(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】計測装置および計測方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
G01B 5/24 20060101AFI20240806BHJP
A61H 1/02 20060101ALN20240806BHJP
G09B 15/00 20060101ALN20240806BHJP
【FI】
G01B5/24
A61H1/02 K
G09B15/00 Z
(21)【出願番号】P 2021567263
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(86)【国際出願番号】 JP2020046458
(87)【国際公開番号】W WO2021131828
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2019237875
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】西岡 勇人
(72)【発明者】
【氏名】奥 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】古屋 晋一
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-275486(JP,A)
【文献】特表2018-508251(JP,A)
【文献】特表2008-501376(JP,A)
【文献】特開2019-066478(JP,A)
【文献】特開2006-343519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/00 - 5/30
A61H 1/02
G09B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測の基準となる手の甲に対して当接する当接部を有し、長手方向に沿って直動する第1の直動機構と、
計測の対象となる手指とともに動き、長手方向に沿って直動する第2の直動機構と、
前記第1の直動機構の一端と前記第2の直動機構の一端とを回転可能に接続し、前記第1の直動機構に対して前記第2の直動機構が回転する際の回転量を検出するセンサを有する回転機構と
を備える計測装置。
【請求項2】
前記センサにより検出される回転量の現在値を取得し、前記現在値の最大値で更新される閾値から、前記手指の可動域を表す関節角度の計測値を求める計測処理が行われる
請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記第1の直動機構は、前記当接部が設けられる第1のガイド部と、前記第1のガイド部に対して摺動する直動部とを有して構成されており、
前記第1のガイド部の前記当接部となる面以外の面に、前記計測値を求める情報処理基板を内蔵した筐体が設けられる
請求項2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記第2の直動機構は、前記回転機構に一端が接続される第2のガイド部と、前記第2のガイド部に対して摺動する第2の直動部とを有して構成されており、
前記第2の直動部に、計測の対象となる前記手指を保持する保持部が設けられる
請求項3に記載の計測装置。
【請求項5】
前記手指の可動域の計測時に、
計測の対象となる前記手指に対して前記第2の直動機構の長手方向が沿った状態で、前記保持部により前記手指が保持され、
計測の対象となる前記手指の中手骨に対して前記第1の直動機構の長手方向が沿った状態で、前記当接部が手の甲に当接する
請求項4に記載の計測装置。
【請求項6】
前記回転機構の回転軸が、計測の対象となる前記手指が伸展方向および屈曲方向へ回転する際の回転軸と略平行に配置され、その手指が伸展および屈曲する可動域を計測する
請求項1に記載の計測装置。
【請求項7】
前記回転機構の回転軸が、計測の対象となる前記手指が内転方向および外転方向へ回転する際の回転軸と略一致させて配置され、その手指が内転および外転する可動域を計測する
請求項1に記載の計測装置。
【請求項8】
前記計測値を送信する通信部
をさらに備える請求項2に記載の計測装置。
【請求項9】
計測の基準となる手の甲に対して当接する当接部を有し、長手方向に沿って直動する第1の直動機構と、
計測の対象となる手指とともに動き、長手方向に沿って直動する第2の直動機構と、
前記第1の直動機構の一端と前記第2の直動機構の一端とを回転可能に接続し、前記第1の直動機構に対して前記第2の直動機構が回転する際の回転量を検出するセンサを有する回転機構と
を備える計測装置が、
前記センサにより検出される回転量の現在値を取得することと、
前記現在値の最大値で更新される閾値から、前記手指の可動域を表す関節角度の計測値を求めることと
を含む計測方法。
【請求項10】
計測の基準となる手の甲に対して当接する当接部を有し、長手方向に沿って直動する第1の直動機構と、
計測の対象となる手指とともに動き、長手方向に沿って直動する第2の直動機構と、
