(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法および判定プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 36/14 20090101AFI20240806BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20240806BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20240806BHJP
【FI】
H04W36/14
H04W48/18
H04W88/06
(21)【出願番号】P 2021541995
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 JP2020017570
(87)【国際公開番号】W WO2021038961
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2019/034252
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀田 幸暉
(72)【発明者】
【氏名】池長 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】上浦 大智
(72)【発明者】
【氏名】板垣 竹識
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0234900(US,A1)
【文献】特開2004-208001(JP,A)
【文献】特開2014-036317(JP,A)
【文献】国際公開第2009/110103(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信ネットワークに選択的に接続して通信する通信部と、
ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報と、各通信ネットワークへの通信品質の状況を示す通信情報とを取得する取得部と、
前記取得部によって取得されたセンサ情報と通信情報とに基づいて、複数の通信ネットワークのうち他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する判定部と、
を備え、
前記判定部による判定は、
前記取得部によって取得されたセンサ情報に基づいて推定された前記ユーザのコンテキスト情報に基づいて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
ことを含
み、
前記判定部による判定は、
前記通信情報及びセンサ情報の少なくともいずれか一つを入力情報として、前記通信ネットワークの切替を実行すべきか否かの尺度を示すスコアを出力する学習モデルを用いて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定すること、
前記通信情報及びセンサ情報の少なくともいずれか一つを入力情報として、各通信ネットワークの通信品質に関するスコアを出力する学習モデルを用いて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定すること、及び、
前記通信情報及びセンサ情報の少なくともいずれか一つを入力情報として、各通信ネットワークに対応するスコアを出力する複数の学習モデルを用いて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定すること
の少なくとも1つを含み、
前記スコアは、閾値と比較するためのスコアを含む、
判定装置。
【請求項2】
前記コンテキスト情報は、ユーザの行動の情報を含み、
前記ユーザの行動は、徒歩で移動中、電車で移動中、車で移動中、階段で昇降中、及びエレベータで昇降中の少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記判定部による判定は、
前記取得部によって取得されたセンサ情報のうち、前記ユーザの状態を示すセンサ情報に基づいて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
ことを含む、
請求項1に記載の判定装置。
【請求項4】
前記判定部による判定は、
前記ユーザの移動速度を示すセンサ情報に基づいて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
ことを含む、
請求項3に記載の判定装置。
【請求項5】
前記複数の通信ネットワークは、
無線LAN基地局を介する無線LANネットワークと、セルラー通信基地局を介するセルラーネットワークとを含み、
前記判定部による判定は、
前記無線LANネットワークを介して行われる通信の前記通信情報に基づいて、前記無線LANネットワークを前記セルラーネットワークへ切り替えるかを判定する
ことを含む、
請求項1に記載の判定装置。
【請求項6】
前記判定部による判定は、
前記通信情報として、RSSI、LinkSpeed、又はパケット通信状況のうち少なくともいずれか一つに基づいて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
ことを含む、
請求項5に記載の判定装置。
【請求項7】
前記複数の学習モデルを用いる場合の前記判定部による判定は、
前記複数の学習モデルを用いて、前記複数の通信ネットワークのうち前記スコアが最大の通信ネットワークへ切り替えると判定する
ことを含む、
請求項
1に記載の判定装置。
【請求項8】
前記判定部による判定は、
前記複数の通信ネットワークのうち、スループットに基づく遅延量が最小の通信ネットワークへ切り替えると判定する
ことを含む、
請求項1に記載の判定装置。
【請求項9】
前記取得部によって取得されたセンサ情報と通信情報とを前記スコアを出力する前記移動体通信機器以外へ提供する提供部をさらに備え、
前記判定部による判定は、
前記移動体通信機器以外で算出された前記スコアに基づいて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
ことを含む、
請求項
1に記載の判定装置。
【請求項10】
前記提供部は、
前記取得部によって取得されたセンサ情報と通信情報とを、エリアごとに学習された異なる前記学習モデルを用いて前記スコアを出力する前記移動体通信機器以外へ提供する
ことを特徴とする請求項
9に記載の判定装置。
【請求項11】
前記セルラーネットワークは、
第5世代の通信規格に準拠した通信ネットワークである
ことを特徴とする請求項5に記載の判定装置。
【請求項12】
前記セルラーネットワークは、
第5世代におけるミリ波通信に準拠した通信ネットワークである
ことを特徴とする請求項5に記載の判定装置。
【請求項13】
コンピュータが、
複数の通信ネットワークに選択的に接続して通信し、
ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報と、各通信ネットワークへの通信情報とを取得し、
取得されたセンサ情報と通信情報とに基づいて、複数の通信ネットワークのうち他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
判定方法であって、
前記判定は、
前記取得したセンサ情報に基づいて推定された前記ユーザのコンテキスト情報に基づいて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
ことを含
み、
前記判定は、
前記通信情報及びセンサ情報の少なくともいずれか一つを入力情報として、前記通信ネットワークの切替を実行すべきか否かの尺度を示すスコアを出力する学習モデルを用いて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定すること、
前記通信情報及びセンサ情報の少なくともいずれか一つを入力情報として、各通信ネットワークの通信品質に関するスコアを出力する学習モデルを用いて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定すること、及び、
前記通信情報及びセンサ情報の少なくともいずれか一つを入力情報として、各通信ネットワークに対応するスコアを出力する複数の学習モデルを用いて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定すること
の少なくとも1つを含み、
前記スコアは、閾値と比較するためのスコアを含む、
判定方法。
【請求項14】
コンピュータに、
複数の通信ネットワークに選択的に接続して通信し、
ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報と、各通信ネットワークへの通信情報とを取得し、
取得されたセンサ情報と通信情報とに基づいて、複数の通信ネットワークのうち他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
処理を実行させる判定プログラムであって、
前記判定は、
前記取得したセンサ情報に基づいて推定された前記ユーザのコンテキスト情報に基づいて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
ことを含
み、
前記判定は、
前記通信情報及びセンサ情報の少なくともいずれか一つを入力情報として、前記通信ネットワークの切替を実行すべきか否かの尺度を示すスコアを出力する学習モデルを用いて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定すること、
前記通信情報及びセンサ情報の少なくともいずれか一つを入力情報として、各通信ネットワークの通信品質に関するスコアを出力する学習モデルを用いて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定すること、及び、
前記通信情報及びセンサ情報の少なくともいずれか一つを入力情報として、各通信ネットワークに対応するスコアを出力する複数の学習モデルを用いて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定すること
の少なくとも1つを含み、
前記スコアは、閾値と比較するためのスコアを含む、
判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置、判定方法および判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IEEE802.11に準拠した無線LAN(Local Area Network)通信機能と、4GやLTE(Long Term Evolution)などの通信規格に準拠したセルラー通信機能とを切り替えて利用する技術が知られている(特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2007-509590号公報
【文献】特表2009-503914号公報
【文献】特表2010-523024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、通信ネットワークの切り替えの判定に改善の余地がある。例えば、従来の技術は、所定の切り替え基準に従って通信ネットワークの切り替えを実施しているが、切替先の通信ネットワークの通信品質が必ずしも良いとは言えない場合があり、通信ネットワークの切り替えを適切に判定することができるとは限らなかった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、通信ネットワークの切り替えを適切に判定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る判定装置は、複数の通信ネットワークに選択的に接続して通信する通信部と、ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報と、各通信ネットワークへの通信品質の状況を示す通信情報とを取得する取得部と、前記取得部によって取得されたセンサ情報と通信情報とに基づいて、複数の通信ネットワークのうち他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する判定部とを備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る判定装置の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る過去通信関連情報記憶部の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る判定装置の構成例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る判定装置の構成例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、実施形態に係る判定装置の構成例を示す図である。
【
図20】
図20は、実施形態に係る判定装置の構成例を示す図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、実施形態に係る判定装置の構成例を示す図である。
【
図23】
図23は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図24】
図24は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、判定装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る判定装置、判定方法及び判定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る判定装置、判定方法及び判定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0009】
以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.情報処理システムの構成
2.情報処理の一例
3.処理のバリエーション
3-1.データ収集
3-2.複数学習モデルの搭載
3-3.切り替え
3-4.正解ラベル
3-5.切り替えるべきタイミング
3-6.外部センサ
3-7.他のセンサ情報
3-8.ダウンロード
3-9.端末装置、情報提供装置、判定装置
3-10.学習モデル
3-11.通信ネットワークの組み合わせ
4.端末装置の構成
5.情報提供装置の構成
6.判定装置の構成
7.判定装置の詳細
8.情報処理のフロー
9.変形例
9-1.変形例1(端末装置の他の構成例)
9-2.変形例2(ミリ波通信)
9-3.変形例3(アプリに応じたベアラの切り替え)
9-4.変形例4(ベアラごとのスコア計算)
9-5.変形例5(場所に応じて訓練済みデータをダウンロード)
9-6.変形例6(クラウド上のスコア計算1)
9-7.変形例7(クラウド上のスコア計算2)
9-8.その他(スコアによる判定以外の判定)
10.ハードウェア構成
11.その他
【0010】
(実施形態)
〔1.情報処理システムの構成〕
図1の説明に先立って、
