記載の車両。
【請求項10】
前記給電要求情報は、前記給電装置から電力を供給する前記電子機器を、ユーザが入力により選択した選択情報を含み、
前記プロセッサは、前記選択情報に応じて、前記給電装置から電力を供給する前記電子機器を選択する、
請求項8又は請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記給電要求情報は、前記電子機器の特性を表す特性情報を含み、
前記プロセッサは、前記特性情報が、常時電力を必要とすることを示す前記電子機器を選択する、
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の車両。
【請求項12】
前記給電要求情報は、前記電子機器の特性を表す特性情報を含み、
前記プロセッサは、前記特性情報が、災害時に必要な機能を有することを示す前記電子機器を選択する、
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の車両。
【請求項13】
前記給電対象から受電して蓄電可能であり、かつ前記給電対象に給電可能な車載バッテリを備え、
前記プロセッサは、前記給電対象からの受電と、前記給電対象への給電とを制御する、
請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の車両。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記給電対象に対する電力の供給が停止したことを表す停電情報を取得した場合、前記給電装置から前記給電対象への給電を開始させる、
請求項13に記載の車両。
【請求項15】
複数の電子機器が電気的に接続されている給電対象に対する電力の供給を要求する給電要求情報を取得した場合に、
プロセッサに、
外部に電力を供給する給電装置を有する車両から、前記給電要求情報に基づいて、前記複数の電子機器から電力を供給する前記電子機器を選択する、
ことを実行させるプログラム。
【請求項16】
前記給電要求情報は、予めユーザが設定した各電子機器に対する給電の優先度を含み、
前記プロセッサに、
前記優先度が閾値以上の前記電子機器を選択する、
ことを実行させる請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記給電要求情報は、前記給電装置から電力を供給する前記電子機器を、ユーザが入力により選択した選択情報を含み、
前記プロセッサに、
前記選択情報に応じて、前記給電装置から電力を供給する前記電子機器を選択する、
ことを実行させる請求項15又は請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記給電要求情報は、前記電子機器の特性を表す特性情報を含み、
前記プロセッサに、
前記特性情報が、常時電力を必要とすることを示す前記電子機器を選択する、
ことを実行させる請求項15から請求項17のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項19】
前記給電要求情報は、前記電子機器の特性を表す特性情報を含み、
前記プロセッサに、
前記特性情報が、災害時に必要な機能を有することを示す前記電子機器を選択する、
ことを実行させる請求項15から請求項17のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項20】
前記車両は、前記給電対象から受電して蓄電可能であり、かつ前記給電対象に給電可能な車載バッテリを備え、
前記プロセッサに、
前記給電対象からの受電と、前記給電対象への給電とを制御する、
ことを実行させる請求項15から請求項19のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、車両及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バックアップ電池からセキュリティ機能の動作時間を延長するように電力を供給する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-79957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両から住宅等の給電対象に給電する場合、住宅の電気回線には、各種家電等の機能が異なる複数の電子機器が電気的に接続されている。そのため、車両から住宅等の給電対象に給電する際に、複数の電子機器に対して適切な態様で電力を供給する技術が求められていた。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、車両から給電対象に給電する際に、給電対象に電気的に接続された複数の電子機器に対して適切な態様で電力を供給することができる情報処理装置、車両及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る情報処理装置は、外部に電力を供給する給電装置を有する車両から、複数の電子機器が電気的に接続されている給電対象に対する電力の供給を要求する給電要求情報を取得した場合に、前記給電要求情報に基づいて、前記複数の電子機器から電力を供給する前記電子機器を選択するように構成されるプロセッサを備える。
【0007】
本開示に係る車両は、外部に電力を供給する給電装置と、複数の電子機器が電気的に接続されている給電対象に対する電力の供給を要求する給電要求情報を取得した場合に、前記給電要求情報に基づいて、前記複数の電子機器から電力を供給する前記電子機器を選択するように構成されるプロセッサと、を備える。
【0008】