前記第1の直動機構の一端と前記第2の直動機構の一端とを回転可能に接続し、前記第1の直動機構に対して前記第2の直動機構が回転する際の回転量を検出するセンサを有する回転機構と
を備える計測装置のコンピュータに、
前記センサにより検出される回転量の現在値を取得することと、
前記現在値の最大値で更新される閾値から、前記手指の可動域を表す関節角度の計測値を求めることと
を含む計測処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、計測装置および計測方法、並びにプログラムに関し、特に、より小型で簡易に手指の可動域を計測することができるようにした計測装置および計測方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ピアノなどの楽器を演奏する演奏者にとって手指の可動域が広い方が、より良好に演奏することができると考えられている。そこで、手指の可動域を定量的に計測することにより、演奏者が楽器を演奏するための演奏技能の向上を図ることができると想定される。
【0003】
ここで、特許文献1には、例えば、リハビリテーションを行う患者が日々のリハビリテーションの効果を確認するために手指の可動域を定量的に計測できる計測装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、特許文献1に開示されているようなリハビリテーションを目的として手指の可動域を計測する計測装置は、装置構成が大きく持ち運びが不便であるとともに高価であることより、上述したような演奏技能の向上を目的とした使用には適したものではなかった。このため、より安価で、持ち運びに便利な小型の計測装置があれば、個々の演奏者たちが、日常的に簡易に、手指の可動域の計測を行うことができるようになると考えられる。そこで、より小型で簡易に、手指の可動域を計測する計測装置が求められていた。
【0006】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より小型で簡易に手指の可動域を計測することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面の計測装置は、計測の基準となる手の甲に対して当接する当接部を有し、長手方向に沿って直動する第1の直動機構と、計測の対象となる手指とともに動き、長手方向に沿って直動する第2の直動機構と、前記第1の直動機構の一端と前記第2の直動機構の一端とを回転可能に接続し、前記第1の直動機構に対して前記第2の直動機構が回転する際の回転量を検出するセンサを有する回転機構とを備える。
【0008】
本開示の一側面の計測方法は、計測の基準となる手の甲に対して当接する当接部を有し、長手方向に沿って直動する第1の直動機構と、計測の対象となる手指とともに動き、長手方向に沿って直動する第2の直動機構と、前記第1の直動機構の一端と前記第2の直動機構の一端とを回転可能に接続し、前記第1の直動機構に対して前記第2の直動機構が回転する際の回転量を検出するセンサを有する回転機構とを備える計測装置が、前記センサにより検出される回転量の現在値を取得することと、前記現在値の最大値で更新される閾値から、前記手指の可動域を表す関節角度の計測値を求めることとを含む。
【0009】
本開示の一側面のプログラムは、計測の基準となる手の甲に対して当接する当接部を有し、長手方向に沿って直動する第1の直動機構と、計測の対象となる手指とともに動き、長手方向に沿って直動する第2の直動機構と、前記第1の直動機構の一端と前記第2の直動機構の一端とを回転可能に接続し、前記第1の直動機構に対して前記第2の直動機構が回転する際の回転量を検出するセンサを有する回転機構とを備える計測装置のコンピュータに、前記センサにより検出される回転量の現在値を取得することと、前記現在値の最大値で更新される閾値から、前記手指の可動域を表す関節角度の計測値を求めることとを含む計測処理を実行させる。
【0010】
本開示の一側面においては、計測装置には、計測の基準となる手の甲に対して当接する当接部を有し、長手方向に沿って直動する第1の直動機構と、計測の対象となる手指とともに動き、長手方向に沿って直動する第2の直動機構と、第1の直動機構の一端と第2の直動機構の一端とを回転可能に接続し、第1の直動機構に対して第2の直動機構が回転する際の回転量を検出するセンサを有する回転機構とが備えられ、センサにより検出される回転量の現在値が取得され、その現在値の最大値で更新される閾値から、手指の可動域を表す関節角度の計測値が求められる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本技術を適用した計測装置の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【
図2】手指の伸展および屈曲の可動域を計測する際の使用例について説明する図である。
【
図3】手指に対する計測装置の装着方法について説明する図である。
【
図4】計測装置の機能的な構成例を示すブロック図である。
【
図6】測装置の表示部に表示される表示画面について説明する図である。
【
図7】外部端末のディスプレイに表示される表示画面について説明する図である。