図3を用いて情報処理システム1の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3に示すように、情報処理システム1には、端末装置10と、情報提供装置50と、判定装置100とが含まれる。端末装置10と、情報提供装置50と、判定装置100とは所定の通信網(ネットワークN)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。
図3は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。なお、
図3に示した情報処理システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の情報提供装置50や、複数台の判定装置100が含まれてもよい。
【0011】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、実施形態における処理を実現可能であれば、どのような装置であってもよい。また、端末装置10は、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等の装置であってもよい。
図1に示す例においては、端末装置10がスマートフォンである場合を示す。
【0012】
情報提供装置50は、例えば、PC、WS(Work Station)等の情報処理装置であり、過去通信関連情報を判定装置100へ提供するために用いられる。
【0013】
判定装置100は、他の通信ネットワークへの切り替えるかを判定するために用いられる。判定装置100は、例えば、PC、WS(Work Station)等の情報処理装置であり、端末装置10等からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。判定装置100は、通信情報やセンサ情報に基づいて、端末装置10の通信ネットワークの切り替えを判定する。
【0014】
〔2.情報処理の一例〕
図1では、判定装置100は、ユーザが利用する端末装置10がWi-Fi接続中に、端末装置10により検知可能な情報と、接続中のWi-Fiに関する情報とに基づいて、端末装置10の通信ネットワークの接続を、Wi-Fiから他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する。具体的には、判定装置100は、Wi-Fiの通信品質の悪化状態を推論する学習モデル(例えば、ニューラルネットワーク)を用いて、他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する。
【0015】
実施形態に係るWi-Fiは、無線LAN基地局を介する無線LANネットワークである。また、実施形態に係る他の通信ネットワークは、端末装置10と接続可能な通信ネットワークであって、接続中の通信ネットワーク以外の通信ネットワークであれば、どのような通信ネットワークであってもよい。例えば、実施形態に係る他の通信ネットワークは、セルラー通信基地局を介するセルラーネットワークであってもよいし、無線LANネットワークであってもよい。なお、端末装置10と通信可能なセルラー通信基地局の数に制限はないものとする。言い替えると、端末装置10は、一のセルラーネットワークと接続可能な状態にあってもよいし、二以上のセルラーネットワークと接続可能な状態にあってもよい。そして、実施形態に係る複数の通信ネットワークには、無線LANネットワークとセルラーネットワークとが含まれるものとする。なお、実施形態に係る通信ネットワークは、第5世代の通信規格に準拠した通信ネットワークであってもよく、実施形態に係るセルラーネットワークは、第5世代の通信規格に準拠した通信ネットワークであってもよい。
【0016】
実施形態に係る端末装置10は、移動体通信機器の一例である。移動体通信機器は、移動可能な通信機器であればどのようなものであってもよい。例えば、移動体通信機器は、ユーザとともに移動する通信機器であってもよい。具体的には、移動体通信機器は、スマートフォンやスマートウォッチや業務用カメラなどのユーザが所持する又は身に着けることにより移動可能な通信機器であってもよい。例えば、移動体通信機器は、ユーザの操作に応じて移動する通信機器であってもよい。具体的には、移動体通信機器は、ドローンなどのユーザの操作に応じて移動可能な通信機器であってもよい。
図1では、移動体通信機器がスマートフォンである場合を一例として示す。
【0017】
以下、
図1を用いて、実施形態に係る判定処理の概要を説明する。
図1は、ユーザが車などの移動体で高速に移動している場合と、ユーザが高速に移動していない場合との2つの場合を示す。なお、ユーザが高速に移動している場合とは、ユーザが所定の条件を満たす速度で移動していればどのような速度で移動している場合であってもよいものとする。ここで、所定の条件を満たす速度には、ユーザの移動の状態に基づくものだけでなく、ユーザの移動の状態と、通信ネットワークの通信の状態とに基づくものが含まれてもよい。例えば、所定の条件を満たす速度は、通信ネットワークの通信品質が所定の条件を満たす場合のユーザの移動の状態に基づく速度であってもよい。具体的な例を挙げると、所定の条件を満たす速度は、仮にユーザが徒歩で歩いている状態であったとしても、通信ネットワークの通信品質が所定の基準を下回るほど悪化すれば、ユーザが徒歩で歩く速度であってもよい。一方、仮にユーザが電車で高速に移動している状態であったとしても、通信ネットワークの通信品質が所定の基準を下回らなければ、ユーザが所定の条件を満たす速度で移動していないと判定してもよい。例えばユーザが電車で移動中の場合を例に挙げると、所定の条件を満たす速度は、端末装置10と接続中の通信ネットワークに対するRTTの値が、移動中のある区間において連続して所定の閾値以上であり続けられないほど電車が加速した場合のユーザの速度であってもよい。また、
図1では、移動体として車で移動する場合を示すが、車に限らず、飛行機や電車などの公共交通機関における移動体やエレベータやエスカレータなど自動で動く移動体などどのような移動体であってもよいものとする。また、ユーザが高速に移動していない場合とは、例えば、ユーザが徒歩で移動している場合である。なお、ユーザが高速に移動していない場合には、ユーザが所定の地点や定点に留まっている場合や移動していない場合なども含まれるものとする。
【0018】
図1では、ユーザU1が高速に移動するユーザの一例を示し、ユーザU2が高速に移動しないユーザの一例を示す。ユーザU1は、位置A1から位置B1まで車で移動するものとする。ユーザU2は、位置A2から位置B2まで徒歩で移動するものとする。また、ユーザU1が利用する端末装置10Aと、ユーザU2が利用する端末装置10Bとは、ユーザが移動を開始する直前では、Wi-Fiと接続中であるものとする。すなわち、ユーザU1が位置A1にいる際には端末装置10Aは、Wi-Fiと接続中(S1)であり、ユーザU2が位置A2にいる際には端末装置10Bは、Wi-Fiと接続中(S2)であるものとする。また、ユーザU1が位置B1へ高速に移動すると、端末装置10Aは、Wi-Fiからセルラーネットワークへの通信(S3)へ切り替えるものとする。具体的には、判定装置100は、Wi-Fiの通信品質の悪化状態を予測して、端末装置10Aに他の通信ネットワークへ通信を切り替えるよう指示する。また、ユーザU2が位置B2へ移動する場合には、端末装置10Bは、Wi-Fiと接続のまま、セルラーネットワークへの通信(S4)へは切り替えないものとする。
【0019】
以下、
図2を用いて、実施形態に係る判定処理の一例を説明する。以下、判定装置100が、通信ネットワークに関する過去の情報(以下、適宜、「過去通信関連情報」とする。)を用いて、Wi-Fi接続の悪化の度合を出力する学習モデルを生成する処理について説明する。例えば、判定装置100は、他のユーザが利用する端末装置(以下、適宜、「他の端末装置」とする。)における過去通信関連情報を用いて学習モデルを生成する。なお、他のユーザには、評価の対象となるユーザ(
図1では、ユーザU1)が含まれてもよい。すなわち、判定装置100は、ユーザU1の過去通信関連情報を用いて端末装置10AのWi-Fi接続の悪化の度合を出力する学習モデルを生成してもよい。また、他のユーザは、一のユーザであってもよいし、複数のユーザであってもよいものとする。
【0020】
判定装置100は、過去通信関連情報LINF1を取得する(ステップS101)。例えば、判定装置100は、情報提供装置50から送信された過去通信関連情報LINF1を取得する。
図2では、説明を簡略化するため、判定装置100が情報提供装置50から送信された過去通信関連情報LINF1を取得する一例を示すものとする。なお、過去通信関連情報LINF1には、他の端末装置上で取得可能なセンサ情報と、他の端末装置上で取得可能なWi-Fiに関連する情報と、他の端末装置上で取得可能なセルラーネットワークに関連する情報(以下、適宜、「セルラー情報」とする。)とが含まれる。以下、過去通信関連情報LINF1に含まれる情報の各々について説明する。
【0021】
判定装置100は、他の端末装置上で検知可能な情報を取得する。例えば、判定装置100は、他の端末装置の内部に備えられたセンサにより検知されるセンサ情報を取得する。なお、実施形態に係るセンサ情報は主に2種類ある。具体的には、実施形態に係るセンサ情報は、ユーザの状態をリアルタイムに推定するためのセンサ情報と、近い未来のユーザの状態を推察(予測)するためのセンサ情報とがある。
【0022】
判定装置100は、他のユーザの状態をリアルタイムに推定するためのセンサ情報として、例えば、他のユーザの移動に関する情報を推定するためのセンサ情報を取得する。具体的には、判定装置100は、他のユーザの位置や移動速度を示すセンサ情報を取得する。具体的な例を挙げると、判定装置100は、加速度、磁気、方角、気圧、位置センサなどにより検知されるセンサ情報を取得する。なお、判定装置100は、他のユーザの移動に関する情報を推定するのに使用できるセンサであれば、上記の例に限らず、どのようなセンサにより検知されるセンサ情報を取得してもよい。
【0023】
判定装置100は、他のユーザの状態を推察するためのセンサ情報として、例えば、他のユーザのコンテキスト情報を推定するためのセンサ情報を取得する。例えば、判定装置100は、過去の情報に基づいて、他のユーザの状態を推察するためのセンサ情報を取得する。例えば、判定装置100は、他のユーザの行動を推察するためのセンサ情報を取得する。具体的には、判定装置100は、徒歩で移動中、電車で移動中、車で移動中、階段で昇降中、エレベータで昇降中などの他のユーザの行動を推察するためのセンサ情報を取得する。具体的な例を挙げると、判定装置100は、加速度、時刻、方角、気圧、位置、歩数計などにより検知されるセンサ情報を取得する。なお、判定装置100は、他のユーザの行動を推察するのに使用できるセンサであれば、上記の例に限らず、どのようなセンサにより検知されるセンサ情報を取得してもよい。また、判定装置100は、取得したセンサ情報から推察される行動情報を取得してもよい。例えば、判定装置100は、センサ情報の変化量からユーザの行動情報を取得してもよい。具体的な例を挙げると、判定装置100は、加速度や位置情報の変化量から、ユーザの移動速度や加速状態を算出してもよい。これにより、判定装置100は、例えば数秒後に、Wi-Fiの性能が劣化するということを予測することができる。
【0024】
判定装置100は、センサ情報として、各センサに関連するパラメータの情報を取得する。例えば、判定装置100は、加速度、磁気、方角、気圧、位置、時刻、歩数計センサなどに関連するパラメータの情報を取得する。
【0025】
これにより、判定装置100は、センサ情報を活用することによりユーザの移動状態を把握し、切り換え判断に使用することで、ユーザの移動状態に応じた最適なベアラを選択することができる。例えば、判定装置100は、電車移動などの高速移動通信状態では、セルラーを使用し続けることを選択することができる。
【0026】
また、判定装置100は、他の端末装置と接続中のWi-Fiに関する情報を取得する。例えば、判定装置100は、Wi-Fiに関連するパラメータの情報を取得する。例えば、判定装置100は、Wi-Fiに関連するパラメータとして、LinkSpeedやパケット通信状況などの情報を取得する。具体的な例を挙げると、判定装置100は、Wi-Fiに関連するパラメータとして、PHYプロトコルタイプ(a/b/g/n/ac/ax)、MACプロトコルタイプ(d/e/h/i/j/k/p/v/w/y/z)、信号強度(RSSI)、使用周波数、SSID、BSSID,割り当て帯域幅、APに対する無線区間のRTT、S/N比、周波数スペクトル、同一BSS(Basic Service Set)内にいる端末数、認証方式、MIMOレイヤー数、信号衝突回数、単位時間あたりのRTS/CTSの個数、Probe Request数、ビーコン受信数、受信/送信パケットカウンタ値、送信成功数、受信成功数、送信再送数、フレーム破損数、インターフェイスエラー回数、無線機がキャリアセンスでビジーと判定した時間長(CCA Busy Time)(例えば、所定の区間内での時間長)、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)によるパケット送信に掛かった時間長(Contention Time)、無線機が稼働中である時間長(Radio On Time)(例えば、所定の区間内での時間長)、無線機がパケット送信中である時間長(Tx Time)(例えば、所定の区間内での時間長)、無線機がパケット受信中である時間長(Rx Time)(例えば、所定の区間内での時間長)、及び送信パケットの送信が成功しないままロストした個数(Tx Lost Count)(例えば、所定の区間内での個数)、Wi-Fiの送信バッファのキュー内に存在するフレーム数などの情報(例えば、送信バッファに滞留中のパケット数、送信バッファにパケットが滞在している時間長)を取得する。なお、判定装置100は、Wi-Fiに関連する情報であれば、上記の例に限らず、どのようなパラメータを取得してもよい。また、判定装置100は、これらの複数を組み合わせたものをパラメータとして取得してもよいし、これらの複数を組み合わせて加工したものをパラメータとして取得してもよい。なお、Contention Timeは、所定の区間内での区間平均(Average)であってもよいし、区間最小(Minimum)であってもよいし、区間最大(Maximum)であってもよい。なお、送信バッファに滞留中のパケット数は、瞬時値であってもよいし、所定の区間内での区間平均(Average)値であってもよいし、所定の区間内時間での積分値であってもよい。なお、所定の区間内時間での積分値の算出式の一例は、対象のパラメータをx(t)、対象の時間区間をt1~t2とすると下記式(1)に示される。また、送信バッファにパケットが滞在している時間長は、所定の区間内での区間平均(Average)であってもよい。
【0027】
【0028】
