(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】冷却システムの制御装置
(51)【国際特許分類】
G05D 23/19 20060101AFI20240806BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20240806BHJP
G01K 7/00 20060101ALI20240806BHJP
G01K 1/14 20210101ALI20240806BHJP
【FI】
G05D23/19 J
G05B23/02 Z
G05B23/02 T
G01K7/00 321M
G01K1/14 L
(21)【出願番号】P 2022018619
(22)【出願日】2022-02-09
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳 高志
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-31200(JP,A)
【文献】特開2020-135527(JP,A)
【文献】特開2016-111734(JP,A)
【文献】特開2015-197029(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0262301(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 23/19
G05B 23/02
G01K 7/00
G01K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユニット、第2ユニットの順で熱媒体が流通する冷却経路を備える冷却システムの制御装置であって、
前記第1ユニットから流出する前記熱媒体の温度を、所定の間隔で繰り返し検出又は推定する処理と、
直近の所定期間に検出又は推定された複数の温度データを、所定のデータ数で構成されるデータ群として記憶する処理と、
前記データ群から最大値を特定することによって、前記第2ユニットに流入する前記熱媒体の温度を推定する処理と、
を実行する、制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記記憶する処理において、前記データ群に含まれる前記複数の温度データの数が前記所定のデータ数に達したときには、前記データ群のなかから、最も古い温度データを削除して、最新の温度データを記憶していく、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記記憶する処理において、所定の間隔で繰り返し検出又は推定された前記温度について、所定の単位時間毎に最大値を特定し、その最大値を、前記データ群を構成する温度データとして記憶する、請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記熱媒体の流量に応じて、前記所定の単位時間を変更する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記熱媒体の流量に応じて、前記データ群として記憶する前記所定のデータ数を変更する、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、冷却システムの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1ユニット、第2ユニット、放熱器の順で熱媒体が流通する冷却経路を備える冷却システムの制御装置が記載されている。制御装置は、第1ユニットへ流入する熱媒体の温度を温度センサによって検出する処理と、放熱器における熱媒体の放熱量を算出する処理と、温度センサによる検出値や算出された放熱量等に基づいて、放熱器へ流入する熱媒体の温度を推定する処理と、を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の冷却システムでは、冷却経路を流通する熱媒体が、第1ユニットを通過した後に、第2ユニットへ流入する。従って、第2ユニットへ流入する熱媒体の温度を監視する場合、第2ユニットへ温度センサを設けることなく、第1ユニットから流出する熱媒体の温度を、第2ユニットへ流入する熱媒体の温度とみなすことができる。しかしながら、熱媒体が第1ユニットから流出してから第2ユニットに流入するまでの間には、第1ユニットから第2ユニットまでの距離や熱媒体の流量に応じた遅延時間が存在する。そのため、第1ユニットから流出する熱媒体の温度を、そのまま第2ユニットに流入する熱媒体の温度とみなすことはできない。即ち、第1ユニットから流出する熱媒体の検出又は推定された温度が比較的に低い場合でも、その時点において実際には第2ユニットに高温の熱媒体が流入しているおそれがある。
【0005】
上記の実情を鑑み、本明細書は、第1ユニット、第2ユニットの順で熱媒体が流通する冷却システムにおいて、第1ユニットから流出する熱媒体の温度に基づいて、第2ユニットへ流入する熱媒体の温度を監視し得る技術を提供する。
【0006】
本明細書が開示する技術は、第1ユニット、第2ユニットの順で熱媒体が流通する冷却経路を備える冷却システムの制御装置に具現化される。この制御装置は、前記第1ユニットから流出する前記熱媒体の温度を、所定の間隔で繰り返し検出又は推定する処理と、直近の所定期間に検出又は推定された複数の温度データを、所定のデータ数で構成されるデータ群として記憶する処理と、前記データ群から最大値を特定することによって、前記第2ユニットに流入する前記熱媒体の温度を推定する処理と、を実行する。