【
図8】手指の外転および内転の可動域を計測する際の使用例を示す図である。
【
図9】手指の外転および内転の可動域の計測について説明する図である。
【
図10】本技術を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
<計測装置の構成例>
図1は、本技術を適用した計測装置の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【0014】
図1に示すように、計測装置11は、デバイス筐体12、ガイド部13、直動部14、回転機構15、ガイド部16、直動部17、および保持部18を備えて構成される。また、
図1では、手指の可動域の計測を行う対象となる被計測者の手指が破線で示されており、計測装置11は、図示するように被計測者の手指に装着される。
【0015】
デバイス筐体12は、例えば、手指の可動域の計測する計測処理を行うための情報処理基板を内蔵するとともに、デバイス筐体12の表面に表示部21および操作部22が設けられて構成される。また、デバイス筐体12は、ガイド部13の上面に対して取り付けられる。
【0016】
ガイド部13および直動部14は、互いの長手方向に沿って相対的に直動する直動機構を構成する。例えば、ガイド部13の下面(デバイス筐体12が取り付けられる上面に対して反対側を向く面)が、被計測者の手の甲に当接する当接部となっている。そして、ガイド部13の当接部を被計測者の手の甲に当接させて計測装置11を載置した状態で、手指の可動域の計測が行われる。従って、被計測者が手指を動かすのに応じて、
図1に示す直線矢印の方向に沿って、ガイド部13に対して直動部14が摺動する。
【0017】
回転機構15は、直動部14の一端とガイド部16の一端とを回転可能に接続する回転軸と、その回転軸を中心とした回転の回転量を検出するセンサとを有して構成される。
【0018】
ガイド部16および直動部17は、互いの長手方向に沿って相対的に直動する直動機構を構成する。例えば、直動部17が、保持部18によって計測の対象となる手指に対して固定されることで、ガイド部16および直動部17からなる直動機構は、計測の対象となる手指とともに動くことになる。このとき、ガイド部16の一端が回転機構15を介して直動部14の一端に接続されていることより、被計測者が手指を動かすのに応じて、
図1に示す直線矢印の方向に沿って、ガイド部16に対して直動部17が摺動する。
【0019】
保持部18は、直動部17に対して設けられており、被計測者が保持部18に対して手指を嵌め込むことで、その手指を保持する。
【0020】
このように構成される計測装置11は、計測の対象となる手指が伸展および屈曲する可動域を計測する際には、
図1に示すように、その手指が伸展方向および屈曲方向へ回転する際の回転軸と略平行に回転機構15の回転軸が配置されるように装着される。
【0021】
図2を参照して、手指の伸展および屈曲の可動域を計測する際の計測装置11の使用例について説明する。
【0022】
図2の中央には、人差し指のMP(metacarpophalangeal)関節を0度とした状態が示されている。そして、
図2の上側には、人差し指のMP関節を伸展させる方向へ可動させた状態が示されており、
図2の下側には、人差し指のMP関節を屈曲させる方向へ可動させた状態が示されている。
【0023】
図2に示すように、計測の対象となる手指が伸展または屈曲するのに応じて、ガイド部13に対して直動部14がスライドするとともに、ガイド部16に対して直動部17がスライドする。例えば、ガイド部13を手の甲に対して当接した状態で、計測者または被計測者によってデバイス筐体12が把持されることで、手の甲に対して平行な状態で固定されたガイド部13に対して直動部14がスライドすることになる。また、保持部18によって手指が保持されることで、手指に対して平行な状態で固定された直動部17がガイド部16に対してスライドすることになる。
【0024】
これにより、計測装置11では、回転機構15の回転軸を中心とした回転量を検出することで、計測の対象となる手指の伸展方向または屈曲方向の可動域(
図2の例では、人差し指のMP関節の関節角度)を計測することができる。
【0025】
ところで、一般的に、手の甲は平面ではないとともに、各指のMP関節は直線状には並んでいないため、手の甲の変形によって各指のMP関節の位置関係も変化することになる。そのため、計測装置11を用いて手指の可動域を正確に計測するためには、手指ごとに計測の基準となる面(ガイド部13の当接面が当接する手の甲の面)を定義する必要があり、手指の1本ずつを対象として計測を行うことが好ましい。
【0026】
図3を参照して、手指に対する計測装置11の装着方法について説明する。
【0027】
例えば、
図3のAでは、保持部18によって直動部17が手指に対して固定されたときに、その手指に当接する直動部17の当接面が一点鎖線で囲われて示されており、そのときに手の甲に当接するガイド部13の当接面が二点鎖線で囲われて示されている。
【0028】
そして、
