(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】電動垂直離着陸機の制御装置およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B64D 45/00 20060101AFI20240806BHJP
B64C 27/24 20060101ALI20240806BHJP
B64C 27/26 20060101ALI20240806BHJP
B64U 20/30 20230101ALI20240806BHJP
B64U 30/10 20230101ALI20240806BHJP
B64U 30/294 20230101ALI20240806BHJP
B64U 50/19 20230101ALI20240806BHJP
B64U 50/23 20230101ALI20240806BHJP
G05D 1/46 20240101ALI20240806BHJP
【FI】
B64D45/00 A
B64C27/24
B64C27/26
B64U20/30
B64U30/10
B64U30/294
B64U50/19
B64U50/23
G05D1/46
(21)【出願番号】P 2021208996
(22)【出願日】2021-12-23
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹村 優一
(72)【発明者】
【氏名】川北 晋一郎
(72)【発明者】
【氏名】中田 真吾
(72)【発明者】
【氏名】福士 正人
【審査官】大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0336806(US,A1)
【文献】特表2020-513122(JP,A)
【文献】特開2021-160437(JP,A)
【文献】特開2019-184357(JP,A)
【文献】特開2020-147141(JP,A)
【文献】国際公開第2019/146577(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0226559(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 45/00
B64C 27/26
G05D 1/46
B64C 27/24
B64U 20/30
B64U 30/10
B64U 30/294
B64U 50/19
B64U 50/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動垂直離着陸機(100)の制御装置(50)であって、
前記電動垂直離着陸機が備える磁場センサ(70)により検出された磁場の強さが予め設定された閾値以上である場合に、前記電動垂直離着陸機または他の前記電動垂直離着陸機が前記磁場に応じた飛行を行うための予め定められた対応処理を実行
し、
前記磁場の強さが前記閾値以上である場合かつ、前記電動垂直離着陸機が備える電動推進装置(10)の制御に用いられるセンサであって、前記電動推進装置の出力に関連するパラメータの値を検出するセンサである制御センサの検出値が予め設定された範囲外である場合に、前記対応処理として、前記磁場による異常の発生を通知することを実行する、
制御装置。
【請求項2】
電動垂直離着陸機(100)の制御装置(50)であって、
前記電動垂直離着陸機が備える磁場センサ(70)により検出された磁場の強さが予め設定された閾値以上である場合に、前記電動垂直離着陸機または他の前記電動垂直離着陸機が前記磁場に応じた飛行を行うための予め定められた対応処理を実行し、
前記磁場の強さが前記閾値以上である場合かつ、前記電動垂直離着陸機が備える電動推進装置の制御に用いられるセンサであって、前記電動推進装置の出力に関連するパラメータの値を検出するセンサである制御センサの検出値が予め設定された範囲外である場合に、前記対応処理として、
複数の前記電動推進装置のうち、前記磁場による異常が発生していない前記電動推進装置を用いて飛行を継続する処理と、
着陸可能地点を検索し、前記着陸可能地点に前記電動垂直離着陸機を着陸させる処理と、のうち少なくともいずれかを含む処理を実行する、
制御装置。
【請求項3】
請求項
1または請求項2に記載の制御装置であって、
前記対応処理は、前記閾値以上の強さの前記磁場を検出した座標を少なくとも含む磁場関連情報を、通知する処理を含む、
制御装置。
【請求項4】
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の制御装置であって、
前記対応処理は、航空管制室からの指示を受けて前記電動垂直離着陸機の制御を実行する処理を含む、
制御装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の制御装置であって、
前記対応処理は、
前記磁場に応じて飛行ルートを再計算する処理と、
再計算されて得られた新規飛行ルートの情報を、前記閾値以上の強さの前記磁場を検出した座標を少なくとも含む磁場関連情報とともに前記航空管制室に発信する処理と、