本開示に係るプログラムは、プロセッサに、外部に電力を供給する給電装置を有する車両から、複数の電子機器が電気的に接続されている給電対象に対する電力の供給を要求する給電要求情報を取得した場合に、前記給電要求情報に基づいて、前記複数の電子機器から電力を供給する前記電子機器を選択することを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、車両から給電対象に給電する際に、給電対象に電気的に接続された複数の電子機器に対して適切な態様で電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置を含む給電システムの構成を概略的に示す図である。
図2図2は、車両と対象施設とをコネクタにより接続する様子を概略的に示す図である。
図3図3は、サーバの概略構成を示した図である。
図4図4は、車両制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態に係る情報処理装置、車両及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。なお、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
(実施形態)
実施形態に係る車両を含む給電システムについて、図1図3を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置を含む給電システムの構成を概略的に示す図である。図1に示すように、給電システム1は、車両10と、対象施設20と、サーバ30と、を備えている。給電システム1は、例えば、車両10から対象施設20への給電をサーバ30が補助する。
【0013】
車両10、対象施設20、及び、サーバ30は、ネットワークNWを通じて相互に通信可能に構成されている。このネットワークNWは、例えば、インターネット等の公衆通信網であって、WAN(Wide Area Network)、電話通信網、及び、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信網等のその他の通信網を含んでもよい。
【0014】
また、例えば、車両10と対象施設20との通信は、ネットワークNWを介して行うことに限定されるものではなく、ネットワークNWを介さずに車両10と対象施設20との間で、相互に直接通信を行えるようにしてもよい。これにより、災害時にネットワークNWが使用できない場合であっても、車両10から対象施設20に給電することができる。
【0015】
車両10は、少なくとも与えられた走行指令に従って自律走行可能に構成された自律走行車両である。車両10は、ガソリン、水素等の燃料によってエンジンを駆動させて生成した電力の一部、又は給電装置に蓄電した電力の一部を外部に給電することが可能である。具体的には、車両10は、給電可能なガソリン車、ハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プライグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又は燃料電池車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)等である。
【0016】
対象施設20は、車両10が給電する対象となっている住宅等の給電対象となる施設である。対象施設20の電気回線には、防犯カメラ等のセキュリティ機器や冷蔵庫や炊飯器等の各種家電を含む複数の電子機器が電気的に接続されている。
【0017】
図2は、車両と対象施設とをコネクタにより接続する様子を概略的に示す図である。車両10は、情報処理装置としての車両制御装置11と、通信装置12と、記憶装置13と、操作・表示部14と、給電装置15と、車載バッテリ16とを備えている。
【0018】
車両制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、及び、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等からなるプロセッサと、RAM(Random Access Memory)、及び、ROM(Read Only Memory)等からなるメモリと、を備えている。車両制御装置11は、記憶装置13に格納されたプログラムをメモリの作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等を制御することにより、所定の目的に合致した機能を実現する。
【0019】
車両制御装置11は、対象施設20に対する電力の供給を要求する給電要求情報を取得した場合に、給電要求情報に基づいて、電子機器201、202、・・・から電力を供給する電子機器を選択する。給電要求情報は、例えば予めユーザが設定した各電子機器に対する給電の優先度を含む。優先度は、例えば優先して給電する度合いを表す数値であり、数値が大きいほど優先的に給電される対象となる。なお、優先度は、予めユーザが設定し、記憶装置23に記憶されている。そして、車両制御装置11は、記憶装置23から優先度を取得し、優先度が閾値以上の電子機器を選択する。また、車両制御装置11は、対象施設20からの受電と、対象施設20への給電とを制御する。例えば、車両制御装置11は、対象施設20に対する電力の供給が停止したことを表す停電情報を取得した場合、給電装置15から対象施設20への給電を開始させてもよい。停電情報は、停電を検知した施設制御装置21から車両制御装置11に出力される。これにより、停電時に防犯カメラ等のセキュリティ面での重要性が高い電子機器の機能を維持することができる。
【0020】
通信装置12は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、及び、無線通信のための無線通信回路等から構成される。通信装置12は、公衆通信網であるインターネット等のネットワークNWに接続されている。そして、通信装置12は、ネットワークNWに接続することにより、対象施設20及びサーバ30との間で通信を行う。