図3のBでは、直動部17の当接面が当接する個所が一点鎖線で囲われて示されており、ガイド部13の当接面が当接する個所が二点鎖線で囲われて示されている。例えば、人差し指が測定の対象である場合、人差し指の基節骨が保持部18によって保持され、直動部17の当接面は、人差し指の背に沿って当接し、ガイド部13の当接面は、手の甲における人差し指の中手骨に沿って当接する。同様に、中指が測定の対象である場合、中指の基節骨が保持部18によって保持され、直動部17の当接面は、中指の背に沿って当接し、ガイド部13の当接面は、手の甲における中指の中手骨に沿って当接する。また、薬指および小指に対しても同様である。
【0029】
このように、計測装置11は、ガイド部16および直動部17からなる直動機構が、測定の対象となる手指の背に沿って当接し、ガイド部13および直動部14からなる直動機構が、測定の対象となる手指の手の甲における中手骨に沿って当接するように装着される。このような装着方法で計測装置11を装着することによって、解剖学上、可動域(
図3の例では、MP関節の関節角度)を正確に計測することができる。
【0030】
また、計測装置11では、MP関節の可動域以外にも、PIP(proximal interphalangeal)関節またはDIP(distal interphalangeal)関節の可動域を計測することができる。例えば、PIP関節の可動域を計測する場合には、測定の対象となる手指の中節骨が保持部18によって保持され、基節骨および中節骨に沿ってガイド部13の当接面が当接される。また、DIP関節の可動域を計測する場合には、測定の対象となる手指の末節骨が保持部18によって保持され、中節骨、基節骨、および中節骨に沿ってガイド部13の当接面が当接される。
【0031】
<計測装置の機能的な構成例>
図4は、計測装置11の機能的な構成例を示すブロック図である。
【0032】
図4に示すように、計測装置11は、ネットワーク31を介して、データベース32、解析サーバ33、および外部端末34に接続することができる。また、計測装置11は、センサ41、信号処理部42、操作信号取得部43、記憶部44、表示制御部45、通信部46、および制御部47を備えて構成される。
【0033】
センサ41は、例えば、ポテンショメータやエンコーダなどにより構成され、
図1のガイド部13および直動部14からなる直動機構に対して、ガイド部16および直動部17からなる直動機構が回転する際の回転量を検出する。そして、センサ41は、その回転量を示すセンサ信号を信号処理部42に供給する。
【0034】
信号処理部42は、センサ41から供給されるセンサ信号に対する信号処理として、例えば、センサ信号のノイズを低減するノイズ低減処理や、センサ信号の電圧を角度(または位置)に変換する変換処理などを行う。そして、信号処理部42は、センサ信号に対して信号処理が施された結果得られるセンサ値を制御部47に供給する。
【0035】
操作信号取得部43は、例えば、各種のボタンなどからなる操作部22(
図1)に対して行われる操作に応じた操作信号を取得して、制御部47に供給する。
【0036】
記憶部44は、例えば、デバイス筐体12に内蔵された不揮発性メモリや、デバイス筐体12に対して着脱可能なカード型のメモリなどであり、計測装置11による計測の結果として求められる計測値を保存する。なお、この計測値をデータベース32に保存する場合、計測装置11は、記憶部44を設けない構成としてもよい。
【0037】
表示制御部45は、制御部47による制御に従って、
図1の表示部21に各種の表示画面(後述の
図6参照)を表示するための制御を行う。
【0038】
通信部46は、ネットワーク31を介した通信を行い、例えば、計測装置11による計測の結果として求められる計測値を送信する。なお、通信部46は、有線通信または無線通信を行うことができる他、赤外線通信や近距離無線通信などによって直接的に外部端末34に計測値を送信することができる。さらに、計測装置11は、計測値を表す二次元コードを表示部21に表示して、外部端末34によって二次元コードを読み取らせるような構成としてもよい。
【0039】
制御部47は、計測装置11を構成する各ブロックに対する制御を行い、
図5を参照して説明する計測処理を実行する。例えば、制御部47は、センサ41により検出される回転量の現在値を取得し、その現在値の最大値で更新される閾値(以下、現在閾値と称する)から、手指の可動域を表す関節角度の計測値を求めることができる。
【0040】
そして、制御部47は、計測装置11による計測の結果として求められる計測値を、ネットワーク31を介してデータベース32、解析サーバ33、および外部端末34へ送信するように、通信部46に対する制御を行うことができる。このように、計測装置11から直接的に計測値を送信することで、例えば、パーソナルコンピュータを介在させることなくシームレスな計測および評価が可能となる。
【0041】
例えば、計測装置11によって計測された計測値は、スマートフォンやタブレットなどの外部端末34によって確認することができる。また、データベース32に記録されている計測値の履歴データに対して、解析サーバ33による解析を行うことによって、例えば、手指の可動域を広げるための訓練の推薦などを行うことができる。