【0007】
上記した構成では、先ず、第1ユニットから流出する熱媒体の温度が、所定の間隔で繰り返し検出又は推定される。そして、直近の所定期間に検出又は推定された複数の温度データが、データ群として記憶される。そのデータ群のなかから特定された最大値に基づいて、第2ユニットに流入する熱媒体の温度が推定される。即ち、第1ユニットから流出する熱媒体の温度について、直近の所定期間における最大値が特定され、その最大値に基づいて、第2ユニットに流入する熱媒体の温度が推定される。このような構成によると、熱媒体が第1ユニットから流出してから第2ユニットに流入するまでの間の遅延時間を考慮して、第1ユニットから流出する熱媒体の温度から、第2ユニットに流入する熱媒体の温度を推定することができる。また、第2ユニットに流入する熱媒体の実際の温度が、第1ユニットから流出する熱媒体の温度に基づいて推定された温度を上回ることを回避又は抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例の冷却システム10が搭載される車両100の主たる構成を示す図。
【
図2】実施例の冷却システム10の構成を説明するための図。なお、車両100の第1PCU112、第2PCU114、及び、制御装置116も併せて示す。T1は、第1PCU112に流入する熱媒体の温度を表す。T2は、第1PCU112から流出する熱媒体の温度を表す。T3は、第2PCU114に流入する熱媒体の温度を表す。
【
図3】
図3(A)は、第1PCU112のトルク目標値TTの経時的変化を示す。
図3(B)は、当該トルク目標値TTの経時的変化に対して、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2の経時的変化を示す。
図3(C)は、同じくトルク目標値TTの経時的変化に対して、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3の経時的変化を示す。なお、遅延時間DTも併せて示す。
【
図4】実施例1の冷却制御装置20が実行する温度推定処理の一例を示すフロー図。
【
図5】
図5(A)は、第1PCU112のトルク目標値TTの経時的変化を示す。
図5(B)は、当該トルク目標値TTの経時的変化に対して、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2の変化を示す。
図5(C)は、同じくトルク目標値TTの経時的変化に対して、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3の推定値T3’の変化を示す。なお、所定期間PTも併せて示す。
【
図6】熱媒体の流量と遅延時間DTとの関係の一例を示す図。
【
図7】実施例2の冷却制御装置20が実行する温度推定処理の一例を示すフロー図。
【
図8】
図8(A)は、第1PCU112のトルク目標値TTを示す。
図8(B)は、当該トルク目標値TTの経時的変化に対して、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2の変化を示す。
図8(C)は、同じくトルク目標値TTの経時的変化に対して、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3の推定値T3’の変化を示す。なお、所定期間PTも併せて示す。
【
図9】実施例3の冷却制御装置20が実行する温度推定処理の一例を示すフロー図。
【
図10】
図10(A)は、第1PCU112のトルク目標値TTの経時的変化を示す。
図10(B)は、当該トルク目標値TTの経時的変化に対して、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2の変化を示す。
図10(C)は、同じくトルク目標値TTの経時的変化に対して、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3の変化を示す。なお、
図10(B)中のグラフF1及び
図10(C)中のグラフG1は、熱媒体の流量が2L/分であるときに対応する。
図10(B)中のグラフF2及び
図10(C)中のグラフG2は、熱媒体の流量が4L/分であるときに対応する。各流量に対応する遅延時間DT1、DT2も併せて示す。
【
図11】熱媒体の流量とデータ群を構成する所定のデータ数との関係の一例を示す図。
【
図12】
図12(A)は、第1PCU112のトルク目標値TTの経時的変化を示す。
図12(B)は、当該トルク目標値TTの経時的変化に対して、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2の変化を示す。
図12(C)は、同じくトルク目標値TTの経時的変化に対して、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3の推定値T3’の変化を示す。なお、
図12(B)中のグラフJ1及び
図12(C)中のグラフK1は、熱媒体の流量が2L/分であるときに対応する。
図12(B)中のグラフJ2及び
図10(C)中のグラフK2は、熱媒体の流量が4L/分であるときに対応する。各流量に対応する所定期間PT1、PT2も併せて示す。
【
