(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G01D 13/02 20060101AFI20240806BHJP
G01D 11/24 20060101ALI20240806BHJP
B60K 37/00 20240101ALI20240806BHJP
【FI】
G01D13/02 101Z
G01D11/24 A
B60K37/00 Z
(21)【出願番号】P 2021561378
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(86)【国際出願番号】 JP2020043367
(87)【国際公開番号】W WO2021106778
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-09-15
(31)【優先権主張番号】P 2019215968
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小川 憲弘
(72)【発明者】
【氏名】池田 聡子
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-128498(JP,A)
【文献】特開2016-92273(JP,A)
【文献】特開2011-199023(JP,A)
【文献】特開2009-205944(JP,A)
【文献】特開2013-162083(JP,A)
【文献】特開2017-219310(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0298003(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/00-13/28
B60K 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に面する面方向を有し、透視部を有する文字板と、
前方から視認可能に前記透視部の後方に配置される表示素子と、
前記表示素子の前記後方に配置され前記表示素子と電気的に接続され、アースを有する回路基板と、
前記文字板に帯電した静電気を前記アースへ流す導電部材と、
前記文字板及び前記表示素子を前方側で支持し、前記回路基板と前記文字板との間で前記導電部材を支持する支持部を有するケースと、を備え、
前記導電部材は、
前記文字板に電気的に接続する第一接続部と、
前記アースに電気的に接続する第二接続部と、
前記第一接続部と前記第二接続部との間に配置される中間部と、
前記第一接続部と前記中間部とを連結する第一連結部と、
前記中間部と前記第二接続部とを連結する第二連結部と、を有し、
前記第一接続部と前記中間部とで前記支持部を挟み込むことにより前記前後方向において支持され
、
前記第一接続部及び前記中間部の少なくとも一方は、前記支持部に向う方向に突出した凸部を有し、
前記支持部は、前記凸部が収容される凹部と、前記凸部の前記凹部からの移動を規制する規制部と、を有する、
表示装置。
【請求項2】
前記第一接続部と前記中間部との距離と、前記第二接続部と前記中間部との距離とは、異なる、請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記支持部は、前記導電部材と接触する外縁又は角を有し、
少なくとも一部の前記外縁又は前記角は、R形状を有する、請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記導電部材は、前記第一接続部と前記第一連結部との境界、前記第一連結部と前記中間部との境界、前記中間部と前記第二連結部との境界、及び前記第二連結部と前記第二接続部との境界において折り曲げられる一枚の板状部材である、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用等の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、液晶表示器の誤表示を抑制するために、表示板に帯電した静電気を回路基板のアースへ流すための導電部材を有する表示装置が開示されている。導電部材は、表示板と確実に接触するため、表示板にテンションを加えた状態で接触する。また、表示装置は、表示板の非表示領域を覆う見返し部材を有する。表示板は、導電部材からのテンションにより浮き上がらないように、この見返し部材で押さえつけられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した見返し部材のような、表示板を押さえつける部材は、導電部材からテンションを加えられる位置に対して可能な限り近接して配置されるのが好ましい。しかし、表示装置のデザインや設計上の制約から、表示板を押さえつける部材を好適な位置に配置できない虞がある。この場合、表示装置は、表示板の浮き上がりを抑制できず、表示装置の外観を損ねてしまう虞がある。
【0005】
