(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】文字入力方法、情報処理装置、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G09B 7/02 20060101AFI20240806BHJP
G09B 19/06 20060101ALI20240806BHJP
G06F 3/023 20060101ALI20240806BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20240806BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20240806BHJP
G06F 3/04886 20220101ALI20240806BHJP
【FI】
G09B7/02
G09B19/06
G06F3/023 460
G06F3/04842
G06F3/0482
G06F3/04886
(21)【出願番号】P 2022039211
(22)【出願日】2022-03-14
【審査請求日】2023-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】野元 嵩平
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特許第5955445(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0364140(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0140307(US,A1)
【文献】国際公開第2011/118602(WO,A1)
【文献】特開2002-182554(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0100434(KR,A)
【文献】特開2006-039508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 7/02
G09B 19/06
G06F 3/023
G06F 3/04842
G06F 3/0482
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
正解文字列に対応する回答文字列の各文字が、表示部に表示されたキーボード配列に含まれる複数のキーを用いてユーザにより入力される場合に、
前記正解文字列のうちの第1文字と、前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字と、が入力可能であり、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字が入力不可であることを示す状態で、前記キーボード配列を前記表示部に表示させる処理を実行し、
前記第1文字は、前記回答文字列の入力文字位置に対応
し、
前記コンピュータが、前記回答文字列が入力可能となってからの経過時間または前記回答文字列と前記第1文字との正誤判定の結果の少なくとも何れか一方に応じて、前記第2文字の数を決定する、
文字入力方法。
【請求項2】
コンピュータが、
正解文字列に対応する回答文字列の各文字が、表示部に表示されたキーボード配列に含まれる複数のキーを用いてユーザにより入力される場合に、
前記正解文字列のうちの第1文字と、前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字と、が入力可能であり、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字が入力不可であることを示す状態で、前記キーボード配列を前記表示部に表示させる処理を実行し、
前記第1文字は、前記回答文字列の入力文字位置に対応し、
前記コンピュータが、前記回答文字列が入力可能となってからの経過時間に応じて、前記キーボード配列における前記第2文字の表示態様を変更させる、
文字入力方法。
【請求項3】
前記コンピュータが、
単語と、前記単語に対応する綴りを取得し、
取得した前記綴りを前記正解文字列とする、
請求項1又は2に記載の文字入力方法。
【請求項4】
前記コンピュータが、
前記表示部に表示されている前記キーボード配列において、入力可能であることが示されている文字を入力させ、入力不可であることが示されている文字を入力させないように入力部を制御し、
前記入力部による前記回答文字列の入力に応じて更新される前記入力文字位置に応じて、前記更新された前記入力文字位置に対応する前記第1文字と前記第2文字とが入力可能であり、前記入力可能とされた前記第1文字と前記第2文字以外の前記第3文字が入力不可であることを示すように、前記キーボード配列の表示状態を変更する、
請求項3に記載の文字入力方法。
【請求項5】
前記コンピュータが、
前記単語に対する回答として記憶された複数の回答文字列のうち不正解と判定された回答文字列に基づいて、前記キーボード配列の中から取得した前記第2文字が入力可能であることを示す状態で、前記表示部に前記キーボード配列を表示させる、
請求項3に記載の文字入力方法。
【請求項6】
前記コンピュータが、
複数段階の何れかを示す難易度を予め設定し、
前記難易度に応じて、前記第2文字の数を決定する、
請求項1~4の何れかに記載の文字入力方法。
【請求項7】
前記コンピュータが、
前記単語に対して入力された回答文字列と前記綴りとを比較し、前記比較の結果を前記表示部に表示させる、
請求項3に記載の文字入力方法。
【請求項8】
前記コンピュータが、
前記キーボード配列を、前記表示部に前記キーボード配列として表示されている各文字の表示位置を前記入力部の操作により指定することで文字の入力が可能なソフトウェアキーボードとして表示させる、
請求項4記載の文字入力方法。
【請求項9】
前記コンピュータが、
前記単語と、前記単語に対応する綴りを情報処理装置に提供し、
前記情報処理装置から前記単語に関連する前記綴りに対する前記回答文字列を取得し、
前記情報処理装置の表示部に前記キーボード配列を表示させた状態で、前記情報処理装置の入力部により前記正解文字列に対応する前記回答文字列の各文字をユーザに入力させる場合に、
前記回答文字列の入力文字位置に対応する前記正解文字列のうちの第1文字と、前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字が入力可能であり、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字が入力不可であることを示す状態で、前記キーボード配列を前記情報処理装置の表示部に表示させる、
処理を実行する、
請求項3に記載の文字入力方法。
【請求項10】
コンピュータに、
正解文字列に対応する回答文字列の各文字が、表示部に表示されたキーボード配列に含まれる複数のキーを用いてユーザにより入力される場合に、
前記正解文字列のうちの第1文字と、前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字と、が入力可能であり、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字が入力不可であることを示す状態で、前記キーボード配列を前記表示部に表示させる処理を実行させるためのプログラムであって、
前記第1文字は、前記回答文字列の入力文字位置に対応
し、
前記コンピュータに、前記回答文字列が入力可能となってからの経過時間または前記回答文字列と前記第1文字との正誤判定の結果の少なくとも何れか一方に応じて、前記第2文字の数を決定させる、
プログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
正解文字列に対応する回答文字列の各文字が、表示部に表示されたキーボード配列に含まれる複数のキーを用いてユーザにより入力される場合に、
前記正解文字列のうちの第1文字と、前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字と、が入力可能であり、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字が入力不可であることを示す状態で、前記キーボード配列を前記表示部に表示させる処理を実行させ、
前記第1文字は、前記回答文字列の入力文字位置に対応し、
前記コンピュータに、前記回答文字列が入力可能となってからの経過時間に応じて、前記キーボード配列における前記第2文字の表示態様を変更させる、
プログラム。
【請求項12】
ディスプレイと、入力部と、プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
正解文字列に対応する回答文字列の各文字が、表示部に表示されたキーボード配列に含まれる複数のキーを用いてユーザにより入力される場合に、
前記正解文字列のうちの第1文字と、前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字と、が入力可能であり、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字が入力不可であることを示す状態で、前記キーボード配列を前記表示部に表示させる処理を実行し、
前記第1文字は、前記回答文字列の入力文字位置に対応
し、
前記プロセッサは、前記回答文字列が入力可能となってからの経過時間または前記回答文字列と前記第1文字との正誤判定の結果の少なくとも何れか一方に応じて、前記第2文字の数を決定する、
情報処理装置。
【請求項13】
ディスプレイと、入力部と、プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
正解文字列に対応する回答文字列の各文字が、表示部に表示されたキーボード配列に含まれる複数のキーを用いてユーザにより入力される場合に、