図13】実施例4の冷却制御装置20が実行する温度推定処理の一例を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の一実施形態において、制御装置は、記憶する処理において、データ群に含まれる複数の温度データの数が所定のデータ数に達したときには、データ群のなかから、最も古い温度データを削除して、最新の温度データを記憶してもよい。このような構成によると、データ群に含まれる温度データが遂次的に更新されるため、制御装置に必要とされるメモリ容量を低減することができる。
【0010】
本技術の一実施形態において、制御装置は、記憶する処理において、所定の間隔で繰り返し検出又は推定された温度について、所定の単位時間毎に最大値を特定し、その最大値を、データ群を構成する温度データとして記憶してもよい。このような構成によると、単位時間毎に一つの温度データを記憶すればよく、直近の所定期間における全ての温度データを記憶する必要がない。これにより、制御装置に必要とされるメモリ容量を低減することができる。
【0011】
上記した実施形態において、制御装置は、熱媒体の流量に応じて、所定の単位時間を変更してもよい。このような構成によると、熱媒体の流量が比較的に大きいときは、当該単位時間を短くすることによって、第2ユニットに流入する熱媒体の温度の推定精度を高めることができる。一方、熱媒体の流量が比較的に小さいときは、当該単位時間を長くすることによって、データ群として記憶する温度データの数を少なくすることができ、制御装置に必要とされるメモリ容量を低減することができる。
【0012】
本技術の一実施形態において、制御装置は、熱媒体の流量に応じて、データ群として記憶する所定のデータ数を変更してもよい。このような構成によると、例えば、熱媒体の流量が比較的に大きいときには、第1ユニットから流出してから第2ユニットに流入するまでの間の遅延時間が短くなるため、データ群を構成する所定のデータ数を少なくすることができる。これにより、制御装置に必要とされるメモリ容量を低減することができる。
【実施例】
【0013】
図面を参照して、実施例の冷却システム10と、それが搭載される車両100について説明する。ここでいう車両100は、いわゆる自動車であって、路面を走行する車両である。
図1に示すように、車両100は、ボディ102と、複数の車輪104f、104rとを備える。複数の車輪104f、104rは、ボディ102に対して回転可能に取り付けられている。複数の車輪104f、104rには、ボディ102の前部に位置する一対の前輪104fと、ボディ102の後部に位置する一対の後輪104rとが含まれる。一対の前輪104fは互いに同軸に配置されており、一対の後輪104rも互いに同軸に配置されている。なお、車輪104f、104rの数は、四つに限定されない。また、特に限定されないが、ボディ102は、スチール材又はアルミニウム合金といった金属で構成されている。
【0014】
図1に示すように、車両100は、フロントモータ106と、リアモータ108とをさらに備える。フロントモータ106は、一対の前輪104fに接続されており、一対の前輪104fを駆動することができる。リアモータ108は、一対の後輪104rに接続されており、一対の後輪104rを駆動することができる。即ち、車両100は、四輪駆動が可能である。特に限定されないが、本実施例におけるフロントモータ106及びリアモータ108のそれぞれは、U相、V相、W相を有する三相モータジェネレータである。
【0015】
図1に示すように、車両100は、バッテリ110をさらに備える。バッテリ110は、複数の二次電池セルを内蔵しており、外部の電力によって繰り返し充電可能に構成されている。なお、特に限定されないが、バッテリ110は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等である。
【0016】
図1に示すように、車両100は、二つの電力変換装置(Power Control Unit:以下、「PCU」と称する)112、114とをさらに備える。二つのPCU112、114は、対応するモータ106、108への供給電力を制御することができる。二つのPCU112、114には、第1PCU112と、第2PCU114とが含まれる。第1PCU112は、バッテリ110とフロントモータ106との間に設けられている。第1PCU112は、バッテリ110からの直流電力を交流電力に変換して、フロントモータ106に供給することができる。また、第1PCU112は、フロントモータ106で発電された交流電力を直流電力に変換して、バッテリ110に供給することができる。即ち、車両100は、制動時において、フロントモータ106による回生電力をバッテリ110に供給することで、バッテリ110を充電することができる。一例ではあるが、第1PCU112は、インバータである。この場合、第1PCU112は、DC-DCコンバータをさらに有してもよい。
【0017】
第2PCU114は、バッテリ110とリアモータ108との間に設けられている。第2PCU114は、バッテリ110からの直流電力を交流電力に変換して、リアモータ108に供給することができる。また、第2PCU114は、リアモータ108で発電された交流電力を直流電力に変換して、バッテリ110に供給することができる。即ち、車両100は、制動時において、リアモータ108による回生電力をバッテリ110に供給することで、バッテリ110を充電することができる。一例ではあるが、第2PCU114は、インバータである。この場合、第2PCU114は、DC-DCコンバータをさらに有してもよい。