また、判定装置100は、他の端末装置と接続可能なセルラーネットワークに関する情報を取得する。例えば、判定装置100は、セルラーネットワークに関連するパラメータの情報を取得する。具体的な例を挙げると、判定装置100は、セルラーネットワークに関連するパラメータとして、Component Carrier数、平均レート(MCS:Modulation and Coding Scheme)、Capability(LTE/HSPA+/GSM)、信号強度、MIMOレイヤー数、通信割り当て時間数、実際のリソースブロック数、受信/送信パケットカウンタ値、送信成功数、受信成功数、フレーム再送数(MAC)、RLC数、インターフェイスエラー回数、スループット(PHY/IP)、cell情報(セルID、DLの参照信号の送信電力、隣接セル情報、セル収容人数、バックボーン帯域情報)、AsuLvel、Cqi、dbm、Level、RSRP、RSSI、RSSNR、TimingAdvance、ユーザの通信プラン、通信プラン中の月における残通信可能容量などの情報を取得する。なお、判定装置100は、セルラーネットワークに関連する情報であれば、上記の例に限らず、どのようなパラメータを取得してもよい。
【0029】
そして、判定装置100は、取得した過去通信関連情報LINF1を記憶する。例えば、判定装置100は、取得した情報を所定の記憶部に記憶する。例えば、判定装置100は、取得した情報を過去通信関連情報記憶部121に記憶する。
【0030】
続いて、判定装置100は、Wi-Fi接続の悪化の度合を出力するモデルを生成する(ステップS102)。例えば、判定装置100は、他の端末装置上で取得可能なセンサ情報とWi-Fiに関連する情報との両方又はいずれか一方を入力情報として、Wi-Fi接続の悪化の度合を出力するモデルを生成する。例えば、判定装置100は、センサに関連するパラメータと、Wi-Fiに関連するパラメータとの両方又はいずれか一方を入力情報として、Wi-Fi接続の悪化の度合を出力するモデルを生成する。また、判定装置100は、取得した情報の一部又は全てを用いて、通信ネットワークを切り替えるタイミングに正解ラベル(フラグ)を付与することにより学習されたモデルを生成する。例えば、判定装置100は、RTTの値が所定の閾値を超えたタイミングや、弱電によりWi-Fi接続が切断されたタイミングに正解ラベルを付与して学習することによりモデルを生成してもよい。なお、判定装置100が正解ラベルを付与するタイミングはこの例に限られない。判定装置100は、例えば、送信バッファに滞留中のパケット数が所定の閾値以上となったタイミングや、送信バッファにパケットが滞在している時間長が所定の閾値以上となったタイミングや、送信バッファの送信が成功しないままロストした個数が所定の閾値以上となったタイミングに正解ラベルを付与して学習することによりモデルを生成してもよい。また、判定装置100は、これらの複数の条件を組み合わせて、複数の条件の全てで条件を満たすタイミングに正解ラベルを付与して学習することによりモデルを生成してもよい。ここで、正解ラベルは、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングを示す。具体的には、正解ラベルは、過去通信関連情報に基づいて通信ネットワークを切り替えるべきと判定したタイミングを示す。
図2では、判定装置100は、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングに、正解ラベルとしてラベル「1」を付与し、また、通信ネットワークを切り替えるべきではないタイミングに、正解ラベルではない不正解ラベルとして、ラベル「0」を付与する。なお、判定装置100は、ラベル「1」やラベル「0」に基づいて、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングに関する情報や、通信ネットワークを切り替えるべきではないタイミングに関する情報を取得してもよい。例えば、判定装置100は、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングに対応する過去通信関連情報や、通信ネットワークを切り替えるべきではないタイミングに対応する過去通信関連情報を取得してもよい。
図2に示す例では、判定装置100は、過去通信関連情報記憶部121に記憶された情報を用いてモデルM1を生成する。なお、判定装置100により生成されるモデルは2種類ある。具体的には、判定装置100は、センサ情報の種類に応じて、対応する種類のモデルを生成する。
【0031】
判定装置100は、Wi-Fi接続の悪化の度合をリアルタイムに出力するモデルを生成する。例えば、判定装置100は、他のユーザの状態をリアルタイムに推定するためのセンサ情報を用いることにより、Wi-Fi接続の悪化の度合をリアルタイムに出力するモデルを生成する。例えば、判定装置100は、他のユーザの移動に関する情報を推定するためのセンサ情報を用いることにより、他のユーザの移動に係るWi-Fi接続の悪化の度合をリアルタイムに出力するモデルを生成する。
【0032】
判定装置100は、近い未来のWi-Fi接続の悪化の度合を出力するモデルを生成する。例えば、判定装置100は、数秒後のWi-Fi接続の悪化の度合を出力するモデルを生成する。例えば、判定装置100は、他のユーザの状態を推察するためのセンサ情報を用いることにより、近い将来のWi-Fi接続の悪化の度合を出力するモデルを生成する。例えば、判定装置100は、他のユーザの行動を推察するためのセンサ情報を用いることにより、他のユーザの行動に係る近い将来のWi-Fi接続の悪化の度合を出力するモデルを生成する。
【0033】
ある時点での端末装置10のWi-Fi接続悪化度合の予測(判定)は、実際に通信パケットを流して通信状況(例えば、エラー率、スループットなど)を測定しない限りは難しいことが知られている。なぜなら、Wi-Fi接続の悪化状態は様々な要因の組み合わせの結果であり、加えて時々刻々変化し得るからである。例えば、無線の弱電波による悪化、他の無線通信機器の電波影響による悪化、移動体通信機器が高速に動作することによる悪化などがあり、現在の悪化状態の判定でも難しいのに、ましてや、未来のWi-Fi接続の悪化状態を予測することは尚難しいと考えられる。
【0034】
判定装置100は、実際に通信パケットを流して通信状況を測定することなく、現在又は未来のWi-Fi接続の悪化の度合を推論することができる。これにより、判定装置100は、例えば、Wi-Fi及びモバイル通信の複数のベアラを持つ端末装置10の場合、現在又は未来のWi-Fi接続の悪化状態の検出し、Wi-Fiの悪化を判断した場合、Wi-Fiからモバイル通信へとベアラを切り換えることで、端末装置10上で快適な通信を実現することができる。
【0035】
判定装置100は、Wi-Fi接続の悪化の度合を示す情報として、RTTに関する情報や、Wi-Fi接続の切断に関する情報を出力してもよい。例えば、判定装置100は、RTTのスコアや値を出力する。例えば、判定装置100は、Wi-Fi接続の切断に関する情報として、Wi-Fi接続の切断確率を示すスコアや値を出力する。なお、判定装置100は、Wi-Fi接続の悪化の度合を示す情報であれば、上記の例に限らず、どのような情報を出力してもよい。
【0036】
判定装置100は、生成したモデルM1を記憶する。例えば、判定装置100は、生成したモデルM1を所定の記憶部に記憶する。例えば、判定装置100は、生成したモデルM1をモデル情報記憶部122に記憶する。
【0037】
以上、判定装置100が、Wi-Fi接続の悪化の度合を出力する学習モデルを生成する処理について説明した。
【0038】
判定装置100は、通信関連情報TINF1を取得する(ステップ103)。判定装置100は、評価の対象となるユーザが利用する端末装置10から送信された通信関連情報TINF1を取得する。なお、通信関連情報TINF1には、端末装置10で取得可能なセンサ情報と、端末装置10で取得可能なWi-Fiに関連する情報と、端末装置10で取得可能なセルラーネットワークに関連する情報とが含まれる。通信関連情報TINF1には、過去通信関連情報LINF1と同様の情報が含まれるため、説明を省略する。
【0039】
判定装置100は、取得した通信関連情報TINF1のうち、センサ情報とWi-Fiに関連する情報とをモデルM1に入力する(ステップS104)。具体的には、判定装置100は、センサに関連するパラメータと、Wi-Fiに関連するパラメータとをモデルM1に入力する。
【0040】
判定装置100は、Wi-Fi接続の悪化度合を示す情報を出力する(ステップS105)。
図2に示す例では、判定装置100は、Wi-Fi接続の悪化度合を示す情報として、通信品質を示すスコアを出力する。例えば、判定装置100は、通信品質を示すスコアとして、RTTの値を出力してもよい。
図2は、判定装置100により出力される通信品質を示すスコアが45であることを示す。
【0041】
判定装置100は、出力されたWi-Fi接続の悪化度合を示す情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定装置100は、出力されたWi-Fi接続の悪化度合を示す情報が所定の閾値を超えたか否かを判定する。判定装置100は、出力されたWi-Fi接続の悪化度合を示す情報が所定の条件を満たすと判定した場合、通信経路の切り替えを要求することを決定する。また、判定装置100は、センサ情報に応じて、通信経路の切り替えの所定の条件を変動させてもよい。例えば、判定装置100は、通信経路の切り替えの基準を、センサ情報に応じて平常時の基準よりも高くしたり低くしたりしてもよい。具体的な例を挙げると、判定装置100は、センサ情報によってユーザが徒歩などで移動していると判定した場合、通信経路の切り替えをより切り替えやすくするために切り替えに関する所定の閾値が低くなるよう変動させてもよい。これにより、判定装置100は、通信経路の切り替えをより効率的かつ効果的に行うことができる。一方、判定装置100は、センサ情報によってユーザが移動していない又は停止していると判定した場合、ユーザがなるべくWi-Fiを使い続けられるために切り替えに関する所定の閾値が高くなるように変動させてもよい。これにより、判定装置100は、接続中の通信を遮断することなくユーザに快適な通信環境を提供することができる。例えば、判定装置100は、他の通信ネットワークへ切り替えると決定する。この場合、判定装置100は、通信ネットワークの接続をセルラーネットワークへ切り替えると決定する。一方、判定装置100は、出力されたWi-Fi接続の悪化度合を示す情報が所定の条件を満たさない場合、Wi-Fi接続を継続すると決定する。
図2に示す例では、判定装置100は、出力されたWi-Fi接続の悪化度合を示す情報が所定の条件を満たすと判定するものとする。
【0042】
判定装置100は、判定結果に関する情報を端末装置10へ送信する。例えば、判定装置100は、判定結果に応じた制御情報を端末装置10へ送信する。例えば、判定装置100は、判定結果に応じた通信ネットワークの切り替えに関する制御情報を端末装置10へ送信する。
【0043】
判定装置100は、通信ネットワークが不安定であることをユーザに通知するための情報を送信してもよい。例えば、判定装置100は、どのベアラを利用しても安定した通信ができないことを通知するための情報を送信してもよい。具体的な例を挙げると、判定装置100は、ユーザがエレベータを利用している際はセルラーネットワークもWi-Fiも通信環境が悪くなると推定して、どのベアラを利用しても安定した通信ができないことを通知するための情報を送信してもよい。より具体的には、判定装置100は、ユーザがエレベータなどに乗っていることを判断した場合、Wi-Fi側もセルラーネットワーク側も通信ネットワークの環境が悪いことを示す情報を算出し、通信ネットワークが不安定であることをユーザに通知するための情報を送信してもよい。
【0044】
端末装置10は、判定装置100から送信された判定結果に関する情報に応じて、通信ネットワークの接続の切り替えの処理を行う。
図1に示す例では、ユーザU1の端末装置10は、Wi-Fi接続を解除して、セルラーネットワークへ接続する。具体的には、判定装置100は、ユーザU1が利用する端末装置10に対してセルラー通信基地局CI1により識別されるセルラー通信基地局を介したセルラーネットワークへ切り替えるよう指示する。
【0045】
なお、
図1及び2に示す各種の情報処理は、上記に限らず、種々の態様であってもよい。この点について以下説明する。
【0046】
〔3.処理のバリエーション〕
(3-1.データ収集)
上述した例では、判定装置100が、情報提供装置50から送信された過去通信関連情報LINF1を取得する場合を示したが、情報提供装置50から提供される例に限られない。例えば、判定装置100は、過去通信関連情報を他の端末装置から個別に取得してもよい。例えば、判定装置100は、メタ情報としてクラウド上にアップロードされた過去通信関連情報を取得してもよい。すなわち、判定装置100による過去通信関連情報の取得の方法に関して制限はないものとする。このように、判定装置100は、過去通信関連情報LINF1をどのように取得してもよい。例えば、判定装置100は、所定の記憶部に記憶された過去通信関連情報LINF1を取得してもよい。例えば、判定装置100は、過去通信関連情報記憶部121に記憶された過去通信関連情報LINF1を取得してもよい。例えば、判定装置100は、情報提供装置50から送信された過去通信関連情報と、所定の記憶部に記憶された過去通信関連情報とのうち、所定の条件に基づいて選択された一の過去通信関連情報を過去通信関連情報LINF1として取得してもよい。例えば、判定装置100は、ユーザの通信関連情報と、取得した各々の過去通信関連情報との類似度を算出し、算出された類似度が最大の一の過去通信関連情報を過去通信関連情報LINF1として取得してもよい。
【0047】
(3-2.複数学習モデルの搭載)
上述した例では、Wi-Fi接続の悪化度合を示す情報を出力する一の学習モデルを生成する場合を示したが、判定装置100は、複数の学習モデルを生成してもよい。例えば、判定装置100は、Wi-Fi接続の悪化度合を示す情報であって、切り替えの基準が異なる複数の情報を出力する複数の学習モデルを生成してもよい。具体的は例を挙げると、判定装置100は、Wi-Fi接続の切断を予測する学習モデルと、Wi-Fi接続上のRTTを予測する学習モデルとを生成してもよい。この場合、判定装置100は、2つの学習モデルを用いた結果情報の両方又はどちらか一方を選択して、Wi-Fi接続の悪化度合を判定してもよい。これにより、判定装置100は、一つの学習モデルではカバーすることが困難なWi-Fi悪化の複数のシナリオを効果的に推論することができる。
【0048】
判定装置100は、ユーザの状態ごとに異なる複数の学習モデルを生成してもよい。例えば、判定装置100は、歩行に適した学習モデルと、高速な移動に適した学習モデルとを予め生成してもよい。この場合、判定装置100は、推定されたユーザの状態に応じて、例えば、ユーザが歩行をしている場合には歩行に適した学習モデルを用いて判定し、ユーザが鉄道などで高速に移動している場合には高速移動に適した学習モデルを用いて判定してもよい。具体的には、判定装置100は、推定されたユーザの状態に応じて、ハンドオーバーの回数を減少させつつ、適切な通信ネットワークを選択できる学習モデルを用いて判定してもよい。これにより、判定装置100は、複数の切り替え基準に基づいて予測することで、より複雑で様々な条件による通信品質の劣化を予測することができるため、ユーザの動きに対する予測の切り替えをよりダイレクトに反映させることができる。例えば、判定装置100は、位置センサと組み合わせることで、ユーザが自宅や職場にいることが分かる場合には切り替えを抑止する学習モデルを用いて判定し、ユーザが移動中の場合には切り替えを促進させる学習モデルを用いて判定してもよい。これにより、判定装置100は、よりユーザがWi-Fiを使用したい状況では切り替えを抑止しつつ、無線LANに捕まることによるUXの悪化を抑止することができる。例えば、判定装置100は、加速度センサと組み合わせることで、ユーザが移動している場合には移動に適した学習モデルを用いて判定してもよい。具体的には、判定装置100は、ユーザが移動している場合には、公衆Wi-Fiに接続しにくく、且つ、セルラーネットワークに切り替わりやすくする学習モデルを用いて判定してもよい。例えば、判定装置100は、加速度センサと組み合わせることで、ユーザが停止状態の場合は静止状態に適した学習モデルを用いて判定してもよい。具体的には、判定装置100は、ユーザが停止状態の場合には、セルラーネットワークに切り替わりにくくする学習モデルを用いて判定してもよい。