前記正解文字列のうちの第1文字と、前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字と、が入力可能であり、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字が入力不可であることを示す状態で、前記キーボード配列を前記表示部に表示させる処理を実行し、
前記第1文字は、前記回答文字列の入力文字位置に対応し、
前記プロセッサは、前記回答文字列が入力可能となってからの経過時間に応じて、前記キーボード配列における前記第2文字の表示態様を変更する、
情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置とサーバ装置とを含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記サーバ装置から、単語に関する問題および前記問題に対する正解文字列の情報を受信し、
前記問題に対する回答文字列の各文字が、表示部に表示されたキーボード配列に含まれる複数のキーを用いてユーザにより入力される場合に、
前記問題に対する正解文字列のうちの第1文字と、前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字と、が入力可能であり、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字が入力不可であることを示す状態で、前記キーボード配列を前記表示部に表示させる、
処理を実行し、
前記サーバ装置は、
前記問題および前記問題に対する前記正解文字列の情報を前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置から前記問題に対する前記回答文字列を受信し、
受信した前記回答文字列を、前記ユーザによる前記問題の回答として登録する、
処理を実行
し、
前記第1文字は、前記回答文字列の入力文字位置に対応し、
前記情報処理装置は、前記回答文字列が入力可能となってからの経過時間または前記回答文字列と前記第1文字との正誤判定の結果の少なくとも何れか一方に応じて、前記第2文字の数を決定する、
情報処理システム。
【請求項15】
情報処理装置とサーバ装置とを含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記サーバ装置から、単語に関する問題および前記問題に対する正解文字列の情報を受信し、
前記問題に対する回答文字列の各文字が、表示部に表示されたキーボード配列に含まれる複数のキーを用いてユーザにより入力される場合に、
前記問題に対する正解文字列のうちの第1文字と、前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字と、が入力可能であり、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字が入力不可であることを示す状態で、前記キーボード配列を前記表示部に表示させる、
処理を実行し、
前記サーバ装置は、
前記問題および前記問題に対する前記正解文字列の情報を前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置から前記問題に対する前記回答文字列を受信し、
受信した前記回答文字列を、前記ユーザによる前記問題の回答として登録する、
処理を実行し、
前記第1文字は、前記回答文字列の入力文字位置に対応し、
前記情報処理装置は、前記回答文字列が入力可能となってからの経過時間に応じて、前記キーボード配列における前記第2文字の表示態様を変更する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力方法、情報処理装置、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの情報処理装置において使用される学習アプリケーションは数多く存在し、その多くで一問一答形式のテスト機能が含まれている。一問一答形式のテスト機能には、少ない選択肢から選んで回答するものと、ソフトウェアキーボードを用いた完全な任意入力によって回答する形式がほとんどである。
【0003】
前者の選択肢による回答方法においては、ユーザの回答に対するモチベーションを保ちやすい一方で、実際の教育機関におけるテストや資格試験において同様の形式のものはあまり存在せず、その学習アプリケーションに特化する形で学習が進んでしまう恐れがある。
【0004】
後者の任意入力による回答方法においては、逆に様々な他のテストに対して対応できる学習となるが、回答の全てをユーザが入力しなければならない関係上、理解度や定着率の低い状態では正答することが難しい。そのため、最も重要な学習し始めのモチベーションを維持することが困難であるという弱点がある。
【0005】
特許文献1には、選択肢による回答方法、ソフトウェアキーボードを用いた任意入力による回答方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように従来ては、選択肢による回答方法やソフトウェアキーボードを用いた任意入力による回答方法があるが、学習アプリケーションの一問一答形式のテスト機能を実行する際に、学び始めからモチベーションを維持した状態で利用でき、応用の効く形式で記憶に定着させるような回答が可能な手法が求められている。
【0008】
本発明は、前記のような課題に考慮してなされたもので、学び始めからモチベーションを維持した状態で利用でき、応用の効く形式で記憶に定着させることが期待できる文字入力方法、情報処理装置、プログラム及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の実施形態に係る文字入力方法は、コンピュータが、正解文字列に対応する回答文字列の各文字が、表示部に表示されたキーボード配列に含まれる複数のキーを用いてユーザにより入力される場合に、前記正解文字列のうちの第1文字と、前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字と、が入力可能であり、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字が入力不可であることを示す状態で、前記キーボード配列を前記表示部に表示させる処理を実行し、前記第1文字は、前記回答文字列の入力文字位置に対応し、前記コンピュータが、前記回答文字列が入力可能となってからの経過時間または前記回答文字列と前記第1文字との正誤判定の結果の少なくとも何れか一方に応じて、前記第2文字の数を決定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、学び始めからモチベーションを維持した状態で利用でき、応用の効く形式で記憶に定着させることが期待できる文字入力方法、情報処理装置、プログラム及び情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置の電子回路の構成を示す機能ブロック図。
【
図2】本発明の実施形態に係るサーバの電子回路の構成を示す機能ブロック図。
【
図3】本実施形態における情報処理装置の単語学習処理を示すフローチャート。
【
図4】
図3に示す単語学習処理の問題出題処理を示すフローチャート。
【
図5】本実施形態におけるサーバの単語学習管理処理を示すフローチャート。
【
図6】本実施形態における単語学習の問題出題時の画面の一例を示す図。
【
図7】本実施形態における正誤判定結果用の画面の一例を示す図。
【
図8】本実施形態における「フリック入力キーボード」タイプのソフトウェアキーボードが表示された例を示す図。
【
図9】本実施形態における回答データテーブルの一例を示す図。
【
図10】本実施形態における単語学習テストの問題「豆」に対して正解とする回答文字列「bean」が入力された例を示す図。
【
図11】本実施形態における単語学習テストの問題「豆」に対して正解とする回答文字列「bean」が入力された例を示す図。
【
図12】本実施形態におけるソフトウェアキーボードの表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1及び
図2は、本発明の実施形態に係るシステムの構成を示すブロック図である。
図1は、本実施形態における情報処理装置10の電子回路の詳細な構成を示し、
図2は、本実施形態におけるサーバ30の電子回路の詳細な構成を示している。
【0014】
本実施形態におけるシステムは、情報処理装置10,10-1,…,10-nを使用するユーザが、サーバ30が提供する単語学習テストを実施できるようにするものである。
【0015】
単語学習テストは、例えば、第1言語による単語を表示して、ユーザがその単語に対応する第1言語とは異なる第2言語による単語(訳語を表す綴り(文字列))を、ソフトウェアキーボード等を用いた完全な任意入力により回答する、一問一答形式のテストである。あるいは、単語学習テストは、例えば、第1言語による単語を表示して、ユーザがその単語の表記(例えば、漢字)とは異なる同じ第1言語による表記の単語(例えば、ひらがな/カタカナによる読みを表す綴り(文字列))を、ソフトウェアキーボード等を用いた完全な任意入力により回答する、一問一答形式のテストである。
【0016】
ソフトウェアキーボードは、入力対象とする複数の文字のそれぞれに対応する複数のキーを含むキーボード配列を有しており、1つずつキーが選択されることで、キーに対応する文字を入力することができる。
【0017】
本実施形態では、情報処理装置10,10-1,…,10-nを例えばスマートフォンとして構成した例について示す。なお、情報処理装置10は、パーソナルコンピュータ、タブレットPC、ゲーム装置、電子辞書などの各種の電子機器により実現することが可能である。
【0018】
情報処理装置10は、ネットワーク8を通じて、サーバ30と接続される。サーバ30は、ネットワーク8を通じて、複数の情報処理装置10,10-1,…,10-nと接続される。