【0018】
図1に示すように、車両100は、制御装置116をさらに備える。制御装置116は、プロセッサやメモリ等を有するコンピュータ装置である。制御装置116は、単一のコンピュータ装置で構成されてもよいし、複数のコンピュータ装置の組み合わせで構成されてもよい。制御装置116は、フロントモータ106、リアモータ108、バッテリ110、第1PCU112、及び、第2PCU114と通信可能に接続されており、それらの動作を監視及び制御することができる。制御装置116には、例えばユーザによる操作を記述する操作情報や、車両100の状態を示す車両情報が入力される。制御装置116は、入力された操作情報や車両情報に応じて、上述した車両100の各部の動作を制御する。例えば、制御装置116は、入力された操作情報や車両情報に応じて、フロントモータ106及びリアモータ108に対するトルク目標値を決定することができる。そして、制御装置116は、それらのモータ106、108の出力する実際のトルクがトルク目標値と等しくなるように、第1PCU112及び第2PCU114の動作をフィードバック制御することができる。
【0019】
次に、実施例の冷却システム10について説明する。本実施例の冷却システム10は、第1PCU112と第2PCU114とを冷却する。
図2に示すように、冷却システム10は、冷却経路12と、ラジエータ14と、ポンプ16とを備える。冷却経路12は、熱媒体が流通する経路である。熱媒体は、例えば冷却水であってよい。ラジエータ14は、熱媒体と外気との間で熱交換を行い、熱媒体から熱を放出することができる。ポンプ16は、冷却経路12に設けられており、冷却経路12内を流通する熱媒体の流量を調整することができる。冷却経路12は、ラジエータ14と、第1PCU112と、第2PCU114とに接続されている。熱媒体は、第1PCU112、第2PCU114の順に流通していくことにより、第1PCU112と第2PCU114の各々から熱を回収する。そのため、第1PCU112と第2PCU114の各々を通過する度に、熱媒体の温度は上昇していく。そして、ラジエータ14によって、熱媒体から熱が放出されることにより、熱媒体の温度は低下する。
【0020】
図2に示すように、冷却システム10は、温度センサ18をさらに備える。温度センサ18は、第1PCU112に流入する熱媒体の温度T1を検出する。一例ではあるが、温度センサ18は、第1PCU112内に設けられている。なお、他の実施形態として、温度センサ18は、第1PCU112に流入する熱媒体の温度T1と実質的に等しい温度を示す箇所に設けられてもよい。例えば、本実施例のように、熱媒体の温度が、ラジエータ14を通過した直後から第1PCU112に流入するまでの間で変化しないとみなされる場合には、温度センサ18は、ラジエータ14と第1PCU112との間の任意の箇所に設けられてもよい。
【0021】
図2に示すように、冷却システム10は、冷却制御装置20をさらに備える。冷却制御装置20は、プロセッサやメモリ等を有するコンピュータ装置であり、冷却システム10の動作を制御及び監視する。冷却制御装置20は、単一のコンピュータ装置で構成されてもよいし、複数のコンピュータ装置の組み合わせで構成されてもよい。冷却制御装置20は、温度センサ18と通信可能に接続されており、温度センサ18によって検出される温度を取得することができる。前述したように、温度センサ18による検出温度は、第1PCU112に流入する熱媒体の温度T1を示す。冷却制御装置20は、温度センサ18による検出温度に基づいて、例えばポンプ16の動作を制御することにより、熱媒体の流量を調整することができる。あるいは、冷却制御装置20は、温度センサ18による検出温度が許容範囲を超えるときに、制御装置116に対して所定の異常信号を送信する。制御装置116は、冷却制御装置20から当該異常信号を受信したときに、例えば第1PCU112の動作を制限することによって、第1PCU112の過熱を回避することができる。
【0022】
加えて、冷却制御装置20は、温度センサ18による検出温度に、第1PCU112における熱媒体の温度上昇量を加味することによって、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2を推定することができる。第1PCU112から流出する熱媒体は、その後、第2PCU114へ流入する。従って、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2を推定することで、第2PCU114へ温度センサを設けることなく、第2PCU114へ流入する熱媒体の温度T3を監視することができる。これにより、冷却制御装置20は、第1PCU112と同様に、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3に応じて、ポンプ16の動作を制御したり、制御装置116を通じて第2PCU114の動作を制限したりすることができる。ここで、第1PCU112における熱媒体の温度上昇量は、第1PCU112のトルク目標値TTといった第1PCU112の発熱に係る指標や、熱媒体の温度や流量といった第1PCU112の冷却に係る指標に基づいて、適宜算出することができる。なお、他の実施形態として、冷却システム10は、第1PCU112から流出する熱媒体の温度を推定することに代えて、当該温度を直接的に測定する温度センサをさらに備えてもよい。