【0049】
判定装置100は、複数の学習モデルの中から一の学習モデルを選択して判定してもよいし、複数の学習モデルの中から複数を選択して判定してもよい。また、判定装置100は、複数を選択して判定する場合には、複数の学習モデルを同時に使用してもよいし、別々に使用してもよい。
【0050】
(3-3.切り替え)
上述した例では、Wi-Fi接続の悪化度合に応じて、Wi-Fiから他の通信ネットワークへの切り替えを判定する場合を示したが、切り替えの対象はWi-Fiに限らず、通信ネットワークであればどのような通信ネットワークであってもよい。例えば、判定装置100は、所定のセルラーネットワークの接続の悪化度合を示す情報を出力する学習モデルを生成することにより、所定のセルラーネットワークから他の通信ネットワークへの切り替えを判定してもよい。具体的な例を挙げると、判定装置100は、5G mmWから5G Sub6やLTEなどの他のセルラーネットワークへの切り替えを判定してもよい。例えば、判定装置100は、5G mmWなどの所定のセルラーネットワークからWi-Fi接続への切り替えを判定してもよい。
【0051】
(3-4.正解ラベル)
上述した例では、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングに正解ラベルを付与する例を示した。判定装置100は、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングではないところにもラベルを付与してもよい。例えば、判定装置100は、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングに正解ラベル(例えば1)を付与し、切り替えるべきタイミングではないところに不正解ラベル(例えば0)を付与してもよい。
【0052】
また、判定装置100は、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングの瞬間に正解ラベルを付与する場合に限らず、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングの事象が発生する前(例えば、数秒前)から正解ラベルを付与してもよい。例えば、判定装置100は、正解ラベルを付与すると決定した場合、切り替えるべきと判定した基(例えば、理由)となった事象が発生した前から正解ラベルを付与してもよい。例えば、判定装置100は、正解ラベルを付与すると決定した場合、切り替えるべきと判定したタイミングの前から正解ラベルを付与してもよい。なお、正解ラベルを付与するタイミングは、切り替えの対象である端末装置10を利用するユーザにより任意に定められたタイミングであってもよいし、判定装置100により決定されたタイミングであってもよい。この場合、判定装置100は、予め定められた時間だけずらして、事象が発生する前から正解ラベルを付与してもよい。また、判定装置100は、判定装置100により決定されたタイミングで正解ラベルを付与する場合には、事象の規模や内容や種類などの事象の情報に応じた時間だけずらして、事象が発生する前から正解ラベルを付与してもよい。これにより、判定装置100は、事象が発生する前から正解ラベルを付与することで、ユーザのストレスを低減してユーザビリティを向上させることができる。
【0053】
(3-5.切り替えるべきタイミング)
上述した例では、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングが、RTTの値が所定の閾値を超えたタイミングや、Wi-Fi接続が切断されたタイミングである場合を示したが、上記の例に限られず、どのようなタイミングであってもよい。例えば、判定装置100は、Wi-Fiが混雑していて通信が困難なタイミング、Wi-Fiアクセスポイントや基地局の処理に時間を要して通信が困難なタイミング、Wi-Fiアクセスポイントや基地局へのRTTが大きく通信が困難なタイミング、電波環境が干渉波を受けて通信が困難なタイミングを、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングとしてもよい。また、判定装置100は、上記のような、通信機器又は通信路に障害があるタイミングだけでなく、通信に対するUXが悪化しているタイミングを、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングとしてもよい。具体的な例を挙げると、判定装置100は、ブラウザにおけるプログレスバーが停滞するタイミングや、読み込み中を示すアイコンが表示されるタイミングを、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングとしてもよい。例えば、判定装置100は、読み込みに失敗し、ブラウザにエラーが表示されるタイミングを、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングとしてもよい。例えば、判定装置100は、ビデオストリーミングにおいて映像が途切れる、停止する、エラーが発生する、又は読み込み中を示すアイコンが表示されるタイミングを、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングとしてもよい。例えば、判定装置100は、アプリケーション(アプリ)において画面のロードに失敗しエラーメッセージを表示されるタイミングを、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングとしてもよい。
【0054】
(3-6.外部センサ)
上述した例では、端末装置10の内部に備えられたセンサにより検知されるセンサ情報を取得する場合を示したが、判定装置100は、外部のセンサにより検知されるセンサ情報を取得してもよい。この場合、判定装置100は、端末装置10の入力部と出力部とを介して接続される外部のセンサにより検知可能なセンサ情報を取得する。例えば、判定装置100は、端末装置10の入力部と出力部と、USB(Universal Serial Bus)やBluetooth(登録商標)などのインターフェイスを介して接続される外部のセンサにより検知可能なセンサ情報を取得してもよい。なお、判定装置100は、USBやBluetooth(登録商標)などのインターフェイスに限らず、どのようなインターフェイスを介して接続される外部のセンサにより検知可能なセンサ情報を取得してもよい。例えば、判定装置100は、ユーザの腕につけるスマートウォッチなどの活動量計として使用できるデバイスから、ユーザの脈拍、歩数値、加速度などのセンサ情報を取得してもよい。
【0055】
(3-7.他のセンサ情報)
上述した例では、ユーザの状態をリアルタイムに推定するためのセンサ情報と、ユーザの状態を推察するためのセンサ情報とを取得する例を示した。判定装置100は、その他のセンサ情報として、ユーザの状況や属性(種類)を推定するためのセンサ情報を取得してもよい。例えば、判定装置100は、ユーザの没入感やストレスの度合を計測するための、カメラなどで撮像された画像情報や、血圧情報や、アプリケーション情報を取得してもよい。例えば、判定装置100は、ユーザの画像情報や血圧情報などを取得することにより、ユーザのアクティビティ状態を推定してもよい。具体的な例を挙げると、判定装置100は、ユーザの位置情報と血圧情報とを組み合わせることにより、ユーザがジムでトレーニング中であることを推定してもよいし、ユーザの加速度情報と血圧情報とを組み合わせることにより、ユーザ自身がドライブ中であることを推定してもよい。その他、判定装置100は、ユーザが電車内にいる、会社内にいる、店内にいるかなどを推定してもよい。これにより、判定装置100は、より高精度にユーザの状態を把握することができる。また、判定装置100は、ユーザの状態に応じて高速なベアラを選択できるように切り替え基準を調整してもよい。これにより、判定装置100は、例えばユーザがストレスを感じる状態であっても、ユーザのストレス状態を推定し、推定されたストレス状態に応じて切り替えの閾値を調整して、より高速なベアラに適切に切り替えることができる。
【0056】
(3-8.ダウンロード)
判定装置100は、ファイルなどの情報を端末装置10にダウンロード中の場合、ダウンロードされる対象に関する情報と、ユーザのコンテキスト情報とに基づいて、他の通信ネットワークへの切り替えを判定してもよい。例えば、判定装置100は、ダウンロードに掛かる時間と、ユーザのコンテキスト情報に基づく移動に掛かる時間とに基づいて、他の通信ネットワークへの切り替えを判定してもよい。具体的には、判定装置100は、ダウンロードに掛かる時間が、接続中の通信ネットワークと通信できる範囲を超えるまでに掛かるユーザの移動時間よりも短い場合、端末装置10へのダウンロードが完了するまで、他の通信ネットワークへの切り替えを行わないと判定してもよい。より具体的な例を挙げると、判定装置100は、ファイルダウンロード中の場合であって残り3秒でダウンロードが可能な場合であれば、10秒(>3秒)のみ接続可能なWi-Fiに切り替えて接続させてもよいが、2秒(<3秒)のみ接続可能なWi-Fiには切り替えさせないようにしてもよい。その他、判定装置100は、ファイルの重要度や、ファイルの容量や、ファイルの属性や、細切れのデータグラムでダウンロードされるファイルであるか否かなどの情報に基づいて、ダウンロード中に他の通信ネットワークへの切り替えを行うか否かを判定してもよい。
【0057】
(3-9.端末装置、情報提供装置、判定装置)
上述した例では、端末装置10と判定装置100とは、別装置である場合を示したが、端末装置10と判定装置100とが一体であってもよい。この場合、移動体通信機器は、判定装置100の全て又は一部の機能を有し、判定装置100により行われる全て又は一部の処理を行ってもよい。また、移動体通信機器が、判定装置100の一部の機能を有し、判定装置100により行われる一部の処理を行う場合には、移動体通信機器は、判定装置100により行われる残りの処理を外部の情報処理装置に行わせてもよい。
【0058】
(3-10.学習モデル)
実施形態に係る学習モデルは、ディープラーニング(深層学習)などのニューラルネットワークに基づくモデルに限らず、機械学習のアルゴリズムに基づくものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、学習モデルは、ランダムフォレストに基づくモデルであってもよい。
【0059】
(3-11.通信ネットワークの組み合わせ)
図1に示す例では、端末装置10が、無線LANネットワークと、セルラーネットワークとに接続可能な状態を示すが、端末装置10が接続可能な通信ネットワークの組み合わせに制限はないものとする。例えば、端末装置10は、複数のセルラーネットワークのみに接続可能な状態であってもよいし、無線LANネットワークのみに接続可能な状態であってもよいし、無線LANネットワーク及びセルラーネットワーク以外の通信ネットワークと接続可能な状態であってもよい。また、
図1に示す例では、端末装置10が、無線LANネットワークと接続中に、一のセルラーネットワークへ通信の接続を切り替える場合を示すが、端末装置10の切り替え前の対象となる通信ネットワークと、切り替え先の対象となる通信ネットワークとに制限はないものとする。例えば、端末装置10は、一のセルラーネットワークと接続中に、無線LANネットワークへ通信の接続を切り替えてもよいし、一のセルラーネットワークと接続中に、一のセルラーネットワーク以外の他の通信ネットワークへ通信の接続を切り替えてもよい。
【0060】
〔4.端末装置の構成〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る端末装置10の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る端末装置10の構成例を示す図である。
図4に示すように、端末装置10は、通信部11と、入力部12と、出力部13と、制御部14と、センサ部15とを有する。
【0061】
なお、端末装置10は、センサ部15を有さなくてもよい。この場合、端末装置10は、外部のセンサ又はセンサを有する外部の情報処理装置と何らかの方法で接続されているものとする。端末装置10と外部のセンサ又はセンサを有する外部の情報処理装置との接続は、端末装置10がセンサ情報を取得可能な方法であれば、どのような接続の方法であってもよいものとする。
【0062】
(通信部11)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、所定のネットワークNと有線又は無線で接続され、所定のネットワークNを介して、判定装置100等との間で情報の送受信を行う。
【0063】
(入力部12)
入力部12は、ユーザからの各種操作を受け付ける。
図1に示す例では、ユーザU1からの各種操作を受け付ける。例えば、入力部12は、タッチパネル機能により表示面を介してユーザからの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部12は、端末装置10に設けられたボタンや、端末装置10に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0064】
(出力部13)
出力部13は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、出力部13は、ユーザに対して通信ネットワークが不安定である旨を通知する情報を出力する。
【0065】
(センサ部15)
センサ部15は、端末装置10の内部に備えられた内部センサである。センサ部15は、端末装置10上のセンサ情報を検知する。例えば、センサ部15は、加速度センサ、磁気センサ、方角センサ、気圧センサ、位置センサ、時刻センサ、歩数計(歩数メータ)などである。センサ部15は、上記の例に限られず、ユーザの状態をリアルタイムに推定する又はユーザの未来の状態を推察するのに使用できるセンサ情報を検知するセンサであればどのようなセンサであってもよい。その他、センサ部15は、ユーザの没入感やストレスの度合を計測するのに使用できるセンサ情報を検知するセンサであってもよい。また、センサ部15は、ユーザのアクティビティ状態を推定するのに使用できるセンサ情報を検知するセンサであってもよい。
【0066】