【0019】
ネットワーク8は、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話回線網などの、有線あるいは無線による通信が可能な各種の通信経路を含む。
【0020】
図1に示すように、情報処理装置10は、各種の記録媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータの構成を有し、その電子回路には、CPU(central processing unit)11が備えられる。
【0021】
CPU11は、情報処理装置10の全体を制御する制御部として機能する。CPU11は、メモリ12内に予め記憶されたプログラム、あるいはROMカードなどの記録媒体13から記録媒体読取部14を介してメモリ12に読み込まれたプログラム、あるいはインターネット等のネットワーク8を通じて、プログラムを提供する外部装置(サーバ等)からダウンロードされてメモリ12に読み込まれたプログラムに応じて、回路各部の動作を制御する。
【0022】
メモリ12に記憶されたプログラムは、入力部16からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは記録媒体読取部14を介して接続されるEEPROM(登録商標),RAM,ROMなどの記録媒体13との接続通信信号に応じて起動される。
【0023】
CPU11には、メモリ12、記録媒体読取部14、通信部15、入力部16、表示部17、音声入力部(マイク)18、音声出力部(スピーカ)19などが接続される。
【0024】
メモリ12に記憶されるプログラムとしては、装置全体を制御する基本プログラム(OS:Operating System)12aの他、各種のアプリケーションプログラムを含む。アプリケーションプログラムには、サーバ30が提供する単語学習テストを実施するための単語学習プログラム12bが含まれる。単語学習プログラム12bによりCPU11は、後述する単語学習処理を実行する(
図3、
図4参照)。
【0025】
単語学習プログラム12bには、単語学習テストを実施する際に、回答とする単語(文字列)を入力するためのソフトウェアキーボードの表示を制御するキーボード制御プログラム12b1を含む。一般に、ソフトウェアキーボードは、キーボード配列中の入力対象とする全ての文字を任意選択して文字を入力することができるが、本実施形態では、キーボード制御プログラム12b1の制御により、単語学習テストを実施する際に、単語学習テストの問題の内容、ユーザ操作により入力された回答とする文字等に応じて、キーボード配列において入力可能な文字を制限する文字入力方法を提供する。すなわち、単語学習テストを学び始めからモチベーションを維持した状態で利用でき、応用の効く形式で記憶に定着させることが期待できるようにする文字入力方法を提供する。
【0026】
メモリ12には、単語学習プログラム12b(単語学習処理)の実行に関係する、単語学習データ12c、回答データ12d、入力規則難易度データ12e、キーボードタイプ設定データ12fなどが記憶される。
【0027】
単語学習データ12cは、単語学習テストを実施するために、サーバ30から提供されるデータである。単語学習データ12cには、1つの問題毎に、例えば、単語学習テストに使用される単語を示す問題データ12c1、複数のユーザによる問題に対する回答データ(単語)を問題(単語)毎に集計した回答データテーブル12c2、及び問題とする単語に対する正解とする綴り(正解文字列)を示す正解データ12c3を含む。
【0028】
回答データ12dは、単語学習データ12cをもとに実施された単語学習テストにおいて、ユーザ操作(ソフトウェアキーボードに対するキー操作)により入力された、各問題(単語)に対する回答内容を示すデータである。回答データ12dは、単語学習テストの実施後に、サーバ30に送信され、複数のユーザによる問題に対する回答データ(回答文字列)を問題(単語)毎に集計した回答データテーブルの生成に供される。
【0029】
入力規則難易度データ12eは、単語学習テストを実施する際のソフトウェアキーボードを用いた文字の入力規則の難易度を示すデータである。入力規則難易度データ12eは、例えば、複数段階の何れか、例えば1(簡単)、2(普通)、3(難しい)の3段階により難易度が設定される。キーボード制御プログラム12b1は、入力規則難易度データ12eが示す難易度に応じて、ソフトウェアキーボードのキーボード配列において入力可能な文字を制限する。
【0030】
入力規則難易度データ12eは、例えば単語学習プログラム12bにより実行される設定機能において、ユーザが任意に設定できるようにしても良いし、過去の単語学習テストの実施結果に基づいて難易度が設定されるようにしても良い。実施結果に基づく難易度は、情報処理装置10において、過去の実施結果を記録しておき、単語学習プログラム12bの処理によって所定の規則(例えば正解率、正解数など)に従って判定しても良いし、サーバ30において、情報処理装置10から受信されるユーザ毎の回答データについて、単語学習管理プログラム32bの処理によって所定の規則(例えば正解率、正解数など)に従って判定しても良い。
【0031】
キーボードタイプ設定データ12fは、文字入力時に、表示部17に表示されるソフトウェアキーボードの形式(入力キーボードタイプ)を示すデータである。キーボードタイプ設定データ12fは、例えば設定機能において、ユーザ操作により指示された入力キーボードタイプに応じて設定される。
【0032】
通信部15は、インターネットやLAN(Local Area Network)、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)などを含むネットワーク8を介した、サーバ30などの他の情報処理装置と通信する通信制御、あるいは近距離の他の情報処理装置との間で、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信をする通信制御を実行する。
【0033】
入力部16は、ユーザ操作等によって各種データや指示を入力するためのもので、例えばキーボードやボタン、表示部17と一体化されたタッチパネルなどを含む。タッチパネルでは、例えば表示部17に表示されたソフトウェアキーボードに対するタッチ操作により、文字などを示すデータを入力することができる。
【0034】
表示部17は、例えばタッチパネルが積層されたタッチパネル式表示部として構成される。表示部17は、例えば液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示デバイスにより実現される。
【0035】
音声入力部18は、ユーザが発声した音声などを入力ために使用されるマイクである。
【0036】
音声出力部19は、音声、操作音、音楽などを出力するために使用されるスピーカである。
【0037】
このように構成された情報処理装置10は、CPU11が単語学習プログラム12b等の各種プログラムに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウェアとハードウェアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる機能を実現する。
【0038】
図2に示すように、サーバ30は、各種の記録媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータの構成を有し、その電子回路には、CPU(central processing unit)31が備えられる。
【0039】
CPU31は、サーバ30の全体を制御する制御部として機能する。CPU31は、メモリ32内に予め記憶されたプログラム、あるいはROMカードなどの記録媒体33から記録媒体読取部34を介してメモリ32に読み込まれたプログラム、あるいはインターネット等のネットワーク8を通じて、プログラムを提供する外部装置(サーバ等)からダウンロードされてメモリ32に読み込まれたプログラムに応じて、回路各部の動作を制御する。
【0040】
メモリ32に記憶されたプログラムは、入力部36からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは記録媒体読取部34を介して接続されるEEPROM(登録商標),RAM,ROMなどの記録媒体33との接続通信信号に応じて起動される。
【0041】
CPU31には、メモリ32、記録媒体読取部34、通信部35、入力部36、表示部37などが接続される。
【0042】
メモリ32に記憶されるプログラムとしては、装置全体を制御する基本プログラム(OS:Operating System)32aの他、各種のアプリケーションプログラムを含む。アプリケーションプログラムには、単語学習テストを情報処理装置10に提供するための単語学習管理プログラム32bが含まれる。単語学習管理プログラム32bによりCPU31は、後述する単語学習管理処理を実行する(
図5参照)。
【0043】
メモリ32には、単語学習管理プログラム32b(単語学習管理処理)の実行に関係する、単語学習データ32d、回答データベース32eなどが記憶される。
【0044】
単語学習データ32dは、情報処理装置10において単語学習テストを実施するために、サーバ30から提供されるデータである。単語学習データ32dには、1つの問題毎に、例えば、単語学習テストに使用される単語を示す問題データ32d1、複数のユーザによる問題に対する回答データ(単語)を問題(単語)毎に集計した回答データテーブル32d2、及び問題とする単語に対する正解とする綴り(正解文字列)を示す正解データ32d3を含む。
【0045】