前記新規飛行ルートへの変更の許可を前記航空管制室から受信したのちに、前記飛行ルートを前記新規飛行ルートへ変更する処理と、を含む、
制御装置。
【請求項6】
電動垂直離着陸機の制御装置であって、
前記電動垂直離着陸機が備える電動推進装置の制御センサの検出値と平常時の前記制御センサの検出値として予め設定されている基準値との差分の大きさが予め設定された第1閾値以上である場合に、前記電動垂直離着陸機または他の前記電動垂直離着陸機が、前記差分の原因となりうる強さの磁場に応じた飛行を行うための予め定められた対応処理を実行する、
制御装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の制御装置であって、
前記差分の大きさが前記第1閾値以上であると判定された場合に、前記差分の大きさが、前記第1閾値以上の第2閾値以上であるか否かを判定し、前記判定の結果に応じて、前記対応処理として互いに異なる処理を実行する、
制御装置。
【請求項8】
電動垂直離着陸機(100)を制御するためのコンピュータプログラムであって、
前記電動垂直離着陸機が備える磁場センサ(70)により検出された磁場の強さが予め設定された閾値以上である場合に、前記電動垂直離着陸機または他の前記電動垂直離着陸機が前記磁場に応じた飛行を行うための予め定められた対応処理を実行し、
前記磁場の強さが前記閾値以上である場合かつ、前記電動垂直離着陸機が備える電動推進装置(10)の制御に用いられるセンサであって、前記電動推進装置の出力に関連するパラメータの値を検出するセンサである制御センサの検出値が予め設定された範囲外である場合に、前記対応処理として、前記磁場による異常の発生を通知することを実行する機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項9】
電動垂直離着陸機(100)を制御するためのコンピュータプログラムであって、
前記電動垂直離着陸機が備える磁場センサ(70)により検出された磁場の強さが予め設定された閾値以上である場合に、前記電動垂直離着陸機または他の前記電動垂直離着陸機が前記磁場に応じた飛行を行うための予め定められた対応処理を実行し、
前記磁場の強さが前記閾値以上である場合かつ、前記電動垂直離着陸機が備える電動推進装置の制御に用いられるセンサであって、前記電動推進装置の出力に関連するパラメータの値を検出するセンサである制御センサの検出値が予め設定された範囲外である場合に、前記対応処理として、
複数の前記電動推進装置のうち、前記磁場による異常が発生していない前記電動推進装置を用いて飛行を継続する処理と、
着陸可能地点を検索し、前記着陸可能地点に前記電動垂直離着陸機を着陸させる処理と、のうち少なくともいずれかを含む処理を実行する機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動垂直離着陸機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガスタービンエンジンを有する飛行機とは異なる種類の航空機として、電動垂直離着陸機(eVTOL:electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)と呼ばれる有人または無人の航空機の開発が活発化している。電動垂直離着陸機は、モータを有する電動推進装置を複数備え、複数のモータによって複数の回転翼が回転駆動されることで、機体の揚力や推力を得ている。複数の電動推進装置は、電動推進装置の出力に関する値を検出するセンサや回路をそれぞれ備えているため、電動垂直離着陸機は、従来の航空機より磁場や電場の影響を受けやすい。特許文献1には、航空機における落雷検出用の電子回路が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の落雷検出回路は、航空機において落雷があったことを検出しパイロット等への警告を行うが、電動推進装置は従来の航空機より磁場や電場の影響を受けやすいため、強い磁場や電場が発生する環境は回避した方がより安全である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
[形態1]電動垂直離着陸機(100)の制御装置(50)であって、前記電動垂直離着陸機が備える磁場センサ(70)により検出された磁場の強さが予め設定された閾値以上である場合に、前記電動垂直離着陸機または他の前記電動垂直離着陸機が前記磁場に応じた飛行を行うための予め定められた対応処理を実行し、前記磁場の強さが前記閾値以上である場合かつ、前記電動垂直離着陸機が備える電動推進装置(10)の制御に用いられるセンサであって、前記電動推進装置の出力に関連するパラメータの値を検出するセンサである制御センサの検出値が予め設定された範囲外である場合に、前記対応処理として、前記磁場による異常の発生を通知することを実行する、制御装置。