【0042】
また、計測装置11は、計測値の履歴データを記憶部44に保存し、表示部21に表示して被計測者に確認させることができる。また、計測装置11は、通信部46によって直接的に外部端末34に計測値の履歴データを送信することで、外部端末34において解析を行うことによって、例えば、手指の可動域を広げるための訓練の推薦などを行うことができる。
【0043】
<計測処理の処理例>
図5に示すフローチャートを参照して、計測装置11において行われる計測処理の一例について説明する。
【0044】
例えば、計測対象となる手指を保持部18で保持し、被計測者の手の甲にガイド部13の当接部を当接させて計測装置11を載置した状態で、
図2の中央に示したように計測対象となる手指のMP関節を0度として静止させると計測処理が開始される。
【0045】
そして、ステップS11において、制御部47が、計測処理の開始時点において信号処理部42から供給されるセンサ値を初期値として設定した後、ステップS12において計測が開始される。
【0046】
ステップS13において、制御部47は、信号処理部42から順次供給されるセンサ値を現在値として取得する。
【0047】
ステップS14において、制御部47は、ステップS13で取得した現在値と、現在閾値とを比較する。ここで、現在閾値は、1回の計測処理が行われている間に取得されるセンサ値のうちの、最も大きな値である。
【0048】
ステップS15において、制御部47は、ステップS14の比較結果に従って、現在値が現在閾値より大きい場合には、その現在値で現在閾値を更新する。なお、ステップS14の比較結果が、現在値が現在閾値以下である場合には現在閾値の更新は行われずに、ステップS15の処理はスキップされる。
【0049】
ステップS16において、制御部47は、計測を終了するか否かを判定する。例えば、制御部47は、計測処理を開始してからの経過時間が、予め設定されている計測終了時間となったとき、計測を終了すると判定する。
【0050】
ステップS16において、制御部47が、計測を終了しないと判定した場合、処理はステップS13に戻り、以下、同様の処理が繰り返して行われる。
【0051】
一方、ステップS16において、制御部47が、計測を終了すると判定した場合、処理はステップS17に進み、計測が終了される。
【0052】
ステップS18において、制御部47は、計測を終了した時点での現在閾値、つまり、今回の計測処理が行われている間に取得された最も大きなセンサ値を、計測値として出力する。例えば、制御部47は、表示制御部45を介して表示部21に計測値を表示させたり、通信部46を介して外部端末34に計測値を送信させたりする。
【0053】
ステップS18の処理後、計測処理は終了される。
【0054】
以上のように、計測装置11において行われる計測処理において、被計測者は、手指を自由に動かすだけで、手指の可動域を計測することができる。即ち、計測装置11では、操作部22に対する操作を行うことなく、被計測者が限界まで動かした手指の可動域が自動計測され、計測処理において取得された最も大きなセンサ値が、手指の可動域を表す関節角度の計測値として求められる。これにより、計測装置11は、より簡易に、手指の可動域を計測することができる。
【0055】
もちろん、計測装置11は、操作部22に対する操作によって、計測処理が開始または終了するようにしてもよい。
【0056】
<計測結果の表示例>
図6および
図7を参照して、計測装置11における測定処理で得られる測定結果の表示例について説明する。
【0057】
図6のAには、計測装置11の計測処理中に表示部21に表示される表示画面の表示例が示されている。
【0058】
計測装置11の計測処理中において、表示部21には、現在のスコアを表す数値(
図6のAに示す30)や、計測対象となる手指を動かす方向を指示するメッセージ(
図6のAに示すMove to RIGHT)などを表示する表示画面が表示される。例えば、現在のスコアとして、
図5のフローチャートの説明で用いた現在閾値に基づいた値を用いることができる。また、メッセージによって、外転方向または内転方向、或いは、伸展方向または屈曲方向に向かって、手指を動かすことを指示することができる。なお、手指を動かす方向の指示とともに、特定の音(例えば、ビープ音など)を出力してもよい。
【0059】
図6のBには、計測装置11の計測処理後に表示部21に表示される表示画面の第1の表示例が示されている。
【0060】
例えば、計測装置11を用いて5本の手指の可動域の測定が行われた場合、表示部21には、それぞれの手指ごとの可動域を棒グラフによって表示する表示画面が表示される。このような表示画面によって、5本の手指の可動域どうしを容易に比較することができる。
【0061】
図6のCには、計測装置11の計測処理後に表示部21に表示される表示画面の第2の表示例が示されている。
【0062】
例えば、計測装置11を用いて、ある手指の可動域の測定が行われた場合、表示部21には、その手指の可動域の計測値の履歴データを、時系列的な変化を表す折れ線グラフによって表示する表示画面が表示される。このような表示画面によって、特定の手指の可動域の時系列的な変化を容易に把握することができる。なお、5本の手指についての折れ線グラフを重畳して表示してもよい。