本開示はこのような事情を考慮してなされたもので、外観不良を防止することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の表示装置は、上述した課題を解決するために、前後方向に面する面方向を有し、透視部を有する文字板と、前方から視認可能に前記透視部の後方に配置される表示素子と、前記表示素子の前記後方に配置され前記表示素子と電気的に接続され、アースを有する回路基板と、前記文字板に帯電した静電気を前記アースへ流す導電部材と、前記文字板及び前記表示素子を前方側で支持し、前記回路基板と前記文字板との間で前記導電部材を支持する支持部を有するケースと、を備え、前記導電部材は、前記文字板に電気的に接続する第一接続部と、前記アースに電気的に接続する第二接続部と、前記第一接続部と前記第二接続部との間に配置される中間部と、前記第一接続部と前記中間部とを連結する第一連結部と、前記中間部と前記第二接続部とを連結する第二連結部と、を有し、前記第一接続部と前記中間部とで前記支持部を挟み込むことにより前記前後方向において支持され、前記第一接続部及び前記中間部の少なくとも一方は、前記支持部に向う方向に突出した凸部を有し、前記支持部は、前記凸部が収容される凹部と、前記凸部の前記凹部からの移動を規制する規制部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の実施形態としての表示装置の正面図。
【
図3】回路基板、中ケース、及び文字板を主に示す斜視図。
【
図4】アース端子及び導電部材を特に拡大した説明図。
【
図7】導電部材取付前の導電部材支持部を特に示す説明図。
【
図8】導電部材取付後の
図7のVIII-VIII線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の表示装置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本開示の表示装置は、例えば自動車や二輪車等の車両や、船舶、農業機械、建設機械に搭載される表示装置に適用することができる。
【0009】
図1は、本開示の実施形態としての表示装置1の正面図である。
図2は、
図1のII-II線に沿う断面図である。
図3は、回路基板50、中ケース15、及び文字板30を主に示す斜視図である。
【0010】
以下の説明において、「前(前面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「右」、及び「左」は、
図1から
図8における定義「Fr.」、「Re.」、「To.」、「Bo.」、「R」、及び「L」に従う。尚、表示装置1がユーザに視認される側を「前」とする。
【0011】
表示装置1は、速度計(以下、「SP」という。)2と、エンジン回転数計(以下、「TA」という。)3と、を有する。SP2は、正面視右側に配置され、車両の速度を表示する指針式(機械式)計器である。TA3は、正面視左側に配置され、車両のエンジン回転数を表示する指針式計器である。本実施形態においては、表示装置1に関連するTA3側の構成について主に説明し、SP2側の構成については詳細な説明を省略する。
【0012】
表示装置1は、ケース10と、見返し20と、文字板30と、リング40と、回路基板50と、表示パネル60と、導光体70と、導電部材80と、を主に有する。
【0013】
ケース10は、外ケース11と、中ケース15と、を有する。
【0014】
外ケース11(
図2においては図示省略)は、黒色等の合成樹脂(例えばポリプロピレン)からなる。外ケース11は、内部空間に文字板30、回路基板50をはじめとする各種部材を収容する。
【0015】
中ケース15は、正面視において略正円形状の部材であり、白色等の合成樹脂(例えばポリプロピレン)からなる。中ケース15は、文字板30を外ケース11の内部空間内に固定(載置)したり、光源52の遮光壁として作用したりする。中ケース15は、透過口16(
図7)と、パネル支持部17(
図7)と、リング受部18と、導電部材支持部90と、を主に有する。
【0016】
透過口16は、文字板30に形成される記号33の位置に対応して、光源52の光を透過させる。パネル支持部17は、前面19(
図7)上に設けられる凹部であり、表示パネル60を前方側で支持する。
【0017】
リング受部18は、リングフック44が引っ掛かることでリング40を中ケース15の前方に面する外縁14に固定する。リング受部18は、外縁14の所要箇所に所要数配置される。
【0018】
導電部材支持部90(支持部)は、回路基板50と文字板30との間で導電部材80を支持する。導電部材支持部90の詳細は、後述する。
【0019】
見返し20は、黒色等の遮光性の合成樹脂(例えばポリプロピレン)からなる。見返し20は、外ケース11の前面側を覆い、ケース10内の不要な領域をユーザから遮蔽する。具体的には、見返し20は、正面視において文字板30以外の領域を遮蔽する。尚、見返し20は、文字板30とは前後方向において重なり合っていない。見返し20は、開口12を前方に有し、開口12は、透光板13に覆われる。