【0023】
しかしながら、熱媒体が第1PCU112から流出してから第2PCU114に流入するまでの間には、第1PCU112から第2PCU114までの距離や熱媒体の流量に応じた遅延時間DTが存在する。例えば、
図3(A)に示すように、時刻t0から時刻t1に亘って、第1PCU112のトルク目標値TTが、最大値に設定されたとする。この場合、時刻t0から時刻t1に亘って、第1PCU112は比較的に大きく発熱する。その結果、
図3(B)に示すように、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2は、時刻t0のタイミングから一時的に上昇する。これに対して、
図3(C)に示すように、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3は、上述した遅延時間DTだけ遅れて、時刻t2のタイミングから一時的に上昇する。そのため、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2を、そのまま第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3とみなすことはできない。
【0024】
上記に関して、冷却制御装置20は、
図4に示す温度推定処理を実行することにより、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2に基づいて、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3を推定するように構成されている。以下、
図4に示すフロー図に沿って、冷却制御装置20が実行する温度推定処理を説明する。
【0025】
ステップS10において、冷却制御装置20は、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2を、所定の間隔で繰り返し推定する。前述したように、冷却制御装置20は、温度センサ18による検出温度に基づいて、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2を推定することができる。但し、他の実施形態において、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2は、推定されることに代えて、直接的に測定されてもよい。なお、所定の間隔とは、例えば0.1秒である。また、所定の間隔は、冷却対象等に応じて、適宜変更可能である。
【0026】
ステップS10と並行して、冷却制御装置20は、ステップS12以降の処理を繰り返し実行する。ステップS12において、冷却制御装置20は、直近の所定期間PT(
図5参照)に推定された複数の温度データを、所定のデータ数で構成されるデータ群として記憶する。ここでいう所定期間PTは、前述した遅延時間DTに基づいて設定されている。なお、第1PCU112から流出してから第2PCU114に流入するまでの遅延時間DTは、熱媒体の流量に応じて変化し、熱媒体の流量が下限値に設定されたときに最大値となる。一例ではあるが、本実施例の冷却システム10では、
図6に示すように、熱媒体の流量が2L/分から10L/分の範囲で調整可能に構成されており、熱媒体の流量が2L/分に設定されたときに、遅延時間DTが30秒となる。そのことから、本実施例では、複数の温度データを記憶する所定期間PTが、遅延時間DTの最大値である30秒に設定されている。但し、他の実施形態として、所定期間PTは、遅延時間DTの最大値に限られず、当該最大値よりも大きな値に設定されてもよい。
【0027】
冷却制御装置20が記憶する所定のデータ数は、上述した所定の間隔及び所定期間PTに応じて定まる。例えば、所定期間PTが30秒であるとすると、ステップS10で0.1秒毎に推定される熱媒体の温度データが、300個まで記憶されることになる。即ち、冷却制御装置20には、300個の温度データからなるデータ群が形成される。そして、データ群に含まれる温度データの数が所定のデータ数(ここでは300個)に達したときには、データ群のなかから最も古い温度データが削除されて、最新の温度データが新たに記憶される。これにより、任意の時刻において、その時刻から所定期間PT(ここでは30秒)だけ遡った期間の温度データのみが、冷却制御装置20に記憶される。このような構成によると、データ群に含まれる温度データが遂次的に更新されるため、冷却制御装置20に必要とされるメモリ容量を低減することができる。
【0028】
ステップS14において、冷却制御装置20は、ステップS12で記憶したデータ群のなかから、最大値をとる温度データを特定する。ここで特定される温度データは、直近の所定期間PTの間に、ステップS10で推定された温度データの最大値であって、第1PCU112から流出した熱媒体の温度T2の最大値である。前述したように、所定期間PTは、熱媒体が第1PCU112から流出してから第2PCU114に流入するまでの間の遅延時間DTの最大値に基づく。従って、第1PCU112から流出した熱媒体は、最大で所定期間PTだけ遅れて、第2PCU114に流入する可能性がある。よって、このステップS14で特定される温度データの最大値は、その時点において、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3が取り得る最大値とみなすことができる。
【0029】