【0021】
記憶装置13は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)、及び、リムーバブルメディア等の記録媒体から構成される。リムーバブルメディアとしては、例えば、光ディスク(CD(Compact Disc)-R又はCD-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-R又はDVD-ROM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等)、フラッシュメモリ(USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード等)等の記録媒体が挙げられる。記憶装置13には、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、各種プログラム、各種テーブル、及び、各種データベース等が格納可能である。
【0022】
操作・表示部14は、例えばタッチパネルディスプレイにより構成されており、ユーザの指等による操作を受け付ける入力機能と、車両制御装置11の制御に基づいて各種情報を表示する表示機能と、を有している。操作・表示部14は、例えばカーナビゲーションシステムのタッチパネルディスプレイである。
【0023】
給電装置15は、車両10の外部に電力を供給する。給電装置15は、例えばコネクタ40の接続部が接続されるインレットであり、コネクタ40を介して受電装置24に接触式で給電する。また、給電装置15は、送電コイルと受電コイルとを近接させ、送電コイル及び受電コイルを介して受電装置24に非接触で給電してもよい。
【0024】
車載バッテリ16は、対象施設20から受電して蓄電可能であり、かつ対象施設20に給電可能である。また、車載バッテリ16は、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池からなり、車両10のモータやインバータなどからなる駆動装置に電力を供給する。また、車載バッテリ16は、駆動したエンジンの動力により、充電可能な構成であってもよい。なお、車両10が、ガソリン車の場合、車載バッテリ16を有しない構成であってもよい。
【0025】
対象施設20は、施設制御装置21と、通信装置22と、記憶装置23と、受電装置24と、蓄電装置25と、を備えている。なお、施設制御装置21、通信装置22、及び、記憶装置23の物理的な構成は、例えば、車両10が備える、車両制御装置11、通信装置12、及び、記憶装置13と同様である。また、対象施設20には、複数の電子機器201、202、・・・が電気的に接続されている。
【0026】
受電装置24は、給電装置15からの電力を、コネクタ40を介して受電する。受電装置24は、コネクタ40に接続されるコンセント等の接続部を有する。なお、対象施設20が蓄電装置25を有しない場合、受電装置24は、電子機器201、202、・・・に直接電力を供給してもよい。
【0027】
蓄電装置25は、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池からなり、対象施設20にて使用する電力を蓄える。蓄電装置25は、電子機器201、202、・・・に電力を供給する。
【0028】
電子機器201は、防犯カメラ等のセキュリティ機器や冷蔵庫や炊飯器等の各種家電であり、対象施設20に電気的に接続されている。他の電子機器202、・・・も同様に、セキュリティ機器や各種家電であり、対象施設20に電気的に接続されている。
【0029】
コネクタ40は、車両10の給電装置15と対象施設20の受電装置24とを接続する。コネクタ40は、給電装置15のインレットに接続される接続部と、受電装置24のコンセントが接続されるコンセント差込口とを有する。
【0030】
図3は、サーバの概略構成を示した図である。サーバ30は、サーバ制御装置31と、通信装置32と、記憶装置33と、を備えている。サーバ制御装置31、通信装置32、及び記憶装置33の物理的な構成は、例えば、車両10が備える、車両制御装置11、通信装置12、及び、記憶装置13と同様である。
【0031】
次に、車両制御装置11が実行する処理について説明する。図4は、車両制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。なお、記憶装置23には、給電要求情報として、予めユーザが設定した電子機器201、202、・・・に対する給電の優先度が記憶されている。ユーザは、災害等による停電時に、セキュリティを維持する観点から常時給電することが好ましい防犯カメラ等のセキュリティ機器の優先度を高く設定する。また、ユーザは、災害等による停電時に、生活利便性を維持する観点から常時給電することが好ましい冷蔵庫等の家電製品の優先度を高く設定する。
【0032】
まず、車両制御装置11は、給電装置15にコネクタ40を介して対象施設20が接続されたか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、車両制御装置11は、給電装置15に対象施設20が電気的に接続されたことを示す信号を検出したか否かを判定する。車両制御装置11が、給電装置15に対象施設20が接続されていないと判定した場合(ステップS1:No)、ステップS1の処理を繰り返し実行する。
【0033】
車両制御装置11が、給電装置15に対象施設20が接続されたと判定した場合(ステップS1:Yes)、車両制御装置11は、対象施設20から車載バッテリ16に対する蓄電を開始する(ステップS2)。
【0034】