【0020】
文字板30は、薄板状の略正円形状の部材であり、前後方向に面する面方向を有する。文字板30は、基材と、遮光層と、を有する。基材は、例えば透明なポリカーボネート樹脂からなる薄板である。遮光層は、基材の前面(又は背面)に形成された黒色の遮光性インキで印刷された印刷層である。遮光層は、意匠31の形状に対応した抜き文字部分を有する。意匠31は、数字32、記号33、及び目盛34を含む。意匠31は、光源52の光を透過することにより、点灯表示される。
【0021】
文字板30は、表示パネル60を視認させるための透視部35を有する。透視部35は、文字板30において表示パネル60に対応する箇所に形成される開口、又は遮光層が形成されない領域により形成される。
【0022】
リング40は、円環状を有する黒色等の合成樹脂(例えばポリプロピレン)からなる。リング40は、前側支持部41と、後側支持部42と、リングフック44と、を有する(
図2)。前側支持部41及び後側支持部42は、リングフック44に対して前方に設けられる。
【0023】
前側支持部41は、リング40の内周面45から径方向内側に向かって突出した凸部である。前側支持部41は、リング40の周方向に亘って形成される。前側支持部41は、文字板30の外縁37側において、文字板30の前方への移動を規制する。
【0024】
後側支持部42は、リング40の内周面45から径方向内側に向かって突出した凸部である。後側支持部42は、リング40の周方向における所要箇所に所要数配置される。後側支持部42は、文字板30の外縁37側において、文字板30の後方への移動を規制する。これにより、前側支持部41及び後側支持部42は、文字板30を固定して保持する。
【0025】
リングフック44は、リング40を中ケース15に固定する。リングフック44は、内周面45から径方向内側に向かって突出して形成され、リング受部18と掛かり合うことによりリング40を前後方向に固定する。リングフック44は、リング40の周方向における所要箇所に所要数配置される。
【0026】
回路基板50は、文字板30及び中ケース15に対して後方に配置される。また、回路基板50は、表示パネル60の後方に配置され、表示パネル60と電気的に接続される。回路基板50は、指針駆動部(図示せず)と、光源52と、指針駆動部や光源52のドライバ等を含む制御部と、を主に有する。
【0027】
制御部は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有しており、例えば、ROMに書き込まれたプログラムに従って所定の演算処理を実行する。制御部は、例えば、車両のECU(Electronic Control Unit)から各種車両情報を取得する。制御部は、取得した情報に基づき、指針駆動部を駆動し、また、光源52を点灯させる。
【0028】
指針駆動部は、入力された車両の走行速度やエンジン回転数に応じて指針軸を回転する。指針軸は、回路基板50に対して垂直に前方に伸びる(伸長する)金属製の棒状部材からなる。指針軸は、先端において指針55と接続される。指針55は、文字板30の前面上を回転することにより、目盛34を指し示す。
【0029】
光源52は、回路基板50の前面51に設けられ、例えばトップビュー型(上面発光型)のLED(Light Emitting Diode)である。光源52は、文字板30の後方に所要数設けられる。
【0030】
また、回路基板50は、アースパターン(アース)と、アース端子56と、を有する。ここで、
図4は、アース端子56及び導電部材80を特に拡大した説明図である。
【0031】
アースパターンは、アース端子56及び導電部材80を介して文字板30と電気的に接続され、文字板30に帯電した電気を放電させる。アース端子56は、半田付けにより回路基板50(アースパターン)に固定される。アース端子56は、例えば導電性を有する金属プレートをZ字状に折り曲げたものであり、前後方向にバネ性を有する。
【0032】
表示パネル60(表示素子)は、中ケース15のパネル支持部17に配置される。表示パネル60は、例えばフック(図示せず)により中ケース15に固定される。また、表示パネル60は、前方から表示画面が視認可能なように、透視部35の後方に配置される。
【0033】
表示パネル60は、四角形状に形成された、セグメント式の液晶表示パネルである。表示パネル60は、液晶層を封入する一対のガラス基板を有する。一対のガラス基板は、ITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極を有する。また、表示パネル60は、一対のガラス基板を挟み込む一対の偏光板(偏光フィルタ)を有する。表示パネル60は、FPC(Flexible Printed Circuits)等の可撓性基板61を介して、回路基板50に接続され、制御される。これにより、表示パネル60は、所定の情報を表示する。
【0034】