回答データベース32eは、情報処理装置10において実施された単語学習テストにおいて、ユーザ操作(ソフトウェアキーボードに対するキー操作)により入力された、各問題(単語)に対する回答内容(回答文字列)を示す回答データが登録されるデータベースである。回答データは、情報処理装置10において単語学習テストが実施された後に、情報処理装置10から取得され、回答データベース32eに登録される。回答データベース32eに登録された回答データを1つの問題毎に集計することで回答データテーブル32d2が生成される。
【0046】
通信部35は、インターネットやLAN(Local Area Network)、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)などを含むネットワーク8を介した、情報処理装置10などと通信する通信制御、あるいは近距離の他の情報処理装置との間で、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信をする通信制御を実行する。
【0047】
入力部36は、ユーザ操作等によって各種データや指示を入力するためのもので、例えばキーボードやボタン、表示部37と一体化されたタッチパネルなどを含む。
【0048】
表示部37は、例えば液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示デバイスにより実現される。
【0049】
このように構成されたサーバ30は、CPU31が単語学習管理プログラム32b等の各種プログラムに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウェアとハードウェアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる機能を実現する。
【0050】
次に、本実施形態におけるシステムの動作について説明する。
【0051】
図3は、本実施形態における情報処理装置10の単語学習処理を示すフローチャートである。
図4は、
図3に示す単語学習処理の問題出題処理を示すフローチャートである。
図5は、本実施形態におけるサーバ30の単語学習管理処理を示すフローチャートである。
【0052】
まず、情報処理装置10において単語学習テストを実施する場合のソフトウェアキーボードにおいて入力可能な文字を制限する基本的な文字入力方法について説明する。
【0053】
基本的な文字入力方法としては、例えば、単語学習テストの実施時にソフトウェアキーボード(キーボード配列)を表示部17に表示させる場合に、単語学習テストの問題とする単語に対応する正解とする綴りにおける、回答文字の入力文字位置に基づいた、正解とする綴りの入力文字位置に対応する文字(第1文字)と第1文字以外の少なくとも1つの文字(第2文字)を入力可能とし、第1文字と第2文字以外の文字(第3文字)を入力不可とする。すなわち、キーボード配列にある全ての文字のうち、正解とする文字を含む一部の文字(第1文字と第2文字)を入力可能にし、第1文字と第2文字以外の第3文字を入力できない(入力不可能)状態に制限したソフトウェアキーボードを提供する。以下、ソフトウェアキーボードにおいて、入力が可能になっている文字を入力可能文字と呼ぶ。
【0054】
入力可能文字を制限したソフトウェアキーボードは、入力可能とする文字(第1文字、第2文字)と、入力不可とする文字(第3文字)のキーを異なる表示態様によって表示して、ユーザに対して入力可能/不可の文字(キー)を明示する。
【0055】
これにより、ユーザがわからない問題(単語)を回答する場合でも、入力可能な文字に制限をかけることによって、正しい文字を入力できる可能性が高くなるので、ユーザが回答のモチベーションを保つことができ、勉強の意欲向上に繋がることが期待できる。また、入力可能とする文字に制限したソフトウェアキーボードを表示させることで、視覚的に少ない入力可能文字から回答とする文字を選択した印象が強くなり、記憶に定着させることが期待できる。
【0056】
本実施形態における文字入力方法の応用例としては、(1)単語に対して過去に入力された回答文字に基づいて(例えば、過去の回答時に誤った文字)入力可能な文字を選択する方法(第1の方法)、(2)入力規則難易度データ12eが示す難易度に基づいて入力可能な文字を選択する方法(第2の方法)、(3)回答文字が入力可能となってからの経過時間に応じて、入力可能な文字を変更する方法(第3の方法)、(4)問題に対して入力された回答文字についての正誤判定の結果に応じて、入力可能な文字を選択する方法(第4の方法)などがある。文字入力方法の応用例((1)~(4))については後述する。
【0057】
以下の説明では、先に本実施形態における基本的な文字入力方法について説明し、文字入力方法の応用例((1)~(4))に関係する処理については省略する。
【0058】
まず、情報処理装置10を使用するユーザは、サーバ30が提供する単語学習を実施する場合、単語学習プログラム12bを起動させて、単語学習処理を開始させる。
【0059】
情報処理装置10のCPU11は、単語学習処理を開始し、通信部15を通じてサーバ30にアクセスする(
図3、ステップA1)。ここで、CPU11は、ユーザ操作により、ユーザ識別データ(例えば、ユーザIDやパスワード)を入力させて、サーバ30に送信する。また、CPU11は、ユーザ識別データと共に、情報処理装置10において単語学習処理が開始されたことを示す情報を、通信部15を介してサーバ30に送信する。
【0060】
サーバ30のCPU31は、通信部35を通じて、情報処理装置10からのアクセスがあると(
図5、ステップC1)、情報処理装置10から送信された情報処理装置10において単語学習処理が開始されたことを示す情報をもとに単語学習管理プログラム32bを起動し、同様に送信されたユーザ識別データをもとにユーザ(あるいは情報処理装置10)を識別し、予め決められた規則に従って、ユーザ(情報処理装置10)に対して提供する、例えば予め決められた問題数の単語学習テストを選択する(ステップC2)。
【0061】
例えば、CPU31は、ユーザ識別データをもとに判別されるユーザ毎に、単語学習テストの結果(例えば、正解率、単語学習テストの実施数、学習レベルなど)を記録している場合には、これらの結果をもとに単語学習テストの問題を選択することができる。また、ユーザ毎の個人情報(年齢など)を記録している場合には、個人情報をもとに単語学習テストの問題を選択することができる。また、単純にユーザが過去に実施していない単語学習を選択して提供するようにしても良い。
【0062】
CPU31は、単語学習テストの問題を選択すると、この単語学習テストの単語学習データ32dを情報処理装置10に送信する(ステップC3)。なお、例えば10問分の単語学習データ32dを選択して、まとめて情報処理装置10に送信するものとする。
【0063】
なお、基本的な文字入力方法を用いる場合には、サーバ30から情報処理装置10に送信される単語学習データ32dには、問題データ32d1と正解データ32d3が含まれていれば良い。
【0064】
一方、情報処理装置10のCPU11は、サーバ30から単語学習データ32dを受信すると、メモリ12に記憶させ(単語学習データ12c)、単語学習データ12cをもとにした単語学習を開始する(
図3、ステップA3)。
【0065】
ここで、詳細については後述する第2の方法を用いる場合には、CPU11は、メモリ12に記憶された入力規則難易度データ12eを参照して難易度を判別する(ステップA4)。第2の方法を用いない場合には、ステップA4の処理を省略することができる。
【0066】
次に、CPU11は、表示部17において単語学習テスト用の画面を表示させ(ステップA5)、問題出題処理を実行する(ステップA6(
図4))。単語学習テスト用の画面には、文字入力のためのソフトウェアキーボードが表示される。
【0067】
図6(A)(B)は、本実施形態における単語学習の問題出題時の画面の一例を示す図である。なお、
図6(A)(B)は、単語学習テスト用の初期状態の画面ではなく、問題に対して回答とする文字(
図6では2文字)が入力済みの状態を示している。問題出題時の画面には、単語学習テストの問題とする単語を表示する問題単語エリア60、回答としてソフトウェアキーボードに対する操作により入力された文字が表示される入力文字エリア61、回答完了を指示するための回答ボタン64、回答を終了して次の問題への移行を指示するためのスキップボタン65、ソフトウェアキーボードが表示されるキーボードエリア67が設けられている。
【0068】
キーボードエリア67には、キーボードタイプ設定データ12fを参照して、予め設定された入力キーボードタイプを判別し、入力キーボードタイプに対応するキーボード配列のソフトウェアキーボードが表示される。入力キーボードタイプには、例えば「qwertyキーボード」「フリック入力キーボード」がある。「qwertyキーボード」は、入力対象とする全ての文字がキーボード配列されたキーボードである。「フリック入力キーボード」は、入力対象とする全ての文字を複数のグループに分類し、グルーブ毎の代表とする文字のみがキーボード配列されたキーボードである。例えば、「ひらがな」を入力するための「フリック入力キーボード」では、五十音の「あ行」「か行」「さ行」…の文字をグループとし、「あ」「か」「さ」…の文字のキーがキーボード配列される。また、「アルファベット」を入力するための「フリック入力キーボード」では、例えば「ABC」「DEF」「GHI」…の文字をグループとし、グループの代表とする「A」「D」「G」…の文字のキーがキーボード配列される。「フリック入力キーボード」では、キーボード配列された文字のキーを選択(タブレットに対するタッチ)することで、グループ内の他の文字のキーが選択されたキーの周囲に表示されて選択可能となる。
【0069】
図6(A)(B)は、「qwertyキーボード」タイプのソフトウェアキーボードが表示された例を示し、後述する
図8(A)(B)は、「フリック入力キーボード」タイプのソフトウェアキーボードが表示された例を示している。
【0070】
なお、「qwertyキーボード」「フリック入力キーボード」とは異なる他の入力キーボードタイプのソフトウェアキーボードが表示されても良い。