ステップS16において、冷却制御装置20は、ステップS14で特定した最大値に基づいて、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3を推定する。本実施例では、ステップS14で特定した最大値が、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3の推定値T3’とみなされる。但し、他の実施形態において、冷却制御装置20は、所定の関係式等を用いて、ステップS14で特定した最大値から、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3の推定値T3’を決定してもよい。
【0030】
以上の処理により、冷却制御装置20は、熱媒体が第1PCU112から流出してから第2PCU114に流入するまでの間の遅延時間DTを考慮して、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2から、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3を推定することができる。例えば、
図5(A)に示すように、時刻t0から時刻t1に亘って、第1PCU112のトルク目標値TTが、最大値に設定されたとする。この場合、
図5(B)に示すように、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2は、時刻t0のタイミングから一時的に上昇し、時刻t1において最大値をとる。これに対して、冷却制御装置20では、直近の所定期間PTにおいて、第1PCU112から流出した熱媒体の温度T2の最大値が特定される。そして、その最大値に基づいて、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3が推定される。従って、
図5(C)に示すように、当該温度T3の推定値T3’は、時刻t0から時刻t1に亘って上昇するとともに、時刻t1から所定期間PTだけ遅れた時刻t3までの間は、時刻t1における温度T2の最大値(又は当該最大値に基づく値)に維持される。その結果、第2PCU114に実際に流入する熱媒体の温度T3が、冷却制御装置20による推定値T3’を上回ることが回避される。
【0031】
加えて、本実施例の冷却制御装置20では、ステップS14の処理において、データ群に含まれる複数の温度データの数が所定のデータ数に達したときには、データ群のなかから、最も古い温度データを削除して、最新の温度データを記憶する。このような構成によると、データ群に含まれる温度データが遂次的に更新されるため、冷却制御装置20に必要とされるメモリ容量を低減することができる。
【0032】
(実施例2)
図7、8を参照して、実施例2の冷却システムについて説明する。本実施例の冷却システムは、実施例1の冷却システム10と比較して、冷却制御装置20の実行する温度推定処理が変更されている。具体的には、本実施例の冷却制御装置20は、
図7に示す温度推定処理を実行するように構成されている。この温度推定処理では、
図4に示す実施例1の温度推定処理のステップS12の処理が、ステップS12A、S12Bに変更されている。本実施例の説明において、実施例1と共通する構成については同一の符号を付すことによって、重複する説明を省略する。
【0033】
図7に示す温度推定処理では、冷却制御装置20は、ステップS10の処理と並行して、ステップS12A以降の処理を繰り返し実行する。ステップS12Aにおいて、冷却制御装置20は、所定の間隔で繰り返し推定された温度について、所定の単位時間毎に最大値を特定する。ここでいう所定の単位時間とは、例えば3秒である。即ち、ステップS10で0.1秒毎に繰り返し推定(又は検出)される熱媒体の温度T2について、ステップS12Aでは3秒毎に最大値が特定される。ここで、最大値が特定される所定の単位時間は、特定の時間に限定さないが、遅延時間DTの最小値よりも短い時間が設定されるとよい。本実施例の場合、
図6に示すように、遅延時間DTの最小値は6秒である。よって、所定の単位時間には、一連の温度推定処理に必要な所要時間も考慮して、当該6秒よりも十分に短い3秒の時間が設定されている。
【0034】
次に、ステップS12Bにおいて、冷却制御装置20は、直近の所定期間PTにステップS12Aで特定された複数の最大値を、所定のデータ数で構成されるデータ群として記憶する。ここでいう所定期間PTは、実施例1と同様に、熱媒体が第1PCU112から流出してから第2PCU114に流入するまでの遅延時間DTの最大値に合わせて設定されている。例えば、所定期間PTが30秒であって、所定の単位時間が3秒である場合、冷却制御装置20には、ステップS12Aで特定された最大値の温度データが、10個まで記憶される。この点において、本実施例の冷却制御装置20では、データ群を記憶するのに必要とされるメモリ容量を低減することができる。
【0035】
実施例2のステップS14以降の処理は、実施例1のステップS14以降の処理と同様である。但し、前述したように、本実施例の冷却制御装置20では、所定の単位時間毎に特定された最大値を記憶する。そのため、実施例1のステップS14で特定される最大値と比較して、本実施例のステップS14で特定される最大値は、段階的に変化する。
【0036】