導光体70は、透明な合成樹脂(例えばポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA、Polymethyl methacrylate))からなる。導光体70は、指針軸の外周において例えば中ケース15に固定される。導光体70は、光源52の光を意匠31へ導く。導光体70の前方には、例えばポリカーボネート樹脂からなる透明な拡散板71が配置される。光源52の光は、拡散板71により更に拡散されて、意匠31を明るさのムラが無いように照明する。
【0035】
導電部材80は、例えば金属からなる導電性部材であり、文字板30に帯電した静電気をアースパターンへ流す。ここで、
図5は、導電部材80を説明する斜視図である。
図6は、
図5の導電部材80の前後方向に沿う断面図である。
【0036】
導電部材80は、文字板接続面81と、アース接続面82と、中間面83と、前連結面84と、後連結面85と、を有する。
【0037】
文字板接続面81(第一接続部)は、文字板30に電気的に接続する面である。文字板接続面81は、後方であって導電部材支持部90に向う方向に突出した前凸部86を有する。前凸部86は、曲面(球面)形状である。
【0038】
アース接続面82(第二接続部)は、アース端子56の前面57(
図4)と接することにより、アースパターンに電気的に接続する面である。
【0039】
中間面83(中間部)は、文字板接続面81とアース接続面82との間に配置される。中間面83は、前方であって導電部材支持部90に向う方向に突出した後凸部87を有する。後凸部87は、曲面(球面)形状であり、前凸部86と対向するように形成される。
【0040】
前連結面84(第一連結部)は、文字板接続面81と中間面83とを前後方向に連結する面である。後連結面85(第二連結部)は、中間面83とアース接続面82とを前後方向に連結する面である。
【0041】
導電部材80の各面81~85は、一枚の長さが幅に比べて長い長方形状の板状部材を順次略直角に折り曲げることにより、折り目を境界として形成される。具体的には、導電部材80は、文字板接続面81と前連結面84との境界88a、前連結面84と中間面83との境界88b、中間面83と後連結面85との境界88c、及び後連結面85とアース接続面82との境界88dにおいて、折り曲げられる一枚の板状部材である。
【0042】
導電部材80は、文字板接続面81を起点とした場合、後方に向って略S字状を形成するように、各境界88a、88b、88c、88dにおいて略直角に、折り曲げられる。導電部材80は、文字板接続面81、中間面83及びアース接続面82が略同一の寸法となるように、折り曲げられる。よって、文字板接続面81、中間面83及びアース接続面82は、互いに平行に配置され、前後方向視において重なり合う。また、折り曲げられた結果、後連結面85は、中間面83において前連結面84が形成される辺と対向する辺に位置し、前連結面84と後連結面85とは平行な面方向を有する。
【0043】
導電部材80は、前連結面84と後連結面85とが前後方向の長さを異ならせるように、折り曲げられる。これにより、文字板接続面81と中間面83との距離と、アース接続面82と中間面83との距離とは、異なる。
【0044】
次に、中ケース15の導電部材支持部90の詳細について説明する。
図7は、導電部材80取付前の導電部材支持部90を特に示す説明図である。
図8は、導電部材80取付後の
図7のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【0045】
導電部材支持部90は、パネル支持部17(表示パネル60)の近傍であって、外縁14側に形成される。導電部材支持部90は、被挟持部91と、上下支持部99と、を有する。
【0046】
被挟持部91は、上下壁92と、抜け止め壁(規制部)94と、を有する。上下壁92は、上下方向に対向する一対の壁である。被挟持部91の外形は、この上下壁92の寸法及び間隔により規定され、略直方体形状である。この略直方体状の外形は、導電部材80の文字板接続面81、前連結面84及び中間面83で形成される挟持空間89の形状と略同一の形状を有する。上下壁92間には、凸部収容空間93が形成される。この凸部収容空間93は、前凸部86及び後凸部87が収容される凹部となる。
【0047】
抜け止め壁94は、上下壁92に対して略直交し、被挟持部91が前方視で略H字状をなすように上下壁92間の空間に配置される。抜け止め壁94は、被挟持部91の前端から後端に亘って形成される。抜け止め壁94は、凸部収容空間93に収容される前凸部86及び後凸部87の、凸部収容空間93からの移動(左右方向の移動)を規制する。
【0048】
上下壁92は、導電部材80と接触する外縁95及び角96を有する。抜け止め壁94も、導電部材80(前凸部86、後凸部87)と接触する外縁97を有する。これら外縁95、97及び角96は、R形状を有する(面取りされている)。
【0049】