[形態2]電動垂直離着陸機(100)の制御装置(50)であって、前記電動垂直離着陸機が備える磁場センサ(70)により検出された磁場の強さが予め設定された閾値以上である場合に、前記電動垂直離着陸機または他の前記電動垂直離着陸機が前記磁場に応じた飛行を行うための予め定められた対応処理を実行し、前記磁場の強さが前記閾値以上である場合かつ、前記電動垂直離着陸機が備える電動推進装置の制御に用いられるセンサであって、前記電動推進装置の出力に関連するパラメータの値を検出するセンサである制御センサの検出値が予め設定された範囲外である場合に、前記対応処理として、複数の前記電動推進装置のうち、前記磁場による異常が発生していない前記電動推進装置を用いて飛行を継続する処理と、着陸可能地点を検索し、前記着陸可能地点に前記電動垂直離着陸機を着陸させる処理と、のうち少なくともいずれかを含む処理を実行する、制御装置。
【0006】
本開示の一形態によれば、電動垂直離着陸機(100)の制御装置(50)が提供される。この制御装置は、電動垂直離着陸機の制御装置であって、前記電動垂直離着陸機が備える磁場センサ(70)により検出された磁場の強さが予め設定された閾値以上である場合に、前記電動垂直離着陸機または他の前記電動垂直離着陸機が前記磁場に応じた飛行を行うための予め定められた対応処理を実行する。
この形態の制御装置によれば、磁場センサにより検出された磁場に応じて電動垂直離着陸機の制御を実行するため、強い磁場や電場が発生する環境を回避しやすくなり、電動垂直離着陸機の飛行安定性の低下を抑制できる。
【0007】
本開示は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、制御装置を備える電動垂直離着陸機、電動垂直離着陸機の制御方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】制御装置を搭載した電動垂直離着陸機の構成を模式的に示す上面図である。
【
図2】電動垂直離着陸機の構成を模式的に示す側面図である。
【
図3】電動垂直離着陸機の構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態の制御装置における処理の手順を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態の制御装置における処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】第2実施形態の制御装置において制御センサの検出値が正常範囲外である場合の処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】第3実施形態の制御装置における処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】第3実施形態の制御装置において航空管制室が飛行ルートの変更を許可しない場合の処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】第4実施形態の制御装置における処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】第5実施形態の制御装置における処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
A-1.装置構成:
図1および
図2に示すように、本開示の一実施形態としての制御装置50は、電動垂直離着陸機100(以下、「eVTOL(electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)100」とも呼ぶ)に搭載されて、eVTOL100の動作を制御する。
【0010】
eVTOL100は、電気により駆動され、鉛直方向に離着陸可能な有人航空機として構成されている。eVTOL100は、制御装置50に加えて、機体20と、複数のロータ30と、複数の電動推進装置10と、
図3に示すバッテリ40と、コンバータ42と、分配器44と、機体通信部64と、報知部66と、磁場センサ70とを備えている。
図1に示すように、本実施形態のeVTOL100は、ロータ30と電動推進装置10とをそれぞれ8つずつ備えている。なお、
図3では、図示の便宜上、eVTOL100が備える8つのロータ30および電動推進装置10のうち、2つのロータ30および電動推進装置10を代表して示している。
【0011】
図1および
図2に示すように、機体20は、eVTOL100において8つのロータ30および電動推進装置10を除いた部分に相当する。機体20は、機体本体部21と、支柱部22と、6つの第1支持部23と、6つの第2支持部24と、主翼25と、尾翼28とを備える。
【0012】