以上の処理により、本実施例の冷却制御装置20においても、熱媒体が第1PCU112から流出してから第2PCU114に流入するまでの間の遅延時間DTを考慮して、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2から、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3を推定することができる。例えば、
図8(A)に示すように、時刻t0から時刻t1に亘って、第1PCU112のトルク目標値TTが、最大値に設定されたとする。この場合、
図8(B)に示すように、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2は、時刻t0のタイミングから一時的に上昇し、時刻t1において最大値をとる。これに対して、冷却制御装置20では、所定の単位時間(例えば3秒)毎に、第1PCU112から流出した熱媒体の温度T2の最大値(TM1、TM2、・・・)が特定される。そして、所定の単位時間毎に特定された最大値(TM1、TM2、・・・)のなかから、直近の所定期間PTにおける最大値が特定される。そして、その最大値に基づいて、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3が推定される。従って、
図8(C)に示すように、当該温度T3の推定値T3’は、時刻t0から時刻t1に亘って段階的に上昇する。所定の単位時間毎に特定された最大値(TM1、TM2、・・・)のなかで、最大値(TM3)をとる時刻から所定期間PTだけ遅れた時刻までの間は、その最大値の最大値(TM3)となる時刻における温度T2の最大値(又は当該最大値に基づく値)に維持される。その結果、第2PCU114に実際に流入する熱媒体の温度T3が、冷却制御装置20による推定値T3’を上回ることが回避又は抑制される。
【0037】
加えて、実施例2の冷却制御装置20では、ステップS10で所定の間隔で繰り返し検出又は推定された温度について、所定の単位時間毎に最大値を特定し(ステップS12A)、その最大値を、データ群を構成する温度データとして記憶する(ステップS12B)。このような構成によると、直近の所定期間PTにおいて、単位時間毎に一つの温度データを記憶すればよく、直近の所定期間PTにおける全ての温度データを記憶する必要がない。これにより、冷却制御装置20に必要とされるメモリ容量を低減することができる。
【0038】
上記した実施例において、冷却制御装置20は、熱媒体の流量に応じて、最大値を特定する所定の単位時間を変更してもよい。このような構成によると、熱媒体の流量が比較的に大きいときは、当該単位時間を短くすることによって、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3の推定精度を高めることができる。一方、熱媒体の流量が比較的に小さいときは、当該単位時間を長くすることによって、データ群として記憶する温度データの数を少なくすることができ、冷却制御装置20に必要とされるメモリ容量を低減することができる。
【0039】
(実施例3)
図9-12を参照して、実施例3の冷却システムについて説明する。本実施例の冷却システムは、実施例1、2の冷却システムと比較して、冷却制御装置20の実行する温度推定処理が変更されている。具体的には、本実施例の冷却制御装置20は、
図9に示す温度推定処理を実行するように構成されている。この温度推定処理では、
図4に示す実施例1の温度推定処理に対して、ステップS10の処理の前にステップS6、S8の処理が追加されている。本実施例の説明において、実施例1と共通する構成については同一の符号を付すことによって、重複する説明を省略する。
【0040】
ステップS6において、冷却制御装置20は、熱媒体の流量を取得する。前述したように、本実施例において、ポンプ16は、冷却制御装置20から送信される動作指令に応じて、熱媒体の流量を調整するように構成されている。そのため、冷却制御装置20は、自己が設定したポンプ16に対する動作指令値に基づいて、熱媒体の流量を特定することができる。但し、他の実施形態として、冷却制御装置20は、センサ等を用いて、熱媒体の実際の流量を取得してもよい。
【0041】
ステップS8において、冷却制御装置20は、ステップS6で取得した熱媒体の流量に応じて、データ群として記憶する所定のデータ数を設定する。前述したように、熱媒体の流量の変化に伴って、第1PCU112から流出してから第2PCU114に流入するまでの遅延時間DTは変化する(
図6参照)。例えば、
図10(A)に示すように、時刻t0から時刻t1に亘って、第1PCU112のトルク目標値TTが、最大値に設定されたとする。この場合、
図10(B)に示すように、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2は、時刻t0のタイミングから一時的に上昇する。このとき、熱媒体の流量が小さいほど、熱媒体は第1PCU112から多くの熱を回収することができる。そのため、熱媒体の流量が小さいほど、熱媒体の温度の最大値が大きくなる(即ち、グラフF1>グラフF2)。この場合、
図10(C)に示すように、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3は、熱媒体の流量に応じた遅延時間DT1、DT2だけ遅れて、一時的に上昇する。
図6に示すように、例えば、熱媒体の流量が2L/分であるとき、遅延時間DT1は30秒となり、熱媒体の流量が4L/分であるとき、遅延時間DT2は15秒となる。
【0042】