その後、車両制御装置11は、停電情報及び給電要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS3)。施設制御装置21は、対象施設20に対する電力の供給が停止したことを検知した場合、停電情報及び給電要求情報を車両制御装置11に出力する。車両制御装置11が、停電情報及び給電要求情報を取得していないと判定した場合(ステップS3:No)、ステップS2の処理を継続する。
【0035】
車両制御装置11が、停電情報及び給電要求情報を取得したと判定した場合(ステップS3:Yes)、車両制御装置11は、施設制御装置21から取得した給電要求情報に応じて電子機器201、202、・・・から電力を供給する電子機器を選択する(ステップS4)。具体的には、車両制御装置11は、優先度が閾値以上の電子機器を選択する。例えば、車両制御装置11は、優先度が高い防犯カメラや冷蔵庫を、電力を供給する電子機器に選択する。
【0036】
その後、車両制御装置11は、選択した電子機器の情報を対象施設20に出力する(ステップS5)。すると、対象施設20の施設制御装置21は、蓄電装置25を制御し、電子機器201、202、・・・の中から、選択された電子機器に給電する。例えば、施設制御装置21は、車両制御装置11が選択した防犯カメラや冷蔵庫に給電する。そして、車両制御装置11は、一連の処理を終了する。
【0037】
以上説明した実施形態に係る車両制御装置11によれば、車両制御装置11が、給電要求情報に応じて電子機器201、202、・・・から電力を供給する電子機器を選択する。その結果、電子機器201、202、・・・に対して適切な態様で電力を供給することができる。さらに、車両制御装置11が、優先度が閾値以上の電子機器を選択する。その結果、優先度に基づいて電子機器に対して適切な態様で電力を供給することができる。具体的には、対象施設20が災害等により停電となった場合に、セキュリティを維持するために重要性が高い防犯カメラや生活利便性を維持するために重要性が高い冷蔵庫等の電子機器に長時間電力を供給することができる。
【0038】
また、給電要求情報は、給電装置15から電力を供給する電子機器を、ユーザが入力により選択した選択情報を含んでいてもよい。具体的には、車両制御装置11は、操作・表示部14に電力を供給する電子機器を選択する選択画面を表示させ、操作・表示部14に対する操作入力に基づく選択情報を取得する。このとき、車両制御装置11は、選択情報に応じて、給電装置15から電力を供給する電子機器を選択すればよい。なお、車両制御装置11は、電力を供給する電子機器を選択する選択画面をユーザが所持するスマートフォン等の端末に表示させてもよい。
【0039】
また、給電要求情報は、電子機器の特性を表す特性情報を含んでいてもよい。施設制御装置21は、有線又は無線の通信により、電子機器201、202、・・・の特性情報を取得する。特性情報は、例えば各電子機器が常時電力を必要とするか否かを示す情報である。この場合、車両制御装置11は、特性情報が、常時電力を必要とすることを示す電子機器を選択する。その結果、停電時に防犯カメラや冷蔵庫等の常時電力を必要とする電子機器に電力を供給することができる。また、特性情報は、例えば各電子機器の機能が災害時に必要な機能であるか否かを示す情報である。この場合、車両制御装置11は、特性情報が、災害時に必要な機能を有することを示す電子機器を選択する。その結果、災害時にセキュリティ面で必要となる防犯カメラや災害時に食料を保存するために必要となる冷蔵庫等の電子機器に電力を供給することができる。
【0040】
なお、車両10がエンジンを駆動して車載バッテリ16に蓄電することができる車両である場合、車両制御装置11は、対象施設20に対する給電により車載バッテリ16の残容量が閾値以下となったことをユーザに通知してもよい。車両制御装置11は、ユーザの指示入力に応じて、エンジンを駆動させて給電用の電力を発生させることにより、車載バッテリ16に蓄電、又は対象施設20に電力を供給することができる。
【0041】
なお、コネクタ40が、CPU等からなるプロセッサと、RAM及びROM等からなるメモリと、を備えている場合、コネクタ40が、情報処理装置の機能を有してもよい。具体的にはコネクタ40が、対象施設20に対する電力の供給を要求する給電要求情報を取得した場合に、その給電要求情報に基づいて、電子機器201、202、・・・から電力を供給する電子機器を選択してもよい。
【0042】
また、施設制御装置21又はサーバ制御装置31が情報処理装置の機能を有してもよい。例えば、施設制御装置21又はサーバ制御装置31が、ネットワークNWなどを介して、対象施設20に対する電力の供給を要求する給電要求情報を取得した場合に、その給電要求情報に基づいて、電子機器201、202、・・・から電力を供給する電子機器を選択してもよい。
【0043】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本開示のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細及び代表的な実施の形態に限定されるものではない。したがって、添付のクレーム及びその均等物によって定義される総括的な開示の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 給電システム
10 車両
11 車両制御装置
12 通信装置
13 記憶装置
14 操作・表示部
15 給電装置
16 車載バッテリ
20 対象施設
21 施設制御装置
22 通信装置
23 記憶装置
24 受電装置
25 蓄電装置
30 サーバ
31 サーバ制御装置
32 通信装置
33 記憶装置
40 コネクタ
201、202 電子機器
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4