機体本体部21は、eVTOL100の胴体部分を構成する。機体本体部21は、機体軸AXを対称軸として左右対称の構成を有する。本実施形態において、「機体軸AX」とは、機体重心位置CMを通り、eVTOL100の前後方向に沿った軸を意味している。また、「機体重心位置CM」とは、乗員が搭乗していない空虚重量時におけるeVTOL100の重心位置を意味している。機体本体部21の内部には、図示しない乗員室が形成されている。また、機体本体部21には、加速度センサ29が搭載されている。加速度センサ29は、三軸センサにより構成され、eVTOL100の加速度を検出する。加速度センサ29による検出結果は、制御装置50へと出力される。
【0013】
支柱部22は、鉛直方向に延びる略柱状の外観形状を有し、機体本体部21の上部に固定されている。本実施形態において、支柱部22は、鉛直方向に見てeVTOL100の機体重心位置CMと重なる位置に配置されている。支柱部22の上端部には、6つの第1支持部23の一方の端部がそれぞれ固定されている。6つの第1支持部23は、それぞれ略棒状の外観形状を有し、鉛直方向に垂直な面に沿って延びるように、互いに等角度間隔で放射状に配置されている。各第1支持部23の他方の端部、すなわち支柱部22から遠ざかる位置にある端部には、それぞれロータ30と電動推進装置10とが配置されている。6つの第2支持部24は、それぞれ略棒状の外観形状を有し、互いに隣り合う第1支持部23の他方の端部(支柱部22と接続されていない側の端部)同士を接続している。
【0014】
主翼25は、右翼26と左翼27とにより構成されている。右翼26は、機体本体部21から右方向に延びて形成されている。左翼27は、機体本体部21から左方向に延びて形成されている。右翼26と左翼27とには、それぞれロータ30と電動推進装置10とが1つずつ配置されている。尾翼28は、機体本体部21の後端部に形成されている。
【0015】
8つのロータ30のうちの6つは、各第2支持部24の端部に配置され、主に機体20の揚力を得るためのリフト用ロータ31として構成されている。8つのロータ30のうちの2つは、右翼26と左翼27とにそれぞれ配置され、主に機体20の推力を得るためのクルーズ用ロータ32として構成されている。各ロータ30は、それぞれの回転軸を中心として、互いに独立して回転駆動される。各ロータ30は、互いに等角度間隔で配置された3つのブレード33をそれぞれ有する。本実施形態において、各ロータ30のブレード角は、それぞれ可変に構成されている。具体的には、制御装置50からの指示に従い図示しないアクチュエータによってブレード角が調整される。
図3に示すように、各ロータ30には、回転数センサ34と、トルクセンサ35とがそれぞれ設けられている。回転数センサ34は、ロータ30の回転数を検出する。トルクセンサ35は、ロータ30の回転トルクを検出する。各センサ34、35による検出結果は、制御装置50へと出力される。
【0016】
図1に示す8つの電動推進装置10は、各ロータ30をそれぞれ回転駆動させるための駆動装置として構成されている。8つの電動推進装置10のうちの6つは、それぞれリフト用ロータ31を回転駆動させる。8つの電動推進装置10のうちの2つは、それぞれクルーズ用ロータ32を回転駆動させる。
【0017】
図3に示すように、各電動推進装置10は、駆動部11と、駆動用モータ12と、ギアボックス13と、回転数センサ14と、電流センサ15と、電圧センサ16と、トルクセンサ17とを有する。以下、電動推進装置10が備え、10の出力に関連するパラメータの値を検出するセンサを総称して、「制御センサ」とも呼ぶ。
【0018】
駆動部11は、図示しないインバータ回路と、かかるインバータ回路を制御する図示しないコントローラとを含む電子機器として構成されている。インバータ回路は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等のパワー素子により構成され、コントローラから供給される制御信号に応じたデューティ比により駆動用モータ12に駆動電圧を供給する。コントローラは、制御装置50と電気的に接続されており、制御装置50からの指令に応じてインバータ回路に制御信号を供給する。
【0019】
駆動用モータ12は、本実施形態ではブラシレスモータにより構成され、駆動部11のインバータ回路から供給される電圧および電流に応じた回転運動を出力する。なお、ブラシレスモータに代えて、誘導モータやリラクタンスモータ等の任意のモータにより構成されていてもよい。
【0020】
ギアボックス13は、駆動用モータ12とロータ30とを物理的に接続している。ギアボックス13は、図示しない複数のギアを有し、駆動用モータ12の回転を減速してロータ30へと伝達する。なお、ギアボックス13が省略されて駆動用モータ12にロータ30の回転軸が直接的に接続されていてもよい。
【0021】
回転数センサ14とトルクセンサ17とは、それぞれ駆動用モータ12に設けられており、駆動用モータ12の回転数と回転トルクとをそれぞれ検出する。電流センサ15と電圧センサ16とは、それぞれ駆動部11と駆動用モータ12との間に設けられており、駆動電流と駆動電圧とをそれぞれ検出する。各センサ14~17による検出結果は、駆動部11を介して制御装置50へと出力される。
【0022】