以上の点を踏まえて、ステップS8では、ステップS12において冷却制御装置20が記憶する所定のデータ数が、直近の所定期間PT1、PT2内に、ステップS10で推定される温度データの数となるように設定される。ここでいう所定期間PT1、PT2は、熱媒体の流量に応じた遅延時間DT1、DT2に基づいて設定されている。例えば、熱媒体の流量が2L/分であるときには、所定期間PT1は、熱媒体の流量に対応する遅延時間DT1(即ち、30秒)に設定される。このとき、ステップS10で0.1秒毎に推定される熱媒体の温度データの数は300個となるため、ステップS8において、データ群として記憶する所定のデータ数は300個として設定される(
図11参照)。同様に、熱媒体の流量が4L/分であるときには、所定期間PT2は対応する遅延時間DT2(即ち、15秒)に設定され、ステップS8において、データ群として記憶する所定のデータ数は150個として設定される(
図11参照)。この点において、本実施例の冷却制御装置20では、所定のデータ数で構成されるデータ群を記憶するのに必要とされるメモリ容量を低減することができる。
【0043】
実施例3のステップS10以降の処理は、実施例1のステップS10以降の処理と同様である。
【0044】
以上の処理により、本実施例の冷却制御装置20においても、熱媒体が第1PCU112から流出してから第2PCU114に流入するまでの間の遅延時間DT1、DT2を考慮して、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2から、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3を推定することができる。例えば、
図12(A)に示すように、時刻t0から時刻t1に亘って、第1PCU112のトルク目標値TTが、最大値に設定されたとする。この場合、
図12(B)に示すように、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2は、時刻t0のタイミングから一時的に上昇し、時刻t1において最大値をとる。そして、その最大値に基づいて、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3が推定される。従って、
図12(C)に示すように、当該温度T3の推定値T3’は、時刻t0から時刻t1に亘って上昇するとともに、時刻t1から所定期間PT1、PT2だけ遅れた時刻までの間は、時刻t1における温度T2の最大値(又は当該最大値に基づく値)に維持される。ここでいう所定期間PT1、PT2は、熱媒体の各流量に応じた遅延時間DT1、DT2に基づいて設定されている。その結果、第2PCU114に実際に流入する熱媒体の温度T3が、冷却制御装置20による推定値T3’を上回ることが回避される。
【0045】
加えて、実施例3の冷却制御装置20は、熱媒体の流量に応じて、データ群として記憶する所定のデータ数を変更することができる。このような構成によると、例えば、熱媒体の流量が比較的に大きいときには、第1PCU112から流出してから第2PCU114に流入するまでの間の遅延時間DT1、DT2が短くなるため、データ群を構成する所定のデータ数を少なくすることができる。これにより、冷却制御装置20に必要とされるメモリ容量を低減することができる。
【0046】
(実施例4)
図13を参照して、実施例4の冷却システムについて説明する。本実施例の冷却システムでは、実施例1-3の冷却システムと比較して、冷却制御装置20の実行する温度推定処理が変更されている。具体的には、本実施例の冷却制御装置20は、
図13に示す温度推定処理を実行するように構成されている。この温度推定処理では、
図7に示す実施例2の温度推定処理に対して、実施例3で説明したステップS6、8の処理が追加されている。即ち、本実施例の冷却制御装置20は、実施例2の冷却制御装置20において、データ群として記憶する所定のデータ数を、熱媒体の流量に応じて変更するように変更されたものに相当する。
【0047】
これまでの説明から明らかなように、本実施例の冷却制御装置20においても、熱媒体が第1PCU112から流出してから第2PCU114に流入するまでの間の遅延時間を考慮して、第1PCU112から流出する熱媒体の温度T2から、第2PCU114に流入する熱媒体の温度T3を推定することができる。
【0048】
なお、実施例1-4の冷却システム10による二つの冷却対象は、必ずしも第1PCU112と第2PCU114とである必要はない。他の実施形態として、冷却システム10は、いずれか一方のPCU112、114と、他の発熱源(例えば、エンジン)とを冷却対象としてもよい。更なる他の実施形態として、他の二つの発熱源を冷却対象としてもよい。
【0049】
以上、いくつかの具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは組み合わせによって技術的有用性を発揮するものである。
【符号の説明】
【0050】
10 :冷却システム
12 :冷却経路
14 :ラジエータ
16 :ポンプ
18 :温度センサ
20 :冷却制御装置
100 :車両
102 :ボディ
104f :前輪
104r :後輪
106 :フロントモータ
108 :リアモータ
110 :バッテリ
112 :第1PCU
114 :第2PCU
116 :制御装置
DT、DT1、DT2:遅延時間
PT、PT1、PT2:所定期間
T1、T2、T3 :温度
T3’ :推定値
TT :トルク目標値