上下支持部99は、被挟持部91の下方に面する面98と所定の距離を形成して平行に配置される。所定の距離は、上下支持部99と面98との間に導電部材80の前連結面84が挿入可能であり、且つ上下方向の移動を規制する長さである。
【0050】
次に、表示装置1における、導電部材80の取付時の作用、及び取付状態における作用について説明する。
【0051】
導電部材80は、
図7に示すように、右方から左方に向ってスライドしながら導電部材支持部90に取り付けられる。具体的には、導電部材80は、被挟持部91と上下支持部99との間に前連結面84を挿入し、かつ挟持空間89に被挟持部91を収容するように、導電部材支持部90に取り付けられる。
【0052】
このとき、作業者が、導電部材80の前後方向を逆に取り付ける虞もある。しかし、導電部材80においては、文字板接続面81と中間面83との距離と、アース接続面82と中間面83との距離とは、異なる。このため、表示装置1は、作業者による誤取付を低減できる。また、導電部材80と接触する、上下壁92の外縁95及び角96は、R形状を有する。このため、導電部材80は、被挟持部91に引っ掛かることなく、スムーズにスライドする。また、導電部材80が更にスライドされると、前凸部86及び後凸部87は、抜け止め壁94のR形状を有する外縁97を乗り越えて凸部収容空間93に収容される。
【0053】
この結果、導電部材80は、文字板接続面81と中間面83とで被挟持部91を挟み込むことにより、被挟持部91により前後方向において支持される。また、抜け止め壁94が前凸部86及び後凸部87に作用し、導電部材80は、導電部材80の取外方向(左右方向)において支持される。更に、上下支持部99が導電部材80を上下方向においても支持する。これにより、走行時等における振動が導電部材80に作用した場合であっても、導電部材80の移動を規制できる。
【0054】
導電部材80のアース接続面82は、バネ性を有するアース端子56を軽圧縮した状態でアース端子56と接触する。これにより、導電部材80は、前方向に若干の力を受ける。しかし、導電部材80は、導電部材支持部90により前後方向の移動が規制されているため、導電部材80が前方向に持ち上げられることが抑制され、文字板接続面81が文字板30を押し上げ、浮き上がらせることを抑制できる。故に、表示装置1は、外観不良を防止することができる。
【0055】
また、文字板30の浮き上がりがないため、導電部材80との接触箇所の近傍において文字板30を後方に押さえつけるための部材を配置する必要がない。このため、表示装置1は、設計の自由度も向上できる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0057】
例えば、中ケース15、文字板30の形状や、表示パネル60の配置は、一例であって、これに限らない。
【0058】
支持部として、被挟持部91及び上下支持部99を有する導電部材支持部90を例として示したが、支持部の形状はこれに限らない。例えば、被挟持部91が、挟持空間89の寸法に相当する中実の直方体であって、凸部を収容する空間が、凹みとしてその直方体に形成されていてもよい。
【0059】
文字板接続面81(第一接続部)及び中間面83(中間部)の少なくとも一方に、凸部を形成してもよい。また、凸部と凹部の関係は、逆であってもよい。例えば、導電部材80がプレス加工により形成される切り欠きを凹部として有し、ケース10の支持部が曲げて起こされた切り起こし形状を凸部として有してもよい。
【0060】
アース接続面82は、中間面83と対向する方向に折り曲げられていたが、中間面83の反対側に折り曲げられてもよい。アース端子56は、アース接続面82と接していたが、アース接続面82が無く後連結面85と接してもよい。アース端子56が無く、アース接続面82が回路基板50に接してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 表示装置
2 速度計(SP)
3 エンジン回転数計(TA)
10 ケース
11 外ケース
12 開口
13 透光板
14 外縁
15 中ケース
16 透過口
17 パネル支持部
18 リング受部
19 前面
20 見返し
30 文字板
31 意匠
32 数字
33 記号
34 目盛
35 透視部
37 外縁
40 リング
41 前側支持部
42 後側支持部
44 リングフック
45 内周面
50 回路基板
51 前面
52 光源
55 指針
56 アース端子
57 前面
60 表示パネル(表示素子)
61 可撓性基板
70 導光体
71 拡散板
80 導電部材
81 文字板接続面(第一接続部)
82 アース接続面(第二接続部)
83 中間面(中間部)
84 前連結面(第一連結部)
85 後連結面(第二連結部)
86 前凸部
87 後凸部
88a、88b、88c、88d 境界
89 挟持空間
90 導電部材支持部(支持部)
91 被挟持部
92 上下壁
93 凸部収容空間(凹部)
94 抜け止め壁(規制部)
95、97 外縁
96 角
98 面
99 上下支持部