バッテリ40は、リチウムイオン電池により構成され、eVTOL100における電力供給源の1つとして機能する。バッテリ40は、主に、各電動推進装置10がそれぞれ有する駆動部11へと電力を供給して各駆動用モータ12を駆動させる。なお、リチウムイオン電池に代えて、ニッケル水素電池等の任意の二次電池により構成されていてもよく、バッテリ40に代えて、またはバッテリ40に加えて、燃料電池や発電機等の任意の電力供給源が搭載されていてもよい。
【0023】
コンバータ42は、バッテリ40と接続されており、バッテリ40の電圧を降圧してeVTOL100が備える図示しない補機類や制御装置50へと供給する。分配器44は、バッテリ40の電圧を各電動推進装置10が備える駆動部11へと分配する。なお、各電動推進装置10がバッテリ40等の電力供給源をそれぞれ備えることにより、分配器44が省略されてもよい。
【0024】
制御装置50は、記憶部51とCPU(Central Processing Unit)とを備えるマイクロコンピュータであり、ECU(Electronic Control Unit)として構成されている。記憶部51は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを有する。CPUは、記憶部51に予め記憶されている制御プログラムを実行することにより、eVTOL100の全体動作を制御する制御部52として機能する。
【0025】
eVTOL100の全体動作としては、例えば、垂直離着陸動作、飛行動作や、各電動推進装置10の機能試験の実行動作等が該当する。垂直離着陸動作および飛行動作は、設定された航空経路情報に基づいて実行されてもよく、乗員の操縦により実行されてもよく、後述する外部装置500が備える外部制御部510からの指令に基づいて実行されてもよい。制御部52は、eVTOL100の動作において、各電動推進装置10が有する駆動用モータ12の回転数および回転方向や、各ロータ30のブレード角等を制御する。
【0026】
機体通信部64は、無線通信を行なう機能を有し、外部装置500が備える外部通信部520とeVTOL100との間で情報の送受信を行なうとともに、制御装置50と通信可能に構成されている。無線通信としては、例えば、民間用VHF(Very High Frequency)無線通信や、4G(第4世代移動体通信システム)や5G(第5世代移動体通信システム)等の電気通信事業者が提供する無線通信や、IEEE802.11規格に従った無線LAN通信等が該当する。また、例えば、USB(Universal Serial Bus)や、IEEE802.3規格に従った有線通信であってもよい。なお、外部装置500としては、例えば、機能試験の制御や試験結果の記録等を行うサーバ装置等の管理および制御用のコンピュータが該当する。かかる管理・制御用コンピュータは、例えば、航空管制室に配置されているサーバ装置であってもよく、また、機能試験を含む保守や点検を行う保守作業員がeVTOL100の運用場所に持ち込んだパーソナルコンピュータであってもよい。
【0027】
報知部66は、制御装置50からの指示に従って報知を行う。本実施形態において、報知部66は、乗員室に搭載されて文字や画像等を表示する表示装置や、音声や警告音等を出力するスピーカ等により構成され、視覚情報や聴覚情報によって乗員に各種情報を報知する。
【0028】
磁場センサ70は、eVTOL100に設置され、磁場の強さの検出を行う。磁場センサ70は、制御センサよりも感度よく磁場を検出可能なセンサであることが好ましい。本実施形態においては、磁場センサ70は、機体20の下部に1つ設置されている。
【0029】
A-2.制御装置50による処理:
制御装置50は、
図4に示す処理を実行することにより、磁場センサ70により検出された磁場の強さが設定値以上の場合に、磁場に応じた対応処理を実行する。
図4に示す処理は、eVTOL100が起動されると、制御装置50において繰り返し実行される。対応処理とは、自らまたは他のeVTOL100が、設定値以上の強さの磁場に応じた飛行を行うための処理であり、予め定められている。
【0030】
ステップS110において、制御装置50は、磁場センサ70により検出された磁場の強さが、予め設定された閾値以上か否かの判定を行う。なお、閾値は、制御センサの検出値が正常範囲外となりうる磁場の強さとして、予め実験等により特定された値である。磁場の強さが閾値より小さい場合(ステップS110:No)、制御装置50は、本処理を終了する。磁場の強さが閾値以上の場合(ステップS110:Yes)、予め設定された待機時間の経過後、制御装置50は、制御センサの検出値が予め設定された正常範囲内であるか否かの判定を行う(ステップS120)。待機時間の経過後に制御センサの検出値が予め設定された正常範囲内であるか否かの判定を行うのは、制御センサの検出値の磁場による変化が瞬間的であればeVTOL100の制御への影響は少ないため、後述する異常発生情報の通知が必要ないからである。なお、待機時間は、eVTOL100の飛行状態によって異なる。例えば、本実施形態における水平飛行状態での待機時間は1秒程度であるが、垂直離着陸動作中にはより安定した制御が必要となるため、水平飛行状態よりも短い待機時間で制御センサの検出値が正常範囲内か否かを判定する必要がある。