【0071】
CPU11は、第1問の単語学習テストの問題データ12c1をもとに、問題単語エリア60に問題とする単語を表示させる(
図4、ステップB1)。また、CPU11は、単語の表示開始と共に、問題に対する回答文字が入力可能となってからの経過時間Tの計測を開始する(ステップB2)(経過時間Tは後述する第3の方法に用いる)。
【0072】
CPU11は、問題に対する回答文字の入力文字位置に対応したソフトウェアキーボードを表示させるために、問題に対する正解文字列の文字数と、現在までの入力文字数とを比較する。ここで、正解文字列の文字数の方が入力文字数より多い場合、すなわち問題に対する回答として必要な文字数分の回答文字が入力されていない場合(ステップB3、Yes)、CPU11は、ソフトウェアキーボードにおいて入力可能とする文字として、正解文字列から「入力文字数+1文字目」の文字(「A」と表す)を取得する(ステップB4)。すなわち、問題とする単語に対する回答文字の入力文字位置に対応した正解文字列の該当する文字(回答文字として入力すべき正解の文字(第1文字))を取得する(ステップB4)。
【0073】
なお、CPU11は、問題に対する回答として必要な文字数分の回答文字が入力済みの場合(ステップB3、No)、ソフトウェアキーボードにおいて入力可能とする文字の取得はしない。
【0074】
次に、CPU11は、先に取得した文字(A)の他に、ソフトウェアキーボードにおいて入力可能とする少なくとも1つの文字(第2文字)を取得するための処理を実行する(ステップB5~B9)。
【0075】
まず、CPU11は、現在の問題出題時の画面のキーボードエリア67に表示されたソフトウェアキーボードの入力キーボードタイプを、キーボードタイプ設定データ12fを参照して判別する。
【0076】
入力キーボードタイプが「qwertyキーボード」である場合(ステップB5、qwertyキーボード)、CPU11は、ソフトウェアキーボードのキーボード配列に含まれる先に取得した文字(A)を除く複数の文字から、予め決められた条件に基づいて、少なくとも1つの文字(第2文字)、ここでは複数の文字(B1,B2,…,Bn)を選択する(ステップB6)。
【0077】
複数の文字(B1,B2,…,Bn)は、予め決められた数の文字を、例えば(1)ランダムに選択する、(2)文字(A)に応じて選択する、(3)問題とする単語に応じて選択する、(4)問題とする単語に対する正解とする綴り(正解文字列)に応じて選択することができる。
【0078】
(1)ランダムに選択する場合、複数の文字(B1,B2,…,Bn)の文字数(n)は、予め決められた一定の数としても良いし、入力文字数に応じて変更しても良い。例えば、入力文字数が少ない場合には選択数を少なくすることで、入力可能文字を少なくすることができ、正解とする文字を回答しやすくすることができる。また、逆に、入力文字数が少ない場合には選択数を多くしても良いし、入力文字数毎に選択数を変更しても良い。
【0079】
(2)文字(A)に応じて選択する場合には、例えば文字(A)のキーボード配列中の位置に応じて他の文字を選択することがきる。
【0080】
(3)問題とする単語に応じて選択する場合には、問題に対して一般的に誤りやすいとされている回答の文字を選択することができる。
【0081】
(4)問題とする単語に対する正解とする綴り(正解文字列)に応じて選択する場合には、例えば、正解とする綴り(正解文字列)に対して一般的に誤りやすいとされている綴りの文字を取得する。
【0082】
また、複数の文字(B1,B2,…,Bn)の文字数(n)を取得する条件については前述に限定されるものではない。なお、文字入力方法の応用例((1)~(4))を用いた取得については後述する。
【0083】
CPU11は、キーボード配列において、回答文字として正解とする文字(A)と複数の文字(B1,B2,…,Bn)を入力可能とし、その他の文字を入力不可としたソフトウェアキーボードをキーボードエリア67に表示させる(ステップB7)。
【0084】
ここで、CPU11は、ユーザ操作による指示待ち状態となる。CPU11は、入力部16のタッチパネルに対するタッチ操作を検出した場合、タッチ位置が何れのエリアに対するタッチ操作であるかを判別して、タッチされた位置に応じた処理を実行する。
【0085】
ここで、キーボードエリア67に表示されたソフトウェアキーボードに対するタッチ操作があった場合、CPU11は、タッチ位置が入力可能とする文字に対応するキーエリアであれば、タッチ位置に応じた文字が入力されたものと判別する(ステップB10、Yes)。CPU11は、入力された文字を入力文字エリア61に表示させ、当該表示された回答文字を回答データ12dとして、メモリ12に記憶させる。また、CPU11は、回答文字が入力可能となってからの経過時間Tの計測を停止(停止した時点の経過時間Tが示す値のデータは保持)して、測定した経過時間Tを示すデータをメモリ12に一時的に記憶させておく(ステップB11)。
【0086】
一方、ソフトウェアキーボードに対するタッチ操作であっても、タッチ位置が入力不可とする文字に対応するキーエリアであれば、CPU11は、タッチ操作を無効とする(ステップB10、No)。すなわち、CPU11は、タッチ位置に応じた文字が入力されないものとし、入力文字エリア61の表示を更新しない。
【0087】
キーボードエリア67に表示されたソフトウェアキーボードは、正解とする文字を含む、一部の文字のみが入力可能となっているので、ユーザがわからない問題(単語)を回答する場合であっても、正しい文字を入力できる可能性が高くなり、ユーザの回答するモチベーションを保つことができる。また、入力可能とする文字が制限されたソフトウェアキーボードから回答とする文字を選択するため、文字を選択した印象が強くなり、記憶定着に繋がることが期待できる。
【0088】
CPU11は、回答文字が入力されると、次の回答文字を入力するための処理を前述と同様にして実行する(ステップB2~B5,B6,B7,B10~B12)。なお、初回のステップB2の処理では経過時間Tの初期値(例えば0秒)から計測を開始し、2回目以降のステップB2の処理では、この前に実行されたステップB11において計測を停止した時点の経過時間Tから計測を再開する。
【0089】
図6(A)(B)は、問題とする単語が「りんご」であり、この単語に対する正解が「apple」とする例を示している。この場合、1文字目の回答文字(アルファベット)を入力する場合、ソフトウェアキーボード(キーボード配列)の1文字目の正解とする文字「a」と、予め決められた条件に基づいて取得された複数の文字「d」、「s」、「k」、「l」、「g」、「o」、「b」、「s」、「f」、「n」、「p」のキーのみを入力可能とする。
【0090】
同様にして、2文字目の回答文字を入力する場合、2文字目の正解とする文字「p」と「o」「l」「k」「j」「u」「y」「t」「g」「v」「c」のキーのみを入力可能とし、3文字目の回答文字を入力する場合、3文字目の正解とする文字「p」と「i」「u」「h」「b」「v」「c」「d」「e」「w」のキーのみを入力可能とし、4文字目の正解とする文字「l」と「r」「i」「o」「j」「b」「m」のキーのみを入力可能とし、5文字目の正解とする文字「e」と「u」「w」「h」「v」「y」のキーのみを入力可能とする。さらに、6文字目以降の回答文字が入力される場合、適当な複数の文字を選択して入力可能とすることができる。
【0091】
図6(A)は、2文字の回答文字が入力済みの状態であるため、問題に対する3文字目の回答文字の入力文字位置に対応したソフトウェアキーボードがキーボードエリア67に表示されている。すなわち、3文字目の正解とする文字「p」を含む、複数の文字「i」「u」「h」「b」「v」「c」「d」「e」「w」が入力可能とされている。
【0092】
なお、キーボードエリア67に表示されるソフトウェアキーボードにおいて、入力可能とする文字のキーと入力不可とする文字のキーとを異なる表示態様によって表示する。
図6(A)に示す例では、入力可能とする文字のキーについては、通常時と同じ表示態様(例:黒色)とし、入力不可とする文字のキーを薄い色(例:薄い灰色)によって表示したり、非表示にしたりすることができる。
【0093】
なお、文字(キー)の表示態様については、キーの文字や背景の色、キーの文字のフォントや文字サイズなどについて、入力可能とする文字のキーと入力不可とする文字のキーとが識別可能となるように異なればよく、前述以外の表示態様を用いることも可能である。
【0094】
図6(A)に示す状態において、3文字目の回答文字「p」が入力されると、
図6(B)に示すように、4文字目の回答文字を入力するためのソフトウェアキーボードが表示される。すなわち、キーボード配列中の4文字目の正解とする文字「l」と複数の「r」「io」「j」「b」「m」のキーのみが入力可能な状態で表示されている。
【0095】
こうして、回答文字の入力文字数(回答文字における、次に入力する文字の位置(1文字目、2文字目等))に応じて、キーボード配列にあるキーのうち、入力可能とする文字と入力不可とする文字を変更することができる。
【0096】
なお、問題出題時の画面において、スキップボタン65に対するタッチ操作が検出された場合(ステップB13、Yes)、CPU11は、現在の問題の処理を中止して、次の問題の処理に移行して、前述と同様の処理を実行する(
図3(ステップA6)、
図4(ステップB1~))。
【0097】
また、問題出題時の画面において、回答ボタン64に対するタッチ操作が検出された場合(ステップB14、Yes)、CPU11は、回答データ12dが示す入力済みの回答文字について、正解データ12c3と比較して正誤判定を実行する(ステップB15)。また、CPU11はステップB15において経過時間Tの計測を停止し、問題単語エリア60に表示された単語に対するユーザの回答時間となる経過時間Tを、対応する回答データ12dと対応付けて記憶させる。CPU11は、正誤判定を終了すると、単語学習テストの正誤判定結果用の画面を表示部17に表示させて問題出題処理を終了する(ステップB16)。こうして、正誤判定結果を出力することで、単語学習テストの実施による成果を確認することができ、単語学習テストを利用した学習のモチベーションを維持することができる。