図4に示す例では、センサ部15は、制御部14と接続される例を示すが、入力部12と出力部13とに接続されていてもよい。なお、センサ部15は、端末装置10上の入力と出力との処理を行う入出力部(I/O部)と接続されていてもよい。
【0067】
(制御部14)
制御部14は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、端末装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムには、端末装置10にインストールされたアプリケーションのプログラムが含まれる。例えば、この各種プログラムには、ユーザに対して通信ネットワークが不安定である旨を通知する情報を表示するアプリケーションのプログラムが含まれる。また、制御部14は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0068】
図4に示すように、制御部14は、送信部141と、受信部142と、アプリケーション制御部143と、通信部144とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。
【0069】
(送信部141)
送信部141は、外部の情報処理装置へ各種情報を提供する。送信部141は、外部の情報処理装置へ各種情報を送信する。送信部141は、判定装置100等の他の情報処理装置へ各種情報を送信する。例えば、送信部141は、通信関連情報を送信する。
【0070】
(受信部142)
受信部142は、各種情報を受信する。受信部142は、外部の情報処理装置から各種情報を受信する。受信部142は、判定装置100等の他の情報処理装置から各種情報を受信する。例えば、受信部142は、判定装置100による判定結果に関する情報を受信する。例えば、受信部142は、判定装置100による判定結果に応じた制御情報を受信する。例えば、受信部142は、通信ネットワークが不安定であることをユーザに通知するための情報を受信する。
【0071】
(アプリケーション制御部143)
アプリケーション制御部143は、端末装置10上で起動されたアプリケーションに関する各種情報を制御する。アプリケーション制御部143は、起動されたアプリケーションに関する各種情報を通信部144へ送信する。
【0072】
(通信部144)
通信部144は、各種情報の通信を制御する。通信部144は、通信ネットワークへの通信を制御する。通信部144は、通信の切り替えを制御する。通信部144は、判定装置100等の他の情報処理装置による判定結果に応じて通信の切り替えを制御する。通信部144は、アプリケーション制御部143から取得されたアプリケーションに関する各種情報に応じて通信の切り替えを制御する。
【0073】
〔5.情報提供装置の構成〕
次に、
図5を用いて、実施形態に係る情報提供装置50の構成について説明する。
図5は、実施形態に係る情報提供装置50の構成例を示す図である。
図5に示すように、情報提供装置50は、通信部51と、記憶部52と、制御部53とを有する。なお、情報提供装置50は、情報提供装置50の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0074】
(通信部51)
通信部51は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部51は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、判定装置100等との間で情報の送受信を行う。
【0075】
(記憶部52)
記憶部52は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部52は、過去通信関連情報を記憶する。
【0076】
(制御部53)
制御部53は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、情報提供装置50内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部53は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0077】
図5に示すように、制御部53は、送信部531を有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部53の内部構成は、
図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0078】
(送信部531)
送信部531は、外部の情報処理装置へ各種情報を提供する。送信部531は、外部の情報処理装置へ各種情報を送信する。送信部531は、外部の情報処理装置へ各種情報を通知する。送信部531は、判定装置100等の他の情報処理装置へ各種情報を送信する。例えば、送信部531は、過去通信関連情報を送信する。例えば、送信部531は、過去通信関連情報LINF1を送信する。
【0079】
〔6.判定装置の構成〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る判定装置100の構成について説明する。
図6は、実施形態に係る判定装置100の構成例を示す図である。
図6に示すように、判定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、判定装置100は、判定装置100の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0080】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、端末装置10等との間で情報の送受信を行う。また、通信部110は、複数の通信ネットワークに選択的に接続して通信してもよい。
【0081】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図6に示すように、記憶部120は、過去通信関連情報記憶部121と、モデル情報記憶部122とを有する。
【0082】
過去通信関連情報記憶部121は、過去通信関連情報を記憶する。ここで、
図7に、実施形態に係る過去通信関連情報記憶部121の一例を示す。
図7に示すように、過去通信関連情報記憶部121は、「データID」、「センサ情報」、「セルラー情報」、「Wi-Fi情報」、「正解ラベル」といった項目を有する。
【0083】
「データID」は、過去通信関連情報を識別するための識別情報を示す。「センサ情報」は、過去通信関連情報に含まれるセンサ情報を示す。
図7に示すように、「センサ情報」は、「加速度」、「磁気」、「方角」、「気圧」、「位置」といったセンサごとのセンサ情報の項目を有してもよい。また、「センサ情報」は、上記の例に限らず、端末装置10上で取得可能なセンサ情報の項目であれば、どのようなセンサに対応する項目を有してもよい。
図7に示す例では、「センサ情報」に「加速度#1」や「磁気#1」や「方角#1」や「気圧#1」や「位置#1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、センサごとに検知された情報に基づいて出力される値やスコアなどのデータが格納される。「セルラー情報」は、過去通信関連情報に含まれるセルラーネットワークに関連する情報を示す。
図7に示すように、「セルラー情報」は、「5G mmW」、「LTE」といったセルラーネットワークごとの項目を有してもよい。また、「セルラー情報」は、上記の例に限らず、端末装置10上で通信可能なセルラーネットワークごとの項目であれば、どのようなセルラーネットワークに対応する項目を有してもよい。
図7に示す例では、「セルラー情報」に「5G mmW#1」や「LTE#1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、各セルラーネットワークの通信品質(RTTやRSSIなど)に基づいて出力される値やスコアなどのデータが格納される。「Wi-Fi情報」は、過去通信関連情報に含まれるWi-Fiに関連する情報を示す。
図7に示すように、「Wi-Fi情報」は、「RTT」、「切断確率」といった項目を有してもよい。また、「Wi-Fi情報」は、上記の例に限らず、Wi-Fiの通信品質を示す情報に対応する項目であれば、どのような項目を有してもよい。
図7に示す例では、「Wi-Fi情報」に「RTT#1」や「切断確率#1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、Wi-Fiの通信品質に基づいて出力される値やスコアなどのデータが格納される。「正解ラベル」は、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングであったか否かを示す。「正解ラベル」に含まれる「1」は、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングであったことを示す。「正解ラベル」に含まれる「0」は、通信ネットワークを切り替えるべきタイミングでなかったことを示す。
【0084】
モデル情報記憶部122は、モデルに関する情報を記憶する。例えば、モデル情報記憶部122は、通信ネットワークの悪化の度合を示す情報を出力するモデルに関する情報を記憶する。
図8は、モデル情報記憶部122の一例を示す。
図8に示すように、モデル情報記憶部122は、「モデルID」、「モデル(算出式)」といった項目を有する。
【0085】
「モデルID」は、モデルを識別するための識別情報を示す。「モデル(算出式)」は、モデルの算出式を示す。
図8に示す例では、「モデル(算出式)」に「モデル#1」や「モデル#2」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、関数のデータが格納される。例えば、「モデル(算出式)」には、通信ネットワークの悪化の度合を示す情報を出力する関数のデータが格納される。
【0086】
(制御部130)
制御部130は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、判定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0087】
図6に示すように、制御部130は、取得部131と、生成部132と、算出部133と、判定部134と、提供部135とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0088】
(取得部131)
取得部131は、各種情報を取得する。取得部131は、外部の情報処理装置から各種情報を取得する。取得部131は、端末装置10等の他の情報処理装置から各種情報を取得する。
【0089】
取得部131は、記憶部120から各種情報を取得する。取得部131は、過去通信関連情報記憶部121やモデル情報記憶部122から各種情報を取得する。
【0090】
取得部131は、取得した各種情報を記憶部120に格納する。取得部131は、過去通信関連情報記憶部121やモデル情報記憶部122に各種情報を格納する。
【0091】
取得部131は、他の機能構成により生成、算出、判定された各種情報を取得する。
【0092】
取得部131は、過去通信関連情報を取得する。取得部131は、通信関連情報を取得する。取得部131は、ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報を取得する。取得部131は、センサ情報に関するセンサパラメータを取得する。取得部131は、各通信ネットワークへの通信品質の状況を示す通信情報を取得する。取得部131は、通信情報のうち各通信ネットワークに関する通信パラメータを取得する。
【0093】
(生成部132)
生成部132は、各種情報を生成する。生成部132は、記憶部120から各種情報を生成する。生成部132は、過去通信関連情報記憶部121やモデル情報記憶部122から各種情報を生成する。
【0094】
生成部132は、生成した各種情報を記憶部120に格納する。生成部132は、過去通信関連情報記憶部121やモデル情報記憶部122に各種情報を格納する。
【0095】
生成部132は、他の機能構成により取得、算出、判定された各種情報を生成する。生成部132は、他の機能構成により取得、算出、判定された各種情報に基づいて、各種情報を生成する。
【0096】
生成部132は、モデルを生成する。生成部132は、モデルを学習する。生成部132は、通信ネットワークの悪化の度合を示すスコアを出力するよう、コンピュータを機能させるためのモデルを生成する。生成部132は、通信関連情報の入力に応じて、通信ネットワークの悪化の度合を示すスコアを出力するモデルを生成する。生成部132は、過去通信関連情報のうち通信ネットワークを切り替えるべきタイミングとして判定された過去通信関連情報を正解情報としてモデルを生成する。生成部132は、過去通信関連情報のうち通信ネットワークを切り替えるべきではないタイミングとして判定された過去通信関連情報を不正解情報としてモデルを生成する。生成部132は、正解ラベルが付与された過去通信関連情報を、対応するタイミングにおける正解情報としてモデルを生成する。生成部132は、不正解ラベルが付与された過去通信関連情報を、対応するタイミングにおける不正解情報としてモデルを生成する。なお、生成部132は、不正解ラベルが付与された過去通信関連情報を除外することにより、正解ラベルが付与された過去通信関連情報に基づいてモデルを生成してもよいし、不正解ラベルが付与された過去通信関連情報を不正解情報として学習することにより、正解ラベルが付与された過去通信関連情報と、不正解ラベルが付与された過去通信関連情報との双方に基づいてモデルを生成してもよい。
【0097】
(算出部133)
算出部133は、各種情報を算出する。算出部133は、記憶部120から各種情報を算出する。算出部133は、過去通信関連情報記憶部121やモデル情報記憶部122から各種情報を算出する。
【0098】
算出部133は、算出した各種情報を記憶部120に格納する。算出部133は、過去通信関連情報記憶部121やモデル情報記憶部122に各種情報を格納する。
【0099】
算出部133は、他の機能構成により取得、生成、判定された各種情報を算出する。算出部133は、他の機能構成により取得、生成、判定された各種情報に基づいて、各種情報を算出する。
【0100】
算出部133は、通信ネットワークの悪化の度合を示すスコアを算出する。算出部133は、通信関連情報の入力に応じて、通信ネットワークの悪化の度合を示すスコアを算出する。算出部133は、生成部132により生成されたモデルに基づいて、通信ネットワークの悪化の度合を示すスコアを算出する。
【0101】
(判定部134)
判定部134は、各種情報を判定する。判定部134は、記憶部120から各種情報を判定する。判定部134は、過去通信関連情報記憶部121やモデル情報記憶部122から各種情報を判定する。
【0102】
判定部134は、判定した各種情報を記憶部120に格納する。判定部134は、過去通信関連情報記憶部121やモデル情報記憶部122に各種情報を格納する。
【0103】
判定部134は、他の機能構成により取得、生成、算出された各種情報を判定する。判定部134は、他の機能構成により取得、生成、算出された各種情報に基づいて、各種情報を判定する。
【0104】