【0031】
制御センサの検出値が予め設定された正常範囲内である場合(ステップS120:Yes)、制御装置50は、対応処理として、磁場関連情報のパイロットへの通知(ステップS130)および磁場関連情報の航空管制室への発信(ステップS140)を実行し、本処理を終了する。「磁場関連情報」とは、磁場に関する情報を意味する。磁場関連情報は、本実施形態においては、閾値以上の強さの磁場が検出された座標を少なくとも含む。磁場関連情報には、閾値以上の磁場が検出された時刻および検出された磁場の強さが含まれてもよい。パイロットは、磁場関連情報に基づいて、eVTOL100の制御を実行することができる。航空管制室は、磁場関連情報に基づいて、他の航空機に対して磁場に関する注意喚起等を行うことができる。
【0032】
これに対して、制御センサの検出値が予め設定された正常範囲外である場合(ステップS120:No)、制御装置50は、対応処理として、磁場関連情報および異常発生情報のパイロットへの通知(ステップS132)および磁場関連情報および異常発生情報の航空管制室への発信(ステップS142)を実行し、本処理を終了する。「異常発生情報」とは、磁場による異常に関する情報を意味する。「磁場による異常」とは、待機時間経過後にも制御センサの検出値の異常が継続し、eVTOL100の正常な制御が妨げられるおそれがある状況を意味する。異常発生情報は、本実施形態では、複数の電動推進装置10のうちどの電動推進装置10で磁場による異常が発生しているかという情報を少なくとも含む。異常発生情報には、電動推進装置10で異常が発生した時刻が含まれてもよい。パイロットは、磁場関連情報および異常発生情報に基づいて、eVTOL100の制御を実行することができる。航空管制室は、磁場関連情報および異常発生情報に基づいて、他の航空機に対して磁場に関する注意喚起等を行うことができる。
【0033】
以上説明した第1実施形態の制御装置50によれば、磁場センサ70により検出された磁場の強さが、予め設定された閾値以上である場合に、磁場関連情報のパイロットへの通知および航空管制室への発信を行う。加えて、制御センサの検出値が、予め設定された正常範囲外である場合には、磁場関連情報に加え、異常発生情報のパイロットへの通知および航空管制室への発信を行う。このため、磁場および磁場による異常に応じて、eVTOL100の飛行ルートの変更および緊急着陸等の制御を実行することができるので、強い磁場や電場が発生する環境を回避しやすくなり、eVTOL100の飛行安定性の低下を抑制できる。加えて、航空管制室を介して、他の航空機に対して磁場に関する注意喚起等を行うことができるため、他の航空機の飛行安定性の低下も抑制できる。
【0034】
B.第2実施形態:
第2実施形態のeVTOL100は、無人航空機として構成されている。第2実施形態の制御装置50は、
図5および
図6に示すように、磁場関連情報および異常発生情報を航空管制室に発信し、航空管制室からの指示を受信してeVTOL100の制御を実行する点において、第1実施形態の制御装置50と異なっている。第2実施形態のeVTOL100の装置構成および制御装置50による処理におけるその他の手順は、第1実施形態のeVTOL100と同じであるので、同一の構成および同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0035】
図5に示すように、制御装置50は、上述のステップS130において磁場関連情報を航空管制室に発信し、その後、航空管制室の指示を所定時間内に受信しない場合(ステップS240:No)、制御装置50は、航空管制室に対して指示を要請し(ステップS252)、再び航空管制室からの指示を待つ。航空管制室の指示を受信した場合(ステップS240:Yes)、制御装置50は、対応処理として、受信した指示に従ってeVTOL100の制御を実行し(ステップS250)、本処理を終了する。
【0036】
上述のステップS120において制御センサの検出値が予め設定された正常範囲外である場合には、
図6に示すように、制御装置50は、対応処理として、予め設定された、異常に応じた飛行モードに切り替えて(ステップS232)、eVTOL100の制御を実行する。本実施形態において、「異常に応じた飛行モード」とは、複数の電動推進装置10のうち、異常の発生した電動推進装置10を含む一部の電動推進装置10を停止して飛行を継続することと、着陸可能地点を検索しeVTOL100を着陸させることとのうち少なくともいずれかを実行するモードを意味する。
【0037】
ステップS242において、制御装置50は、磁場関連情報および異常発生情報に加えて、磁場による異常発生により異常に応じた飛行モードに切り替えたことを航空管制室へ発信する。
【0038】
航空管制室から指示を受信した場合(ステップS252:Yes)、制御装置50は、指示に従ってeVTOL100の制御を実行し(ステップS262)、本処理を終了する。