【0098】
図7は、本実施形態における正誤判定結果用の画面の一例を示す図である。
【0099】
正誤判定結果用の画面では、例えば入力文字エリア61において、正誤判定結果70が表示される。
図7では、正誤判定によって正解と判定されたことを表す「正解」の文字が表示されている。なお、正誤判定によって不正解と判定された場合には「不正解」の文字が表示される。
【0100】
また、正誤判定結果用の画面では、回答ボタン64とスキップボタン65に代えて、次の問題への移行を指示するための次問題ボタン68と単語学習テストの中止を指示するための中止ボタン69が表示される。
【0101】
正誤判定結果用の画面において、次問題ボタン68に対するタッチ操作が検出された場合(
図3、ステップA8、Yes)、CPU11は、次の問題を対象とする問題出題処理を前述と同様にして実行する(ステップA6)。
【0102】
また、正誤判定結果用の画面において、中止ボタン69に対するタッチ操作が検出された場合(
図3、ステップA9、Yes)、CPU11は、実施済みの各問題(単語)に対する回答内容(回答文字列)を示す回答データ12dと、当該回答データ12dに対応付けられている回答時間(経過時間T)をサーバ30に送信して(ステップA10)、単語学習処理を終了する。なお、問題出題処理を終了した結果、全ての問題について回答済みとなった場合には(ステップA7、Yes)、CPU11は、前述と同様にして、回答データ12d及び回答時間をサーバ30に送信して(ステップA10)、単語学習処理を終了する。
【0103】
前述した説明では、「qwertyキーボード」を対象としているが(
図6、
図7)、次に、「フリック入力キーボード」である場合について説明する。
【0104】
入力キーボードタイプが「フリック入力キーボード」である場合(
図4、ステップB5、フリック入力)、CPU11は、ソフトウェアキーボードのキーボード配列に含まれる複数の文字から、予め決められた条件に基づいて、入力可能とする文字を入力するための(グループに含まれる)少なくとも1つのキーの文字(第2文字)、ここでは複数のキーの文字(B1,B2,…,Bn)を選択する。すなわち、入力可能とする文字を含むグループの代表とする文字のキーを選択する。
【0105】
ここでは、前述した入力キーボードタイプが「qwertyキーボード」と同様にして、問題とする単語に対する回答文字の入力文字位置に対応した正解文字列の該当する文字(A)(第1文字)と文字(A)を除く複数の文字から選択した文字(第2文字)を入力可能とする文字とする(ステップB9)。
【0106】
図8(A)(B)は、本実施形態における「フリック入力キーボード」タイプのソフトウェアキーボードが表示された例を示している。
【0107】
図8(A)(B)は、問題とする単語が「海鼠」であり、この単語に対する正解が「なまこ」とする例を示している。この場合、1文字目の回答文字(ひらがな)を入力する場合、ソフトウェアキーボード(キーボード配列)の1文字目の正解とする文字「な」(第1文字)を含むグループ(な行)の代表の文字「な」と、予め決められた条件に基づいて取得された複数の第2文字を含むグループ(あ行、か行、さ行、ら行)の文字のみを入力可能とする。
【0108】
ここで、1文字目の回答文字「な」が入力されると、CPU11は、
図8(B)に示すように、ソフトウェアキーボードの入力可能な文字と入力不可の文字を変更する。この場合、2文字目の正解とする文字「ま」(第1文字)を含むグループ(ま行)の代表の文字「ま」と、例えば、予め決められた条件に基づいて取得された複数の第2文字を含むグループ(か行、た行、ら行)の文字のみを入力可能とする。
【0109】
同様にして、2文字目の回答文字「ま」が入力されると、CPU11は、ソフトウェアキーボードにおいて、3文字目の正解とする文字「こ」(第1文字)を含むグループ(か行)の代表の文字「か」と、例えば、予め決められた条件に基づいて取得された複数の第2文字を含むグループ(あ行、や行)の文字のみを入力可能とする。さらに、4文字目以降の回答文字が入力される場合、適当な複数の文字を選択して入力可能とすることができる。
【0110】
なお、「フリック入力キーボード」タイプでは、キーボード配列された文字のキーを選択することで、グループ内の他の文字のキーが選択されたキーの周囲に表示される。例えば、
図8(A)に示すソフトウェアキーボードにおいて、「な」のキーがタッチされた場合、「な」のキーの周囲に同じグループの「に」「ぬ」「ね」「の」のキーが表示される。この時、「に」「ぬ」「ね」「の」の文字のうち、入力可能とする文字と入力不可とする文字を表示させるようにしても良い。
【0111】
このようにして、「フリック入力キーボード」タイプのソフトウェアキーボードを用いる場合であっても、前述した「qwertyキーボード」タイプのソフトウェアキーボードを使用する場合と同様の作用効果を得ることが可能である。
【0112】
次に、本実施形態における文字入力方法の応用例について説明する。
【0113】
まず、(1)単語に対して過去に入力された回答文字に基づいて(例えば、過去の回答時に誤った文字)入力可能な文字(第2文字)を選択する第1の方法について説明する。
【0114】
前述したように、単語学習テストを実施した情報処理装置10は、単語学習処理を終了すると、回答データ12dと、当該回答データ12dに対応付けられている回答時間(経過時間T)をサーバ30に送信する(ステップA10)。サーバ30のCPU31は、単語学習データ32dの送信に対して、この単語学習データ32dに基づいて実施された単語学習テストの回答データ12d及び回答時間を受信すると(ステップC4)、問題(単語)毎に回答データ12dが示す回答内容(回答文字列)を分類して回答データベース32eに登録する。
【0115】
CPU31は、任意のタイミングで回答データベース32eに登録された問題(単語)毎に分類された回答内容(回答文字列)をもとに、問題(単語)毎の回答データテーブル32d2を更新する(ステップC6)。すなわち、複数のユーザが単語学習テストを実施した結果を単語毎に集計する。
【0116】
図9は、本実施形態における回答データテーブル32d2の一例を示す図である。
図9は、問題(単語)とする単語「奮闘する」(正解文字列「struggle」)に対する単語学習テストを複数のユーザが実施することで集計された回答データテーブル32d2を示している。
【0117】
回答データテーブル32d2では、複数のユーザ(ユーザID)から取得された回答データが示す回答文字列と正誤判定の結果が登録される。回答データテーブル32d2では、正解文字列「struggle」に対する各文字位置における誤入力された回答文字を特定することができる。
【0118】
サーバ30は、情報処理装置10に対して単語学習データ32dを提供する場合に、問題データ32d1及び正解データ32d3と共に、回答データテーブル32d2を提供する。
【0119】
情報処理装置10で実行される単語学習処理(単語学習プログラム12b)では、ソフトウェアキーボードにおいて入力可能とする文字を選択する際に、回答データテーブル32d2を参照して、回答文字の入力位置において誤入力されている文字を取得する。
【0120】
例えば、
図9に示す回答データテーブル32d2の場合、問題とする単語「奮闘する」に対して1文字目に入力された回答文字において、誤入力されている文字が「f」、「g」、「h」であるため、文字「f」、「g」、「h」を入力可能とする文字として選択する。
【0121】
入力可能とする文字の数が決められている場合には、誤入力されている数が多い文字から順番に、必要とする数に到達するまで取得する。また、全ての誤入力された文字を選択しても、入力可能とする文字の数に到達しない場合には、その他の文字から例えばランダムに取得するようにしても良い。
【0122】
同様にして、1文字目に回答文字「s」が入力された場合、2文字目を入力する際のソフトウェアキーボードにおいて入力可能とする文字として、正解文字「s」に続いて回答文字として誤入力された文字「c」、「k」を優先して取得する。
【0123】
続いて、2文字目に回答文字「t」が入力された場合、3文字目を入力する際のソフトウェアキーボードにおいて入力可能とする文字として、正解文字「s」「t」に続いて回答文字として誤入力された文字「l」、「r」を優先して取得する。
【0124】
以降、同じ規則で回答文字の入力位置に応じて、入力可能な文字(第2文字)を取得して、入力可能な文字を制限したソフトウェアキーボードを表示させる。
【0125】
このようにして、単語学習テストを実施したユーザが実際に回答文字として誤入力した文字を含むように、ソフトウェアキーボードにおいて入力可能とする文字を制限することで、回答文字を入力する際にユーザが悩み易くなり、回答とする文字を選択した印象がより強くなり、記憶定着に繋がることが期待できる。
【0126】
なお、前述した説明では、サーバ30において複数のユーザによる回答データを集計して回答データテーブル32d2を作成するとしているが、例えば情報処理装置10において回答データテーブル12c2を作成するようにしても良い。すなわち、情報処理装置10(単語学習プログラム12b)は、ユーザが単語学習テストを実施した結果として、回答データを単語毎に集計することで回答データテーブル12c2を作成し、回答データテーブル12c2をもとにソフトウェアキーボードにおいて入力可能とする文字を取得する。これにより、ユーザ自身が過去に回答文字として誤入力した文字を含むように文字を制限したソフトウェアキーボードを提供することができ、過去の誤入力を修正して回答文字を選択することになるので、学習効果を期待することができる。
【0127】