判定部134は、複数の通信ネットワークのうち他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する。判定部134は、取得部131によって取得されたセンサ情報と通信情報とに基づいて、複数の通信ネットワークのうち他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する。
【0105】
判定部134は、取得部131によって取得されたセンサ情報のうち、ユーザの状態をリアルタイムに推定するためのセンサ情報に基づいて、他のネットワークへ切り替えるかを判定する。例えば、判定部134は、ユーザの位置や移動速度を示すセンサ情報に基づいて、他のネットワークへ切り替えるかを判定する。
【0106】
判定部134は、取得部131によって取得されたセンサ情報のうち、ユーザの状態を推察するためのセンサ情報に基づいて、他のネットワークへ切り替えるかを判定する。判定部134は、ユーザのコンテキスト情報に基づいて、他のネットワークへ切り替えるかを判定する。例えば、判定部134は、ユーザの行動を推察するためのセンサ情報に基づいて、他のネットワークへ切り替えるかを判定する。例えば、判定部134は、徒歩で移動中、電車で移動中、車で移動中、階段で昇降中、エレベータで昇降中などのユーザの行動を推察するためのセンサ情報に基づいて、他のネットワークへ切り替えるかを判定する。
【0107】
判定部134は、無線LANネットワークをセルラーネットワークへ切り替えるかを判定する。例えば、判定部134は、無線LANネットワークを介して行われる通信の通信情報に基づいて、無線LANネットワークをセルラーネットワークへ切り替えるかを判定する。また、判定部134は、セルラーネットワークを無線LANネットワークへ切り替えるかを判定する。例えば、判定部134は、セルラーネットワークを介して行われる通信の通信情報に基づいて、セルラーネットワークを無線LANネットワークへ切り替えるかを判定する。また、判定部134は、一のセルラーネットワークを他のセルラーネットワークへ切り替えるかを判定する。例えば、判定部134は、一のセルラーネットワークを介して行われる通信の通信情報に基づいて、一のセルラーネットワークを他のセルラーネットワークへ切り替えるかを判定する。
【0108】
判定部134は、取得部131によって取得された通信パラメータに基づいて、他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する。判定部134は、通信パラメータとして、RSSI、LinkSpeed、パケット通信状況などに基づいて他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する。
【0109】
判定部134は、取得部131によって取得されたセンサパラメータに基づいて、他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する。
【0110】
判定部134は、通信パラメータ及びセンサパラメータの少なくともいずれか一つを入力情報として、通信ネットワークの切り替えを実行すべきか否かの尺度を示すスコアを出力する学習モデルを用いて他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する。判定部134は、通信パラメータ及びセンサパラメータの少なくともいずれか一つを入力情報として、各通信ネットワークのスコアを出力する学習モデルを用いて、他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する。
【0111】
(提供部135)
提供部135は、外部の情報処理装置へ各種情報を提供する。提供部135は、外部の情報処理装置へ各種情報を送信する。提供部135は、外部の情報処理装置へ各種情報を通知する。提供部135は、外部の情報処理装置へ各種情報を配信する。提供部135は、端末装置10等の他の情報処理装置へ各種情報を提供する。
【0112】
提供部135は、他の機能構成により取得、生成、判定された各種情報を提供する。
【0113】
提供部135は、判定部134により判定された判定結果に関する情報を提供する。提供部135は、判定結果に応じた制御情報を提供する。例えば、提供部135は、判定結果に応じた通信ネットワークの切り替えに関する制御情報を提供する。提供部135は、通信ネットワークが不安定であることをユーザに通知するための情報を提供する。
【0114】
〔7.判定装置の詳細〕
図9に示すように、実施形態に係る判定装置100の通信部110は、通信経路制御部111を有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、通信部110の内部構成は、
図9に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0115】
(通信経路制御部111)
通信経路制御部111は、通信ネットワークの切り替えに関する各種情報を制御する。通信経路制御部111は、通信ネットワークの切り替えに関する各種情報に基づいて、各種情報を制御する。例えば、通信経路制御部111は、通信ベアラの切り替え要求に基づいて、通信ネットワークの切り替えを実行する。例えば、通信経路制御部111は、通信ネットワークの接続をセルラーネットワーク(例えば、5GmmW、Sub6)からWi-Fiへ切り替える。例えば、通信経路制御部111は、通信ネットワークの接続をWi-Fiからセルラーネットワークへ切り替える。このように、通信経路制御部111は、複数の通信ネットワークに選択的に接続して通信する。なお、
図9に示す例では、通信経路制御部111は、通信部110の一部である場合を示すが、通信部110とは別の構成であってもよい。具体的には、通信経路制御部111は、通信部110とは異なる判定装置100に含まれる他の構成要素の一つであってもよい。例えば、通信経路制御部111は、制御部130に含まれる一の構成要素であってもよい。
【0116】
また、
図9に示すように、実施形態に係る判定装置100の取得部131は、通信パラメータ取得部1311と、センサ情報取得部1312とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、取得部131の内部構成は、
図9に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0117】
(通信パラメータ取得部1311)
通信パラメータ取得部1311は、各通信ネットワークに関する通信情報を取得する。例えば、通信パラメータ取得部1311は、各通信ネットワークに関する通信パラメータを取得する。
【0118】
(センサ情報取得部1312)
センサ情報取得部1312は、センサ情報を取得する。例えば、センサ情報取得部1312は、センサに関するセンサパラメータを取得する。
【0119】
図9に示す例では、通信パラメータ取得部1311は、取得部131の一部である場合を示すが、取得部131とは別の構成であってもよい。例えば、通信パラメータ取得部1311は、取得部131とは異なる制御部130に含まれる他の構成要素の一つであってもよい。また、
図9に示す例では、センサ情報取得部1312は、取得部131の一部である場合を示すが、取得部131とは別の構成であってもよい。例えば、センサ情報取得部1312は、取得部131とは異なる制御部130に含まれる他の構成要素の一つであってもよい。
【0120】
〔8.情報処理のフロー〕
次に、
図10を用いて、実施形態に係る情報処理システム1による情報処理の手順について説明する。
図10は、実施形態に係る情報処理システム1による情報処理の手順を示すフローチャートである。
【0121】
図10に示すように、判定装置100は、ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報と、各通信ネットワークへの通信品質の状況を示す通信情報とを取得する(ステップS201)。判定装置100は、取得したセンサ情報と通信情報とを入力情報として、通信ネットワークの悪化の度合を示す値又はスコアを算出する(ステップS202)。判定装置100は、算出した値又はスコアが所定の閾値を超えたか否かを判定する(ステップS203)。判定装置100は、算出した値又はスコアが所定の閾値を超えていないと判定した場合(ステップS203;NO)、情報処理を終了する。一方、判定装置100は、算出した値又はスコアが所定の閾値を超えたと判定した場合(ステップS203;YES)、接続中の通信ネットワークを他のネットワークへ変更する(ステップS204)。
【0122】
〔9.変形例〕
上述した実施形態に係る情報処理システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理システム1の他の実施形態について説明する。なお、
図1及び2に示す実施形態と同様の点については説明を適宜省略する。
【0123】
〔9-1.変形例1(端末装置の他の構成例)〕
上述した例では、端末装置10と判定装置100とが別々の装置である場合を示したが、端末装置10と判定装置100とが一体であってもよい。
図11を用いて、実施形態に係る端末装置10と判定装置100とが一体である場合の構成について説明する。以下、説明を簡略化するため、実施形態に係る端末装置10と判定装置100とが一体である場合の構成を、端末装置10の他の構成例として説明する。なお、実施形態に係る端末装置10及び判定装置100と同様の処理については説明を省略する。
図11は、実施形態に係る端末装置10の他の構成例である端末装置20の構成を示す図である。
図11に示すように、端末装置20は、通信部21と、入出力(I/O)部22と、制御部23と、内部センサ部24とを有する。また、
図11に示すように、実施形態に係る端末装置20の通信部21は、通信制御部211を有してもよい。通信制御部211は、通信ベアラの切り替え要求に応じてベアラを切り替える。また、
図12は、制御部23の詳細を示す図である。
図12に示すように、実施形態に係る端末装置20の制御部23は、通信パラメータ部231を有してもよい。通信パラメータ部231は、各ベアラから通信パラメータを取得する。なお、制御部23の内部構成は、
図12に示した構成に限られなくてもよい。
【0124】
〔9-2.変形例2(ミリ波通信)〕
以下、通信ネットワークとして5Gにおけるミリ波通信を用いる場合を説明する。一般的に、5Gにおけるミリ波通信は、ビームフォーミングを用いて通信を実施するが端末装置10の移動に伴い電波受信方向の調整を実施する必要がある。
図1に示す例では、Wi-Fi接続の悪化の度合を予測して、通信ネットワークを切り替える場合を示した。判定装置100は、ミリ波通信の品質悪化を予測して、適切なビームフォーミングを選択してもよい。具体的には、判定装置100は、通信中のミリ波通信の通信状態と端末装置10の移動状態とを取得して、ミリ波通信の品質悪化を予測して、適切なビームフォーミングを選択する。なお、この場合、通信ネットワークは、第5世代におけるミリ波通信に準拠するため、セルラーネットワークは、第5世代におけるミリ波通信に準拠する通信ネットワークである。
【0125】
判定装置100は、端末装置10の移動状態を、例えば、磁気センサ、気圧センサ、加速度センサ、GPS/GNSSなどの位置測位システムなどを介して取得してもよい。なお、判定装置100は、端末装置10の移動状態を、上記の例に限らず、どのようなセンサを介して取得してもよい。
【0126】
判定装置100は、通信中のミリ波通信の通信状態を、例えば、信号強度、符号化方式、MIMO数、通信割り当て時間数、受信/送信パケットカウンタ値、送信成功数、受信成功数、送信再送数、フレーム破損数、インターフェイスエラー回数、スループット、cell情報、New Radio(NR)セル情報、NR Absolute Radio Frequency、Physical Cell id、MCC、MNC、ビームID、synchronization signal reference signalの受信強度や受信品質やS/N、CSI信号の受信強度や受信品質やS/N、ASU、CSI-RSRPといったパラメータを介して判定してもよい。なお、判定装置100は、通信中のミリ波通信の通信状態を、上記の例に限らず、どのようなパラメータを介して判定してもよい。例えば、判定装置100は、ミリ波通信の通信状態を判定するために、近い未来の通信の切断確率を算出してもよい。この場合、判定装置100は、算出した切断確率が所定の閾値を超えた場合にはアンテナアレイの方向の変更や、異なるビームへのハンドオーバーを実施する。
【0127】
判定装置100は、ユーザが徒歩や定点に留まっていると認識した場合にはミリ波通信を使用すると判定し、ユーザが乗り物などに乗って高速に移動していると認識した場合にはSub6やLTEなどのセルラーネットワークを使用すると判定してもよい。この場合、判定装置100は、各ベアラの通信品質の計測と切断予測を実施することにより、判定する。
【0128】
以下、
図13を用いて、変形例2に係る情報処理システム1による情報処理の手順について説明する。
図13は、変形例2に係る情報処理システム1による情報処理の手順を示すフローチャートである。
【0129】
判定装置100は、5Gベアラが通信可能な状態にあるかを判定する(ステップS301)。判定装置100は、5Gベアラが通信可能な状態にない場合(ステップS301;NO)、情報処理を終了してもよいし、例えば、LTEのみの切り替え予測エンジンに移行してもよい。判定装置100は、5Gベアラが通信可能な状態にある場合(ステップS301;YES)、ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報と、5Gにおけるミリ波通信の通信品質の状況を示す通信情報とを取得する(ステップS302)。判定装置100は、取得したセンサ情報と通信情報とを入力情報として、ミリ波通信の悪化の度合を示すスコアを算出する(ステップS303)。判定装置100は、算出したスコアが所定の閾値を超えたか否かを判定する(ステップS304)。例えば、判定装置100は、算出したスコアが現在の選択中のベアラよりも高いか否かを判定する。判定装置100は、算出したスコアが所定の閾値を超えていないと判定した場合(ステップS304;NO)、情報処理を終了する。一方、判定装置100は、算出したスコアが所定の閾値を超えたと判定した場合(ステップS304;YES)、通信経路の切り替えを要求する(ステップS305)。具体的には、判定装置100は、接続中の通信ネットワークを他のネットワークへ変更する。
【0130】
〔9-3.変形例3(アプリに応じたベアラの切り替え)〕
以下、利用するアプリケーションに応じてベアラを切り替える場合を説明する。一般的に、キャリア網内に設置されたMEC(Mobile Edge Computing)を利用できる場合など、Wi-Fiを利用する場合よりセルラーの方が遅延面で優れる場合がある。例えば、低遅延性を要求するオンラインゲームのような場合には、遅延量が小さくなるようなベアラを選択する場合がある。この場合、Wi-Fiを利用できる環境下においてもセルラーを使用することがある。また、遅延量を最適にし、快適に通信する場合には、ハンドオーバーを最適に実施する必要がある。
【0131】
判定装置100は、端末装置10の内部に備えられたセンサによるセンサ情報(例えば、移動方向、移動速度、加速度)を組み合わせて、低遅延を要求するユーザに対して最適なハンドオーバーやビームの選択を実施する。以下、