【0063】
また、
図7のAには、
図6のBと同様に、それぞれの手指ごとの可動域を棒グラフによって表示する表示画面が、外部端末34のディスプレイ51に表示される表示例が示されている。また、
図7のBには、
図6のCと同様に、手指の可動域の計測値の履歴データを、時系列的な変化を表す折れ線グラフによって表示する表示画面が、外部端末34のディスプレイ51に表示される表示例が示されている。
【0064】
また、
図7のCには、計測装置11を用いて5本の手指の可動域の測定が行われた場合に、それぞれの手指ごとの可動域を示す数値を表示する表示画面が、外部端末34のディスプレイ51に表示される表示例が示されている。
【0065】
このように、計測装置11は、計測値の履歴データを記憶部44に保存して、それぞれの手指の可動域の時系列的な変化を提示することで、可動域が広がるような成長や改善などを被計測者に確認させることができる。
【0066】
また、計測装置11は、手指の可動域の一般的な数値とともに、被計測者の手指の可動域の計測値を提示することで、それぞれの評価項目について、得手不得手を被計測者に伝えることができる。または、計測装置11は、ネットワーク31を介してデータを共有した被計測者の間でのランキング表示などを行うことができる。さらに、計測装置11は、多数の被計測者の計測値の履歴データについて、解析サーバ33で統計的な演算を行うことで、いくつかの評価項目の中で、より改善される効果が見込まれるものについて、練習の推薦を行うことができる。
【0067】
<計測装置の使用例>
図8および
図9を参照して、計測装置11を用いて手指の外転および内転の可動域を計測する際の使用例について説明する。
【0068】
例えば、手指が外転方向および内転方向へ回転する際の回転軸は、手指が伸展方向および屈曲方向へ回転する際の回転軸に対して90度直交している。従って、手指が外転および内転する可動域を計測するときには、手指が伸展および屈曲する可動域を計測するときの装着方向に対して、90度回転させた状態で、計測装置11が被計測者の手指に装着される。
【0069】
即ち、
図8に示すように、デバイス筐体12の表示部21および操作部22が設けられている面が手の甲に対して上向きとなってガイド部13が手の甲に当接するように、計測装置11が被計測者の手指に装着される。従って、保持部18がガイド部16および直動部17に対して設けられる方向も、手指が伸展および屈曲する可動域を計測するときの方向に対して90度回転した向きとなる。例えば、手指の伸展および屈曲の可動域を計測するときと、手指の外転および内転の可動域を計測するときとで、異なる部品の保持部18を計測の向きに合わせて付け替えてもよいし、同一の保持部18を計測の向きに合わせて回転させる回転機構を設けてもよい。
【0070】
これにより、計測の対象となる手指が外転および内転する可動域を計測する際には、その手指の外転方向および内転方向へ回転する際の回転軸に略一致するように、回転機構15の回転軸が配置されるように装着される。
【0071】
また、手指が外転方向および内転方向へ回転する際の回転軸が回転機構15の回転軸と一致する場合には、その回転中心から保持部18までの距離は略一定のものとなる。このため、この場合、ガイド部16に対して直動部17をスライドさせる必要性が低く、固定部材19によってガイド部16および直動部17が固定した方が、より正確に計測を行うことができる。
【0072】
図9を参照して、手指の外転および内転の可動域を計測する際の計測装置11の使用例について説明する。
【0073】
図9の上側には、人差し指のMP関節を外転させる方向へ可動させた状態が示されており、
図9の下側には、人差し指のMP関節を内転させる方向へ可動させた状態が示されている。図示するように、手指の外転および内転の可動域を計測する場合には、手指が外転方向および内転方向へ回転する際の回転軸と、回転機構15の回転軸とを略一致させることができる。
【0074】
このように、被計測者は、手の甲にデバイス筐体12を載置させ、机などの平面上に手の平を固定させた状態で、計測の対象となる手指を左右に最大限まで動かすことで、その手指の外転および内転の可動域を計測することができる。
【0075】
なお、上述したように、計測装置11は、1軸の回転機構15を備えて構成されているが、例えば、2軸で回転する2軸回転機構を備えて構成することができる。例えば、2軸回転機構を備える計測装置11は、装着し直すことなく、伸展方向および屈曲方向の可動域と外転方向および内転方向の可動域とを計測することが可能となる。
【0076】
また、計測装置11は、手の甲の一部と基節の甲を基準として計測を行う場合、回転機構15の回転量を検出するセンサに替えて、ガイド部13およびガイド部16の加速度および角速度を検出するIMU(Inertial Measurement Unit)センサを利用することができる。例えば、IMUセンサは、加速度および角速度の他に、地磁気の計測可能な9軸センサである。そして、計測装置11は、ガイド部13側のIMUセンサとガイド部16側のIMUセンサとによって相対的な角度を計算することで、手指の可動域を計測することができる。