また、前述した説明では、単語学習プログラム12bによる単語学習処理により、回答データテーブル12c2をもとに入力可能とする文字(過去に誤入力された文字)を取得しているが、単語学習プログラム12bにAI(Artificial Intelligence)機能を設けることで、入力可能とする文字を取得できるようにしても良い。この場合、AI機能にはサーバ30において集計された複数のユーザによる回答データ、あるいはユーザ毎の回答データを学習させておくことで、過去の回答文字の誤入力に基づいて、前述と同様にして入力可能とする文字を取得できる。
【0128】
さらに、情報処理装置10の単語学習プログラム12bにAI機能を設けるのではなく、サーバ30の単語学習管理プログラム32bに、複数のユーザによる回答データを学習したAI機能を設けても良い。この場合、情報処理装置10は、単語学習テストを実施する際に、単語学習テストの問題に対してユーザ操作によって入力された回答文字(回答データ)及び回答時間をサーバ30に送信し、サーバ30のAI機能によって入力可能とする文字を取得させる。情報処理装置10(単語学習プログラム12b)は、サーバ30によって取得された文字を示すデータを受信して、このデータに応じて入力可能な文字を制限したソフトウェアキーボードを前述と同様に表示させる。
【0129】
次に、(2)入力規則難易度データ12eが示す難易度に基づいて入力可能な文字を選択する第2の方法について説明する。
【0130】
例えば、入力規則難易度データ12eをユーザの操作によって予め設定しておくことにより、入力規則難易度データ12eが示す入力規則の難易度に応じて、ソフトウェアキーボードにおいて入力可能とする文字の数を変更する。例えば、入力規則の難易度が1(簡単)、2(普通)、3(難しい)の3段階により設定されるものとする。この場合、難易度1(簡単)であれば入力可能な文字の文字数を4、難易度2(普通)であれば入力可能な文字の文字数を5、難易度3(難しい)であれば入力可能な文字の文字数を6とする。
【0131】
これにより、入力可能な文字を、ユーザの希望する難易度に応じて制限したソフトウェアキーボードを提供できるので、ユーザの単語学習テストに対するモチベーションを保つことができる。
【0132】
次に、(3)回答文字が入力可能となってからの経過時間に応じて、入力可能な文字を変更する第3の方法について説明する。
【0133】
図10及び
図11は、本実施形態における単語学習テストの問題「豆」に対して正解とする回答文字列「bean」が入力された例を示している。
【0134】
図10(A)に示すように、1文字目を入力する際には、正解とする文字「b」と複数の文字「w」「u」「s」「k」「v」とを入力可能な文字とするソフトウェアキーボードが表示されている。
図10及び
図11に示すソフトウェアキーボードでは、入力可能な文字(アルファベット)が、大きさの異なる円形内に表示された表示態様が用いられている。これにより、入力可能な文字と入力不可とする文字とを容易に識別可能となっている。
【0135】
1文字目の回答文字「b」が入力され、2文字目を入力する際には、
図10(B)に示すように、正解とする文字「e」と複数の文字「y」「i」「o」「a」「m」とを入力可能な文字とするソフトウェアキーボードが表示されている。以下、同様にして、3文字目を入力する際には
図10(C)、4文字目を入力する際には
図11(A)に示すように、文字の入力位置に応じて取得された文字を入力可能な文字としてキーボードエリア67に表示される。
図11(B)では、回答ボタン64に対するタッチ操作されることにより入力された回答文字列「bean」に対して正誤判定処理が実行され、
図11(C)により正誤判定結果70(「正解」)が表示されている。
【0136】
第3の方法を用いる場合、CPU11は、ステップB2において計測を開始した経過時間Tに応じて、例えば入力可能として表示していた文字を1文字毎に入力不可に変更していく。この場合、正解とする文字(第1文字)については、常に入力可能として表示し、それ以外の文字(第2文字)から入力不可に変更する文字を例えばランダムに1文字ずつ選択する。
【0137】
こうして、時間経過Tに応じて入力可能な文字が1文字ずつ入力不可に変更していくことで、入力可能な文字が時間経過Tに伴って少なくなっていく。すなわち、回答文字の選択肢が少なくなっていくので、学び始めのユーザであっても単語学習テストに対する回答が容易となり、モチベーションを保つことができる。
【0138】
なお、
図10及び
図11に示すように、ソフトウェアキーボードの表示態様において、経過時間Tに応じて文字(円形)のサイズを変更させても良い。サイズの変更規則としては、例えば不規則に変更させても良いし、経過時間Tに応じて正解とする文字(
図10(A)の場合には文字「b」)のサイズを大きくすることで、正解とする文字を選択しやすくしても良い。
【0139】
また、大きさの異なる円形内に文字を表示する表示態様に限らず、キーの文字や背景の色、キーの文字のフォントを変更するなど、他の表示態様を用いることが可能である。
【0140】
次に、(4)問題に対して入力された回答文字についての正誤判定の結果に応じて、入力可能な文字を選択する第4の方法について説明する。
【0141】
第4の方法を用いる場合、CPU11は、問題に対して入力される回答文字について、正解データ12c3をもとに1文字毎に正誤判定を実行する。CPU11は、問題に対して回答文字が入力されると正誤判定を実行し、正解と判定された場合には、次の回答文字を入力するためのソフトウェアキーボードにおいて入力可能とする文字数を予め設定された基準数より少なくし、不正解と判定された場合には、次の回答文字を入力するためのソフトウェアキーボードにおいて入力可能とする文字数を予め設定された基準数より多くする。さらに、連続して正解した場合には、少なくした文字数をさらに少なくしても良いし、連続して不正解した場合には、多くした文字数をさらに多くするようにしても良い。
【0142】
なお、入力可能とする文字の文字数を少なく/多くする場合には、予め決められた文字数(例えば1文字)毎としたり、正解とする文字列の長さに応じて変更したり(例えば、正解とする文字列が長くなるほど、1文字→2文字に変更する)、あるいはランダムに少なく/多くする文字数を変更することも可能である。
【0143】
あるいは、前述した場合とは逆に、正解と判定された場合には入力可能とする文字数を多くし、不正解と判定された場合には少なくしても良い。
【0144】
これにより、実際に問題に対して入力された回答文字の正誤判定の状況、すなわちユーザのレベルに合わせて動的にソフトウェアキーボードにおける入力可能とする文字の数を変更させることができるので、ユーザに合わせたソフトウェアキーボードの表示制御をすることができる。従って、ユーザの単語学習テストに対するモチベーションを保つことができる。
【0145】
さらに、第4の方法では、回答文字についての正誤判定の結果に加えて、回答文字が入力されるまでの経過時間Tを組み合わせて、ソフトウェアキーボードにおける入力可能とする文字の文字数を変更することもできる。
【0146】
この場合、CPU11は、回答文字が入力される毎に、正誤判定の結果と回答文字が入力されるまでの経過時間Tの組合せに応じて、次の回答文字を入力するためのソフトウェアキーボードにおいて入力可能とする文字の文字数(第2文字の選択数)を決定する。
【0147】
例えば、1文字目の回答文字の入力に応じて、次のようにして入力可能とする文字の文字数(第2文字の選択数)を決定することができる。
【0148】
(1)回答文字が正解&経過時間T1が基準値未満の場合、入力可能とする文字の文字数を基準数より少ない数(K1)にする。
【0149】
(2)回答文字が正解&経過時間T1が基準値以上の場合、入力可能とする文字の文字数を基準数より多い数(K2)にする。
【0150】
(3)回答文字が不正解&経過時間T1が基準値未満の場合、入力可能とする文字の文字数を基準数より多い数(K3)にする。
【0151】
(4)回答文字が不正解&経過時間T1が基準値以上の場合、入力可能とする文字の文字数を基準数より多い数(K4)にする。
【0152】
ここで、入力可能とする文字の文字数は、K1<K2<K3<K4の関係となるようにする。
【0153】
同様にして、2文字目以降の回答文字の入力に応じて、回答文字に対する正誤判定結果(正解/不正解)と経過時間T(T2,T3…)の組合せに応じて、前述と同様にして、ソフトウェアキーボードにおける入力可能とする文字の文字数を決定する。
【0154】
なお、前述した例では、K1<K2<K3<K4の関係となるように文字数を決定しているが、K4<K3<K2<K1の関係となるように文字数を決定しても良い。何れの関係に基づいて文字数を決定するかは、予め決められていても良いし、ユーザが任意設定できるようにしても良い。
【0155】
また、(1)回答文字が正解&経過時間T1が基準値未満の場合にのみ文字数を基準数より少なくしているが、(1)~(2)の場合、あるいは(1)~(3)の場合に文字数を少なくしても良い。
【0156】
図12は、本実施形態における問題とする単語「明日」、正解「tomorrow」とする場合のソフトウェアキーボードの表示例を示す図である。
【0157】
図12(A)では、例えば3文字目までの回答文字列「tom」が入力された状態を示している。この場合、3文字目の回答文字「m」については正誤判定により正解と判定される。
【0158】
3文字目の回答文字「m」が入力されるまでの経過時間T3が基準値以上の場合には、
図12(B)に示すように、4文字目の正解とする文字「o」の他に、4文字「w」「r」「u」「m」が入力可能な文字として選択されている。一方、経過時間T3が基準値未満の場合には、
図12(C)に示すように、4文字目の正解とする文字「o」の他に、2文字「r」「m」のみが入力可能な文字として選択されている。
【0159】
なお、前述した説明では、回答文字に対する正誤判定結果(正解/不正解)と経過時間T(T2,T3…)の組合せに応じて、入力可能とする文字の文字数を決定しているが、経過時間Tのみに基づいて、入力可能とする文字の文字数を多く/少なくするようにしても良い。