図14を用いて、変形例3に係る情報処理システム1による情報処理の手順について説明する。
図14は、変形例3に係る情報処理システム1による情報処理の手順を示すフローチャートである。
【0132】
判定装置100は、ユーザの移動情報を示すセンサ情報と、端末装置10で使用されているアプリケーション情報とを取得する(ステップS401)。例えば、判定装置100は、端末装置10の移動速度、アクティビィティ認識の結果、使用しているアプリケーションとその要求遅延量やスループットを取得する。判定装置100は、取得したセンサ情報とアプリケーション情報とに基づいて遅延量が最小のベアラを選択する(ステップS402)。判定装置100は、選択したベアラへのハンドオーバーを端末装置10に指示する(ステップS403)。
【0133】
図15に示すように、判定装置100は、基地局やセルラーネットワークに対して、端末装置10の移動速度、アクティビィティ認識の結果、使用しているアプリケーションとその要求遅延量やスループットを送信してもよい。また、判定装置100は、基地局やセルラーネットワークに対して、送信情報に基づいて最適なベアラを選択するよう要求してもよい。また、判定装置100は、基地局やセルラーネットワークから送信された情報に基づいて、選択されたベアラへのハンドオーバーを端末装置10に指示してもよい。
【0134】
〔9-4.変形例4(ベアラごとのスコア計算)〕
上記実施形態では、一のベアラに対して複数の学習モデルを同時に使用する場合を示した。判定装置100は、ベアラごとに学習モデルを生成して使用してもよい。具体的には、判定装置100は、ベアラごとに学習モデルを生成してベアラごとにスコアを算出し、ベアラごとに近い未来の通信品質を予測してもよい。以下、
図16及び17を用いて説明する。
【0135】
図16を用いて、変形例4に係る判定処理の一例を説明する。判定装置100は、過去通信関連情報LINF1Aを取得する(ステップS501)。判定装置100は、ベアラごとに異なる複数のセルラー情報を取得する。例えば、判定装置100は、セルラー情報Pと、セルラー情報Qと、セルラー情報Rとを取得する。判定装置100は、ベアラごとに異なるセルラー情報を用いて、ベアラごとに学習モデルを生成する(ステップS502)。例えば、判定装置100は、センサ情報とセルラー情報Pとに基づいてモデルMP1を生成する。例えば、判定装置100は、センサ情報とセルラー情報Qとに基づいてモデルMQ1を生成する。例えば、判定装置100は、センサ情報とセルラー情報Rとに基づいてモデルMR1を生成する。また、判定装置100は、生成したモデルの全て又は一部を記憶する。例えば、判定装置100は、生成したモデルの全て又は一部を所定の記憶部に記憶する。例えば、判定装置100は、生成したモデルの全て又は一部をモデル情報記憶部122Aに記憶する。また、判定装置100は、生成したモデルをベアラごとに記憶してもよい。例えば、判定装置100は、生成したモデルをベアラごとの記憶部に記憶してもよい。
【0136】
図2に示す例と同様に、判定装置100は、通信関連情報TINF1Aを取得する(ステップS503)。なお、通信関連情報TINF1Aには、端末装置10で取得可能なセルラーネットワークに関連する情報として、セルラー情報Pと、セルラー情報Qと、セルラー情報Rとが含まれる。
【0137】
判定装置100は、取得した通信関連情報TINF1Aのうち、センサ情報とセルラー情報との組み合わせの各々を、対応するモデルに入力する。例えば、判定装置100は、セルラー情報Pとセンサ情報とをモデルMP1に入力する。この場合、判定装置100は、セルラー情報Pに対応するセルラーネットワークの悪化度合を示す情報を出力する。
図16では、判定装置100は、セルラー情報Pに対応するセルラーネットワークの悪化度合を示す情報として、通信品質を示すスコアが30であることを出力する。例えば、判定装置100は、セルラー情報Qとセンサ情報とをモデルMQ1に入力する。この場合、判定装置100は、セルラー情報Qに対応するセルラーネットワークの悪化度合を示す情報を出力する。
図16では、判定装置100は、セルラー情報Qに対応するセルラーネットワークの悪化度合を示す情報として、通信品質を示すスコアが50であることを出力する。例えば、判定装置100は、セルラー情報Rとセンサ情報とをモデルMR1に入力する。この場合、判定装置100は、セルラー情報Rに対応するセルラーネットワークの悪化度合を示す情報を出力する。
図16では、判定装置100は、セルラー情報Rに対応するセルラーネットワークの悪化度合を示す情報として、通信品質を示すスコアが60であることを出力する。
【0138】
判定装置100は、取得した通信関連情報TINF1Aのうち、センサ情報とWi-Fi情報との組み合わせを、対応するモデルに入力する。例えば、判定装置100は、Wi-Fi情報とセンサ情報とをモデルMW1に入力する。この場合、判定装置100は、Wi-Fi接続の悪化度合を示す情報を出力する。
図16では、判定装置100は、Wi-Fi接続の悪化度合を示す情報として、通信品質を示すスコアが45であることを出力する。
【0139】
判定装置100は、出力した通信品質を示すスコアに基づいて最適な通信ネットワークを選択する。例えば、判定装置100は、出力したスコアが最大の通信ネットワークを選択する。上記の例では、判定装置100は、セルラー情報Pのスコアである30と、セルラー情報Qのスコアである50と、セルラー情報Rのスコアである60とを比較して、スコアが60で最大であるセルラー情報Rに対応するセルラーネットワークを選択する。なお、判定装置100は、出力したスコアに基づいて最適なセルラーネットワークを選択し、最適なセルラーネットワークとWi-Fiとを比較することにより、最適な通信ネットワークを選択してもよい。上記の例では、判定装置100は、スコアが最大のセルラー情報Rに対応するセルラーネットワークを選択し、選択されたセルラーネットワークのスコアである60と、Wi-Fiのスコアである45とを比較して、スコアがより大きいセルラー情報Rに対応するセルラーネットワークを最適な通信ネットワークとして選択してもよい。
【0140】
なお、判定装置100は、通信品質を示すスコアとしてRTTの値を用いてもよい。この場合、判定装置100は、RTTの値がより小さい通信ネットワークを最適な通信ネットワークとして選択する。上記の例を用いると、判定装置100は、セルラー情報Pと、セルラー情報Qと、セルラー情報Rとのうち、RTTの値が最小のセルラー情報Pに対応するセルラーネットワークを選択する。そして、判定装置100は、選択されたセルラーネットワークのRTTの値である30と、Wi-FiのRTTの値である45とを比較して、RTTの値がより小さいセルラー情報Pに対応するセルラーネットワークを最適な通信ネットワークとして選択する。
【0141】
図17は、LTE、Sub6、mmWaveを用いる場合を示す。
図17では、判定装置100は、mmWave、Sub6、LTEのベアラが選択可能な状態で、センサ情報と組み合わせてベアラごとに近い未来の通信品質のスコアを算出する。具体的には、判定装置100は、LTEのセルラー情報を、LTEに対応する学習モデルに入力してLTEのスコアを算出し、LTEの通信状態の悪化度合を予測する。例えば、判定装置100は、Sub6のセルラー情報を、Sub6に対応する学習モデルに入力してSub6のスコアを算出し、Sub6の通信状態の悪化度合を予測する。例えば、判定装置100は、mmWaveのセルラー情報を、mmWaveに対応する学習モデルに入力してmmWaveのスコアを算出し、mmWaveの通信状態の悪化度合を予測する。
図17では、判定装置100は、mmWave、Sub6、LTEのベアラが端末装置10と通信可能な状態で、センサ情報と組み合わせてベアラごとに近い未来の通信品質のスコアを算出する。
【0142】
一般的に、mmWaveのベアラはスループットが高いがカバレッジが小さいため、頻繁に切断される可能性がある。この場合、判定装置100は、Sub6とLTEとの近い未来の通信品質を同時に予測することにより、mmWaveからの遷移先のベアラを決定する。また、判定装置100は、Wi-Fiが同時に利用可能な場合には、Wi-Fiの近い未来の通信品質を予測することで、Wi-Fiに接続中の場合であっても、ベアラの切り替えるべき先を決定する。これにより、判定装置100は、シームレスなネットワークベアラの遷移を実現し、常に最適なネットワークを選び続けることができる。
【0143】
以下、
図18を用いて、変形例4に係る情報処理システム1による情報処理の手順について説明する。
図18は、変形例4に係る情報処理システム1による情報処理の手順を示すフローチャートである。判定装置100は、ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報と、各通信ネットワークの通信品質の状況を示す通信情報とを取得する(ステップS601)。判定装置100は、取得したセンサ情報と通信情報とを、各学習モデルに対応する入力情報として、通信ネットワークの悪化の度合を示すスコアをベアラごとに算出する(ステップS602)。判定装置100は、算出したスコアに基づいて最適なセルラーネットワークを選択する(ステップS603)。判定装置100は、算出したスコアがWi-Fiのスコアよりも高いかを判定する(ステップS604)。判定装置100は、算出したスコアがWi-Fiのスコアよりも低い場合には、情報処理を終了する。判定装置100は、算出したスコアがWi-Fiのスコアよりも高い場合には、通信経路の切り替えを要求する(ステップS605)。例えば、判定装置100は、セルラーネットワークへ変更するよう指示する。
【0144】
なお、
図18では、判定装置100が、セルラーネットワークの中から最適なネットワークを選択し、その後Wi-Fiのスコアと比較して、ネットワークを切り替える処理の手順について説明した。ここで、判定装置100が、セルラーネットワークとWi-Fiとを含む全ての通信ネットワークのスコアを同時に比較して、スコアが最大の通信ネットワークへ切り替える処理の手順について説明する。この場合、判定装置100は、
図18に示すステップS601及びS602と同様の処理を行う。ステップS603及びS604において、判定装置100は、セルラーネットワークとWi-Fiとを含む算出した全てのスコアを比較することにより、スコアが最大の通信ネットワークを選択する。ステップS605において、判定装置100は、スコアが最大の通信ネットワークへの切り替えを要求する。例えば、判定装置100は、LTE、Sub6、mmWave、Wi-Fiの各通信ネットワークの悪化の度合を示す各スコアを算出してスコアが最大の通信ネットワークへ切り替えるよう指示する。
【0145】
〔9-5.変形例5(場所に応じて訓練済みデータをダウンロード)〕
上述した実施形態では、端末装置10内で生成された又はインストールされた学習モデルを用いる場合を示したが、外部から提供された学習モデルを用いてもよい。例えば、判定装置100は、外部からアップデートなどで提供される学習モデルを用いてもよい。以下、センサ情報から取得された位置情報に基づいて外部から学習モデルをダウンロードし、ダウンロードされた学習モデルに基づいて切り替えを実施する場合を説明する。
【0146】
これにより、判定装置100は、一般的なデータからでは学習できないエリアに最適化されたベアラの切り替えを実現することができる。例えば、判定装置100は、ユーザが電車に乗る路線に最適化された学習モデルをダウンロードすることにより、ホーム上にある無線LANスポットや車内Wi-Fiを有効に活用することができる。一般的に、車内Wi-Fiの上流がWiMAXなどの場合、車両がトンネルに入るとWANのアクセスがなくなり、ネットワーク疎通がなくなる可能性がある。この場合など、判定装置100は、路線に最適な学習モデルを外部から適応することで、トンネルに入ることを予測させ、上流ネットワークが切断される前にセルラーに切り替えることができる。また、判定装置100は、スタジアムやイベントなどの大勢の人間が集まることが予想され、セル内端末密度が上がるエリアでは、なるべくWi-Fiにオフロードされるようにチューニングされた学習モデルを適応することで全体の通信品質を上げることができる。
【0147】
図19は、変形例5に係る判定処理の一例を示す。判定装置100は、センサデータに基づいてユーザの位置情報を推定する。この場合、判定装置100は、センサデータに基づいてユーザの位置情報を推定する位置推定部136を有してもよい。
図20に示すように、制御部130Aは、位置推定部136を更に有していてもよい。判定装置100は、ユーザの位置情報に対応する学習モデルを要求し、外部から学習モデルをダウンロードする。判定装置100は、外部からダウンロードした学習モデルに通信情報を入力することにより、通信品質に関するスコアを算出する。
【0148】
以下、
図21を用いて、変形例5に係る情報処理システム1による情報処理の手順について説明する。
図21は、変形例5に係る情報処理システム1による情報処理の手順を示すフローチャートである。判定装置100は、学習済みモデルが利用可能かを判定する(ステップS701)。判定装置100は、学習済みモデルが利用可能でない場合(ステップS701;NO)、情報処理を終了してもよいし、端末装置10又は判定装置100に記憶されたデフォルトのスコア計算機を用いてスコアを算出してもよい。判定装置100は、学習済みモデルが利用可能である場合(ステップS701;YES)、外部から学習モデルをダウンロードする(ステップS702)。判定装置100は、ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報と、各通信ネットワークの通信品質の状況を示す通信情報とを取得する(ステップS703)。判定装置100は、取得したセンサ情報と通信情報とを入力情報として、タウンロードした学習モデルを用いてスコアを算出する(ステップS704)。判定装置100は、算出したスコアが所定の閾値を超えるかを判定する(ステップS705)。判定装置100は、算出したスコアが所定の閾値を超えない場合(ステップS705;NO)、情報処理を終了する。判定装置100は、算出したスコアが所定の閾値を超える場合(ステップS705;YES)、通信経路の切り替えを要求する(ステップS706)。例えば、判定装置100は、接続中の通信ネットワークを他のネットワークへ変更する。
【0149】
〔9-6.変形例6(クラウド上でのスコア計算1)〕
上述した実施形態では、端末装置10内にある学習モデルを用いる場合を示したが、判定装置100は、外部にある学習モデルを用いてもよい。また、上述した変形例5に係る実施形態では、外部からダウンロードなどにより提供された学習モデルを用いる場合を示したが、変形例6に係る実施形態では、判定装置100は、入力情報を外部に提供することにより、外部にある学習モデルを用いる場合を示す。例えば、判定装置100は、クラウドサーバやモバイルエッジコンピューティングサーバ上などにある学習モデルを用いる。なお、変形例6に係る外部とは、クラウドやモバイルエッジコンピューティングに限らず、学習モデルを記憶できる媒体であればどのようなものであってもよい。この場合、提供部135は、センサ情報と通信情報とを、移動体通信機器以外のスコアを出力する媒体へ提供する。
【0150】