【0077】
以上のように、本技術を適用した計測装置11は、例えば、上述の特許文献1で開示されている計測装置と比較して小型で、かつ、より低コストで製造することができる。従って、計測装置11は、より持ち運びに便利であり、手指の可動域の計測を容易に行うことを可能とする。これにより、ピアノなどの楽器を演奏する演奏者たちは、それぞれの自宅で日常的に、手指の可動域の計測を定量的に行うことができ、演奏技能の向上を図ることができる。
【0078】
<コンピュータの構成例>
次に、上述した一連の処理(情報処理方法)は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0079】
図10は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0080】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク105やROM103に予め記録しておくことができる。
【0081】
あるいはまた、プログラムは、ドライブ109によって駆動されるリムーバブル記録媒体111に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体111は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。ここで、リムーバブル記録媒体111としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリ等がある。
【0082】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体111からコンピュータにインストールする他、通信網や放送網を介して、コンピュータにダウンロードし、内蔵するハードディスク105にインストールすることができる。すなわち、プログラムは、例えば、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することができる。
【0083】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)102を内蔵しており、CPU102には、バス101を介して、入出力インタフェース110が接続されている。
【0084】
CPU102は、入出力インタフェース110を介して、ユーザによって、入力部107が操作等されることにより指令が入力されると、それに従って、ROM(Read Only Memory)103に格納されているプログラムを実行する。あるいは、CPU102は、ハードディスク105に格納されたプログラムを、RAM(Random Access Memory)104にロードして実行する。
【0085】
これにより、CPU102は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU102は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース110を介して、出力部106から出力、あるいは、通信部108から送信、さらには、ハードディスク105に記録等させる。
【0086】
なお、入力部107は、キーボードや、マウス、マイク等で構成される。また、出力部106は、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される。
【0087】
ここで、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。
【0088】
また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0089】
さらに、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0090】
また、例えば、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。
【0091】
また、例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0092】
また、例えば、上述したプログラムは、任意の装置において実行することができる。その場合、その装置が、必要な機能(機能ブロック等)を有し、必要な情報を得ることができるようにすればよい。
【0093】
また、例えば、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。換言するに、1つのステップに含まれる複数の処理を、複数のステップの処理として実行することもできる。逆に、複数のステップとして説明した処理を1つのステップとしてまとめて実行することもできる。