【0160】
このようにして、回答文字を入力するまでに要する時間(経過時間T)に応じて、動的にソフトウェアキーボードにおける入力可能とする文字の数を変更させることができる。すなわち、ユーザのレベルによって回答文字の入力に要する時間が異なる場合があるので、ユーザに合わせたソフトウェアキーボードの表示制御をすることができる。従って、ユーザの単語学習テストに対するモチベーションを保つことができる。
【0161】
なお、前述した文字入力方法の応用例(1)~(4)は、任意に組み合わせて実施することができる。
【0162】
また、前述した実施形態では、サーバ30と情報処理装置10とが協働して、情報処理装置10において単語学習テストを実施する場合について説明しているが、情報処理装置10のみで単語学習テストを実施することも可能である。この場合、メモリ12には、単語学習プログラム12bと共に単語学習テストの複数の問題に対応する単語学習データ12cが記憶される。単語学習プログラム12bは、単語学習処理を実行する際に、ユーザに対して提供する問題の問題データ12c1と正解データ12c3を取得して、前述と同様の処理を実行すれば良い。
【0163】
また、前述した実施形態では、情報処理装置10(単語学習プログラム12b)による単語学習処理によって、単語学習テストの際のソフトウェアキーボードの表示制御をしているが、サーバ30によるキーボード制御処理によってソフトウェアキーボードの表示制御をしても良い。この場合、情報処理装置10は、単語学習テストの問題に対して回答文字が入力される毎に回答データ12dをサーバ30に送信する。サーバ30は、情報処理装置10から受信される回答データに応じて、前述のようにソフトウェアキーボードの入力可能とする文字を選択して情報処理装置10に対して通知する。情報処理装置10は、サーバ30からの通知に応じて、入力可能な文字が制限されたソフトウェアキーボードを表示する。
【0164】
これにより、サーバ30と情報処理装置10とが協働して、情報処理装置10におけるソフトウェアキーボードの表示制御(文字入力方法)を実現することで、情報処理装置10の処理負担の軽減を図ることができる。
【0165】
また、ソフトウェアキーボードの表示を制御するキーボード制御プログラム12b1は、単語学習プログラム12bに含まれるとしているが、キーボード制御プログラム12b1と独立したプログラムとして提供することもできる。この場合、キーボード制御プログラム12b1は、単語学習テスト用にソフトウェアキーボードを表示させる場合だけでなく、例えば文章を入力する場合などにおいて、キーボード配列において入力可能な文字を制限する文字入力方法を提供することができる。
【0166】
また、前述した説明では、ソフトウェアキーボードとして、英語(アルファベット)と日本語(ひらがな)を入力する例を対象としているが、他の言語(中国語、韓国語、アラビア語など)を対象とすることも可能である。
【0167】
また、実施形態において記載した手法、すなわちフローチャートに示す処理等の各手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記録媒体に格納して配布することができる。そして、コンピュータは、外部記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、実施形態において説明した機能と同様の処理を実現することができる。
【0168】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワーク(インターネット)上を伝送させることができ、このネットワークに接続されたコンピュータからプログラムデータを取り込み、前述した実施形態と同様の機能を実現することもできる。
【0169】
なお、本願発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0170】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0171】
[1]
コンピュータが、
単語と、前記単語に対応する綴りを取得し、
前記単語に関連する前記綴りに対する回答文字の入力文字位置に対応する前記綴りのうちの第1文字と、前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字を入力可能とし、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字を入力不可とした、複数の文字のそれぞれに対応する複数のキーを含むキーボード配列を表示部に表示させる、文字入力方法。
【0172】
[2]
入力部から入力された回答文字によって変更された前記入力文字位置に応じて、前記変更された前記入力文字位置に対応する前記第1文字と前記第2文字とを入力可能に、前記入力可能とされた前記第1文字と前記第2文字以外の前記第3文字を入力不可に変更する、[1]記載の文字入力方法。
【0173】
[3]
前記単語に対する回答として記憶された複数の回答文字列のうち不正解と判定された回答文字列に基づいて、前記キーボード配列の中から取得した前記第2文字を入力可能として、前記表示部に前記キーボード配列を表示させる、[1]または[2]記載の文字入力方法。
【0174】
[4]
複数段階の何れかを示す難易度を予め設定し、
前記難易度に応じて、前記第2文字の数を決定する、[1]~[3]の何れかに記載の文字入力方法。
【0175】
[5]
前記回答文字が入力可能となってからの経過時間、または前記回答文字と前記第1文字との正誤判定の結果の少なくとも何れか一方に応じて、前記第2文字の数を決定する、[1]~[4]の何れかに記載の文字入力方法。
【0176】
[6]
前記回答文字が入力可能となってからの経過時間に応じて、前記キーボード配列における前記第2文字の表示態様を変更させる、[1]~[5]の何れかに記載の文字入力方法。
【0177】
[7]
前記単語に対して入力された回答文字列と前記綴りとを比較し、前記比較の結果を前記表示部に表示させる、[1]~[6]の何れかに記載の文字入力方法。
【0178】
[8]
制御部を有する情報処理装置において、
前記制御部は、
単語と、前記単語に対応する綴りを取得し、
前記単語に関連する前記綴りに対する回答文字の入力文字位置に対応する前記綴りのうちの第1文字と前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字を入力可能とし、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字を入力不可とした、複数の文字のそれぞれに対応する複数のキーを含むキーボード配列を表示部に表示させる情報処理装置。
【0179】
[9]
コンピュータが、
単語と、前記単語に対応する綴りを情報処理装置に提供し、
前記情報処理装置から前記単語に関連する前記綴りに対する回答文字を取得し、
前記回答文字の入力文字位置に対応する前記綴りのうちの第1文字と前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字を入力可能とし、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字を入力不可とした、複数の文字のそれぞれに対応する複数のキーを含むキーボード配列を前記情報処理装置の表示部に表示させる、文字入力方法。
【0180】
[10]
前記情報処理装置から取得された前記回答文字よって変更された前記入力文字位置に応じて、前記変更された前記入力文字位置に対応する前記第1文字と前記第2文字とを入力可能に、前記入力可能とされた前記第1文字と前記第2文字以外の前記第3文字を入力不可に変更する、[9]記載の文字入力方法。
【0181】
[11]
前記単語に対する回答として記憶された複数の回答文字列のうち不正解と判定された回答文字列に基づいて、前記キーボード配列の中から取得した前記第2文字を入力可能として、前記表示部に前記キーボード配列を表示させる、[9]または[10]記載の文字入力方法。
【0182】
[12]
コンピュータに、
単語と、前記単語に対応する綴りを取得し、
前記単語に関連する前記綴りに対する回答文字の入力文字位置に対応する前記綴りのうち第1文字と前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字を入力可能とし、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字を入力不可とした、複数の文字のそれぞれに対応する複数のキーを含むキーボード配列を表示部に表示させるためのプログラム。
【0183】
[13]
コンピュータに、
単語と、前記単語に対応する綴りを情報処理装置に提供させ、
前記情報処理装置から前記単語に対する回答文字を取得させ、
前記回答文字の入力文字位置に対応した前記綴りの該当する第1文字と前記第1文字以外の少なくとも1つの第2文字を入力可能とし、前記第1文字と前記第2文字以外の第3文字を入力不可とした、複数の文字のそれぞれに対応する複数のキーを含むキーボード配列を前記情報処理装置の表示部に表示させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0184】
8…ネットワーク、10…情報処理装置、11,31…CPU、12,32…メモリ、12a,32a…基本プログラム、12b…単語学習プログラム、12c,32d…単語学習データ、12c1,32d1…問題データ、12c2,32d2…回答データテーブル、12c3,32d3…正解データ、12d…回答データ、12e…入力規則難易度データ、13,33…記録媒体、14,34…記録媒体読取部、15,35…通信部、16,36…入力部、17,37…表示部、18…音声入力部、19…音声出力部、30…サーバ、32b…単語学習管理プログラム、32e…回答データベース。