図22を用いて、変形例6に係る判定処理の一例を説明する。判定装置100は、端末装置10から取得した各ベアラの通信情報とセンサ情報とを所定の間隔で外部にアップロードする。なお、所定の間隔とは、数秒ごとや数時間ごとや数日ごとなどの一定の間隔であってもよいし、所定の条件に基づいて変動する間隔であってもよい。例えば、判定装置100は、端末装置10から取得した情報量が所定の閾値を満たすごとに外部にアップロードしてもよい。また、判定装置100による外部へのアップロードは、どのような形式や手法によって行われてもよく、例えば、JSON形式や、REST APIなどを使用することによって行われてもよい。この場合、外部は、判定装置100から提供された各ベアラの通信情報とセンサ情報とを入力情報として、外部に記憶された学習モデルを用いてスコアを出力する。そして、判定装置100は、外部にある学習モデルによって出力された結果を外部から受信する。判定装置100は、受信したスコアと所定の閾値とを比較することにより、端末装置10のベアラを切り替えるかを判定する。また、判定装置100は、受信したスコアに基づいて算出されたスコアと所定の閾値とを比較することにより、端末装置10のベアラを切り替えるかを判定してもよい。例えば、判定装置100は、受信したスコアに所定のアルゴリズムに基づく重みを掛け合わせることにより算出されたスコアと所定の閾値とを比較することにより、端末装置10のベアラを切り替えるかを判定してもよい。例えば、判定装置100は、受信したスコアと、判定装置100により取得された情報に基づく重みとを所定のアルゴリズムを介して算出されたスコアと、所定の閾値とを比較することにより、端末装置10のベアラを切り替えるかを判定してもよい。判定装置100は、端末装置10のベアラを切り替えると判定した場合、通信経路の切り替えを通信部110に要求する。例えば、判定装置100は、通信経路の切り替えを通信経路制御部に要求する。これにより、判定装置100は、端末装置10内では計算量が不足するような大規模なスコア計算でも、外部計算資源を利用することにより実現することができるようになる。
【0151】
判定装置100は、外部から提供された結果と、判定装置100により出力された結果とが乖離しているかを判定してもよい。判定装置100は、外部から提供されたスコアと、判定装置100により出力されたスコアとが所定の閾値以上乖離する場合には、外部から提供されたスコアではなく、判定装置100により出力されたスコアを用いて、ベアラの切り替えを判定してもよい。また、判定装置100は、外部による算出と、判定装置100による算出とにおける入力情報が対象とする時刻が前後で異なる場合、外部から提供された結果と、判定装置100により出力された結果とが乖離しているかを判定してもよい。
【0152】
以下、
図23を用いて、変形例6に係る情報処理システム1による情報処理の手順について説明する。
図23は、変形例6に係る情報処理システム1による情報処理の手順を示すフローチャートである。判定装置100は、ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報と各通信ネットワークの通信品質の状況を示す通信情報とを取得する(ステップS801)。判定装置100は、取得したセンサ情報と通信情報とを外部にアップロードする(ステップS802)。判定装置100は、外部で算出されたスコアを受信する(ステップS803)。判定装置100は、受信したスコアが所定の閾値を超えるかを判定する(ステップS804)。判定装置100は、受信したスコアが所定の閾値を超えない場合(ステップS804;NO)、情報処理を終了する。判定装置100は、受信したスコアが所定の閾値を超える場合(ステップS804;YES)、通信経路の切り替えを要求する(ステップS805)。
【0153】
〔9-7.変形例7(クラウド上でのスコア計算2)〕
変形例6に係る実施形態では、外部に記憶された学習モデルを用いる場合を示したが、変形例7に係る実施形態では、学習モデルがクラウドなどの外部で学習される場合を示す。例えば、単一の切り替えモデルで構成されるスコア計算機では画一的な切り替え基準になってしまい、ユーザ自身の行動パターンやユーザが存在している場所に最適化されたエンジンにならない。以下、変形例6と同様の処理については適宜記載を省略する。以下、
図24を用いて、変形例7に係る判定処理の一例を説明する。判定装置100は、端末装置10内に記憶された学習モデルでは正常に切り替えができない場合、切り替えが失敗したときの情報(例えば、通信情報、位置情報、接続先のSSIDの情報)を外部にアップロードする。例えば、判定装置100は、アプリケーションが出力するネットワークエラーのメッセージが出力された時点を記録することにより、正常に切り替えができなかった場合を検出する。なお、判定装置100は、エラーメッセージが出力された時点の記録に限らず、どのように正常に切り替えができなかった場合を検出してもよい。具体的には、判定装置100は、切り替えの失敗時から所定の時間におけるネットワーク情報とエラーが発生した位置情報とに基づく情報をアップロードする。この場合、アップロードされる外部は、緯度や経度などの位置情報をパラメータとして学習してもよいし、所定のエリアに限定されたエリア内でアップロードされたデータを用いて別のエンジンを学習してもよい。これにより、判定装置100は、同じ位置における学習データが集まるため、より場所に適応した学習モデルから出力される情報に基づく判定を実現することが可能になる。この場合、提供部135は、センサ情報と通信情報とを、移動体通信機器以外の媒体であって、エリアごとに学習された異なる学習モデルを用いてスコアを出力する媒体へ提供する。
【0154】
〔9-8.その他(スコアによる判定以外の判定)〕
上記実施形態では、判定装置100により算出されたスコアが所定の閾値を超えるか否かに応じて、通信ネットワークの切り替え処理を行う場合を示した。判定装置100は、この例に限らず、特定の条件を用いて、通信ネットワークの切り替え処理を行ってもよい。具体的には、判定装置100は、デフォルトネットワークとして予め定められたネットワークへの切り替えを無効化することによって、通信ネットワークが切り替わらないようにすることにより、通信ネットワークの切り替え処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、特定の条件として、通信ネットワークの切り替え後に、取得部131により取得された通信パラメータのうち少なくともいずれか一つが所定の条件を満たさない場合には、デフォルトネットワークへの再度の切り替えが実行されないように、通信ネットワークの切り替え処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、RSSIが所定の閾値以上変化しない場合には、環境変化がないと判定して、デフォルトネットワークへの再度の切り替えが実行されないように、通信ネットワークの切り替え処理を行ってもよい。これにより、判定装置100は、切り替えを繰り返すチャタリング(Chattering)を防止することができるため、より高度な通信ネットワークの切り替え制御を行うことができる。これにより、判定装置100は、フェイルセーフ(Fail Safe)が搭載されたような効果を奏することができる。
【0155】
〔10.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る端末装置10、情報提供装置50および判定装置100は、例えば、
図25に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図25は、端末装置10、情報提供装置50および判定装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0156】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0157】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0158】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0159】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0160】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る端末装置10、情報提供装置50および判定装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部14、53および130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0161】
〔11.その他〕
また、上記実施形態および変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0162】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0163】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0164】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0165】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【0166】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
複数の通信ネットワークに選択的に接続して通信する通信部と、
ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報と、各通信ネットワークへの通信品質の状況を示す通信情報とを取得する取得部と、
前記取得部によって取得されたセンサ情報と通信情報とに基づいて、複数の通信ネットワークのうち他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する判定部と、
を備える判定装置。
(2)
前記判定部は、
前記取得部によって取得されたセンサ情報のうち、前記ユーザの状態を示すセンサ情報に基づいて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
(1)に記載の判定装置。
(3)
前記判定部は、
前記ユーザの移動速度を示すセンサ情報に基づいて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
(1)または(2)に記載の判定装置。
(4)
前記判定部は、
前記取得部によって取得されたセンサ情報のうち、前記ユーザの状態に基づいて推定された前記ユーザのコンテキスト情報に基づいて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
(1)~(3)のいずれか1項に記載の判定装置。
(5)
前記複数の通信ネットワークは、
無線LAN基地局を介する無線LANネットワークと、セルラー通信基地局を介するセルラーネットワークとを含み、
前記判定部は、
前記無線LANネットワークを介して行われる通信の前記通信情報に基づいて、前記無線LANネットワークを前記セルラーネットワークへ切り替えるかを判定する
(1)~(4)のいずれか1項に記載の判定装置。
(6)
前記判定部は、
前記通信情報として、RSSI、LinkSpeed、又はパケット通信状況のうち少なくともいずれか一つに基づいて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
(5)に記載の判定装置。
(7)
前記判定部は、
前記通信情報及びセンサ情報の少なくともいずれか一つを入力情報として、前記通信ネットワークの切替を実行すべきか否かの尺度を示すスコアを出力する学習モデルを用いて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
(1)~(6)のいずれか1項に記載の判定装置。
(8)
前記判定部は、
前記通信情報及びセンサ情報の少なくともいずれか一つを入力情報として、各通信ネットワークの通信品質に関するスコアを出力する学習モデルを用いて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
(1)~(7)のいずれか1項に記載の判定装置。
(9)
前記判定部は、
前記通信情報及びセンサ情報の少なくともいずれか一つを入力情報として、各通信ネットワークに対応するスコアを出力する複数の学習モデルを用いて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
(1)~(8)のいずれか1項に記載の判定装置。
(10)
前記判定部は、
前記複数の学習モデルを用いて、前記複数の通信ネットワークのうち前記スコアが最大の通信ネットワークへ切り替えると判定する
(9)に記載の判定装置。
(11)
前記判定部は、
前記複数の通信ネットワークのうち、スループットに基づく遅延量が最小の通信ネットワークへ切り替えると判定する
(1)~(10)のいずれか1項に記載の判定装置。
(12)
前記取得部によって取得されたセンサ情報と通信情報とを前記スコアを出力する前記移動体通信機器以外へ提供する提供部をさらに備え、
前記判定部は、
前記移動体通信機器以外で算出された前記スコアに基づいて、前記他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
(1)~(11)のいずれか1項に記載の判定装置。
(13)
前記提供部は、
前記取得部によって取得されたセンサ情報と通信情報とを、エリアごとに学習された異なる前記学習モデルを用いて前記スコアを出力する前記移動体通信機器以外へ提供する
(12)に記載の判定装置。
(14)
前記セルラーネットワークは、
第5世代の通信規格に準拠した通信ネットワークである
(5)に記載の判定装置。
(15)
前記セルラーネットワークは、
第5世代におけるミリ波通信に準拠した通信ネットワークである
(5)に記載の判定装置。
(16)
コンピュータが、
複数の通信ネットワークに選択的に接続して通信し、
ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報と、各通信ネットワークへの通信情報とを取得し、
取得されたセンサ情報と通信情報とに基づいて、複数の通信ネットワークのうち他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
判定方法。
(17)
コンピュータに、
複数の通信ネットワークに選択的に接続して通信し、
ユーザが利用する移動体通信機器により検知されるセンサ情報と、各通信ネットワークへの通信情報とを取得し、
取得されたセンサ情報と通信情報とに基づいて、複数の通信ネットワークのうち他の通信ネットワークへ切り替えるかを判定する
判定プログラム。
【符号の説明】
【0167】
1 情報処理システム
10 端末装置
50 情報提供装置
100 判定装置
110 通信部
111 通信経路制御部
120 記憶部
121 過去通信関連情報記憶部
122 モデル情報記憶部
130 制御部
131 取得部
1311 通信パラメータ取得部
1312 センサ情報取得部
132 生成部
133 算出部
134 判定部
135 提供部
136 位置推定部
N ネットワーク