【0094】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、プログラムを記述するステップの処理が、本明細書で説明する順序に沿って時系列に実行されるようにしても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで個別に実行されるようにしても良い。つまり、矛盾が生じない限り、各ステップの処理が上述した順序と異なる順序で実行されるようにしてもよい。さらに、このプログラムを記述するステップの処理が、他のプログラムの処理と並列に実行されるようにしても良いし、他のプログラムの処理と組み合わせて実行されるようにしても良い。
【0095】
なお、本明細書において複数説明した本技術は、矛盾が生じない限り、それぞれ独立に単体で実施することができる。もちろん、任意の複数の本技術を併用して実施することもできる。例えば、いずれかの実施の形態において説明した本技術の一部または全部を、他の実施の形態において説明した本技術の一部または全部と組み合わせて実施することもできる。また、上述した任意の本技術の一部または全部を、上述していない他の技術と併用して実施することもできる。
【0096】
<構成の組み合わせ例>
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
計測の基準となる手の甲に対して当接する当接部を有し、長手方向に沿って直動する第1の直動機構と、
計測の対象となる手指とともに動き、長手方向に沿って直動する第2の直動機構と、
前記第1の直動機構の一端と前記第2の直動機構の一端とを回転可能に接続し、前記第1の直動機構に対して前記第2の直動機構が回転する際の回転量を検出するセンサを有する回転機構と
を備える計測装置。
(2)
前記センサにより検出される回転量の現在値を取得し、前記現在値の最大値で更新される閾値から、前記手指の可動域を表す関節角度の計測値を求める計測処理が行われる
上記(1)に記載の計測装置。
(3)
前記第1の直動機構は、前記当接部が設けられる第1のガイド部と、前記第1のガイド部に対して摺動する直動部とを有して構成されており、
前記第1のガイド部の前記当接部となる面以外の面に、前記計測値を求める情報処理基板を内蔵した筐体が設けられる
上記(2)に記載の計測装置。
(4)
前記第2の直動機構は、前記回転機構に一端が接続される第2のガイド部と、前記第2のガイド部に対して摺動する第2の直動部とを有して構成されており、
前記第2の直動部に、計測の対象となる手指を保持する保持部が設けられる
上記(3)に記載の計測装置。
(5)
前記手指の可動域の計測時に、
計測の対象となる手指に対して前記第2の直動機構の長手方向が沿った状態で、前記保持部により手指が保持され、
計測の対象となる手指の中手骨に対して前記第1の直動機構の長手方向が沿った状態で、前記当接部が手の甲に当接する
上記(4)に記載の計測装置。
(6)
前記回転機構の回転軸が、計測の対象となる手指が伸展方向および屈曲方向へ回転する際の回転軸と略平行に配置され、その手指が伸展および屈曲する可動域を計測する
上記(1)から(5)までのいずれかに記載の計測装置。
(7)
前記回転機構の回転軸が、計測の対象となる手指が内転方向および外転方向へ回転する際の回転軸と略一致させて配置され、その手指が内転および外転する可動域を計測する
上記(1)から(5)までのいずれかに記載の計測装置。
(8)
前記計測値を送信する通信部
をさらに備える上記(2)から(5)までのいずれかに記載の計測装置。
(9)
計測の基準となる手の甲に対して当接する当接部を有し、長手方向に沿って直動する第1の直動機構と、
計測の対象となる手指とともに動き、長手方向に沿って直動する第2の直動機構と、
前記第1の直動機構の一端と前記第2の直動機構の一端とを回転可能に接続し、前記第1の直動機構に対して前記第2の直動機構が回転する際の回転量を検出するセンサを有する回転機構と
を備える計測装置が、
前記センサにより検出される回転量の現在値を取得することと、
前記現在値の最大値で更新される閾値から、前記手指の可動域を表す関節角度の計測値を求めることと
を含む計測方法。
(10)
計測の基準となる手の甲に対して当接する当接部を有し、長手方向に沿って直動する第1の直動機構と、
計測の対象となる手指とともに動き、長手方向に沿って直動する第2の直動機構と、
前記第1の直動機構の一端と前記第2の直動機構の一端とを回転可能に接続し、前記第1の直動機構に対して前記第2の直動機構が回転する際の回転量を検出するセンサを有する回転機構と
を備える計測装置のコンピュータに、
前記センサにより検出される回転量の現在値を取得することと、
前記現在値の最大値で更新される閾値から、前記手指の可動域を表す関節角度の計測値を求めることと
を含む計測処理を実行させるためのプログラム。
【0097】
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0098】
11 計測装置, 12 デバイス筐体, 13 ガイド部, 14 直動部, 15 回転機構, 16 ガイド部, 17 直動部, 18 保持部, 19 固定部材, 21 表示部, 22 操作部, 31 ネットワーク, 32 データベース, 33 解析サーバ, 34 外部端末, 41 センサ, 42 信号処理部, 43 操作信号取得部, 44 記憶部, 45 表示制御部, 46 通信部, 47 制御部, 51 ディスプレイ