【0039】
これに対して、航空管制室から指示を受信しない場合(ステップS252:No)、制御装置50は、引き続き異常に応じた飛行モードによるeVTOL100の制御を継続し(ステップS264)、本処理を終了する。
【0040】
以上説明した第2実施形態の制御装置50によれば、第1実施形態の制御装置50と同様の効果を奏する。加えて、制御装置50は、航空管制室から指示を受けることにより、他のeVTOL100から航空管制室に発信された情報に基づいたより広範囲の磁場に関する情報に応じてeVTOL100の制御を実行できるため、強い磁場や電場が発生する環境をより回避しやすくなり、eVTOL100の飛行安定性の低下をより抑制できる。また、磁場による異常が発生した際には、異常に応じた飛行モードに移行して安全な飛行を維持するため、異常発生時におけるeVTOL100の安全性の低下を抑制できる。
【0041】
C.第3実施形態:
第3実施形態のeVTOL100は、無人航空機として構成されている。
図7および
図8に示すように、第3実施形態の制御装置50は、ステップS120の後にステップS330からステップS374の処理を行う点において、第2実施形態の制御装置50と異なっている。第3実施形態のeVTOL100の装置構成および制御装置50による処理におけるその他の手順は、第2実施形態のeVTOL100と同じであるので、同一の構成および同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0042】
上述のステップS120において制御センサの検出値が正常範囲内である場合、制御装置50は、対応処理として、磁場関連情報に基づいて飛行ルートの再計算を行う(ステップS330)。その後、制御装置50は、再計算により得られた新規飛行ルートについての情報を磁場関連情報とともに航空管制室へ発信し(ステップS340)、新規飛行ルートへの飛行ルート変更の許可を要請する。
【0043】
航空管制室が飛行ルート変更を許可した場合(ステップS350:Yes)、制御装置50は、飛行ルートを新規飛行ルートに変更し(ステップS360)、処理を終了する。
【0044】
これに対して、航空管制室から飛行ルート変更を許可しない場合(ステップS350:No)であって、
図8に示すように、航空管制室から指示を受信した場合(ステップS362:Yes)には、制御装置50は、対応処理として、航空管制室からの指示に従ってeVTOL100の制御を実行し(ステップS372)、本処理を終了する。航空管制室から指示を受信しない場合(ステップS362:No)には、制御装置50は、eVTOL100の制御を変更することなく(ステップS374)、本処理を終了する。
【0045】
以上説明した第3実施形態の制御装置50によれば、第2実施形態の制御装置50と同様の効果を奏する。加えて、制御装置50は、磁場に応じて再計算した新規飛行ルートを航空管制室に発信し、許可を得て飛行ルートを新規飛行ルートへ変更するため、強い磁場や電場が発生する環境をより回避しやすくなり、eVTOL100の飛行安定性の低下をより抑制できる。
【0046】
D.第4実施形態:
第4実施形態のeVTOL100は、無人航空機として構成されている。
図9に示すように、第4実施形態の制御装置50は、航空管制室からの指示のみに従って、eVTOL100の制御を実行する点において、第1実施形態の制御装置50と異なっている。第4実施形態のeVTOL100の装置構成および制御装置50による処理におけるその他の手順は、第1実施形態のeVTOL100と同じであるので、同一の構成および同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0047】
上述のステップS120において制御センサの検出値が正常範囲内である場合には、制御装置50は、上述のステップS140の処理を実行する。制御センサの検出値が正常範囲外である場合には、制御装置50は、上述のステップS142の処理を実行する。
【0048】
航空管制室への情報発信後、制御装置50は、上述のどちらの場合にも、対応処理として、
図8に示す上述のステップS362からステップS374の処理を実行し、本処理を終了する。
【0049】
以上説明した第4実施形態の制御装置50によれば、第1実施形態の制御装置50と同様の効果を奏する。加えて、制御装置50は、航空管制室からの指示のみに従ってeVTOL100の制御を実行するため、制御装置50における複雑な処理を必要とすることなく磁場および磁場による異常に応じた制御をすることができ、eVTOL100の飛行安定性の低下を抑制できる。
【0050】
E.第5実施形態:
第5実施形態の制御装置50は、磁場センサ70を備えずに、制御センサの検出値と基準値との差分の大きさを用いて磁場による異常発生の判定を行う点において、第1実施形態の制御装置50と異なっている。第5実施形態のeVTOL100の装置構成および制御装置50による処理におけるその他の手順は、第1実施形態のeVTOL100と同じであるので、同一の構成および同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0051】
図10に示すステップS510において、制御装置50は、制御センサの検出値と予め設定された基準値との差分の大きさを算出する。基準値は、平常時における制御センサの検出値として、予め記憶部51に設定されている。例えば制御センサが駆動用モータ12の回転数を検出する構成では、垂直離着陸モードや水平飛行モード等の飛行モードや飛行高度ごとに、平常時の駆動用モータ12の平均回転数が基準値として設定されてもよい。
【0052】
算出された差分の大きさが予め設定された第1閾値より小さい場合(ステップS515:No)、制御装置50は、本処理を終了する。算出された差分の大きさが予め設定された第1閾値以上である場合(ステップS515:Yes)、制御装置50は、前回の差分の大きさの算出から予め設定された待機時間の経過後に、再び制御センサの検出値と基準値との差分の大きさを算出する(ステップS520)。待機時間の経過後に再び制御センサの検出値と基準値との差分の大きさを算出するのは、制御センサの検出値の磁場による変化が瞬間的であればeVTOL100の制御への影響は少ないため、異常発生情報の通知が必要ないからである。
【0053】
再び算出された差分の大きさが予め設定された第2閾値以上である場合(ステップS525:Yes)、制御装置50は、対応処理として、上述のステップS132およびステップS142の処理を実行し、本処理を終了する。再び算出された差分の大きさが予め設定された第2閾値より小さい場合(ステップS525:No)、制御装置50は、対応処理として、上述のステップS130およびステップS140の処理を実行し、本処理を終了する。なお、本実施形態では、第2閾値は、第1閾値以上である。
【0054】
以上説明した第5実施形態の制御装置50によれば、第1実施形態の制御装置50と同様の効果を奏する。加えて、制御センサの出力値と基準値との差分の原因となりうる磁場の強さの判定に磁場センサ70を必要としないため、eVTOL100の製造コストを抑制できる。
【0055】
F.他の実施形態:
(F1)上記実施形態において、磁場センサ70は、機体20の下部に1つ設置されているが、本開示はこれに限定されない。磁場センサ70は、複数の電動推進装置10の内部に電動推進装置10ごとに設置されてもよい。かかる構成によれば、制御装置50は、磁場が発生している方向および電動推進装置10ごとの磁場の影響を検出し得る。
【0056】
(F2)上記実施形態において、制御装置50は、磁場関連情報および異常発生情報を航空管制室に発信するが、本開示はこれに限定されない。制御装置50は、付近を飛行中の航空機に対して、直接磁場関連情報および異常発生情報を発信してもよい。かかる構成によれば、航空管制室を介して他の航空機に対して磁場関連情報および異常発生情報を発信するよりも、短時間で他の航空機に対して磁場に関する注意喚起等を行うことができる。
【0057】
(F3)上記実施形態において、制御装置50は、磁場関連情報および異常発生情報を航空管制室に発信するが、本開示はこれに限定されない。制御装置50は、磁場関連情報および異常発生情報を記憶部51に記録してもよい。かかる構成によれば、磁場関連情報および異常発生情報を記憶部51に記録しておくことにより、着陸後のeVTOL100の点検に要する時間を短縮できる。
【0058】
(F4)上記実施形態において、制御装置50は、航空管制室から指示を受けてeVTOL100の制御を実行するが、本開示はこれに限定されない。制御装置50は、付近を飛行中の他の航空機から直接発信された注意喚起等に応じて、eVTOL100の制御を実行してもよい。
【0059】
(F5)上記実施形態において、パイロットは、磁場関連情報および異常発生情報に基づいて、eVTOL100の制御を実行することができるが、本開示はこれに限定されない。制御装置50は、磁場関連情報および異常発生情報に基づいて、予め設定された制御を強制的に実行してもよい。
【0060】
(F6)上記実施形態において、制御装置50は、検出された磁場の強さが閾値以上であると判定された後、待機時間の経過後に制御センサの検出値が正常範囲内か否かの判定を行うが、本開示はこれに限定されない。制御装置50は、検出された磁場の強さが閾値以上であると判定された直後に、制御センサの検出値が正常範囲内か否かの判定を行ってもよい。
【0061】
(F7)上記実施形態において、制御装置50は、第1閾値による判定の後、待機時間の経過後に第2閾値による判定を行うが、本開示はこれに限定されない。制御装置50は、第1閾値による判定の直後に、第2閾値による判定を行ってもよい。
【0062】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0063】
本開示に記載の制御部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0064】
50…制御装置、70…磁場センサ、100…電動垂直離着陸機